JP2004162612A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、パティキュレートフィルタの再生状況を適切に反映させて、パティキュレートフィルタの前段触媒を用いた強制再生の処理期間を的確に調整できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【解決手段】本発明の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタ18の直上流の排気温度を検出する温度センサ20を用い、ECU22で、強制再生制御開始後に排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて強制再生制御の終了時期を調整する制御を採用して、強制再生の終了時期が、確実にパティキュレートフィルタ18が強制再生状態にある時間により調整されるようにした。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタ18の直上流の排気温度を検出する温度センサ20を用い、ECU22で、強制再生制御開始後に排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて強制再生制御の終了時期を調整する制御を採用して、強制再生の終了時期が、確実にパティキュレートフィルタ18が強制再生状態にある時間により調整されるようにした。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路に介装されるパティキュレートフィルタとその上流側に配置された酸化触媒とを用いて浄化する内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン(内燃機関)に搭載される排気浄化装置には、該エンジンの排気通路に介装されるパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を介装して、ディーゼルエンジンの排気中に含まれるパティキュレート(以下、PMという)を捕集する構造が用いられる。
【0003】
DPFは、捕集能力を回復させることが必要である。特にPMの自然発火が期待できないため、DPFを有する排気浄化装置では、強制的にDPFを再生すること、すなわち予め設定された再生実施時期に、DPFの温度を強制的にPMが酸化するまで上昇させて、DPFに堆積したPMを燃焼させることが行われる(強制再生)。一般には、DPFの再生は、再生実施時期に至るまでの推定PM堆積量に基づき設定した設定時間(再生時間)で行われる。
【0004】
ところが、強制再生中、DPFの温度は変化しており、PMを酸化させる温度を下回ることがある。このため、設定された再生時間内でDPFは十分に再生できず、一部PMがDPF上に残存することがある。そうかといって、再生時間を長く設定すれば、今度は無駄な再生運転が生じる。
【0005】
そこで、強制再生中、DPFのフィルタ温度が設定温度以上になるとき、すなわち再生状態にある時間を積算して、その積算時間が設定時間以上になると、強制再生を終了させて、DPFの再生の確実化を図る技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平5−34487号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術によると、フィルタ温度はDPFの温度を直接計測するか、フィルタ近傍の排気温度を計測して求めている。しかし、DPFの温度を直接計測するには、高価な装置が必要であり、現実的にはコスト的の困難である。また排気温度で代用する場合、上記従来の技術は、単純にPMが酸化する温度以上の時間を計測しているため、排気温度が一瞬だけ上記温度になるだけでDPFは当該温度に達しないなどの排気温度に対するフィルタ温度の遅れの挙動が考慮されておらず、現実にはDPFが再生状態にある時間が確実に検出できていないために、改良の余地がある。
【0008】
また、近年ではDPFの前段に酸化触媒を配置した連続再生式の排気浄化装置が開発されている。この連続再生式におけるDPFの強制再生は、触媒上で未燃燃料を反応させてDPFの直上流の排気温度を上昇させる手法が一般的であるが、同再生は未燃燃料の供給状態によって、排気温度が一瞬に上昇したり下降したりするなど激しく変化する挙動が見られる。このため、前段触媒を用いた連続再生式では、先の排気温度に対するフィルタ温度の遅れの問題がより顕在化する。
【0009】
そのため、本発明は、パティキュレートフィルタの再生状況を適切に反映させて、パティキュレートフィルタの前段触媒を用いた強制再生の処理期間を的確に調整できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、パティキュレートフィルタの直上流の排気温度を検出する排気温度検出手段を用い、強制再生制御手段で、強制再生制御開始後に上記排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて強制再生制御の終了時期を調整するようにした。
【0011】
これにより、強制再生の終了時期は、確実にパティキュレートフィルタが強制再生状態にある時間により調整される。この再生状況の適切な反映により、強制再生の制御期間が的確に調整され、一層、燃費や排ガス性能の向上が図れる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、さらにパティキュレートフィルタの過昇温を防ぐよう、更に強制再生制御手段で、排気温度が強制再生温度相当値より高い所定温度以上の場合、強制再生制御を一時的に中断するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1ないし図3に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0014】
図1は、内燃機関、例えばトラックやバスなどの車両に搭載される走行用ディーゼルエンジン1の排気浄化装置を示していて、図中1aはディーゼルエンジン1のエンジン本体を示している。
【0015】
ここで、エンジン本体1は、例えば直列に並んだ4つの気筒2a〜2dを備えている。各気筒2a〜2dには、ピストン(図示しない)が往復可能に収めてある。また各気筒2a〜2dの上部には、気筒毎にインジェクタ3a〜3d、吸気ポート4a〜4d、排気ポート5a〜5d、吸・排気弁(図示しない)が設けてある。各インジェクタ3a〜3dには、燃料供給装置(図示しない)が接続されていて、気筒毎に所定のタイミングで、各吸・排気弁の吸・排動作、各インジェクタの噴射動作が行われると、各気筒2a〜2dで、所定のサイクル、例えば吸気、圧縮、爆発燃焼、排気の工程が行われるようにしてある。
【0016】
エンジン本体1aの片側に開口した各吸気ポート4a〜4dの入口には、吸気マニホールド6が接続してある。この吸気マニホールド6には、途中にインタクーラ7(例えば空冷式)、ターボ過給機8のコンプレッサ部8aが組付けてある吸気管9が接続されていて、吸気管9を通じて各気筒2a〜2dへ燃焼用空気が導入できるようにしている。残る片側に開口した各排気ポート5a〜5dの出口には、排気マニホールド10が接続してある。この排気マニホールド10には、途中にターボ過給機8のタービン部8bが組付けてある排気管11が接続されていて、燃焼を終えた各気筒2a〜2dからの排気ガスを外部へ排気できるようにしている。8cは、例えばタービン部8bに組込まれた排気逃し部(例えばタービン部8bの入口と出口との間をバイパスするバイパス路12a、該バイパス路12aを開閉するウエストゲートバルブ12bで構成されるもの)を示す。
【0017】
なお、例えば吸気マニホールド6の入口には吸気絞り弁12が設置され、また例えば吸気マニホールド6と排気マニホールド10との間には、EGR装置13(例えばマニホールド6,10間をバイパスするEGR通路13a、該EGR通路13aを開閉するEGRバルブ13bで構成されるもの)が設置してある。
【0018】
このディーゼルエンジン1の排気通路をなす例えば排気管11の後部には、連続再生式のパティキュレートフィルタ装置15が介装されている。同装置15は、例えば両端部が絞られ、中央が排気管11より大径に形成された筒形のケーシング16をもつ。そして、ケーシング16の一端部に形成された流入口16aが、排気マニホールド10から延びている排気管部分に接続され、ケーシング16の他端部に形成された流出口16bが、大気に開放している排気管部分に接続してある。
【0019】
このケーシング16内には、パティキュレートフィルタ18(以下、DPF18という)が収容してある。このDPF18は、例えば排気ガスが通過可能でパティキュレートが通過不能な多孔質の隔壁で仕切られた多角形断面をもつフィルタ部分18aを有し、このフィルタ部分18aの隔壁で形成された多数の貫通孔の隣接する入口と出口とを交互に栓18bで封止した構造が用いてある。つまり、排気ガスが隔壁を通過するとき、排気ガスに含まれるパティキュレート(以下、PMという)が捕集されるようにしている。
【0020】
さらにケーシング16内には、DPF18の上流側に位置して、酸化触媒19(以下、前段触媒19という)が収めてある。この前段触媒19の設置により、DPF18が連続再生、すなわち前段触媒19上で排気ガス中のNOを酸化して、生成されたNO2と排気ガス中のO2とによりDPF18で捕集されたPMの酸化(燃焼)が行われるようにしている。また前段触媒19とDPF18との間には、DPF18の直上流における排気ガスの温度を検出する温度センサ20(本願の排気温度検出手段に相当)が設けてある。
【0021】
一方、22は、制御部としてのECU(例えばマイクロコンピュータで構成される)である。ECU22には、インジェクタ3a〜3d、ウエストゲートバルブ12、吸気絞り弁12、EGRバルブ13b、温度センサ20などが接続してある。このECU22には、予め設定された通常運転の制御内容にしたがって、車両の運転状態に応じ、インジェクタ3a〜3d、ウエストゲートバルブ12、吸気絞り弁12、EGRバルブ13bを制御する機能が設定されている。さらにECU22には、この通常運転中、DPF18に堆積し続けるPMを、ある時点で強制的に処理する強制再生運転が設定されている。
【0022】
すなわち、前段触媒19による連続再生は、NO2によるPMの酸化なので、酸化に必要な雰囲気温度は、O2による酸化に必要な温度(例えば550℃以上)より低い例えば250℃以上から行われるが、低速低負荷の走行が強いられる車両、例えば平均車速が18km/hという都市内走行運転が強いられるバスやトラックでは、排気ガスの温度は250℃を下回るのがほとんどで、通常運転での連続再生は期待できない。つまり、低速低負荷域の運転のときは、DPF18にはPMが堆積し続ける。そのため、ある時期、前段触媒19を用いて、DPF18に堆積したPMをO2により強制的に酸化(燃焼)させるようにしている(強制再生)。そして、この都市内走行(低速低負荷域の運転)を常とする車両におけるDPF18の強制再生運転を実施するべく、つぎのような機能が設定されている。
【0023】
すなわち、・例えば車両の走行時間をある時間積算した所定の積算時間を強制再生実施時期(以下、強制再生インターバルという)に定めて(固定値)、該強制再生インターバル毎に強制再生運転を開始する機能。
【0024】
・例えば強制再生インターバルまでに堆積する推定PM量に基づき、当該PMがO2によりDPF18上で燃焼(例えば550℃以上)する燃焼量を推定し、例えば該燃焼量に費やす総時間を、強制再生運転を終了する終了判定値として定める機能。
【0025】
・上記強制再生インターバルに到達すると、前段触媒19を強制的に活性温度(例えば250℃以上)まで昇温させる第1st.ステージを実行する機能。なお、第1st.ステージには、例えばウエストゲートバルブ12aの強制的なオープン、EGRバルブ13bの開動作、吸気絞り弁12cの閉動作、インジェクタ3a〜3dの噴射タイミングのリタード、インジェクタ3a〜3dの噴射圧力の低減などを行うモードが用いられる。
【0026】
・上記前段触媒19が活性温度に達すると、DPF18を強制再生温度相当値としてのPMの燃焼温度(例えば550℃以上)まで昇温させる第2nd.ステージに切換え、DPF18上のPMをO2により燃焼させる機能。なお、第2nd.ステージには、例えばインジェクタ3a〜3dから膨張行程から排気行程を利用して、未燃燃料を排気ガスに添加し、下流の前段触媒19へ未燃燃料を供給するモードが用いられる(強制再生制御手段に相当)。
【0027】
・DPF18の直上流の排気ガス温度(温度センサ20の検出温度)が、DPF18の過昇温となる温度(強制再生温度相当値より高い所定温度以上の排ガス温度に相当:例えば700℃)なると、上記DPF18の強制再生運転を一時的に中断する機能。
【0028】
・第2nd.ステージの開始後、排温履歴カウンタを用いて、上記PMの燃焼温度(例えば550℃)から上限温度(例えば700℃)までの範囲で行われる強制PM酸化(燃焼)のとき、DPF18へ導入される直上流の排気ガスの温度が、一定時間、例えば10秒位、連続して経過したPMの燃焼温度(強制再生温度相当値の温度に相当)、例えば550℃を越えた時間を加算して、排気ガス温度の累積履歴を形成する機能。
【0029】
・排温履歴カウンタで加算した累積時間が、先の終了判定値に到達すると、強制再生運転を終了させる機能。
【0030】
などが設定されている。
【0031】
こうした強制再生の詳細な制御が図2および図3に示すフローチャートに示されている。
【0032】
今、車両、例えばバスが都市内走行(例えば平均車速18km/h)しており、ディーゼルエンジン1から排出された排気ガスが、排気マニホールド10、排気管11、前段触媒19、DPF18を通じて、大気に排出されるとする。
【0033】
このとき、バスは低速低負荷域の走行なので、排気ガスの温度は低く(NO2による酸化反応の温度を下回る:例えば250℃以下)、NO2によるPMの酸化処理(前段触媒19で排気ガス中のNOを生成し、生成されたNO2と排気ガス中のO2でDPF18のPMを燃焼)は期待できない。このため、DPF18により捕集されたPMは、DPF18上に堆積し続ける(ステップS1)。
【0034】
走行を続け、予め設定されている強制再生運転を実施する時期(強制再生インターバル)を経過すると、ECU22の指令により、O2でPMを強制的に酸化(燃焼)させる強制再生運転が開始される(ステップS2、ステップS3)。この強制再生運転の詳細な制御が図3に示されている。
【0035】
強制再生運転は、ECU22の指令により、まず、DPF18へ導入される排気ガスの温度が所定温度値T1以下、例えば前段触媒19の活性温度以下(250℃以下)であることを確認してから(ステップS31)、前段触媒19を昇温させるモード、すなわち1st.ステージを実行する(ステップS32)。この1st.ステージは、ウエストゲートバルブ12aを強制的にオープン、EGRバルブ13bを「開」、吸気絞り弁12cを「閉」、インジェクタ3a〜3dの噴射タイミングをリタード、インジェクタ3a〜3dの噴射圧力を低減させることで行われる。このうちのウエストゲートバルブ12aの強制的なオープン、噴射タイミングのリタード、噴射圧力の低減により、排気温度が上昇するようになる。またウエストゲートバルブ12aの強制的なオープン、EGRバルブ13bの「開」、吸気絞り弁12cの「閉」により、新気導入量の低減から、前段触媒19の温度低下が抑えられるようになり(新気は温度が低いため)、前段触媒19の温度が上昇していく。
【0036】
そして、ECU22が、温度センサ20からの温度値により、前段触媒19の活性温度(例えば250℃以上)まで上昇したと判定されると(ステップS33)、1st.ステージから、DPF18を昇温させる2nd.ステージへと切換えが行われる。この2nd.ステージは、インジェクタ3a〜3dによるポスト噴射で、排気ガス中に未燃燃料を添加することで行われる(ステップS34)。これにより、未燃燃料は、下流の前段触媒19上で反応して燃焼し、その燃焼熱でDPF18の直上流の排気温度を、PMを燃焼させる温度、すなわち強制再生温度(O2によるPMの酸化が行われる温度、例えば550℃以上)に上昇させる。この上昇に伴い、DPF18が強制再生温度まで昇温して、DPF18上のPMを酸化(燃焼)させる。
【0037】
なお、この際、排気温度が、DPF19の過昇温をきたす温度、例えば700℃まで上昇することがあると、未燃燃料の添加を中断して、強制再生運転(2nd.ステージ)を一時的に中断する(ステップS35、ステップS36)なお、例えば排気温度が700℃を下回ると、再び2nd.ステージは再開する。
【0038】
一方、ECU22は、この強制再生運転制御が開始されてから、DPF18の直上流の排気温度が、一定時間連続して、強制再生温度相当値T2以上であるかを検出している。例えば排気温度が、10秒間以上連続して550℃を越えている温度域を検出している(ステップS37)。そして、排温履歴カウンタで、同温度域の経過時間を加算している。具体的には、例えばDPF18の直上流の排気温度は、図3(b)に示されるように未燃燃料の供給状態によって、一瞬に上昇したり下降したりするなど激しく変化している。排温履歴カウンタは、このうちの一瞬、強制再生温度相当値T2を越えるのは加算せずに、t1やt2のような一定時間以上(例えば10秒以上)連続して、強制再生温度相当値T2を越えている温度域の経過時間だけを加算する。つまり、排温履歴カウンタは、DPF19が強制再生温度になっているとき、すなわち確実にDPF19が強制再生状態にある時間だけが累積される(ステップS38)。
【0039】
そして、この排温履歴カウンタの累積履歴、すなわち累積時間が、予め設定してある終了判定値に到達すると、ECU22はDPF18上のPM燃焼量が目標値に到達したと判定して(ステップS39)、強制再生運転を終了し、再び通常運転に戻す。
【0040】
このように強制再生制御の終了時期は、排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて調整されるために、同終了時期を確実にDPF18を強制再生状態にある時間だけで調整することができる。
【0041】
このため、DPF18の直上流の排気温度を検出するという簡便な温度検出を用いながら、再生状況を適切に反映させて、強制再生の制御期間を的確に調整することができる。それ故、PMの燃焼に関与しない無駄なポスト噴射などの実施を抑えることができ、従来の単純に加算する排気浄化装置に比べ、燃費および排ガス性能を向上させることができる。
【0042】
しかも、排気温が強制再生温度相当値より高い所定温度以上になる場合、強制再生制御を一時的に中断させるので、DPF18の過昇温が抑えられ、過昇温を要因としたDPF18の溶損を防ぐことができる。特にDPF18の過昇温の防止は、DPF18の直上流の排気温度を用い、フィルタ温度を先取りして行う制御なので、強制再生制御の中断は応答性良く行うことができ、確実にDPF18の溶損を防止することができる。
【0043】
そのうえ、排気温度の検出値は、強制再生終了時期の調整と、DPF18の溶損防止との双方で共用されるので、排気温度の検出系の構成は簡素化される。
【0044】
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、DPFを昇温させるためにポスト噴射を用いたが、これに限らず、例えばDPF上流の排気通路から未燃燃料を添加する構成でもよく、未燃燃料を添加する手法には限定されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、簡便な温度検出を用いながら、確実にパティキュレートフィルタが強制再生状態にある時間で、強制再生終了時期を調整することができる。
【0046】
したがって、再生状況を適切に反映させて、強制再生の制御期間を的確に調整することができ、PMの燃焼に関与しない無駄な制御の実施を十分に抑制でき、燃費および排ガス性能の向上を図ることができる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加え、パティキュレートフィルタの過昇温が抑えられ、過昇温を要因としたDPF18の溶損を防ぐことができる。特に過昇温の防止は、パティキュレートフィルタの直上流の排気温度を用いて行う制御なので、中断は応答性良く行うことができ、確実にパティキュレートフィルタの溶損を防ぐことができる。そのうえ、排気温度の検出値は、強制再生終了時期の調整と、パティキュレートフィルタの溶損防止との双方で共用されるので、排気温度の検出系は簡単ですむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の構成を示す図。
【図2】同装置の通常運転から強制再生へ切換わる制御を説明するフローチャート。
【図3】(a)は、同強制再生運転の制御を説明するフローチャート。(b)は、同強制再生運転におけるパティキュレートフィルタ直上の排気温度の変化を説明するための線図。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン(内燃機関)
10…排気管(排気通路)
18…パティキュレートフィルタ
19…酸化触媒
20…温度センサ(排気温度検出手段)
22…ECU(強制再生制御手段)。
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の排気通路に介装されるパティキュレートフィルタとその上流側に配置された酸化触媒とを用いて浄化する内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジン(内燃機関)に搭載される排気浄化装置には、該エンジンの排気通路に介装されるパティキュレートフィルタ(以下、DPFという)を介装して、ディーゼルエンジンの排気中に含まれるパティキュレート(以下、PMという)を捕集する構造が用いられる。
【0003】
DPFは、捕集能力を回復させることが必要である。特にPMの自然発火が期待できないため、DPFを有する排気浄化装置では、強制的にDPFを再生すること、すなわち予め設定された再生実施時期に、DPFの温度を強制的にPMが酸化するまで上昇させて、DPFに堆積したPMを燃焼させることが行われる(強制再生)。一般には、DPFの再生は、再生実施時期に至るまでの推定PM堆積量に基づき設定した設定時間(再生時間)で行われる。
【0004】
ところが、強制再生中、DPFの温度は変化しており、PMを酸化させる温度を下回ることがある。このため、設定された再生時間内でDPFは十分に再生できず、一部PMがDPF上に残存することがある。そうかといって、再生時間を長く設定すれば、今度は無駄な再生運転が生じる。
【0005】
そこで、強制再生中、DPFのフィルタ温度が設定温度以上になるとき、すなわち再生状態にある時間を積算して、その積算時間が設定時間以上になると、強制再生を終了させて、DPFの再生の確実化を図る技術が提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0006】
【特許文献1】
特公平5−34487号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の技術によると、フィルタ温度はDPFの温度を直接計測するか、フィルタ近傍の排気温度を計測して求めている。しかし、DPFの温度を直接計測するには、高価な装置が必要であり、現実的にはコスト的の困難である。また排気温度で代用する場合、上記従来の技術は、単純にPMが酸化する温度以上の時間を計測しているため、排気温度が一瞬だけ上記温度になるだけでDPFは当該温度に達しないなどの排気温度に対するフィルタ温度の遅れの挙動が考慮されておらず、現実にはDPFが再生状態にある時間が確実に検出できていないために、改良の余地がある。
【0008】
また、近年ではDPFの前段に酸化触媒を配置した連続再生式の排気浄化装置が開発されている。この連続再生式におけるDPFの強制再生は、触媒上で未燃燃料を反応させてDPFの直上流の排気温度を上昇させる手法が一般的であるが、同再生は未燃燃料の供給状態によって、排気温度が一瞬に上昇したり下降したりするなど激しく変化する挙動が見られる。このため、前段触媒を用いた連続再生式では、先の排気温度に対するフィルタ温度の遅れの問題がより顕在化する。
【0009】
そのため、本発明は、パティキュレートフィルタの再生状況を適切に反映させて、パティキュレートフィルタの前段触媒を用いた強制再生の処理期間を的確に調整できる内燃機関の排気浄化装置を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1に記載の発明は、パティキュレートフィルタの直上流の排気温度を検出する排気温度検出手段を用い、強制再生制御手段で、強制再生制御開始後に上記排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて強制再生制御の終了時期を調整するようにした。
【0011】
これにより、強制再生の終了時期は、確実にパティキュレートフィルタが強制再生状態にある時間により調整される。この再生状況の適切な反映により、強制再生の制御期間が的確に調整され、一層、燃費や排ガス性能の向上が図れる。
【0012】
請求項2に記載の発明は、上記目的に加え、さらにパティキュレートフィルタの過昇温を防ぐよう、更に強制再生制御手段で、排気温度が強制再生温度相当値より高い所定温度以上の場合、強制再生制御を一時的に中断するようにした。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図1ないし図3に示す一実施形態にもとづいて説明する。
【0014】
図1は、内燃機関、例えばトラックやバスなどの車両に搭載される走行用ディーゼルエンジン1の排気浄化装置を示していて、図中1aはディーゼルエンジン1のエンジン本体を示している。
【0015】
ここで、エンジン本体1は、例えば直列に並んだ4つの気筒2a〜2dを備えている。各気筒2a〜2dには、ピストン(図示しない)が往復可能に収めてある。また各気筒2a〜2dの上部には、気筒毎にインジェクタ3a〜3d、吸気ポート4a〜4d、排気ポート5a〜5d、吸・排気弁(図示しない)が設けてある。各インジェクタ3a〜3dには、燃料供給装置(図示しない)が接続されていて、気筒毎に所定のタイミングで、各吸・排気弁の吸・排動作、各インジェクタの噴射動作が行われると、各気筒2a〜2dで、所定のサイクル、例えば吸気、圧縮、爆発燃焼、排気の工程が行われるようにしてある。
【0016】
エンジン本体1aの片側に開口した各吸気ポート4a〜4dの入口には、吸気マニホールド6が接続してある。この吸気マニホールド6には、途中にインタクーラ7(例えば空冷式)、ターボ過給機8のコンプレッサ部8aが組付けてある吸気管9が接続されていて、吸気管9を通じて各気筒2a〜2dへ燃焼用空気が導入できるようにしている。残る片側に開口した各排気ポート5a〜5dの出口には、排気マニホールド10が接続してある。この排気マニホールド10には、途中にターボ過給機8のタービン部8bが組付けてある排気管11が接続されていて、燃焼を終えた各気筒2a〜2dからの排気ガスを外部へ排気できるようにしている。8cは、例えばタービン部8bに組込まれた排気逃し部(例えばタービン部8bの入口と出口との間をバイパスするバイパス路12a、該バイパス路12aを開閉するウエストゲートバルブ12bで構成されるもの)を示す。
【0017】
なお、例えば吸気マニホールド6の入口には吸気絞り弁12が設置され、また例えば吸気マニホールド6と排気マニホールド10との間には、EGR装置13(例えばマニホールド6,10間をバイパスするEGR通路13a、該EGR通路13aを開閉するEGRバルブ13bで構成されるもの)が設置してある。
【0018】
このディーゼルエンジン1の排気通路をなす例えば排気管11の後部には、連続再生式のパティキュレートフィルタ装置15が介装されている。同装置15は、例えば両端部が絞られ、中央が排気管11より大径に形成された筒形のケーシング16をもつ。そして、ケーシング16の一端部に形成された流入口16aが、排気マニホールド10から延びている排気管部分に接続され、ケーシング16の他端部に形成された流出口16bが、大気に開放している排気管部分に接続してある。
【0019】
このケーシング16内には、パティキュレートフィルタ18(以下、DPF18という)が収容してある。このDPF18は、例えば排気ガスが通過可能でパティキュレートが通過不能な多孔質の隔壁で仕切られた多角形断面をもつフィルタ部分18aを有し、このフィルタ部分18aの隔壁で形成された多数の貫通孔の隣接する入口と出口とを交互に栓18bで封止した構造が用いてある。つまり、排気ガスが隔壁を通過するとき、排気ガスに含まれるパティキュレート(以下、PMという)が捕集されるようにしている。
【0020】
さらにケーシング16内には、DPF18の上流側に位置して、酸化触媒19(以下、前段触媒19という)が収めてある。この前段触媒19の設置により、DPF18が連続再生、すなわち前段触媒19上で排気ガス中のNOを酸化して、生成されたNO2と排気ガス中のO2とによりDPF18で捕集されたPMの酸化(燃焼)が行われるようにしている。また前段触媒19とDPF18との間には、DPF18の直上流における排気ガスの温度を検出する温度センサ20(本願の排気温度検出手段に相当)が設けてある。
【0021】
一方、22は、制御部としてのECU(例えばマイクロコンピュータで構成される)である。ECU22には、インジェクタ3a〜3d、ウエストゲートバルブ12、吸気絞り弁12、EGRバルブ13b、温度センサ20などが接続してある。このECU22には、予め設定された通常運転の制御内容にしたがって、車両の運転状態に応じ、インジェクタ3a〜3d、ウエストゲートバルブ12、吸気絞り弁12、EGRバルブ13bを制御する機能が設定されている。さらにECU22には、この通常運転中、DPF18に堆積し続けるPMを、ある時点で強制的に処理する強制再生運転が設定されている。
【0022】
すなわち、前段触媒19による連続再生は、NO2によるPMの酸化なので、酸化に必要な雰囲気温度は、O2による酸化に必要な温度(例えば550℃以上)より低い例えば250℃以上から行われるが、低速低負荷の走行が強いられる車両、例えば平均車速が18km/hという都市内走行運転が強いられるバスやトラックでは、排気ガスの温度は250℃を下回るのがほとんどで、通常運転での連続再生は期待できない。つまり、低速低負荷域の運転のときは、DPF18にはPMが堆積し続ける。そのため、ある時期、前段触媒19を用いて、DPF18に堆積したPMをO2により強制的に酸化(燃焼)させるようにしている(強制再生)。そして、この都市内走行(低速低負荷域の運転)を常とする車両におけるDPF18の強制再生運転を実施するべく、つぎのような機能が設定されている。
【0023】
すなわち、・例えば車両の走行時間をある時間積算した所定の積算時間を強制再生実施時期(以下、強制再生インターバルという)に定めて(固定値)、該強制再生インターバル毎に強制再生運転を開始する機能。
【0024】
・例えば強制再生インターバルまでに堆積する推定PM量に基づき、当該PMがO2によりDPF18上で燃焼(例えば550℃以上)する燃焼量を推定し、例えば該燃焼量に費やす総時間を、強制再生運転を終了する終了判定値として定める機能。
【0025】
・上記強制再生インターバルに到達すると、前段触媒19を強制的に活性温度(例えば250℃以上)まで昇温させる第1st.ステージを実行する機能。なお、第1st.ステージには、例えばウエストゲートバルブ12aの強制的なオープン、EGRバルブ13bの開動作、吸気絞り弁12cの閉動作、インジェクタ3a〜3dの噴射タイミングのリタード、インジェクタ3a〜3dの噴射圧力の低減などを行うモードが用いられる。
【0026】
・上記前段触媒19が活性温度に達すると、DPF18を強制再生温度相当値としてのPMの燃焼温度(例えば550℃以上)まで昇温させる第2nd.ステージに切換え、DPF18上のPMをO2により燃焼させる機能。なお、第2nd.ステージには、例えばインジェクタ3a〜3dから膨張行程から排気行程を利用して、未燃燃料を排気ガスに添加し、下流の前段触媒19へ未燃燃料を供給するモードが用いられる(強制再生制御手段に相当)。
【0027】
・DPF18の直上流の排気ガス温度(温度センサ20の検出温度)が、DPF18の過昇温となる温度(強制再生温度相当値より高い所定温度以上の排ガス温度に相当:例えば700℃)なると、上記DPF18の強制再生運転を一時的に中断する機能。
【0028】
・第2nd.ステージの開始後、排温履歴カウンタを用いて、上記PMの燃焼温度(例えば550℃)から上限温度(例えば700℃)までの範囲で行われる強制PM酸化(燃焼)のとき、DPF18へ導入される直上流の排気ガスの温度が、一定時間、例えば10秒位、連続して経過したPMの燃焼温度(強制再生温度相当値の温度に相当)、例えば550℃を越えた時間を加算して、排気ガス温度の累積履歴を形成する機能。
【0029】
・排温履歴カウンタで加算した累積時間が、先の終了判定値に到達すると、強制再生運転を終了させる機能。
【0030】
などが設定されている。
【0031】
こうした強制再生の詳細な制御が図2および図3に示すフローチャートに示されている。
【0032】
今、車両、例えばバスが都市内走行(例えば平均車速18km/h)しており、ディーゼルエンジン1から排出された排気ガスが、排気マニホールド10、排気管11、前段触媒19、DPF18を通じて、大気に排出されるとする。
【0033】
このとき、バスは低速低負荷域の走行なので、排気ガスの温度は低く(NO2による酸化反応の温度を下回る:例えば250℃以下)、NO2によるPMの酸化処理(前段触媒19で排気ガス中のNOを生成し、生成されたNO2と排気ガス中のO2でDPF18のPMを燃焼)は期待できない。このため、DPF18により捕集されたPMは、DPF18上に堆積し続ける(ステップS1)。
【0034】
走行を続け、予め設定されている強制再生運転を実施する時期(強制再生インターバル)を経過すると、ECU22の指令により、O2でPMを強制的に酸化(燃焼)させる強制再生運転が開始される(ステップS2、ステップS3)。この強制再生運転の詳細な制御が図3に示されている。
【0035】
強制再生運転は、ECU22の指令により、まず、DPF18へ導入される排気ガスの温度が所定温度値T1以下、例えば前段触媒19の活性温度以下(250℃以下)であることを確認してから(ステップS31)、前段触媒19を昇温させるモード、すなわち1st.ステージを実行する(ステップS32)。この1st.ステージは、ウエストゲートバルブ12aを強制的にオープン、EGRバルブ13bを「開」、吸気絞り弁12cを「閉」、インジェクタ3a〜3dの噴射タイミングをリタード、インジェクタ3a〜3dの噴射圧力を低減させることで行われる。このうちのウエストゲートバルブ12aの強制的なオープン、噴射タイミングのリタード、噴射圧力の低減により、排気温度が上昇するようになる。またウエストゲートバルブ12aの強制的なオープン、EGRバルブ13bの「開」、吸気絞り弁12cの「閉」により、新気導入量の低減から、前段触媒19の温度低下が抑えられるようになり(新気は温度が低いため)、前段触媒19の温度が上昇していく。
【0036】
そして、ECU22が、温度センサ20からの温度値により、前段触媒19の活性温度(例えば250℃以上)まで上昇したと判定されると(ステップS33)、1st.ステージから、DPF18を昇温させる2nd.ステージへと切換えが行われる。この2nd.ステージは、インジェクタ3a〜3dによるポスト噴射で、排気ガス中に未燃燃料を添加することで行われる(ステップS34)。これにより、未燃燃料は、下流の前段触媒19上で反応して燃焼し、その燃焼熱でDPF18の直上流の排気温度を、PMを燃焼させる温度、すなわち強制再生温度(O2によるPMの酸化が行われる温度、例えば550℃以上)に上昇させる。この上昇に伴い、DPF18が強制再生温度まで昇温して、DPF18上のPMを酸化(燃焼)させる。
【0037】
なお、この際、排気温度が、DPF19の過昇温をきたす温度、例えば700℃まで上昇することがあると、未燃燃料の添加を中断して、強制再生運転(2nd.ステージ)を一時的に中断する(ステップS35、ステップS36)なお、例えば排気温度が700℃を下回ると、再び2nd.ステージは再開する。
【0038】
一方、ECU22は、この強制再生運転制御が開始されてから、DPF18の直上流の排気温度が、一定時間連続して、強制再生温度相当値T2以上であるかを検出している。例えば排気温度が、10秒間以上連続して550℃を越えている温度域を検出している(ステップS37)。そして、排温履歴カウンタで、同温度域の経過時間を加算している。具体的には、例えばDPF18の直上流の排気温度は、図3(b)に示されるように未燃燃料の供給状態によって、一瞬に上昇したり下降したりするなど激しく変化している。排温履歴カウンタは、このうちの一瞬、強制再生温度相当値T2を越えるのは加算せずに、t1やt2のような一定時間以上(例えば10秒以上)連続して、強制再生温度相当値T2を越えている温度域の経過時間だけを加算する。つまり、排温履歴カウンタは、DPF19が強制再生温度になっているとき、すなわち確実にDPF19が強制再生状態にある時間だけが累積される(ステップS38)。
【0039】
そして、この排温履歴カウンタの累積履歴、すなわち累積時間が、予め設定してある終了判定値に到達すると、ECU22はDPF18上のPM燃焼量が目標値に到達したと判定して(ステップS39)、強制再生運転を終了し、再び通常運転に戻す。
【0040】
このように強制再生制御の終了時期は、排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて調整されるために、同終了時期を確実にDPF18を強制再生状態にある時間だけで調整することができる。
【0041】
このため、DPF18の直上流の排気温度を検出するという簡便な温度検出を用いながら、再生状況を適切に反映させて、強制再生の制御期間を的確に調整することができる。それ故、PMの燃焼に関与しない無駄なポスト噴射などの実施を抑えることができ、従来の単純に加算する排気浄化装置に比べ、燃費および排ガス性能を向上させることができる。
【0042】
しかも、排気温が強制再生温度相当値より高い所定温度以上になる場合、強制再生制御を一時的に中断させるので、DPF18の過昇温が抑えられ、過昇温を要因としたDPF18の溶損を防ぐことができる。特にDPF18の過昇温の防止は、DPF18の直上流の排気温度を用い、フィルタ温度を先取りして行う制御なので、強制再生制御の中断は応答性良く行うことができ、確実にDPF18の溶損を防止することができる。
【0043】
そのうえ、排気温度の検出値は、強制再生終了時期の調整と、DPF18の溶損防止との双方で共用されるので、排気温度の検出系の構成は簡素化される。
【0044】
なお、本発明は上述した一実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施しても構わない。例えば一実施形態では、DPFを昇温させるためにポスト噴射を用いたが、これに限らず、例えばDPF上流の排気通路から未燃燃料を添加する構成でもよく、未燃燃料を添加する手法には限定されるものではない。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1に記載の発明によれば、簡便な温度検出を用いながら、確実にパティキュレートフィルタが強制再生状態にある時間で、強制再生終了時期を調整することができる。
【0046】
したがって、再生状況を適切に反映させて、強制再生の制御期間を的確に調整することができ、PMの燃焼に関与しない無駄な制御の実施を十分に抑制でき、燃費および排ガス性能の向上を図ることができる。
【0047】
請求項2に記載の発明によれば、上記効果に加え、パティキュレートフィルタの過昇温が抑えられ、過昇温を要因としたDPF18の溶損を防ぐことができる。特に過昇温の防止は、パティキュレートフィルタの直上流の排気温度を用いて行う制御なので、中断は応答性良く行うことができ、確実にパティキュレートフィルタの溶損を防ぐことができる。そのうえ、排気温度の検出値は、強制再生終了時期の調整と、パティキュレートフィルタの溶損防止との双方で共用されるので、排気温度の検出系は簡単ですむ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る内燃機関の排気浄化装置の構成を示す図。
【図2】同装置の通常運転から強制再生へ切換わる制御を説明するフローチャート。
【図3】(a)は、同強制再生運転の制御を説明するフローチャート。(b)は、同強制再生運転におけるパティキュレートフィルタ直上の排気温度の変化を説明するための線図。
【符号の説明】
1…ディーゼルエンジン(内燃機関)
10…排気管(排気通路)
18…パティキュレートフィルタ
19…酸化触媒
20…温度センサ(排気温度検出手段)
22…ECU(強制再生制御手段)。
Claims (2)
- 内燃機関の排気通路内に配置され、排気中のパティキュレートを捕集するパティキュレートフィルタと、
同フィルタの上流側に位置して前記排気通路内に配置された酸化触媒と、
前記パティキュレートフィルタの温度を強制的に上昇させる強制再生制御手段と
を備えた内燃機関の排気浄化装置において、
前記パティキュレートフィルタの直上流の排気温度を検出する排気温度検出手段を更に有し、
前記強制再生制御手段は、強制再生制御開始後に前記排気温度が一定時間連続して強制再生温度相当値以上であった場合の累積履歴に基づいて前記強制再生制御の終了時期を調整するように構成されている
ことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。 - 請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置において、
前記強制再生制御手段は、更に、上記排気温度が強制再生温度相当値より高い所定温度以上の場合は前記強制再生制御を一時的に中断するように構成されていることを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
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