JP3711512B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高絶縁性液体中に少なくとも樹脂を分散させてなる静電写真用液体現像剤に関するものであり、本発明の静電写真用液体現像剤は、特に再分散性、電着強度、保存安定性、転写−定着性等に優れている。
【0002】
【従来の技術】
静電写真用液体現像剤は、高絶縁性液体中に、アクリル樹脂またはアルキッド樹脂等の樹脂、着色剤および極性制御剤(例えば金属石鹸、レシチン等)からなるトナー粒子を分散させたものであり、感光体が形成する静電潜像に電気泳動され、潜像荷電部にクーロン力によって付着する。
従来の液体現像剤においては、高絶縁性液体中でトナー粒子が保存中に沈降、凝縮を起こしたり、電気泳動性や潜像荷電部への定着性が悪いと言うように、一長一短があった。
【0003】
上記の問題点の解決のために、特開平3−113466号公報および特開平3−172859号公報においては、高絶縁性液体中、特定のグラフトポリマーを重合用分散剤として、該グラフトポリマーの存在下に他の単量体を重合させて得られる樹脂粒子が提案されている。
さらに詳しく説明すれば、上記提案の液体現像剤の製造に使用されるグラフトポリマーとしては、側鎖に極性の官能基があるものと無いものの2種類があり、側鎖に極性の官能基があるグラフトポリマーを使用する場合には、側鎖とすべきマクロモノマー中にカルボキシル基等を導入しておく必要があるが、現状では以下に述べるとおり、マクロモノマーへのカルボキシル基等の導入は容易でなく、結果的にそれを使用して得られるグラフト共重合体の分散性能は今一歩であった。
一方、側鎖に極性の官能基の無いグラフトポリマーを使用する場合には、得られるトナー粒子の分散安定性は良好であるが、その電気泳動性や電着強度等が劣っていた。
【0004】
カルボキシル基含有マクロモノマーを合成する方法として、例えば、t−ブトキシ基をアルコール残基とするエステル構造を有するマクロモノマーを一旦合成した後、該エステルを分解させる方法によりカルボキシル基を導入する方法を採用した場合には、目的の箇所以外にも分解が及んだり分解反応の制御が困難で、マクロモノマー自体の純度が低下するため、そのグラフトポリマーの分散性能が劣っていたのである。
また、別の方法として、水酸基含有メルカプタン系連鎖移動剤を用い予めカルボキシル基を有しかつ末端に水酸基のあるプレポリマーを合成し、引き続いて、アミン存在下にメタクリル酸クロライドを加える方法も知られているが、この方法でも、選択的に片末端のみを二重結合化することが難しく、得られるマクロモノマーの末端二重結合純度が低く、やはりそれを用いて得られたグラフトポリマーの分散性能が劣っていた。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の問題を解決するため鋭意検討を行った結果、特定のカルボキシル基を含有するマクロモノマー組み込んだ、高絶縁性液体に対し自己分散型のグラフトポリマーをトナー粒子の一構成成分として用いることにより、目的とする再分散性、電着強度、保存安定性、転写−定着性等が高レベルでバランスできることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、トナー粒子を形成する樹脂分の一部または全部が、重合体部分の任意の部位にヒドロキシル基を有するラジカル重合性マクロモノマーとジカルボン酸無水物を反応させて得られる、カルボキシル基含有マクロモノマーおよびその他のラジカル重合性単量体を共重合させてなるグラフト共重合体である静電写真用液体現像剤である。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について更に詳しく説明する。
本発明におけるグラフト共重合体は、以下に述べるカルボキシル基含有マクロモノマーおよびビニル単量体を共重合することにより合成できる。
カルボキシル基含有マクロモノマーの出発原料となる、ヒドロキシル基を有する重合体の片末端にラジカル重合性基を有するマクロモノマーすなわちヒドロキシル基含有マクロモノマーは、種々の公知の方法により製造できる。
上記ヒドロキシル基含有マクロモノマーの製法としては、カルボキシル基を片末端に有する重合体とグリシジル(メタ)アクリレートの反応を利用する方法がある。その概要を述べると、まず、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酪酸またはチオサリチル酸等のカルボキシル基を有するメルカプタンの存在下に有機溶剤中で、ヒドロキシル基を有するラジカル重合性単量体(以下ヒドロキシル基含有単量体という)および必要により他の単量体をラジカル重合させることにより、重合体鎖中にヒドロキシル基を有しかつ片末端にカルボキシル基を有する重合体(以下ベース重合体という)が得られる。得られたベース重合体における末端カルボキシル基とグリシジルメタクリレート等を反応させることにより、ヒドロキシル基含有マクロモノマーが得られる。
【0007】
ベース重合体の製造において使用するヒドロキシル基含有単量体としては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートおよびヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させた化合物〔例えばダイセル化学工業(株)製商品名プラクセル等〕等が挙げられる。
ヒドロキシル基含有単量体は、後述のジカルボン酸無水物との反応により、カルボキシル基を導入するための必須成分である。従って、この仕込み量により最終的なマクロモノマー中の酸価が決まる。
ヒドロキシル基含有単量体単位の好ましい使用量は、得られるマクロモノマーの骨格となる重合体1分子当たり、ヒドロキシル基を平均で3〜30個有する様な量が好ましい。
【0008】
上記ヒドロキシル基含有単量体とともに使用し得る共重合単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロアルキルエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、スチレン、α−メチルスチレンおよびアクリロニトリル、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられ、これらを2種以上用いることもできる。
炭素数4以上のアルキル基を有する(メタ)アクリレートアルキルを、ベース重合体を形成する単量体混合物の全量を基準にして、50重量%以上用いるのが好ましい。この量を下回ると、得られるグラフトポリマーの高絶縁性液体中での自己分散性が低下することがある。
【0009】
上記単量体のラジカル重合は、有機溶剤中で、メルカプト酢酸、メルカプトプロピオン酸、メルカプト酪酸またはチオサリチル酸等のカルボキシル基を有するメルカプタンの存在下に行う。
上記メルカプタンは、ラジカル重合において連鎖移動剤として作用して、重合体の片末端にカルボキシル基を導入させる。メルカプタンの好ましい使用量は、得られるベース重合体と等モルとなる量であり、単量体の使用量および求めるベース重合体の数平均分子量から容易に算出できる。
ベース重合体の好ましい数平均分子量は、1000〜30,000である。数平均分子量が1000〜30,000のベース重合体を得ようとする場合、メルカプタンの使用量は、単量体100g当たり0.1〜5g程度である。
重合温度としては、50〜140℃が好ましく、また重合溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルイソブチルケトン、トルエンまたはキシレン等が好ましく使用できる。
重合開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスジメチルバレロニトリル、ブチルパーオキシピバレートおよびブチルパーオキシオクタネート等が挙げられ、その好ましい使用量は、単量体100重量部当たり、0.1〜3重量部である。
【0010】
目的とするヒドロキシル基含有マクロモノマーは、上記重合によって得られる片末端にカルボキシル基を有するベース重合体と、カルボキシル基と反応性の官能基例えばエポキシ基等とラジカル重合性基の双方を有する化合物、例えばグリシジルメタクリレート等を反応させることにより得られる。
上記マクロモノマー化の反応は、有機溶剤中で4級アンモニウム塩または4級ホスホニウム塩等の触媒の存在下に、70〜120℃に維持することにより円滑に進行する。有機溶剤としては、ベース重合体を得る際の重合溶剤として例示した化合物が使用できる。
【0011】
上記方法によって得られるヒドロキシル基含有マクロモノマーと、ジカルボン酸無水物を反応させることにより、カルボキシル基含有マクロモノマーが得られる。この反応は、有機溶剤中で、エステル化反応を促進する触媒の存在下に、反応温度50〜150℃で行うことが好ましい。反応時間は、通常数時間程度で良く、有機溶剤としては、前記ベース重合体を得る際の重合溶剤またはマクロモノマー化反応用の有機溶剤と同様な化合物が使用できる。
ジカルボン酸無水物としては、無水コハク酸、無水フタル酸、無水シトラコン酸、無水メチルコハク酸または無水アセチルリンゴ酸等が挙げられ、好ましくは無水コハク酸である。
【0012】
ヒドロキシル基含有マクロモノマーに対するジカルボン酸無水物の使用量(モル数)は、マクロモノマー中のヒドロキシル基の量以下であれば良い。ジカルボン酸無水物の使用量が、ヒドロキシル基含有マクロモノマー中のヒドロキシル基と等量であれば、官能基としてカルボキシル基のみを有するマクロモノマーが得られ、一方ヒドロキシル基含有マクロモノマー中のヒドロキシル基より少なければ、官能基としてヒドロキシル基およびカルボキシル基を有するマクロモノマーが得られる。
カルボキシル基の導入量は前述のように、ヒドロキシル基含有マクロモノマーの水酸基価によって決まるが、好ましい導入量は、マクロモノマー1分子当たり平均2〜20個である。2個未満では、得られるトナー粒子の電気泳動性、電着強度等が不十分であり、一方20個を超えると、過剰イオン電流が発生し画像特性が悪化する。
【0013】
ジカルボン酸とヒドロキシル基含有マクロモノマーとの反応触媒としては、硫酸、パラトルエンスルホン酸、スルホン酸型イオン交換樹脂、トリエチルアミンまたはトリブチルアミン等の3級アミン、テトラアルキルアンモニウムブロマイドまたはトリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩、およびテトラアルキルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。好ましい触媒は、得られる反応生成液に着色が発生し難い点で、3級アミンまたは4級アンモニウム塩である。
【0014】
本発明におけるグラフト共重合体を得るために、上記カルボキシル基含有マクロモノマーと共重合させるビニル単量体としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸およびイタコン酸等のカルボキシル基含有単量体;(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピルおよび(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートにε−カプロラクトンを付加させた化合物〔例えばダイセル化学工業(株)製商品名プラクセル等〕;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルおよび(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オクタデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;スチレン、α−メチルスチレンおよびp−メチルスチレン等のスチレン誘導体;N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドおよびN−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド;(メタ)アクリロニトリル;(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノメチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド等のアミノアルキル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
さらに、所望により、ポリアルキル(メタ)アクリレートまたはその他のビニル重合体を骨格とするマクロモノマー、例えばマクロモノマーAA−6、AS−6またはAA−714等〔東亞合成(株)製〕を使用しても良い。
【0015】
グラフト共重合体におけるカルボキシル基含有マクロモノマーに基づく枝成分の好ましい割合は、グラフト共重合体の全構成単位の合計量を基準にして、1〜70重量%であり、さらに好ましくは5〜60重量%である。
カルボキシル基含有マクロモノマーによる枝成分の割合が、1重量%未満であると得られるトナー粒子の分散安定性が低下し、一方70重量%を超えるとトナー粒子の過剰イオン電流が多くなり、画像特性が著しく低下する。
グラフト共重合体の好ましい酸価は、1〜100KOHmg/gである。
【0016】
グラフト共重合体を得るために採用する重合方法としては、以下に概要を述べる溶液重合法が好ましい。
すなわち、高絶縁性の有機溶剤、例えばオクタン、イソオクタン、デカン、イソデカン、デカリン、ノナンドデカン、イソドデカン、シクロヘキサン、シクロオクタン、トルエン、キシレン、商品名アイソパーG、アイソパーH(アイソパーエクソン社製)、シェルゾール70(シェルオイル社製)等を重合溶剤として使用し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド等のラジカル発生化合物を用い、60〜150℃で重合させる。
重合溶剤として、酢酸エチル、メチルエチルケトン等の極性溶剤を使用して、重合終了後に上記の高絶縁性の有機溶剤に置き換えても良い。
必要に応じて、n−ドデシルメルカプタン、メルカプト酢酸、チオリンゴ酸、メルカプトエタノールおよびメルカプトプロピオン酸等の連鎖移動剤を適量使用して、得られるグラフト共重合体の分子量を調節しても良い。グラフト共重合体の好ましい分子量は、重量平均分子量で8,000〜100,000、また数平均分子量で2,000〜50,000である。
グラフト共重合体の有機溶剤溶液における濃度は、5〜40重量%程度が適当である。なお、グラフト共重合体は、通常上記有機溶剤中において乳化分散している。
【0017】
本発明の液体現像剤は、着色剤としてカーボンブラック、ニグロシン、アルカリブルー等を用いて公知の方法、例えば、特開昭57−48738号公報等に記載の方法で着色することが出来る。
本発明の液体現像剤には、荷電特性の調整のために、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸金属塩、ナフテン酸金属塩、高級脂肪酸金属塩、レシチン等を添加しても良い。
【0018】
以下、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明する。
○製造例1
a.ヒドロキシル基含有マクロモノマーの製造
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート2個、ガス導入管および温度計を装備するガラスフラスコにラウリルメタクリレート72部とヒドロキシエチルメタクリレート16部を、アイソパーG60部中へ、重合温度90℃にて窒素気流下に滴下しながら、アゾビスイソブチロニトリル(以後AIBNと略記する)0.9部と3−メルカプトプロピオン酸1.5部を用いてラジカル重合を行った。なお、ラウリルメタクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレートおよびアイソパーGは、使用前にモレキュラーシーブで脱水しておいたものを使用した。
得られた片末端カルボキシル基型ポリマー溶液に、テトラブチルアンモニウムブロマイド(触媒)1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)0.1部、グリシジルメタクリレート2.2部を加えて、105℃で4時間反応させることにより、末端にラジカル重合性二重結合を導入した。
得られたヒドロキシル基含有マクロモノマーの数平均分子量(GPC測定によるポリスチレン換算のもの)は6900であり、その水酸基価は78mgKOH/g(固形分当たり)であった。
【0019】
b.カルボキシル基含有マクロモノマーM−1の合成
上記ヒドロキシル基含有マクロモノマー溶液を80℃に保ち、その中に無水コハク酸12部を添加して4時間加熱した。触媒として、ヒドロキシル基含有マクロモノマーの製造時に加えたテトラブチルアンモニウムブロマイドをそのまま利用した。
反応初期には、反応液中に無水コハク酸の粒が浮遊しているのが見えたが、反応の進行とともに液中に不溶物は無くなった。
得られたマクロモノマーの数平均分子量は7600であり、またマクロモノマー溶液の酸価(溶液当たり)は0.75meq/gであった。これより、マクロモノマー1分子当たりのカルボキシル基量は平均8.9ケと計算された。また溶液の固型分は63.7%であった。
【0020】
後記の表1(表中の数値の単位はグラムである)に示した単量体を使用して、
以下に述べる方法によりグラフト共重合体を製造した。
○実施例1
表1記載の単量体の混合物以下に述べる方法によりグラフト共重合体を製造した。
すなわち、撹拌機、還流冷却器、滴下ロート2個、ガス導入管および温度計を装備するガラスフラスコに上記マクロモノマーM−1溶液31.4g(固形分20g)およびメチルエチルケトン(以下MEKと言う)42.0gを仕込み、80℃に昇温した。次いで一方の滴下ロートから、メタクリル酸メチル26.4g、アクリル酸エチル51.5g及びメタクリル酸2.1gの混合液を3時間かけて滴下しながら、同時に他方の滴下ロートから、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下V−65という)1.00gをMEK18.0gに溶解した重合開始剤溶液を2時間かけて滴下した。その後さらに、V−65のMEK溶液9.0gを2時間かけて滴下し、引き続き1時間反応を継続させることにより重合を完結させた。
次に、上記重合溶剤のMEKを真空留去し、アイソパーGを添加して、NV=25重量%の分散溶液を得た。
続いて、得られた分散溶液100g及びビクトリアブルーBの4gの混合物を80℃で4時間攪拌し、0.2ミクロンの青色分散体を得た。
上記の青色分散体100gにナフテン酸ジルコニウム0.16g、高級アルコールFOC−1400(日産化学( 株) 製)47gを加え、アイソパーGの3Lで希釈し、液体現像剤を得、下記物性について評価した(表2)。
【0021】
イ)泳動電流測定・・・電極間距離200μm 透明電極を装備した電解槽に上記液体現像剤を入れ、200Vの直流電圧を約20秒間印加した場合の電着強度、過剰イオン電流を測定した。
ロ)転写特性・・・マスター画像を転写印刷処理して外観及びトナー汚れをを目視で確認した。
ハ)顔料分散安定性・・・液体現像剤を50℃で1ヶ月間放置し、分散体の外観を目視で確認した。
【0022】
【実施例2および比較例1】
表1に記載の単量体を使用して、実施例1と同様な方法によりグラフト共重合体を得た。得られたグラフト共重合体を用いて、液体現像液を製造した後、実施例1と同様な試験を行った。
【0023】
【表1】
Figure 0003711512
MM-7LMA ;片末端にメタクリロイル基を有するポリラウリルメタクリレートのマクロモノマー(Mn= 7000、東亞合成( 株) 製)
MMA ;メチルメタクリレート
EA;エチルアクリレート
MAA ;メタクリル酸
【0024】
【表2】
Figure 0003711512
表2から明らかなとおり、本発明の液体現像剤は、比較例に比べ、電気泳動特性、転写特性、保存安定性のいずれにも優れていた。
【0025】
【発明の効果】
本発明の静電写真用液体現像液は、特殊なカルボキシル基含有マクロモノマーから得られるグラフト共重合体が樹脂分として使用されているために、再分散性、電着強度、保存安定性、転写−定着性等が高度にバランスさている。

Claims (1)

  1. トナー粒子を形成する樹脂分の一部または全部が、重合体部分の任意の部位にヒドロキシル基を有するラジカル重合性マクロモノマーとジカルボン酸無水物を反応させて得られる、カルボキシル基含有マクロモノマーおよびその他のラジカル重合性単量体を共重合させてなるグラフト共重合体である静電写真用液体現像剤。
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