JP4330300B2 - 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 - Google Patents
感圧性接着シートの製造方法およびその装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP4330300B2 JP4330300B2 JP2001353200A JP2001353200A JP4330300B2 JP 4330300 B2 JP4330300 B2 JP 4330300B2 JP 2001353200 A JP2001353200 A JP 2001353200A JP 2001353200 A JP2001353200 A JP 2001353200A JP 4330300 B2 JP4330300 B2 JP 4330300B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- support
- photopolymerizable composition
- sensitive adhesive
- pressure
- light
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Adhesives Or Adhesive Processes (AREA)
- Adhesive Tapes (AREA)
- Polymerisation Methods In General (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、シート状,テープ状あるいはフィルム状などの支持体上に塗工された光重合性組成物層に光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィルム状などの支持体の上に光重合性組成物層を適宜の厚さに塗エし、塗工後の光重合性組成物層を光照射により重合させて、感圧性粘着剤層を形成する感圧性接着シートの製造方法が知られている。
【0003】
このような感圧性接着シートの代表的なものとして、上記支持体の表面および裏面の両面に感圧性粘着剤層が形成された両面接着シートがある。従来の両面接着シートの製造方法について、剥離フィルムを用いて両面接着シートを製造する場合を例に採り、図7を参照して説明する。図7(a)は、1回目の塗工における感圧性接着シートの製造装置の概略構成図であって、図7(b)は、2回目の塗工における感圧性接着シートの製造装置の概略構成図である。
【0004】
従来に係る感圧性接着シートの製造装置は、1回目の塗工において、図7(a)に示すように、製品紙101を繰り出し供給する製品紙供給ロール102aと、剥離フィルム103を繰り出し供給する剥離フィルム供給ロール104と、光重合性組成物(光重合性組成物層105)を製品紙101に塗工(塗布)して剥離フィルム103に貼り合わせるコーティングロール106と、剥離ファイルム103が貼り合わされたこの製品紙101に光を照射するための照射室107と、製品紙101から剥離ファイルム103を剥離する剥離部108と、光重合性組成物層105が塗布された製品紙101を乾燥する乾燥室109と、不織布などの支持体(基材)110を乾燥された製品紙101に貼りあわせて、塗工品として巻き取る、第1の塗工品巻き取り部111aとから構成されている。
【0005】
2回目の塗工における上記の装置は、図7(a)の1回目の塗工における装置の製品紙供給ロール102aおよび第2の塗工品巻き取り部111bを除くと、図7(b)に示すように、1回目の塗工における装置と同様の構成からなる。2回目の塗工では、製品紙供給ロール102aの替わりに、第1の塗工品巻き取り部111aで支持体110が貼り合わされた製品紙101(塗工品)を繰り出し供給する塗工品供給ロール102bを用い、第1の塗工品巻き取り部111aの替わりに、塗工品を単に巻き取る第2の塗工品巻き取り部111bを用いている。
【0006】
次に上記のように構成された従来装置により、感圧性接着シートを製造する製造工程について、以下に説明する。
【0007】
まず、1回の塗工において、製品紙供給ロール102aから製品紙101を供給するとともに、剥離フィルム供給ロール104から剥離フィルム103を供給する。コーティングロール106は、光重合性組成物(光重合性組成物層105)を製品紙101の所定の幅で、なおかつ、所定の厚さとなるように塗工しつつ、製品紙101と剥離フィルム103とを貼り合わせる。この状態で、光照射室107が光を照射することで、光重合性組成物層105が光重合されて感圧性接着剤を得る。照射後、剥離部108は、製品紙101から剥離ファイルム103を剥離する。このとき、光重合性組成物層105(感圧性接着剤)は製品紙101の表面に塗布された状態で、剥離ファイルム103のみが剥離される。この製品紙101を乾燥室109が乾燥して未反応モノマーを除去し、第1の塗工品巻き取り部111aが、不織布などの支持体(基材)110を乾燥された製品紙101に貼りあわせて、塗工品として巻き取る。この巻き取りの際、支持体110の裏面、すなわち製品紙101に貼り合わされた面に光重合性組成物層105が塗布されることになる。
【0008】
2回目の塗工において、塗工品供給ロール102bはこの塗工品を供給するとともに、剥離フィルム供給ロール104から剥離フィルム103を供給する。この塗工品の供給の際には、支持体110の表面に光重合性組成物(光重合性組成物層105)が塗布されるように供給される。1回目の塗工と同様に、コーティングロール106は、光重合性組成物層105を塗工して塗工品と剥離フィルム103とを貼り合わせ、光照射室107は光を照射し、剥離部108は、塗工品(製品紙101および支持体110)から剥離ファイルム103を剥離する。このとき、光重合性組成物層105は、塗工品の支持体105の表面に塗布された状態で、剥離ファイルム103のみが剥離される。この塗工品を乾燥室109が乾燥して、第2の塗工品巻き取り部111bが巻き取る。これにより、支持体1の両面に感圧性接着剤が塗布された製品紙101付きの感圧性接着シートが完成する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成を有する装置の場合には、塗布,光照射,巻き取りからなる工程(工程によっては乾燥も含む)を2回繰り返す必要があり、製造工程上手間がかかる。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、製造工程を簡易にする感圧性接着シートの製造方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法において、前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、前記支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層をほぼ同時にそれぞれ塗布するとともに、この光重合性組成物層の少なくともいずれかの面に剥離シートを貼り合せ、前記光照射部から光を支持体の両面方向にそれぞれ照射して光重合を促進および完了させ、その後に剥離シートを冷却してから前記感圧性接着剤を支持体側に残して剥離シートを剥離することを特徴とするとするものである。
【0012】
(作用・効果)請求項1に記載の発明によれば、支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層がほぼ同時に塗布されて、この光重合性組成物層の少なくともいずれかの面に剥離シートを貼り合せ、その塗布された支持体の両面方向に光照射部から光がそれぞれ照射される。光重合性組成物層に光が照射されることで、支持体の両面に塗布された光重合性組成物層が光重合されて感圧性接着剤層となる。その結果、支持体の両面に光重合された感圧性接着剤が塗布された感圧性接着シートが得られる。これにより、従来のように支持体の面に光重合性組成物を塗布して光を照射した後、さらに支持体の他面に光重合性組成物を塗布して光を照射しなくても、1度の照射によって支持体の両面に光重合された感圧性接着シートを得ることができる。従って、従来と比較して感圧性接着シートの製造工程を簡易にすることができる。
【0013】
本発明において、支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層をほぼ同時にそれぞれ塗布するとは、必ずしも光重合性組成物層を同時にそれぞれ塗布する意味ではなく、支持体の一面を塗布した直後に他面を塗布する場合も含む。すなわち、光照射部から光を照射するまでに支持体の表面および裏面に光重合性組成物層がそれぞれ塗布されていれば良い。また、光照射は、支持体の両面方向にそれぞれ同時に照射する必要はなく、支持体の一面を照射した後に他面を照射しても良い。
【0014】
本発明において、支持体の両面に光重合性組成物を塗布する手法は、特に限定されず、例えば、前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の一方面に貼り合わせて塗布し、他方面に光重合性組成物層を直接に塗布し、これら支持体への両面塗布をほぼ同時に行なうことで、支持体に光重合性組成物を塗布する(請求項2に記載の発明)手法や、前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、支持体の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせることで支持体に光重合性組成物を塗布する(請求項3に記載の発明)手法や、支持体の両面に直接的に光重合性組成物を塗布する手法などが挙げられる。請求項2、3に記載の方法発明の場合には、支持体の両面に剥離シートが貼り合わされた状態で光照射部から支持体の両面方向にそれぞれ光を照射した後、剥離シートを支持体から剥離する。これによって、支持体の両面に光重合された感圧性接着剤が塗布された状態で、剥離シートのみが剥がれる。
【0015】
この場合においても、光重合性組成物層を塗布した剥離シートを支持体の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせるとは、必ずしも光重合性組成物層を塗布した剥離シートを支持体の両面に同時にそれぞれ貼り合わせる意味ではなく、剥離シートを支持体の一面に貼り合わせた直後に他面に貼り合わせる場合も含む。すなわち、光照射部から光を照射するまでに支持体の表面および裏面に光重合性組成物層を塗布した剥離シートがそれぞれ貼り合わされていれば良い。
【0016】
また、上記手法を、より好適に行うために、本発明者等が鋭意検討した結果、冷却の際感圧性接着剤が固化することに着目して、剥離の直前に冷却を行うことで支持体から剥離シートが剥離し易くなるという知見を得た。上記知見に基づいて得られた手法は、請求項1〜3に適用される。つまり、剥離シートを支持体から剥離する過程で、剥離シートを冷却した後に剥離シートを支持体から剥離するものである。このように剥離前に冷却することで、剥離する際に重剥離化して支持体および剥離シートが剥がれない、また剥がれても支持体上にある感圧性粘着剤の表面が荒れる、巻き取り異常などの問題を解決することができる。
【0017】
また、剥離シートの温度が30°C以下になるように剥離シートを冷却するのが好ましく(請求項4に記載の発明)、より好ましくは20°C以下、さらに好ましくは10°C以下に剥離シートの温度がなるように冷却する。
【0018】
また、剥離シートを支持体から剥離する過程で、剥離シートを支持体の両面からほぼ同時にそれぞれ剥離する(請求項5に記載の発明)のが好ましい。この場合においても、剥離シートを支持体の両面からほぼ同時にそれぞれ剥離するとは、必ずしも剥離シートを支持体の両面から同時にそれぞれ剥離する意味ではなく、剥離シートを支持体の一面から剥離した直後に他面から剥離する場合も含む。すなわち、支持体が巻き取られるまでに支持体の両面から剥離シートが剥離されていれば良い。
【0019】
上述および後述する光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であるのが好ましい。この他にも、ポリエステル系、エポキシ系などの光重合性組成物が好適に用いられる。
【0020】
さらに、請求項6に記載の発明は、支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、前記支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層をほぼ同時にそれぞれ塗布する塗布手段と、前記塗布された光重合性組成物層の少なくともいずれかの面に剥離シートを貼り合せる貼合せ手段と、支持体の両面方向に光をそれぞれ照射して光重合性組成物層を光重合させるように、前記光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設し、前記支持体の両面に光を照射した後に支持体を冷却する冷却手段と、光重合により得られた感圧性接着剤を支持体側に残すように冷却された剥離シートを剥離する剥離手段とを備えたことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の一方面に貼り合わせて塗布し、他方面に光重合性組成物層を直接に塗布し、これら支持体への両面塗布をほぼ同時に行なう塗布手段と、前記支持体に直接に塗布した前記光重合性組成物層の表面に剥離シートを貼り合せる貼合せ手段と、支持体の両面方向に光をそれぞれ照射して光重合性組成物層を光重合させるように、前記光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設し、支持体の両面に光を照射した後に支持体を冷却する冷却手段と、光重合により得られた感圧性接着剤を支持体側に残すように冷却された剥離シートを剥離する剥離手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0021】
(作用・効果)請求項6および請求項7に記載の発明によれば、塗布手段は、支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層をほぼ同時にそれぞれ塗布する。支持体の両面方向に光をそれぞれ照射するように、光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設することで、支持体の両面に塗布された各々の光重合性組成物層が、それぞれ光重合されて感圧性接着剤層となる。その結果、支持体の両面に光重合された感圧性接着剤が塗布された感圧性接着シートが得られる。これにより、従来のように支持体の面に光重合性組成物を塗布して光を照射した後、さらに支持体の他面に光重合性組成物を塗布して光を照射することなく、従来と比較して感圧性接着シートの製造工程を簡易にすることができる。
【0022】
さらに、請求項8の発明は、支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、前記塗布手段は、前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせることで支持体に光重合性組成物を塗布する塗布手段と、支持体の両面方向に光をそれぞれ照射して光重合性組成物層を光重合させるように、前記光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設し、支持体の両面に光を照射した後に支持体を冷却する冷却手段と、光重合により得られた感圧性接着剤を支持体側に残すように冷却された剥離シートを剥離する剥離手段とを備えたことを特徴とするものである。
この構成によれば、光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、支持体の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせることで支持体の両面にそれぞれ塗布された各々の光重合性組成物層は、光照射部から光がそれぞれ照射されることで、それぞれ光重合されて感圧性接着剤層となる。剥離手段が剥離シートを剥離することで、支持体の両面に光重合された感圧性接着剤が塗布された状態で、剥離シートのみが剥がれる。その結果、支持体の両面に光重合された感圧性接着剤が塗布された感圧性接着シートが得られる。
【0023】
さらに、請求項6〜8に記載の装置は、両面に剥離シートが貼り合わされた状態で光照射部から光が両面方向にそれぞれ照射された支持体を冷却する冷却手段を備え、冷却手段によって冷却された剥離シートを支持体から剥離手段が剥離する。
【0024】
上述した冷却手段を備えることで、両面に剥離シートが貼り合わされた状態で光照射部から光が両面方向にそれぞれ照射された支持体が冷却されるとともに、支持体に貼り合わされた剥離シートも冷却される。冷却されたこの剥離シートを支持体から剥離することで、剥離する際に重剥離化して支持体および剥離シートが剥がれない、また剥がれても支持体上にある感圧性粘着剤の表面が荒れる、巻き取り異常などの問題を解決することができる。
【0025】
すなわち、上記請求項6は請求項1を、請求項7は請求項2を、請求項8は請求項3に記載の発明方法を好適に実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
本実施例に係る感圧性接着シートの製造装置の概略構成について、図1を参照して説明する。図1は、本発明に係る感圧性接着シートの製造装置の一例の概略構成図である。図2は、図1に示した製造装置の照射室の平面図である。
【0027】
本実施例に係る感圧性接着シートの製造装置は、図1に示すように、シート状,テープ状あるいはフィルム状などの支持体(基材)1を繰り出し供給する支持体供給ロール2と、この支持体供給ロール2から繰り出された支持体1に光重合性組成物を所定の厚さに塗工(塗布)する塗工部3と、支持体1に塗工された光重合性組成物(光重合性組成物層4)に光を照射するための照射室5と、支持体1から後述する剥離フィルム6を剥離する剥離部7と、光重合性組成物層4が塗布された支持体1を乾燥する乾燥室8と、乾燥された支持体1を巻き取る支持体巻き取り部9とから構成されている。以下、各部の構成を詳細に説明する。
【0028】
支持体1は、例えば、ポリエステルフィルムなどのプラスチックフィルムや、不織布、織布、紙、金属箔などが用いられる。
【0029】
また、光重合性組成物は、モノマーまたはその一部重合物と光重合開始剤とを含有してなり、光照射により重合して感圧性接着剤となるものであり、アクリル系、ポリエステル系、エポキシ系などの光重合性組成物が用いられる。これらの中でも、アクリル系の光重合性組成物が特に好ましく用いられる。以下に本実施例で用いられる光重合性組成物の各成分について例示する。
【0030】
本実施例では、光重合性組成物として、アルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体とが用いられる。本実施例で用いられるアルキルアクリレート単量体とは、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするビニル系モノマーであり、具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、イソペンチル基、ヘキシル基、プチル基、オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、イソノニル基、デシル基、イソデシル基の如きアルキル基を有するアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル、あるいはそのアルキル基の一部をヒドロキシル基で置換したものなどアルキル基の炭素数が1〜14の範囲にあるものを、1種または2種以上を主成分に用いられる。
【0031】
また、極性基含有の共重合性単量体としては、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、2−アクリルアミドプロパンスルホン酸などの不飽和酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの水酸基含有単量体、カプロラクトン(メタ)アクリレートなどが用いられる。また、単量体に限らず、(メタ)アクリル酸ダイマーなどの2量体を用いても良い。
【0032】
アルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との使用割合は、前者が70〜99重量%、後者が30〜1重量%であり、特に好ましくは前者が80〜96重量%、後者が20〜4重量%である。このような範囲で使用することにより、接着性,凝集力などのバランスをうまくとることができる。
【0033】
本実施例で用いられる光重合開始剤としては、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾインエーテル類、アニソールメチルエーテルなどの置換ベンゾインエーテル類、2・2−ジエトキシアセトフェノン、2・2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノンなどの置換アセトフェノン類、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノンなどの置換−α−ケトール類、2−ナフタレンスルホニルクロリドなどの芳香族スルホニルクロリド類、1−フェニル−1・1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどの光活性オキシム類などが用いられる。このような光重合開始剤の使用量は、前述したアルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との合計100重量部当たり、通常0.1〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部が良い。この範囲より光重合開始剤の使用量が少ないと、重合速度が遅くなりモノマーが多く残存しやすくなり工業的に好ましくなく、逆に多いとポリマーの分子量が低下し接着剤の凝集力の低下をきたしやすく接着特性上好ましい特性が得られない。
【0034】
本実施例で用いられる架橋剤としては、多官能アクリレート単量体などが用いられ、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、1・2−エチレングリコールジアクリレート、1・6−ヘキサンジオールジアクリレート、1・12−ドデカンジオールジアクリレートなどの2官能以上のアルキルアクリレート単量体が用いられる。この多官能アクリレート単量体の使用量は、その官能基数などにより異なるが、一般には、前述したアルキルアクリレート単量体を主成分とする単量体と、極性基含有の共重合性単量体との合計100重量部当たり、0.01〜5重量部、より好ましくは0.1〜3重量部とするのが良い。このような範囲で多官能アクリレート単量体を用いると、良好な凝集力が保持される。
【0035】
また、上記多官能アクリレート以外にも、粘着剤の用途に応じて架橋剤を併用することもできる。併用する架橋剤としては、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アジリジン系架橋剤など、通常用いる架橋剤を使用することができる。なお、本発明では、必要に応じて粘着付着剤などの添加剤を用いることができる。
【0036】
図1に戻って、塗工部3は、支持体供給ロール2から繰り出された支持体1に光重合性組成物(光重合性組成物層4)を、その支持体1の幅方向に所定幅で、所定厚さとなるように支持体1の表面および裏面の両面に塗工するためのものである。この塗工部3は、例えば、支持体1の表面側にはコンマコータとして、剥離フィルム6を繰り出し供給する剥離フィルム供給ロール10と、この剥離フィルム供給ロール10から繰り出された剥離フィルム6に光重合性組成物を給液するための給液槽11と、給液槽11から給液された光重合性組成物を剥離フィルム6に塗布するコンマロール12と、光重合性組成物(光重合性組成物層4)が塗布された剥離フィルム6を支持体1の表面に搬送するためのバックアップロール13とを備えているとともに、支持体1の裏面側には(ファウンテン)ダイコータとして、表面側と同様に剥離フィルム6を繰り出し供給する剥離フィルム供給ロール10と、この剥離フィルム供給ロール10から繰り出された剥離フィルム6に光重合性組成物を塗布するためのリップコータ14と、光重合性組成物(光重合性組成物層4)が塗布された剥離フィルム6を支持体1の裏面に搬送するためのバックアップロール13とを備えている。さらに、塗工部3は、光重合性組成物層4を塗布した剥離フィルム6を、支持体1の両面にほぼ同時に貼り合わせるように、コーティングロール15を支持体1の表面および裏面の同じ箇所に備えている。
【0037】
光重合性組成物(光重合性組成物層4)が塗布された剥離フィルム6をコーティングロール15で支持体1の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせることで、支持体1の両面に光重合性組成物層4がそれぞれ塗布される。
【0038】
なお、塗工部3の構成は、上述したようなコンマコータやダイコータに限定されるものではなく、リバースコータやグラビアコータなどの他の塗工方式のものであっても良く、光重合性組成物の厚み調整の手法も各塗工方式に合わせて適宜に変更実施することが可能である。
【0039】
上述した剥離フィルム6は、特に限定しないが、シリコーン系で形成されている方が、剥離力が軽くなるので剥離し易い点において好ましい。なお、剥離フィルム6は、本発明における剥離シートに、塗工部3は、本発明における塗布手段にそれそれ相当する。
【0040】
照射室5は、支持体1の両面にそれぞれ塗工された光重合性組成物層4に光を照射するためのものである。この照射室5は、例えば支持体1の両面方向に向けて照射する2つの光照射部16と、各光照射部16内にそれぞれ配設される複数個の紫外線発生用ランプ17と、この光照射部16および紫外線発生用ランプ17が内部に配置される容器18とを備えている。紫外線発生用ランプ17は、両面に剥離フィルム6がそれぞれ貼り合わされた支持体1を上下に挟むようにそれぞれ並んで配設されている。支持体1の上方向に配設された一方の光照射部16における紫外線発生用ランプ17は支持体1の表面側にある光重合性組成物層4に光を照射し、支持体1の下方向に配設された他方の光照射部16における紫外線発生用ランプ17は支持体1の裏面側にある光重合性組成物層4に光を照射する。光照射部16は、本発明における光照射部に相当する。
【0041】
光照射部16に配設された紫外線発生用ランプ17は、図2(a)に示すように、各々が支持体1の幅方向に沿って平行になるように、並設されている。支持体1の裏面側に配設された紫外線発生用ランプ17についても、図2(a)に示すように、各々が並設されている。なお、紫外線発生用ランプ17の並設方向については、図2(a)に限定されず、例えば図2(b)に示すように、各々が支持体1の移動方向(a方向)に沿って平行になるように並設されていても良いし、支持体1の表面側にある紫外線発生用ランプ17は図2(a)に示すように、裏面側にある紫外線発生用ランプ17は図2(b)に示すように、それぞれが並設されていても良い。
【0042】
この照射部16の紫外線発生用ランプとしては、例えば、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどの高圧放電ランプ、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、捕虫用蛍光ランプなどの低圧放電ランプなどが好ましい。また、高圧放電ランプと低圧放電ランプとを組み合わせても使用することができる。光の照度については、0.1〜300mW/cm2、好ましくは1〜250mW/cm2、さらに好ましくは1〜20mW/cm2である。また、低圧放電ランプの方が、剥離フィルム6の剥離力が軽いので後述する冷却による剥離の安定性が高くなって剥離し易い点において好ましい。
【0043】
本実施例での重合時の光量は、感圧性接着剤の必要特性によって任意に設定して良いが、通常100〜5000mJ/cm2、好ましくは200〜4000mJ/cm2、さらに好ましくは200〜3000mJ/cm2である。
【0044】
図1に示すように、剥離部7は、支持体1の両面から剥離フィルム6をほぼ同時に剥離するように剥離ロール19を支持体1の表面および裏面の同じ箇所に備えているとともに、支持体1に貼り合わされた剥離フィルム6を表面および裏面の両面から冷却する冷却ノズル20と、この剥離ロール19および冷却ノズル20が内部に配置される断熱ボックス21とを備えている。さらに、剥離された各々の剥離フィルム6は、剥離フィルム巻き取りロール22によってそれぞれ巻き取られる。なお、上述した剥離部7は、本発明における剥離手段に、冷却ノズル20は、本発明における冷却手段にそれぞれ相当する。
【0045】
冷却ノズル20は、液体窒素により冷却された気体を噴出して、剥離フィルム6の表面および裏面の両面に向けて冷却するように、剥離フィルム6の表面側および裏面側にそれぞれ配設されている。
【0046】
なお、本発明における冷却手段は、上述した冷却ノズル20に限定されず、例えば、冷却水などの冷却用媒体を剥離ロール19に循環させ、剥離ロール19を冷却するとともに、冷却された剥離ロール19を介して、つまり冷却ロールを介して剥離フィルム6を冷却してもよい。
【0047】
なお、支持体1の移動速度(ライン速度)が高速になると、冷却の効果が小さくなるので、移動速度に応じて効率的に冷却できるように冷却手段を適宜選択する。
【0048】
冷却温度としては、剥離フィルム6の温度は30°C以下、好ましくは20°C以下、さらに好ましくは10°C以下である。冷却温度が低いほど、剥離の安定性が高くなる。
【0049】
また、冷却ノズル20を剥離部7内に設置し、断熱ボックス21で内部を覆ったが、剥離する前に冷却するならば、冷却ノズル20は、剥離部7外にあっても良い。ただし、効率良く冷却するためには、冷却ノズル20を剥離部7内に設置し、断熱ボックス21で内部を覆うほうが好ましい。
【0050】
剥離部7の剥離ロール19によって剥離された各々の剥離フィルム6は、剥離フィルム巻き取りロール22によってそれぞれ巻き取られる。この際、巻きズレを防ぐために巻き取り補正装置を配設するのが望ましい。剥離フィルム7が支持体1より剥離され、さらに巻き取られることで、支持体1の両面には、光重合性組成物層4から光照射によって光重合された感圧性接着剤が塗布された状態となる。
【0051】
剥離部7から支持体巻き取り部9までは、支持体1、および光重合性組成物層4から光照射によって光重合された感圧性接着剤のみの状態であるので、支持体1が、例えば不織布など強度の弱い場合には、引き取りテンションの調整も必要となる。テンション調整は、シリンダのエアー圧で行い、0.1〜10kgf/cm2、好ましくは1〜8kgf/cm2、さらに好ましくは2〜5kgf/cm2である。それよりも弱いと、剥離フィルム6を剥がすことができず、巻き取りを行うことができない。また、強すぎると、支持体1が破れてしまう。
【0052】
乾燥室8は、剥離後の支持体1、すなわち光重合性組成物層4が塗布された支持体1を乾燥するためのものである。この乾燥部8の温度は、支持体1や光重合性組成物層4などの使用材料により任意に設定されるが、通常、80°C〜150°Cに設定される。
【0053】
支持体巻き取り部9は、乾燥された支持体1に貼り合わせるための製品紙23を繰り出し供給する製品紙供給ロール24と、この製品紙供給ロール24から繰り出された製品紙23および乾燥された支持体1を貼り合わせる製品紙張り合わせロール25と、製品紙23が貼り合わされた支持体1を巻き取るための支持体巻き取りロール26とを備えている。
【0054】
次に上記のように構成された実施例装置により、感圧性接着シートを製造する製造工程について、以下に説明する。
【0055】
まず、支持体供給ロール2から支持体1を供給するとともに、支持体1の表面側および裏面側にそれぞれある剥離フィルム供給ロール10から剥離フィルム6をそれぞれ供給する。表面側において、コンマコータ(給液槽11,コンマロール12)は、支持体1の表面側に貼り合わされる剥離フィルム6に対して、光重合性組成物をその剥離フィルム6の所定の幅で、なおかつ、所定の厚さとなるように塗工する。このように光重合性組成物が塗工された剥離フィルム6は、移動方向(a方向)に移動されてコーティングロール15の方へ搬送される。一方、裏面側において、ダイコータ(リップコータ14)は、支持体1の裏面側に貼り合わされる剥離フィルム6に対して、光重合性組成物をその剥離フィルム6の所定の幅で、なおかつ、所定の厚さとなるように塗工する。このように光重合性組成物が塗工された剥離フィルム6は、同じく移動方向(a方向)に移動されてコーティングロール15の方へ搬送される。
【0056】
コーティングロール15は、光重合性組成物(光重合性組成物層4)が塗布された剥離フィルム6を支持体1の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせる。剥離フィルム6が両面に貼り合わされた支持体1は、移動方向(a方向)に移動されて照射室5の方へ搬送される。
【0057】
照射室5は、支持体1と支持体1の両面にそれぞれ貼り合わされた剥離フィルム6との間に塗工された光重合性組成物(光重合性組成物層4)に対して、光を照射する。このとき、照射室5内にそれぞれ配設される紫外線発生用ランプ17のうち、表面側にある紫外線発生用ランプ17は、支持体1の表面に向けて照射し、裏面側にある紫外線発生用ランプ17は、支持体1の裏面に向けて照射する。
【0058】
なお、照射室5による光の支持体1の光重合性組成物層4への照射は、光重合性組成物層4の重合率が少なくとも80%以上になるまで行われる。光重合性組成物層4の重合率が80%以上になっていることの検出は、例えば、製造しようとする製品の仕様に応じた光重合性組成物が支持体に塗工されたサンプルに対して、照射室5における照射光量などの各条件を適宜変更して照射実験を行い、この実験後のサンプルの重合率を測定することで、実験的に求めることができる。
【0059】
剥離部7内にある冷却ノズル20は、支持体1ごと剥離フィルム6を冷却する。表面側において、表面側にある冷却ノズル20は剥離フィルム6の表面に向けて、剥離フィルム6の表面を冷却するとともに、裏面側にある冷却ノズル20は剥離フィルム6の裏面に向けて、剥離フィルム6の裏面を冷却する。なお、その際、剥離フィルム6の温度が30°C以下になるように冷却する。
【0060】
このように剥離前に冷却することで、剥離する際に重剥離化して支持体および剥離フィルムが剥がれない、また剥がれても支持体上にある粘着剤の表面が荒れる、巻き取り異常などの問題を解決することができる。この冷却による効果について、具体例および比較例の比較で後述する。
【0061】
剥離部7内にある剥離ロール19は、冷却ノズル20による冷却後の支持体1に対して、その両面にそれぞれ貼り合わされている剥離フィルム6を支持体1より剥離し、剥離フィルム巻き取りロール22は、剥離フィルム6をそれぞれ巻き取る。これにより、支持体1の両面には、光重合性組成物層4から光照射によって光重合された感圧性接着剤が塗布された状態となる。
【0062】
乾燥室8は、光重合性組成物層4が塗布された支持体1を乾燥し、製品紙張り合わせロール25は、この乾燥された支持体1と製品紙供給ロール24から繰り出された製品紙23とを貼り合わせる。支持体巻き取りロール26は、製品紙23が貼り合わされた支持体1を巻き取る。このようにして感圧性接着シートが製造される。
【0063】
以下に、図1に示した装置を用いて得られた感圧性接着シートの具体例と、同じ装置を用いて、剥離フィルム6の冷却を行わないで得られた比較例とを示す。
【0064】
<具体例>
支持体1としては、厚さ50μmの不織布を用いた。また、剥離フィルム6には、シリコーン処理を行った厚み38μmのポリエチレンフィルムを用いた。
【0065】
光重合性組成物は次のようにして得た。アルキルアクリレート単体を主成分とする主単量体としての2エチルヘキシルアクリレート(2EHA)90重量部、極性基含有の共重合性単量体アクリル酸(AA)10重量部に、光重合開始剤として2・2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン0.05重畳部 を4つ口フラスコに投入し、窒素雰囲気下で紫外線に暴露することによって部分的に光重合したシロップを得た。この部分重合したシロップ100重量部に、架橋割としてトリメチロールプロパントリアクリレート0.3重量部を均一に混合し、光重合性組成物を得た。この光重合性組成物が支持体を含めて170μmになるように塗工部3にて塗工し、光照射としてはブラックライトを用い、剥離部7内の冷却ノズル20は液体窒素を通した窒素気体を吹き付け、剥離フィルム6の温度が30°C以下になるようにした。ここで、剥離された剥離フィルム6を取り出し、剥離フィルム6として再度用い、剥離の際に冷却を行う。このような作業を複数回繰り返し、具体例を得た。
【0066】
<比較例>
図1に示した装置を用い、冷却ノズル20による剥離フィルム6の冷却を行わないこと以外は、具体例と同様にして比較例を得た。
【0067】
上記具体例および比較例に係る各感圧性接着シートについて、剥離フィルム6の再使用回数をそれぞれ測定した。その結果を表1に示す。
【0068】
【表1】
【0069】
表1に示した測定結果から明らかなように、剥離前に冷却を行うと、6回以上使用して巻き取り不良は起こらず、剥離することができた。一方、冷却を行わない場合には、2回目から巻き取り不良が起こり、再使用することができなかった。
【0070】
以上のように、本実施例によれば、塗工部3は、支持体1の両面上に光重合性組成物層4をほぼ同時にそれぞれ塗布する。支持体1の両面方向に光を照射するように、光照射部16の紫外線発生用ランプ17を支持体1の両面方向に配設することで、支持体1の両面に塗布された各々の光重合性組成物層4が、それぞれ光重合されて感圧性接着剤層となる。その結果、支持体1の両面に光重合された感圧性接着剤が塗布された感圧性接着シートが得られる。これにより、従来のように支持体1の面に光重合性組成物を塗布して光を照射した後、さらに支持体1の他面に光重合性組成物を塗布して光を照射することなく、従来と比較して感圧性接着シートの製造工程を簡易にすることができる。
【0071】
さらに、冷却ノズル20を剥離部7内に備えて、剥離直前で支持体1ごと剥離フィルム6を冷却することで、剥離する際に重剥離化して支持体および剥離シートが剥がれない、また剥がれても支持体上にある感圧性粘着剤の表面が荒れる、巻き取り異常などの問題を解決することができる。また、これにより、上記表1の測定結果に示すように、剥離フィルムを再使用することができるという効果をも奏する。
【0072】
本発明は上述した実施例のものに限らず、次のように変形実施することもできる。
【0073】
上述した本実施例では、図1に示すような塗工で、支持体1に光重合性組成層4を塗布したが、下記のように塗布することができる。すなわち、本実施例に係る塗工部3に着目すると、図3にように表されるが、図4〜図6のように塗工部3を構成することができる。
【0074】
図4では、塗工前に支持体1を上方向に一度持ち上げて下方向に導く方向指示用ロール27を、支持体供給ロール2と塗工部3のコーティングロール15との間に設置する。このように構成することで、支持体1の表面からわずかに早く光重合性組成物層4が塗布された剥離フィルム6が貼り合わされ、それに続いて、支持体1の裏面に光重合性組成物層4が塗布された剥離フィルム6が貼り合わされる。図4のような変形例では、例えば支持体1が不織布などで構成される場合に、支持体1に対する光重合性組成物層4の含浸性を向上させることができる。
【0075】
図5では、支持体1の裏面に光重合性組成物層4を直接的に塗布するためのリップコータ14を、支持体供給ロール2と塗工部3のコーティングロール15との間に設置する。なお、本実施例のようにダイコータの一部としてリップコータ14を備えて、塗工部3においてリップコータ14を2つ設置しても良い。このように構成することで、支持体1の裏面に光重合性組成物層4が塗布された剥離フィルム6が貼り合わされる前に、支持体1の裏面にリップコータ14によって光重合性組成物層4が塗布されて、剥離フィルム6が貼り合わされる。図5の変形例でも図4と同様に、例えば支持体1が不織布などで構成される場合に、支持体1に対する光重合性組成物層4の含浸性を向上させることができる。
【0076】
図3〜図5では、剥離フィルム6を貼り合わせることで、支持体1に光重合性組成物層4を塗布したが、図6に示すように、支持体1の表面および裏面の両面にそれぞれリップコータ14を備え、支持体1の両面に各光重合性組成物層4をそれぞれ直接的に塗布しても良い。
【0077】
なお、塗工部3の構成は、本実施例の図3および変形例の図4〜図6の構成に限定されない。
【0078】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層がほぼ同時に塗布されて、その塗布された支持体の両面方向に光照射部から光がそれぞれ照射されるので、光が照射されることで光重合性組成物層が光重合された感圧性接着剤であって、その感圧性接着剤が支持体の両面に塗布された感圧性接着シートを得ることができる。その結果、従来のように支持体の面に光重合性組成物を塗布して光を照射した後、さらに支持体の他面に光重合性組成物を塗布して光を照射することなく、従来と比較して感圧性接着シートの製造工程を簡易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る感圧性粘着シートの製造装置の一例を示す概略構成図である。
【図2】製造装置の照射室の平面図であって、(a)は本実施例に関する平面図、(b)は変形例に関する平面図である。
【図3】本実施例に係る塗工部の概略構成図である。
【図4】変形例に係る塗工部の概略構成図である。
【図5】さらなる変形例に係る塗工部の概略構成図である。
【図6】さらなる変形例に係る塗工部の概略構成図である。
【図7】従来の感圧性粘着シートの製造装置を示す概略構成図であって、(a)は、1回目の塗工に関する構成図、(b)は2回目の塗工に関する構成図である。
【符号の説明】
1 …支持体
3 …塗工部
4 …光重合性組成物層
6 …剥離フィルム
7 …剥離部
16 …光照射部
20 …冷却ノズル
Claims (8)
- 支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法において、
前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、
前記支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層をほぼ同時にそれぞれ塗布するとともに、この光重合性組成物層の少なくともいずれかの面に剥離シートを貼り合せ、
前記光照射部から光を支持体の両面方向にそれぞれ照射して光重合を促進および完了させ、
その後に剥離シートを冷却してから前記感圧性接着剤を支持体側に残して剥離シートを剥離する
ことを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。 - 支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法において、
前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、
前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の一方面に貼り合わせて塗布し、他方面に光重合性組成物層を直接に塗布し、これら支持体への両面塗布をほぼ同時に行ない、
前記支持体に直接に塗布した前記光重合性組成物層の表面に剥離シートを貼り合せ、
支持体の両面に前記剥離シートが貼り合わされた状態で前記光照射部から光を支持体の両面方向にそれぞれ照射して光重合を促進および完了させ、
その後に剥離シートを冷却して前記感圧性接着剤を支持体側に残して剥離シートを剥離する
ことを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。 - 支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造方法において、
前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、
前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせることで支持体に光重合性組成物を塗布し、
支持体の両面に前記剥離シートが貼り合わされた状態で前記光照射部から光を支持体の両面方向にそれぞれ照射して光重合を促進および完了させ、
その後に剥離シートを冷却してから前記感圧性接着剤を支持体側に残して剥離シートを剥離する
ことを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。 - 請求項1から請求項3のいずれかに記載の感圧性接着シートの製造方法において、
剥離シートの温度が30°C以下になるように剥離シートを冷却することを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の感圧性接着シートの製造方法において、
前記剥離シートを支持体から剥離する過程で、剥離シートを支持体の両面からほぼ同時にそれぞれ剥離することを特徴とする感圧性接着シートの製造方法。 - 支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、
前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、
前記支持体の表面および裏面の両面上に光重合性組成物層をほぼ同時にそれぞれ塗布する塗布手段と、
前記塗布された光重合性組成物層の少なくともいずれかの面に剥離シートを貼り合せる貼合せ手段と、
支持体の両面方向に光をそれぞれ照射して光重合性組成物層を光重合させるように、前記光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設し、前記支持体の両面に光を照射した後に支持体を冷却する冷却手段と、
光重合により得られた感圧性接着剤を支持体側に残すように冷却された剥離シートを剥離する剥離手段と
を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。 - 支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、
前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、
前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の一方面に貼り合わせて塗布し、他方面に光重合性組成物層を直接に塗布し、これら支持体への両面塗布をほぼ同時に行なう塗布手段と、
前記支持体に直接に塗布した前記光重合性組成物層の表面に剥離シートを貼り合せる貼合せ手段と、
支持体の両面方向に光をそれぞれ照射して光重合性組成物層を光重合させるように、前記光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設し、支持体の両面に光を照射した後に支持体を冷却する冷却手段と、
光重合により得られた感圧性接着剤を支持体側に残すように冷却された剥離シートを剥離する剥離手段と
を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。 - 支持体に塗布された光重合性組成物層に光照射部からの光を照射することによって、その光重合性組成物層を光重合させて感圧性接着剤層を得る感圧性接着シートの製造装置において、
前記光重合性組成物は、アクリル系樹脂組成物であり、
前記塗布手段は、前記光重合性組成物層を塗布した剥離シートを、前記支持体の両面にほぼ同時にそれぞれ貼り合わせることで支持体に光重合性組成物を塗布する塗布手段と、
支持体の両面方向に光をそれぞれ照射して光重合性組成物層を光重合させるように、前記光照射部を支持体の両面方向にそれぞれ配設し、支持体の両面に光を照射した後に支持体を冷却する冷却手段と、
光重合により得られた感圧性接着剤を支持体側に残すように冷却された剥離シートを剥離する剥離手段と
を備えたことを特徴とする感圧性接着シートの製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001353200A JP4330300B2 (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001353200A JP4330300B2 (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003155457A JP2003155457A (ja) | 2003-05-30 |
JP4330300B2 true JP4330300B2 (ja) | 2009-09-16 |
Family
ID=19165261
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001353200A Expired - Fee Related JP4330300B2 (ja) | 2001-11-19 | 2001-11-19 | 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP4330300B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP5858469B2 (ja) * | 2011-01-28 | 2016-02-10 | サン・トックス株式会社 | 離型フィルム貼合両面粘着シート及びその製造方法 |
CN105017985B (zh) * | 2015-07-24 | 2017-06-16 | 南通康尔乐复合材料有限公司 | 复合装置 |
-
2001
- 2001-11-19 JP JP2001353200A patent/JP4330300B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003155457A (ja) | 2003-05-30 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US20110059281A1 (en) | Double-sided pressure-sensitive adhesive sheet | |
KR920001491B1 (ko) | 단일화된 압감 접착 테이프 | |
EP2436744B1 (en) | Pressure-sensitive adhesive sheet | |
WO2008069095A1 (ja) | 再剥離粘着シート | |
US20110014409A1 (en) | Pressure-sensitive adhesive sheet | |
US20100178431A1 (en) | Method and device for the solvent-free production of acrylate adhesive masses | |
JP3493731B2 (ja) | 両面粘着テープ及びその製造方法 | |
JPH06212130A (ja) | 多層発泡状感圧接着テープ及びその製造方法 | |
JP4646457B2 (ja) | 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 | |
JP4330300B2 (ja) | 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 | |
US20060093775A1 (en) | Process for coating web substrates with at least two adhesives, adhesive tape produced by the process, and its use | |
JP5884608B2 (ja) | 両面粘着テープの製造方法 | |
JP4020702B2 (ja) | 光反応生成物シートの製造方法およびその装置 | |
JP4197135B2 (ja) | 光反応性組成物シートの製造方法および製造装置 | |
JPH0625625A (ja) | 両面テープの製造方法 | |
JP3053693B2 (ja) | 両面テープの製造方法および製造装置 | |
JP2008297337A (ja) | 発泡樹脂粘着テープの製造方法および発泡樹脂粘着テープ | |
JP4467169B2 (ja) | 感圧性接着シートの製造方法およびその装置 | |
JP4187067B2 (ja) | 粘着シートの製造方法 | |
JP2002012838A (ja) | シャドウマスク保持用粘着フィルム | |
JPH09230580A (ja) | フォトマスク保護用粘着フィルムの製造方法 | |
JP3834709B2 (ja) | 粘着テープの製造方法及び製造装置 | |
JP2003145012A (ja) | 光反応生成物シートの製造方法およびその装置 | |
JP2001187870A (ja) | Uv硬化型感圧接着剤 | |
JPH10110139A (ja) | 粘着テープの製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060323 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060328 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060517 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060613 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060811 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060905 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061025 |
|
A911 | Transfer of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911 Effective date: 20061117 |
|
A912 | Removal of reconsideration by examiner before appeal (zenchi) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912 Effective date: 20070302 |
|
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20090616 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Ref document number: 4330300 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120626 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150626 Year of fee payment: 6 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |