JP7312444B2 - スライドレールのストッパー装置 - Google Patents
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このスライドレールのストッパー装置は、インナーメンバーの一対の屈折縁間の設けられた合成樹脂製のストッパー受け部材(5)とアウターメンバーに設けられた合成樹脂製のストッパー部材(4)で構成され、ストッパー受け部材(5)に上下に一対に設けられた保持片(61)、(61)の上下間にストッパー部材(4)のストッパー突起(42)が通過する際、ストッパー突起(42)が保持片(61)(傾斜接触片(62))を弾性変形させながら押し上げ(押し上げ)て、ストッパー突起(42)が保持片(61)を乗り越えると、ストッパー突起(42)と保持片(61)が係合しストッパーが効くものである。
傾斜接触片(62)が小さくなると、傾斜接触片(62)の弾性変形量を大きく設定することができないため、ストッパーの保持力を確保するためには、傾斜接触片(62)の弾性変形を抑えて傾斜接触片(62)を硬く設定しなければならず、そのためストッパー突起(42)が保持片(61)(傾斜接触片(62))を弾性変形させながら押し上げる力が大きくなるため、ストッパーを作動あるいは解除させる過程で大きな力が必要であったりや引っ掛かりがあるだけでなく、傾斜接触片(62)を硬く設定していることから、傾斜接触片(62)が破断することがあった。
さらに、単に傾斜接触片(62)の弾性力を弱く設定すると、スライドレールの保持力が弱く、両方向引き出し型のスライドレールの場合では、伸長状態から収縮させると、最収縮状態を通り越して簡単に反対側に伸長してしまう問題がある。
傾斜接触片(62)を合成樹脂製ではなく板バネで形成し、小さな傾斜接触片(62)でも十分な弾性力と保持力を持たせることはできるが、板バネは薄板鋼板の金属製であるため、金属の接触音が発生し好ましくない。接触音と低減させるため接触部に合成樹脂を使用すると金属で合成樹脂が磨耗しやすい。
また、合成樹脂を使用し、かつ傾斜接触片(62)に十分な弾性力と保持力を持たせるための技術の十分な開示がなかった。
また、腕部は大きく弾性変形できるから、スライドレールの最収縮時から伸長するときにストッパーの解除するときに急激な力の変化が少ない。
より具体的には、屈折縁33、33の対向している内面は、基板31付近の屈折縁33、33の対向間隔の広さが広く上下方向に高く、水平方向で基板31の対向側に向かって高さ方向が低くなるように、屈折縁33、33の対向間隔が狭くなるように湾曲している。そのため、基板31付近の屈折縁33、33の対向面側に嵌合片211・・・が嵌合すると、嵌合片211・・・は、水平方向で基板31の対向側に向かって高さ方向が低くなるように、屈折縁33、33の対向間隔が狭くなっているので、屈折縁33、33に引っかかるから水平方向に抜け出すことができない。
このように、ズレ止め突起212が、ズレ止め孔311に挿入しているため、基部21は前後方向に移動せず、前記嵌合片211・・・が屈折縁33、33に嵌合しているため、基部21は上下方向、左右方向にも移動せずにインナーメンバー3に固定される。
尚、基部21が、ブロック状に形成されているのは、スライドレール100が最大伸長する際、伸長方向と反対側に設置された可動係合部材2の基部21の伸長側の端面に、ボールリテーナ5の基板51の伸長方向の反対側の端面が接触し、インナーメンバー3がボールリテーナ5から脱落しないようにするストッパーを兼ねているからである。
腕部22は、断面が略長方形で細長に延伸する角柱状であって、屈折縁33、33間を経てインナーメンバー3の端面側から突出する位置まで延伸しており、上下方向に間隔を空けて上下一対に形成されている。
そして、腕部22の該延伸端には、腕部22から、腕部22に近接する屈折縁33側の上下方向に突出する係合片23が形成され、図9に示すように、上側の腕部22は上方に向かって係合片23が突出しており、下側の腕部22は下方に向かって係合片23が突出している。
さらに係合片23の上方(下方)突出端は、屈折縁33から屈折縁13の間であって屈折縁13には接触しない位置まで突出している。
また、22aは、腕部22、22と一体成型されるもので、上下一対の腕部22、22の弾性変形力を調節する弾性力調整部材であり、腕部22、22の弾性変形力が強い場合は、弾性力調整部材22aを切除して、腕部22、22の弾性変形力を弱くすることが可能である。弾性力調整部材22aと腕部22、22の連接部分には切除しやすいように、あらかじめV字状の溝を切除部分に成型時に形成してもよい。
そして、屈折縁13、13の対向している内面は、基板11付近の屈折縁33、33の対向間隔から、水平方向で基板11の対向側に向かって一旦間隔が広くなり、さらに水平方向で基板11の対向側に向かって間隔が狭くなるように、屈折縁13、13は断面アール状に形成されているから、屈折縁13、13の内面に嵌合突片42、42に外面が沿うと、屈折縁13、13に引っかかるから水平方向に抜け出すことができないため、係合体4は、屈折縁13、13間に嵌合固定される。
このように、ズレ止め突起413が、ズレ止め孔111に挿入しているため、連結基板41は前後方向に移動せず、嵌合突片42、42がそれぞれ、屈折縁13、13に沿って嵌合しているため、連結基板41は上下方向、左右方向にも移動せずにアウターメンバー1に固定される。
また、アウターメンバー1の基板11の端部で、屈折縁13と同側に切り起こして形成されるストッパー14が、係合孔412に挿通しており、連結基板41の前後方向に移動をさらに防止している。
これは、連結基板41が、スライドレール100が最大伸長した際、連結基板41のストッパー部411のボールリテーナ5側の端面に、ボールリテーナ5の基板51の端面が接触し、ボールリテーナ5がアウターメンバー1から脱落しないようにするストッパーを兼ねているから、伸長時の衝撃によって係合体4が簡単にアウターメンバー1から外れないように補強するためである。
上側の係合部43は、嵌合突片42の、近接するアウターメンバー1の一方の長尺方向側の端面と対向する側面の端部から、近接するアウターメンバー1の一方の長尺方向側の端面に向かって、該長尺方向側の端面に向かいながら漸次下方側に膨出する傾斜面となる案内面431と、該長尺方向側の端面側で鉛直状に形成される係合面432で形成されるものである。
そして、下側の係合部43は、上側の係合部43と対向して対称に形成される。
まず、アウターレール1とインナーレール3の前後方向側の中心が略一致した状態がスライドレール100の最収縮状態である。
スライドレール100の最収縮状態で、係合片23は、アウターメンバー1の端部より前後方向側に突出しない状態で、かつ、腕部22に弾性変形していない状態となっている。
係合面432は、鉛直状の面であるから、係合片23の側面と係合部43の係合面432は面同士の当接となり、係合片23の側面と係合部43が係合した状態となるため、該当接がストッパーとなりインナーメンバー3の移動を防止する。
ストッパー装置6は、スライドレール100の前後端部それぞれに設置してあるから、該ストッパーは、インナーメンバー3の前後いずれの伸長方向にも作用する。
係合片23の側面に該反対方向に押される力が加わると、該力が係合片23を伝って可動係合部材2の腕部22に伝わり、腕部22が弾性変形しはじめる。
該力は係合片23の腕部22と反対側の先端部付近に伝わるから、上側の係合片23は下側に、下側の係合片23は上側に押されるように、上側の腕部22が、係合片23側先端が下側に移動するように弾性変形し、下側の腕部22が、係合片23側先端が上側に移動するように弾性変形していく。
そして、係合片23が係合面432を乗り越えると、ストッパーが外れ、インナーメンバー3が伸長していく。係合片23が係合面432を乗り越えると、腕部22は弾性力によって元の状態に復旧する。
そして、そのままインナーメンバー3を収縮させると、案内面431は、アウターレール1の端面側に向かって傾斜しているから、上側の係合片23は下方に押され、下側の係合片23は上方に押されていく(図9の(3)の状態)。このように係合片23が押されると、その力で腕部22は、上下の腕部22、22の係合片23、23側の間隔が狭くなるように弾性変形し、係合片23の上端面(下端面)の直線状に形成された面が、案内面431と面接触しながらスライドし(図9の(4)の状態)、係合片23が案内面431を通過すると、係合片23は押す力から開放されるので、腕部22は弾性力によって元の状態に復旧する(図9の(5)の状態)。
案内面431は、前述の通り漸次膨出するように傾斜しているから、スライドレールの収縮過程において、係合片23と係合部43が衝撃を伴って接触することなくスムーズに収縮させることが可能となる。
特に、係合部43は摺動方向側に長く設定することが可能であるから案内面431を長く設定することが可能で傾斜角度を緩く設定することが可能である。また、係合部43は摺動方向側に長く設定することが可能であるから、案内面431と係合面431の連接部にスライドレールの摺動方向と平行な面として第2案内面を設けることが可能で、第2案内面では、係合片23を押圧しながら摺動するのでブレーキ効果を得ることが可能である。
係合片23側に傾斜面を設けても短い長さでしか設定できないばかりか、係合片23側に傾斜面を設けた場合、係合片23の係合部43との接触部が、該傾斜面と係合面とで直角三角形状となるため、係合片23の係合部43との接触部の頂部が磨耗しやすくなる。
本件実施例のように合成樹脂でストッパー装置を形成する場合、点接触ではなく線接触あるいは面接触をさせるほうが、磨耗を抑制することができる。
また、ストッパー作用は、インナーメンバー3の屈折縁33と、アウターメンバー1の屈折縁13との間部分で得られるから、インナーメンバー3の上下幅の低い細いスライドレールでも採用することが容易である。
また、スライドレールの前後方向の片側端部にのみストッパー装置6を設置して使用することも可能である。
また、スライドレールの屈折縁が上下方向に対向している縦使いの場合で説明しているが、スライドレールを屈折縁が水平方向に対向している横使いで使用しても同様の作用効果が得られる。
1 アウターメンバー
11 基板
13 屈折縁
2 可動係合部材
21 基部
211 嵌合片
22 腕部
22a 弾性力調整部材
23 係合片
3 インナーメンバー
31 基板
33 屈折縁
4 係合体
41 連結基板
42 嵌合突片
43 係合部
431 案内面
432 係合面
5 ボールリテーナ
6 ストッパー装置
Claims (2)
- 少なくとも、一対の屈折縁を有し断面略C字形に形成されたアウターメンバーと、アウターメンバーにボールにて摺動自在に保持される一対の屈折縁を有し断面略コ字形に形成されたインナーメンバーと、該ボールを回転自在に保持するボールリテーナとを備え、アウターメンバーとインナーメンバーが一方側への長尺方向に相対移動可能であるとともに、他方側への長尺方向に相対移動可能とされる両方向引き出し型のスライドレールにおいて、スライドレールは、スライドレールを最収縮状態で保持するストッパー装置を備え、ストッパー装置は、インナーメンバーの両端部に設置される係合片を有する合成樹脂製の可動係合部材と、アウターメンバーの両端部に設置される前記係合片と係合する係合部を有する合成樹脂製の係合体からなり、係合部は、アウターメンバーの一方側の屈折縁側から他方側の屈折縁側に向かって突出しており、スライドレールの前記相対移動時に、係合片が係合部を乗り越えて係合片と係合部が係合することにより該相対移動を規制するものであって、可動係合部材の係合片は、アウターメンバーの一対の屈折縁が対向する方向すなわち上下方向に弾性変形可能な合成樹脂製の腕部で支持され、腕部の該弾性変形によって、係合片が係合部を乗り越えることが可能とされ、さらに、係合片は、インナーメンバーの摺動方向の一方側端面から、他方側端面側への方向と反対側の摺動方向側に突出した位置に配置されるとともに、インナーメンバーの一方の屈折縁から、該屈折縁に近接するアウターメンバーの屈折縁側に向かって突出していることを特徴とする両方向引き出し型のスライドレールのストッパー装置。
- 係合部は、アウターメンバーの長尺方向の端面側に向かって、かつ、係合片側に向かって傾斜した案内面と、アウターメンバーの端面側で鉛直状に形成された係合面が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスライドレールのストッパー装置。
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