JP3709579B2 - エンジンの補機駆動装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジンの燃料噴射ポンプやバランサ軸等の各種補機にクランク軸の駆動力をギヤトレインを介して伝達する補機駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、ディーゼルエンジンのクランク軸の駆動力をアイドルギヤを介して補機である燃料噴射ポンプ(FIP)に伝達するようにした補機駆動装置として、特開平7−26980号公報に示されるように、上記燃料噴射ポンプ以外の補機であるバランサ軸及び真空ポンプの各ギヤを共に上記アイドルギヤに噛合させ、これら補機にも上記駆動力を伝達させるようにすることが知られている。
【0003】
このものでは、上記真空ポンプの回転軸がエンジンのシリンダブロックに支持されている場合に、上記アイドルギヤに内歯を設けておいて、その内歯をバランサギヤに、また外歯を真空ポンプギヤにそれぞれ噛合させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、補機がギヤケースに取り付けられる場合には、その補機の取付後にギヤケースをエンジン本体に取り付けることになるので、軸間のずれが出易い。したがって、そのような補機の取付精度を考慮すると、補機ギヤと該補機ギヤに噛合するギヤとの間のバックラッシュを拡げておく必要がある。
【0005】
しかしながら、上記燃料噴射ポンプは回転に伴う角速度変動が大きいために、そのFIPギヤに補機ギヤを噛合させるようにすると、大きなバックラッシュにより発生する騒音(歯打音)が助長されることになる。
【0006】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、クランク軸の駆動力をアイドルギヤを介して燃料噴射ポンプ等の角速度変動の大きい補機に伝達するようにした補機駆動装置において、上記従来例の考え方を押し進め、さらにギヤケースの利用に工夫を加えることで、各補機ギヤを1つのギヤに噛合させることができるようにし、騒音の問題を招くことなく、ギヤケース側に取り付けられる補機のギヤと該補機ギヤに噛合するエンジン本体側のギヤとの間のバックラッシュを拡げられるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、請求項1の発明では、エンジン本体側に取り付けられる第1補機の第1補機ギヤと、ギヤケース側に取り付けられる第2補機の第2補機ギヤとを共に1つのアイドルギヤに噛合させることで、上記第2補機ギヤ及び該第2補機ギヤに噛合するギヤ(アイドルギヤ)間のバックラッシュを拡げることができるようにした。
【0008】
具体的には、本発明では、エンジン本体に取り付けられたギヤケース内に、エンジンのクランク軸に回転一体に設けられたクランクギヤと、エンジン本体に回転可能に支持されかつ上記クランクギヤの駆動力が伝達されるアイドルギヤと、角速度が回転に伴って変動する燃料噴射ポンプに設けられかつ上記アイドルギヤを介してクランクギヤの駆動力が伝達されるFIPギヤとを備えたエンジンの補機駆動装置が前提である。
【0009】
そして、上記エンジン本体に取り付けられ、第1補機ギヤが設けられた第1補機と、上記ギヤケースに取り付けられ、第2補機ギヤが設けられた第2補機とを備えるようにする。その上で、上記第1及び第2補機ギヤをそれぞれ上記アイドルギヤに噛合させる。さらに、第1及び第2補機ギヤを、少なくとも一部がクランク軸の軸線方向一側からみて互いに重なるように配置する。さらに、第2補機ギヤは、第2補機の回転軸の端部に固定ボルトにより締結固定されるものとし、上記固定ボルトの頭部と第2補機ギヤの端面との間に、該第2補機ギヤの噛合しているアイドルギヤに共に噛合しかつ第2補機ギヤの端面に摺接可能なフリクションギヤを該固定ボルトにより第2補機ギヤの側に押さえられた状態で配設する。
【0010】
請求項2の発明では、上記請求項1の発明において、ギヤケースに取り付けられ、かつ第2補機ギヤに噛合する第3補機ギヤが設けられた第3補機を備えるようにする場合に、上記第3補機を、ギヤケースに対し第2補機とは反対側に配置する。
【0011】
【作用】
上記の構成により、請求項1の発明では、エンジンのクランク軸の駆動力がクランクギヤ及びアイドルギヤを介してFIPギヤに伝達されることで、燃料噴射ポンプは上記駆動力により駆動される。一方、第1及び第2補機では、第1及び第2補機ギヤが上記アイドルギヤに噛合していることからこれらギヤを介して上記駆動力が伝達され、上記燃料噴射ポンプの場合と同様に駆動される。
【0012】
このとき、上記燃料噴射ポンプの角速度が回転に伴って変動するのに対し、上記第2補機ギヤの角速度変動は少ない。したがって、ギヤケースに取り付けられている上記第2補機ギヤと、該第2補機ギヤに噛合するギヤ(アイドルギヤ)との間のバックラッシュを拡げることができるようになり、このバックラッシュにより、第2補機の取付精度に起因して生じる軸間のずれは吸収されることとなる。
【0013】
さらに、上記1及び第2補機ギヤは、少なくとも一部がクランク軸の軸線方向一側からみて重なるように配置されているので、多くの補機ギヤが互いに干渉することなくアイドルギヤに噛合できるようになり、よって、多くの補機が1つのアイドルギヤを介して駆動されるようにすることが可能となる。
【0014】
その上、上記第1補機ギヤは、フリクションギヤと共にアイドルギヤに噛合しているので、第1補機ギヤとアイドルギヤとの間のバックラッシュが大きいことに起因する騒音は低く抑えられる。
【0015】
このとき、上記フリクションギヤは、第1補機ギヤを第1補機の回転軸に締結固定している固定ボルトの頭部により第1補機ギヤの側に押さえられるので、固定ボルトの頭部との間に介装される従来の押え部材が不要である。よって、上記押え部材の分だけ固定ボルトの頭部の突出量が少なくできるので、第1及び第2補機ギヤをクランク軸の軸線方向一側からみて重ねるように配置する際に、該軸線方向の寸法が長くなるのを抑えられる。
【0016】
請求項2の発明では、上記第2補機ギヤに第3補機ギヤが噛合していて、クランクギヤの駆動力は該第2補機ギヤを介して第3補機ギヤにも伝達され、第2補機は上記駆動力により駆動される。このとき、上記第3補機はギヤケースに対し第2補機とは反対側に位置しているので、これら第2及び第3補機同士が互いに干渉することは回避される。よって、多くの補機をスペース効率よく駆動できるようにすることが可能となる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例に係るエンジンの補機駆動装置を図面に基づいて説明する。図2及び図3は、上記補機駆動装置の全体構成を車両フロント側からみた正面図である。
【0018】
上記エンジンは直列4気筒の縦置用ディーゼルエンジンであり、図示は省略するが、エンジン本体としてのシリンダブロック1の上側にはシリンダヘッドが、また下側にはオイルパンがそれぞれ該シリンダブロック1に接合されている。そして、上記シリンダブロック1のフロント側端面には、リヤ側に配置されたリヤケース2a(図3参照)と、このリヤケース2aのフロント側に配置されたフロントケース2b(図2参照)とが互いに接合されてなるギヤケース2が図外の複数本の固定ボルトにより取り付けられるようになっている。
【0019】
上記エンジンのクランク軸1aは気筒列の方向(図2及び図3の前後方向)に延びており、図3に示すように、該クランク軸1aの車両右側(同図の左側)には、第1補機としての右バランサ軸21が、また車両左側(同図の右側)には左バランサ軸24が配置されていて、各バランサ軸21,24はクランク軸1aと平行に配置された状態で軸心回りに回転可能にシリンダブロック1に支持されている。
【0020】
上記ギヤケース2の車両右側の上部には、燃料噴射ポンプ20(FIP)が取り付けられている。すなわち、上記リヤケース2aには、図3に破線で示すように、燃料噴射ポンプ20を差し込むための取付孔40が設けられており、この取付孔40の開口縁には取付プレート部40aが、また該取付プレート部40aのリヤ側の2箇所にはボルト穴40b,40bがそれぞれ設けられている。そして、図示は省略するが、上記燃料噴射ポンプ20には、各々、ボルト挿通孔を有しかつ上記取付プレート部40aに接合可能な1対の取付片が差込端の側に設けられており、上記取付孔40にリヤ側から差し込まれた状態で2本の固定ボルトにて固定されるようになっている。
【0021】
さらに、図2に示すように、フロントケース2bの上記取付孔40と対面する位置には貫通孔50が設けられていて、上記燃料噴射ポンプ20のポンプ軸20aの先端部及び後述するFIPギヤ20bのボス部が共に上記貫通孔50をフロント側に向けて貫通突出していて、その突出端に駆動プーリ6が回転一体に連結されている。この駆動プーリ6は、図示は省略するが、上記シリンダヘッドにおける吸排弁駆動用のカム軸を回転駆動するために用いられていて、上記カム軸に回転一体に連結された被駆動プーリとの間にタイミングベルトが巻き掛けられている。
【0022】
上記ギヤケース2の車両右側下部には、第2補機としての真空ポンプ22と、パワーステアリング装置用である第3補機としての油圧ポンプ23とがそれぞれ取り付けられている。
【0023】
上記真空ポンプ22は、図1に示すように、ギヤケース2のシリンダブロック1と反対側の位置(フロント側の位置)に配置されている。すなわち、上記フロントケース2bには、図2に示すように、真空ポンプ22を差し込むための取付孔42が設けられており、この取付孔42の開口縁には取付プレート部42aが、また該取付プレート部42aのリヤ側の2箇所にはボルト穴42b,42bがそれぞれ設けられている。そして、図示は省略するが、上記真空ポンプ22には、各々、ボルト挿通孔を有しかつ上記取付プレート部42aに接合可能な1対の取付片が差込端の側に設けられており、上記取付孔42にフロント側から差し込まれた状態で2本の固定ボルトにより固定されるようになっている。
【0024】
一方、上記油圧ポンプ23は、図1に示すように、ギヤケース2のシリンダブロック1側の位置(リヤ側の位置)に配置されており、その油圧ポンプギヤ23bは真空ポンプギヤ22bに噛合するように配置されている。すなわち、上記リヤケース2aには、図3に示すように、油圧ポンプ23を差し込むための取付孔43が設けられており、この取付孔43の開口縁の2箇所にボルト孔43a,43aが、またこれらボルト孔43a,43aに対応するフロントケース2bの2箇所にボルト孔43b,43bがそれぞれ設けられている。そして、図示は省略するが、上記油圧ポンプ23には、各々、ボルト挿通孔を有しかつリヤケース2aのリヤ面に接合可能な1対の取付片が差込端の側に設けられており、上記取付孔43にリヤ側から差し込まれた状態で2本の固定ボルトにてリヤケース2a及びフロントケース2bと共締めの状態で固定するようになされている。
【0025】
次に、上記各補機をクランク軸1aにより駆動するギヤケース2内のギヤトレインについて説明する。
【0026】
上記クランク軸1aには、クランクギヤ1bが回転一体に連結されている。一方、上記燃料噴射ポンプ20のポンプ軸20aには、上記FIPギヤ20bが回転一体に連結されている。このFIPギヤ20bの歯数はクランクギヤ1bの場合の2倍とされ、このことで、上記ポンプ軸20aをクランク軸1aの1/2の速度で回転駆動するようになされている。
【0027】
上記クランクギヤ1b及びFIPギヤ20b間には、クランクギヤ1bに噛合する第1アイドルギヤ11と、この第1アイドルギヤ11に噛合するアイドルギヤとしての第2アイドルギヤ12とが配置されており、上記FIPギヤ20bは第2アイドルギヤ12に噛合する位置に配置されている。上記第1及び第2アイドルギヤ11,12は、各々、固定ボルト14にてシリンダブロック1に固定された軸部15に外嵌合状態で回転可能に支持されている。
【0028】
また、上記右バランサ軸21の軸部21aには、第1補機ギヤとしての右バランサギヤ21bが回転一体に連結されている。一方、上記真空ポンプ22のポンプ軸22aには、第2補機ギヤとしての上記真空ポンプギヤ22bが回転一体に連結されている。これら右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bは、一部がクランク軸1aの軸線方向一側からみて重なる状態でそれぞれ上記第2アイドルギヤ12に噛合するように配置されている。その際に、上記右バランサギヤ21bは第2アイドルギヤ12のリヤ側部分に、また上記真空ポンプギヤ22bはフロント側部分にそれぞれ噛合するようになされている。上記右バランサギヤ21bの歯数はクランクギヤ1bの場合の1/2とされ、これらのことで、右バランサ軸21aをクランク軸1aの2倍の速度でかつ該クランク軸1aの回転方向とは逆方向に回転駆動するようになされている。
【0029】
さらに、上記油圧ポンプ23の回転軸23aには、第3補機ギヤとしての上記油圧ポンプギヤ23bが回転一体に連結されている。そして、この油圧ポンプギヤ23bは上記真空ポンプギヤ22bに噛合する位置に配置されている。
【0030】
一方、上記ギヤケース2内の車両左側には、上記クランクギヤ1bに噛合する第3アイドルギヤ13と、上記左バランサ軸24の軸部24aに回転一体に連結されていて、上記第3アイドルギヤ13に噛合する左バランサギヤ24bとが配置されている。この左バランサギヤ24bの歯数は上記右バランサギヤ21bの場合と同じである。上記第3アイドルギヤ13は、上記第1及び第2アイドルギヤ11,12の場合と同じく固定ボルト14にてシリンダブロック1に固定された軸部15に外嵌合した状態で回転可能に支持されている。これらにより、左バランサ軸24をクランク軸1aの2倍の速度でかつ該クランク軸1aの回転方向と同じ方向に回転駆動するようになされている。
【0031】
尚、上記第2アイドルギヤ12の軸部15及び右バランサ軸21の軸部21aは、図3に示すように、リヤケース2aの車両右側に設けられた右開口部7において、また上記第3アイドルギヤ13の軸部15及び左バランサ軸24の軸部24aは左開口部8においてそれぞれギヤケース2内に臨んでいる。さらに、上記クランクギヤ1bの下方には、図外のオイルポンプのオイルポンプ軸25aに回転一体に連結されていて、クランクギヤ1bに噛合するオイルポンプギヤ25bが配置されている。
【0032】
ここで、上記クランクギヤ1b、FIPギヤ20b及び左右のバランサギヤ21b,25bに配設されているフリクションギヤについて説明する。
【0033】
上記クランクギヤ1bのフロント側には、該クランクギヤ1bよりも歯数の1つだけ少ないフリクションギヤ16が配置されている。このフリクションギヤ16は、図4に示すように、上記第1アイドルギヤ11に噛合した状態でバッフルプレート17及びスプリング18にてクランクギヤ1bの端面に押圧されている。尚、このフリクションギヤ16は第3アイドルギヤ13には噛合しないようになされている。
【0034】
上記FIPギヤ20bのフロント側には、該FIPギヤ20bよりも歯数の1つだけ多いフリクションギヤ3が配置されている。このフリクションギヤ3は、FIPギヤ20bのボス部に回転一体に周設された押え部4によりスプリング5を介して該FIPギヤ20b本体の端面に押圧されている。
【0035】
上記各バランサギヤ21b,24bのフロント側には、該各バランサギヤ21b,24bよりも歯数の1つだけ多いフリクションギヤ31が配置されており、このフリクションギヤ31は上記第2又は第3アイドルギヤ12,13に噛合した状態で各バランサギヤ21b,24bの端面に押圧されている。詳しく説明すると、図1及び図4に示すように、上記各バランサギヤ21b,24bは、各々の軸部21a,24aの端部に螺着した固定ボルト32によりそれぞれ該軸部21a,24aに締結固定されている。その際に、上記固定ボルト32の頭部に段部32aが周設されていて、この段部32aによりスプリングワッシャ33を介して各フリクションギヤ31がバランサギヤ21b,24bの側に押さえられるようになっている。
【0036】
したがって、本実施例においては、エンジンのクランク軸1aの駆動力がクランクギヤ1b、第1及び第2アイドルギヤ11,12を介してFIPギヤ20bに伝達されることで、燃料噴射ポンプ20は上記駆動力により駆動される。一方、右バランサ軸21及び真空ポンプ22では、右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bが上記第2アイドルギヤ12に噛合していることからこれらギヤ1b,11,12,21b,22bを介して上記駆動力が伝達され、上記燃料噴射ポンプ20の場合と同様に駆動される。
【0037】
このとき、上記右バランサ軸21はギヤケース2のリヤ側に位置し、一方、上記真空ポンプ22はギヤケース2のフロント側に位置しているので、クランク軸1aの軸線方向と直交する方向においてこれら右バランサ軸21及び真空ポンプ22が互いに干渉することは回避される。よって、内歯を有する従来のアイドルギヤを用いることなく、右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bを第2アイドルギヤ12に噛合させることができる。
【0038】
そして、上記燃料噴射ポンプ20の角速度が回転に伴って変動するのに対し、上記真空ポンプギヤ22bの角速度変動は少ない。したがって、上記真空ポンプギヤ22bと該真空ポンプギヤ22bに噛合するギヤ(第2アイドルギヤ12)との間のバックラッシュを拡げることができるようになり、このバックラッシュにより、シリンダブロック1ではなくギヤケース2に取り付けられている真空ポンプ22の取付精度に起因する軸間のずれは吸収されることとなる。
【0039】
また、上記右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bは、クランク軸1aの軸線方向一側からみて重なるように配置されているので、多くの補機ギヤが互いに干渉することなくアイドルギヤに噛合できるようになり、よって、多くの補機が第2アイドルギヤ12を介して駆動されるようにすることが可能となる。
【0040】
さらに、上記真空ポンプギヤ22bに油圧ポンプギヤ23bが噛合していて、クランク軸1aの駆動力は該真空ポンプギヤ22bを介して油圧ポンプギヤ23bにも伝達され、油圧ポンプ23は上記駆動力により駆動される。このとき、上記油圧ポンプ23は上記真空ポンプ22とはギヤケース2の反対側であるリヤ側に位置しているので、これら油圧ポンプ23及び真空ポンプ22同士が互いに干渉するのを回避することができる。よって、多くの補機を効率よく駆動することができるようになる。
【0041】
また、上記右バランサギヤ21bは、フリクションギヤ31と共に第2アイドルギヤ12に噛合しているので、これら右バランサギヤ21b及び第2アイドルギヤ12間のバックラッシュに起因する騒音は低く抑えられる。
【0042】
このとき、上記フリクションギヤ31は、右バランサギヤ21bを右バランサ軸21の軸部21aに連結している固定ボルト32頭部の段部32aにより右バランサギヤ21bの側に押さえられているので、固定ボルト32の頭部との間に介装される従来の押え部材が不要である。よって、上記押え部材の分だけ固定ボルト32の頭部の突出量が少なくできるので、右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bをクランク軸1aの軸線方向一側からみて重なるように配置する際に、該軸線方向の寸法が長くなるのを抑えることができる。
【0043】
尚、上記実施例では、右バランサ軸21により第1補機を、また真空ポンプ22により第2補機を、また油圧ポンプ23により第3補機をそれぞれ構成しているが、エンジン本体及びギヤケースの何れに取り付けられたものであるかの点を除き、補機の種類としては特に限定されるものではない。
【0044】
また、上記実施例では、クランクギヤ1b及びFIPギヤ20b間に2つのアイドルギヤ11,12が配置されていて、第2アイドルギヤ12に右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bを噛合させるようにしているが、アイドルギヤの数や、アイドルギヤが複数である場合にどのアイドルギヤに噛合させるかについては、特に限定するものではない。
【0045】
さらに、上記実施例では、クランクギヤ1b及びFIPギヤ20b間のアイドルギヤ12に右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bを噛合させているが、クランクギヤから第1補機ギヤに至るアイドルギヤ以外の補機ギヤ等の中間ギヤの1つに噛合させるようにしてもよい。その場合でも、上記右バランサギヤ21b及び真空ポンプギヤ22bをクランク軸1aの軸線方向に重なるように配置することができる。
【0046】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、エンジン本体に取り付けられたギヤケース内に、エンジンのクランク軸に回転一体に設けられたクランクギヤと、エンジン本体に回転可能に支持されかつ上記クランクギヤの駆動力が伝達されるアイドルギヤと、角速度が回転に伴って変動する燃料噴射ポンプに設けられかつ上記アイドルギヤを介してクランクギヤの駆動力が伝達されるFIPギヤとを備えたエンジンの補機駆動装置において、上記エンジン本体に取り付けられる第1補機の第1補機ギヤと、ギヤケースに取り付けられる第2補機の第2補機ギヤとを、上記アイドルギヤに噛合させるようにしたので、第2補機のギヤと該第2補機ギヤに噛合するギヤとの間のバックラッシュを拡げて第2補機の取付精度による軸間のずれを吸収することができる。
【0047】
さらに、上記第1及び第2補機ギヤを、少なくとも一部がクランク軸の軸線方向一側からみて重なるように配置することとしたので、多くの補機ギヤを互いに干渉することなくアイドルギヤに噛合させることができ、多くの補機を1つのアイドルギヤを介して効率よく駆動することができる。
【0048】
しかも、上記第1補機ギヤを、第1補機の回転軸の端部に固定ボルトにより締結固定されるものとし、上記固定ボルトの頭部と第1補機ギヤの端面との間に、該第1補機ギヤの噛合しているアイドルギヤに共に噛合しかつ第1補機ギヤの端面に摺接可能なフリクションギヤを該固定ボルトにより第1補機ギヤの側に押さえられた状態で配設するようにしたので、上記固定ボルトの頭部との間に介装される従来の押え部材を不要とすることができる結果、第1及び第2補機ギヤをクランク軸の軸線方向一側からみて重なるように配置する際に、上記押え部材の分だけ固定ボルトの頭部の突出量を少なくして該軸線方向の寸法が長くなるのを抑えることができる。
【0049】
請求項2の発明によれば、上記ギヤケースに第3補機を取り付ける場合に、上記第3補機をギヤケースに対し第2補機とは反対側に配置し、その第3補機ギヤを第2補機ギヤに噛合させるように配置したので、多くの補機をスペース効率よく駆動することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図2のI−I線断面図である。
【図2】 本発明の実施例に係る補機駆動装置の全体構成を示す正面図である。
【図3】 フロントケースが取り外された状態の補機駆動装置を示す正面図である。
【図4】 図2のIV−IV線断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック(エンジン本体)
1a クランク軸
1b クランクギヤ
2 ギヤケース
12 第2アイドルギヤ(アイドルギヤ)
20 燃料噴射ポンプ
20b FIPギヤ
21 右バランサ軸(第1補機)
21b 右バランサギヤ(第1補機ギヤ)
22 真空ポンプ(第2補機)
22b 真空ポンプギヤ(第2補機ギヤ)
23 油圧ポンプ(第3補機)
23b 油圧ポンプギヤ(第3補機ギヤ)
31 フリクションギヤ
32 固定ボルト
32a 段部(頭部)
Claims (2)
- エンジン本体に取り付けられたギヤケース内に、エンジンのクランク軸に回転一体に設けられたクランクギヤと、エンジン本体に回転可能に支持されかつ上記クランクギヤの駆動力が伝達されるアイドルギヤと、角速度が回転に伴って変動する燃料噴射ポンプに設けられかつ上記アイドルギヤを介してクランクギヤの駆動力が伝達されるFIPギヤとを備えたエンジンの補機駆動装置において、
上記エンジン本体に取り付けられ、第1補機ギヤが設けられた第1補機と、
上記ギヤケースに取り付けられ、第2補機ギヤが設けられた第2補機とを備え、
上記第1及び第2補機ギヤはそれぞれ上記アイドルギヤに噛合され、
上記第1及び第2補機ギヤは、少なくとも一部がクランク軸の軸線方向一側からみて互重なるように配置され、
上記第1補機ギヤは上記第1補機の回転軸の端部に固定ボルトにより締結固定され、
上記固定ボルトの頭部と第1補機ギヤの端面との間に、該第1補機ギヤの噛合している上記アイドルギヤに共に噛合しかつ第1補機ギヤの端面に摺接可能なフリクションギヤが該固定ボルトにより第1補機ギヤの側に押さえられた状態に配設されている
ことを特徴とするエンジンの補機駆動装置。 - 請求項1記載のエンジンの補機駆動装置において、
ギヤケースに取り付けられ、かつ第2補機ギヤに噛合する第3補機ギヤが設けられた第3補機を備え、
上記第3補機はギヤケースに対し第2補機とは反対側に配置されている
ことを特徴とするエンジンの補機駆動装置。
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1995
- 1995-06-12 JP JP14475595A patent/JP3709579B2/ja not_active Expired - Fee Related
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