JP5251324B2 - 静電写真用液体現像剤 - Google Patents
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Description
特許文献1には、高絶縁性液体中にトナー粒子を分散してなる静電写真用液体現像剤において、トナー粒子を形成する樹脂分の一部又は全部が、重合体部分の任意の部位にヒドロキシル基を有するラジカル重合性マクロモノマーとジカルボン酸無水物を反応させて得られる、カルボキシル基含有マクロモノマー及びその他のラジカル重合性単量体を共重合させてなるグラフト共重合体である静電写真用液体現像剤が開示されている。
また、特許文献2には、トナー粒子を形成する樹脂が、高絶縁性液体に不溶な幹ポリマーと、高絶縁性液体に可溶で且つスルホ基、カルボキシル基、アミノ基、ホスホ基、フェノール性水酸基及びピリジル基から選ばれる少なくとも1種の極性基を有する枝ポリマーとからなるグラフト共重合体であって、枝ポリマーにおけるスルホ基、カルボキシル基、アミノ基、ホスホ基、フェノール性水酸基及びピリジル基から選ばれる少なくとも1種の極性基の量が該枝ポリマー1g当たり0.02meq以上であるグラフト共重合体から主としてなる静電写真用液体現像剤が開示されている。
本発明の目的は、非水系溶媒に対して高い親和性を有する重合体ブロックと、非水系溶媒に対して低い親和性及び着色剤等への吸着性等を有する重合体ブロックとを備えるカルボキシル基含有ブロック共重合体を含有する非水系分散体を用いて得られ、電着性、転写特性及び分散安定性に優れた静電写真用液体現像剤を提供することにある。
1.カルボキシル基を有するブロック共重合体が非水系溶媒に分散されてなる非水系分散体と、着色剤と、荷電調整剤とを用いて得られた静電写真用液体現像剤において、
上記カルボキシル基含有ブロック共重合体は、上記非水系溶媒において、下記一般式(1)で表されるリビングラジカル重合開始剤の存在下、下記ビニル系単量体[x]及び[y]のいずれか一方を重合し、その後、他方のビニル系単量体を重合することにより得られたものであって、該ブロック共重合体の重量平均分子量が、4,000〜40,000であり、多分散度が1.2〜1.5であり、
上記荷電調整剤は、脂肪酸の金属塩類であることを特徴とする静電写真用液体現像剤。
[x]炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを10〜100質量%含むビニル系単量体
[y]炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜100質量%含み、上記ビニル系単量体[x]と異なる組成を有するビニル系単量体
2.上記カルボキシル基含有ブロック共重合体が、下記に示される共重合体(D1)、(D2)、(D3)及び(D4)から選ばれた少なくとも1種である上記1に記載の静電写真用液体現像剤。
(D1)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、15〜70質量%及び30〜85質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)とし、上記一般式(1)におけるR 4 を水素原子としたブロック共重合体
(D2)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、15〜70質量%及び30〜85質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)としたブロック共重合体(但し、上記ビニル系単量体[x]として、(メタ)アクリル酸、並びに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せが用いられない場合、上記一般式(1)におけるR 4 が水素原子である)
(D3)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、20〜70質量%及び30〜80質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)としたブロック共重合体(但し、上記ビニル系単量体[y]として、(メタ)アクリル酸、並びに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せが用いられない場合、上記一般式(1)におけるR 4 が水素原子である)
(D4)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、20〜70質量%及び30〜80質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)としたブロック共重合体(但し、上記ビニル系単量体[x]又は[y]として、(メタ)アクリル酸、並びに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せが用いられない場合、上記一般式(1)におけるR 4 が水素原子である)
3.上記非水系溶媒が、炭素数8以上の炭化水素を含む上記1又は2に記載の静電写真用液体現像剤。
4.上記カルボキシル基含有ブロック共重合体の酸価が、2.2〜16.3mgKOH/gである上記1乃至3のいずれか一項に記載の静電写真用液体現像剤。
5.上記カルボキシル基含有ブロック共重合体の含有量が、上記静電写真用液体現像剤に対して、5〜40質量%である上記1乃至4のいずれか一項に記載の静電写真用液体現像剤。
上記非水系分散体は、非水系溶媒において、下記一般式(1)で表されるリビングラジカル重合開始剤の存在下、下記ビニル系単量体[x]及び[y]のいずれか一方を重合し(以下、「第1重合工程」という)、その後、他方のビニル系単量体を重合する(以下、「第2重合工程」という)ことにより得られたものである。
[x]炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを10〜100質量%含むビニル系単量体
[y]炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜100質量%含み、上記ビニル系単量体[x]と異なる組成を有するビニル系単量体
本発明においては、第1重合工程及び第2重合工程を、同じ反応系において連続的に進めることができ、同じ非水系溶媒を用いて、カルボキシル基含有ブロック共重合体を製造することができる。尚、第1重合工程及び第2重合工程において、互いに異なる非水系溶媒を用いることもできる。
尚、上記一般式(1)における置換基R1〜R7は、上記の通りであるが、R4が水素原子である場合、ビニル系単量体[x]及び[y]として、カルボキシル基を有する単量体を用いることなく、カルボキシル基(−COOH)を有するブロック共重合体を製造することができる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキルエステルのアルキル部分が炭素数4〜30の炭化水素基である化合物であり、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等が挙げられる。尚、これらの化合物において、炭化水素基に含まれる1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されていてもよい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
芳香族ビニル化合物としては、スチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、α−メチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,4−ジイソプロピルスチレン、4−tert−ブチルスチレン、ビニルトルエン、ビニルナフタレン等が挙げられる。尚、上記化合物に含まれる1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されてなる、ハロゲン化スチレン等を用いることもできる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
シアン化ビニル化合物としては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、エタクリロニトリル、α−エチルアクリロニトリル、α−イソプロピルアクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α−フルオロアクリロニトリル等が挙げられる。これらの化合物は、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
上記ビニル系単量体[x]が、ヒドロキシル基を有する重合性不飽和化合物、好ましくはヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを含む場合、必要に応じて、無水コハク酸、無水フタル酸、無水シトラコン酸、無水メチルコハク酸、無水アセチルリンゴ酸等のジカルボン酸無水物を含んでもよい。ヒドロキシル基を有する重合性不飽和化合物及びジカルボン酸無水物により、ブロック共重合体におけるカルボキシル基を形成する場合、ジカルボン酸無水物の使用量(モル数)は、通常、重合性不飽和化合物に含まれるヒドロキシル基のモル数以下である。ジカルボン酸無水物の使用量が、重合性不飽和化合物に含まれるヒドロキシル基と等量であれば、これらの化合物によって、カルボキシル基のみを有する重合体ブロックが得られる。一方、ジカルボン酸無水物の使用量が、重合性不飽和化合物に含まれるヒドロキシル基より少ないと、通常、これらの化合物によって、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を有する重合体ブロックが得られる。
尚、上記ビニル系単量体[x]は、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを含んでもよいが、その場合、ビニル系単量体[x]の全量に対して、通常、50質量%以下、好ましくは0〜40質量%である。
尚、上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、アルキルエステルのアルキル部分が炭素数1〜3の炭化水素基である化合物であり、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル等が挙げられる。尚、これらの化合物において、炭化水素基に含まれる1つ以上の水素原子が、ハロゲン原子に置換されていてもよい。上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、単独であるいは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
第1重合工程において、リビングラジカル重合開始剤並びにビニル系単量体[x]又は[y]によって、カルボキシル基を有する重合体(P)を形成する場合には、第2重合工程において、ビニル系単量体[y]又は[x]が、更にカルボキシル基を形成してもよいし、形成しなくてもよい。従って、第2重合工程において用いるビニル系単量体は、第1重合工程において用いたリビングラジカル重合開始剤及びビニル系単量体の種類によって、選択される。
また、第1重合工程において、リビングラジカル重合開始剤並びにビニル系単量体[x]又は[y]が、カルボキシル基を有しない重合体(P)を形成する場合には、第2重合工程において、カルボキシル基を形成するように、ビニル系単量体[y]又は[x]の構成成分が、選択される。
一方、第1重合工程において、ビニル系単量体[y]を用いる場合には、重合溶媒として、芳香族炭化水素、ケトン類、エステル類等が好適に用いられ、このビニル系単量体[y]を重合した場合には、通常、重合体(P)が重合溶媒に溶解した重合溶液が得られる。次に、第2重合工程において、ビニル系単量体[x]を重合すると、重合体(P)のリビング末端から、このビニル系単量体[x]に由来する重合体ブロックが形成される。その後、上記重合溶媒を留去させ、高絶縁性の脂肪族炭化水素等の非水系溶媒に置換し、この非水系溶媒に不溶であり、且つ、この非水系溶媒に分散されたカルボキシル基含有ブロック共重合体が得られる。
(1)ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、且つ、ビニル系単量体[x]及びビニル系単量体[y]の使用割合が、それぞれ、15〜70質量%及び30〜85質量%、好ましくは20〜65質量%及び35〜80質量%である(但し、両者の合計を100質量%とする)態様。
(2)ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%、好ましくは80〜98質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;及びシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%、好ましくは2〜20質量%と(但し、これらの合計を100質量%とする)からなり、ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、且つ、ビニル系単量体[x]及びビニル系単量体[y]の使用割合が、それぞれ、15〜70質量%及び30〜85質量%、好ましくは20〜65質量%及び35〜80質量%である(但し、両者の合計を100質量%とする)態様。
(3)ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%、好ましくは55〜95質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;及びシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%、好ましくは5〜45質量%と(但し、これらの合計を100質量%とする)からなり、且つ、ビニル系単量体[x]及びビニル系単量体[y]の使用割合が、それぞれ、20〜70質量%及び30〜80質量%である(但し、両者の合計を100質量%とする)態様。
(4)ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%、好ましくは55〜95質量%、より好ましくは55〜90質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;及びシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%、好ましくは5〜45質量%、より好ましくは10〜45質量%と(但し、これらの合計を100質量%とする)からなり、ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%、好ましくは55〜99質量%、より好ましくは55〜90質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;及びシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%、好ましくは1〜45質量%、より好ましくは10〜45質量%と(但し、これらの合計を100質量%とする)からなり、且つ、ビニル系単量体[x]及びビニル系単量体[y]の使用割合が、それぞれ、20〜70質量%及び30〜80質量%である(但し、両者の合計を100質量%とする)態様。
尚、上記態様(1)においては、リビングラジカル重合開始剤として、上記一般式(1)における置換基R4が水素原子であるニトロキシド化合物を用いる。また、上記態様(2)〜(4)において、(メタ)アクリル酸、及び、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ、を用いない場合にも、リビングラジカル重合開始剤として、上記一般式(1)における置換基R4が水素原子であるニトロキシド化合物を用いる。これにより、第2重合工程後に、このニトロキシド化合物に由来するカルボキシル基を重合体に残存させることができる。
そして、上記態様(2)〜(4)において、(メタ)アクリル酸、及び、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ、の少なくとも一方を用いる場合には、その構造が限定されることなく、上記一般式(1)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いることができる。即ち、これらの単量体を用いることによって、カルボキシル基を有するブロック共重合体を得ることができるので、上記一般式(1)においてカルボキシル基を有するニトロキシド化合物を用いなくてもよい。但し、置換基R4が水素原子であるニトロキシド化合物を用いることもできる。
また、第1重合工程及び第2重合工程における重合温度は、いずれも、好ましくは80℃〜150℃、より好ましくは100℃〜130℃である。
そして、上記カルボキシル基含有ブロック共重合体の濃度は、非水系分散体に対して、通常、20質量%を超える高濃度である。
本発明の静電写真用液体現像剤における着色剤の含有量は、カルボキシル基含有ブロック共重合体の含有量を100質量部とした場合に、通常、5〜30質量部、好ましくは10〜25質量部である。尚、上記着色剤は、上記カルボキシル基含有ブロック共重合体に含浸及び/又は付着し、両者によって複合粒子(トナー粒子)を形成していることが好ましい。このような形態とするために、例えば、静電写真用非水系分散体及び着色剤を含む配合物を、十分に混合・撹拌する方法等が適用される。
本発明の静電写真用液体現像剤における荷電調整剤の含有量は、カルボキシル基含有ブロック共重合体の含有量を100質量部とした場合に、好ましくは0.05〜5.0質量部、より好ましくは0.1〜2.0質量部である。
製造例1−1(ブロック共重合体を含む非水系分散体の製造)
オイルジャケットを備えた耐圧式攪拌槽型ガラス反応器に、アクリル酸ラウリル(以下、「LA」ともいう)47部、下記式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤3部、及び、「アイソパーG」(商品名、エクソン社製)34部を仕込んだ。その後、反応器内を、窒素ガスを用いたバブリングにより、十分に脱気した。次いで、ジャケット温度を120℃とし、反応系を撹拌しながら、重合を開始し、反応液の温度が120℃に保たれるようジャケット温度を調整した。重合開始から4時間後、LAの重合率を測定したところ、97%であった。また、反応液より一部サンプリングした重合体のGPC測定(標準ポリスチレンを使用)を行ったところ、Mn=6,300、Mw=7,900、Mw/Mn=1.25であった。
オイルジャケットを備えた耐圧式攪拌槽型ガラス反応器に、LA47部、メタクリル酸ヒドロキシエチル(以下、「HEMA」ともいう)1部、無水コハク酸0.8部、上記式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤3部、及び、「アイソパーG」34部を仕込んだ。その後、反応器内を、窒素ガスを用いたバブリングにより、十分に脱気した。次いで、ジャケット温度を120℃とし、反応系を撹拌しながら、重合を開始し、反応液の温度が120℃に保たれるようジャケット温度を調整した。重合開始から4時間後、LA及びHEMAの重合率を測定したところ、それぞれ、97%及び98%であった。また、反応液より一部サンプリングした重合体のGPC測定を行ったところ、Mn=6,500、Mw=8,200、Mw/Mn=1.26であった。
オイルジャケットを備えた耐圧式攪拌槽型ガラス反応器に、EA100部、MMA45部、下記式(3)で表されるリビングラジカル開始剤3部、及び、メチルエチルケトン(以下、「MEK」という)300部を仕込んだ。その後、反応器内を、窒素ガスを用いたバブリングにより、十分脱気した。次いで、ジャケット温度を120℃とし、反応系を攪拌しながら、重合を開始し、反応液の温度が120℃に保たれるようジャケット温度を調整した。重合開始から4時間後、EA及びMMAの重合率を測定した。また、反応液より一部サンプリングした重合体のGPC測定を行ったところ、Mn=19,500、Mw=23,600、Mw/Mn=1.21であった。
オイルジャケットを備えた耐圧式攪拌槽型ガラス反応器に、LA60部、MAA4部、上記式(3)で表されるリビングラジカル重合開始剤3部、及び、「アイソパーG」60部を仕込んだ。その後、反応器内を、窒素ガスを用いたバブリングにより、十分に脱気した。次いで、ジャケット温度を120℃とし、反応系を撹拌しながら、重合を開始し、反応液の温度が120℃に保たれるようジャケット温度を調整した。重合開始から4時間後、LA及びMAAの重合率を測定したところ、それぞれ、97%及び98%であった。また、反応液より一部サンプリングした重合体のGPC測定(標準ポリスチレンを使用)を行ったところ、Mn=8,800、Mw=11,600、Mw/Mn=1.31であった。
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート2個、ガス導入管及び温度計を装備するガラスフラスコに、「アイソパーG」60部を仕込み、加熱して、90℃とした。その後、反応系を窒素ガス雰囲気とし、撹拌しながら、ラウリルメタクリレート(以下、「LMA」ともいう)72部及びHEMA16部を滴下し、アゾビスイソブチロニトリル(以下、「AIBN」という)0.9部及び3−メルカプトプロピオン酸1.5部を用いてラジカル重合を行い、片末端にカルボキシル基を有する重合体を得た。尚、LMA、HEMA及び「アイソパーG」は、使用前にモレキュラーシーブを用いて脱水しておいたものを使用した。
次いで、上記重合体を含む重合溶液に、テトラブチルアンモニウムブロマイド(触媒)1部、ハイドロキノンモノメチルエーテル(重合禁止剤)0.1部及びグリシジルメタクリレート2.2部を加えて、105℃で4時間反応させることにより、末端にラジカル重合性二重結合を有する重合体(以下、「ヒドロキシル基含有マクロモノマー」という)を得た。このヒドロキシル基含有マクロモノマーのGPC測定を行ったところ、Mn=6,900であった。また、ヒドロキシル基含有マクロモノマーの水酸基価は固形分換算で78mgKOH/gであった。
上記製造例1−1〜1−5により得られた非水系分散体を用いて、静電写真用液体現像剤を調製し、下記評価を行った。
(1)電着性
電極間距離を200μmとした一対の透明電極を装備した電解槽に、静電写真用液体現像剤を入れ、透明電極に直流電圧(200V)を約20秒間印加し、電着膜の定着性の評価及び過剰イオン電流の測定を行った。
電着膜の定着性における判定基準は以下の通りである。
○:良好であった
△:一部剥がれた
×:すぐ剥がれた
また、過剰イオン電流における判定基準は以下の通りである。
◎:電圧印加後に残留電圧が全く確認されなかった
○:印加開放後に微弱電圧が確認された
×:印加開放後に電圧が確認された
(2)転写特性
マスター画像を転写印刷処理し、外観及びトナー汚れを目視で確認した。判定基準は以下の通りである。
○:鮮明に転写された
△:微かな転写欠損が見られた
×:転写欠損と汚れが見られた
(3)着色粒子の分散安定性
静電写真用液体現像剤を、透明容器に収容し、60℃で1ヶ月間放置し、外観を目視観察した
○:変化が無かった
△:一部分離相が目視確認された
×:完全に相分離していた
製造例1−1により得られた非水系分散体100部と、トリアリールメタン系色素である「ビクトリアブルーB」4部とからなる混合物を、80℃で4時間攪拌し、着色粒子を含む青色分散体を得た。そして、この青色分散体100gに対して、荷電調整剤であるナフテン酸ジルコニウム0.16g及び高級アルコール「FOC−1400」(商品名、日産化学社製)47gを添加した後、3リットルの「アイソパーG」で希釈し、静電写真用液体現像剤を得た。この静電写真用液体現像剤について、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
製造例1−2〜1−5により得られた非水系分散体を用いた以外は、上記実施例1と同様にして、静電写真用液体現像剤を調製し、各種評価を行った。その結果を表1に示す。
Claims (5)
- カルボキシル基を有するブロック共重合体が非水系溶媒に分散されてなる非水系分散体と、着色剤と、荷電調整剤とを用いて得られた静電写真用液体現像剤において、
上記カルボキシル基含有ブロック共重合体は、上記非水系溶媒において、下記一般式(1)で表されるリビングラジカル重合開始剤の存在下、下記ビニル系単量体[x]及び[y]のいずれか一方を重合し、その後、他方のビニル系単量体を重合することにより得られたものであって、該ブロック共重合体の重量平均分子量が、4,000〜40,000であり、多分散度が1.2〜1.5であり、
上記荷電調整剤は、脂肪酸の金属塩類であることを特徴とする静電写真用液体現像剤。
[x]炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを10〜100質量%含むビニル系単量体
[y]炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルを50〜100質量%含み、上記ビニル系単量体[x]と異なる組成を有するビニル系単量体
- 上記カルボキシル基含有ブロック共重合体が、下記に示される共重合体(D1)、(D2)、(D3)及び(D4)から選ばれた少なくとも1種である請求項1に記載の静電写真用液体現像剤。
(D1)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、15〜70質量%及び30〜85質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)とし、上記一般式(1)におけるR 4 を水素原子としたブロック共重合体
(D2)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、15〜70質量%及び30〜85質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)としたブロック共重合体(但し、上記ビニル系単量体[x]として、(メタ)アクリル酸、並びに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せが用いられない場合、上記一般式(1)におけるR 4 が水素原子である)
(D3)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、20〜70質量%及び30〜80質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)としたブロック共重合体(但し、上記ビニル系単量体[y]として、(メタ)アクリル酸、並びに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せが用いられない場合、上記一般式(1)におけるR 4 が水素原子である)
(D4)上記ビニル系単量体[x]が、炭素数4〜30の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、上記ビニル系単量体[y]が、炭素数1〜3の炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル50〜99質量%と、(メタ)アクリル酸;ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せ;アミノ基を有する重合性不飽和化合物;アミド基を有する重合性不飽和化合物;芳香族ビニル化合物;シアン化ビニル化合物;アルコキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;並びにシアノ基を有する(メタ)アクリル酸エステルから選ばれた少なくとも1種の重合性不飽和化合物1〜50質量%(但し、これらの合計を100質量%とする)とからなり、且つ、上記ビニル系単量体[x]及び上記ビニル系単量体[y]の使用割合を、それぞれ、20〜70質量%及び30〜80質量%(但し、両者の合計を100質量%とする)としたブロック共重合体(但し、上記ビニル系単量体[x]又は[y]として、(メタ)アクリル酸、並びに、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリル酸エステル及びジカルボン酸無水物の組合せが用いられない場合、上記一般式(1)におけるR 4 が水素原子である) - 上記非水系溶媒が、炭素数8以上の炭化水素を含む請求項1又は2に記載の静電写真用液体現像剤。
- 上記カルボキシル基含有ブロック共重合体の酸価が、2.2〜16.3mgKOH/gである請求項1乃至3のいずれか一項に記載の静電写真用液体現像剤。
- 上記カルボキシル基含有ブロック共重合体の含有量が、上記静電写真用液体現像剤に対して、5〜40質量%である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の静電写真用液体現像剤。
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