JP2004009422A - 光反応生成物シートの製造方法およびその装置 - Google Patents

光反応生成物シートの製造方法およびその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】光反応性組成物を支持体に精度よく貼り付ける光反応生成物シートの製造方法およびその装置を提供する。
【解決手段】通気性を有する支持体1の両面側から供給される光重合組成物が塗布された光透過性フィルム5について、先ず、ガイド11とコーティングロール9aとの間隙を支持体1とこの支持体1の表面側に貼り合せる一方の光透過性フィルム5とが通過する。その過程で両部材が接触して光反応性組成物が支持体1内に含浸してゆき、その内部に含まれる空気が支持体1の裏面側から減圧されたガイド11の内部空間へと吸引除去される。その直後に支持体1の裏面側に他方の光透過性フィルム5が接触する。
【選択図】    図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状,テープ状あるいはフィルム状などの支持体上に塗工された光反応性組成物層に光を照射することによって、その光反応性組成物層を光反応させて光反応生成物層を得る光反応生成物シートの製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルム状などの支持体の上に光反応性組成物層を適宜の厚さに塗工し、塗工後の光反応性組成物層を光照射により反応させて、光反応生成物層を形成する光反応生成物シートの製造方法が知られている。両面粘着シートの用途では、例えば、光反応性組成物が塗布された2枚の紫外線透過性フィルムの塗布面のそれぞれを支持体である多孔質シートの表面と裏面の両方に貼り合わせている。
【0003】
具体的には、図7に示すように、多孔質シート1をロール9(9a、9b)へと繰り出すと、このシートの表面側(図7では上方)と裏面側(図7では下方)からダイコータ7により表面に光反応性組成物4が塗布された紫外線透過フィルム5が同時にロール9に供給される。これら紫外線透過フィルム5は、ロール9により多孔質シート1の表面と裏面に同時に貼り合わされてゆく。この貼り合わせにより光反応性組成物層4を両面に得た多孔質シート1の両面に光を照射し、その後に紫外線透過フィルム5の一方を剥離しながら巻き取ることによって両面粘着シートが製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、多孔質シートの両面に紫外線透過フィルムを同時に貼り合わせた場合、多孔質シート内部に予め含まれている空気が、両面から同時に貼り合わされる紫外線透過フィルムにより逃げ道を閉ざされて、その内部に封じ込められる。したがって、この空気(酸素)が封じ込められた状態のまま光照射により光反応性組成物を光重合させると、酸素により重合反応が阻害され、分子量分布の均一なポリマーを合成することができずにテープ特性異常を発生するといった問題がある。
【0005】
また、多孔質シートの内部に空気を含むことにより外観不良も発生するといった問題もある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、支持体の両面に光反応性組成物層を精度よく塗工する光反応生成物シートの製造方法およびその装置を提供することを主たる目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、光反応性組成物が塗布された2枚の剥離ライナーの塗布面を通気性のある支持体の表面側と裏面側とに接触させて貼り合わせ、この支持体の両面に光反応性組成物層を得た後に、この光反応性組成物層に光を照射することによって、光反応性組成層を反応させて光反応生成物層を得る光反応生成物シートの製造方法において、
前記支持体の表面側と裏面側に前記剥離ライナーの光反応性組成物を支持体に接触させて含浸させるタイミングをずらしながら両剥離ライナーを支持体に貼り合わせてゆくことを特徴とするものである。
【0008】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、光反応性組成物の塗布された2枚の剥離ライナーのそれぞれを通気性のある支持体の表面側と裏面側に接触させるタイミングがずらされ、両剥離ライナーが支持体の両面に貼り合わされる。したがって、支持体の片面、例えば一方の剥離ライナーを支持体の表面側から先に接触させると、剥離ライナーに塗布された光反応性組成物が支持体の表面から裏面側に含浸してゆく。そのため、支持体の内部に予め含まれている空気が支持体内部から裏面側に排出され、その後に支持体の裏面側に他方の剥離ライナーが接触し、両剥離ライナーが支持体に貼り合わされる。その結果、支持体内部には空気が含まれていないので、光反応性組成物を光重合させる際に重合反応の阻害要因である酸素も除去することができ、ひいては製造されるテープ特性を安定させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光反応生成物シートの製造方法において、前記剥離ライナーを支持体に接触させるタイミングの調節は、両剥離ライナーを支持体に貼り合わせるロール状の貼り合せ手段と、支持体と一方の剥離ライナーとを貼り合せ手段に向けて繰り出すガイドとにより支持体と一方の剥離ライナーを挟み込んで、この剥離ライナーを支持体の片面に先行して接触するようにしたことを特徴とするものである。
【0010】
(作用・効果)両剥離ライナーを支持体に貼り合わせるロール状の貼り合せ手段と、一方の剥離ライナーと支持体とを貼り合せ手段に向けて繰り出すガイドとにより、一方の剥離ライナーと支持体とが先に接触するように挟み込まれる。片面に剥離ライナーが接触し、光反応性組成物が支持体に含浸した直後に貼り合せ手段により支持体の他面に他方の剥離ライナーが接触させられる。したがって、請求項1に記載の方法を好適に実施することができる。
【0011】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の光反応生成物シートの製造方法において、前記ガイドは内部空間を有する箱型であって、このガイドの開口面を貼り合せ手段に向けて近接配備し、ガイドの側壁先端を支持体の幅方向両端に接触させるとともに、内部空間を減圧することを特徴とするものである。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の光反応生成物シートの製造方法において、前記光反応性組成物を塗布した剥離ライナーが、粘着シートであることを特徴とするものである。
【0013】
(作用・効果)内部空間を有する箱型のガイドのその開口面を貼り合せ手段に向けて近接配備し、ガイドの側壁先端を支持体の幅方向両端に接触させるとともに、その内部空間を減圧しながら一方の剥離ライナーを支持体に接触させる。その後、他方の剥離ライナーが同じ減圧状態下で支持体に接触させられる。つまり、一方の剥離ライナーを例えば支持体の表面側に先に接触させて支持体に光反応性組成物を含浸させる際、支持体の内部に含まれる空気が裏面側から減圧されたガイドの内部空間へと積極的に吸引除去される。
【0014】
また、同一の減圧状態下において他方の剥離ライナーが支持体の裏面側に剥離に接触させることにより、支持体の裏面と光反応性組成物との界面に巻き込まれる空気をガイドの内部空間へと吸引除去することができ(請求項3)、前記光反応性組成物を塗布した剥離ライナーに粘着シートを利用(請求項4)することにより、請求項1から請求項3に記載の方法を好適に実施することができる。
【0015】
また、請求項5に記載の発明は、光反応性組成物が塗布された2枚の剥離ライナーの塗布面を支持体の表面側と裏面側とに接触させて貼り合わせ、支持体の両面に光反応性組成物層を得た後に、この光反応性組成物層に光を照射することによって、光反応性組成層を反応させて光反応生成物層を得る光反応生成物シートの製造装置において、
前記支持体を供給する支持体供給手段と、
前記支持体の表面側と裏面側のそれぞれに向けて光反応性組成物が塗布された剥離ライナーを供給する1組の剥離ライナー供給手段と、
前記支持体の両面に前記剥離ライナーを貼り合わせるロール状の貼り合せ手段と、
前記剥離ライナー供給手段から供給される剥離ライナーのいずれか一方と支持体とを前記貼り合せ手段に繰り出す過程で、剥離ライナーを支持体の片面に接触させて支持体に光反応性組成物を含浸させるように貼り合せ手段とで挟み込むガイドと、
前記貼り合せ手段により支持体の両面に塗工された光反応性組成物に向けて光を照射する光照射手段と、
光照射後に光反応生成物層が両面に得られた支持体を回収する回収手段と
を備えたことを特徴とするものである。
【0016】
(作用・効果)支持体供給手段から供給された支持体の表面側と裏面側とに向けて光反応性組成物が塗布された2枚の剥離ライナーが供給される過程で、一方の剥離ライナーと支持体とが互いに接触するようにガイドと貼り合せ手段とにより挟み込まれる。その後に他方の剥離ライナーが支持体の反対面側に接触させられ、両剥離ライナーが支持体の両面に貼り合わされる。その後、光照射手段により支持体の両面に光が照射される。この光の照射により支持体の両面に得られた光反応性組成物層が光重合させられて光反応生成物層となり回収される。したがって、請求項1に記載の方法を好適に実現することができる。
【0017】
また、請求項6に記載の発明は、請求項6に記載の光反応生成物シートの製造装置において、前記ガイドは内部空間を有する箱型であって、このガイドの開口面を前記貼り合せ手段に向けて近接配備したことを特徴とするものである。
【0018】
また、請求項7に記載の発明は、請求項6または請求項7に記載の光反応生成物シートの製造装置において、前記ガイドの内部空間を減圧する減圧手段を備えたことを特徴とするものである。
【0019】
(作用・効果)内部空間を有する箱型のガイドの開口面を貼り合せ手段側に向けて近接配備し(請求項6)、減圧手段によりその内部空間を減圧(請求項7)することにより、剥離ライナーが接触して光反応性組成物が支持体に含浸する際に支持体内部に含まれる空気が、その内部空間に吸引除去される。したがって、支持体内部の含有気泡を解消することができる。つまり、請求項1から請求項4に記載の方法を好適に実現することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の一実施例を説明する。
本実施例に係る光反応生成物シートの製造装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る光反応生成物シートの製造装置の一例を示した概略側面図、図2は、本実施例装置の塗工部の要部構成を示した斜視図である。なお本実施例では、光反応性組成物が光照射室15からの光によって光重合されて粘着剤層を得る光重合性組成物層4であって、粘着シートを製造する場合を例に挙げて説明するとともに、この粘着シートとして、例えば、光透過性フィルム5を剥離ライナーとして使用する両面粘着シートを製造する場合を例に挙げて説明する。
【0021】
本実施例に係る光反応生成物シートの製造装置は、図1に示すように、シート状,テープ状あるいはフィルム状などの支持体1をガイドロールRに経由させて繰り出し供給する支持体供給ロール2と、この支持体供給ロール2から繰り出された支持体1に光重合性組成物を所定の厚さに塗工(塗布)する塗工部3と、支持体1に塗工された光重合性組成物(光重合性組成物層4)に光を照射するための光照射室15と、支持体1から後述する光透過性フィルム5を剥離する剥離部18と、光重合性組成物層4が塗布された支持体1を巻き取る支持体巻き取り部21とから構成されている。以下、各部の構成を詳細に説明する。
【0022】
支持体1は、通気性を有する多孔質状のものであって、例えば、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、不織布、織布、紙などが用いられる。
【0023】
また、光重合性組成物4は、モノマーまたはその一部重合物と光重合開始剤とを含有してなり、光照射により重合して粘着剤となるものであり、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系などの光重合性組成物が用いられる。これらの中でも、アクリル系の光重合性組成物が特に好ましく用いられる。以下に本実施例で用いられる光重合性組成物の各成分について例示する。
【0024】
本実施例では、光重合性組成物4として、アルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体とが用いられる。本実施例で用いられるアルキルアクリレート単量体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーであり、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、プチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基の如きアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、あるいはそのアルキル基の一部をヒドロキシル基で置換したものなどアルキル基の炭素数が1〜14の範囲にあるものを、1種または2種以上を主成分に用いられる。
【0025】
また、極性基含有の共重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸などの不飽和酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが用いられる。また、単量体に限らず、(メタ)アクリル酸ダイマーなどの2量体を用いても良い。
【0026】
アルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との使用割合は、前者が70〜99重量%、後者が30〜1重量%であり、特に好ましくは前者が80〜96重量%、後者が20〜4重量%である。このような範囲で使用することにより、粘着性,凝集力などのバランスをうまくとることができる。
【0027】
本実施例で用いられる光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニソールメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル類、2・2−ジエトキシアセトフェノン、2・2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換−α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェニル−1・1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどの光活性オキシム類などが用いられる。このような光重合開始剤の使用量は、前述したアルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との合計100重量部当たり、通常0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部が良い。この範囲より光重合開始剤の使用量が少ないと、重合速度が遅くなりモノマーが多く残存しやすくなり工業的に好ましくなく、逆に多いとポリマーの分子量が低下し粘着剤の凝集力の低下をきたしやすく粘着特性上好まし特性が得られない。
【0028】
本実施例で用いられる架橋剤としては、多官能アクリレート単量体などが用いられ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1・2−エチレングリコールジアクリレート、1・6−ヘキサンジオールジアクリレート、1・12−ドデカンジオールジアクリレートなどの2官能以上のアルキルアクリレート単量体が用いられる。この多官能アクリレート単量体の使用量は、その官能基数などにより異なるが、一般には、前述したアルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との合計100重量部当たり、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部とするのが良い。このような範囲で多官能アクリレート単量体を用いると、良好な凝集力が保持される。
【0029】
また、上記多官能アクリレート以外にも、粘着剤の用途に応じて架橋剤を併用することもできる。併用する架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤など、通常用いる架橋剤を使用することができる。なお、本発明では、必要に応じて粘着付着剤などの添加剤を用いることができる。
【0030】
光透過性フィルム5は、可視光透過率が70%以上のものを用いており、必要な光透過量を得ることができる。この光透過性フィルム5としては、可視光透過率が80%以上のものがより好ましく、可視光透過率が90%以上のものがさらに好ましい。この光透過性フィルム5は、光照射室15における処理に十分に耐えうる程度の耐熱性を有するものである。これらの特性を有する光透過性フィルム5としては、例えば、ポリエステルフィルムなどが挙げられ、シリコーン系や長鎖アルキル系剥離処理剤で剥離処理されているものを用いる。光透過性フィルム5により短波長光がカットされた光の照射光量は、粘着剤層などの必要特性により任意に設定することになるが、通常、100〜5000mJ/cmの範囲内、より好ましくは1000〜4000mJ/cmの範囲内、さらに好ましくは2000〜3000mJ/cmの範囲内であることが好ましい。
【0031】
図1に戻って、塗工部3は、支持体供給ロール2から繰り出された支持体1に光重合性組成物(光重合性組成物層4)を、その支持体1の幅方向に所定幅で、所定厚さとなるように支持体1の表面および裏面の両面に塗工するためのものである。この塗工部3は、例えば、支持体1の表面側および裏面側のそれぞれには、光透過性フィルム5を繰り出し供給する光透過性フィルム供給ロール6と、この光透過性フィルム供給ロール6から繰り出された光透過性フィルム5に光重合性組成物4を塗布するためのリップコータ7と、光重合性組成物(光重合性組成物層4)が塗布された光透過性フィルム5を支持体1の裏面に搬送するためのバックアップロール8とを備えている。
【0032】
また、塗工部3は、光重合性組成物層4を塗布した光透過性フィルム5を、支持体1の両面にほぼ同時に貼り合わせるように、コーティングロール9(9a、9b)を支持体1の表面および裏面の同じ箇所に備えている。なお、コーティングロール9(9a、9b)は、本発明の貼り合せ手段に相当する。
【0033】
さらに、塗工部3は、支持体1と光透過性フィルム5とをコーティングロール9(9a、9b)に繰り出すガイド11を備えている。
【0034】
ガイド11の具体的形態は、図3に示すように、その側壁11aのコーティングロール9側がコーティングロール9a、9bの丸みに応じて湾曲した先端部を有するとともに、ガイド11のコーティングロール対向面は開口している。側壁11aの先端部は、図3および図4に示すように、上方から供給される支持体1の略両端部分と接触するようになっている。また、その中央部の中央壁11bの先端部は、光重合性組成物の塗工厚を考慮し、図3に示すように、微小な間隙Gを有している。本実施例における間隙Gは、例えば光重合組成物の表面(ノリ面)から10〜20μmに設定されている。
【0035】
また、このガイド11には、図1および図2に示すように、吸引調節部12を備えた管13を介して真空ポンプ14が連通接続されている。つまり、吸引調節部12を操作してガイド11の内部空間10の減圧レベルを調節するようになっている。なお、本実施例における減圧レベルは、98kPa以下に設定されているが、好ましくは66kPa以下であり、さらに好ましくは33kPaである。
【0036】
したがって、ガイド11の内部空間10を減圧することにより支持体1の裏面がガイド11の開口面を閉塞し、内部空間10を略密閉した状態とする。なお、間隙Gは、使用する支持体1および光透過性フィルム5などの剥離ライナーに塗工する光重合性組成物の厚みなどによって適宜に設定される。
【0037】
つまり、塗工部3では、図3に示すように、上方から繰り出される光透過性フィルム5と支持体供給ロール2から繰り出される支持体1とがコーティングロール9aとガイド11との間隙Gを通過する過程で接触させられ、その直後に下方からの光透過性フィルム5が支持体1に接触する。
【0038】
具体的には、支持体1の両端部に接触するガイド11の側壁11aとコーティングロール9aとが、支持体1と光透過性フィルム5とを挟み込むことにより両部材を接触させ、光重合組成物を支持体1に含浸させる。このとき、ガイド11の内部空間10の減圧により、支持体1の裏面がガイド11の開口面を閉塞するように略密着する。したがって、光透過性フィルム5に塗布された光重合性組成物が支持体1の表面側から内部に含浸してゆき、支持体1の内部に予め含まれている空気が支持体1の裏面側から内部空間10へと積極的に吸引除去される。
【0039】
支持体1に光重合性組成物が含浸した直後に、下方から間隙Gを通過して供給される光透過性フィルム5が同一減圧状態下で支持体1の裏面と接触しながらコーティングロール9へと移動する。コーティングロール9a、9bでは、光透過性フィルム5を支持体1に貼り合わせる、結果、支持体1の内部に空気を含まない状態で両面に光重合性組成物層4をそれぞれ塗工することができる。
【0040】
なお、光重合性組成物4が塗布時に光透過性フィルム5からはみ出したりせずに安定状態を維持するように、その粘度を100Pa・s以下にすることが好ましく、さらに好ましくは、50Pa・sである。
【0041】
また、塗工部3の構成は、上述したようなリップコータ7に限定されるものではなく、ダイコータ、コンマコータ、リバースコータ、およびグラビアコータなどの他の塗工方式のものであっても良く、光重合性組成物4の厚み調整の手法も各塗工方式に合わせて適宜に変更実施することが可能である。
【0042】
光照射室5は、支持体1の両面にそれぞれ塗工された光重合性組成物層4に光を照射するためのものである。この光照射室15は、支持体供給ロール2から繰り出された支持体1の移動方向(矢印a方向)に支持体1を移動させる搬送ロール16と、支持体1の対向面に向けてそれぞれ照射する複数個の紫外線発生用ランプ17とを備えている。光照射室15は、本発明における光照射手段に相当する。
【0043】
この光照射室15の紫外線発生用ランプ17としては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどの高圧放電ランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、捕虫用蛍光ランプなどの低圧放電ランプなどが好ましい。また、高圧放電ランプと低圧放電ランプとを組み合わせても使用することができる。
【0044】
なお、紫外線発生用ランプ17の照度は、光重合によって得られるポリマーの重合度を左右するので、0.1〜300mW/cm、好ましくは1〜50mW/cm、さらに好ましくは1〜10mW/cmである。
【0045】
図1に示すように、剥離部18は、支持体1の表面側にある光透過性フィルム5と、支持体1および裏面側にある光透過性フィルム5とを剥離するように剥離ロール19を支持体1の表面および裏面の同じ箇所に備えているとともに、剥離された表面側の光透過性フィルム5を巻き取る光透過性フィルム巻き取りロール20を備えている。
【0046】
剥離部18の剥離ロール19によって剥離された、支持体1の表面側にある光透過性フィルム5は光透過性フィルム巻き取りロール20によって巻き取られるとともに、支持体1および裏面側にある光透過性フィルム5は支持体巻き取り部21によって巻き取られる。この際、巻きズレを防ぐために巻き取り補正装置を配設するのが望ましい。支持体1の表面側にある光透過性フィルム5が支持体1より剥離されることで、支持体1の両面には、光重合性組成物層4から光照射によって光重合された粘着剤が塗布され、さらに支持体1の裏面側には光透過性フィルム5が貼り合わされた状態となる。なお、支持体巻き取り部21は、本発明の回収手段に相当する。
【0047】
次に上記のように構成された実施例装置により、粘着シートとして、例えば、光透過性フィルム5を剥離ライナーとして使用する両面粘着シートを製造する製造工程について、以下に説明する。
【0048】
まず、支持体供給ロール2から支持体1を供給するとともに、支持体1の表面側および裏面側のそれぞれに向けて光透過性フィルム供給ロール6から光透過性フィルム5を供給する。表面側(図1では上方側)および裏面側(図1では下方側)において、1組のダイコータ(リップコータ7)は、支持体1の表面側と裏面側に貼り合わされる光透過性フィルム5のそれぞれに対して、光重合性組成物をその光透過性フィルム5の所定の幅で、なおかつ、所定の厚さとなるように塗工する。このように光重合性組成物が塗工された光透過性フィルム5は、移動方向(矢印a方向)に移動されてガイド11とコーティングロール9(9a、9b)との間隙Gへと搬送される。
【0049】
上方から供給された光透過性フィルム5は、ガイド11とコーティングロール9aとの間隙Gを通過する過程でそのノリ面と支持体1の表面とが接触して光重合性組成物が支持体1に含浸する。このとき、ガイド11の内部空間10は減圧されている。したがって、支持体1と光透過性フィルム5とが接触する過程で支持体1の内部に予め含まれる空気は、通気性を有する支持体1の裏面側からガイド11の内部空間10へと積極的に吸引除去され、光重合性組成物が支持体1に含浸される。
【0050】
次に、下方の間隙Gを通過して供給される光透過性フィルム5が、コーティングロール9(9a、9b)により把持される直前の減圧状態下で、支持体1の裏面に接触する。したがって、光透過性フィルム5がガイド11を通過するときにともなう空気は、ガイド11の内部空間10に吸引除去される、結果、支持体1への空気の巻き込みが全く発生しない。
【0051】
支持体の両面に接触した光透過性フィルム5は、コーティングロール9(9a、9b)により上下方向から同時に把持され、光重合性組成物(光重合性組成物層4)が塗布された光透過性フィルム5を支持体1の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせる。光透過性フィルム5が両面に貼り合わされた支持体1は、移動方向(矢印a方向)に移動されて光照射室15へ搬送される。
【0052】
光照射室15は、支持体1と支持体1の両面にそれぞれ貼り合わされた光透過性フィルム5との間に塗工された光重合性組成物(光重合性組成物層4)に対して、光を照射する。具体的には、光重合性組成物層4が塗布された光透過性フィルム5が両面にそれぞれ貼り合わされた支持体1は、コーティングロール9から搬送ロール16までを移動方向(矢印a方向)に移動する。この移動過程で、支持体1の上下方向に配備された複数個の紫外線発生用ランプ17により支持体1の両面のそれぞれに向けて光(紫外線)が照射される。光照射を受けた光重合性組成物層4は、光重合反応により光反応生成物層となる
【0053】
光の照射が終了した後に、剥離ロール19は、支持体1の表面側にある光透過性フィルム5と、支持体1および裏面側にある光透過性フィルム5とを剥離する。剥離された支持体1の表面側にある光透過性フィルム5は光透過性フィルム巻き取りロール20によって巻き取られるとともに、支持体1および裏面側にある光透過性フィルム5は支持体巻き取り部21によって巻き取られる。支持体巻き取り部21によって巻き取られる際には、支持体1の裏面側にある光透過性フィルム5が剥離ライナーとなる。
【0054】
なお、支持体1が光照射室15を通過するまでに、光重合性組成物層4の重合率が100%に到達するように本実施例装置はその光の照射強度および支持体1の移動速度などが制御される。
【0055】
以下に、図1に示した装置を用いて得られた粘着シートの具体例と、図7に示す従来装置を用いて得られた粘着シートの比較例とを示す。
【0056】
<具体例1>
本具体例では、図1に示すガイド11の内部空間10を減圧することなく粘着シートを製造する実験を行なった。なお、使用する光透過性フィルム5の種類や各種設定条件は以下の通りである。
【0057】
光重合において、短波長光カット用の光透過性フィルム5には、シリコーン処理を施した38μmのポリエチレンフィルムを用いた。
【0058】
また、支持体1としての多孔質シートには、日本板紙(株)製のN−15を用いた。
【0059】
光重合性組成物は次のようにして得た。アルキルアクリレート単体を主成分とする主単量体としての2エチルヘキシルアクリレート(2EHA)90重量部、極性基含有の共重合性単量体アクリル酸(AA)10重量部に、光重合開始剤として2・2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.05重畳部を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露することによって部分的に光重合したシロップを得た。この部分重合したシロップ100重量部に、架橋割としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.5重量部を均一に混合し、光重合性組成物を得た。
【0060】
この光重合性組成物が支持体1を含めて160μmになるように塗工部3にて塗工し、光照射としては、シート表面側と裏面側とに配備する紫外線発生用ランプ17にはそれぞれ10個のブラックライトを用いている。ブラックライトの照度は、全て7mW/cmになるように設定した。支持体1の移動速度(ライン速度)は15m/minで塗工および光重合を行い、光重合性組成物の重合率、および粘着特性を測定して、具体例を得た。
【0061】
<具体例2>
本具体例は、具体例1のガイド11の内部空間10を33kPaに減圧した以外は、同一条件でもって実験を行なって得られたものである。
【0062】
<比較例>
図7に示した従来装置を用いて得られた粘着シートの比較例を得た。
【0063】
すなわち、上述の各具体例では、コーティングロール9の前段にガイド11を近接配備していたが、本従来例装置の場合、ガイド11が配備されておらず、支持体1がコーティングロール9のニップ部に向かって略水平に移動し、上下方向から供給される光透過性フィルム5が支持体1の両面に略同時に貼り合わされるようになっている。
【0064】
したがって、塗工部3の構成のみが異なるのみで、その他の条件は、上述の両具体例と同じである。
【0065】
上記各具体例および比較例に係る各粘着シートについて、テープの透明性を示すヘイズの発生率、および単位面積当たりの気泡発生数の測定結果を、表1に示す。
【0066】
【表1】
Figure 2004009422
【0067】
表1に示した測定結果から明らかなように、ヘイズの発生率、および気泡の発生数ともに、比較例に対して大幅に改善されていることが分かる。すなわち、ヘイズの発生率を比較例と比べると、具体例1では約7%減少し、具体例2では13%減少している。また、気泡数について比較例と比べると、比較例の52個に対して具体例1では11個に減少し、約78%改善され、具体例2については2個に減少し、約96%と大幅に改善されていることが分かる。
【0068】
以上のように、本実施例によれば、コーティングロール9(9a,9b)および内部空間10が減圧状態あるガイド11とにより設けられた微小間隙Gに支持体1と支持体1の表面側に貼り合わせる光透過性フィルム5とを同時に通過させる過程で互いに接触させ、光透過性フィルム5に塗布されている光重合性組成物を支持体1の表面に含浸させる。この光重合性組成物が支持体1に含浸する過程で支持体1の内部に予め含まれていた空気が支持体1の裏面から排出されてガイド11の内部空間10へと積極的に吸引除去される。支持体1に光重合組成物が略完全に含浸した状態の直後に、他方から供給される光透過性フィルム5が同一の減圧状態下で支持体1の裏面に接触する。
【0069】
したがって、支持体1の両面に光重合性組成物を接触・含浸させるタイミングをずらすことにより、支持体1の内部に含まれる空気を効率よく排出することができ、光透過性フィルム5を精度よく支持体1に貼り合わせることができる。また、重合反応の阻害要因である空気(酸素)のない状態で光重合性組成物層4を光重合させることができるので、分量分布の均一なポリマーを得ることができ、テープ特性の安定した粘着シートを製造することができる。
【0070】
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
【0071】
(1)上述した本実施例では、支持体1の上方から供給される光透過性フィルム5を先行して支持体1に接触させていたが、下方から供給される光透過性フィルム5を先に支持体に接触させてもよい。また、光透過性フィルム5を支持体1に接触・貼り合わせる装置は上記装置に限定されず、以下のように構成してもよい。
【0072】
例えば、支持体1の表面側と裏面側とに個別に光透過性フィルム5を貼り合わせる2組の貼り合せ手段を設けてもよい。具体的には、図6に示すように、ロール30aと30bから構成された第1貼り合せ手段と、ロール31aと31bから構成された第2貼り合せ手段を利用する。
【0073】
第1貼り合せ手段のロール30aは、その表面が曲面のものである。ロール30bは支持体1の表面に光透過性フィルム5を貼り合わせる過程で、支持体1に予め含まれている空気を支持体1の裏面から排出しやすいように、例えば、その表面がメッシュ状や凹凸を設けたものが利用される。
【0074】
第2貼り合せ手段のロール31a、31bには、表面が曲面のロールが利用される。
【0075】
上述のように構成することにより、第1貼り合せ手段で支持体1の表面に光透過性フィルム5が貼り合わされる。このとき、光重合性組成物が支持体1の表面側から裏面側に含浸してゆくので、支持体1内部に予め含まれる空気が、ロール30bの表面を介して支持体1の裏面側から排出される。
【0076】
支持体1に光重合性組成物が含浸した状態で、第2貼り合せ手段により支持体1の裏面に光透過性フィルム5が貼り合わされる。したがって、支持体1内部への含有気泡を無くすことができる。
【0077】
また、光透過性フィルム5を支持体1に接触させるタイミングを調節する手段として、箱型のガイド11に限定されるものではなく、支持体1の両端部と一方の光透過性フィルム5とをコーティングロール9とで先行して挟み込んで接触させるような形態のものであってもよい。例えば、支持体1などを挟み込む両端部分を大径とし、中央部は両端部よりも小径であるロールを用いてもよいし、両端部のみを把持するように分割された2個のロールで支持体1の両端部を把持するようにしてもよい。なお、このような形態のときにも空気を吸引するため手段を近接配備することが好ましい。
【0078】
(2)上述した本実施例では、光重合性組成物層4が塗布された光透過性フィルム5を支持体1に貼り合わせて、光透過性フィルム5を剥離することで支持体1に光重合性組成物層4を塗布したが、剥離シートとしては上記光透過性フィルム5に限定されない。上記光透過性フィルム5がなくても、上述のモノマー汚染や光照度の低下などを防止することができるならば、通常の剥離性を有する剥離シートを貼り合わせて、この剥離シートを剥離することで支持体1に光重合性組成物層4を塗布してもよい。
【0079】
(3)上述した本実施例では、光透過性フィルム5のような剥離シートを剥離ライナーとして両面粘着シートを製造したが、例えば、剥離部18で支持体1の両面から各光透過性フィルム5をそれぞれ剥離して、支持体1の片面に剥離性を有する製品紙(図示省略)を貼り合わせて巻き取るというように上記製品紙を剥離ライナーとして両面粘着シートを製造しても良いし、剥離部18で支持体1の両面から各光透過性フィルム5をそれぞれ剥離して、支持体1を剥離ライナーとする支持体(基材)なしの両面粘着シートを製造してもよい。
【0080】
(4)上述した本実施例では、図1に示すように、光照射室15の内部を矢印aの一方向に支持体1が移動する過程で、支持体1の表面側と裏面側の両方から光が照射されるようになっていたが、例えば図5に示すように、2個の搬送ロール22を光照射室5の両端に1個ずつ段違いで配備し、光照射室5内で支持体1が上方に向かって反転往復移動する過程で、支持体1の両面に光を照射するようにしてもよい。
【0081】
(5)上述した本実施例では、光透過性フィルム5を支持体1から剥離した後、支持体1を巻き取ったが、光照射後の支持体1の光重合性組成物層4中に残存する未反応モノマーや溶剤その他の非反応性不純物を可及的に揮散除去するために、強制乾燥あるいは加熱乾燥などの乾燥処理を施した後に、支持体1を巻き取っても良い。また、重合時の光重合性組成物層4からのモノマー蒸発を低減させるために、光照射室15内に冷却機構を備えても良いし、光透過性フィルム5を支持体1から容易に剥離させるために、光照射室15と剥離部18との間に冷却機構を備えてもよい。
【0082】
(6)上述した本実施例では、光重合性組成物層4が、光照射室15の紫外線発生用ランプ17からの光によって光重合されて粘着剤層を得る光重合性組成物層4であって、その粘着剤層を得ることで粘着シートを製造したが、本実施例に係る光重合性組成物層4は光重合性組成物層4に限定されない。例えば、光重合性組成物を光で架橋反応させてゲル化して、基材,フィルム,シートなどを用途とする支持体(光反応生成物シート)を製造してもよい。
【0083】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、通気性を有する支持体の表面側と裏面側とに光反応性組成物が塗布された剥離ライナーを接触させて光反応性組成物を支持体に含浸させるタイミングをずらすことにより、支持体の内部に予め含まれる空気の逃げ道を剥離ライナーの接触していない反対面に確保することができる。したがって、支持体における空気の排出効率の向上を図ることができ、光反応性組成物の塗布された剥離ライナーを支持体に貼り合わせる精度を高めることができる。
【0084】
また、空気の巻き込みのない状態で光反応組成物を光重合させることにより、重合反応の阻害要因である酸素が存在しないことから分子量分布の均一なポリマーを得ることができ、ひいては、テープ特性を安定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光反応生成物シートの製造装置の一例を示す概略側面図である。
【図2】実施例装置に係る塗工部の要部構成を示した斜視図である。
【図3】実施例装置に係るガイドの周辺構成を示した側面図である。
【図4】実施例装置に係る、各シート類の接触状況を示した平面図である。
【図5】変形例に係る光反応生成物シートの製造装置の概略側面図である。
【図6】変形例に係る貼り合せ手段の概略側面図である。
【図7】従来例に係る光反応生成物シートの製造装置の概略側面図である。
【符号の説明】
1 … 支持体
2 … 支持体供給ロール
3 … 塗工部
4 … 光重合性組成物層
5 … 光透過性フィルム
6 … 光透過性フィルム供給ロール
7 … リップコータ
8 … バックアップロール
9(9a,9b) … コーティングロール
11 … ガイド
15 … 光照射部
18 … 剥離部

Claims (7)

  1. 光反応性組成物が塗布された2枚の剥離ライナーの塗布面を通気性のある支持体の表面側と裏面側とに接触させて貼り合わせ、この支持体の両面に光反応性組成物層を得た後に、この光反応性組成物層に光を照射することによって、光反応性組成層を反応させて光反応生成物層を得る光反応生成物シートの製造方法において、
    前記支持体の表面側と裏面側に前記剥離ライナーの光反応性組成物を支持体に接触させて含浸させるタイミングをずらしながら両剥離ライナーを支持体に貼り合わせてゆくことを特徴とする光反応生成物シートの製造方法。
  2. 請求項1に記載の光反応生成物シートの製造方法において、前記剥離ライナーを支持体に接触させるタイミングの調節は、両剥離ライナーを支持体に貼り合わせるロール状の貼り合せ手段と、支持体と一方の剥離ライナーとを貼り合せ手段に向けて繰り出すガイドとにより支持体と一方の剥離ライナーを挟み込んで、この剥離ライナーを支持体の片面に先行して接触するようにしたことを特徴とする光反応生成物シートの製造方法。
  3. 請求項2に記載の光反応生成物シートの製造方法において、前記ガイドは内部空間を有する箱型であって、このガイドの開口面を貼り合せ手段に向けて近接配備し、ガイドの側壁先端を支持体の幅方向両端に接触させるとともに、内部空間を減圧することを特徴とする光反応生成物シートの製造方法。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の光反応生成物シートの製造方法において、
    前記光反応性組成物を塗布した剥離ライナーが、粘着シートであることを特徴とする光反応生成物シートの製造方法。
  5. 光反応性組成物が塗布された2枚の剥離ライナーの塗布面を支持体の表面側と裏面側とに接触させて貼り合わせ、支持体の両面に光反応性組成物層を得た後に、この光反応性組成物層に光を照射することによって、光反応性組成層を反応させて光反応生成物層を得る光反応生成物シートの製造装置において、
    前記支持体を供給する支持体供給手段と、
    前記支持体の表面側と裏面側のそれぞれに向けて光反応性組成物が塗布された剥離ライナーを供給する1組の剥離ライナー供給手段と、
    前記支持体の両面に前記剥離ライナーを貼り合わせるロール状の貼り合せ手段と、
    前記剥離ライナー供給手段から供給される剥離ライナーのいずれか一方と支持体とを前記貼り合せ手段に繰り出す過程で、剥離ライナーを支持体の片面に接触させて支持体に光反応性組成物を含浸させるように貼り合せ手段とで挟み込むガイドと、
    前記貼り合せ手段により支持体の両面に塗工された光反応性組成物に向けて光を照射する光照射手段と、
    光照射後に光反応生成物層が両面に得られた支持体を回収する回収手段と
    を備えたことを特徴とする光反応生成物シートの製造装置。
  6. 請求項5に記載の光反応生成物シートの製造装置において、前記ガイドは内部空間を有する箱型であって、このガイドの開口面を前記貼り合せ手段に向けて近接配備したことを特徴とする光反応生成物シートの製造装置。
  7. 請求項5または請求項6に記載の光反応生成物シートの製造装置において、
    前記ガイドの内部空間を減圧する減圧手段を備えたことを特徴とする光反応生成物シートの製造装置。
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