JP3710278B2 - 油吸着材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油や汚水等の漏洩や流出による海洋、河川、湖沼等の汚染、又は、工場内の油や汚水洩れ等を吸着回収、又は拭き取ることによって処理する不織布の提供に関し、汚染の浄化と環境整備に使用される油吸着材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種の油吸着が研究、開発されている。特に、特開平3−69648号公報には天然繊維に熱溶着繊維を特定割合で混合し、加熱後冷却してシート状に成形して、天然繊維の吸収性を活用する方法、特開昭46−61556号公報にはフィルムを解繊して幹繊維と枝繊維のフィブリル構造により吸収性を向上させる組成物が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、吸収量を増大するためには繊維集束体の繊維径を細くして繊維の嵩密度を下げる必要があるが、その反面、破れたりちぎれ易くなるため強度、使い易さは劣ることになる。
【0004】
例えば、海洋、河川、湖沼等に漏洩し水面に浮遊、懸濁したり、水辺に沈殿している油や汚水等の回収作業を強風下で行う場合等は、油吸着材がちぎれたり単繊維が飛び散ることが生じることもあり、油吸着後は特に繊維の膨張によって滑り易くなっているために、破れたりちぎれたりして回収が困難になる場合がある。
【0005】
一方、工場、事業所、家庭等で油や汚水等の回収作業のため油吸着材を使用する場合は、繊維が床面に付着したり、衣服に付着することもある。したがって、従来の技術では吸収性と強度及び使い易さすべてを均一に向上させるには至っていない。
【0006】
本発明の目的は、このような問題点を解決することにあり、十分な吸収量を有し、強度及び使い易さに優れた油吸着材を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は油吸着材であり、前述の技術的課題を解決するために以下のように構成されている。すなわち、本発明は中間層は平均繊維径が2μm〜10μmの親油性繊維から構成された嵩密度が0.03〜0.1g/cm3の極細繊維層からなり、少なくとも一方の表面は平均繊維径が15〜40μmの長繊維から構成された表面繊維層で覆われ、且つ間欠的な離れ離れの溶着部を形成するように溶着した積層シートであって、非溶着部の厚さが前記溶着部の厚さの20倍〜100倍であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明の別の態様では、前記中間層の一方の表面は、平均繊維径が15〜40μm長繊維から構成された表面繊維層で覆われ、他方の表面は熱可塑性樹脂からなるフィルムで覆われた前記積層シートであって、非溶着部の厚さが前記溶着部の厚さの20〜100倍であることを特徴とする。
【0009】
この油吸着材は、極細繊維の嵩密度が0.03〜0.10g/cm3なので、繊維同士の絡みが強くなり繊維の剥離が起こりにくくなる。また、平均繊維径が2〜10μmなので、繊維の間隙が狭く毛細管現象による吸収速度が高く、さらに積層による層間剥離強度が高くなる。
【0010】
前記吸着材の周辺部を、0.05〜10mmの幅で溶着することができる。周辺溶着部は連続であっても不連続であってもよい。周辺部を溶着することにより繊維くずの発生が少なくなる。
【0011】
前記吸着材の周辺部を除く主たる部分の前記溶着部の専有面積を、主たる部分の全面積に対して0.1〜5%とすることができる。これによって、繊維層がさらに剥離しにくくできる。
【0012】
前記吸着材の前記溶着部の面積を1.5〜40mm2とすることができる。この場合は、積層した吸着材の各層間の剥離強度が高い。
前記極細繊維層の目付量を50〜1000g/m2とし、前記繊維層の目付量を10〜40g/m2とすることができる。この場合は、極細繊維の厚さと油吸着材全体の厚さを適正に保ったまま、油吸着材を構成する不織布の強度を大きくして使用時に破れるのを防止でき、かつ不織布の柔軟性を損なうことがない。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る油吸着材の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0014】
まず、図1及び図2を参照して本発明に係る油吸着材1について説明する。この油吸着材1を構成する極細繊維層4は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ポリ4−メチルペンテン−1等の親油性を示す重合体からなる平均繊維径が2〜10μm、好ましくは2〜8μm特に好ましくは3〜5μmの熱可塑性極細繊維を使用し、これを油吸着材とした。
【0015】
ここで、平均繊維径を2〜10μmにする理由としては、平均繊維径が10μmを超えて太くなり過ぎると毛細管現象による吸収速度が低下する傾向が顕著になり、一方平均繊維径が2μmを下回って細くなり過ぎると吸収能力、油保持性は向上するが、繊維層が剥離し易くなり、破れたりはがれたりして強度、使い易さが劣るからである。
【0016】
また、極細繊維層4の嵩密度は、0.03〜0.10g/cm3が好ましく、0.04〜0.09g/cm3がより好ましい。これは嵩密度が0.03g/cm3より小さいと、繊維同士の絡みが弱くなって繊維層が剥離し易くなり、これにより取り扱いが困難になる。また、0.10g/cm3を超えて高くなると、油の吸着量が低下する傾向がみられ好ましくないからである。
【0017】
そして、この熱可塑性極細繊維をメルトブロー法で製造し、シート状極細繊維層4とし、とした。ここで、メルトブロー法とは、熱可塑性極細繊維を一定温度及び圧力で、規定の直径及び長さのオリフィスから押し出して、高温エアーで飛散させこれを捕集面で受けとめて、極細繊維を成形する方法である。
【0018】
極細繊維製造方法として、このメルトブロー法のほかに、トウ開繊法、分割繊維不織布製造法等が挙げられるが、メルトブロー法が繊維径の細化、均一化が容易に図られるため好ましい。
【0019】
次に、連続長繊維から構成された表面繊維層5は、ポリプロピレン、ポリエチレン、エチレン−ブテン共重合体、ポリ4−メチルペンテン−1などのポリオレフィン系の他、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリアミド系などの熱可塑性繊維からなる平均繊維径が15〜40μmの層であって、前記極細繊維層4の上下に積層されるものである。
【0020】
また、この繊維は2種以上の異なる樹脂からなるサイドバイサイド型やシースコア型の複合繊維でもよい。連続長繊維不織布の代表的な製法は、スパンボンド法で紡糸し、熱エンボス装置で部分的に熱融着することにより交絡させるものであるが、熱風や接着剤処理によってボンディングしたものでも良く、製法や交絡方法は特に限定されない。
【0021】
繊維径は、15〜40μmが好ましく、20〜30μmがより好ましい。この範囲にすることによって不織布の強度を維持して極細繊維層4に対する保護の効果が高くなるとともに、極細繊維層4の繊維くずや毛羽立ち(モケ)が出てくるのを防止するカバー効果が得られる。
【0022】
また、別の態様として他方の表面を覆うために用いる熱可塑性樹脂からなるフィルムは、その原料の樹脂として、ポリエチレン、ポリプロピン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−ブテン共重合体、ポリ4メチルペンテン−1、などのポリオレフィン系のほか、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステル系、ポリアミド系などが挙げられるが、融点が比較的低く溶着の容易なポリオレフィン系が好ましい。
【0023】
フィルムの厚さは、吸着した油を透過しないで、かつ積層シートの柔軟性を大きく損なわない点で10〜70μmの範囲が好ましく、より好ましくは20〜50μmの範囲である。このフィルムの形成法は特に限定されず、キャストフィルム成形法、インフレーションフィルム成形法など、一般的な方法でよい。この態様では、該シートを例えば連続的にまたは断続的に油が漏洩する箇所の床面にフィルム層を下にして敷いておくと、該シートに吸着した油が透過して床面にまで到達し、床面を汚染するのをフィルム層が防止し、清掃の手間が省かれる点で都合がよい。
【0024】
次に、この油吸着材1のシート面に設けた底部3の繊維層同士または繊維層とフィルムとを溶着した溶着部である凹部2は、(凹部2のない部分のシート厚さT2)/(凹部2の底部3のシート厚さT1)で規定される厚み比率が20以上で100以下となるようにした。すなわち、非溶着部の厚さが溶着部の厚さの20倍〜100倍となるようにした。
【0025】
ここで、厚み比率を20以上で100以下とした理由は、20より小さいと吸収速度と吸収能力が劣り、100を超えると油吸着材1の嵩密度が減少し、繊維層剥離や毛羽立ちが生じ易いからである。
【0026】
油吸着材周辺部9は、端面に沿って0.05〜10mmの幅で連続または不連続に溶着処理した。連続の場合は、図4に示すように溶着部の幅Wは0.05〜2mmが、より好ましい。この範囲であると、十分な溶着強さがあるため剥離し難く、また、溶着部が大き過ぎてフィルム状となって硬くなり、細部を拭き取る際に使いにくくなったり、フィルム状の繊維部が折れて外観を損ねるのを防止できる。また、不連続の場合、図1及び図2に示すように個々の溶着部10の大きさは、この溶着部10に外接する最小な四角形の短辺の長さが3mm以下であれば、任意の形状でよい。図3は溶着部10の例であり、同図(A)は溶着部10を端縁に対して斜めの直線状にした場合、同図(B)は端縁に対して直角な直線状にした場合、同図(C)は円形にした場合、同図(D)は四角形にした場合を示す。
【0027】
次に、油吸着材1は、周辺部9を除いた主たる部分での凹部2の占有面積率を0.1〜5%、好ましくは0.3〜1.0%とした。
ここで、凹部2の占有面積率を0.1〜5%とした理由は、繊維層5との剥離強度を維持しながら、油吸着材1の吸収面積の減少を少なくして一定の吸収量を保持させることである。
【0028】
そして、1つの凹部2の底部3の面積を1.5〜40mm2とした。この理由は、積層した吸着材の各層4、5間の剥離強度を維持し、凹部2の間隙が大きくなりすぎて外観が悪くなるのを防ぐことである。また、極細繊維層4の目付量は、油吸収量と取扱い容易性の点で50〜1000g/m2、好ましくは100〜700g/m2、より好ましくは150〜500g/m2とした。連続長繊維層5の目付量は、強度と柔軟性のバランスから10〜40g/m2とした。
【0029】
極細繊維層4と連続繊維層5とを積層し、一体化する手段としては、ニードルパンチ、パウダーボンディング、ステッチボンディング、超音波法、ヒートエンボス、ウォータジェット等が考えられ、また、各層4、5、6の繊維層同士または繊維層とフィルムとが溶着した凹部2を形成する方法として超音波法、ヒートエンボス法などが考えられるが、エンボスロールを用いた超音波法又はヒートエンボス法が、一体化と凹部2の形成を同時に行うことができるので、生産性の観点から優れている。
【0030】
周辺部9の連続な溶着部10は、繊維を構成する樹脂の融点以上に加熱することができるカッター刃や針金などを用いて裁断すると同時に溶着させる方法や、裁断用のエッジ部が併設された回転コマを有する超音波ミシンを用いて溶着と同時に裁断する方法などにより形成することができるが、十分な溶着強さと良好な外観が得られるとともに生産性の良い超音波ミシンによる方法が好ましい。
【0031】
また、周辺部9の不連続な溶着部10は、パターンロールを用いた超音波法又はヒートエンボス法で行うことができるが、周辺部9を除く主たる部分の凹部2の形成と溶着部10の溶着を同時に行うと生産性の観点から優れている。
【0032】
平均繊維系は、不織布シート表面の200ないし1000倍の電子顕微鏡写真を撮影し、任意に30点以上の繊維系をノギスを用いて測定し、平均値を求めた。嵩密度は、目付量と厚さから次式で求めた。
【0033】
嵩密度(g/cm3)=目付(g/cm3)/厚さ(mm)/1000
厚み測定は荷重7g/cm2で接触子が直径43.69mmのダイヤルゲージで測定した。その結果、5測定の平均値を示した。溶着部の厚さは、溶着部の断面の電子顕微鏡写真(倍率50倍)を撮影し、ノギスで測定した。
【0034】
(実施例1)
メルトフローレート800g/10minのポリプロピレンをメルトブロー法によって紡糸し、目付量260g/m2、平均繊維径3μmの極細繊維からなる不織布シートを作製した。この際のダイとコレクタースクリーンの間隙は80cmとし、不織布シートの嵩密度は0.05g/cm3であった。
【0035】
次に、目付量13g/m2、平均繊維径24μmのポリプロピレン製スパンボンド不織布(三井石油化学株式会社製登録商標シンテックスPK−102)をメルトブロー不織布の上下から積層し、個々の突起部が直径1.56mmの円形、かつピッチが20mmのエンボスロールによって凹部を複数形成した。このシートの主たる部分での凹部の占有面積率は0.8%であった。加工条件はエンボスロール温度130°C、ゲージ圧1.3kg/cm2、速度10m/minとした。
【0036】
さらに、前記積層シートを30cm角に切断し、個々の突起部が長辺5mm、短辺1mmの長方形で、隣接する突起部の間隙が2mmの突起部を円周方向に有する回転コマによって外周部4辺を超音波ミシンで処理し、5mm幅の不連続な溶着部を形成した。この積層材の物性を評価した結果を表1に示す。なお、表1には、次の実施例2〜4、比較例1〜4の評価結果も示す。
【0037】
【表1】
Figure 0003710278
【0038】
吸着量の測定方法は、10cm×10cmの試験片を20°C±1°CのB重油の油面に浮かべ5分間静置した後、これをふるい目の大きさが17mmのメッシュ状の直径1mmの針金で編んだ金網上に5分間静置し試験片の重量を測定する。試験片1gあたりの吸着量を算出した。その結果は3測定の平均値を示した。
【0039】
また、油の拭き取り性及び取り扱い性を、次のように評価した。すなわち、拭き取り性については、〇;拭き取った後の油や繊維くずの残りがほとんどない、×;拭き取った後の油や繊維くずの残りがある。また、取り扱い性については、〇;手になじみ拭き取り作業がし易く、手になじみ、狭いところも拭き取りやすい、×;手になじみ難く拭き取り作業に難があり、狭い所が拭き取りにくい。なお、評価には機械油を使用した。
【0040】
(実施例2)
個々の突起部が1mm×2mmの長方形で、ピッチが20mmであるエンボスロールを用いた以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。この吸着材の主たる部分での凹部の占有面積率は0.5%であった。
【0041】
(実施例3)
個々の突起部が直径4mmの円形で、ピッチが60mmであるエンボスロールを用いた以外は実施例1と同様にして、積層シートを作製した。この吸着材の主たる部分での凹部の占有面積率は0.5%であった。
【0042】
(実施例4)
メルトフローレート800g/10minのポリプロピレンを実施例1と同様のメルトブロー法によって紡糸し、目付量260g/m2、平均繊維径8μmの極細繊維からなるシートを作製した。この際のダイとコレクタースクリーンの間隙は80cmとし、シートの嵩密度は0.08g/cm3であった。これ以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。
【0043】
(実施例5)
実施例1において、メルトブロー不織布9の上下から積層するスパンボンド不織布のうち一方の層をポリプロピレン製キャストフィルム(厚さ25μm)に変更した以外は、同様にして積層シートを作成した。、
〈比較例1〉
メルトフローレート800g/10minのポロプロピレンを実施例1と同様のメルトブロー法によって紡糸し、目付量260g/m2、平均繊維径12μmの極細繊維からなるシートを作製した。この際のダイとコレクタースクリーンの間隙は40cmとし、シートの嵩密度は0.11g/cm3であった。これ以外は、実施例1と同様にして積層シートを作製した。
【0044】
〈比較例2〉
ダイとコレクタースクリーンの間隙を30cmとした以外は、実施例1と同様に紡糸して、目付量260g/m2、平均繊維径3μmの極細繊維からなるシートを作製した。シートの嵩密度は0.13g/cm3であった。これ以外は実施例1と同様にして積層シートを作製した。
【0045】
〈比較例3〉
実施例1と同様にして作製した極細繊維からなるシートを、他の不織布と積層することなしに、そのまま実施例1と同様のエンボスロールを用いて凹部を複数形成し、さらに実施例1と同様にして外周部に不連続な溶着部を形成した。
【0046】
〈比較例4〉
外周部4辺にヒートシール機を用いて5mm幅の連続な溶着部を形成した以外は実施例1と同様にした。
【0047】
上述のように、本発明の油吸着材1は、従来の油吸着材に比べて単位重量当たりの吸収量が多く、また、油保持性が高いので回収後の拡散量がなく作業性が向上するとともに、剥離性が少なく強度、使い易さに優れている。特に、油を吸収させた場合、A重油、B重油に対して優れた吸収性と保持性を示した。又、メルトブロー法とヒートエンボス法で製造でき、設備費が安価で生産速度が速く、生産効率に優れている。
【0048】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る油吸着材によれば、極細繊維の嵩密度が0.03〜0.10g/cm3なので、繊維同士の絡みが強くなって繊維層が剥離しにくくなるため、取り扱いが容易になる。また、極細繊維の平均繊維径が2〜10μmなので、毛細管現象による吸収速度が高く、さらに表面繊維層の平均繊維径が15〜40μmなので極細繊維層への保護の効果が得られるとともに、破れたり剥がれたりするのを防止できて使いやすくなる。
【0049】
また、極細繊維層の片方の表面を熱可塑性樹脂フィルムで覆えば、床面にフィルム層を下にして敷いた場合に吸着した油で床面が汚染されるのを防ぐことができる。
【0050】
吸着材の周辺部を、0.05〜10mmの幅で溶着した場合は、繊維くずの発生が少なくなるので使いやすくなると共に、周辺部が折れ曲がるのを防止しして外観を良好に保持できる。
【0051】
吸着材の周辺部を除く主たる部分の溶着部の専有面積を、0.1〜5%とした場合は、繊維層がさらに剥離しにくくなるので使いやすくできる。
吸着材の溶着部の面積を1.5〜40mm2とした場合は、積層したシートの各層間の剥離強度が高くなる。
【0052】
極細繊維層の目付量を50〜1000g/m2とし、表面繊維層の目付量を10〜40g/m2とした場合は、必要な吸収量を得ることができる極細繊維の厚さを維持したまま油吸着材の全体の厚みが増大しすぎるのを防止できるので、取り扱いが容易になると共に、不織布の強度を大きくして使用時に破れるのを防止でき、かつ不織布の柔軟性を損なわないので拭き取り時の取り扱いが容易になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る油吸着材の斜視図である。
【図2】本発明に係る油吸着材の断面図である。
【図3】本発明に係る油吸着材の周辺溶着部の形状を示す平面図である。
【図4】本発明に係る油吸着材の周辺溶着部(超音波ミシンによる)の断面図である。
【符号の説明】
1 油吸着材
2 凹部(溶着部)
4 極細繊維層
5 表面繊維層
6 表面繊維層またはフィルム層
9 周辺部
10 周辺溶着部

Claims (6)

  1. 中間層は平均繊維径が2〜10μmの親油性繊維から構成された嵩密度が0.03〜0.1g/cm3の極細繊維層からなり、少なくとも一方の表面は平均繊維径が15〜40μmの長繊維から構成された表面繊維層で覆われ、且つ間欠的な離れ離れの溶着部を形成するように溶着した積層シートであって、
    非溶着部の厚さが前記溶着部の厚さの20倍〜100倍であることを特徴とする油吸着材。
  2. 前記中間層の一方の表面は、平均繊維径が15〜40μmの長繊維から構成された表面繊維層で覆われ、他方の表面は熱可塑性樹脂からなるフィルムで覆われていることを特徴とする請求項1に記載の油吸着材。
  3. 前記シートの周辺部が、0.05〜10mmの幅で溶着されてなることを特徴とする請求項1または2に記載の油吸着材。
  4. 前記シートの周辺部を除く主たる部分の前記溶着部の専有面積が、0.1%〜5%であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の油吸着材。
  5. 前記シートの前記溶着部の面積が1.5〜40mm2であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の油吸着材。
  6. 前記極細繊維層の目付量が50〜1000g/m2で、前記表面繊維層の目付量が10〜40g/m2であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の油吸着材。
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