JP3710979B2 - 基板処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば半導体ウエハや液晶ディスプレイ用のガラス基板などの基板に対して例えばレジスト液の塗布処理や現像処理などを行う基板処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造工程におけるフォトリソグラフィ−技術においては半導体ウエハ(以下ウエハという)の表面にレジストを塗布し、この塗布レジストを所定パタ−ンに露光処理し、更に現像処理して所定パタ−ンのレジスト膜が形成される。このような一連の処理は、塗布/現像装置に露光装置を接続したシステムにより行われる。
【0003】
図14はこのような装置の従来例を示す平面図であり、基板例えば半導体ウエハWを25枚収納したカセットCはカセットステ−ションA1のカセットステ−ジ1に搬入される。カセットステ−ションA1には処理ステ−ションA2が接続されており、更に処理ステーションA1にはインターフェイスステーションA3を介して図示しない露光装置が接続されている。
【0004】
前記カセットステージ1上のカセットC内のウエハWは、受け渡しアーム11により取り出されて棚ユニット12の受け渡し部を介して塗布ユニット13に送られ、ここでレジストが塗布される。その後ウエハWは、ウエハ搬送手段14→棚ユニット15の受け渡し部→インタ−フェイスステ−ションA3→露光装置の経路で搬送されて露光される。露光後のウエハWは、逆経路で処理ステ−ションA2に搬送され、塗布ユニット13の下段に設けられた図示しない現像ユニットにて現像された後、ウエハ搬送手段14→棚ユニット12の受け渡し部→カセットCの経路で搬送される。
【0005】
なお棚ユニット12,15,16の各棚は、加熱部、冷却部、前記ウエハWの受け渡し部、疎水化処理部等として構成されており、前記レジストの塗布の前や現像処理の前には、所定の温度でレジストの塗布等を行うために、前記棚ユニット12,15,16にて加熱処理と冷却処理とがこの順序で行われる。なお17は処理ステ−ションA2と露光装置との間でウエハWの受け渡しを行うための受け渡しア−ムである。
【0006】
また前記処理ステーションA2は、塗布ユニット13及び現像ユニットとからなる処理領域と、ウエハ搬送手段14が配置された搬送領域とが区画されており、処理領域はクリーンルームの雰囲気が取り込まれて、所定の温度及び湿度に調整された空気が送出され、いわば高精度調整雰囲気となっている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで本発明者は、レジストの膜厚や現像線幅は、図15のレジストの膜厚の温度依存性、図16の現像線幅の温度依存性に夫々示すように、処理温度に大きく依存し、処理温度が2℃異なるとレジストの膜厚や現像線幅がかなり変化してしまうことを見いだした。
【0008】
ここで上述の塗布・現像装置では、例えば棚ユニット12,15,16の疎水化処理部にて所定の処理を行った後、冷却部にて所定の温度に冷却してから塗布ユニット13にてレジストが塗布されるが、この際ウエハWは冷却部から塗布ユニット13まで、温度や湿度の調整を行っていない搬送領域内を通って搬送される。このため冷却部にてウエハWの温度を調整しても、その後の搬送の際に搬送領域の温度の影響を受け、結局レジスト塗布時のウエハWの温度が予定されているものとは異なってしまい、結果としてレジストの膜厚が変化し、膜厚の均一性が悪化してしまうおそれがある。
【0009】
これを防ぐためには、処理ステーションA2全体を、温度及び湿度の調整を行なう高精度調整雰囲気とすることも考えられるが、このように雰囲気調整を行う領域を広くすると、高コストになってしまうという問題がある。
【0010】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、基板の温度を高精度に調整した状態で塗布液の塗布処理を行うことにより、処理の均一性を向上させることができる基板処理装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
このための本発明の基板処理装置は、複数の基板を収納した基板カセットを載置する載置部と、この載置部に載置された基板カセットに対して基板の受け渡しを行う受け渡し手段と、を含むカセットステ−ションと、このカセットステ−ションに接続され、前記受け渡し手段により搬送された基板を処理する処理ステ−ションと、を有し、
前記処理ステ−ションは、
基板に対して処理液を塗布する塗布処理部と、
基板を冷却するための冷却部と、
前記塗布処理部で塗布された前記基板を加熱するための加熱処理部と、
前記塗布処理部と前記加熱処理部との間で基板を搬送すると共に、前記加熱処理部と冷却部との間で基板を搬送するための基板搬送手段と、
前記塗布処理部と前記冷却部との間で基板を搬送するための搬送手段と、を備え、
前記塗布処理部と前記冷却部とを縦に多段に積層して設けると共に、前記加熱処理部をこれら塗布処理部と冷却部とは別個に設け、前記塗布処理部と冷却部とに隣接して前記搬送手段専用の搬送領域を形成することを特徴とする。
【0012】
このような構成では、前記処理ステ−ションの塗布処理部と、基板を冷却するための冷却部との間の基板の搬送を、専用の搬送手段によって専用の搬送領域を介して行っているので、基板搬送手段の負荷の軽減を図ることができる。
【0013】
この際、前記搬送手段専用の搬送領域を、周囲から区画された閉じられた空間としてもよく、この場合には当該領域は、基板を加熱するための加熱部から分離されるので、加熱部からの熱影響を受けにくくなる。このため当該領域内の基板の搬送の際の基板の温度変化が抑えられ、温度変化が原因となる処理ムラの発生が防止できて、塗布処理の均一性の向上が図れる。ここで前記搬送手段専用の搬送領域の温度及び湿度の調整を行なうようにすると、当該領域内の基板の搬送の際の基板の温度変化がより一層抑えられ、さらに塗布処理の均一性の向上が図れる。
【0014】
また前記冷却部を、周囲から区画された閉じられた空間としてもよく、この場合には、当該冷却部は周囲からの温度影響を受けにくくなるので、温度調整が容易となる。さらに前記塗布処理部を、周囲から区画された閉じられた空間としてもよく、この場合には、塗布処理部と冷却部と搬送領域とが夫々閉じられた空間を有するので、これらの領域の雰囲気を別個に調整でき、これら各部の雰囲気が異なる処理を行うことができる。
【0015】
本発明は具体的には、処理ステ−ションのカセットステ−ションの反対側に接続され、処理ステ−ションと露光装置との間で基板の受け渡しを行うためのインタ−フェイスステ−ションと、を備え、前記塗布処理部は基板に対してレジスト液の塗布処理を行うものであるという構成であり、また処理ステ−ションのカセットステ−ションの反対側に接続され、処理ステ−ションと露光装置との間で基板の受け渡しを行うためのインタ−フェイスステ−ションと、を備え、前記塗布処理部は前記露光装置にて露光された基板に対して現像処理を行うものであるという構成である。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を基板の塗布、現像装置に適用した実施の形態について説明する。図1はこの実施の形態の内部を透視して示す概観図、図2は概略平面図であって、図中S1はカセットステ−ション、S2はウエハWに対してレジストの塗布処理や現像処理等を行うための処理ステ−ション、S3はインタ−フェイスステ−ション、S4は露光装置である。
【0017】
カセットステ−ションS1は、複数の基板例えば25枚のウエハWを収納した例えば4個の基板カセットをなすウエハカセット(以下「カセット」という)22を載置する載置部をなすカセットステ−ジ21と、カセットステ−ジ21上のカセット22と処理ステ−ションS2との間でウエハWの受け渡しを行なうための受け渡し手段をなす受け渡しア−ム23とを備えている。受け渡しアームは、昇降自在、X,Y方向に移動自在、鉛直軸まわりに回転自在に構成されている。
【0018】
また処理ステ−ションS2は、例えば2個の塗布ユニットC(C1,C2)と、例えば2個の現像ユニットD(D1,D2)と、例えば2個の棚ユニットR(R1,R2)と、例えば6個の冷却部3(3A,3B,3C,3D,3E,3F,3G)と、塗布ユニットC又は現像ユニットDと冷却部3との間でウエハWの搬送を行うための例えば2個の専用の搬送手段である搬送アームA(A1,A2)と、例えば1個の基板搬送手段MAと、を備えており、カセットステ−ションS1とインタ−フェイスステ−ションS3との間でウエハWの受け渡しを行うと共に、当該ステ−ションS2内ではウエハWにレジスト液を塗布する処理と、ウエハWの現像処理と、これらの処理の前後にウエハWを所定の温度に加熱し、冷却する処理とを行うように構成されている。
【0019】
このステ−ションS2内のレイアウトの一例について説明すると、当該ステ−ションS2内においてカセットステ−ションS1側から見て右側の領域には、例えば塗布ユニットCや現像ユニットD等の塗布処理部と,冷却部3と,搬送アームAと,搬送アームA専用の搬送領域Eと,を備えた例えば2個の処理ユニットU(U1,U2)がカセットステーションS1のカセットの配列方向と直交する方向に処理ユニットU1を手前側にして並んで設けられている。なお以降の説明では、カセットステーションS1側を手前側、露光装置S4側を奥側として述べることにする。
【0020】
またこれら処理ユニットUのカセットステーションS1側から見て左側には、手前側に棚ユニットR1、奥側に棚ユニットR2が夫々設けられている。そして処理ユニットUのカセットステーションS1側から見て左側には、処理ユニットUや棚ユニットRの各部にアクセスできるように基板搬送手段MAが配置されている。
【0021】
前記処理ユニットUについて説明すると、例えば処理ユニットU1には、図3に示すように、1個の現像ユニットD1と,1個の塗布ユニットC1と,3個の冷却部3A,3B,3Cとが上からこの順で配列されている。これらユニットの基板搬送手段MAから見て後方側(基板搬送手段MAがアクセスしようとする側の反対側)には、これらの間でウエハWの搬送を行うための搬送アームA1が設けられていて、ここに搬送アームA1専用の搬送領域E1が形成されている。
【0022】
前記塗布ユニットCについて例えば図4に基づいて説明すると、41はカップであり、このカップ41内に真空吸着機能を有する回転自在なスピンチャック42が設けられている。このスピンチャック42は昇降機構43により昇降自在に構成されており、カップ41の上方側に位置しているときに、前記基板搬送手段MAの後述するア−ム81との間でウエハWの受け渡しが行われる。
【0023】
このウエハWの受け渡しについては、ア−ム81上のウエハWをカップ41の上方側にてスピンチャック42がその下方側から相対的に上昇して受取り、またその逆の動作によってスピンチャック42側からア−ム81に受け渡される。44は吐出ノズル、45は処理液供給管、46はノズルを水平移動させる支持ア−ムであり、このような塗布ユニットCでは、スピンチャック42上のウエハWの表面に吐出ノズル44から処理液であるレジスト液を滴下し、スピンチャック42を回転させてレジスト液をウエハW上に伸展させ塗布する。
【0024】
また現像ユニットDは塗布ユニットCとほぼ同一の構成であるが、現像ユニットDは吐出ノズル44が例えばウエハWの直径方向に配列された多数の供給孔を備えるように構成され、スピンチャック42上のウエハWの表面に吐出ノズル44から処理液である現像液を吐出し、スピンチャック42を半回転させることによりウエハW上に現像液の液盛りが行われ、現像液の液膜が形成されるようになっている。
【0025】
前記冷却部3は、例えば図5に示すように、例えばサーモモジュールが内蔵された冷却プレ−ト31(図5参照)の表面にウエハWを載置することにより、当該ウエハWが所定温度まで冷却されるようになっている。この冷却プレート31には、当該プレート31に対してウエハWの受け渡しを行うための、昇降機構32により昇降される昇降ピン33が設けられている。
【0026】
前記搬送アームAは、例えば図5,図6に示すように、ウエハWを保持するためのア−ム51が基台52に沿って進退し、かつ基台52自体が一対のガイドレール54a,54bに沿って支持部材53a,53bを介して昇降自在に支持されるように構成されている。こうしてア−ム51は昇降自在、進退自在に構成され、塗布ユニットC1,現像ユニットD1,冷却部3A,3B,3Cに対して、基板搬送手段MAがアクセスする側とは反対側からアクセスし、これらの間でウエハWの受け渡しを行うようになっている。
【0027】
さらにこれら塗布ユニットC1,現像ユニットD1,冷却部3A,3B,3C,搬送アームA1の搬送領域E1は空間が閉じられている。つまり例えば図5(説明の便宜上、塗布ユニットC1と冷却部3Aとを積層し、塗布ユニットC1が処理ユニットU1の最上部に位置するように描いている),図7に示すように、塗布ユニットC1等の前方側(基板搬送手段MAと対向する側)や後方側、側方側及び、搬送アームA1の搬送領域E1が、壁部6により他の空間から区画されていると共に、塗布ユニットC1と現像ユニットD1との間のような各部の間も仕切り壁61により区画されている。こうしてこの例では塗布ユニットC1等の塗布処理部と冷却部3との間でウエハWの搬送を行う搬送アームA1の専用の搬送領域E1が、前記塗布処理部等の後方側にこれらに隣接して形成されることになる。
【0028】
前記壁部6の塗布ユニットC1等の各部の、基板搬送手段MAのアーム81に対応する位置と、搬送アームA1のアーム51に対応する位置には、夫々第1の受け渡し口62と第2の受け渡し口63(図9,図10参照)とが形成されており、これらは夫々常時蓋部64,65により閉じられていて、これら蓋部64,65は夫々制御部Cにより開閉のタイミングが制御されるようになっている。
【0029】
また壁部6及び仕切り壁61により区画された塗布ユニットC1等の各部や搬送アームA1の搬送領域E1には、不純物が除去され、所定の温度例えば23℃、及び所定湿度に調整された空気が送出されるようになっており、これによりこれらの領域はいわば高精度に調整された雰囲気になっている。
【0030】
つまり例えば区画された塗布ユニットC1等の塗布処理部や冷却部3、搬送アームA1の搬送領域E1には、例えば図5に示すようにファンとULPAフィルタが一体的に構成された、ファンフィルタ部をなすファンフィルタユニット(FFU)Fが夫々各部の上部側を覆うように設けられており、各部の下部側から回収される雰囲気が工場排気系に排気される一方、一部がフィルタ装置66へと導入され、このフィルタ装置66にて清浄化された空気が、前記ファンフィルタユニットFを介して各部内にダウンフロ−として吹き出されるようになっている。
【0031】
前記ファンフィルタユニットFは、さらに例えば空気を清浄化するためのフィルタ、空気中のアルカリ成分例えばアンモニア成分やアミンを除去するために酸成分が添加されている化学フィルタ、吸い込みファン等を備えている。また前記フィルタ装置66は、不純物を除去するための不純物除去部や、加熱機構及び加湿機構、空気を送出する送出部等を備えている。例えばレジスト液として化学増幅型のレジストを用いた場合には、現像処理雰囲気にアルカリ成分が入り込みことを防止する必要があるので、処理部を閉じた空間とし、化学フィルタを用いて外部からのアルカリ成分の侵入を防いでいる。
【0032】
なお化学増幅型のレジストは露光することにより酸が生成し、この酸が加熱処理により拡散して触媒として作用し、レジスト材料の主成分であるベ−ス樹脂を分解したり、分子構造を変えて現像液に対して可溶化するものである。従ってこの種のレジストを用いた場合、空気中に含まれている微量なアンモニアや壁の塗料などから発生するアミンなどのアルカリ成分がレジスト表面部の酸と接触すると酸による触媒反応が抑制され、パタ−ンの形状が劣化するためアルカリ成分を除去する必要がある。
【0033】
前記処理ユニットU2は処理ユニットU1と同様に構成され、現像ユニットD2と塗布ユニットC2と3個の冷却部3D,3E,3Fとが上からこの順で配列され、これらの基板搬送手段MAから見て後方側には、これらの間でウエハWの搬送を行うための、専用の搬送領域E2を有する搬送アームA2が設けられている。
前記棚ユニットR(R1,R2)は、図3に棚ユニットR1を代表して示すように、ウエハWを加熱するための加熱部71、ウエハ表面を疎水化するための疎水化部72、棚ユニットR1においてはカセットステーションS1の受け渡しアーム23と基板搬送手段MAとの間でウエハWの受け渡しを行うための、また棚ユニットR2においてはインターフェイスステーションS3の後述する受け渡しアーム9と基板搬送手段MAとの間でウエハWの受け渡しを行うための受け渡し台を備えた受け渡し部73と、棚ユニットR1においてはウエハWの位置合わせを行うためのアライメント部74とが縦に配列されている。
前記基板搬送手段MAは、例えば図8に示すように、ウエハWを保持し、他ユニットに受渡しをする為の3本のア−ム81と、このア−ム81を進退自在に支持する基台82と、この基台82を昇降自在に支持する一対の案内レ−ル83,84と、を備えており、これら案内レ−ル83,84を回転駆動部85により回転させることにより、進退自在、昇降自在、鉛直軸回りに回転自在に構成されている。
【0034】
こうして処理ステ−ションS2では、基板搬送手段MAによって各塗布ユニットCと各現像ユニットDと各冷却部3と、各棚ユニットRに対してウエハWの受け渡しが行なわれ、搬送アームA1によって専用の搬送領域E1を介して塗布ユニットC1と現像ユニットD1と冷却部3A,3B,3Cとに対してウエハWの受け渡しが行われ、搬送アームA2によって専用の搬送領域E2を介して塗布ユニットC2と現像ユニットD2と、冷却部3D,3E,3Fとに対してウエハWの受け渡しが行われる。
【0035】
処理ステ−ションS2の隣にはインタ−フェイスステ−ションS3が接続され、このインタ−フェイスステ−ションS3の奥側には、レジスト膜が形成されたウエハWに対して露光を行うための露光装置S4が接続されている。インタ−フェイスステ−ションS3は、処理ステ−ションS2と露光装置S4との間でウエハWの受け渡しを行うための受け渡しア−ム9を備えている。
【0036】
次に上述の実施の形態の作用について説明する。先ず自動搬送ロボット(あるいは作業者)により例えば25枚のウエハWを収納したカセット22がカセットステ−ジ21に搬入され、受け渡しア−ム23によりカセット22内からウエハWが取り出されて処理ステ−ションS2の棚ユニットR1内の受け渡し部73に置かれる。
【0037】
このウエハWは基板搬送手段MAにより棚ユニットRの疎水化部72に搬送され、ここでウエハ表面が疎水化された後、基板搬送手段MAにより処理ユニットUの冷却部3に搬送され、所定の温度例えば23℃まで冷却される。続いてウエハWは塗布ユニットCにて処理液であるレジスト液が塗布されるが、これらの工程について、図9,図10に示す処理ユニットU1の塗布ユニットC1と冷却部3Aとを例にして説明する。
【0038】
先ず図9(a)に示すように冷却部3Aの第1の受け渡し口62の蓋部64を開き、疎水化部のウエハWを基板搬送手段MAにより冷却プレート31上に受け渡した後、図9(b)に示すように第1の受け渡し口62の蓋部64を閉じて冷却部3A内を閉じた空間とし、ウエハWを所定温度例えば23℃まで冷却して温度調整を行う。次いで図9(c)に示すように第2の受け渡し口63の蓋部65を開いて搬送アームA1にウエハWを受け渡した後、第2の受け渡し口63の蓋部65を閉じて、図9(d)に示すように搬送アームA1によりウエハWを専用の搬送領域E1内を通って塗布ユニットC1の第2の受け渡し口63に対応する位置まで搬送する。
【0039】
続いて図10(a)に示すように塗布ユニットCの第2の受け渡し口63の蓋部65を開いて、搬送アームA1によりウエハWをスピンチャック42上に受け渡した後、図10(b)に示すように第2の受け渡し口63の蓋部65を閉じて、塗布ユニットC1内を閉じた空間としてウエハ表面にレジスト液を塗布する。次に図10(c)に示すように塗布ユニットC1の第1の受け渡し口62の蓋部64を開いて基板搬送手段MAにウエハWを受け渡し、基板搬送手段MAにより棚ユニットRの加熱部71に搬送する。
【0040】
加熱部71にて所定温度まで加熱されたウエハWは、基板搬送手段MAにより処理ユニットUの冷却部3に搬送されて所定温度まで冷却されて温度調整が行われ、続いてインタ−フェイスステ−ションS3の受け渡しア−ム9→露光装置S4の経路で搬送されて、露光が行われる。
【0041】
露光後のウエハWは逆の経路、つまり露光装置S4→受け渡しア−ム9→棚ユニットRの加熱部71→基板搬送手段MA→処理ユニットUの冷却部3→搬送アームA→現像ユニットDの経路で搬送される。こうしてウエハWは、加熱部→冷却部3により所定温度まで加熱された後、所定温度例えば23℃まで冷却されて温度調整が行われ、次いでウエハWは現像ユニットDにて現像処理される。ここで冷却部3→現像ユニットDの工程も上述の冷却部3→塗布ユニットCの工程と同様に、各部を閉じた空間として行われる。
【0042】
その後ウエハWは基板搬送手段MA→棚ユニットRの加熱部71→基板搬送手段MA→処理ユニットUの冷却部3→基板搬送手段MA→棚ユニットRの受け渡し部73→受け渡しア−ム23の経路で搬送され、一旦所定温度まで加熱された後、所定温度まで冷却されたウエハWは、受け渡し部73を介して例えば元のカセット22内に戻される。
【0043】
ここで処理ステ−ションS2では、ウエハWは順次棚ユニットRの受け渡し部73に送られ、続いて空いている疎水化部72→処理ユニットUの空いている冷却部3→空いている塗布ユニットC→棚ユニットRの空いている加熱部71→処理ユニットUの開いている冷却部3→インタ−フェイスステ−ションS3の経路で搬送され、また露光後のウエハWはインタ−フェイスステ−ションS3の受け渡しア−ム9→棚ユニットRの開いている加熱部71→処理ユニットUの開いている冷却部3→空いている現像ユニットD→棚ユニットRの空いている加熱部71→処理ユニットUの開いている冷却部3→受け渡し部73の経路で搬送されればよい。
【0044】
上述実施の形態では、塗布ユニットC等の処理部と冷却部3とを多段に重ね、両者を隣接して設けているので、これらの間でウエハWの搬送を行う専用の搬送アームAを設けることができ、またこれらに隣接した専用の搬送領域Eを形成することができる。
【0045】
こうして処理部と冷却部3との間でのウエハWの搬送を専用の搬送アームAにより行なうようにすると、処理ステーションS2内におけるウエハWの搬送を全て基板搬送手段MAが行っていた従来の場合に比べて、基板搬送手段MAの負担が軽減される。このためウエハWの待ち時間を作ることなく各部にアクセスでき、スル−プットの向上を図ることができる。
【0046】
また専用の搬送領域Eを備えているので、当該搬送領域Eを区画することができ、これにより当該領域Eは例えば棚ユニットRの加熱部71等の熱源からの影響を受けにくくなる。このため冷却部3→塗布ユニットCや冷却部3→現像ユニットDのウエハWの搬送の際、冷却部3において温度調整されたウエハWを高い温度精度を維持した状態で塗布ユニットCや現像ユニットDに搬送することができる。これにより所定の温度でレジストの塗布や現像を行うことができるので、温度変化が原因となる膜厚や現像線幅の変化が抑えられ、処理ムラの発生をおさえて均一な処理を行うことができる。
【0047】
また搬送アームAの搬送領域Eが区画されていることから、この領域Eの温度や湿度を高精度に調整できる。このため上述の例のように搬送領域Eの温度を23℃に設定しておけば、冷却部3において23℃に温度調整されたウエハWは、23℃の搬送領域を通過して塗布ユニットCに搬送されるので、当該搬送中に搬送領域Eの雰囲気の影響を受け、ウエハWの温度が変化することがない。従ってウエハWをより高い温度精度を維持した状態で塗布ユニットCや現像ユニットDに搬送することができ、より均一な塗布処理を行うことができる。
【0048】
ここで本実施の形態のように、複数の処理部と複数の冷却部3とを多段に重ね、これらの間のウエハWの搬送を1個の搬送アームAで行うようにすると、共通の搬送領域Eを介してウエハWの搬送が行われるので、搬送領域Eの専有面積が少なくて済むという利点がある。
【0049】
さらにまた本発明では、塗布ユニットC等の塗布処理部と、冷却部3と、ウエハWの搬送領域Eとが区画され、夫々閉じられた空間を有することから、これらの領域の温度や湿度を別個に高精度に調整できる。このため冷却部3や処理部が相互に温度影響を受けにくく、各部での温度調整が容易となり、雰囲気調整に要する時間を短縮できて、スループットを高めることができる。
【0050】
また本発明では、既述のように塗布ユニットC等の塗布処理部と、冷却部3と、ウエハWの搬送領域とが夫々閉じられた空間を有するので、これらの領域の雰囲気を別個に調整できる。つまり温度や湿度の設定や、パーティクル量の設定、圧力の設定等を各部の間で変えることができるので、各部の雰囲気が異なる処理にも適用できる。
【0051】
以上において上述の例では、処理ユニットU1,U2毎に専用の搬送アームA1,A2を用意したが、1つの搬送アームAにより全ての塗布処理部と冷却部3との間の搬送を行うようにしてもよい。また塗布処理部と冷却部3とのレイアウトや数は上述の例に限らず、例えば図11に示すように、塗布ユニットCと現像ユニットDとが冷却部3を挟んで上下にある構成としてもよいし、冷却部3は1個であってもよい。
【0052】
また図12に示すように塗布処理部と冷却部3とを縦に積層し、これらの横に隣接するように搬送アームAの搬送領域Eを形成してもよく、この場合基板搬送手段MAがアクセスする側と直交する側から塗布処理部等に対して搬送アームAがアクセスすることになる。さらに塗布処理部と冷却部3とを横に隣接して設け、これらの基板搬送手段MAのアクセスする側と反対側に隣接して搬送アームAの搬送領域Eを形成するようにしてもよい。
【0053】
さらにインターフェイスステーションS3へ搬送する前の冷却を行う冷却部3や現像処理後、カセットステーションS1に戻す前の冷却を行う冷却部3は棚ユニットRに設け、塗布ユニットCや現像ユニットDに搬送する前の冷却を行う冷却部3のみを塗布処理部に隣接して設けるようにしてもよい。
【0054】
さらにまた本発明では、塗布処理部と冷却部3との間でウエハWの搬送を行うための専用の搬送領域Eが閉じた空間であれば、冷却部3で温度調整されたウエハWの温度を維持した状態で塗布処理部に搬送できるので、必ずしも冷却部3や塗布処理部は閉じた空間としなくてもよいが、冷却部3が閉じた空間であれば、当該冷却部3におけるウエハWの温度調整が容易となり、さらに塗布処理部を閉じた空間とすれば、塗布処理部と冷却部3と搬送領域Eの雰囲気を別個に調整できるという利点がある。
【0055】
さらに本発明では、疎水化処理の代わりに、レジストを塗布する前にウエハWの表面に反射防止膜を形成するようにしてもよい。この場合にはウエハWは反射防止膜を形成する処理を行う前に所定の温度まで冷却されるので、例えば反射防止膜を形成するユニットを塗布処理部に追加し、冷却部3と反射防止膜形成ユニットとの間のウエハWの搬送を専用の搬送アームAを介して行うことが望ましい。なお反射防止膜を形成するのは、化学増幅型のレジストを用いると露光時にレジストの下側で反射が起こるので、これを防止するためである。さらにまた本発明は、基板としてはウエハに限らず、液晶ディスプレイ用のガラス基板であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
本発明によれば、塗布処理部と冷却部との間の基板の搬送を搬送手段により行うので、基板搬送手段の負担が軽減される。また本発明の他の発明によれば、基板の温度を高精度に維持した状態で塗布処理を行うことができ、処理の均一性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る塗布、現像装置を示す概観斜視図である。
【図2】前記塗布、現像装置を示す概略平面図である。
【図3】前記塗布、現像装置の棚ユニット及び処理ユニットの一例を示す側面図である。
【図4】前記塗布、現像装置の塗布ユニットの一例を示す断面図である。
【図5】前記処理ユニットの一部を示す断面図である。
【図6】搬送アームを示す断面図である。
【図7】前記処理ユニットを示す斜視図である。
【図8】基板搬送手段を示す斜視図である。
【図9】前記塗布、現像装置の作用を説明するための工程図である。
【図10】前記塗布、現像装置の作用を説明するための工程図である。
【図11】前記処理ユニットの他の例を示す概略平面図である。
【図12】前記処理ユニットのさらに他の例を示す概略平面図である。
【図13】前記処理ユニットのさらに他の例を示す概略平面図である。
【図14】従来の塗布、現像装置を示す概略平面図である。
【図15】膜厚の温度依存性を示す特性図である。
【図16】現像線幅の温度依存性を示す特性図である。
【符号の説明】
W 半導体ウエハ
S1 カセットステ−ション
S2 処理ステ−ション
S3 インタ−フェイスステ−ション
S4 露光装置
23 受け渡しア−ム
3 冷却部
C 塗布ユニット
D 現像ユニット
R 棚ユニット
MA 基板搬送手段
A 搬送アーム
E 搬送領域
Claims (7)
- 複数の基板を収納した基板カセットを載置する載置部と、この載置部に載置された基板カセットに対して基板の受け渡しを行う受け渡し手段と、を含むカセットステ−ションと、このカセットステ−ションに接続され、前記受け渡し手段により搬送された基板を処理する処理ステ−ションと、を有し、 前記処理ステ−ションは、
基板に対して処理液を塗布する塗布処理部と、
基板を冷却するための冷却部と、
前記塗布処理部で塗布された前記基板を加熱するための加熱処理部と、
前記塗布処理部と前記加熱処理部との間で基板を搬送すると共に、前記加熱処理部と冷却部との間で基板を搬送するための基板搬送手段と、
前記塗布処理部と前記冷却部との間で基板を搬送するための搬送手段と、を備え、
前記塗布処理部と前記冷却部とを縦に多段に積層して設けると共に、前記加熱処理部をこれら塗布処理部と冷却部とは別個に設け、前記塗布処理部と冷却部とに隣接して前記搬送手段専用の搬送領域を形成することを特徴とする基板処理装置。 - 前記搬送手段専用の搬送領域は周囲から区画されていて、閉じられた空間であることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 前記搬送手段専用の搬送領域は温度及び湿度の調整が行われていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 処理ステ−ションのカセットステ−ションの反対側に接続され、処理ステ−ションと露光装置との間で基板の受け渡しを行うためのインタ−フェイスステ−ションと、を備え、前記塗布処理部は基板に対してレジスト液の塗布処理を行うものであることを特徴とする1ないし3のいずれか一に記載の基板処理装置。
- 処理ステ−ションのカセットステ−ションの反対側に接続され、処理ステ−ションと露光装置との間で基板の受け渡しを行うためのインタ−フェイスステ−ションと、を備え、前記塗布処理部は前記露光装置にて露光された基板に対して現像処理を行うものであることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一に記載の基板処理装置。
- 前記塗布処理部と前記冷却部とは、夫々に基板を処理するための空間に向けて清浄化された空気を吹出すファンフィルタ部を備えていることを特徴とする請求項1記載の基板処理装置。
- 前記ファンフィルタ部は、前記空気の温度と湿度とを調整するための機構を備えていることを特徴とする請求項6記載の基板処理装置。
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