JP3713403B2 - スライドレール - Google Patents

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JP3713403B2 JP16039499A JP16039499A JP3713403B2 JP 3713403 B2 JP3713403 B2 JP 3713403B2 JP 16039499 A JP16039499 A JP 16039499A JP 16039499 A JP16039499 A JP 16039499A JP 3713403 B2 JP3713403 B2 JP 3713403B2
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、スライドレールに関するものであり、特に固定側アウターメンバーの前後方向に、インナーメンバーと移動側アウターメンバーの端部が突出可能なスライドレール、いわゆる両方向に引き出し可能なスライドレールに関するものである。 。
【0002】
【従来の技術】
従来、固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバー等からなり、インナーメンバーと移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバーの前後端部より突出可能としたスライドレールにおいて、移動側アウターメンバーに取り付けられる引き出し、あるいは物品の重量、スライドスピード、各メンバーの加工精度等によって、各メンバーが順序よくスライドする事はなく、移動側アウターメンバーだけがスライドし、インナーメンバーが固定側アウターメンバーと移動側アウターメンバーの外側に飛び出した状態で残留することがあった。
この為、スライドーレールの強度が低下し、この状態が繰り返し発生すると、各メンバーが変形し故障の原因となったり、あるいは突出したインナーメンバーの端部が、引き出しの表面板裏面に衝突したり、さらに、物品が所定位置まで移動した状態でインナメンバーが物品外に突出したりする問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、移動側アウターメンバの移動にインナーメンバが確実に対応して移動し、移動側アウターメンバーの端部と固定側アウターメンバーの端部より、インナーメンバーの端部が突出するのを(インナーメンバーが残留したり、飛び出したりするのを)確実に防止するスライドレールを提供する事を課題とする。
【0006】
【課題を解決する為の手段】
そこで、上記課題を解決する為、本発明が第の手段として構成したところは固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバー等からなり、インナーメンバーと移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバー前後端部より突出可能としたスライドレールにおいて、インナーメンバーの単独での移動を防止する第1姿勢と、固定側アウターメンバーよりインナメンバーが突出し、インナーメンバーより移動側アウターメンバーが突出した状態で、移動側アウターメンバーが突出方向とは反対方向に移動した時、移動側アウターメンバーの移動方向側に係止し、インナーメンバーが移動側アウターメンバーの移動方向と反対側で、移動側アウターメンバーから突出するのを防止する第2姿勢とに変移する突出防止ストッパーを、インナーメンバーの前後両端部に設けたものである。
【0007】
又、本発明が第の手段として構成したところは固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバー等からなり、インナーメンバーと移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバー前後端部より突出可能としたスライドレールにおいて、インナーメンバーの単独での移動を防止する第1姿勢と、固定側アウターメンバーよりインナメンバーが突出し、インナーメンバーより移動側アウターメンバーが突出した状態で、移動側アウターメンバーが突出方向とは反対方向に移動した時、移動側アウターメンバーの移動方向側に係止し、インナーメンバーが移動側アウターメンバーの移動方向と反対側で、移動側アウターメンバーから突出するのを防止する第2姿勢とに変移する突出防止ストッパーを、常に第1姿勢となるよう付勢したものである。
【0008】
又本発明が、第の手段として構成したところは、断面略C字形の固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた断面略C字形の移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿された断面略I字形のインナーメンバー等からなり、インナーメンバーの前後端部と、移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバーの前後端部から突出してスライド可能としたスライドレールにおいて、固定側アウターメンバーより突出したインナメンバーに対し移動側アウターメンバーが突出した状態で、インナーメンバーの突出方向とは反対側のインナーメンバーの端部に、移動側アウターメンバーの高さ方向の外方に突出する上係止突部と、固定側アウターメンバーの高さ方向の内面に接触する下係止突部を有して第2姿勢に維持された第1突出防止ストッパーが回動自在に構成される一方、前記状態で、インナーメンバーの突出方向の端部に、固定側アウターメンバーの高さ方向の外方に突出する上係止突部と、移動側アウターメンバーの高さ方向の内面に接触する下係止突部を有して第2姿勢に維持された第2突出防止ストッパーが回動自在に構成され、移動側アウターメンバーの移動方向側が、第1突出防止ストッパーの上係止突部に係止した時、第2 突出防止ストッパーの下係止突部が移動側アウターメンバーの内面との接触状態が解除され、固定側アウターメンバーと移動側アウターメンバーの両方に仮係止可能な状態となる第1姿勢に変移し、第2突出防止ストッパーが第2姿勢の状態で、インナーメンバーと移動側アウターメンバーと共に移動して、固定側アウターメンバーに仮係止した時、第1突出防止ストッパーが第2 突出防止ストッパーと同様に第1姿勢に変移し、移動側アウターメンバーの端部と固定側アウターメンバーの端部より、インナーメンバーの端部が突出するのを防止したものである。
【0009】
又、本発明が第の手段として構成したところは、固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバーがほぼ同等の長さに形成され、インナーメンバーの前後半部と移動側アウターメンバーの全長が、固定側アウターメンバーの前後方向に突出してスライド可能としたスライドレールにおいて、移動側アウターメンバーの端部と固定側アウターメンバーの端部より、インナーメンバーの端部が突出するのを防止する第1、第2突出防止ストッパーがインナーメンバーの前後端部に対向して設けられ、インナーメンバーと移動側アウターメンバーが固定側アウターメンバーに対しその全長が重合した状態で、第1、第2突出防止ストッパーは、固定側アウターメンバーと移動側アウターメンバーに仮係止して、インナーメンバーが単独で前後方向に移動するのを防止する第1姿勢と、移動側アウターメンバーが移動すると、移動方向側の突出防止ストッパーは、インナーメンバーと共に移動するか、あるいは移動側アウターメンバーとの仮係止状態が解除されて固定側アウターメンバーにのみ係止する第2姿勢に変移し、同時に、移動方向と反対側の突出防止ストッパーは、固定側アウターメンバーとの仮係止状態が解除されて、移動側アウターメンバーにのみ係止する第2姿勢に変移するか、あるいは、移動側アウターメンバーの移動側と反対側の端部が移動して、インナーメンバーが移動可能な状態となるものである。
【0010】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に基づいて説明する。
尚、説明の便宜上、図3において左右方向を前後方向、上下方向を高さ方向として説明する。
図2において、符号10は、本発明のスライドレールを示し、スライドレール100は、固定側アウターメンバー1と、固定側アウターメンバー1に対向して設けられた移動側アウターメンバー2と、固定側アウターメンバー1と移動側アウターメンバー2間に嵌挿自在に設けられたインナーメンバー3と、固定側アウターメンバー1とインナーメンバー3間に設けられた内側リテーナー4と、インナーメンバー3と移動側アウターメンバー2間設けられた外側リテーナ5と、固定側アウターメンバー1とインナーメンバー3間で内側リテーナー4に回転自在に保持されたボール40・・・と、インナーメンバー3と移動側アウターメンバー2間で、外側リテーナ5に回転自在に保持されたボール50・・・と、インナーメンバー3の前後端部に設けられた第1、第2突出防止ストッパー6、7より構成されている。
【0011】
固定側アウターメンバー1は、帯状金属板の上下端部を内向き円弧状あるいはV字状に彎曲せしめて形成した内面前後方向に上下ボール案内溝11、11を有する上下折曲縁12、12と基板10より断面略C字形に構成され、基板10の前後端部には、インナーメンバー3側に突出せしめた内側リテーナー4の前後端部が当接する内側リテーナー前後端スットパー13、13が形成されている。
符号14・・・は固定部材への取り付け孔を示している。
【0012】
移動側アウターメンバー2は、固定側アウターメンバー1とほぼ同長で、内面前後方向に上下ボール案内溝21、21を有する上下折曲縁22、22と、基板20より、断面略C字形に構成され、固定側アウターメンバー1に対向してもうけられ、基板20の前後端部には、インナーメンバー3側に突出して、外側リテーナー5の前後端部が当接する外側リテーナー前後端スットパー23、23が形成されている。符号24・・・は移動部材への取り付け孔を示している。
【0013】
インナーメンバー3は、上記両アウターメンバー1、2間に嵌挿可能な大きさで、ほぼ同長に形成されている。
詳しくは、 2つの帯状金属板の上下端部を外向き円弧状あるいはV字状に彎曲せしめて形成された外面前後方向にボール案内溝31、31を有する上下折曲縁32、32と、基板30より断面略C字形の2つの部材の基板30、30同士を固着して断面ほぼ略I字形に形成され、固定側アウターメンバー1側に上下ボール案内溝33、33と、移動側アウターメンバー2側に上下ボール案内溝31、31を有している。
符号311・・・は上下ボール案内溝31、31の前後端部に上下方向に突出して形成され、ボール50に当接して、外側リテーナ5の移動を停止させる外側リテーナ前後ストッパーを示し、符号331・・・は上下ボール案内溝33、33に上下方向に突出して形成され、ボール40に当接して、内側リテーナー4の移動を停止させる内側リテーナー前後ストッパーを示している。
【0014】
内側リテーナー4は基板41と、基板41にの上下端部を移動側アウターメンバー2側に折り曲げて形成された上下突出縁42、42より断面略コ字形で、インナーメンバー3の約半分弱の長さに形成にされ、上下突出縁42、42の前後方向に所定間隔を有して、複数個のボール40・・・を回転自在に保持している。
外側リテーナー5は、内側リテーナー4に対向した同形で、基板51上下突出縁52、52より断面略コ字形に形成され、上下突出縁52、52の前後方向に所定間隔を有して、複数個のボール50・・・を回転自在に保持している。
【0015】
固定側アウターメンバー1と、移動側アウターメンバー2と、インナーメンバー3と、内側リテーナー4と、外側リテーナー5は、上記の如く構成されており、固定側アウター1とインナーメンバー3と移動側アウターメンバー2の全長が重合した状態で、移動側アウターメンバー2を前方に移動させると、それに伴って外側リテーナー5がボール50・・・と共に、移動側アウターメンバー2の移動距離の2分の1移動し、移動側アウターメンバー2の後端部に形成された外側リテーナー後端スットパー23が、外側リテーナー5の後端面に当接すると同時に、最前端のボール50・・・が、インナーメンバー3の外側リテーナ前ストッパー311、311に当接して、インナーメンバー3に対する移動側アウターメンバー2の移動は停止する。一方、固定側アウターメンバー1に対しインナーメンバー3が前方に移動すると、内側リテーナー4は、ボール40・・・と共にインナーメンバー3の移動距離の 2分の1移動し、インナーメンバー3の内側リテーナー後ストッパー331が、内側リテーナー4の最後端のボール40に当接すると同時に、内側リテーナー4の前端面が固定側アウターメンバー1の内側リテーナー前端ストッパー13に当接し、固定側アウターメンバー1に対するインナーメンバーの移動は停止し、スライドレール100は前方に最も突出した状態となる。
【0016】
この状態から、移動側アウターメンバー2を後方に移動させると、前述した事とは逆に、移動側アウターメンバー2の前端部に形成された外側リテーナー前端スットパー23が、外側リテーナー5の前端面に当接すると同時に、最後端のボール50・・・が、インナーメンバー3の外側リテーナ後ストッパー311、311に当接して、インナーメンバー3に対する移動側アウターメンバー2の移動は停止する。
一方、インナーメンバー3の内側リテーナー前ストッパー331が内側リテーナー4の最前端のボール40に当接すると同時に、内側リテーナー4の後端面が固定側アウターメンバー1の内側リテーナー後端ストッパー13に当接し、固定側アウターメンバー1に対するインナーメンバー3の後方への移動は停止し、スライドレール100は後方に最も突出した状態となる。
【0017】
そして、移動側アウターメンバー2とインナーメンバー3は固定側アウターメンバー1に対し前後方向に突出する移動を繰り返すが、この時、インナーメンバー3の前後端部に第1、第2突出防止ストッパー6、7が設けられていないと、移動側アウターメンバー2に取り付けられた引き出し、あるいは物品の重量、移動側アウターメンバー2のスライドスピード、各メンバーの加工精度等によって、各メンバーが順序よくスライドする事はない。
すなわち、移動側アウターメンバー2、及びインナーメンバー3が、固定側アウターメンバー1に対し、最も前後方向に突出し、インナーメンバー3が停止した状態で、移動側アウターメンバー2だけが前後方向にスライドする場合、インナーメンバー3の一部が、移動側アウターメンバー2のスライド方向の反対側で、固定側アウターメンバー1と移動側アウターメンバー2の外方に飛び出した状態で残留することがある。すると、固定側アウターメンバー1に荷重が不均等に負荷され、スライドーレール100の強度が低下し、この状態が繰り返し発生すると、各メンバー1、2、3が変形し故障の原因となったり、あるいは突出したインナーメンバー3の端部が、引き出しの表面板裏面に衝突したり、さらに、物品が所定位置まで移動させた状態でもインナメンバー3が物品外に突出した状態で残る等の問題があった。
【0018】
この問題を解決するため、前記第1、第2突出防止ストッパー6、7が設けられている。
尚、第1、第2突出防止ストッパー6、7の説明の便宜上、図2において固定側アウターメンバー1側を裏面側、移動側アウターメンバー2側を表面側とする。
第1突出防止ストッパー6は、固定側アウターメンバー1の高さ方向の下方に突出する下係止突部63を裏側に有し、移動側アウターメンバー1の高さ方向の上方に突出する上係止突部62を表側に有し、インナーメンバー3の基板30の前端部に回動自在に設けられている。
【0019】
すなわち、固定側アウターメンバー1と移動側アウターメンバー2とインナーメンンバー3の全長が表裏側に重合した状態(図3の状態)で、上係止突部62移動側アウターメンバー2の端に、下係止突部63が固定側アウターメンバー1の端面に仮係止し、インナーメンバー3が単独で後方に移動するのを防止している。
符号61、61は、上下係止突部62、63に回転自在に設けられた回転子を示し、符号8は、第1突出防止ストッパー6が、上記両アウターメンバー1、2に常に仮係止する第1姿勢となるよう付勢する第1付勢体を示している。
第1付勢体8はインナーメンバー3の基板30の前端面に当接する上下弾性脚部81、81と、上下弾性脚部81、81と一体に合成樹脂材より形成された連結部80より構成されている。
【0020】
そして、第1突出防止ストッパー6を構成する表裏側脚部材64、65は、第1付勢体8の連結部80にて、その前端部が連結され、表裏側脚部材64、65が一体化されて第1突出防止ストッパー6が構成されている。
第2突出防止ストッパー7は、固定側アウターメンバー1の高さ方向の上方に突出する上係止突部72を裏側に有し、移動側アウターメンバー1の高さ方向の下方に突出する下係止突部73を表側に有し、インナーメンバー3の基板30の後端部に回動自在に設けられている。
【0021】
すなわち、固定側アウターメンバー1と移動側アウターメンバー2とインナーメンンバー3の全長が表裏側に重合した状態(図3の状態)で、上係止突部72は固定側アウターメンバー1の後端面に、下係止突部73が移動側アウターメンバー2の後端面に仮係止し、インナーメンバー3が単独で前方に移動するのを防止している。
符号71、71は、上下係止突部72、73に回転自在に設けられた回転子を示し、符号9は、第2突出防止ストッパー7が、上記両アウターメンバー1、2に常に仮係止する第1姿勢となるよう付勢する第2付勢体を示している。
第2付勢体9はインナーメンバー3の基板30の後端面に当接する上下弾性脚部91、91と、上下弾性脚部91、91と一体に合成樹脂材より形成された連結部90より構成されている。
【0022】
そして、第2突出防止ストッパー7を構成する表裏側脚部材74、75は、第2付勢体9の連結部90にて、その後端部が連結され、表裏側脚部材74、75が一体化され、て第2突出防止ストッパー7を構成している。
第1突出防止ストッパー6及び第2突出防止ストッパー7は、上記の如く構成され、図3に示す状態(固定側アウターメンバー1と移動側アウターメンバー2とインナーメンンバー3の全長が表裏側に重合した状態)で、第1突出防止ストッパー6の上係止突部62は移動側アウターメンバー2の上折曲縁22の前端面に、第1突出防止ストッパー6の下係止突部63は固定側アウターメンバー1の下折曲縁12の前端面に仮係止し、第2突出防止ストッパー7の上係止突部72は固定側アウターメンバー1の上折曲縁12の後端面に、第2突出防止ストッパー7の下係止突部73は移動側アウターメンバー2の下折曲縁22の後端面に仮係止し、インナーメンバー3が単独で前後方向に移動するのを防止する第1姿勢となっている。この状態で、第1付勢体8及び第2付勢体9の上下弾性脚部81、81、91、91の後端はインナーメンバー3の基板30、30の前後端面に同形状で当接し、第1突出防止ストッパー6及び第2突出防止ストッパー7に回動力を付与していない。
【0023】
次に、移動側アウターメンバー2を前方に移動させると、固定側アウターメンバー1とインナメンバー3のスライド力が重く移動側アウターメンバー2だけが移動する場合と、インナーメンバ3も共に移動する場合がある。
まず、移動側アウターメンバー2だけが移動する場合について説明すると、移動側アウターメンバー2の上折曲縁22の前端面が、第1突出防止ストッパー6の上係止突部62を前方に押しやり、第1突出防止ストッパー6を図3で反時計廻りの方向に回動させて、上係止突部62を移動側アウターメンバー2の上ボール案内溝21の内面に接触させると同時に、下係止突部63を固定側アウターメンバー1の下折曲12の下方に突出せしめ、固定側アウターメンバー1の前端に完全に係止する第2姿勢に変移させた状態を維持しながら前方に移動する。
そして、前述したように、移動側アウターメンバー2の外側リテーナー後端ストッパー23が、外側リテーナ5の後端面に当接すると同時に、外側リテーナー5の最前端のボール50・・がインナーメンバー3外側リテーナー前ストッパー311、311に当接して、インナーメンバー3に対する移動側アウターメンバー2の移動は停止する。
【0024】
この時、上係止突部62に設けられた回転子61によって、移動側アウターメンバー2の上折り曲げ縁22の前端面の上係止突部62の乗り越えが容易になるとともに、回転子61、61の回転によって、上係止突部62と上ボール案内溝21の内面との接触移動も円滑に行われる。
そして、第1付勢体8の下弾性脚部81はインナーメンバー3の基板30の前端面に押しつけられて弾性変形し、第1突出防止ストッパー6が常に第1姿勢となるよう付勢している。
【0025】
次に、図に示す状態から、インナーメンバー3が、固定側アウターメンバー1に対し移動側アウターメンバー2と共に移動するか、あるいは前述したように、インナーメンバー3に対し移動側アウターメンバー2が前方に突出した状態からインナーメンバ3が、固定側アウターメンバー1に対し前方に移動すると、インナーメンバー3の後端部に設けられた第2突出防止ストッパー7は、インナーメンバー3と共に前方に移動し、第2突出防止ストッパー7の上係止突部72は、固定側アウターメンバー1の上折曲縁12の後端面に仮係止しているので、第2突出防止ストッパー7は前方に移動しながら、図3で時計廻りの方向に回動し、上係止突部72は上折曲縁12の上ボール案内溝11の内面に接触しながら前方に移動する。同時に、下係止突部73も移動側アウターメンバー2の下折曲縁22の下方に突出し、移動側アウターメンバー2の後端面に完全に係止する第2姿勢に変移した状態を維持しながら前方に移動する。
【0026】
そして、前述したように、インナーメンバー3の内側リテーナー後ストッパー331・・・が、内側リテーナ4の最後端のボール40に当接すると同時に、内側リテーナー4の前端面が固定側アウターメンバー1の内側リテーナー前端ストッパーに当接し、固定側アウターメンバー1に対するインナーメンバー3の移動は停止しスライドレール100は最も前方に突出した状態となる。
【0027】
この時、上係止突部72に設けられた回転子71によって、上係止突部72が固定側アウターメンバー1の上折曲縁12の内面側に移動するのが容易になると共に、回転子71、71の回転によって、上係止突部72と上ボール案内溝11との内面の接触移動も円滑に行われる。
そして、第2付勢体9の下弾性脚部91は、インナーメンバー3の基板30の後前端面に押しつけられて弾性変形し、第2突出防止ストッパー7が常に第1姿勢となるよう付勢している。
【0028】
次に、固定側アウターメンバー1に対し、移動側アウターメンバー2、インナーメンバー3が、最も前方に突出した状態から、移動側アウターメンバー2だけが後方に移動した場合、やがて、移動側アウターメンバー2の下折曲縁22の後端面が、第2突出防止ストッパー7の下係止突部が73に当接する。この時、上係止突部72が固定側アウターメンバー1の上ボール案内溝11に接触しているので、第2突出防止ストッパー7は反時計廻りの方向に回動する事が出来ず、移動側アウターメンバー2は、第2突出防止ストッパー7と共に、インナーメンバー3を後方に強制的に移動させる。(固定側アウターメンバー1に対し、移動側アウターメンバー2、インナーメンバー3が、最も後方に突出した状態から、移動側アウターメンバー2を前方に移動させた場合は、第1突出防止ストッパー6の上係止突部62に上折曲縁22の前端面が当接して、第1突出防止ストッパー6と共に、インナーメンバー3を前方に強制的に移動せしめる。)
【0029】
従って、移動側アウターメンバー2の前後端面が、固定側アウターメンバー1の前後端面より前後方向に突出している場合、インナーメンバー3の前後端面が移動側アウターメンバー2の前後端面より前後方向に突出する事がない。
又、移動側アウターメンバー2の全長が、固定側アウターメンバー1に重合した状態では、第1突出防止ストッパー6の上下係止突部62、63は、移動側アウターメンバー2の上折り曲げ縁22と、固定側アウターメンバー1の下折り曲げ縁12の前端面に、、第2突出防止ストッパー7の上下係止突部72、73は、固定側アウターメンバー1の上折り曲げ縁12と、移動側アウターメンバー2の下折り曲げ縁22の前端面に、同時に仮係止しているので、インナーメンバー3だけが前後方向に移動することがない。
よって、移動側アウターメンバー2の移動方向で、インナーメンバー3が先行して移動し、移動側アウターメンバー2の移動方向の前方に突出することも、移動側アウターメンバー2の移動方向と反対側で、インナーメンバー3が残留して移動側アウターメンバー2の移動方向と反対側で飛び出すこともない。
【0030】
尚、実施例では、第1、第2突出防止ストッパー6、7は、固定側アウターメンバー1、移動側アウターメンバ2の前後端面より前後方向に突出して構成されているが、固定側アウターメンバー1及び移動側アウターメンバー2のそれぞれの上下折曲縁12、12、22、22の前後方向の長さを基板10、20より短く(上下折曲縁12、12、22、22の前後端面が基板10、20の前後端面より前後方向で窪んで)形成すれば、第1、第2突出防止ストッパー6、7は、固定側アウターメンバー1及び移動側アウターメンバー2内に納まった状態に構成することも可能である。
【0031】
又、固定側アウターメンバー1、移動側アウターメンバー2、インナーメンバー3をほぼ同じ長さに形成しているが、第1、第2突出防止ストッパー6、7の位置(インナーメンバー3の長さ)に対応して、固定側アウターメンバー1、移動側アウターメンバー2の上下折曲縁12、12、22、22に、上下係止突部62、63、72、73が通過可能な細溝を形成し、上下係止突部62、63、72、73が固定側アウターメンバー1、移動側アウターメンバー2に仮係止あるいは当接する位置を設定するようにすればよい。
この場合、細溝によって、固定側アウターメンバー1、移動側アウターメンバー2の上下折曲縁12、12、22、22の強度が低下するので、スライドレール100の使用場所によっては、固定側アウターメンバー1、移動側アウターメンバー2の構成を図7、図8に示す構成とする事も可能である。
【0032】
すなわち、固定側アウターメンバー1及び移動側アウターメンバー2の上下折り曲げ縁12、12、22、22に、対向するアウターメンバー1、2側に延出して、インナーメンバー3の長さに対応する上下案内突縁121、121、221、221を一体に形成し、該上下案内突縁121、121、221、221
の下面に第1、第2突出防止ストッパー6、7の上下係止突部62、63、72、73を接触、あるいは仮係止又は係止するようにしてよい。
又、第1、第2付勢体8、9の構成も、例えば、第1、第2突出防止ストッパー6、7の回動中心に巻きバネを設けて常に第1姿勢となるよう付勢するなど、適宜変更可能である。
【0035】
【発明の効果】
請求項に記載の発明によれば突出防止ストッパーが、インナーメンバーの単独での移動を防止する第1姿勢と、インナーメンバーが移動側アウターメンバーの移動方向の反対側で移動側アウターメンバーの端部から突出するのを防止する第2姿勢に変移するので、 1つの部材で 2つの機能を発揮する事が出来、全体構造が簡素化され、コンパクトで安価に制作出来る。
【0036】
請求項に記載の発明によれば、上記効果に加え、突出防止ストッパーが常に第1姿勢となるよう付勢されているので、第2姿勢から第1姿勢への変移が確実におこなわれ、機能低下を招く事もない。
【0037】
請求項の記載によれば、上記効果に加え、第1突出防止ストッパーと第2突出防止ストッパーを上下に反転させて配設する事ができるので、部材点数が削減出来、在庫管理も容易で安価に制作できる。
【0038】
請求項に記載の発明によれば、上記効果に加え、各メンバーをほぼ同長とし、第1、第2突出防止ストッパーを上下に反転させて使用しているので、両アウターメンバーは、固定側、移動側、前後側、左右側が限定されないので、使用物品に対する取り付け作業に不要な手間がかからず、在庫も異種類ですみ、出荷ミスが発生する可能性もほとんどない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の要部分解斜視図
【図2】 本発明の分解斜視図
【図3】 各メンバーの全長が重合した状態の側面図
【図4】 移動側アウターメンバーとインナーメンバーの移動途中の側面図
【図5】 図4の上面図
【図6】 図4の正面図
【図7】 他の実施例の分解斜視図
【図8】 図7の正面図
【符号の説明】
1 移動側アウターメンバー
2 移動側アウターメンバー
3 インナーメンバー
4 内側側ボールリテーナー
5 外側ボールリテーナー
6 第1突出防止ストッパー
7 第2突出防止ストッパー
8 第1付勢体
9 第2付勢体
10 基板
11、11 上下ボール案内溝
12、12 上下折曲縁
20 基板
21、21 上下ボール案内溝
22、22 上下折曲縁
62 上係止突部
63 下係止突部
72 上係止突部
73 下係止突部
100 スライドレール

Claims (4)

  1. 固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバー等からなり、インナーメンバーと移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバーの前後端部より突出可能としたスライドレールにおいて、インナーメンバーの単独での移動を防止する第1姿勢と、固定側アウターメンバーよりインナメンバーが突出し、インナーメンバーより移動側アウターメンバーが突出した状態で、移動側アウターメンバーが突出方向とは反対方向に移動した時、移動側アウターメンバーの移動方向側に係止し、インナーメンバーが移動側アウターメンバーの移動方向と反対側で、移動側アウターメンバーから突出するのを防止する第2姿勢とに変移する突出防止ストッパーが、インナーメンバーの前後両端部に構成されている事を特徴とするスライドレール。
  2. 固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバー等からなり、インナーメンバーと移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバーの前後端部より突出可能としたスライドレールにおいて、インナーメンバーの単独での移動を防止する第1姿勢と、固定側アウターメンバーよりインナメンバーが突出し、インナーメンバーより移動側アウターメンバーが突出した状態で、移動側アウターメンバーが突出方向とは反対方向に移動した時、移動側アウターメンバーの移動方向側に係止し、インナーメンバーが移動側アウターメンバーの移動方向と反対側で、移動側アウターメンバーから突出するのを防止する第2姿勢とに変移する突出防止ストッパーが、常に第1姿勢となるよう付勢されている事を特徴とするするスライドレール。
  3. 断面略C字形の固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた断面略C字形の移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿された断面略I字形のインナーメンバー等からなり、インナーメンバーの前後端部移動側アウターメンバーの前後端部が、固定側アウターメンバーの前後端部から突出してスライド可能としたスライドレールにおいて、固定側アウターメンバーより突出したインナメンバーに対し移動側アウターメンバーが突出した状態で、インナーメンバーの突出方向とは反対側のインナーメンバーの端部に、移動側アウターメンバーの高さ方向の外方に突出する下係止突部と、固定側アウターメンバーの高さ方向の内面に接触する上係止突部を有して第2姿勢に維持された第2突出防止ストッパーが回動自在に構成される一方、前記状態で、インナーメンバーの突出方向の端部に、固定側アウターメンバーの高さ方向の外方に突出する上係止突部と、移動側アウターメンバーの高さ方向の内面に接触する下係止突部を有して第2姿勢に維持された第2突出防止ストッパーが回動自在に構成され、移動側アウターメンバーの移動方向側が、第1突出防止ストッパーの上係止突部に係止した時、第 2 突出防止ストッパーの下係止突部が移動側アウターメンバーの内面との接触状態が解除され、固定側アウターメンバーと移動側アウターメンバーの両方に仮係止可能な状態となる第1姿勢に変移し、第2突出防ストッパーが第2姿勢の状態で、インナーメンバーと移動側アウターメンバーと共に移動して、固定側アウターメンバーに仮係止した時、第1突出防止ストッパーが第 2 突出防止ストッパーと同様に第1姿勢に変移し、移動側アウターメンバーの端部と固定側アウターメンバーの端部より、インナーメンバーの端部が突出するのを防止する事を特徴とするスライドレール。
  4. 固定側アウターメンバーと、該固定側アウターメンバーに対向して設けられた移動側アウターメンバーと、上記両メンバー間に嵌挿されたインナーメンバーがほぼ同等の長さに形成され、インナーメンバーの前後半部と移動側アウターメンバーの全長が、固定側アウターメンバーの前後方向に突出してスライド可能としたスライドレールにおいて、移動側アウターメンバーの端部と固定側アウターメンバーの端部より、インナーメンバーの端部が突出するのを防止する第1、第2突出防止ストッパーがインナーメンバーの前後端部に対向して設けられ、インナーメンバーと移動側アウターメンバーが固定 側アウターメンバーに対しその全長が重合した状態で、第1、第2突出防止ストッパーは、固定側アウターメンバーと移動側アウターメンバーに仮係止して、インナーメンバーが単独で前後方向に移動するのを防止する第1姿勢と、移動側アウターメンバーが移動すると、移動方向側の突出防止ストッパーは、インナーメンバーと共に移動するか、あるいは移動側アウターメンバーとの仮係止状態が解除されて固定側アウターメンバーにのみ係止する第2姿勢に変移し、同時に、移動方向と反対側の突出防止ストッパーは、固定側アウターメンバーとの仮係止状態が解除されて、移動側アウターメンバーにのみ係止する第2姿勢に変移するか、あるいは、移動側アウターメンバーの移動側と反対側の端部が移動して、インナーメンバーが移動可能な状態となる事を特徴とするスライドレール。
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