JP2008144726A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】排気絞り弁の作動状態に応じた再生処理を行うことにより、フィルタの再生をより好適に行うことのできる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】エンジン1の排気通路26には、排気中の粒子状物質を捕集するフィルタ32と排気の流量を制限する排気絞り弁35とが設けられている。制御装置25は、機関運転状態に基づいて排気絞り弁35の作動状態を制御するとともに燃料噴射弁4の噴射時期を制御してポスト噴射を行うことによりフィルタ32の再生を行う。そして、制御装置25は、排気絞り35弁の作動時におけるポスト噴射の噴射量を、排気絞り弁35の非作動時における噴射量よりも減量する。
【選択図】図1

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化装置に関するものである。
内燃機関の排気通路に設けられる排気浄化装置として、排気中のPM(Particulate Matter:粒子状物質)を捕集するフィルタを備える装置が知られている。
こうした排気浄化装置では、フィルタに捕集されたPMの量が増大するにつれて同フィルタでの圧力損失が増大し、その結果、機関出力等に悪影響を与えるようになる。そこで、フィルタの温度を上げて捕集されたPMを燃焼させるといった再生処理が行われる。
この再生処理の制御態様として、特許文献1に記載の装置では、主燃料噴射時期から遅れた時期に再度行われる燃料噴射、いわゆるポスト噴射を実行して燃料を排気通路に供給し、この燃料の酸化熱を利用して排気の温度を上昇させることにより、フィルタの温度を上げるようにしている。また、排気の流量を制限する排気絞り弁をフィルタの下流に備えており、機関の低負荷時などのように排気温度が低い運転領域では、排気絞り弁による排気流量の制限を通じて排気温度を高めるとともにポスト噴射を併用することで、そうした低負荷運転時の排気温度を再生処理に必要な温度にまで昇温させるようにしている。
特開2005−282534号公報
ところで、排気絞り弁の作動状態に応じて排気の温度や圧力は変化するため、そうした変化をフィルタの再生制御に反映させることにより、同フィルタの再生をさらに適切に行うことが可能である。しかし、上記文献に記載のものではそうした点が考慮されておらず、より好適なフィルタの再生という点において更なる改善の余地を残すものとなっている。
この発明は、こうした実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、排気絞り弁の作動状態に応じた再生処理を行うことにより、フィルタの再生をより好適に行うことのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
請求項1に記載の発明は、内燃機関の排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、前記排気通路に設けられて排気の流量を制限する排気絞り弁とを備え、機関運転状態に基づいて前記排気絞り弁の作動状態を制御するとともに燃料噴射弁の噴射時期を制御してポスト噴射を行うことにより前記フィルタの再生を行う内燃機関の排気浄化装置において、前記排気絞り弁の作動状態に応じて前記ポスト噴射の制御量を変更する変更手段を備えることをその要旨とする。
同構成では、排気絞り弁の作動状態に応じてポスト噴射の制御量を変更するようにしており、排気絞り弁の作動状態に応じて変化する排気温度に関連づけてポスト噴射の制御量が変更される。そのため、フィルタの再生を行う際のポスト噴射の制御量を適切に設定することが可能となり、フィルタの再生をより好適に行うことができるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記変更手段は、前記排気絞り弁の作動時における前記ポスト噴射の噴射量を、同排気絞り弁の非作動時における噴射量よりも減量することをその要旨とする。
同構成によれば、排気絞り弁の作動を通じて排気が昇温されるときには、排気絞り弁の非作動時と比較して、ポスト噴射の噴射量が減量され、同ポスト噴射による排気の昇温効果は弱められる。そのため、排気絞り弁による排気の昇温効果に対してポスト噴射による排気の昇温効果が過度に加わるといったことが抑えられるようになり、排気絞り弁の作動とポスト噴射の実行とを併用するときの排気温度の過度な上昇が抑えられるようになる。従って、より適切な排気温度でフィルタの再生を行うことができるようになる。ちなみに、同構成によれば、ポスト噴射による排気の過昇温が抑えられるようになるため、例えば目標排気温度と実際の排気温度との偏差に基づいてポスト噴射の噴射量を補正する場合には、排気温度のオーバーシュート等が抑えられることにより、排気温度の制御性が向上するようになる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記変更手段は、前記排気絞り弁の作動時における前記ポスト噴射の噴射時期を、同排気絞り弁の非作動時における噴射時期よりも遅角側に変更することをその要旨とする。
機関出力を得るための主燃料噴射の噴射時期に対してポスト噴射の噴射時期を遠ざけるほど、換言すれば遅角側に変更するほど、ポスト噴射にて噴射された燃料がシリンダ壁等に付着しやすくなり、付着した燃料分だけ排気通路への燃料供給量は減少してしまう。また、壁面に付着した燃料に起因するオイル希釈も生じやすくなる。一方、主燃料噴射の噴射時期に対してポスト噴射の噴射時期を近づけるほど、換言すれば進角側に変更するほど、ポスト噴射にて噴射された燃料は気筒内で燃焼されやすくなり、その結果、排気通路への燃料供給量が減少したり、機関出力が変動したりしてしまう。こうした理由により、ポスト噴射の噴射時期としては、気筒内での燃料の燃焼を抑えることのできる範囲内で可能な限り進角側の時期を設定することが望ましい。
ここで、排気絞り弁の作動時において、同排気絞り弁の非作動時に設定される噴射時期と同じ時期にポスト噴射を行うと、排気絞り弁の作動による排気温度の上昇に起因して、その噴射された燃料は気筒内で燃焼されやすくなり、排気通路への燃料供給量が減少してしまう。このように排気通路への燃料供給量が減少すると、ポスト噴射による排気の昇温効果は弱められてしまう。また、ポスト噴射で噴射された燃料が気筒内で燃焼されてしまうと、排気通路に排出された直後の排気の温度は高くなるものの、同排気がフィルタに到達したときには、その温度が低下している可能性がある。
そこで、同構成では、排気絞り弁の作動時におけるポスト噴射の噴射時期を、同排気絞り弁の非作動時における噴射時期よりも遅角側に変更するようにしており、これにより排気絞り弁の作動時において、ポスト噴射にて噴射された燃料の気筒内での燃焼が抑制される。従って、排気絞り弁の作動とポスト噴射の実行とを併用するときの排気温度の昇温不足を抑えることができるようになり、より適切な排気温度でフィルタの再生を行うことができるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記ポスト噴射は複数回に分割して実行される噴射であって、前記変更手段は、分割噴射される前記ポスト噴射の噴射間隔を、前記排気絞り弁の作動時には、非作動時よりも短くすることをその要旨とする。
ポスト噴射を複数回に分割して行うと、1回当たりの噴射量が少なくなって燃料の貫徹力が小さくなるため、シリンダ壁への燃料付着量を少なくすることができる。また、先に噴射された燃料が燃焼ガスで昇温された状態となっているときに、次の燃料噴射が行われることで、昇温された先の燃料にて次に噴射された燃料の気化が促進され、これによってもシリンダ壁への燃料付着量を少なくすることができる。このようにポスト噴射を分割して行うことにより、シリンダ壁への燃料付着量が少なくなるため、ポスト噴射の燃料に起因するオイル希釈が生じにくくなる。
ところで、ポスト噴射を分割して行うときの噴射間隔が短く、先に噴射された燃料が十分気化する前に次の燃料噴射が行われてしまうと、先に噴射された燃料の粒子に、次に噴射された燃料の粒子が付着して燃料の粒径が大きくなり、燃料の気化が抑制されてしまう。
ここで、排気絞り弁の作動時には排気温度が高くなり、先に噴射された燃料が気化しやすくなるため、排気絞り弁の非作動時と比較して噴射間隔を短くしても、そうした次の燃料の気化を促すことができる。そこで、同構成では、排気絞り弁の作動時には、非作動時よりもポスト噴射の噴射間隔を短くするようにしており、これにより1回目の以降の燃料噴射についてその噴射時期がより進角側の時期に設定されるようになるため、ポスト噴射に起因するオイル希釈がより一層低減される。このように、同構成によれば、ポスト噴射に起因するオイル希釈をより抑えつつ、フィルタの再生を行うことができるようになる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、前記フィルタに捕集された粒子状物質の酸化状態を推定する推定手段と、前記酸化状態を推定する際に設定される酸化速度を前記排気絞り弁の作動状態に応じて変更する酸化速度変更手段とを備えることをその要旨とする。
フィルタの再生処理を実行しているときのPMの減少量は、適宜のパラメータ(例えば吸入空気量とフィルタの温度など)に基づき設定されるPMの酸化速度によって推定することができる。
ここで、排気絞り弁の作動時と非作動時とでは排気通路内の圧力が異なるため、同通路内の酸素分圧が変化し、これによってPMの酸化速度も変化する。そこで、同構成では、上記酸化速度を排気絞り弁の作動状態に応じて変更するようにしており、これにより酸化速度がより適切に設定され、再生処理により減少するPMの量をより正確に推定することができるようになる。そのため、例えば再生処理の終了をPM減少量の推定値に基づいて行う場合には、実際の減少量に対する推定値の乖離が少なくなるため、実際の減少量に応じた適切な時期にフィルタの再生処理を終了させることができるようになる。従って、再生処理の実行期間についてその過不足を極力抑えつつ、フィルタの再生を好適に行うことができるようになる。
また、不必要にポスト噴射が継続されることによりオイル希釈が進行するといったことを抑えられるようになるため、ポスト噴射に起因するオイル希釈を抑えつつ、フィルタの再生を行うことができるようになる。
なお、排気絞り弁を作動させると排気通路内の圧力が上昇して同通路内の酸素分圧が上昇するため、PMの酸化速度が速くなる傾向にある。そこで、排気絞り弁の作動状態に応じて上記酸化速度を変更する場合には、請求項6に記載の発明によるように、排気絞り弁の作動時に設定される酸化速度を、非作動時に設定される酸化速度よりも速い速度に変更することにより、酸化速度を適切に設定することができるようになる。
(第1実施形態)
以下、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を具体化した第1実施形態について、図1〜図3を参照して説明する。
図1に、本実施形態にかかる排気浄化装置を備えるディーゼル機関の制御装置、これが適用されるエンジン1、並びにそれらの周辺構成を示す概略構成図を示す。
エンジン1には複数の気筒#1〜#4が設けられている。シリンダヘッド2には、各気筒#1〜#4にそれぞれ対応した燃料噴射弁4が複数取り付けられている。また、シリンダヘッド2には外気を気筒内に導入するための吸気ポートと、燃焼ガスを気筒外へ排出するための排気ポート6a〜6dとが各気筒#1〜#4に対応して設けられている。
各燃料噴射弁4は、燃料を蓄圧するコモンレール9に接続されている。コモンレール9には、高圧ポンプ10が接続されており、この高圧ポンプ10によってコモンレール9には高圧燃料が供給される。そして、コモンレール9に供給された高圧燃料は、燃料噴射弁4が開弁されることにより、各気筒の燃焼室に噴射供給される。
吸気ポートにはインテークマニホールド7が接続されている。インテークマニホールド7は吸気通路3に接続されている。この吸気通路3内には吸入空気量を調整するためのスロットル弁16が設けられている。このスロットル弁16は、モータ17によって開閉駆動される。
排気ポート6a〜6dにはエキゾーストマニホールド8が接続されている。エキゾーストマニホールド8は排気通路26に接続されている。
排気通路26の途中には、排気圧を利用して気筒に導入される吸入空気を過給するターボチャージャ11が設けられている。同ターボチャージャ11の吸気側コンプレッサとスロットル弁16との間の吸気通路3にはインタークーラ18が設けられている。このインタークーラ18によって、ターボチャージャ11の過給により温度上昇した吸入空気の冷却が図られる。
また、排気通路26の途中にあって、ターボチャージャ11の排気側タービンの下流側には、排気成分を浄化する第1酸化触媒30が設けられており、更にその下流側には、排気成分を浄化するコンバータ34が設けられている。このコンバータ34の内部には、排気の流れ方向に対して直列に第2酸化触媒31及びフィルタ32が配設されている。
第1酸化触媒30及び第2酸化触媒31には、排気中のHCを酸化処理する触媒が担持されている。また、フィルタ32は、排気中のPM(粒子状物質)を捕集する部材であって、多孔質のセラミック構造体で構成されており、排気中のPMは多孔質の壁を通過する際に捕集される。
排気通路26の途中にあって、コンバータ34の下流側には排気の流量を制限する排気絞り弁35が設けられている。この排気絞り弁35の非作動時には弁体が全開となっている。一方、作動時には弁体がある程度閉じられることによって排気の流量が減少される。
この他、エンジン1にはEGR装置が備えられている。このEGR装置は、排気の一部を吸入空気に導入することで気筒内の燃焼温度を低下させ、NOxの発生量を低減させる装置である。この装置はインテークマニホールド7とエキゾーストマニホールド8とを連通するEGR通路13、同EGR通路13に設けられたEGR弁15、及びEGRクーラ14等により構成されている。そして、EGR弁15の弁開度が調整されることによりエキゾーストマニホールド8からインテークマニホールド7に導入される排気の量、すなわちEGR量が調整される。また、EGRクーラ14によってEGR通路13内を流れる排気の温度が低下される。このEGR装置によってエンジン1の燃焼室に排気の一部が戻されると、混合気の燃焼温度が低下してNOxの発生量が減少する。
エンジン1には、機関運転状態を検出するための各種センサが取り付けられている。例えば、吸気通路3の上流側に設けられたエアフロメータ40によって吸入空気量GAが検出される。また、スロットル弁16を開閉するモータ17に設けられたスロットル開度センサ41によってスロットル弁16の開度(スロットル開度TA)が検出される。また、第2酸化触媒31の排気上流側に設けられた第1排気温度センサ42によって同第2酸化触媒31に流入する排気の温度である第1排気温度Taが検出され、第2酸化触媒31とフィルタ32との間に設けられた第2排気温度センサ43によって、第2酸化触媒31を通過した直後の排気の温度である第2排気温度Tbが検出される。また、第2酸化触媒31とフィルタ32との間に設けられた圧力センサ44によって、フィルタ32の上流側の圧力が検出される。また、エンジン1のクランクシャフト近傍に設けられたクランク角センサ45によってクランクシャフトの回転速度、すなわち機関回転速度NEが検出され、アクセルペダルに設けられたアクセルセンサ46によってアクセルペダルの踏み込み量、すなわちアクセル操作量ACCPが検出される。そして、大気圧センサ47によって大気圧APが検出される。
これら各種センサの出力は制御装置25に入力される。この制御装置25は、中央処理制御装置(CPU)、各種プログラムやマップ等を予め記憶した読出専用メモリ(ROM)、CPUの演算結果等を一時記憶するランダムアクセスメモリ(RAM)、タイマカウンタ、入力インターフェース、出力インターフェース等を備えたマイクロコンピュータを中心に構成されている。
そして、この制御装置25により、例えば燃料噴射弁4の燃料噴射量制御や燃料噴射時期制御、高圧ポンプ10の吐出圧力制御、スロットル弁16の開度制御、EGR弁15の開度制御等、エンジン1の各種制御が行われる。また、上記フィルタ32に捕集されたPMを燃焼させるフィルタの再生処理等といった各種の排気浄化制御も同制御装置25によって行われる。
上記フィルタ32の再生処理は、以下のようにして行われる。
まず、フィルタ32で捕集されたPMの堆積量が多くなるほど、上記圧力センサ44で検出される圧力Pは高くなる傾向にある。そこで、圧力Pに基づいてフィルタ32でのPM堆積量PMsmが推定される。
そして、このPM堆積量PMsmが再生開始基準値PMstartに達すると、フィルタ32の再生処理が開始される。
この再生処理が開始されると、制御装置25は、燃料噴射弁4の噴射時期を制御してポスト噴射を行う。このポスト噴射は、機関出力を得るための主燃料噴射の噴射時期から遅れた時期に再度行われる燃料噴射であり、同ポスト噴射で噴射された燃料は排気通路26に供給される。この排気通路26に供給された燃料が第1酸化触媒30に到達すると、その一部は酸化されてその酸化熱で排気温度が上昇する。この第1酸化触媒30による排気温度の上昇作用によって第2酸化触媒31の昇温が図られ、これにより第2酸化触媒31の活性化が促進される。第1酸化触媒30で酸化されることなく通過した燃料が第2酸化触媒31に到達すると、同第2酸化触媒31で酸化されて排気温度は上昇する。そして昇温された排気がフィルタ32に流入して同フィルタ32の温度が上昇することにより、捕集されたPMは燃焼処理される。
再生処理を行うことで減少するPMの量、換言すれば再生処理中のPM堆積量PMsmは次式(1)に基づいて推定される。

再生処理中のPMsm=再生処理開始時のPMsm+PMe−PMc …(1)
PMsm:PM堆積量
PMe:PM排出量
PMc:PM酸化量

PM排出量PMeは、エンジン1の全燃焼室から排出されるPMの量であり、予めの実験等を通じて設定されたマップ、例えば機関回転速度NEと機関負荷(ここでは燃料噴射弁4からの燃料噴射量)とをパラメータとするPM排出量算出マップを参照して求められる。
PM酸化量PMcは、フィルタ32に捕集されたPMが燃焼処理される量である。このPM酸化量PMcは、予めの実験等を通じて設定されたマップ、すなわちフィルタ32の温度であるフィルタ温度FT(ここではフィルタ32に流入する排気温度を示す上記第2排気温度Tbを利用)とエアフロメータ40によって検出される吸入空気量GAとをパラメータとするPMの酸化速度マップ等に基づいて算出される。
こうして推定される再生処理中のPM堆積量PMsmが十分に少なくなり、所定の再生完了基準値PMendを下回ると、フィルタ32の再生処理は終了される。
また、機関の低負荷時などのように排気温度が低い運転領域において再生処理を行う場合には、ポスト噴射の実行に併せて排気絞り弁35が作動される。この排気絞り弁35の作動によって排気の流量が制限されると、同排気絞り弁35の上流側における背圧が増大して排気温度は上昇するようになる。また、背圧が増大することで機関負荷も増大し、燃料噴射弁4から噴射される燃料の量が増大されることによっても排気温度は上昇するようになる。このように、排気絞り弁35を作動させることで排気温度は上昇するようになるため、低負荷運転時等のように排気温度が低い運転領域においても、フィルタ32の再生処理を行うことが可能になる。
ところで、排気絞り弁35の作動状態に応じて排気の温度や圧力は変化するため、そうした変化をフィルタ32の再生制御に反映させることにより、同フィルタ32の再生をさらに適切に行うことが可能である。そこで、本実施形態では、上記ポスト噴射の制御量と上記PMの酸化速度とを排気絞り弁35の作動状態に応じて変更することにより、フィルタ32の再生をより好適に行うようにしている。
図2に、排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の制御量を変更する処理として、ポスト噴射の燃料噴射量を設定する噴射量設定処理の手順を示す。なお、本処理は、再生処理の実行中において制御装置25により繰り返し実行される。また、本処理は上記変更手段を構成する。
本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qが読み込まれる(S100)。なお、燃料噴射量Qは、機関出力を得るために要求される噴射量であり、機関回転速度NEや機関負荷等に基づいて設定される。
次に、排気絞り弁35が作動中か否かが判定される(S110)。ここでは、機関運転状態が排気温度の低い運転領域にあり、排気絞り弁35の作動信号が制御装置25から出力されている場合に肯定判定される。そして、排気絞り弁35が作動中であれば(S110:YES)、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づき、制御装置25のROMに記憶された作動時用噴射量マップPQmap1を参照してポスト噴射時の燃料の噴射量PQが設定され(S120)、本処理は一旦終了される。
一方、排気絞り弁35が作動中ではない場合には(S110:NO)、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づき、制御装置25のROMに記憶された非作動時用噴射量マップPQmap2を参照してポスト噴射時の燃料の噴射量PQが設定され(S130)、本処理は一旦終了される。
上記作動時用噴射量マップPQmap1は、上記非作動時用噴射量マップPQmap2に対して次のような態様で設定されている。すなわち、同一の機関回転速度NE及び燃料噴射量Qであっても、作動時用噴射量マップPQmap1を参照して設定される噴射量PQは、非作動時用噴射量マップPQmap2を参照して設定される噴射量PQよりも少なくなるように設定されている。従って、排気絞り弁35の作動時に設定されるポスト噴射の噴射量PQは、同排気絞り弁35の非作動時に設定される噴射量PQよりも減量される。
上記処理にて設定された噴射量PQは、第2排気温度センサ43で検出される第2排気温度Tbと目標排気温度との偏差に基づいて算出される燃料補正量Hでフィードバック補正され、ポスト噴射の実行時には、その補正された燃料噴射量が燃料噴射弁4から噴射される。
このように、本実施形態では、排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の制御量が変更されることにより、排気絞り弁35の作動状態に応じて変化する排気温度に関連づけてポスト噴射の制御量は変更される。そのため、フィルタ32の再生を行う際のポスト噴射の制御量を適切に設定することが可能となり、フィルタの再生をより好適に行うことができるようになる。より詳細には、排気絞り弁35の作動を通じて排気が昇温されるときには、排気絞り弁35の非作動時と比較して、ポスト噴射の噴射量は減量され、同ポスト噴射による排気の昇温効果が弱められる。そのため、排気絞り弁35による排気の昇温効果に対してポスト噴射による排気の昇温効果が過度に加わるといったことが抑えられるようになり、排気絞り弁35の作動とポスト噴射の実行とを併用するときの排気温度の過度な上昇が抑えられるようになる。従って、より適切な排気温度でフィルタ32の再生を行うことができるようになる。また、ポスト噴射による排気の過昇温が抑えられるようになるため、噴射量PQに対して上記フィードバック補正を行う場合の排気温度のオーバーシュート等が抑えられるようになり、これにより排気温度の制御性が向上するようになる。
次に、排気絞り弁35の作動状態に応じてPMの酸化速度を変更する処理について説明する。図3に、酸化速度算出処理の手順を示す。なお、なお、本処理は、再生処理の実行中において制御装置25により繰り返し実行される。また、本処理は酸化速度を推定する上記推定手段を構成する。
本処理が開始されると、まず、吸入空気量GA、フィルタ温度FT、PM堆積量PMsm、大気圧APが読み込まれる(S200)。
次に、排気絞り弁35が作動中か否かが判定され(S210)、作動中であれば(S210:YES)、吸入空気量GA及びフィルタ温度FTに基づき、制御装置25のROMに記憶された作動時用酸化速度マップOSmap1を参照して基本酸化速度OSbが設定される(S220)。一方、排気絞り弁35が作動中ではない場合には(S210:NO)、吸入空気量GA及びフィルタ温度FTに基づき、制御装置25のROMに記憶された非作動時用酸化速度マップOSmap2を参照して基本酸化速度OSbが設定される(S230)。
上記作動時用酸化速度マップOSmap1は、上記非作動時用酸化速度マップOSmap2に対して次のような態様で設定されている。すなわち、排気絞り弁35の作動時と非作動時とでは排気通路26内の圧力が異なるため、同排気通路26内の酸素分圧が変化し、これによってPMの酸化速度も変化する。より詳細には、排気絞り弁35を作動させると排気通路26内の圧力が上昇して同排気通路26内の酸素分圧が上昇するため、PMの酸化速度は速くなる傾向にある。そこで、同一の吸入空気量GA及びフィルタ温度FTであっても、作動時用酸化速度マップOSmap1を参照して設定される基本酸化速度OSbは、非作動時用酸化速度マップOSmap2を参照して設定される基本酸化速度OSbよりも速くなるように設定されている。なお、上記ステップS210、ステップS220、及びステップS230の処理は、上記酸化速度変更手段を構成している。
次に、PM堆積量PMsmに基づいて堆積量補正係数K1が算出される(S240)。ここでは、PM堆積量PMsmが多いほど、フィルタ32に捕集されたPMの燃焼は促進される傾向にあるため、上記式(1)にて推定されるPM堆積量PMsmが多いほど、堆積量補正係数K1は大きい値に設定される。
次に、大気圧APに基づいて大気圧補正係数K2が算出される(S250)。ここでは、大気圧APが低いほど、酸素分圧も低くなり、フィルタ32に捕集されたPMの燃焼は抑えられる傾向にあるため、大気圧APが低いほど、大気圧補正係数K2は小さい値に設定される。
次に、次式(2)に基づいて酸化速度OSが算出され(S260)、本処理は終了される。

OS=OSb×K1×K2 … (2)
OS:PMの酸化速度
OSb:基本酸化速度
K1:堆積量補正係数
K2:大気圧補正係数

こうして酸化速度OSが算出されると、その酸化速度OS及び再生処理の実行時間に基づいて上記PM酸化量PMcが推定される。
このように、本実施形態では、PMの基本酸化速度OSbを排気絞り弁35の作動状態に応じて変更する、より詳細には排気絞り弁35の作動時に設定される基本酸化速度OSbを、非作動時に設定される基本酸化速度OSbよりも速い速度に変更するようにしている。従って、排気絞り弁35の作動状態に応じて変化する排気通路26内の圧力に応じて酸化速度OSをより適切に設定することが可能となり、再生処理により減少するPM堆積量PMsmをより正確に推定することができるようになる。
そのため、本実施形態では、再生処理の終了をPM減少量の推定値、すなわち再生処理中に減少していく上記PM堆積量PMsmに基づいて行うようにしているが、実際の減少量に対する推定値の乖離が少なくなり、実際の減少量に応じた適切な時期にフィルタ32の再生処理を終了させることができるようになる。従って、再生処理の実行期間についてその過不足を極力抑えながら、フィルタ32の再生を行うことができるようになる。
また、ポスト噴射で噴射された燃料が各気筒のシリンダ壁に付着すると、その付着燃料が機関のオイルに混入してオイル希釈が発生する。そのため、ポスト噴射の実行期間、すなわち再生処理の実行期間は、PMの燃焼処理に必要な期間を確保しつつ、極力短くすることが望ましい。この点、本実施形態によれば、再生処理の実行期間についてその過不足を極力抑えることができるため、不必要にポスト噴射が継続されることによりオイル希釈が進行するといったことを抑えることができるようになる。従って、ポスト噴射に起因するオイル希釈を極力抑えつつ、フィルタ32の再生を行うことも可能となる。
以上説明したように、本実施形態によれば次のような効果を得ることができる。
(1)排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の制御量を変更するようにしている。そのため、フィルタ32の再生を行う際のポスト噴射の制御量を適切に設定することが可能となり、フィルタ32の再生をより好適に行うことができるようになる。
(2)排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の制御量を変更する際の具体的な態様として、排気絞り弁35の作動時におけるポスト噴射の噴射量PQを、同排気絞り弁35の非作動時における噴射量PQよりも減量するようにしている。従って、排気絞り弁35の作動とポスト噴射の実行とを併用するときの排気温度の過度な上昇が抑えられるようになり、より適切な排気温度でフィルタ32の再生を行うことができるようになる。
また、ポスト噴射による排気の過昇温が抑えられるようになるため、排気温度のオーバーシュート等が抑えられるようになり、もって排気温度の制御性が向上するようになる。
(3)フィルタ32に捕集されたPMの酸化量を推定する際に設定される基本酸化速度OSbを排気絞り弁35の作動状態に応じて変更するようにしている。より詳細には、排気絞り弁35の作動時に設定される基本酸化速度OSbを、非作動時に設定される基本酸化速度OSbよりも速い速度に変更するようにしている。従って、上記式(2)で算出される酸化速度OSがより適切に設定され、再生処理により減少するPMの量をより正確に推定することができるようになる。その結果、再生処理の実行期間についてその過不足を極力抑えつつ、フィルタ32の再生を好適に行うことができるようになる。また、ポスト噴射に起因するオイル希釈を抑えつつ、フィルタ32の再生を行うことも可能となる。
(第2実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を具体化した第2実施形態について、図4及び図5を参照して説明する。
第1実施形態では、排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の噴射量PQを変更するようにしたが、本実施形態では、ポスト噴射の制御量である噴射時期も変更するようにしている。
ポスト噴射の噴射時期を変更する理由について、図4を併せ参照して説明する。
機関出力を得るための主燃料噴射の噴射時期に対してポスト噴射の噴射時期を遠ざけるほど、換言すれば遅角側に変更するほど、ポスト噴射にて噴射された燃料が各気筒のシリンダ壁等に付着しやすくなり、付着した燃料分だけ排気通路26への燃料供給量は減少してフィルタ32の昇温は抑えられてしまう。また、シリンダ壁に付着した燃料に起因するオイル希釈も生じやすくなる。従って、図4に線L1にて示すように、ポスト噴射の噴射時期について遅角側には、オイル希釈を許容範囲内に抑えることのできる遅角限界噴射時期が存在し、この遅角限界噴射時期よりも遅角側に噴射時期が設定されて図4に示す領域A内に入ってしまうとオイル希釈が過度に発生してしまう。
一方、主燃料噴射の噴射時期に対してポスト噴射の噴射時期を近づけるほど、換言すれば進角側に変更するほど、ポスト噴射にて噴射された燃料は気筒内で燃焼されやすくなり、その結果、排気通路26への燃料供給量が減少したり、機関出力が変動したりしてしまう。従って、図4に線L2にて示すように、ポスト噴射の噴射時期について進角側には、気筒内での燃料の燃焼を抑えることのできる進角限界噴射時期が存在し、この進角限界噴射時期よりも進角側に噴射時期が設定されて図4に示す領域B内に入ってしまうと、気筒内での燃料の燃焼が許容できない程度に発生してしまう。
こうした理由により、ポスト噴射の噴射時期としては、ポスト噴射で噴射された燃料が気筒内で燃焼されることを抑えることのできる範囲内において、可能な限り進角側の時期を設定することが望ましく、本実施形態においては、進角限界噴射時期に対して若干遅角側の時期を設定するようにしている。なお、図4に示すように、進角限界噴射時期及び遅角限界噴射時期は、機関出力を得るための上記燃料噴射量Qが多くなるほど遅角側に変化するが、これは、燃料噴射量Qが多くなるほど気筒内の温度が上昇して、シリンダ壁への燃料付着量が減少するとともに、気筒内での燃料の燃焼が促進されるためである。
ここで、排気絞り弁35の作動時には、その作動によって排気温度が上昇し、ポスト噴射で噴射された燃料は気筒内で燃焼されやすくなる。そのため、図4に線L3で示すように、排気絞り弁35の作動時には、進角限界噴射時期がより遅角側に移行して燃料の燃焼領域が遅角側に拡大するようになる(図4に領域Cで図示)。
従って、排気絞り弁35の非作動時であれば、領域C内の噴射時期を設定しても、燃料の燃焼は抑えることができるものの、排気絞り弁35の作動時においても同じ時期にポスト噴射を行うと、その噴射された燃料は気筒内で燃焼されやすくなり、排気通路26への燃料供給量が減少してしまう。このように排気通路26への燃料供給量が減少すると、ポスト噴射による排気の昇温効果は弱められてしまう。また、ポスト噴射で噴射された燃料が気筒内で燃焼されてしまうと、排気通路26に排出された直後の排気の温度は高くなるものの、同排気がフィルタ32に到達したときには、その温度が低下している可能性もある。
そこで、本実施形態では、排気絞り弁35の作動時におけるポスト噴射の噴射時期を、排気絞り弁35の非作動時における噴射時期よりも遅角側に変更するようにしている。
図5に、ポスト噴射の燃料噴射時期を設定する噴射時期設定処理の手順を示す。なお、本処理は、再生処理の実行中において制御装置25により繰り返し実行される。また、本処理も上記変更手段を構成する。
本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qが読み込まれる(S300)。なお、燃料噴射量Qは、機関出力を得るために要求される噴射量であり、機関回転速度NEや機関負荷等に基づいて設定される。
次に、排気絞り弁35が作動中か否かが判定される(S310)。ここでも、機関運転状態が排気温度の低い運転領域にあり、排気絞り弁35の作動信号が制御装置25から出力されている場合に肯定判定される。そして、排気絞り弁35が作動中であれば(S310:YES)、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づき、制御装置25のROMに記憶された作動時用噴射時期マップPTmap1を参照してポスト噴射の噴射時期PTが設定され(S320)、本処理は一旦終了される。
一方、排気絞り弁35が作動中ではない場合には(S310:NO)、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づき、制御装置25のROMに記憶された非作動時用噴射時期マップPTmap2を参照してポスト噴射の噴射時期PTが設定され(S330)、本処理は一旦終了される。
上記作動時用噴射時期マップPTmap1には、上記線L3で示される進角限界噴射時期よりも若干遅角側の噴射時期が設定されており、非作動時用噴射時期マップPTmap2には、上記線L2で示される進角限界噴射時期よりも若干遅角側の噴射時期が設定されている。従って、作動時用噴射時期マップPTmap1を参照して設定される噴射時期PTは、非作動時用噴射時期マップPTmap2を参照して設定される噴射時期PTよりも遅角側の時期に設定される。
こうした噴射時期設定処理を行う本実施形態によれば、第1実施形態による効果に加え、さらに次の効果を得ることができる。
(4)排気絞り弁35の作動時におけるポスト噴射の噴射時期PTを、排気絞り弁35の非作動時における噴射時期PTよりも遅角側に変更するようにしており、これにより排気絞り弁35の作動時において、ポスト噴射にて噴射された燃料が気筒内で燃焼することを抑制することができる。従って、排気絞り弁35の作動とポスト噴射の実行とを併用するときの排気温度の昇温不足を抑えることができるようになり、より適切な排気温度でフィルタ32の再生を行うことができるようになる。
(第3実施形態)
次に、この発明にかかる内燃機関の排気浄化装置を具体化した第3実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。
ポスト噴射を複数回に分割して行うと、1回当たりの噴射量が少なくなって燃料の貫徹力が小さくなるため、シリンダ壁への燃料付着量を少なくすることができる。また、先に噴射された燃料が燃焼ガスで昇温された状態となっているときに、次の燃料噴射が行われることで、昇温された先の燃料にて次に噴射された燃料の気化が促進され、これによってもシリンダ壁への燃料付着量を少なくすることができる。このようにポスト噴射を分割して行うことにより、シリンダ壁への燃料付着量が少なくなるため、ポスト噴射の燃料に起因するオイル希釈が生じにくくなる。
そこで本実施形態では、ポスト噴射を2回に分割して行うようにしている。
ところで、ポスト噴射を分割して行うときの噴射間隔が短く、1回目に噴射された燃料が十分気化する前に2回目の燃料噴射が行われてしまうと、1回目に噴射された燃料の粒子に、2回目に噴射された燃料の粒子が付着して燃料の粒径が大きくなり、燃料の気化が抑制されてしまう。その結果、シリンダ壁への燃料付着量が増大してオイル希釈が発生しやすくなる。
また、噴射間隔が長すぎると、1回目に噴射された燃料の温度がある程度低下している状態で2回目の燃料が噴射されるため、そうした2回目の燃料の気化が抑えられてしまい、その結果、シリンダ壁への燃料付着量が増大してオイル希釈が発生しやすくなる。
このように、ポスト噴射を分割して行う場合にあって、各噴射の噴射間隔が短すぎても長すぎても燃料の気化は抑制されてしまう傾向にあり、燃料の気化性と噴射間隔との関係、換言すればシリンダ壁への燃料付着量と噴射間隔との関係においては、図6に実線にて示すように、燃料付着量が最も少なくなる最適な噴射間隔INTaが存在する。なお、図6に示す燃料付着量と噴射間隔との関係は、機関運転状態に応じて変化するため、上記噴射間隔INTaは機関運転状態に応じて変化する。
ここで、排気絞り弁35の作動時には排気温度が高くなり、1回目に噴射された燃料が気化しやすくなるため、排気絞り弁35の非作動時と比較して噴射間隔INTを短くしても、2回目の燃料の気化を促すことができる。すなわち、図6に二点鎖線にて示すように、排気絞り弁35の作動時には、燃料付着量が最も少なくなる最適な噴射間隔INTaが、所定の間隔αの分だけ短くなる。
そこで、上記第2実施形態では、排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の噴射量PQ及び噴射時期PTを変更するようにしたが、本実施形態では、噴射間隔INTも変更するようにしている。
図7に、分割噴射されるポスト噴射について噴射間隔を設定する噴射間隔設定処理の手順を示す。なお、本処理は、再生処理の実行中において制御装置25により繰り返し実行される。また、本処理も上記変更手段を構成する。 本処理が開始されるとまず、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qが読み込まれる(S400)。なお、燃料噴射量Qは、機関出力を得るために要求される噴射量であり、機関回転速度NEや機関負荷等に基づいて設定される。
次に、排気絞り弁35が作動中か否かが判定される(S410)。ここでも、機関運転状態が排気温度の低い運転領域にあり、排気絞り弁35の作動信号が制御装置25から出力されている場合に肯定判定される。そして、排気絞り弁35が作動中であれば(S410:YES)、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づき、制御装置25のROMに記憶された作動時用噴射間隔マップINTmap1を参照してポスト噴射の噴射間隔INTが設定され(S420)、本処理は一旦終了される。
一方、排気絞り弁35が作動中ではない場合には(S410:NO)、機関回転速度NE及び燃料噴射量Qに基づき、制御装置25のROMに記憶された非作動時用噴射間隔マップINTmap2を参照してポスト噴射の噴射間隔INTが設定され(S430)、本処理は一旦終了される。
上記作動時用噴射間隔マップINTmap1は、上記非作動時用噴射間隔マップINTmap2に対して次のような態様で設定されている。すなわち、同一の機関回転速度NE及び燃料噴射量Qであっても、作動時用噴射間隔マップINTmap1を参照して設定される噴射間隔INTは、非作動時用噴射間隔マップINTmap2を参照して設定される噴射間隔INTよりも短くなるように設定されている。従って、排気絞り弁35の作動時に設定されるポスト噴射の噴射間隔INTは、同排気絞り弁35の非作動時に設定される噴射間隔INTよりも短くされる。
こうした噴射間隔設定処理を行う本実施形態によれば、第1及び第2実施形態による効果に加え、さらに次の効果を得ることができる。
(5)排気絞り弁35の作動時には、非作動時よりもポスト噴射の噴射間隔INTを短くするようにしており、これにより2回目の燃料噴射についてその噴射時期がより進角側の時期に設定されるようになる。そのため、ポスト噴射に起因するオイル希釈がより一層低減される。従って、ポスト噴射に起因するオイル希釈をさらに抑えつつ、フィルタ32の再生を好適に行うことができるようになる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
・第3実施形態では、ポスト噴射を2回に分割して行うようにしたが、3回以上に分割して行うようにしてもよい。
・第1実施形態において、排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の噴射量PQのみを変更するようにしてもよい。
・第2実施形態では、ポスト噴射の制御量として噴射量PQ及び噴射時期PTを変更するようにしたが、噴射時期PTのみを変更するようにしてもよい。
・第3実施形態では、ポスト噴射の制御量として噴射量PQ、噴射時期PT、及び噴射間隔INTを変更するようにしたが、噴射間隔INTのみを変更するようにしてもよい。また、噴射量PQ及び噴射間隔INTだけを変更したり、噴射時期PT及び噴射間隔INTだけを変更するようにしてもよい。
・上記各実施形態では、排気絞り弁35の作動状態に応じてポスト噴射の制御量や基本酸化速度OSbを変更する際に、マップを切り替えるようにしたが、この他の態様で制御量や酸化速度を変更するようにしてもよい。例えば、排気絞り弁35の非作動時におけるポスト噴射の制御量を基準値とし、排気絞り弁35の作動時には、その基準値に対して適宜の補正を行うことにより、上記マップの切り替えと同様な態様にて制御量を変更するようにしてもよい。同様に、排気絞り弁35の非作動時における基本酸化速度OSbを基準値とし、排気絞り弁35の作動時には、その基準値に対して適宜の補正を行うことにより、上記マップの切り替えと同様な態様にて基本酸化速度OSbを変更するようにしてもよい。
・第1実施形態では、基本酸化速度OSbに各種の補正係数を乗算するようにしたが、それら各種の補正係数を適宜省略するようにしてもよく、より簡易的には基本酸化速度OSbをそのまま酸化速度OSとするようにしてもよい。
・第1実施形態で説明した排気浄化装置は、第1酸化触媒30や第2酸化触媒31で燃料を酸化させて排気温度を上昇させるものであった。この他、例えばフィルタ32のみを備えており、同フィルタ32上で燃料を酸化させることにより当該フィルタ32の温度を上昇させる排気浄化装置にも、本発明は同様に適用することができる。
・上記エンジン1は、直列4気筒の内燃機関であったが、その他の気筒数や気筒配列を備える内燃機関の排気浄化装置にも、本発明は同様に適用することができる。
本発明にかかる内燃機関の排気浄化装置の第1実施形態について、これが適用される内燃機関及びその周辺構成を示す概略図。 同実施形態において実行されるポスト噴射の噴射量設定処理についてその手順を示すフローチャート。 同実施形態において実行されるPMの酸化速度算出処理についてその手順を示すフローチャート。 第2実施形態においてポスト噴射の噴射時期とオイル希釈との関係、及びポスト噴射の噴射時期と気筒内での燃料燃焼との関係を示す模式図。 同実施形態において実行されるポスト噴射の噴射時期設定処理についてその手順を示すフローチャート。 第3実施形態において、分割噴射されるポスト噴射の噴射間隔とシリンダ壁への燃料付着量との関係を示すグラフ。 同実施形態において実行されるポスト噴射の噴射間隔設定処理についてその手順を示すフローチャート。
符号の説明
1…エンジン、2…シリンダヘッド、3…吸気通路、4…燃料噴射弁、6a〜6d…排気ポート、7…インテークマニホールド、8…エキゾーストマニホールド、9…コモンレール、10…高圧ポンプ、11…ターボチャージャ、13…EGR通路、14…EGRクーラ、15…EGR弁、16…スロットル弁、17…モータ、18…インタークーラ、25…制御装置、26…排気通路、30…第1酸化触媒、31…第2酸化触媒、32…フィルタ、34…コンバータ、35…排気絞り弁、40…エアフロメータ、41…スロットル開度センサ、42…第1排気温度センサ、43…第2排気温度センサ、44…圧力センサ、45…クランク角センサ、46…アクセルセンサ、47…大気圧センサ。

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気通路に設けられて排気中の粒子状物質を捕集するフィルタと、前記排気通路に設けられて排気の流量を制限する排気絞り弁とを備え、機関運転状態に基づいて前記排気絞り弁の作動状態を制御するとともに燃料噴射弁の噴射時期を制御してポスト噴射を行うことにより前記フィルタの再生を行う内燃機関の排気浄化装置において、
    前記排気絞り弁の作動状態に応じて前記ポスト噴射の制御量を変更する変更手段を備える
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記変更手段は、前記排気絞り弁の作動時における前記ポスト噴射の噴射量を、同排気絞り弁の非作動時における噴射量よりも減量する
    請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記変更手段は、前記排気絞り弁の作動時における前記ポスト噴射の噴射時期を、同排気絞り弁の非作動時における噴射時期よりも遅角側に変更する
    請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記ポスト噴射は複数回に分割して実行される噴射であって、前記変更手段は、分割噴射される前記ポスト噴射の噴射間隔を、前記排気絞り弁の作動時には、非作動時よりも短くする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
    前記フィルタに捕集された粒子状物質の酸化状態を推定する推定手段と、
    前記酸化状態を推定する際に設定される酸化速度を前記排気絞り弁の作動状態に応じて変更する酸化速度変更手段とを備える
    ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  6. 前記酸化速度変更手段は、前記排気絞り弁の作動時に設定される前記酸化速度を、非作動時に設定される前記酸化速度よりも速い速度に変更する
    請求項5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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