JP2018013067A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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寿丈 梅本
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【課題】エネルギを有効に利用しつつ、前段触媒の詰まりを確実に除去する。【解決手段】内燃機関の排気浄化装置は、パティキュレートフィルタ23と、パティキュレートフィルタ上流に配置された前段触媒24とを備える。パティキュレートフィルタから粒子状物質を除去するためのフィルタ再生処理に引き続いて、前段触媒からデポジットを除去するために前段触媒の流入端の温度をデポジット除去時間にわたりデポジット除去温度に保持するデポジット除去処理が行われる。フィルタ再生処理中における、前段触媒に流入した排気ガスの温度、前段触媒に流入した排気ガス中の炭化水素の量、及び、前段触媒に流入した排気ガス中の酸素の濃度に基づいて、デポジットの可溶有機成分割合が推定され、可溶有機成分割合が低いときには、可溶有機成分割合が高いときに比べて、デポジット除去温度が高められ、デポジット除去時間が長くされる。【選択図】図1

Description

本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
排気通路内に配置され、排気ガス中の粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタと、パティキュレートフィルタ上流の排気通路内に配置され、酸化機能を有する前段触媒と、を備え、パティキュレートフィルタから粒子状物質を除去するために、前段触媒に炭化水素を供給しそれによりパティキュレートフィルタに流入する排気ガスの温度をフィルタ再生温度に保持するフィルタ再生処理を行う、内燃機関の排気浄化装置が公知である(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、排気通路への軽油添加又は燃焼室内へのポスト燃料噴射により前段触媒に炭化水素が2次的に供給される。この炭化水素が前段触媒で酸化されると、パティキュレートフィルタに流入する排気ガスの温度が高められ、それによりパティキュレートフィルタの温度が高められ、したがって粒子状物質が酸化除去される。
特開2010−101205号公報
ところで、フィルタ再生処理中、前段触媒には、内燃機関から排出された粒子状物質と、2次的な炭化水素とが流入する。ところが、これら粒子状物質及び炭化水素が前段触媒の流入端に付着すると、いわゆるデポジットが形成される。前段触媒に付着したデポジットの量が多くなると、前段触媒の流入端に詰まりが生ずるおそれがある。一方、酸化雰囲気のもとで前段触媒の流入端の温度が高くされると、デポジットが酸化され、前段触媒から除去される。そこで、前段触媒の流入端からデポジットを除去するために、前段触媒の流入端の温度をデポジット除去時間にわたりデポジット除去温度に保持するデポジット除去処理を行うことが考えられる。
ところが、詳しくは後述するが、本願発明者によれば、デポジットの除去し易さは必ずしも一定ではないことが判明した。したがって、上述のデポジット除去温度及びデポジット除去時間が例えば一定であると、デポジット除去処理で消費されるエネルギ量が過剰であったり、不足したりするおそれがある。すなわち、エネルギ過剰の場合にはエネルギを有効利用できず、エネルギ不足の場合にはデポジットを前段触媒から十分に除去することができないという問題点がある。
本発明によれば、内燃機関の排気浄化装置であって、排気通路内に配置され、排気ガス中の粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタと、前記パティキュレートフィルタ上流の排気通路内に配置され、酸化機能を有する前段触媒と、酸化雰囲気のもとで前記前段触媒に炭化水素を2次的に供給することにより前記パティキュレートフィルタの温度を通常時よりも高めることが可能な第1の温度制御装置と、前記前段触媒の流入端の温度を通常時よりも高めることが可能な第2の温度制御装置と、電子制御ユニットと、を備え、前記電子制御ユニットは、前記パティキュレートフィルタから粒子状物質を除去するために、前記第1の温度制御装置を制御して、前記パティキュレートフィルタの温度をフィルタ再生温度に保持するフィルタ再生処理を行うと共に、前記フィルタ再生処理に引き続いて、前記前段触媒からデポジットを除去するために、前記第2の温度制御装置を制御して、前記前段触媒の流入端の温度をデポジット除去時間にわたりデポジット除去温度に保持するデポジット除去処理を行うように構成されており、前記電子制御ユニットは更に、前記フィルタ再生処理中における、前記前段触媒に流入した排気ガスの温度、前記前段触媒に流入した排気ガス中の炭化水素の量、及び、前記前段触媒に流入した排気ガス中の酸素の濃度に基づいて、前記デポジットの可溶有機成分割合を推定し、前記可溶有機成分割合が低いときには、前記可溶有機成分割合が高いときに比べて、前記デポジット除去処理で消費されるエネルギ量が多くなるように前記第2の温度制御装置を制御するように構成されている内燃機関の排気浄化装置が提供される。
エネルギを有効に利用しつつ、前段触媒の詰まりを確実に除去することができる。
内燃機関の全体図である。 パティキュレートフィルタの正面図である。 パティキュレートフィルタの側面断面図である。 追加の燃料FAを説明する線図である。 フィルタ再生処理及びデポジット除去処理を説明するタイムチャートである。 本発明による別の実施例による内燃機関の全体図である。 デポジット除去温度TDRのマップを示す図である。 デポジット除去時間tDRのマップを示す図である。 可溶有機成分割合RSOFを示す線図である。 可溶有機成分割合RSOFを示す線図である。 可溶有機成分割合RSOFのマップを示す図である。 炭化水素量qHCのマップを示す図である。 本発明による実施例の排気浄化制御ルーチンを示すフローチャートである。 本発明による別の実施例の排気浄化制御ルーチンを示すフローチャートである。
図1を参照すると、1は圧縮着火式内燃機関の本体、2は各気筒の燃焼室、3は燃焼室2内にそれぞれ燃料を噴射するための電磁制御式燃料噴射弁、4は吸気マニホルド、5は排気マニホルドをそれぞれ示す。吸気マニホルド4は吸気ダクト6を介して排気ターボチャージャ7のコンプレッサ7cの出口に連結され、コンプレッサ7cの入口は吸気導入管8を介してエアフロメータ9及びエアクリーナ10に順次連結される。吸気ダクト6内には電気制御式スロットル弁11が配置され、更に吸気ダクト6周りには吸気ダクト6内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置12が配置される。一方、排気マニホルド5は排気ターボチャージャ7の排気タービン7tの入口に連結され、排気タービン7tの出口は排気後処理装置20に連結される。
各燃料噴射弁3は燃料供給管13を介してコモンレール14に連結され、このコモンレール14は電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ15を介して燃料タンク16に連結される。燃料タンク16内には燃料が液体の形で貯蔵されている。燃料タンク16内の燃料は燃料ポンプ15によってコモンレール14内に供給され、コモンレール14内に供給された燃料は各燃料供給管13を介して燃料噴射弁3に供給される。本発明による実施例ではこの燃料は軽油から構成される。別の実施例(図示しない)では、内燃機関はリーン空燃比のもとで燃焼が行われる火花点火式内燃機関から構成される。この場合には燃料はガソリンから構成される。
排気マニホルド5と吸気マニホルド4とは排気ガス再循環(以下、EGRという。)通路17を介して互いに連結され、EGR通路17内には電気制御式EGR制御弁18が配置される。また、EGR通路17周りにはEGR通路17内を流れるEGRガスを冷却するための冷却装置19が配置される。
排気後処理装置20は排気タービン7tの出口に連結された排気管21を具備し、この排気管21はケーシング22の入口に連結される。ケーシング22内には、排気ガス中の粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタ23が配置される。ケーシング22内には更に、酸化機能を有する前段触媒24がパティキュレートフィルタ23上流に配置される。別の実施例(図示しない)では前段触媒24はケーシング22とは別のケーシング内に配置される。ケーシング22の出口には排気管25が連結される。
電子制御ユニット30はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス31によって互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)32、RAM(ランダムアクセスメモリ)33、CPU(マイクロプロセッサ)34、入力ポート35及び出力ポート36を具備する。ケーシング22上流の排気管21には、前段触媒24に流入する排気ガスの温度を検出する温度センサ26と、前段触媒24に流入する排気ガス中の酸素濃度を検出する酸素濃度センサ27とが取り付けられる。前段触媒24に流入する排気ガスの温度は前段触媒24の少なくとも流入端の温度を表している。また、前段触媒24とパティキュレートフィルタ23との間のケーシング22にはパティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの温度を検出する温度センサ28が取り付けられる。パティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの温度はパティキュレートフィルタ23の温度を表している。エアフロメータ9、温度センサ26,28及び酸素濃度センサ27の出力電圧はそれぞれ対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。また、アクセルペダル39にはアクセルペダル39の踏み込み量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ40が接続され、負荷センサ40の出力電圧は対応するAD変換器37を介して入力ポート35に入力される。アクセルペダル39の踏み込み量は機関負荷を表している。更に、クランクシャフトが例えば30度回転するごとに出力パルスを発生するクランク角センサ41が入力ポート35に接続される。CPU34ではクランク角センサ41からの出力パルスに基づいて機関回転数が算出される。一方、出力ポート36は対応する駆動回路38を介して燃料噴射弁3、スロットル弁11の駆動装置、燃料ポンプ15、及びEGR制御弁18に接続される。
図2A及び図2Bはパティキュレートフィルタ23の構造を示している。なお、図2Aはパティキュレートフィルタ23の正面図を示しており、図2Bはパティキュレートフィルタ23の側面断面図を示している。図2A及び図2Bに示されるようにパティキュレートフィルタ23はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路71i,71oと、これら排気流通路71i,71oを互いに隔てる隔壁72とを具備する。図2Aに示される実施例では、排気流通路71i,71oは、上流端が開放されかつ下流端が栓73dにより閉塞された排気ガス流入通路71iと、上流端が栓73uにより閉塞されかつ下流端が開放された排気ガス流出通路71oとにより構成される。なお、図2Aにおいてハッチングを付した部分は栓73uを示している。したがって、排気ガス流入通路71i及び排気ガス流出通路71oは薄肉の隔壁72を介して交互に配置される。云い換えると排気ガス流入通路71i及び排気ガス流出通路71oは各排気ガス流入通路71iが4つの排気ガス流出通路71oによって包囲され、各排気ガス流出通路71oが4つの排気ガス流入通路71iによって包囲されるように配置される。
隔壁72は多孔質材料、例えばコージェライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素、ジルコニア、チタニア、アルミナ、シリカ、ムライト、リチウムアルミニウムシリケート、リン酸ジルコニウムのようなセラミックから形成される。したがって、図2Bに矢印で示されるように、排気ガスはまず排気ガス流入通路71i内に流入し、次いで周囲の隔壁72内を通って隣接する排気ガス流出通路71o内に流出する。なお、本発明による実施例では、隔壁72に白金、パラジウム、ラジウムのような貴金属触媒が担持されている。
別の実施例(図示しない)では、排気流通路71i,71oは、上流端及び下流端が開放された排気ガス流入通路と、上流端が栓により閉塞されかつ下流端が開放された排気ガス流出通路とにより構成される。この例でも、排気ガス流入通路71i内に流入した排気ガスの全部又は一部が隔壁72内を通って排気ガス流出通路71o内に流出する。
一方、前段触媒24はハニカム構造をなしており、互いに平行をなして延びる複数個の排気流通路と、これら排気流通路を互いに隔てる隔壁とを具備する。隔壁には白金、パラジウム、ラジウムのような貴金属触媒が担持されている。
別の実施例(図示しない)では、前段触媒24はNOx吸蔵還元触媒から構成される。機関吸気通路、燃焼室2及びNOx吸蔵還元触媒上流の排気通路内に供給された空気及び燃料ないし炭化水素の比を排気ガスの空燃比と称し、吸収と吸着とを包含する用語として吸蔵という用語を用いると、このNOx吸蔵還元触媒は、排気ガスの空燃比がリーンのときにはNOxを吸蔵し、排気ガス中の酸素濃度が低下すると吸蔵したNOxを放出し還元する機能を有している。このNOx吸蔵還元触媒は、白金のような貴金属触媒と、カリウムK、ナトリウムNa、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類金属、ランタノイドのような希土類および銀Ag、銅Cu、鉄Fe、イリジウムIrのようなNOxに電子を供与しうる金属から選ばれた少なくとも一つを含む塩基性層とを備える。なお、NOx吸蔵還元触媒は酸化機能をも有している。
さて、排気ガス中に含まれる粒子状物質はパティキュレートフィルタ23に捕集される。燃焼室2では酸素過剰のもとで燃焼が行われているのでパティキュレートフィルタ23は酸化雰囲気にあり、パティキュレートフィルタ23には貴金属触媒が担持されている。したがって、パティキュレートフィルタ23に捕集された粒子状物質は順次酸化される。ところが、捕集される粒子状物質の量が酸化される粒子状物質の量よりも多くなると粒子状物質がパティキュレートフィルタ23上に次第に堆積する。粒子状物質の堆積量が増大すると、パティキュレートフィルタ23の圧力損失が増大し、機関出力の低下を招いてしまう。
そこで本発明による実施例では、パティキュレートフィルタ23の粒子状物質堆積量が算出又は推定され、粒子状物質堆積量があらかじめ定められた上限量を越えたときに、パティキュレートフィルタ23から粒子状物質を除去するためのフィルタ再生処理が行われる。
本発明による実施例では、フィルタ再生処理を行うべきときには、図3に示されるように、膨張行程又は排気行程において燃料噴射弁3から燃焼室2内に追加の燃料FAが噴射される。この場合、追加の燃料FAの少なくとも一部が燃焼室2内で燃焼することなく前段触媒24に到達するように、追加の燃料FAの噴射時期が設定される。その結果、炭化水素が前段触媒24に2次的に供給される。このとき前段触媒24は酸化雰囲気にあるので、前段触媒24に供給された炭化水素は前段触媒24で酸化される。その結果、前段触媒24から流出する排気ガス、すなわちパティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの温度が、フィルタ再生処理が行われていない通常時よりも高められ、したがってパティキュレートフィルタ23の温度が高められる。
本発明による実施例では、フィルタ再生処理において、パティキュレートフィルタ23の温度がフィルタ再生温度に保持される。言い換えると、パティキュレートフィルタ23の温度がフィルタ再生処理に保持されるように、追加の燃料FAの噴射量及び噴射時期の少なくとも一方が制御される。フィルタ再生温度は例えば600℃である。その結果、パティキュレートフィルタ23に捕集された粒子状物質が酸化され、パティキュレートフィルタ23から除去される。なお、図3において、FMは圧縮上死点(TDC)周りにおいて燃料噴射弁3から燃焼室2内に噴射される主燃料を表している。この主燃料FMは機関出力を得るためのものである。なお、追加の燃料FAは機関出力に寄与しない。主燃料FMの量及び追加の燃料FAの量QFAはそれぞれ、機関運転状態、例えば機関負荷及び機関回転数に基づいて算出される。
本発明による実施例では、フィルタ再生処理により粒子状物質堆積量が下限量、例えばゼロになると、フィルタ再生処理が終了される。
粒子状物質堆積量の推定は例えば次のようにして行われる。すなわち、粒子状物質堆積量の単位時間当たりの増加分が例えば機関負荷及び機関回転数に基づいて算出される。また、粒子状物質堆積量の単位時間当たりの減少分が例えばパティキュレートフィルタ23の温度及びパティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの流量に基づいて算出される。これら増加分及び減少分が繰り返し積算され、それによって粒子状物質堆積量が算出される。別の実施例(図示しない)では、パティキュレートフィルタ23前後の圧力差を検出する圧力差センサが設けられ、圧力差に基づいて粒子状物質堆積量が算出される。なお、パティキュレートフィルタ23に流入する排気ガスの流量はエアフロメータ9により検出される吸入空気量によって表される。
したがって、概念的に表現すると、本発明による実施例では、酸化雰囲気のもとで前段触媒24に炭化水素を2次的に供給することによりパティキュレートフィルタ23の温度を通常時よりも高めることが可能な第1の温度制御装置が設けられ、パティキュレートフィルタ23から粒子状物質を除去するために、第1の温度制御装置を制御して、パティキュレートフィルタ23の温度をフィルタ再生温度に保持するフィルタ再生処理が行われる、ということになる。また、本発明による実施例では、第1の温度制御装置は燃料噴射弁3を備える。別の実施例(図示しない)では、第1の温度制御装置は、前段触媒24上流の排気管21又は排気マニホルド5に取り付けられ、排気管21又は排気マニホルド5に炭化水素を添加する添加弁を備える。
さて、このようなフィルタ再生処理が行われると、前段触媒24には、内燃機関から排出された粒子状物質と、2次的な炭化水素とが流入する。ところが、これら粒子状物質及び炭化水素が前段触媒24の流入端又は上流端に付着すると、いわゆるデポジットが形成される。前段触媒24に付着したデポジットの量が多くなると、前段触媒24の流入端に詰まりが生ずるおそれがある。一方、酸化雰囲気のもとで前段触媒24の流入端の温度が高くされると、デポジットが酸化され、前段触媒24から除去される。
そこで本発明による実施例では、前段触媒24からデポジットを除去するためのデポジット除去処理が行われる。すなわち、本発明による実施例では、デポジット除去処理を行うべきときには、主燃料FMとは別に、膨張行程又は排気行程において燃料噴射弁3から燃焼室2内に追加の燃料FAが噴射される。この場合、追加の燃料FAの大部分が燃焼室2内又は排気通路内で燃焼するように、追加の燃料FAの噴射時期が設定される。その結果、前段触媒24に流入する排気ガスの温度が、デポジット除去処理が行われていない通常時よりも高められ、前段触媒24の流入端の温度が通常時よりも高められる。このとき前段触媒24は酸化雰囲気にあるので、前段触媒24のデポジットが酸化され、前段触媒24から除去される。別の実施例(図示しない)では、主燃料FMの噴射時期が通常時よりも遅角され、それにより前段触媒24に流入する排気ガスの温度が高められる。あるいは、内燃機関が火花点火内燃機関から構成される場合には、点火時期が通常時よりも遅角される。なお、追加の燃料FAは機関出力に寄与しない。
上述のフィルタ再生処理が行われると、前段触媒24において炭化水素が酸化されるので、前段触媒24の温度も高くなる。そこで本発明による実施例では、フィルタ再生処理に引き続いて、デポジット除去処理が行われる。すなわち、図4に示されるように、フィルタ再生処理が終了すると、デポジット除去処理が開始される。このようにすると、デポジット除去のために必要なエネルギを低減することができる。
また、本発明による実施例では、デポジット除去処理において、前段触媒24の流入端の温度がデポジット除去時間にわたりデポジット除去温度に保持される。言い換えると、前段触媒24の流入端の温度がデポジット除去温度に保持されるように、追加の燃料FAの噴射量及び噴射時期の少なくとも一方が制御される。デポジット除去温度は例えば500℃以上である。
したがって、概念的に表現すると、本発明による実施例では、前段触媒24の流入端の温度を通常時よりも高めることが可能な第2の温度制御装置が設けられ、フィルタ再生処理に引き続いて、前段触媒24からデポジットを除去するために、第2の温度制御装置を制御して、前段触媒24の流入端の温度をデポジット除去時間にわたりデポジット除去温度に保持するデポジット除去処理が行われる、ということになる。また、本発明による実施例では、第2の温度制御装置は燃料噴射弁3を備える。図5に示される別の実施例では、第2の温度制御装置は、前段触媒24に一体的に設けられた電気ヒータ29を備える。この場合、デポジット除去処理を行うべきときには、前段触媒24の流入端の温度がデポジット除去温度に保持されるように、電気ヒータ29への通電量が制御される。電気ヒータ29が作動されると、前段触媒24の温度が高められ、前段触媒24の流入端の温度が高められる。
ところで、デポジットについて本願発明者が鋭意研究した結果、デポジットには可溶有機成分又はSOFと固体炭素又は煤とが含まれ、デポジット中の可溶有機成分の割合(例えば、質量%)は必ずしも一定ではないことが判明した。すなわち、可溶有機成分は煤よりも酸化されやすいことを考えると、デポジット中の可溶有機成分の割合が低いときには、当該割合が高いときに比べて、デポジットは酸化除去されにくいのである。
デポジットが酸化されにくいときには、デポジットが酸化されやすいときに比べて、デポジットを前段触媒24から十分に除去するのに必要なエネルギは多くなる。ここで、本発明による実施例では、デポジット除去処理で消費されるエネルギ量はデポジット除去温度及びデポジット除去時間に応じて定まる。図5に示される別の実施例では、デポジット除去処理で消費されるエネルギ量は電気ヒータ29への総通電量に応じて定まる。
そこで本発明による実施例では、デポジット中の可溶有機成分の割合である可溶有機成分割合が推定され、可溶有機成分割合が低いときには、可溶有機成分が高いときに比べて、デポジット除去処理で消費されるエネルギ量が多くされる。具体的には、図6に示されるように、可溶有機成分割合RSOFが低いときには、可溶有機成分割合RSOFが高いときに比べて、上述したデポジット除去温度TDRが高く設定される。また、図7に示されるように、可溶有機成分割合RSOFが低いときには、可溶有機成分割合RSOFが高いときに比べて、上述したデポジット除去時間tDRが長く設定される。このようにすると、エネルギを有効に利用しつつ、前段触媒24の詰まりを確実に除去することができる。
別の実施例(図示しない)では、可溶有機成分割合RSOFが低いときには、可溶有機成分割合RSOFが高いときに比べて、デポジット除去時間tDRが一定に維持されつつデポジット除去温度TDRが高く設定される。更に別の実施例(図示しない)では、可溶有機成分割合RSOFが低いときには、可溶有機成分割合RSOFが高いときに比べて、デポジット除去温度TDRが一定に維持されつつデポジット除去時間tDRが長く設定される。
可溶有機成分割合RSOFは例えば次のようにして推定される。すなわち、デポジット除去処理を開始すべきときの可溶有機成分割合RSOFはその直前に行われたフィルタ再生処理中の前段触媒24の状況に応じて定まる。具体的には、フィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した排気ガスの温度が高いときには、当該温度が低いときに比べて、デポジット中の可溶有機成分が酸化されやすく、デポジットに残存する可溶有機成分の量は少ない。したがって、フィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した排気ガスの温度が高いときには、当該温度が低いときに比べて、可溶有機成分割合RSOFは低い。
一方、可溶有機成分は主として、フィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した排気ガス中に含まれる炭化水素、特に追加の燃料FAのような液体炭化水素に由来する。したがって、フィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した炭化水素の量が少ないときには、当該炭化水素の量が多いときに比べて、可溶有機成分割合RSOFは低い。
更に、フィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した排気ガス中の酸素の濃度が高いときには、当該濃度が低いときに比べて、デポジットに残存する可溶有機成分の量は少ない。したがって、フィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した排気ガス中の酸素の濃度が高いときには、当該濃度が低いときに比べて、可溶有機成分割合RSOFは低い。
図8及び図9は、上述した可溶有機成分割合RSOFと、フィルタ再生処理中における、前段触媒24に流入した排気ガスの温度TEX、前段触媒24に流入した排気ガス中の炭化水素の量QHC、及び、前段触媒24に流入した排気ガス中の酸素の濃度COXとの関係を示している。可溶有機成分RSOFと、排気ガス温度TEX、炭化水素量QHC及び酸素濃度COXとの関係は図10に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。
本発明による実施例では、フィルタ再生処理中に、前段触媒24に流入する排気ガスの温度が温度センサ26により繰り返し検出され、これらを時間平均化したものが排気ガス温度TEXとして算出される。また、フィルタ再生処理中に、単位時間当たりに前段触媒24に流入する炭化水素の量が繰り返し検出され、これらを積算したものが炭化水素量QHCとして算出される。炭化水素量qHCは例えば機関負荷L及び機関回転数Neの関数として図11に示されるマップの形であらかじめROM32内に記憶されている。この炭化水素量qHCは一例では、追加の燃料FAを考慮して定められており、別の例では追加の燃料FA及び主燃料FMのうちの未燃分を考慮して定められている。更に、フィルタ再生処理中に、前段触媒24に流入する排気ガス中の酸素の濃度が酸素濃度センサ27により繰り返し検出され、これらを時間平均化したものが酸素濃度COXとして算出される。なお、排気ガス温度の平均値及び酸素濃度の平均値を算出するために、フィルタ再生処理の実行時間tFRが算出される。
本発明による実施例では更に、可溶有機成分割合RSOFがあらかじめ定められたしきい値RSOFXよりも高いか否かが判別される。可溶有機成分割合RSOFがしきい値RSOFXよりも高いときにデポジット除去処理が行われ、可溶有機成分割合RSOFがしきい値RSOFXよりも低いときにデポジット除去処理が行われない。このようにしているのは、可溶有機成分割合RSOFが低いときには、デポジットを十分に除去するのがかなり困難であり、多大なエネルギを必要とするからである。
図12は本発明による実施例における排気浄化制御を実行するルーチンを示している。このルーチンはあらかじめ定められた設定時間ごとの割り込みによって実行される。図12を参照すると、ステップ100ではフィルタ再生処理を行うべきか否かが判別される。本発明による実施例では、粒子状物質堆積量があらかじめ定められた上限量を越え、かつ、機関運転状態がフィルタ再生処理を実行可能な状態にあるときに、フィルタ再生処理を行うべきと判別され、それ以外はフィルタ再生処理を行うべきでないと判別される。フィルタ再生処理を行うべきでないと判別されたときには処理サイクルを終了する。フィルタ再生処理を行うべきと判別されたときには次いでステップ101に進み、フィルタ再生処理が実行される。続くステップ102ではフィルタ再生処理中に、前段触媒24に流入する排気ガスの温度、前段触媒24に流入する炭化水素の量、前段触媒24に流入する排気ガス中の酸素の濃度が繰り返し検出される。続くステップ103ではフィルタ再生処理を終了すべきか否かが判別される。フィルタ再生処理を終了すべきでないときにはステップ101に戻る。フィルタ再生処理を終了すべきと判別されたときにはステップ103からステップ104に進み、フィルタ再生処理の実行時間tFRが算出される。続くステップ105では、上述の排気ガス温度TEX、炭化水素量QHC、及び酸素濃度COXが算出されると共に、図10のマップから可溶有機成分割合RSOFが算出される。
続くステップ106では可溶有機成分割合RSOFがあらかじめ定められたしきい値RSOFXよりも高いか否かが判別される。RSOF>RSOFXのときには次いでステップ107に進み、図6及び図7のマップからデポジット除去温度TDR及びデポジット除去時間tDRが算出される。続くステップ108では、デポジット除去温度TDR及びデポジット除去時間tDRを用いてデポジット除去処理が実行される。これに対し、ステップ106においてRSOF≦RSOFXのときには、デポジット除去処理を実行することなく、処理サイクルを終了する。
図13は本発明による別の実施例における排気浄化制御を実行するルーチンを示している。図12に示されるルーチンとの相違点を説明すると、ステップ106においてRSOF≦RSOFXのときには次いでステップ109に進み、デポジット除去処理が行われることなく、前段触媒24に流入する排気ガスの流量を一時的に増大する排気増量処理が実行される。その結果、前段触媒24に付着しているデポジットが排気ガスにより吹き飛ばされ、前段触媒24から除去される。なお、排気ガスの流量を増大するために、例えば、発生NOx量などに問題のない範囲でEGR制御弁18の開度が低下される。あるいは、スロットル開度が増大される。あるいは、排気ターボチャージャ7による過給圧が高められる。
本発明による別の実施例では、上述したデポジット除去時間tDRは、直前のフィルタ再生処理中に前段触媒24に流入した粒子状物質の量QPMに、流入粒子状物質単位量当たりのデポジット除去時間ttDRを積算することにより算出される(tDR=QPM・ttDR)。この場合、直前のフィルタ再生処理中に単位時間当たりに前段触媒24に流入した粒子状物質の量が例えば機関負荷及び機関回転数に基づいて繰り返し算出され、これらを積算したものが流入粒子状物質量QPMとして算出される。一方、可溶有機成分割合RSOFが低いときには、可溶有機成分割合RSOFが高いときに比べて、流入粒子状物質単位量当たりのデポジット除去時間ttDRが長く設定される。
1 機関本体
2 燃焼室
3 燃料噴射弁
21 排気管
23 パティキュレートフィルタ
24 前段触媒

Claims (4)

  1. 内燃機関の排気浄化装置であって、
    排気通路内に配置され、排気ガス中の粒子状物質を捕集するためのパティキュレートフィルタと、
    前記パティキュレートフィルタ上流の排気通路内に配置され、酸化機能を有する前段触媒と、
    酸化雰囲気のもとで前記前段触媒に炭化水素を2次的に供給することにより前記パティキュレートフィルタの温度を通常時よりも高めることが可能な第1の温度制御装置と、
    前記前段触媒の流入端の温度を通常時よりも高めることが可能な第2の温度制御装置と、
    電子制御ユニットと、
    を備え、
    前記電子制御ユニットは、
    前記パティキュレートフィルタから粒子状物質を除去するために、前記第1の温度制御装置を制御して、前記パティキュレートフィルタの温度をフィルタ再生温度に保持するフィルタ再生処理を行うと共に、
    前記フィルタ再生処理に引き続いて、前記前段触媒からデポジットを除去するために、前記第2の温度制御装置を制御して、前記前段触媒の流入端の温度をデポジット除去時間にわたりデポジット除去温度に保持するデポジット除去処理を行う
    ように構成されており、
    前記電子制御ユニットは更に、
    前記フィルタ再生処理中における、前記前段触媒に流入した排気ガスの温度、前記前段触媒に流入した排気ガス中の炭化水素の量、及び、前記前段触媒に流入した排気ガス中の酸素の濃度に基づいて、前記デポジットの可溶有機成分割合を推定し、
    前記可溶有機成分割合が低いときには、前記可溶有機成分割合が高いときに比べて、前記デポジット除去処理で消費されるエネルギ量が多くなるように前記第2の温度制御装置を制御する
    ように構成されている、内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記電子制御ユニットは、前記可溶有機成分割合が低いときには、前記可溶有機成分割合が高いときに比べて、前記デポジット除去温度を高く設定するように構成されている、請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記電子制御ユニットは、前記可溶有機成分割合が低いときには、前記可溶有機成分割合が高いときに比べて、前記デポジット除去時間を長く設定するように構成されている、請求項1又は2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記電子制御ユニットは、前記可溶有機成分割合があらかじめ定められたしきい値よりも高いときに前記デポジット除去処理を行い、前記可溶有機成分割合が前記しきい値よりも低いときに前記デポジット除去処理を行わないように構成されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の内燃機関の排気浄化装置。
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