JPH085926B2 - アクリル系重合体ゲルの連続製造方法 - Google Patents

アクリル系重合体ゲルの連続製造方法

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JPH085926B2
JPH085926B2 JP18068188A JP18068188A JPH085926B2 JP H085926 B2 JPH085926 B2 JP H085926B2 JP 18068188 A JP18068188 A JP 18068188A JP 18068188 A JP18068188 A JP 18068188A JP H085926 B2 JPH085926 B2 JP H085926B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はアクリル系重合体ゲルの連続製造方法に関す
る。
〔従来の技術・発明が解決しようとする課題〕
従来より、アクリル系単量体に光エネルギーを照射す
ることにより、重合体となすことは既に知られている。
また、可動式ベルト上で薄層状に連続的に重合させるこ
とも、また知られている。
一般的に、光エネルギー照射、たとえば紫外線ランプ
を用いてアクリル系単量体溶液を重合させるばあい、以
下の点について充分な配慮をしないかぎり、良好な品質
の重合体を安定して製造することはできない。
重合に要する期間、光エネルギーの設定条件が常に一
定に保持されること。
薄層状態で重合させるばあい、重合と同時に発生する
重合熱によって溶媒(多くは水)が表面から揮散して溶
液濃度が著しく変化しないこと。
重合に要する期間、重合に悪影響を及ぼす酸素の混入
を完全に排除する必要があること。
重合段階において、単量体溶液およびゲルの層厚が一
定に制御されること。
しかるに、アクリル系単量体の濃度が著しく高いばあ
い、あるいは単量体溶液の層を比較的厚くするばあい
(一般的に、これらの条件は生産性を高めることにな
り、生産効率の面からみれば非常に好ましいと言え
る)、重合によって発生する熱量は著しく多くなり、た
とえば可動式ベルトの下部を冷水で冷却してもこの重合
熱を完全に除去することは困難である。この結果、ゲル
の上部分は突沸状態となり、溶媒が揮散してしまい、ゲ
ルの表面側部分の濃度が著しく高くなってしまう。ゲル
濃度の不均一は重合速度および重合度のバラツキを生じ
させることになってしまい、安定な品質のものをうるこ
とができなくなる。
一方、ゲルの表面よりの突沸は、単量体そのものをも
撒散らすことになり、たとえば紫外線ランプで直接単量
体溶液を照射するばあいには、ランプ管表面に、また紫
外線ランプと単量体溶液層との間に仕切り、たとえばガ
ラス板や透明な合成樹脂板などを入れたばあいにはこれ
らの表面に単量体が付着し、経時的に重合体になってし
まう。この結果、紫外線ランプの有効出力、すなわち強
度(W/m2)が著しく低下し、しかも長期運転に際して
は、経時的減衰を伴なうことになり、一定の照度による
重合反応ができなくなる。照度が刻々と変化すること
は、単量体溶液の重合速度、重合度にまで影響を及ぼす
ことになり、安定な品質のものを長期にわたり確保する
ことは到底できない。また、都度掃除、洗浄を余儀なく
され、生産効率を著しく低下させることになる。かかる
理由から、改善が望まれている。
一方、重合反応において酸素、すなわち単量体溶液中
に含まれている溶存酸素および重合容器中の気相酸素は
完全に除去されることが望ましく、通常、除去されてい
る。
本発明におけるがごとき可動式ベルト上で薄層状に重
合させるばあい、重合時における酸素を完全に除去する
ためには、たとえば 可動式ベルト本体を無酸素状態となした部屋内に設置
する 可動式ベルト上部に気密の部屋を設置し、たとえばそ
の気密室に不活性ガス(チッ素、炭酸ガスなど)を導入
して無酸素状態に保持する 特開昭61−221202号公報に記載のごとく、可動式ベル
ト上に単量体溶液を満たし、光透過性フィルムで被覆す
る などの方法がある。
の方法は最も望ましいが、無酸素下での機械運転は
人間が室内に入れないため遠隔操作方式となり、設備費
用が高くつく、また実施可能であったとしても機械に故
障が生じたとき、重合異常が起こったときなどには、部
屋内の無酸素状態を一旦解除しなければならない。この
ようなことが頻繁に起るようであれば、生産性が著しく
低下するばかりでなく、不活性ガスの無駄使用が多くな
り、決して好ましい方法ではない。
またの可動式ベルト上に気密の部屋を設置する方法
は、気密の部屋自体不動状態にある所から、気密の部屋
と可動式ベルトの間には、わずかながらも空隙をもたせ
る必要がある。この結果、不活性ガスは多少なりともこ
の空隙から漏れてしまい、不活性ガスの無駄使用を伴な
うことになる。また、工業生産活動に使用される可動式
ベルトは、たとえば50mのごとく相当に長いものであり
可動式ベルト上に仮に長さ50m、巾1m、高さ0.3mの気密
室を作ったとしても15m3の容積を有し、この部屋を完全
に不活性ガスで置換するには、相当な量の不活性ガスが
必要となるばかりでなく、常時加圧状態に保つために
は、たとえば約10〜20m3/H程度の不活性ガスを供給して
やる必要があろう。不活性ガスの使用は、製品歩溜に全
く寄与しないことから、誰しも必要最少限にとどめたい
と望むところである。
の方法は、の問題点を解決するが、 (i)フィルムと単量体溶液とがゲル化以前に接してい
るため、フィルム供給時のたるみあるいは重合熱による
フィルムの伸縮によって生じるたるみがシワとなり、ゲ
ルの厚さのバラツキが大きく、均質な層厚がえられなく
なり、重合速度の不均一化に結びつく、 (ii)単量体溶液を供給したのち不活性ガスを導入しな
いため、たとえばフィルムに破損または切断が生じたと
き、酸素が侵入して重合を阻害する結果、均質な重合体
ゲルがえられなくなるばかりでなく、連続運転ができな
くなる。また、、およびの製造方法においても、
可動式ベルトが金属製の担体であるばあいには、たとえ
ば接着性の強い重合体ゲルを製造するとき、金属製担体
と重合体ゲルとの剥離性がわるくなり、連続運転できな
くなる。
さらに、特開昭60−149613号公報および特開昭60−14
9612号公報には、水溶性ビニル系単量体水溶液を固体支
持体上に薄層に保持して重合させる際に、アルキレンオ
キサイド付加化合物、固形パラフィン、ポリジチメルシ
ロキサン型シリコーンオイルなどをゲル表面に塗布する
方法を開示しているが、本発明の重合装置、重合形態と
異なり、重合体ゲル層の厚さの均一性、重合体ゲル上下
表面の凹凸のない平滑なものはえられない。
一方、ベルトにテフロンやポリエステル樹脂コーティ
ングしたばあい、繰返し使用していると摩耗してきて、
その剥離効果を減少する。また、樹脂表面にキズがつき
やすく、このキズの凹部分に単量体溶液が入って重合し
たばあい、錨(アンカー)を打込んだ形となって重合体
ゲルと支持体との剥離がわるくなり、無理に剥すと、樹
脂が重合体ゲルに接着した状態でベルトから剥離し、以
後この部分は剥離が困難となるばあいがある。
このように、コーティング樹脂がベルトから剥離した
際には、補修する必要があり、設備、運転停止を余儀な
くされる。しかも、工業的規模の長大なベルトから、一
旦キズついたコーティング樹脂を除去したのち、再度コ
ーティングするには費用、時間のロスを生じるので実用
的でないなど、種々の問題を有している。
以上の通り従来技術に改善を加え、最も簡易で、かつ
最もベストな品質をうるプロセスになすべく改良するこ
とが求められているのが現状である。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはこれらの諸問題を改善すべく鋭意研究を
重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、上部に光透過性の材質部分を有
する気密室と可動式ベルトとを有する光重合装置を用い
て、アクリル系重合体ゲルを連続的に製造する方法にお
いて、 光重合開始剤を含有するアクリル系単量体の1種もし
くは2種以上を含む単量体溶液中の酸素を1mg/l以下と
なしたのち、 気密室内の気相中の酸素が1容量%以下の雰囲気下に
あり、合成樹脂フィルムが連続的に供給された可動式ベ
ルト上に、該単量体溶液を薄層状に連続的に供給するこ
と、 光エネルギーの照射によって、該単量体溶液が重合を
開始して、非流動性を示す段階で該単量体溶液上部に合
成樹脂フィルムを連続的に供給し、その表面に密着させ
ること、 光エネルギーの照射を継続したのち、可動式ベルト他
端において、上部および下部の合成樹脂フィルムを自動
的に重合体ゲル表面より剥離しながら重合体ゲルを連続
的に取り出すこと を特徴とするアクリル系重合体ゲルの連続製造方法に関
する。
〔実施例〕
本発明に用いられるアクリル系単量体としては、たと
えば(メタ)アクリルアミド、その誘導体、(メタ)ア
クリル酸、その塩、N,N−ジアルキルアミノアルキル
(メタ)アクリレートの酸塩、その四級塩類、ジアリル
アミン酸性塩、ジアリルジアルキルアンモニウム塩、ス
ルホアルキル(メタ)アクリレート類、アクリルアミド
アルキルスルホン酸、その塩類などの単量体があげられ
る。
また、たとえばアクリロニトリル、(メタ)アクリル
酸エステル類(アルキルまたはヒドロキシアルキルエス
テル類)、スチレン、酢酸ビニル、メチレンビスアクリ
ルアミド、ポリオキシエチレンジ(メタ)アクリレート
類、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
類、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
類などのモノマー類は目的に応じ、任意の割合で使用し
うる。
たとえば紙力増強剤、増粘剤、廃水浄化剤、下水し尿
脱水剤など用の水溶性重合体が望まれるばあいには、本
質的に水に溶ける単量体類が使用される。
通常使用される単量体の濃度は、水溶性重合体を目的
とするばあいには一般に20〜80重量%の水溶液とし、疎
水性単量体を使用するばあいには疎水性単量体それ自体
でも、また有機溶剤、たとえばトルエン、キシレンなど
で適当な濃度に希釈しても使用しうる。
単量体溶液中の溶存酸素量は重合反応にさきだち、1m
g/l以下に限定する必要がある。それをこえると未重合
部分の発生、重合度が向上しないなどの好ましくない結
果を招く。
本発明においては光重合開始剤を含有する単量体溶液
が、気密室内の気相中の酸素が1容量%以下の雰囲気下
にあり、合成樹脂フィルムが連続的に供給された可動式
ベルト上に薄層状に連続的に供給される。
単量体溶液が連続的に供給される気密室内の気相中の
酸素が1容量%をこえると、未重合部の発生、重合度が
向上しないなどの好ましくない結果を招く。
前記光重合開始剤としては通常用いられるもの、たと
えばベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインアルキル
エーテルが代表的なものとしてあげられるが、アゾ化合
物、過酸化物もばあいにより使用してもよい。その使用
量は単量体重量に対し0.001〜5重量%が好ましい。
前記可動式ベルトに連続的に供給される合成樹脂フィ
ルムは、通常一般に入手しうる樹脂フィルム、たとえば
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリア
ミド、ポリ四フッ化エチレンなど製のフィルムが使用さ
れるが、工業的に使用するばあい、できるだけ単価を低
くすることが望ましく、この意味からポリエチレン、ポ
リプロピレンが最も好ましい。
これらの合成樹脂フィルムの厚さは、工業的に連続に
供給され、かつ可動式ベルトの他端で重合体ゲルから強
制的に剥すことになるので、あまりにも薄いばあいには
損傷によりフィルム切断が起こり、望ましからざる工程
の停止あるいは重合停止、未重合の発生などのトラブル
の原因となる。それゆえ適当な厚さ、通常20〜50μm程
度の厚さのものが好ましい。
これらの合成樹脂フィルムとしては、たとえば円筒状
に巻き上げられている長尺のフィルム(一般に工業的に
入手可能な2,000〜4,000mのフィルム)が使用される。
フィルムの継ぎ目は、たとえばガムテープ、粘着テープ
などで接続させて供給させることが可能である。
前記のように合成樹脂フィルムが連続的に供給された
可動式ベルト上に供給され、重合に供せられる単量体溶
液の層厚は3〜20mm、望ましくは5〜10mmである。
可動式ベルト上に供給された単量体溶液に光エネルギ
ーが照射され、単量体溶液が重合を開始する。
本発明に使用する光エネルギーは、通常市販品として
入手可能なキセノンランプ、タングステンランプ、ハロ
ゲンランプ、炭素アーク燈のほか、水銀ランプとして高
圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、超高圧水銀ランプが使
用されるが、高圧水銀ランプの使用は最も一般的であ
る。
使用する波長は使用する光重合開始剤の種類によって
多少異なるが、300〜380nmの範囲が最も効果的である。
光照射の条件には格別の規制をおこなう必要はない
が、その重合処法の概要を示すと次のとおりである。
所定の単量体の混合溶液を調製し、さらに光重合開始
剤を加えたのち、窒素ガスや炭酸ガスなどの不活性ガス
を封入して溶存している酸素を除去する。かかる単量体
溶液に予め点灯してある紫外線ランプを照射すると、重
合は短時間のうちに進行し、非流動性の重合体がえられ
る。重合時に発生する重合熱は重合槽に冷媒を通じるこ
とにより除去される。
通常、重合槽および重合の形態はバッチ式、連続式で
行なわれているが、本発明の方法は可動性の坂上で連続
的に重合しうるので、製造の効率化をはかるという意味
から連続式重合が好ましい。
前記単量体溶液が重合しはじめ、非流動性を示しゲル
状になった段階(このような段階になるのに液濃度、照
射する光エネルギー量などにもよるが、通常1〜5分程
度かかる)で、単量体溶液上部に可動式ベルト上に供給
されたのと同様の合成樹脂フィルムが連続的に供給さ
れ、その表面に密着せしめられ、光エネルギーの照射を
つづけてゲル状物を重合体ゲルにしたのち、可動式ベル
ト他端において上部および下部の合成樹脂フィルムが自
動的に剥され、重合体ゲルが連続的にとり出される。
可動式ベルトの他端で回収されるフィルムは、たとえ
ば円筒状に巻き取られ、フィルム表面が極度によごれて
いないばあい、再利用することも可能である。
可動式ベルトがステンレス製であるばあい、重合体に
よってはステンレスベルト表面に重合体が強度に密着
し、ベルト他端で重合体自体がベルト表面から容易に剥
離しないばあいも応々にして見られる。かかるばあいの
解決策として合成樹脂フィルムを可動式ベルト上に自動
的に供給した上に、アクリル系単量体溶液を供給して光
照射重合に供することにより、前記問題が解消されう
る。
さらに、本発明の方法では、可動式ベルト状に、不活
性ガスを充満した気密室を設けている。
合成樹脂フィルムをゲル化した単量体溶液の上部およ
び下部に密着させる方式で、前述の問題解消はできるも
のの、フィルムの切断、破れや重合熱によるフィルムの
膨脹、収縮、単量体溶液の蒸気圧上昇、およびゴム堰の
抑え不足などに起因する酸素流入現象による重合阻害ト
ラブルが、連続運転中に頻繁に発生する。
そこで、本発明の方法では、フィルム密着方式と気密
室装置との二重の密封方式を採用することにより、連続
重合における、種々の問題発生を見事に解消しうる。
本発明の方法によってえられる効果は次の通りであ
る。
単量体溶液の重合によって生起する急激な反応、それ
に伴なう突沸状態を防止しうる。この結果、重合体濃度
を一定に保ちうる。
急激な反応に伴う単量体またはゲルの揮散による紫外
線ランプまたは透明仕切板のよごれが防止され、常に均
一な照度のもとで重合を進めることができる。この結
果、重合速度の一定化、重合度の均一化を図ることがで
き、常に安定な品質のものがえられるばかりか、ランプ
や仕切板の掃除が少なくなり、生産性が著しく向上す
る。
不活性ガス気流下において重合が開始された時点で合
成樹脂フィルムを密着させるため、合成樹脂フィルムで
被覆されたゲル内部は不活性ガスで充満された状態を呈
している。すなわち、極論すれば、合成樹脂フィルムで
被覆された段階から、不活性ガスの雰囲気外にしても酸
素による悪影響はほとんど見られず、前述の気密室をコ
ンパクト化できる。少量の不活性ガスの導入によってそ
の目的を達しうることになり、設備費用の削減ばかり
か、望ましくない不活性ガスの使用量を最少限となすこ
とができる。
可動式ベルト上に気密室が設置されているので、たと
えフィルムが破損しても、工業的に最も望ましくない連
続運転の停止が防止できる。
本発明は単量体溶液が非流動化したのちに上部フィル
ムを装着するので、重合体ゲルの層厚の不均一によって
生じる欠点を大巾に減少できる。
下部フィルムの送入により、金属製の可動式担体への
重合体ゲルの接触が避けられ、その結果、剥離の問題が
解決される。また金属製の担体に離型剤などを塗布する
必要もないので、重合体ゲルへの不純物の混入を防止し
うる。
従来技術では不可能とされていた高い単量体溶液濃度
での重合反応を行なうことができ、単量体溶液の層を従
来よりも厚くすることができることになり、同一の可動
式ベルトを使用しても生産性を著しく改良することがで
きる。
以上のごとき本発明の方法は、従来技術の諸問題点を
解消するばかりか、光重合方法による一層安定な工業化
技術を開発し、しかも連続製造方式に結びつけた技術は
全く他に類をみないところの新規な製造技術を提供する
ものである。
次に本発明の方法を実施例により具体的説明する。
実施例1 下記の単量体混合溶液および重合開始剤溶液を調製
し、第1図に示される重合装置を後述のごとく調整し、
アクリル系重合体ゲルを連続的に製造した。また、合成
樹脂フィルムを供給しないばあいも併せて実施して、第
1表(30分反応における重合状態)、第2表(重合装置
の経時的変化)、第3表(重合体ゲルの均一性)に示す
評価を行ない、それぞれの結果をそれぞれ、第1表、第
2表および第3表に示した。
[単量体混合溶液] (kg) アクリルアミド 12.80 アクリル酸 2.40 苛性ソーダ 1.36 ノニオン系界面活性剤 [ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルHLB=1
5] 0.01 チオ尿素 0.16脱イオン水 23.27 計 40.00 [重合開始剤溶液] ベンゾインイソプロピルエーテル 6gメタノール 147ml 計 150ml [重合装置の調整] 第2図に示される両側端にゴム製の堰(16)を設けた
有効巾450mm、有効長3,000mmの可動式ベルト(ステンレ
ス鋼製エンドレスベルト)(3)を回転ドラム(4)に
より100mm/分の速度に調整する。
エンドレスベルトの下方向から15℃の水を噴霧し、ベ
ルト部を冷却槽(5)により冷却する。
エンドレスベルトの上部に設置した4つの気密室
(8)(上部ガラス(15)張り)に不活性ガス(窒素ガ
ス)を各室当りに約1m3/H導入し、気密室(8)内の気
相酸素を0.8容量%以下にコントロールする。
気密室(8)上部約100mmの高さに設置されている紫
外線ランプ(低圧水銀ランプ)(9)を点灯させ、エン
ドレスベルト上の紫外線の強度を20W/m2に調節する。合
成樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、厚さ30μm、
巾500mm)(10′)を気密室(8)入口部より、可動式
ベルト(エンドレスベルト)(3)の表面に装着させ、
自動巻取機(13′)にセットする。
合成樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、厚さ30μ
m、巾500mm)(10)を、気密室(8)を経由してエン
ドレスベルト約500mmの位置(単量体溶液供給口(14)
からの位置、以下同様)でゲル上部に密着するように供
給する。エンドレスベルト他端でポリエチレンフィルム
を自動巻取り機(13)にセットする。
単量体混合溶液貯槽(1)に、所定量配合された単量
体混合溶液中の容存酸素を窒素ガスにて脱気し、単量体
混合溶液中の酸素濃度を1mg/l以下にしたのち、ライン
ミキサー(11)を経て前記の可動状態にあるエンドレス
ベルト上に13.5l/Hの速度で供給する。一方、重合開始
剤溶液(12)も、同様に窒素ガスにて脱気し、酸素濃度
を1mg/l以下となしたのち、30ml/Hの速度で供給する。
単量体混合溶液と重合開始剤溶液(12)はライン中に設
置されているラインミキサー(11)にて均一に混合さ
れ、単量体溶液供給口(14)からベルト上に供給され
る。単量体混合溶液(液温約20℃)は厚さ5mmでベルト
上で30分間紫外線照射される。
単量体混合溶液はエンドレスベルト上に供給してから
約2分(200mmの位置)で重合が開始し、約4分(400mm
の位置)で非流動状のゲル(プリン状)を呈した。エン
ドレスベルト約500mmの位置から供給したポリエチレン
フィルムはゲル(2)に密着状態となり、そのままエン
ドレスベルト他端まで移動する。エンドレスベルト他端
において、重合体上部表面に密着したポリエチレンフィ
ルムはフィルム自動巻取機(13)および(13′)で剥離
除去されるので、重合体は巾450mm×厚さ5mmの帯状重合
体ゲルとして重合体剥離板(6)により剥離されてロー
ラー(7)上にて連続的に取得される(約3時間、18m
の帯状重合体ゲルの取得)。
えられた重合体ゲルは必要に応じ、チップ状ないし粒
状に破砕されたのち、乾燥・粉末状とすることも可能で
ある。本発明の方法によってえられた帯状重合体ゲル
は、たとえば3mm×5mm×5mmのチップ状に解砕されたの
ち、破砕機によって約3mmの粒子に粉砕され、しかる
のち、80℃で約1時間流動乾燥せしめられる。えられた
重合体粉末は水溶液状態で水不溶性物質をほとんど含有
しない高粘度を示し、固有粘度 として23.5dl/gであり、凝集剤などとして使用すること
ができる。
比較例1 エンドレスベルト上部に設置した気密室すべてを取り
はずし、単量体溶液供給口(14)の前方200mmの位置よ
り、エンドレスベルト両側方に接着したゴム製堰の上部
に長さ1000mm、30mmのゴム棒を沿わせ、合成樹脂フィ
ルム押えとした。
単量体溶液は、エンドレスベルト上部の下部および上
部合成樹脂フィルムの間に供給し、ここへ窒素ガスを吹
込み空気との接触を断つように配慮した。
それ以外は実施例1と同様の[単量体水溶液]、[重
合開始剤溶液]および[重合装置の調整]〜により
アクリル系重合体ゲルを連続的に製造した。ただし、単
量体水溶液は供給直後より下部および上部ポリエチレン
フィルムと密着する。
単量体水溶液はエンドレスベルト上の2枚のポリエチ
レンの間に供給されたのち、20W/m2で紫外線照射され、
約2分(200mmの位置、単量体水溶液供給口からの位
置、以下同様)で重合が開始し、約4分(400mmの位
置)で非流動状のゲル(プリン状)を呈した。
重合体の表面温度は約9分(900mmの位置)で68℃の
最高温度を示し、そのままエンドレスベルト後方(他
端)に移動する間に重合は進行した。エンドレスベルト
後方(他端)において、重合体上部および下部面に密着
したポリエチレンフィルムは自動フィルム巻取機(13)
および(13′)で剥離除去され、重合体は、巾450mm×
厚み5mmの帯状の重合体ゲルとして連続的にえられた。
単流体水溶液供給開始95分後に上部を覆うポリエチレ
ンフィルムの継ぎ目が生じ、粘着テープで接続させて供
給したが、最高温度を示すあたりの位置で(約900mm)
ポリエチレンフィルムが熱により伸びて不均等な状態と
なったため継ぎ目の破損が生じ、ポリエチレンフィルム
が蛇行して前方に向ってゲルから剥離しはじめたため、
急きょ運転を停止しフィルムの修復を行なわねばならな
かった。
重合進行途中において、ゲルは空気中に露出したた
め、フィルム修復を行なったがその前後約500mmのゲル
表面部分は不完全な重合となり、エンドレスベルト後方
(他端)でポリエチレンフィルムを剥離してえられた重
合体ゲルの当該部分は第4表に示すごとく、他の部分と
比べて好ましくない結果となった。
また、比較例1でえられた重合体上表面は、全般的に
平滑性に欠けていた。
なお、このフィルム破損を修復するために要した停止
時間は約15分間であった。
なお、供給開始後の時間はポリエチレンフィルムトラ
ブル修復のための停止時間を除いた。
実施例2 窒素ガスの流入量を変化させた以外は実施例1と同様
にアクリル系重合体ゲルを連続的に製造して、重合状態
を観察した。その結果を第5表に示す。
実施例3 [単量体混合溶液] β−メタクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウ
ムクロリド(80重量%水溶液) 30.6kg アクリルアミド(50重量%水溶液) 11.1kg ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(HL
B=12) 15g 次亜リン酸ソーダ 3g純水 8.3kg 計50.0 [重合開始剤溶液] ベンゾインイソプロピルエーテル 6gメタノール 147ml 150ml 上記の単量体水溶液および重合開始剤溶液を調製し
て、実施例1と同様の重合装置および製造条件にて重合
体ゲルを連続的に製造した。ただし、合成樹脂フィルム
(ポリエチレンフィルム)は実施例1と同様にセットし
て実施した。
単量体水溶液を供給してから約3分後に単量体水溶液
の温度が上昇し始め、約5分の段階で非流動性の柔らか
いプリン状を呈した。この時点で気密室(8)上部より
合成樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム)(10)をゲ
ル(2)の上部に密着させて重合を継続すると、約18分
の時点で重合温度が最高(58℃)となった。
供給開始後30分後に可動式ベルト(エンドレスベル
ト)(3)の他端からえられた重合体ゲルは表裏面と
も、未重合と見られる溶液は全く認められなかった。重
合体ゲルと可動式ベルトとの密着性は全く認められなか
った。えられた重合体ゲル上下表面の凹凸は認められ
ず、平滑であった。また、約4.0時間のロングランテス
トにおいて、気密室ガラス表面の汚れ、曇りは全く見ら
れず、ベルト表面上の紫外線照度は19.2〜20.0W/m2であ
り、微小の低下となったに過ぎなかった。
えられた約22mの重合体ゲルの分析的バラツキは以下
の通りであった。
重合体ゲル固形分(重量%) (最低値)(最高値) 59.6〜61.0 重合体ゲル固有粘度(dl/g) (最低値)(最高値) 8.0〜8.3 また、比較のために実施したポリエチレンフィルムを
上部より供給しないばあいは、ロングランの時間経過と
ともに単量体の突沸によるガラス表面の曇り、汚れが著
しくなり、重合に必要とする光強度の確保が不可能とな
った。このばあいの重合状態を第6表に示す。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明のアクリル系重合体ゲルの連続製造方法
を実施するに適した装置の一例を示す図、第2図は第1
図に示される気密室の内部を示す断面図である。 (図面の主要符号) (1):単量体混合溶液貯槽 (2):ゲル (3):可動式ベルト (4):回転ドラム (5):冷却槽 (6):重合体剥離板 (7):ローラー (8):気密室 (9):紫外線ランプ (10)、(10′):合成樹脂フィルム (11):ラインミキサー (12):重合開始剤溶液 (13)、(13′):自動巻取機 (14):単量体溶液供給口 (15):ガラス (16):堰

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上部に光透過性の材質部分を有する気密室
    と可動式ベルトとを有する光重合装置を用いて、アクリ
    ル系重合体ゲルを連続的に製造する方法において、 光重合開始剤を含有するアクリル系単量体の1種も
    しくは2種以上を含む単量体溶液中の酸素を1mg/l以下
    となしたのち、 気密室内の気相中の酸素が1容量%以下の雰囲気下
    にあり、合成樹脂フィルムが連続的に供給された可動式
    ベルト上に、該単量体溶液を薄層状に連続的に供給する
    こと、 光エネルギーの照射によって、該単量体溶液が重合
    を開始して、非流動性を示す段階で該単量体溶液上部に
    合成樹脂フィルムを連続的に供給し、その表面に密着さ
    せること、 光エネルギーの照射を継続したのち、可動式ベルト
    他端において、上部および下部の合成樹脂フィルムを自
    動的に重合体ゲル表面より剥離しながら重合体ゲルを連
    続的に取り出すこと を特徴とするアクリル系重合体ゲルの連続製造方法。
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