JP3707477B2 - 車両用交流発電機 - Google Patents

車両用交流発電機 Download PDF

Info

Publication number
JP3707477B2
JP3707477B2 JP2003073184A JP2003073184A JP3707477B2 JP 3707477 B2 JP3707477 B2 JP 3707477B2 JP 2003073184 A JP2003073184 A JP 2003073184A JP 2003073184 A JP2003073184 A JP 2003073184A JP 3707477 B2 JP3707477 B2 JP 3707477B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fin
cooling air
rectifying element
sub
radiating fin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003073184A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004282939A (ja
Inventor
賢治 上田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp filed Critical Denso Corp
Priority to JP2003073184A priority Critical patent/JP3707477B2/ja
Priority to EP04006436A priority patent/EP1460750B1/en
Priority to KR1020040018181A priority patent/KR100608925B1/ko
Priority to US10/802,931 priority patent/US7196441B2/en
Priority to CNB2004100287987A priority patent/CN100394677C/zh
Publication of JP2004282939A publication Critical patent/JP2004282939A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3707477B2 publication Critical patent/JP3707477B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L2924/00Indexing scheme for arrangements or methods for connecting or disconnecting semiconductor or solid-state bodies as covered by H01L24/00
    • H01L2924/01Chemical elements
    • H01L2924/01013Aluminum [Al]

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、乗用車やトラック等に搭載される車両用交流発電機に関する。
【0002】
【従来の技術】
車両走行抵抗の低減のためのスラントノーズ化や車室内居住空間確保というニーズからエンジンルームが近年ますます狭小化しているため、車両用交流発電機の搭載スペースに余裕がなくなってきており、同時にエンジンルーム内の温度も高くなってきている。また、燃費向上のために、例えばアイドル時などのエンジン回転数が低下し、車両用交流発電機の回転数も低下しているにもかかわらず、安全制御機器などによる電気負荷の増加により、発電能力の向上が要求されている。このような要求に応えようとすると、車両用交流発電機を構成する各種部品の発熱が増大し、特に、固定子により発生した交流電圧を直流電圧に変換する整流装置の整流素子の温度上昇が問題となる。このため、限られたスペース内で整流装置に備わった放熱フィンを効率よく冷却する必要がある。
【0003】
また、スラントノーズ化に伴って車両用交流発電機へタイヤからの跳ね上げ水や異物が飛来する可能性が高くなった。特に、寒冷地においては、融雪塩によって電解液である塩水が飛来するため、通電部品が腐食するおそれがあるという問題があり、耐環境性の向上が望まれている。さらに、エンジンルーム内のカーシャンプー洗浄も、カーシャンプーが電解液であることから通電部品の腐食の原因となるため、耐環境性の向上が望まれる。
【0004】
従来から、整流装置に備わった整流素子の裏側にフリンジ状の軸方向放熱フィンを設け、整流素子の発熱を直接的に放熱フィンに伝えることにより冷却性を向上させた車両用交流発電機(例えば、特許文献1参照。)や、放熱フィンの表面において整流素子の中心から放射状に延びるフィンを設けて整流素子によって発生した熱を効率よく伝達して冷却性を向上させた車両用交流発電機(例えば、特許文献2参照。)が知られている。あるいは、軸方向に重ねられた放熱フィンを備えるとともに、整流素子の打ち込み孔から離れた位置に径方向に大きな貫通孔を設け、外部から導入した冷却風を直接この貫通孔に取り込むことによって通風抵抗を低減して冷却性の向上を図った車両用交流発電機が知られている(例えば、特許文献3参照。)。
【0005】
【特許文献1】
仏国特許出願公開第2752109号明細書(第3−7頁、図1−3)
【特許文献2】
特開平10−56762号公報(第3−5頁、図1−7)
【特許文献3】
米国特許第6,307,289号明細書(第5−6頁、図1−3)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、近年の車載機器の効率向上に伴う熱源不足に対応した新たなヒータを搭載したり、排出ガスの浄化装置を搭載したりするために、さらなる高出力化が求められている。しかし、上述した特許文献1や特許文献2に開示された車両用交流発電機の整流装置の冷却構造では、放熱フィン内部での熱伝導性には優れるものの、冷却風量が少ないため冷却性を不十分であるという問題があり、構造を変えずに出力電流を増加させると、その分だけ温度が上昇して許容温度範囲を超えてしまうおそれがある。これに対し、放熱フィンを大型化して放熱面積を増やしたり、冷却風を発生させる冷却ファンを大径化して冷却風量を増すことが考えられるが、これらはいずれも最近の小型化の傾向に反するものであり、採用は難しい。また、電解液の飛来等に対する耐環境性の向上については何も考慮されていない。
【0007】
また、上述した特許文献3に開示された車両用交流発電機では、大きな貫通孔を通して冷却風を取り込んでいるため冷却風量を確保することはできるが、発熱部である整流素子から貫通孔までの距離が遠く、さらに貫通孔の開口面積が大きいため、放熱フィンの熱伝達効率が悪く、出力増大に対して十分な冷却性を確保することは難しい。
【0008】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、整流装置の冷却性を向上させることができる車両用交流発電機を提供することにある。また、本発明の他の目的は、整流装置の耐環境性を向上させることができる車両用交流発電機を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、本発明の車両用交流発電機は、回転子と、回転子と対向配置された固定子と、回転子と固定子とを支持するフレームと、フレームに固定されて整流素子の冷却と電気的接続を行う放熱フィンを有する整流装置と、整流装置を経由して回転子側に冷却風を吸入する冷却風発生装置とを備えており、放熱フィンは、整流素子が固定される固定部と、固定部から放射状に延伸するサブフィンとを備え、固定部とサブフィンと放熱フィンの外周端部とで包囲された開口部を有している。これにより、サブフィンを整流素子の固定部から放射状に形成することにより、整流素子によって発生した熱を整流素子近傍に溜めずにサブフィンを介して効率よく伝達することが可能になり、しかも、固定部やサブフィンによって包囲される開口部に冷却風を通すことにより、温度が高くなる固定部やサブフィンを冷却風によって直接冷却することが可能になり、飛躍的に整流装置の冷却性を向上させることができる。また、整流素子を固定する固定部の周囲に開口部が形成されているため、放熱フィンにおいて周囲から固定部に対して振動が伝わりにくくなり、整流素子のリード部の断線を低減することが可能になる。
【0010】
また、上述した固定部の径方向の肉厚は、整流素子の中心軸に沿ったサブフィンの厚みよりも薄いことが望ましい。これにより、発熱部である整流素子に近く、高い温度になる固定部外周を冷却風によって効率よく冷却することが可能になる。
【0011】
また、上述したサブフィンの冷却風の吸入側端部は、固定部の冷却風吸入側の端部あるいは固定部に固定された整流素子の冷却風吸入側の端部よりも、冷却風吸入側に突出していることが望ましい。これにより、整流素子に当たる冷却風を円滑に開口部内に取り込むことができるとともに、サブフィンの軸方向長さを長くすることによる放熱面積や熱容量の増大によってさらなる冷却性の向上が可能になる。
【0012】
また、上述したサブフィンは、整流素子を中心として外径側に配置された第1の壁面と、内径側に配置されて第1の壁面に対して180°未満の角度をなす第2の壁面とを有していることが望ましい。これにより、放射状に形成されて隣接する2つのサブフィンの内径端部近傍において通風路を確保することが可能になり、特に温度が高くなるこの内径端部近傍を効率よく冷却することができるとともに、開口部に流れ込む冷却風の風量を増すことが可能になる。
【0013】
また、上述した放熱フィンは、アルミダイカストによって形成されていることが望ましい。これにより、量産性の向上によるコストダウンが可能になる。
また、上述した放熱フィンの内周端部には、固定部の冷却風吸入側の端部よりも冷却風吸入側に突出した衝立部が形成されていることが望ましい。これにより、放熱フィンの中心近傍に吸入された冷却風を発熱部である整流素子近傍に導くことができ、効率的な冷却が可能になる。また、放熱フィンの周方向に沿って温度差がある場合、例えば、正極側の放熱フィンで出力端子と隔たった側の端部の温度が高くなる場合には、この衝立部を通して熱を伝えることにより、放熱フィンの周方向に沿った温度分布を均一化することが可能になる。
【0014】
また、上述した放熱フィンは、互いに回転子の回転軸方向に重ねて配置される正極側および負極側の2種類の放熱フィンを含んでおり、回転子側に配置された一方の放熱フィンに固定された整流素子のリード部が他方の放熱フィン側に向いており、他方の冷却フィンの冷却風吸入側の端面位置が、リード部の接合位置よりも冷却風の流れに沿って上流側に設定されていることが望ましい。車両用交流発電機は回転子の回転軸が水平となるように車両に搭載される場合が多いが、このような場合に、被水して他方の放熱フィンを伝って電解液等が流れた場合であっても、一方の放熱フィンに固定された整流素子のリード部に直接電解液がかかることを防止することができるため、電解液による腐食の発生を低減することが可能になり、耐環境性を向上させることができる。また、リード部に電解液が直接かかるのを防止するために必要な防水壁を廃止することができるため、構造の簡略化によるコストダウンを図ることができる。
【0015】
また、上述した放熱フィンは、互いに回転子の回転軸方向に重ねて配置される正極側および負極側の2種類の放熱フィンを含んでおり、少なくとも冷却風の流れに沿った上流側に配置された一方の放熱フィンについてサブフィンおよび開口部が形成されており、開口部に対応する他方の放熱フィン上の位置に複数の凸部が形成されていることが望ましい。これにより、一方の放熱フィンの開口部を通った冷却風を他方の放熱フィンの凸部に当てることができるため、他方の放熱フィンを効率よく冷却することが可能になり、整流装置全体の冷却性を向上させることができる。
【0016】
また、上述した複数の凸部は、回転子の回転軸を中心に放射状に形成されていることが望ましい。これにより、他方の放熱フィンまで到達した冷却風を円滑にその内径側あるいは外径側に流すことができ、通風抵抗の減少による冷却性の向上が可能になる。
【0017】
また、上述した整流素子に対応したサブフィンの整流素子の中心軸に沿った厚みは、不均一であることが望ましい。これにより、整流素子の温度分布によって、放熱面積を可変させ、整流素子の温度均一化を図ることができる。
また、上述した放熱フィンの周方向に沿った一方端には出力端子が設けられており、周方向に沿った他方端側に配置された整流素子に対応するサブフィンは、整流素子の中心軸に沿った厚みが、他の整流素子に対応するサブフィンの厚みよりも厚いことが望ましい。一般に、出力端子が設けられた放熱フィンの一方端側の温度は、出力端子に熱が伝わるため、他方端側の温度よりも低くなる。したがって、温度が高い他方端側に設けられたサブフィンの軸方向厚みを厚くして温度低減を図ることにより、不均一になっていた放熱フィンの周方向の温度分布を均一に近づけることが可能になり、放熱フィン全体としての冷却性を向上させることができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機について、図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態の車両用交流発電機の断面図である。
【0019】
図1に示すように、本実施形態の車両用交流発電機1は、エンジンからベルト(図示せず)およびプーリ10を介して回転駆動される回転子2と、電機子として働く固定子4と、回転子2と固定子4とを一対の軸受け3c、3dを介して支持するフロントフレーム3aおよびリアフレーム3bと、固定子4に接続されて交流出力を直流出力に変換する整流装置5と、回転子2の界磁コイル22に界磁電流を供給するブラシを保持するブラシ装置7と、出力電圧を制御するレギュレータ9と、車両との間で電気信号を入出力する端子を持つコネクタケース6と、整流装置5やレギュレータ9やブラシ装置7等を覆うようにリアフレーム3bの端面に取り付けられる樹脂製の保護カバー8等を含んで構成されている。
【0020】
回転子2は、回転子磁極24の軸方向端面に、外部から整流装置5を経由して冷却風を吸入する冷却風発生装置としての冷却ファン26を備えている。
次に、整流装置5の詳細について説明する。図2は、整流装置5の平面図である。また、図3は整流装置5の断面構造を示す車両用交流発電機1の部分断面図である。図4は整流装置5に含まれる正極側放熱フィンの平面図である。図5は正極側放熱フィンの底面図である。図6は、図4のVI−VI拡大断面図である。図7は、図4のVII−VII線拡大断面図である。図8は、図4に示す放熱フィンの固定部と放射状サブフィンの部分的拡大図である。図9は、整流装置5に含まれる負極側放熱フィンの平面図である。図10は、負極側放熱フィンの底面図である。図11は、正極側放熱フィンと負極側放熱フィンとを重ねた状態を示す斜視図であり、各放熱フィン以外の部品は省略されている。
【0021】
整流装置5は、軸方向に2段に重ねられた馬蹄形の正極側放熱フィン501、負極側放熱フィン503と、正極側放熱フィン501に取り付けられた正極側整流素子502と、負極側放熱フィン503に取り付けられた負極側整流素子504と、端子台513とを含んで構成されている。
【0022】
端子台513は、正極側放熱フィン501と負極側放熱フィン503の間を電気的に絶縁する樹脂製絶縁部材であり、固定子4で発生する交流電圧を正極側整流素子502および負極側整流素子504に導くための導電部材514を内蔵している。正極側整流素子502は、リード部510が負極側放熱フィン503に向くように配置されており、負極側整流素子504は、リード部512が正極側放熱フィン501に向くように配置されている。 負極側整流素子504のリード部512は、導電部材514との接合位置が正極側放熱フィン501の冷却風吸入側の端面位置よりも、冷却風の流れに沿って下流になるように、すなわち、リード部512の先端が正極側放熱フィン501のリア側端面よりも回転子2側になるように設定されている。車両用交流発電機1は回転子2の回転軸21が水平となるように車両に搭載される場合が多いが、このような場合に、被水して正極側放熱フィン501の表面を伝って電解液等が流れた場合であっても、負極側整流素子504のリード部512に直接電解液がかかることを防止することができるため、電解液による腐食の発生を低減することが可能になり、耐環境性を向上させることができる。また、リード部512に電解液が直接かかるのを防止するために必要な防水壁を廃止することができるため、構造の簡略化によるコストダウンを図ることができる。
【0023】
また、これらの正極側整流素子502および負極側整流素子504のそれぞれは、正極側放熱フィン501あるいは負極側放熱フィン503に設けられた圧入孔に打ち込み固定されており、それぞれのリード部510、512は、端子台513の導電部材514に電気接続されて全波整流回路を形成している。例えば、本実施形態では、2組の三相全波整流回路を形成するよう、図2に示すように、正極側放熱フィン501には6個の正極側整流素子502が、負極側放熱フィン503には6個の負極側整流素子504がそれぞれ配置されている。
【0024】
また、正極側放熱フィン501の一方端には出力端子としてのボルト500が取り付けられており、このボルト500から直流出力が取り出される。
上述した構造を有する整流装置5は、リアフレーム3bと保護カバー8との間に配置されており、リアベアリングボックス30の支持部材としての締結ボルト31に、保護カバー8とともに締結固定されている。また、負極側放熱フィン503は、正極側放熱フィン501に比べ外径寸法が大きく設定されており、負極側整流素子504は、正極側整流素子502よりも外径側に配置されている。
【0025】
また、図3に示すように、負極側放熱フィン503は、締結ボルト31周辺においてはリアフレーム3bに接しており、それ以外の場所では、少なくとも負極側整流素子504の打ち込み部とリアフレーム3bの間には、保護カバー8とリアフレーム3b間の径方向開口部802からリアフレーム3bの吸気口803に通ずる通風溝810が形成されている。また、保護カバー8には、正極側整流素子502近傍に、軸方向開口部801が設けられている。
【0026】
本実施形態では、正極側放熱フィン501および負極側放熱フィン503は、例えばアルミダイカストによって形成されており、量産性の向上によるコストダウンが図られている。なお、アルミ材や銅材等の熱伝導率が良好な金属材料を切削加工してこれらの放熱フィンを形成してもよい。
【0027】
正極側放熱フィン501は、正極側整流素子502が固定される円筒状の圧入孔としての6箇所の固定部505と、各固定部505から放射状に延伸する放射状サブフィン506と、隣接する放射状サブフィン506を円弧状に連結する円弧状サブフィン507とを備えている。
【0028】
固定部505と放射状サブフィン506と正極側放熱フィン501の外周端部508とで包囲された開口部によって軸方向通風路509が形成されている。また、円弧状サブフィン507は、正極側整流素子502の中心軸に対して同心円状となるように配置されており、この円弧状サブフィン507によって、軸方向通風路509を形成する開口部が分割されている。さらに、この円弧状サブフィン507は、回転子2の回転軸21を基準にして、正極側整流素子502の固定位置よりも外径側に形成されている。
【0029】
図6に示すように、円弧状サブフィン507は、回転子2の回転軸21に沿った長さが放射状サブフィン506の回転軸21に沿った長さよりも短く、しかも、冷却風の吸入側端部が放射状サブフィン506の吸入側端部よりも回転子2の冷却ファン26側に凹んで設定されている。固定部505の径方向の肉厚aは、正極側整流素子502の中心軸に沿った放射状サブフィン506の厚みbよりも薄く設定されている。放射状サブフィン506の冷却風の吸入側端部は、固定部505の冷却風吸入側の端部あるいはこの固定部505に固定された正極側整流素子502の冷却風吸入側の端部よりも、冷却風吸入側に突出している。また、放熱フィン501の内周端部には、固定部505の冷却風吸入側の端部よりも、冷却風吸入側に突出した衝立部534が形成されている。
【0030】
図7に示すように、放射状サブフィン506は、軸方向通風路509の開口面積を冷却風の流れに沿って減少させるように、側面を傾斜させている。上述した放射状サブフィン506および円弧状サブフィン507は、アルミダイカストによって形成された正極側放熱フィン501に一体成形されている。
【0031】
また、図8に示すように、放射状サブフィン506は、正極側整流素子502を中心として外径側に配置された第1の壁面530と、内径側に配置されて第1の壁面530に対して180°未満の角度をなす第2の壁面532とを有している。このように、放射状サブフィン506は、固定部505の近傍において内径側に行くにしたがって先細りとなる形状を有しており、図8においてハッチングで示された通風路が確保されている。
【0032】
また、上述したように、正極側放熱フィン501の一方端には出力端子としてのボルト500が取り付けられている。一般に、出力端子が設けられた正極側放熱フィン501の一方端側の温度は、この出力端子に熱が伝わるため低くなり、これに対し他方端の温度は高くなる。本実施形態の正極側放熱フィン501では、図11に示すように、他方端側に配置された整流素子に対応する放射状サブフィン506(図11ではWで示された範囲)およびこれに連続する外周端部508が、他の整流素子に対応する放射状サブフィン506よりも整流素子の中心軸に沿った厚みが厚く設定されている。このため、他方端側の熱容量が増加するため温度が低減され、正極側放熱フィン501の周方向に沿った温度分布を均一に近づけることが可能になる。
【0033】
負極側放熱フィン503は、ほぼ平板状に形成されており、6箇所の圧入孔のそれぞれに負極側整流素子504が打ち込み固定されている。また、負極側放熱フィン503の表面(リアフレーム3bと反対側の面)には部分的に放射状の凸部520が形成されており、正極側放熱フィン501に設けられた軸方向通風路509を通った冷却風がこれらの凸部520に沿って流れるようになっている。同様に、負極側放熱フィン503の裏面には部分的に放射状の凸部522が形成されている。これらの凸部522が形成されているため、保護カバー8とリアフレーム3b間の径方向開口部802からリアフレーム3bの吸気口803に通ずる通風溝810を通って冷却風が流れる際に負極側放熱フィン503を効率よく冷却することが可能になる。
【0034】
このように、本実施形態の整流装置5の正極側放熱フィン501では、放射状サブフィン506を正極側整流素子502の固定部505から放射状に形成することにより、正極側整流素子502によって発生した熱を正極側整流素子502近傍に溜めずに放射状サブフィン506を介して効率よく伝達することが可能になり、しかも、固定部505や放射状サブフィン506によって包囲される開口部に冷却風を通すことにより、温度が高くなる固定部505や放射状サブフィン506を冷却風によって直接冷却することが可能になり、飛躍的に整流装置5の冷却性を向上させることができる。また、正極側整流素子502を固定する固定部505の周囲に開口部が形成されているため、正極側放熱フィン501において周囲から固定部505に対して振動が伝わりにくくなり、正極側整流素子502のリード部510の断線を低減することが可能になる。
【0035】
また、固定部505の径方向の肉厚aを正極側整流素子502の中心軸に沿った放射状サブフィン506の厚みbよりも薄くすることにより、発熱部である正極側整流素子502に近く、高い温度になる固定部505の外周部を冷却風によって効率よく冷却することが可能になる。
【0036】
また、放射状サブフィン506の冷却風の吸入側端部を、固定部505の冷却風吸入側の端部あるいは固定部505に固定された正極側整流素子502の冷却風吸入側の端部よりも、冷却風吸入側に突出させることにより、正極側整流素子502に当たる冷却風を円滑に開口部内に取り込むことができるとともに、放射状サブフィン506の軸方向長さを長くすることによる放熱面積や熱容量の増大によってさらなる冷却性の向上が可能になる。
【0037】
また、放射状サブフィン506は、正極側整流素子502を中心として外径側に配置された第1の壁面530と、内径側に配置されて第1の壁面530に対して180°未満の角度をなす第2の壁面532とを有しているため、放射状に形成されて隣接する2つの放射状サブフィン506の内径端部近傍において通風路を確保することが可能になり、特に温度が高くなるこの内径端部近傍を効率よく冷却することができるとともに、開口部に流れ込む冷却風の風量を増すことが可能になる。
【0038】
また、正極側放熱フィン501の内周端部には、固定部505の冷却風吸入側の端部よりも冷却風吸入側に突出した衝立部534が形成されているため、正極側放熱フィン501の中心近傍に吸入された冷却風を発熱部である正極側整流素子502近傍に導くことができ、効率的な冷却が可能になる。また、正極側放熱フィン501の周方向に沿って温度差がある場合、例えば、正極側放熱フィン501で出力端子と隔たった側の端部の温度が高くなる場合には、この衝立部534を通して熱を伝えることにより、正極側放熱フィン501の周方向に沿った温度分布を均一化することが可能になる。
【0039】
また、冷却風の流れに沿った上流側に配置された正極側放熱フィン501について放射状サブフィン506および開口部が形成されており、この開口部に対応する負極側放熱フィン503上の位置に複数の凸部520が形成されているため、正極側放熱フィン501の開口部を通った冷却風を負極側放熱フィン503の凸部520に直接当てることができ、負極側放熱フィン503および整流装置5全体を効率よく冷却することが可能になる。
【0040】
また、これらの凸部520を、回転子2の回転軸21を中心に放射状に形成することにより、負極側放熱フィン503まで到達した冷却風を円滑にその内径側あるいは外径側に流すことができ、通風抵抗の減少による冷却性の向上が可能になる。
【0041】
また、正極側放熱フィン501の周方向に沿った一方端には出力端子としてのボルト500が設けられており、周方向に沿った他方端側に配置された整流素子に対応する放射状サブフィン506は、正極側整流素子502の中心軸に沿った厚みが、他の正極側整流素子502に対応する放射状サブフィン506の厚みよりも厚く設定されている。一般に、出力端子が設けられた正極側放熱フィン501の一方端側の温度は、出力端子に熱が伝わるため、他方端側の温度よりも低くなる。したがって、温度が高い他方端側に設けられた放射状サブフィン506の軸方向厚みを厚くして温度低減を図ることにより、不均一になっていた正極側放熱フィン501の周方向の温度分布を均一に近づけることが可能になり、正極側放熱フィン501全体としての冷却性を向上させることができる。
【0042】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、正極側放熱フィン501のみに放射状サブフィン506を形成し、負極側放熱フィン503は表面に部分的な凸部520、522が形成されたほぼ平板形状としたが、正極側放熱フィン501と同様に負極側放熱フィン503側も放射状サブフィン506を備える構造としてもよい。これにより、冷却風が整流装置5を通過する際の通風抵抗をさらに低減することができる。
【0043】
また、上述した実施形態では、リアフレーム3bに近い側に負極側放熱フィン503を配置したが、反対にリアフレーム3bに近い側に正極側放熱フィンを配置するようにしてもよい。この場合には、冷却風の流れに沿って上流側に配置される負極側放熱フィンを図5および図6に示した構造とすればよい。あるいは、正極側放熱フィン501と負極側放熱フィン503を回転軸21方向に重ねて配置するのではなく、並べて配置するようにしてもよい。この場合には、両方の放熱フィンが放射状サブフィン506や円弧状サブフィン507を備えるようにすればよい。
【0044】
また、上述した実施形態では、2組の三相全波整流回路を形成する整流装置5を示したが、一般的な一組の三相全波整流回路が含まれる整流装置や、3組以上の三相全波整流回路が含まれる整流装置に本発明を適用して同様の効果を得ることができる。
【0045】
また、上述した実施形態では、樹脂製の保護カバー8を用いたが、金属製の保護カバーを用いてもよい。このとき、カバー自身が放熱フィンとなって整流装置5からの伝熱を促進させて、冷却性を向上させることができる。
また、上述した実施形態において、図12に示すように放熱フィンの整流素子打ち込み内周面(固定部505の内周面)をテーパ形状としてもよい。これにより、車両搭載時に水等の異物が整流素子近傍に溜まることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施形態の車両用交流発電機の断面図である。
【図2】整流装置の平面図である。
【図3】整流装置の断面構造を示す車両用交流発電機の部分断面図である。
【図4】整流装置に含まれる正極側放熱フィンの平面図である。
【図5】正極側放熱フィンの底面図である。
【図6】図4のVI−VI拡大断面図である。
【図7】図4のVII−VII線拡大断面図である。
【図8】図4に示す放熱フィンの固定部と放射状サブフィンの部分的拡大図である。
【図9】整流装置に含まれる負極側放熱フィンの平面図である。
【図10】負極側放熱フィンの底面図である。
【図11】正極側放熱フィンと負極側放熱フィンとを重ねた状態を示す斜視図である。
【図12】放熱フィンの変形例を示す部分断面図である。
【符号の説明】
1 車両用交流発電機
2 回転子
3a フロントフレーム
3b リアフレーム
4 固定子
5 整流装置
8 保護カバー
9 レギュレータ
500 ボルト
501 正極側放熱フィン
502 正極側整流素子
503 負極側放熱フィン
504 負極側整流素子
505 固定部
506 放射状サブフィン
508 外周端部
509 軸方向通風路
510、512 リード部
513 端子台
514 導電部材
530 第1の壁面
532 第2の壁面
534 衝立部

Claims (7)

  1. 回転子と、前記回転子と対向配置された固定子と、前記回転子と前記固定子とを支持するフレームと、前記フレームに固定されて整流素子の冷却と電気的接続を行う放熱フィンを有する整流装置と、前記整流装置を経由して前記回転子側に冷却風を吸入する冷却風発生装置とを備える車両用交流発電機において、
    前記放熱フィンは、前記整流素子が固定される固定部と、前記固定部から放射状に延伸するサブフィンとを備え、前記サブフィンの冷却風の吸入側端部は、前記固定部の冷却風吸入側の端部あるいは前記固定部に固定された前記整流素子の冷却風吸入側の端部よりも、冷却風吸入側に突出しており、前記固定部と前記サブフィンと前記放熱フィンの外周端部とで包囲された開口部を有することを特徴とする車両用交流発電機。
  2. 請求項1において、
    前記固定部の径方向の肉厚は、前記整流素子の中心軸に沿った前記サブフィンの厚みよりも薄いことを特徴とする車両用交流発電機。
  3. 請求項1において、
    前記サブフィンは、前記整流素子を中心として外径側に配置された第1の壁面と、内径側に配置されて前記第1の壁面に対して180°未満の角度をなす第2の壁面とを有していることを特徴とする車両用交流発電機。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記放熱フィンの内周端部には、前記固定部の冷却風吸入側の端部よりも冷却風吸入側に突出した衝立部が形成されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記放熱フィンは、互いに前記回転子の回転軸方向に重ねて配置される正極側および負極側の2種類の放熱フィンを含んでおり、
    少なくとも冷却風の流れに沿った上流側に配置された一方の前記放熱フィンについて前記サブフィンおよび前記開口部が形成されており、前記開口部に対応する他方の前記放熱フィン上の位置に複数の凸部が形成されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  6. 請求項5において、
    前記複数の凸部は、前記回転子の回転軸を中心に放射状に形成されていることを特徴とする車両用交流発電機。
  7. 請求項1〜6のいずれかにおいて、
    前記放熱フィンの周方向に沿った一方端には出力端子が設けられており、周方向に沿った他方端側に配置された前記整流素子に対応する前記サブフィンは、前記整流素子の中心軸に沿った厚みが、他の前記整流素子に対応する前記サブフィンの厚みよりも厚いことを特徴とする車両用交流発電機。
JP2003073184A 2003-03-18 2003-03-18 車両用交流発電機 Expired - Fee Related JP3707477B2 (ja)

Priority Applications (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003073184A JP3707477B2 (ja) 2003-03-18 2003-03-18 車両用交流発電機
EP04006436A EP1460750B1 (en) 2003-03-18 2004-03-17 AC generator for vehicles
KR1020040018181A KR100608925B1 (ko) 2003-03-18 2004-03-17 차량용 교류발전기
US10/802,931 US7196441B2 (en) 2003-03-18 2004-03-18 AC generator for vehicles
CNB2004100287987A CN100394677C (zh) 2003-03-18 2004-03-18 用于车辆的交流发电机

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003073184A JP3707477B2 (ja) 2003-03-18 2003-03-18 車両用交流発電機

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004282939A JP2004282939A (ja) 2004-10-07
JP3707477B2 true JP3707477B2 (ja) 2005-10-19

Family

ID=33289147

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003073184A Expired - Fee Related JP3707477B2 (ja) 2003-03-18 2003-03-18 車両用交流発電機

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3707477B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8866352B2 (en) 2011-06-23 2014-10-21 Denso Corporation Alternator for vehicle with heat dissipating fin

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4710800B2 (ja) * 2006-11-06 2011-06-29 株式会社デンソー 車両用交流発電機
EP3291419B1 (en) * 2015-04-28 2021-03-03 Mitsubishi Electric Corporation Rotating electric machine

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8866352B2 (en) 2011-06-23 2014-10-21 Denso Corporation Alternator for vehicle with heat dissipating fin

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004282939A (ja) 2004-10-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4007229B2 (ja) 車両用交流発電機
JP4926409B2 (ja) 交流発電機
US8319381B2 (en) Automotive electric motor-generator with radial plates and circuit boards disposed in a fan shape in a common plane around shaft of rotor
JP3750851B2 (ja) 車両用交流発電機
KR100608925B1 (ko) 차량용 교류발전기
KR20000062148A (ko) 차량용 교류발전기
JP2004112860A (ja) 車両用交流発電機
JP2004357451A (ja) 車両用交流発電機
JP3983426B2 (ja) 交流発電機
JP4340305B2 (ja) 車両用交流発電機
JP2001268869A (ja) 交流発電機
JP3671534B2 (ja) 車両用交流発電機
JP4931739B2 (ja) 車両用交流発電機
JP3438577B2 (ja) 車両用交流発電機
JP3675048B2 (ja) 車両用交流発電機
JP4797774B2 (ja) タンデム式車両用交流発電機
JP4306058B2 (ja) 車両用交流発電機
JP3707477B2 (ja) 車両用交流発電機
US8866352B2 (en) Alternator for vehicle with heat dissipating fin
JP3707476B2 (ja) 車両用交流発電機
JPH0426346A (ja) 車両用交流発電機における整流装置
JP3966212B2 (ja) 車両用交流発電機
JP2003224953A (ja) 車両用交流発電機の整流装置
JP4475215B2 (ja) 車両用交流発電機
JP3982406B2 (ja) 車両用交流発電機

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050322

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050517

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080812

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130812

Year of fee payment: 8

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees