JP3711067B2 - アクリル系重合体の連続製造方法 - Google Patents

アクリル系重合体の連続製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はアクリル系重合体の連続製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のアクリル系重合体の連続製造方法では、可動ベルト下面から水冷却を実施し、アクリル系単量体溶液の下部のみを冷却して重合熱を除去していた(特公平8−5926号公報など)。しかしながら、下面のみを冷却して、発生する重合熱を除去することには限界があり、分子量の比較的高い重合体を製造する場合には、重合系が高温とならないように単量体の濃度を下げ、重合速度を遅くするなどの対処をしなければならず、製造や乾燥に時間がかかるといった生産性低下の問題があった。また重合体中に残存する未反応単量体が増えるなどの品質上の問題があった。さらに重合体の上下部間で重合の進行にムラが生じ、重合体の品質に悪影響を及ぼす、バラツキが発生するなどの問題もあり、重合体上部からの冷却が求められていた。
【0003】
しかしながら、単量体溶液上部を水冷却すると、重合体上部の液面を被覆した非重合性シート状物の間隙から冷却水が侵入し、その結果重合反応が阻害され、重合体の品質低下を招く恐れがあった。さらに単量体溶液が露出する可能性もあり、単量体溶液が露出すると冷却水と混合して、非常に希釈状態となり、処理が困難になるという問題があった(特開昭62−20501号公報)。
【0004】
そこで単量体溶液上部を冷却する水冷却以外の方法として、特開平11−228609号公報や特開昭62−20501号公報に空気などの気体によって冷却する方法が開示されている。しかしながら、空気などの気体は、水と比べて境膜伝熱係数が低く、冷却効率が低いという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前述の問題点を解決し、上下間の品質差や分子量のムラを小さくし、全体としての品質を向上させることができ、さらに生産性を向上させ得るアクリル系重合体の製造方法を提供することを目的とする。
【0006】
すなわち、本発明は、可動ベルト上でアクリル系単量体溶液を連続的に光重合するアクリル系重合体の製造方法であって、該溶液の下部表面および上部表面を水で冷却する際に、該溶液と可動ベルトの間に合成樹脂からなる重合体剥離フィルムが供給され、さらに、該溶液の上部表面に合成樹脂からなる光透過性重合体剥離フィルムを供給することにより、前記溶液に水が浸入しないことを特徴とするアクリル系重合体の連続製造方法に関する。
【0007】
また、前記水での冷却が循環形式での水冷却であることが好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、可動ベルト上でアクリル系単量体溶液を連続的に光重合するアクリル系重合体の製造方法において、該溶液の下部および上部を水で冷却することを特徴とするアクリル系重合体の連続製造方法に関する。
【0009】
以下、本発明の製造方法は、たとえば図1記載の連続製造装置により実施できる。
【0010】
可動ベルト7は、回転ドラム15により矢印の方向に移動する。その可動速度は0.5m/分〜2.0m/分が好ましい。可動速度が2.0m/分より速いと重合に要する時間が短くなり、所定の重合反応が完結できない傾向にある。0.5m/分より遅いと重合体の厚さが増し、除熱が困難となり、品質低下をまねく傾向にある。また前記可動ベルトは両側端にサイド仕切板5を有している。
【0011】
サイド仕切板は、ベルト上に供給されるアクリル系単量体溶液や上部冷却水などの液体が該ベルトから流出しないように、堰の役割を果たす。
【0012】
本発明で得られるアクリル系重合体は、アクリル系単量体、光重合開始剤、および任意の添加剤からなる単量体溶液に光エネルギーを照射して光重合することにより得られる。
【0013】
アクリル系単量体としては、たとえばアクリルアミド、メタクリルアミドなどのノニオン性モノマー、アクリル酸、メタクリル酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのアルカリ金属塩もしくはアンモニウム塩のアニオン性モノマー、ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレートなどの酸付加塩もしくは4級化物のカチオン性モノマーなどが挙げられる。
【0014】
前記アクリル系単量体の溶液濃度は、40〜80重量%が好ましい。溶液濃度が80重量%より大きいとモノマー調整が困難となる傾向にある。40重量%より小さいと効率的な重合とはならず、生産性の向上も図れない傾向にある。前記単量体溶液の溶媒としては一般に水、メタノールなどが用いられる。疎水性単量体を使用する場合には疎水性単量体それ自体でも、また有機溶剤、たとえばトルエン、キシレンなどで適当な濃度に希釈しても使用し得る。
【0015】
前記光重合開始剤としては、ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系、アゾ化合物などがあげられる。ベンゾフェノン系、アセトフェノン系、ベンゾインエーテル系としては、ベンゾフェノン、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインイソプロピルエーテルなどがあげられる。なかでも、光重合、紫外線照射の波長、価格などを総合的に勘案し、ベンゾインイソプロピルエーテルが好ましい。
【0016】
光重合開始剤の使用量は、単量体100重量部に対し0.001〜0.1重量部が好ましい。光重合開始剤の使用量が0.1重量部より大きいと得られる重合体の分子量(粘度)が低くなる傾向にある。0.001重量部より小さいと、重合反応が充分に進行せず、未重合など所定の重合度が得られない傾向にある。
【0017】
前記光重合開始剤の溶媒としては、メタノール、エタノールなどが挙げられる。
【0018】
前記任意の添加剤としては、たとえばチオ尿素、非イオン活性剤などが挙げられる。
【0019】
前記アクリル系単量体、光重合開始剤および任意の添加剤は、たとえばラインミキサーにより均一に混合され、アクリル系単量体溶液4となる。
【0020】
前記単量体溶液4は単量体溶液供給口9より可動ベルト7上に供給されるが、前記単量体溶液と可動ベルトの間に合成樹脂からなる重合体剥離フィルム3が供給される。
【0021】
本発明で用いられる重合体剥離フィルムは合成樹脂フィルムであり、その材料としては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニリデンなどが使用される。なかでも、光透過性、酸素ガス透過度の点で、ポリプロピレンフィルムの片面に塩化ビニリデン樹脂を塗布したものが好ましい。
【0022】
前記合成樹脂フィルムの厚さは、10〜30μmが好ましい。フィルムの厚さが30μmより厚いとフィルムのコスト高につながり、全体の原価アップとなる傾向にある。10μmより薄いと強度、伸度ともに不充分でフィルムの破れのおそれがある。また、該フィルムの幅は、可動ベルトの幅より5〜20cm長いことが好ましい。20cmより長いとフィルムのコスト高となる傾向にある。5cmより短いとサイド仕切板の上に接触できず、上部冷却水の水もれのおそれがある。
【0023】
重合体剥離フィルム3が連続的に供給された可動ベルト7上に供給され、重合に供せられる前記単量体溶液4の層厚は7〜20mmが好ましい。単量体溶液の層厚が20mmより厚いと、除熱が困難となり、品質低下を招く傾向にある。7mmより薄いと、生産性向上の観点から、効率的な生産とは言い難い。
【0024】
本発明の連続製造法ではさらに、層状に供給された前記単量体溶液4の上側の表面にも合成樹脂からなる光透過性重合体剥離フィルム2が供給される。
【0025】
前記重合体剥離フィルム2の下側で上側の表面が接する前記単量体溶液は、重合体剥離フィルム2および前記可動ベルト7上のサイド仕切板5により、図2のように上部に対して気密されることになり、該フィルム上部に後述する水などの液体を導入しても間隙から、被覆している前記単量体溶液に侵入させたり、単量体溶液が露出したりすることはない。それにより前記単量体溶液の上部を水冷却することが可能となり、生産される重合体の品質および生産性が向上する。
【0026】
図1では、アクリル系単量体溶液4の下部を水冷却するために、前記可動ベルト7の下部から水冷却する方法を用いている。水冷却の下部冷却水6は、下部冷却水供給口11から供給される。前記下部冷却水は、前記重合体剥離フィルム3上をマシーン方向に移動し、下部冷却水排水口12で排水される。
【0027】
本発明で用いられる冷却水(下部冷却水6および後述する上部冷却水1)の温度は5〜10℃が好ましい。冷却水の温度が10℃より高いと効率的な除熱はできず、5℃より低いと供給する冷却水自身の冷却に費用、時間がかかり、コスト高となる傾向にある。
【0028】
また単量体溶液の上部を水冷却するために、前記単量体溶液上部を被覆した前記重合体剥離フィルム2の上部から水冷却する方法を用いている。水冷却の上部冷却水1は、上部冷却水供給口13から供給される。前記上部冷却水は、前記重合体剥離フィルム2上をマシーン方向に移動し、上部冷却水排水口14で排水される。その排水は、オーバーフロー方式で水面上部より吸引(吸水)する方式で行い、水の有効活用という点で、冷却水として再利用し循環する形式が好ましい。
【0029】
前記アクリル系単量体溶液は、重合体温度が最高温度となる点(上部冷却水1供給後)の位置で20〜50℃になるように冷却されることが好ましい。とくに25〜40℃が好ましい。50℃より高いと除熱が不充分となり、分子量(粘度)、溶解性などの品質低下を招く傾向にある。20℃より低いと重合反応が充分に進行しておらず、逆に反応阻害のおそれがある。
【0030】
アクリル系単量体を前記光重合するための光エネルギーは、キセノンランプ、タングステンランプ、ハロゲンランプ、炭素アーク燈、または水銀ランプなどの紫外線ランプ10が使用される。使用する波長は使用する光重合開始剤の種類などによって多少異なるが、一般に300〜400nmが効果的である。また該紫外線強度は、一般に5〜15W/m2で用いられ、照射時間は20〜60分間照射される。
【0031】
上部に光透過性の材質部分を有する気密室8は、不活性ガスで充満されている。不活性ガスとしては、たとえばチッ素が使用される。
【0032】
【実施例】
つぎに、本発明を実施例に基づいてさらに具体的に説明するが、本発明はこれらのみに限定されない。
【0033】
なお、本発明の実施例で測定した各物性値はつぎの方法で測定したものである。
【0034】
(粘度)
所定の濃度(実施例1、比較例1、2は0.2重量%、実施例2、比較例3、4は0.5重量%。いずれも固形分換算)の水溶性重合体溶液(溶媒:水)を300ml調製し、これに12.0gの食塩を添加し、溶解させた後、B型粘度計を用い、ローター回転数60rpm、25℃条件下で粘度(cp)を測定した。
【0035】
(アクリルアミド(AAm)の残存率)
水溶性重合体の(乾燥)粉末3.0gを抽出溶媒(メタノール/水=80/20(v/v))30mlで24時間抽出し、クロモソルブ101のカラム(3mmφ×1m)を用いて、170℃でのガスクロマトグラフィー(GC)で未反応のアクリルアミドを定量して、残存率(%)を測定した。
【0036】
(重合体形成温度)
重合体形成温度を、非接触温度計を用いて可動ベルト7上の任意の点(2mおきの10スポット)で測定した。測定温度のうちの最高温度を用いて、表1、2に重合体上部、重合体下部の温度を示す。
【0037】
実施例1
下記の単量体混合溶液および重合開始溶液を調製し、図1に示される重合装置を後述のごとく調整し、アクリル系重合体を連続的に製造した。
【0038】
(単量体混合溶液)
アクリルアミド 14.4kg、
アクリル酸 3.6kg、
苛性ソーダ(固形分) 2.0kg、
ノニオン系活性剤 0.01kg、
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル]
チオ尿素 0.18kg、
脱イオン水 19.8kg、
計 40kg
【0039】
(重合開始剤溶液)
ベンゾインイソプロピルエーテル 1.8g、
メタノール 178.2g、
計 180g
【0040】
[重合装置の調整]
図1に示される両側端にサイド仕切板5を設けた有効幅1m、有効長25mの可動ベルト7(エンドレスベルト)を回転ドラム15により1.25m/分の速度に調整した。
【0041】
可動ベルトの上部に設置した気密室8に不活性ガス(液体チッ素)を約4m3/時間導入し、気密室内の気相酸素を0.2%以下に制御した。
【0042】
下側の重合体剥離フィルム3(ポリプロピレンフィルムの片面に塩化ビニリデン樹脂を塗布したもので、厚さ20μm、幅1100mm)を気密室の入口部より、可動ベルトの表面に装着させ、図示されていない自動巻き取り機にセットした。
【0043】
所定量配合された単量体混合溶液および重合開始剤溶液は、それぞれ溶液中の溶存酸素を液体チッ素で脱気し、単量体混合溶液中の酸素濃度を0.1ppm以下にしたのち、図示されていないラインミキサーで均一に混合した。
【0044】
前記単量体混合溶液と前記重合開始剤の混合液(単量体溶液4)は、気密室8を経由して単量体溶液供給口9から可動ベルト上に敷かれた下側重合体剥離フィルム上に厚さ約15mmで供給された。
【0045】
上側の重合体剥離フィルム2(ポリプロピレンフィルムの片面に塩化ビニリデン樹脂を塗布したもので、厚さ20μm、幅1100mm)は、気密室8に導入され、単量体溶液供給口9より前方で、溶液供給口と後記上部冷却水供給口13との間に、単量体溶液上部に接するように供給された(図1および2参照)。前記フィルムは下側のフィルムと同様に図示されていない自動巻き取り機にセットされた。
【0046】
可動ベルトの下方向から7℃の下部冷却水6を下部冷却水供給口11より供給し、単量体溶液下部を冷却した。下部冷却水6は下部冷却水排水口12で回収された。
【0047】
また、単量体溶液上部に接した前記上側の重合体剥離フィルム2の上部に7℃の上部冷却水1を上部冷却水供給口13より供給し、単量体溶液上部を冷却した。上部冷却水1は、下部冷却水排水口14で回収され、回収ののち冷却して再び上部冷却水として利用する対流形式で用いられた。
【0048】
気密室上部約50cmの高さで、冷却水供給口より前方で冷却水供給口と該冷却水排水口のあいだに紫外線ランプ10(波長365nm)を設置し、可動ベルト上の紫外線強度を10W/m2に調節してベルト上を輸送されてきた単量体溶液に約20分間照射した。
【0049】
紫外線を照射された単量体溶液は重合し、生成した重合体は、重合体上部および下部に密着した重合体剥離フィルムとともに可動ベルト他端まで移動した。可動ベルト他端において、前記重合体剥離フィルムはそれぞれ自動巻き取り機で剥離除去されるので、重合体は幅1000mm×厚さ15mmの帯状重合体として連続的に得られた。
【0050】
前記下部冷却水は、紫外線ランプの前方にある下部冷却水排水口14から排水された。
【0051】
上部冷却水もまた、紫外線ランプの前方にある上部冷却水排水口12から排水され、回収した水は再度冷却して上部冷却水1として循環させた。
【0052】
比較例1
単量体溶液上部を冷却する処理を省略した以外は実施例1と同様にアクリル系重合体を連続的に製造した。
【0053】
比較例2
下記の単量体混合溶液および重合開始溶液を調製し、単量体溶液上部を冷却する処理を省略した以外は実施例1と同様にアクリル系重合体を連続的に製造した。
【0054】
(単量体混合溶液)
アクリルアミド 11.2kg、
アクリル酸 2.8kg、
苛性ソーダ(固形分) 1.6kg、
ノニオン系活性剤 0.01kg、
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル]
チオ尿素 0.14kg、
脱イオン水 24.3kg、
計 40kg
【0055】
(重合開始剤溶液)
ベンゾインイソプロピルエーテル 1.4g、
メタノール 138.6g、
計 140g
【0056】
表1に、実施例1、比較例1および2の重合体物性、温度推移の結果を示す。
【0057】
【表1】
Figure 0003711067
【0058】
実施例2
下記の単量体混合溶液および重合開始溶液を調製した以外は実施例1と同様にアクリル系重合体を連続的に製造した。
【0059】
(単量体混合溶液)
アクリルアミド 2.7kg、
ジメチルアミノエチル
アクリレートメチルクロライド 29.3kg、
ノニオン系活性剤 0.03kg、
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル]
チオ尿素 0.16kg、
脱イオン水 7.8kg、
計 40kg
【0060】
(重合開始剤溶液)
ベンゾインイソプロピルエーテル 1.6g、
メタノール 158.4g、
計 160g
【0061】
比較例3
単量体溶液上部を冷却する処理を省略した以外は実施例2と同様にアクリル系重合体を連続的に製造した。
【0062】
比較例4
下記の単量体混合溶液および重合開始溶液を調製し、単量体溶液上部を冷却する処理を省略した以外は実施例1と同様にアクリル系重合体を連続的に製造した。
【0063】
(単量体混合溶液)
アクリルアミド 2.2kg、
ジメチルアミノエチル
アクリレートメチルクロライド 22.0kg、
ノニオン系活性剤 0.02kg、
[ポリオキシアルキレンアルキルエーテル]
チオ尿素 0.12kg、
脱イオン水 15.9kg、
計 40kg
【0064】
(重合開始剤溶液)
ベンゾインイソプロピルエーテル 1.2g、
メタノール 118.8g、
計 120g
【0065】
表2に、実施例2、比較例3および4の重合体物性、温度推移の結果を示す。
【0066】
【表2】
Figure 0003711067
【0067】
表1、2から単量体の上部および下部を水冷却した実施例1、2はそれぞれ対応する、単量体下部のみ水冷却し、上部を水冷却していない比較例と比べて、重合体上部の温度が低くなっているので、粘度が高く、AAm残存率が低いアクリル系重合体が得られることがわかる。
【0068】
重合体下部及び上部の温度を低くすることができたことにより、粘度を高くすることが可能となり、より高品質な高分子製品の製造が可能となった。また、溶解性も向上した。
【0069】
さらに、AAm残存率が減少したことにより、重合率の向上、反応時間の短縮(生産性の向上)が可能となった。
【0070】
【発明の効果】
アクリル系単量体溶液の下部及び上部を水で冷却することにより、ゲル体の上下間の品質差がなくなり、分子量のムラの少ない水溶性重合体を得ることができ、全体としても品質向上(高粘度・溶解性向上)が可能となった。また、重合熱の除去能力が向上した結果、重合単量体の濃度を上げることも可能となり、重合速度の向上にも繋げることができた。更には、水溶性重合体の製造時間や乾燥時間が短縮され、水溶性重合体中に残存する未反応単量体が減少し、かつ高分子量の水溶性重合体を得ることができ、単量体濃度アップと合わせ、生産性向上も図れる結果となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】アクリル系重合体の連続製造方法を実施するに適した装置の一例である。
【図2】図1のAの断面図である。
【符号の説明】
1 上部冷却水
2 重合体剥離フィルム(上側)
3 重合体剥離フィルム(下側)
4 アクリル系単量体溶液
5 サイド仕切板
6 下部冷却水
7 可動ベルト
8 気密室
9 単量体溶液供給口
10 紫外線ランプ
11 下部冷却水供給口
12 下部冷却水排水口
13 上部冷却水供給口
14 上部冷却水排水口
15 回転ドラム

Claims (2)

  1. 可動ベルト上でアクリル系単量体溶液を連続的に光重合するアクリル系重合体の製造方法であって、該溶液の下部表面および上部表面を水で冷却する際に、該溶液と可動ベルトの間に合成樹脂からなる重合体剥離フィルムが供給され、さらに、該溶液の上部表面に合成樹脂からなる光透過性重合体剥離フィルムを供給することにより、前記溶液に水が浸入しないことを特徴とするアクリル系重合体の連続製造方法。
  2. 前記水での冷却が循環形式での水冷却である請求項1記載の製造方法。
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