JP3706134B2 - 塗膜、塗膜用組成物及び塗膜形成方法 - Google Patents

塗膜、塗膜用組成物及び塗膜形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェットプリンターノズルプレート又はそれを形成するための半製品(blank)プレートに塗布される非湿潤性塗膜に関する。
【0002】
【従来の技術】
インクジェットプリントヘッドの製造では、ノズルプレートの表面の一部そして特にノズルオリフィスを囲むゾーンが、インクによって湿ることに抵抗することが望ましく、さもなければ、インクは、オリフィスの回りにプールを形成し、そしてこのプールは、プリンターの適切な操作に干渉する。ノズルプレートは、プリントヘッドと一体化された部分であるか、又はプリントヘッドに結合した別個のものである。
【0003】
液体により湿るのに抵抗する表面では、Zismanによる方法により測定される、その臨界的表面張力は、液体のそれより顕著に低くなければならない。インクジェット印刷に好ましい多くのインクは、比較的低い表面張力例えば20又は25〜35mN・m-1を有する溶媒に基づくが、一方プリントヘッドが形成される材料、例えばポリエステル、ポリイミド、ガラス、セラミック及び金属は、高い表面張力、例えば40mN・m-1を有する。それ故、好適な塗膜によりインクによる湿潤に抵抗することが望ましい表面の部分を提供することが必要になる。これらの塗膜を簡単に表現するために、以下に非湿潤性塗膜と呼ぶ。
【0004】
その非湿潤性のために特に好まれる塗膜材料の一群は、フッ素化有機化合物を含むが、これらは、インクジェットプリントヘッドが形成される材料の多くに結合することがよく知られているように難しく、問題を解決するための多くの提案が存在する。一つの解決策は、ヨーロッパ特許第0367438号により提供され、それは、非湿潤性材料としてフッ素化有機シランを選択し、そして硬化したシロキサンを含む中間層によって基体の表面にそれを結合することを記述している。非常に良好な接着がこの方法により達成されるが、なおさらなる改良が望まれ、そしてコーティング方法を単純化することも望まれる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者は、単一の工程で基体に適用できる有機シランに基づく強く結合した非湿潤性塗膜を提供する方法を見いだした。本発明は、また塗膜組成物、塗膜組成物から塗膜を形成する方法、及びコーティングされた基体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、異なるSi原子に結合したX’−基及びX−基を含有する橋かけ結合した共ポリシロキサンからなり、インクジェットプリンターノズルプレート又はそれを形成するための半製品プレートに塗布される非湿潤性塗膜であり、
【0007】
(a)X’−基は、式CF 3 Z−、又は(CF 3 3 CZ−を持つ一価の有機基であり、式中Zは−(CF 2 s −(D) w −(CH 2 v を持つ二価の有機基であり(ここでDは−CF2−、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CHQ−、−C(Q)2−、−NH−、−NQ−又は−CFH−であり(ここでQは1〜6炭素原子をもつ一価の炭化水素基である)、sは0〜12の整数であり、vは少なくとも2であり、そしてwは0又は1である)、
【0008】
(b)X−基は、−COOH、−COOHを形成する加水分解性基、活性水素を含有する基又は活性水素を含有する基に加水分解可能な基、重合可能なエチレン性不飽和基を含有する基、又は構造−ENH2、−ENHE’、−ECONH2、−ECONHE’、−E−(NHE’’)k−NH2、及びE−(NHE’’)k−NHE’(ここでE及びE’’はそれぞれ少なくとも2つの炭素原子をもつアルキレンであり、そしてE’は1〜6の炭素原子をもつアルキルであり、そしてkは整数である)をもつ窒素原子に結合した少なくとも1つの活性水素原子を含有する基、から選ばれる一価の有機基であり、
【0009】
(c)該X−基は基体表面上の基と反応し且つX’−基よりも高い表面張力をもち、
【0010】
(d)該X−基をもつシリコン原子及び該X’−基を含有するシリコン原子は該塗膜の異なるシロキサン層にあり、これらの層は少なくとも1つのさらなるシロキサン層によって分離され、
【0011】
(e)X−基又はX’−基に結合していないシリコン原子が橋かけ結合したポリシロキサンのシリコン原子の全数の主要部を形成し、そして
【0012】
(f)該塗膜はX−基と反応する基体表面上の基と該X−基との反応によって該基体に結合される、ことからなる非湿潤性塗膜を提供する。
【0013】
また、本発明は、インクジェットプリンターノズルプレート又はそれを形成するための半製品プレートにシリコン化合物の橋かけ可能な組成物を塗布してなるインクジェットプリンターノズルプレートに非湿潤特性を付与する方法であり、該シリコン化合物の橋かけ可能な組成物が異なるSi原子に結合したX’−基及びX−基を含有する橋かけ結合した共ポリシロキサンからなり、
(a)X’−基は、式CF 3 Z−、又は(CF 3 3 CZ−を持つ一価の有機基であり、式中Zは−(CF 2 s −(D) w −(CH 2 v −を持つ二価の有機基であり(ここでDは−CF2−、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CHQ−、−C(Q)2−、−NH−、−NQ−又は−CFH−であり(ここでQは1〜6炭素原子をもつ一価の炭化水素基である)、sは0〜12の整数であり、vは少なくとも2であり、そしてwは0又は1である)、
【0014】
(b)X−基は、−COOH、−COOHを形成する加水分解性基、活性水素を含有する基又は活性水素を含有する基に加水分解可能な基、重合可能なエチレン性不飽和基を含有する基、又は構造−ENH2、−ENHE’、−ECONH2、−ECONHE’、−E−(NHE’’)k−NH2、及び−E−(NHE’’)k−NHE’(ここでE及びE’’はそれぞれ少なくとも2つの炭素原子をもつアルキレンであり、そしてE’は1〜6の炭素原子をもつアルキルであり、そしてkは整数である)をもつ窒素原子に結合した少なくとも1つの活性水素原子を含有する基、から選ばれる一価の有機基であり、
(c)該X−基は基体表面上の基と反応し且つX’−基よりも高い表面張力をもち、
【0015】
(d)該X−基をもつシリコン原子及び該X’−基を含有するシリコン原子は該塗膜の異なるシロキサン層にあり、これらの層は少なくとも1つのさらなるシロキサン層によって分離され、
(e)X−基又はX’−基に結合していないシリコン原子が橋かけ結合したポリシロキサンのシリコン原子の全数の主要部を形成し、そして
(f)該塗膜はX−基と反応する基体表面上の基と該X−基との反応によって該基体に結合される、ことを特徴とするインクジェットプリンターノズルプレートに非湿潤特性を付与する方法を提供する。
【0016】
【発明の実施の形態】
米国特許第5266222号は、基体上に低い表面エネルギーを形成する方法を記述し、該方法は、輸送媒体中に低いエネルギー部分及び基体に化学的に反応する部分を有するフルオロアルキルシラン、並びに液晶シランを有する。基体の表面上に形成された塗膜は、フルオロアルキルシランの基体に化学的に反応する部分により表面に結合し、そして液晶シランの目的は、基体に化学的に反応する部分が基体の表面に最も近くそして低いエネルギー部分はそれから外側に延在するように、フルオロアルキルシランの配向を増大させる。従って、塗膜を基体に結合する基並びに低いエネルギー表面を提供する基の両者は、同じ珪素原子に結合する。
【0017】
広い局面において、本発明は、基体上に塗膜を提供して基体に所望の表面性を付与し、該塗膜は、異なるSi原子に結合したX’−基およびX−基を含む橋かけ結合した共ポリシロキサン(copoly siloxane)を含み、X’−基は、所望の表面特性を提供する一価の有機基であり、そしてX−基は、基体表面上の基と反応性である一価の有機基でありしかもX’−基より高い表面張力を有し、該塗膜は、X−基とそれと反応性の基体表面基との反応により該基体に結合する。
【0018】
X’−基より高い表面張力を有するX−基により、X−基の表面の単分子層がX’−基の単分子層より高い表面張力を有することを意味する。
【0019】
上記のように、本発明は、インクジェットプリントヘッドのノズルプレートのコーティング、そして特に非湿潤性塗膜の提供に特に関する。
【0020】
本発明のこの局面の1つの態様によれば、基体上の非湿潤性の橋かけ結合した共ポリシロキサン塗膜が提供され、該共ポリシロキサンは、異なるSi原子に結合したCF3Z−及びX−基を含み、各Zは、二価の有機基であり、そして各X−基は、基体表面上の基と反応性である一価の有機基であり、該塗膜は、X−基とそれと反応性の基体表面基との反応により該基体に結合する。
【0021】
従って、共ポリシロキサンは、少なくとも2種の異なる種類の繰り返し単位を含む。第一のものは、共ポリシロキサン中の他の一つの珪素原子に結合した少なくとも1個の酸素原子に順に結合する珪素原子に結合した一価の有機基X’−基例えばCF3Z−を含み、そして第二のものは、共ポリシロキサン中の他の一つの珪素原子に結合した少なくとも1個の酸素原子に順に結合する珪素原子に結合した一価の有機基X−基を含む。
【0022】
橋かけ結合した共ポリシロキサン塗膜は、水性媒体中のX’−基を含む珪素化合物及びX−基を含む珪素化合物を含む珪素化合物の橋かけ結合可能な組成物を基体に塗布し、そして該珪素化合物を橋かけ結合させることにより形成できる。そのように形成された塗膜は、基体への優れた接着、並びにX’−基により提供される所望の表面特性を有する表面を示す。従って、例えばX’−基がCF3Z−である場合、たとえ非水性インクに対してさえも優れた非湿潤性を有する表面が提供される。この理論に束縛されることを望まないが、珪素化合物の橋かけ結合可能な組成物からの橋かけ結合したポリシロキサンの形成中にX’−基及びX−基の効果的な分配が生じ、それにより珪素含有分子は、下記に概略図に示されるように、塗膜/大気境界面に集中する傾向をもつX’−基と、塗膜/基体境界面に集中する傾向をもつX−基とによってそれら自体配向する傾向をもつ。
【0023】
【化1】
Figure 0003706134
【0024】
上記図において、各ジグザク斜線は間接連結を表し、それによりX−基をもつSi原子は少なくとも1つのシロキサン層によってX’−基をもつSi原子から隔離されている。
【0025】
X’−基がCF3Z−である総ての場合に、Zismanにより定義される表面張力が、密に充填されたCF3基の単分子層について測定されたものに近い塗膜が本発明により得られ、その上、基体の表面の性質に依存するX−基の適切な選択により、塗膜は、摩擦に対する抵抗により証明されるように、基体に強固に結合される。例えば、基体の表面がポリイミドである場合、X−基に関する一つの適切な選択は、−NH2を含む基である。−NH2基の密に充填された層の表面張力は、−CF3基の密に充填された層のそれより顕著に高い。
X−基を有する珪素原子及びX’−基を有する珪素原子が、塗膜の異なるシロキサンにあることが好ましい。さらに好ましくは、それらは、1層以上そして一般に数層のシロキサン層により隔てられる。この好ましい配置を達成する方法は、以下に記述される。
【0026】
好ましくは、橋かけ結合されたポリシロキサンは、またX’−基及びX−基を含むものに加えて他のシロキサン単位を含み、塗膜に他の望ましい性質例えば引張強さ、摩擦抵抗、硬度及び破断タフネスを増大させる。好適な単位は、当業者に周知であろうが、それらが由来する成分のコスト及び利用性の理由により、それらは、一般に、低級アルキル及びアルコキシ基から選ばれる基が結合する珪素原子を含む。これらの珪素原子は、特にX’−基がCF3Z−である場合、X’−及びX−基を含む珪素化合物の比較的高いコストのために、橋かけ結合したポリシロキサンの主要な部分を形成することが好ましい。好適には、これらの珪素原子は、橋かけ結合したポリシロキサンの珪素原子の全数の主要な部分を形成し、そしてX’−基を含む珪素化合物及びX−基を含む珪素化合物が結合している共ポリシロキサンの骨格を提供する。
【0027】
従って、一つの好ましい態様によれば、橋かけ結合した共ポリシロキサンは、以下の繰り返し単位
【0028】
Figure 0003706134
【0029】
(式中、各X−基は、基体の表面上の基と反応するように選ばれる一価の有機基であり;各X’−基は、所望の表面特性を提供するように選ばれる一価の有機基であり;
各Rは、水素、又は基体表面上の基と非反応性であり、X’−基とは異なり、そして所望の表面特性の形成又は共ポリシロキサンの形成に不利に影響することのない一価の有機基であり;
各Yは、水素、又は基体表面上の基と非反応性であり、X’−基とは異なり、そして所望の表面特性の形成又は共ポリシロキサンの形成に不利に影響することのない一価の有機基であり;hは、0、1又は2でありそしてjは4、3又は2であり、h及びjの合計は4であり;lは1又は2であり、mは1、2又は3でありそしてnは0、1又は2であり、l、m及びnの合計は4であり;そしてpは1又は2であり、qは1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり、p、q及びrの合計は4である)
を含む。
【0030】
好ましくは、各R及び各Yは、フェニル及び低級アルキル及び低級アルコキシ基例えば1−3個の炭素原子を有するもの、特にメチル、エチル、メトキシ及びエトキシから選ばれる。
【0031】
生成物が橋かけ結合されると、単位の少なくとも或るものでは、Si原子は、少なくとも3個の−O−基に結合しなければならず、即ち、単位Iの少なくとも或るものでは、jは3であり及び/又は単位IIの少なくとも或るものでは、mは3でなければならず及び/又は単位IIIの少なくとも或るものでは、qは3でなければならないことが理解される。好ましくは、橋かけ結合は、jが3である種類Iの単位を提供することにより、主として提供される。
【0032】
もし望まれるならば、それらが、共ポリシロキサンのフィルム形成性、基体への共ポリシロキサンの結合及び塗膜の所望の表面性と許容できないほど干渉しないならば、他の単位も共ポリシロキサンに含まれることが理解される。これら単位の一つの例は、構造Iを有するものであるが、R基はエチレン性不飽和基例えばビニル又はアリルである。
【0033】
構造IIの単位、そしてさらに特定すれば、そのX−基は、それにより共ポリシロキサンが基体に結合する手段を提供する。これらの単位では、mが1であることで十分であり、それにより単位は、共ポリシロキサンの本体に化学的に結合しているが、mが1より大きい、例えば2又は3であることが好ましく、これらの単位が結合の切断により共ポリシロキサンの本体から分離し、それにより基体への共ポリシロキサンの結合の強さを低下させるようになる可能性を減少させる。同様な理由のため、構造IIの単位が、共ポリシロキサン中の珪素原子の全数の少なくとも0.1%、そして好ましくは0.1−10%、さらに好ましくは0.4−3%を提供することが好ましい。10%より多いと、結合の強さにおけるさらなる改善を得ることが予想されず、そして塗膜の他の望ましい性質が悪影響を受けることになる。
【0034】
構造IIIの単位は、望ましい表面性をもたらし、そして構造IIの単位のために上記で示したのと同じ理由で、qが1ならば、それが2又は3、さらに好ましくは3であることが遥かに好ましい。構造IIIを有する単位によりもたらされる共ポリシロキサン中の珪素原子の数は、X’−基の性質に依存するけれども、一般に、塗膜の表面上のX’−基の遊離末端(1個以上の末端基)の単分子層を実験的に与えるために少なくとも十分な数である。一般に、構造IIIの単位は、小さい割合、通常共ポリシロキサン中の珪素原子の20%以下を提供する。X’−基がCF3Z−である特別な場合、非湿潤性塗膜を提供するように、構造IIIの単位は、好ましくは、共ポリシロキサン中の珪素原子の0.01−15%、さらに好ましくは0.1−5%を提供する。15%より多いと、さらなる改善は殆ど予想されず、そして塗膜の他の性質が悪影響を受ける。
構造Iの単位は、好ましくは、塗膜の重要な物理的性質をもたらすように選ばれ、そして所望のレベルの橋かけ結合は、主としてこれらの単位により達成される。好ましくは、それ故、それらは、共ポリシロキサンの珪素原子の主要な部分(即ち、50%より多い)、そしてさらに好ましくは少なくとも75%を提供する。共ポリシロキサン中のこれらの単位の最大の割合は、一般に、単位II、単位III及びまた存在する任意の所望の単位によりコントロールされるが、一般に、構造Iの単位は、珪素原子の全数の約99.8%以下、そしてさらに好ましくは約99%以下を提供する。
【0035】
塗膜の厚さは、また存在する構造Iの単位の数によりコントロールでき、大きな数は、構造IIの単位を含む下層(即ち、基体に隣接する層)へ構造IIIの単位を含む上層を結合する共ポリシロキサン中の中間シロキサン層の数を増大することにより、厚い塗膜を生成する。上記に示されたように、X−基を含む珪素原子は、少なくとも一つそして好ましくは二三の中間シロキサン層によりX’−基を含む珪素原子から隔てられることが好ましい。これは、基体表面の不規則性を滑らかにする塗膜の能力を改善し、それによりその非湿潤性を改善する。
【0036】
構造II及びIIIの単位について上述した濃度の範囲内では、望ましい実際の濃度は、塗膜の厚さ、従って中間シロキサン層の数に依存することが、理解される。厚さが増すにつれ、構造II及びIIIの単位の数に対する構造Iの単位の数が増大し、そして逆もそうである。一般に、100−1000ミリミクロンの範囲に塗膜の厚さを達成するように、構造Iの単位を提供する化合物の量を選ぶことが望ましい。中間シロキサン層の数の増大は、また構造II及びIIIの隔たりを増大させることが予想される。
【0037】
構造Iの単位では、jが3であるものは、橋かけ結合に寄与することが理解される。従って、塗膜の物理的性質は、jが2である単位対jが3である単位の数の比を変化させることにより、変化できる。比を減少することは、橋かけ結合の密度、従って塗膜の剛さ及び硬度を増大させ、一方比を増加することは、橋かけ結合の密度を減少させ、そしてエラストマー的性質を導入するだろう。一般に、満足できる塗膜は、jが3である単位jが2である単位の総ての比で得られるが、jが3である単位jが2である単位の好ましい比は、体積で1:9−1:1の範囲内にある。しかし、単位Iが所望のレベルの橋かけ結合に顕著に寄与することが一般に好ましい。
【0038】
構造Iの単位の総てではないが多くにおいて、jが3以下であることが一般に好ましいだろう。それは、塗膜の非湿潤特性が、単位の顕著な割合で、jが4である場合に悪影響を受けるからである。
【0039】
構造IIの単位において、基X−は、例えばπ−π結合、水素結合又はイオン結合又は共有結合を形成するために、基体の表面上の基と反応性である基を含み、そしてX−基の性質は、それ故、被覆されるべき表面の性質に従って選ばれる。例えば、表面が酸化された金属又はガラスである場合、X−基は、−COOH基又は−COOH基に加水分解可能な基を含むことができ、表面がポリエステル又はポリイミドである場合、X−基は、活性な水素原子を含むか、又は活性な水素原子を含む基に加水分解可能な基である。別に、X−基は、例えば塗膜の結合をグラフトにより基体を行わすために、重合可能なエチレン性不飽和基例えばビニル基を含むことができる。しかし、表面がポリイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルケトン(PEEK)又は線状ポリエステルである好ましい場合には、X−基が、例えば第一級及び第二級アミノ基、イミノ基、アミド基及びモノ置換アミド基におけるように、窒素原子に結合した少なくとも1個のチェレビチノフ(Zerewitinoff)水素原子又は活性水素を含むとき、最強の結合が得られている。1は2でもよいが、1個より多いX−基が存在するとき、表面と結合するX−基の能力と干渉する立体傷害が生ずるので、lが1であることが一般に好ましい。単位は、また1個、又はまさに2個のY基を含むことができる。その例は、水素、フェニル、C1-3アルキル、例えばメチル又はエチル、並びにC1-3アルコキシ例えばメトキシ又はエトキシである。しかし、上記で示したように、mは好ましくは2又は3であり、最良の結果には、lが1でありmが3であることが好ましく、その場合、単位IIは橋かけ結合に寄与することを理解する。
【0040】
窒素原子に結合したチェレビチノフ水素原子を有するX−基の例は、構造−ENH2、−ENHE’、−ECONH2、−ECONHE’、−E−(NHE’’)k−NH2、又は−E−(NHE’’)k−NHE’(式中、E及びE’’はそれぞれ少なくとも1個の炭素原子を有するアルキレン、例えばエチレン又はプロピレンであり、E’は、例えば1−6個の炭素原子を有するアルキル、好ましくはメチル、エチル又はプロピルであり、そしてkは例えば1、2又は3又はそれ以上の整数である)
を有する基である。
【0041】
特定の例は、−(CH23−NH2、−(CH23−NHCH3、−(CH23−CONH2、−(CH23−CONHCH3、−(CH23−NH−(CH22−NH2、及び−(CH23−(NHCH2CH22−NH2である。
【0042】
上述のように、構造IIIのX’−基の性質は、層によりもたらされる表面の性質を支配し、そして一つの好ましい態様では、非水性インクに対してすら、非湿潤性の付与のためには、X’−基がCF3Z−(式中、Zは二価の有機基である)である。特に高温度のときの増大した安定性のために、Zは基−CH2CH2−を含み、それによりSi原子に結合する。この態様では、好ましくはX’−基は構造
3C−(CF2S−(D)w−(CH2v
(式中、AはF又はCF3であり、Dは二価の原子又は基であり、sは零又は整数であり、vは少なくとも2であり、そしてwは零又は1である)
を有する。Dは、例えば−CF2−、−CH2−、−O−、−S−、−SO2、−CHQ−、−C(Q)2−、−NH−、−NQ−又は−CFH−(式中、Qは例えば1−6個の炭素原子を含む一価の炭化水素基である)である。
【0043】
X’−基のこの態様の特別な例は、構造CF3−(CF2s−CH2−CH2−(式中、sは0−12、特に0−9、さらに特に0、3、5、7又は9である)を有する。
【0044】
好ましくは、もしpが1より大きいならば、立体傷害が、塗膜の望ましい表面性と干渉するため、pは1である。しかし、価値のある結果は、pが2であるときに得られている。単位は、また1個又はまさに2個のY基を含むことができる。Yの例は、構造IIについて上述されたものである。上記で示されたように、qは好ましくは2、さらに好ましくは3である。
【0045】
本発明の塗膜は、少なくとも1個のX’−基を含む少なくとも1種の加水分解可能な珪素化合物並びに少なくとも1個のX−基を含む少なくとも1種の加水分解可能な珪素化合物を含むフィルム形成組成物から形成される。一般に、組成物は、またポリシロキサンフィルムを形成することが知られている加水分解可能な珪素化合物を含む。
【0046】
珪素化合物は、好ましくは、好適な溶媒中の溶液として組成物中に提供され、該溶媒は、好ましくは例えば蒸発により塗膜から容易に除去でき、そして低い表面張力のものである。好適な溶媒は、アルコール例えばエチルアルコールである。好ましくは、溶液は、またと膜の自己平坦化を促進するために、高い沸点の成分を含む。その例は、アルカン、アルカノール、ケトン、エステル及びエーテル、例えばヘキサン、ブタノール、n−ヘキサノール、2−ブトキシエタノール、ブチルグリコール、エチルグリコールアセテート、シクロヘキサン、プロピレングリコールモノメチルエーテル及びジプロピレングリコールモノメチルエーテルを含む。
【0047】
珪素成分を加水分解するために、塗膜組成物は、また水を含。加水分解可能な珪素化合物の加水分解を完全に行うのに十分な水が含まれることが好ましいが、満足すべき結果は、組成物中の加水分解可能な基の総ての加水分解を行うための化学量論的量より少ない量、例えば化学量論的量の50%の水が使用されるとき、達成されている。しかし、もし過度に過剰な水が存在するならば、得られる溶液は、珪素化合物の加水分解後に、被覆されるべき基体(特にこれが或る種の合成重合体から形成される場合)の表面を適切に湿らせることができない。例えば、表面がポリイミドである場合、珪素化合物の加水分解前の組成物の水含量は、好ましくは、全加水分解に必要である量の350%以下でなければならないことが分かった。
【0048】
好ましい態様では、塗膜組成物は、
(i)構造Si(R’’)4、RSi(R’’)3及び(R)2Si(R’’)2(式中、各Rは前記同様でありそしてR’’は加水分解可能な基である)を有するものから選ばれる少なくとも1種のフィルム形成性珪素化合物A、
(ii)構造X1SiYnR’’m(式中、X、Y、l、n及びmは、それぞれ前記同様であり、そして各R’’は加水分解基である)を有する少なくとも1種の珪素化合物、そして
(iii)構造X’pSiYrR’’q(式中、X’、Y、p、q及びrはそれぞれ前記同様であり、そして各R’’は加水分解可能な基である)を有する少なくとも1種の珪素化合物C
を含み、そして分子の少なくとも或るものは、少なくとも3個の加水分解可能な基を含み、それにより橋かけ結合を達成する。
【0049】
好ましい加水分解基は、アルコキシ及び塩素基である。
【0050】
化合物Aが橋かけ結合された共ポリシロキサン中の構造Iの単位を提供することが理解される。橋かけ結合が構造Iの単位により主として提供される好ましい場合では、化合物Aの分子の少なくとも或るものが、構造Si(R’’)4又はさらに好ましくはRSi(R’’)3のものであることが理解される。
【0051】
塗膜組成物中の化合物の加水分解可能な基が全て加水分解されるとは限らない。従って、例えば、構造RSi(R’’)3を有する化合物Aは、構造
【0052】
Figure 0003706134
【0053】
を有するばかりでなく、構造
【0054】
Figure 0003706134
及びさらに
Figure 0003706134
【0055】
を有する単位を有する橋かけ結合した共ポリシロキサンに単位を生じさせる。
【0056】
化合物Aは、好ましくは、加水分解及び橋かけ結合により、劣化することなく少なくとも100℃の温度に耐えうる強い堅いフィルムをもたらすと思われる化合物である。Aの特別な例は、メチルトリエトキシシラン及びテトラエトキシシランである。部分的に重合した材料例えばポリジアルキル−及びポリジアルコキシ−シランは、また、それらが組成物の他の成分の溶媒中のエマルション又はより好ましくは溶媒として提供できるならば、成分Aとして又はその部分として使用できる。
【0057】
しかし、摩擦の塗膜の非湿潤特性及び抵抗の一つ又は両者における改善は、Aが、構造RSi(R’’)3を有する化合物及び構造(R)2Si(R’’)2を有する化合物の混合物を含む場合、好ましくは前者対後者の比が体積で1:9−1:1の範囲にある場合、達成できることが分かった。構造(R)2Si(R’’)2を有する化合物の例は、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン及びジエチルジエトキシシランである。他の例は、アルコキシ基の一つ又は両者が塩素原子より置換される対応する化合物である。
化合物Bは、原則としてただ1個の加水分解可能な基R’’を必要とするが、それが少なくとも2個そして好ましくは3個のこれらの基並びに僅かに1個のX−基を含むことが好ましい。それが2個の加水分解可能な基を含むとき、それは2個のX−基又は1個のX−基及び1個のY基を含むことができる。特別な例は、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリメトキシシリルプロピル置換ポリエチレンイミン、ジメトキシメチルシリルプロピル置換ポリエチレンイミン、N[3−(トリメトキシシリル)−プロピル]エチレンジアミン、N[3−(トリメトキシシリル)プロピル]ジエチレンジアミン、及びカルボキシアミドシラン、例えばOld Glossop、Derbyshire、英国のFluorochem LtdによりProsil 9214及びProsil 9215として売られているものである。
【0058】
化合物Cは、好ましくは、少なくとも2個、そして好ましくは3個の加水分解可能な基R’’を含む。X’−基がCF3Z−である特定な例は、1H,1H,2H,2Hペルフルオロオクチルトリエトキシ−及びトリメトキシ−シラン、1H,1H,2H,2Hペルフルオロデシル、1H,1H,2H,2Hペルフルオロウンデシル及び3,3,3−トリフルオロプロピルの対応する化合物、1個又は2個のアルコキシ基がC1-3アルキル基例えばメチルにより置換されている対応する化合物、並びに加水分解可能な原子又は基が塩素である化合物例えば1H,1H,2H,2Hペルフルオロオクチルジメチルクロロシラン並びに対応するメチルジクロロシランである。アルキル鎖に8、10及び12個の炭素原子を有する1H,1H,2H,2Hペルフルオロアルキル化合物も使用できる。
【0059】
構造I、II及びIIIをもつ化合物に加えて、例えば橋かけ結合した共ポリシロキサン塗膜においてさらなる構成単位を与えるために包含され得る他の加水分解可能な珪素化合物の例は、適当なビニルシラン、例えばビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランである。
【0060】
塗膜組成物の珪素化合物の加水分解及び次の橋かけ結合は、酸性又は塩基性の条件により促進できる。それ故、塗膜組成物はまた組成物のpHを7より高く又は低くする添加物をまた含むことが好ましい。成分BのX−基が塩基性である場合には、添加物はX−基のプロトン化を促進する酸であることが好ましい。好適な酸の例は、鉱酸例えば塩酸及び有機酸例えば酢酸である。使用する酸の量は、存在する総ての塩基を中和しそして酸性状態にするのに十分であるならば、臨界的であるとは考えられない。酸の混合物は、例えば塩酸及び酢酸の混合物が使用できる。好ましくは、酸は1Mより低い溶液として提供される。
【0061】
組成物は、明らかに酸性又は塩基性の条件下で形成されねばならず、そのため、酸性(又は塩基性)の溶液に加水分解可能な珪素化合物を添加することが好ましい。
【0062】
所望ならば、塗膜組成物の加水分解可能な珪素化合物の1種以上は、組成物に含まれる前に、少なくとも部分的に加水分解され得る。総ての珪素化合物が組成物の形成前に完全に加水分解されている場合には、組成物が水を含むこと、或いは酸又は塩基を含むことは必要ではない。
【0063】
塗膜組成物が不完全に加水分解されている場合には、塗膜を形成するため基体への塗布前に、加水分解可能な基の加水分解を促進するために塗膜組成物を熟成(又はエージング)することが望ましい。化合物Aが少なくとも部分的に加水分解されていることが特に重要であり、そして化合物B及びCも、橋かけ結合したフィルムの形成を実施するために必要な硬化の間にA、B及び/又はCの蒸発の可能性を減少させるように、少なくとも部分的に加水分解されることが望ましい。この熟成は、また得られる塗膜の機械的性質を改善する。熟成は、好適には、組成物を数時間室温で放置することにより達成できる。熟成の方法は、また加熱により促進できるが、不溶物の形成を導く未熟な橋かけ結合を招かないように注意しなければならない。これらの不溶物の存在は、組成物中の曇りの形成として分かる。より長い時間の使用は、非湿潤特性を改善するが、一般に、室温で1−2日間の熟成で十分である。もし熟成工程が削除されるならば、塗膜は、ピンホール又は他の欠点をこうむり、そしてこれは加水分解で消費されなかった組成物中の過剰の水の存在に起因するものと考えられる。フッ素イオンの添加は、実質的に熟成方法を促進することが分かっている。特に好ましいものは、アルカリ金属及び第四級フッ化アンモニウム例えばテトラブチルアンモニウムフルオリド及びフッ化水素である。
【0064】
少なくとも部分的に加水分解された組成物は、次に基体に適用され、そして硬化されて完全な橋かけ結合を行う。基体は、その表面が非湿潤特性にすることが要求されている総ての好適な材料からなるが、本発明は、インクジェットプリントヘッドのノズルプレートの処理に特に適用できる。処理は、半製品(ブランク)からのノズルプレートの形成前又は後に行うことができる。従って、塗膜が適用できる材料は、特に、金属(その表面が大気中の酸素により酸化されている金属を含む)、ガラス、セラミック及び特に合成プラスチックを含む。本発明は、レーザー、アブレーション可能な合成プラスチック例えばポリイミド、ポリカーボネート飽和ポリエステル例えばポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンナフテネート、及びポリエーテルエーテルケトンに対して特に適用可能である。
【0065】
塗膜それ自体がレーザー アブレーション可能であることが望ましい場合、そのアブレーション性を改善するために、組成物中に紫外線吸収剤、例えば桂皮酸エチルを含むことが望ましい。好適な材料の例は、トランス−桂皮酸エチル、アクリジン及びアクリジン塩酸塩である。吸収剤の好適な濃度は、簡単な実験により求めることができる。
【0066】
コーティング前に、表面は、それを清浄にし且つ好ましくはその表面張力を増加させるために予備処理されることが好ましい。この予備処理が特にポリイミドの表面の接着を改善することが知られている。ポリイミドのための一つの好ましい予備処理は、例えば約1時間アルカリ性水溶液中に表面を浸し、水好ましくは脱イオン水でより洗い、次に乾燥させることである。塗膜は、任意の好適なやり方、例えばローラコーティング、ドクターナイフコーティング又は噴霧で適用できる。一つの好ましい方法は、メータバーによるものであり、それにより組成物は、ワイヤを巻いたバーによって表面上に広げられる。好ましくは、塗膜は、予備処理の完了後可能な限り早く適用される。好ましい湿った塗膜の厚さは、2−10ミクロンである。2ミクロンより薄い厚さでは、塗膜は、不完全になり、そして認め得る特別な利益は10ミクロンより厚い厚さの塗膜からは得られない。もし塗膜が、その一部を除くために、例えばレーザー アブレーションにより次いで処理されるならば、過剰の厚さは避けられることが好ましい。好ましい乾燥した厚さは0.1−1ミクロンである。
【0067】
塗膜は、次に硬化を生じさせるか又は硬化させる。好適には、硬化は、熱の適用により加速され、そして加熱は、好都合には、組成物に関する成分の選択に依存するが、しかし一般に60−100℃、好ましくは約70−95℃の範囲の温度で、オーブン中で行うことができる。橋かけ結合したフィルムの形成の完了を確実にするために、数時間例えば3−24時間の硬化時間が勧められる。硬化は、もしそれが高い湿度の大気中で行われるならば、促進できる。
【0068】
好ましくは、塗膜は、例えばそれを数分間例えば5−30分間、室温で放置することにより、加熱工程に先だって熟成され、それは、この熟成が、得られるフィルムの性質、特にその表面性及び基体への結合の強さを改善することが分かっているからである。これは、熟成が、分子の分配又は「自己集合(self assembly)を行い、それによりX−基を有するものが塗膜/基体界面で濃縮し、一方X’−基を有するものが塗膜/大気界面で濃縮するためと考えられる。この自己集合が、また上記の比較的非揮発性の溶媒を含むことにより助けられ
【0069】
本発明により、基体に強く結合しそして所望の表面性をもたらす塗膜を得ることができる。特に、低い表面張力の溶媒例えばアルキレングリコール、ポリアルキレングリコール及びこれらのエーテル、炭化水素及びこれらの混合物に基づく溶媒を含むインクジェットインク組成物の範囲に対して優れた非湿潤性の特徴を示す非湿潤性塗膜を得ることができる。所望の非湿潤性をもたらす塗膜の必要な表面張力(mN・m-1)(この単位は国際単位であり、メートル当りのミリニュートン(millinewtons)を意味する)はインクの性質に依存するが、一般に、非水性インクでは、20より低く、そして好ましくは10より低く、そして水性インクでは、45より低くそして好ましくは35より低い。本発明により、6mN・m-1のような低い表面張力を有する塗膜を得ることができる。
【0070】
特定の液体に対する表面の非湿潤特性を評価する一つの方法は、実施例1に記載される方法により、表面上の液体の後退メニスカス速度(receding meniscus Velocity)(RMV)を求めることである。
【0071】
一般に、RMVの値が高ければ高いほど、その表面の非湿潤特性は優れている。本発明者は、インクジェットプリンターのノズルプレートのRMVが、使用されるインクに関して、少なくとも1.0mm・秒-1であることが望ましいことを明らかにした。本発明により、5ほど高いそしてたとえそれよりも高くても、8又はその程度までのRMV値を、25mN・m-1及びそれよりも低い表面張力をもつインクに関して得ることができる。
【0072】
その上、本発明によって、200℃ほどの高い温度まで熱的に安定でり、摩擦に対して抵抗性であり、そして溶媒例えばアセトン及びプロパン−2−オールによる清浄のような削摩処理により損傷に対して抵抗性である塗膜が提供できる。X’−基がCF3Z−又はCH3−(CH2t−(式中、tは少なくとも3である)である塗膜の特に重要な特徴はインクに対するそれらの不活化および欠陥の実質的除去である。
【0073】
【実施例】
本発明を以下の実施例によって説明するが、該実施例によって限定されるものではない。該実施例においては、部は特に指示された場合を除き全て容量によって表現される。得られる塗膜(コーティング)の表面張力は一般に6〜20mN・m-1の範囲内にある。
【0074】
実施例 1
塗膜組成物は、先ず溶媒及び酸を混合し、次に珪素化合物を添加することにより、以下の成分から製造した。
エタノール 30部
氷酢酸 0.9部
ヘキサノール 2.0部
塩酸(0.01モル/dm3 5部
メチルトリエトキシシラン(MTES) 5部
3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APTES) 0.5部
1H,1H,2H,2Hペルフルオロオクチル
トリエトキシシラン(PFOTES) 0.5部
形成された溶液を次に2日間放置して珪素化合物の加水分解を行った。
ポリイミドのシートを約1モル/dm3のNaOHにより洗い、脱イオン水により良く洗い、そして清潔な室内タオルにより拭くことにより乾燥させ、そして次に熟成(エージング)した溶液をメーターバーを使用してシートの表面に塗布して、約4ミクロンの厚さの湿った塗膜を形成させる。コーティングされたシートを5分間放置し、次に3時間95℃でオーブン中で湿った空気中に置く。得られる塗膜の厚さは0.6ミクロンの程度のものであった。
【0075】
インクジェットプリントヘッドノズルプレートを次いでコーティングされたシートからレーザー アブレーションにより形成した。
【0076】
ノズルプレート材料の非湿潤性を以下の方法でその後退メニスカス速度(RMV)を測定することにより評価した。測定された速度で非湿潤性塗膜表面上に液体に浸した発泡パッドを引いた。液体が正に発泡パッドを追跡できなくなり且つ非湿潤性コーティング上に液体の通った痕を残し始める速さがRMVであるとされる。テストに使用される液体は、高分子分散剤を含有し且つ約30mN・m-1の表面張力をもつトリプロピレングリコールモノメチルエーテル中のカーボンブラックのコロイド状分散液からなるインクジェットプリンターインクであった。測定されたRMVは、2.7mm秒-1であった。RMVは、インク中6週間の浸漬後、なお1.0mm秒-1より大きく、インクと塗膜との間の相互作用の非常に低いレベルを示した。比較のために、従来の塗膜は、塗膜へのインクの成分の接着に基づき、類似の浸漬処理後に灰色になる傾向があった。
【0077】
さらなるテストにおいて、コーティングされたノズルプレートを、アセトンに浸した木綿パッドにより50回拭いた。肉眼で見える損傷は、認められなかった。
【0078】
他のテストでは、コーティングされたノズルプレートの摩擦抵抗は、それをインクに浸した発泡パッドにより擦ることにより評価された。塗膜は、非湿潤性の喪失が観察される前に1,100回拭いても変化がなかった。観察によれば、性能の喪失は、ひっかきによるものであり、インクによる攻撃又はその吸収の結果ではなかった。
【0079】
塗膜は、200℃への加熱後も非湿潤性のままであり、そしてコーティングされたノズルプレートを付けたプリンターの3か月を越える連続的使用に相当する使用後もなお有効であった。
【0080】
実施例 2(比較例)
ポリイミドのシートを、NaOHにより予備処理し、実施例1におけるように洗い、乾燥し、次にヨーロッパ特許第0367438号の実施例の工程Aに記載された方法で、5mLのMTES、5mLのエタノール、5mLの0.1M HCl、0.25mLの氷酢酸、2mLのヘキサノール及び2.5mLのAPTESからなる第一の組成物を用いてローラによりコーティングした。処理したポリイミドシートを、次いで第一のものと同じ調合物(しかし、APTESは除く)有する第二の組成物を用いて第二の工程でローラ コーティングした。最後に、コーティングした生成物を、PFOTESによってローラ コーティングし、そしてコーティングし生成物を乾燥し、次いで95%の相対湿度で焼き固めた。
【0081】
この様にして得た塗膜の非湿潤性及び摩擦抵抗実施例1に記載したように測定し、以下の結果を得た。
RMV 0.7mm秒-1
摩擦寿命(インクに浸した発泡パッド) 200回の拭き
【0082】
本発明の塗膜は容易に適用できるばかりでなく、それは非湿潤性及び摩擦抵抗の両者の改善をもたらすことが理解できる。
【0083】
実施例 3−7
実施例1に記載された方法を使用して、多数の塗膜を、種々の量のMTESをジメチルジエトキシシラン(DMDES)により置換した実施例1に記載された塗膜組成物を使用して、ポリイミド基体上に形成した。結果以下の表に示す。
【0084】
Figure 0003706134
【0085】
表中の摩擦寿命の欄の記号n.m.は測定が行われなかったことを示す。
*このそして次の実施例において、RMV及び摩擦寿命の測定のために使用されるインクは、以下の配合を有し、
Exxsol D140 59.55重量部
Novol 17.75重量部
Dowanol TPM 10.0重量部
Solsperse 13940 1.5重量部
Solsperse 5000 0.2重量部
Regal Black 250R 11.0重量部
そして25mN/mの表面張力を有した。
【0086】
Exxsolは、280−317℃の沸点範囲を有する脂肪族炭化水素の混合物であり、そしてExxonにより市販され;Novolは、Crodaにより市販されているオレイルアルコールであり;Solsperse 13940及びSolsperse 5000は、Zeneca Coloursにより市販されている分散剤であり、そしてRegal Balck 250RはCabot Carbonにより市販されているカーボンブラックである。
【0087】
実施例 8
実施例1に記載された方法を使用して、ポリイミドのシートを、実施例1の配合物を用いてコーティングしたが、但しMTESは同じ容量のn−オクチルトリエトキシシランにより置換された。RMVは、MTESを使用して達成されるのより少なかったけれども、まだ満足できる1.00mm秒-1として測定された。
【0088】
実施例 9−11
これらの実施例は、別のフルオロアルキルシランの使用を立証する。実施例1に記載した方法を使用して、ポリイミドのシートを、PFOTESの代わりに3,3,3−トリフルオロプロピルメチルジクロロシラン(TFPMDCS)を使用する調合剤によってコーティングした。
【0089】
コーティング組成物の調合剤及び得られた結果を、以下の表に示す。
Figure 0003706134
【0090】
実施例 12−15
これらの実施例は、化学量論的量より少ない量の水の使用を立証する。実施例1の方法を使用して、ポリイミドのシートを、RMVついて測定された値を記録する以下の表に示される調合剤によってコーティングした。
【0091】
Figure 0003706134
【0092】
実施例 16−20
これらの実施例は、コーティング前の塗膜組成物の熟成(エージング)の効果を立証する。各塗膜組成物は、4.28部の0.01MのHCl、0.9部の酢酸、2部のヘキサノール、1部のMTES、4部のDMDES、0.5部のAPTES及び0.5部のPFOTESを含んだ。結果は以下の表に示される。
【0093】
Figure 0003706134
【0094】
*この実施例では、塗膜組成物は、0.4272部のテトラブチルアンモニウムフルオリドを含んだ。
【0095】
実施例 21
ポリイミドのシートを、実施例1の方法に従って、そして30部のエタノール、1.5部の0.02MのHCl、0.9部の酢酸、2部のヘキサノール、5部のMTES、0.5部のビス(1H,1H,2H,2Hペルフルオロオクチル)ジエトキシシラン及びPFOTESの85/15モル混合物からなる組成物によりコーティングした。測定されたRMVは2.62mm秒-1であった。
【0096】
実施例 22
ポリイミドのシートを、実施例1の調合剤により実施例1の方法によりコーティングをした。但し、APTESは同じ容量のN−メチルアミノプロピルトリエトキシシランにより置換された。測定されたRMVはAPTESを使用して得られたのとほぼ同じであった。
【0097】
実施例 23
これは、塩基の触媒による組成物から塗膜を形成する例である。ポリイミドのシートを、実施例1の処方により実施例1の方法によりコーティングした。但し、酢酸及び塩酸の組合せは0.944部のエタノールアミンにより置換された。塗膜の測定されたRMVは実施例1のそれとほぼ同じであることが分かった。

Claims (8)

  1. 異なるSi原子に結合したX’−基及びX−基を含有する橋かけ結合した共ポリシロキサンからなり、インクジェットプリンターノズルプレート又はそれを形成するための半製品プレートに塗布されることにより形成される非湿潤性塗膜であり、
    (a)X’−基は、式CF 3 Z−、又は(CF 3 3 CZ−を持つ一価の有機基であり、式中Zは−(CF 2 S −(D) w −(CH 2 v −を持つ二価の有機基であり(ここでDは−CF2−、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CHQ−、−C(Q)2−、−NH−、−NQ−又は−CFH−であり(ここでQは1〜6炭素原子をもつ一価の炭化水素基である)、sは0〜12の整数であり、vは少なくとも2であり、そしてwは0又は1である)、
    (b)X−基は、−COOH、−COOHを形成する加水分解性基、活性水素を含有する基又は活性水素を含有する基に加水分解可能な基、重合可能なエチレン性不飽和基を含有する基、又は構造−ENH2、−ENHE’、−ECONH2、−ECONHE’、−E−(NHE’’)k−NH2、及び−E−(NHE’’)k−NHE’(ここでE及びE’’はそれぞれ少なくとも2つの炭素原子をもつアルキレンであり、そしてE’は1〜6の炭素原子をもつアルキルであり、そしてkは整数である)をもつ窒素原子に結合した少なくとも1つの活性水素原子を含有する基、から選ばれる一価の有機基であり、
    (c)該X−基は基体表面上の基と反応し且つX’−基よりも高い表面張力をもち、
    (d)該X−基をもつシリコン原子及び該X’−基を含有するシリコン原子は該塗膜の異なるシロキサン層にあり、これらの層は少なくとも1つのさらなるシロキサン層によって分離され、
    (e)X−基又はX’−基に結合していないシリコン原子が橋かけ結合したポリシロキサンのシリコン原子の全数の主要部を形成し、そして
    (f)該塗膜はX−基と反応する基体表面上の基と該X−基との反応によって該基体に結合される、ことを特徴とする非湿潤性塗膜。
  2. CF3Z−基のZ−基の一部で1以上のフッ素原子が水素原子によって置換される請求項1の非湿潤性塗膜。
  3. 共ポリシロキサンが下記の繰り返し単位
    Figure 0003706134
    (式中、
    (a)X−基及びX’−基は請求項1で定義した通りであり、
    (b)各Rは水素、又はX’−基と異なる、基体表面上の基と非反応性であり且つ非湿潤性特性の形成又は共ポリシロキサンの形成に悪影響を与えない一価の有機基であり、
    (c)各Yは水素、又はX’−基と異なる、基体表面上の基と非反応性であり且つ非湿潤性特性の形成又は共ポリシロキサンの形成に悪影響を与えない一価の有機基であり、
    (d)構造Iの各単位中、hは0、1又は2であり、そしてjは4、3又は2であり、h及びjの合計は4であり、構造IIの各単位中、lは1又は2であり、mは1、2又は3であり、そしてnは0、1又は2であり、l、m及びnの合計は4であり、そして構造IIIの各単位中、pは1又は2であり、qは1、2又は3であり、そしてrは0、1又は2であり、p、q及びrの合計は4である。)
    からなる請求項1又は2記載の非湿潤性塗膜。
  4. Si原子に結合したエチレン性不飽和基を含有する繰り返し単位をさらに含む請求項3記載の非湿潤性塗膜。
  5. 単位Iのシリコン原子が共ポリシロキサン中のシリコン原子の全数の少なくとも50%を形成する請求項4記載の非湿潤性塗膜。
  6. インクジェットプリンターノズルプレート又はそれを形成するための半製品プレートにシリコン化合物の橋かけ可能な組成物を塗布してなるインクジェットプリンターノズルプレートに非湿潤特性を付与する方法であり、該シリコン化合物の橋かけ可能な組成物が異なるSi原子に結合したX’−基及びX−基を含有する橋かけ結合した共ポリシロキサンからなり、
    (a)X’−基は、式CF 3 Z−、又は(CF 3 3 CZ−を持つ一価の有機基であり、式中Zは−(CF 2 s −(D) w −(CH 2 v −を持つ二価の有機基であり、(ここでDは−CF2−、−CH2−、−O−、−S−、−SO2−、−CHQ−、−C(Q)2−、−NH−、−NQ−又は−CFH−であり(ここでQは1〜6炭素原子をもつ一価の炭化水素基である)、sは0〜12の整数であり、vは少なくとも2であり、そしてwは0又は1である)、
    (b)X−基は、−COOH、−COOHを形成する加水分解性基、活性水素を含有する基又は活性水素を含有する基に加水分解可能な基、重合可能なエチレン性不飽和基を含有する基、又は構造−ENH2、−ENHE’、−ECONH2、−ECONHE’、−E−(NE’’)k−NH2及び−E−(NHE’’)k−NHE’(ここでE及びE’’はそれぞれ少なくとも2つの炭素原子をもつアルキレンであり、そしてE’は1〜6の炭素原子をもつアルキルであり、そしてkは整数である)をもつ窒素原子に結合した少なくとも1つの活性水素原子を含有する基、から選ばれる一価の有機基であり、
    (c)該X−基は基体表面上の基と反応し且つX’−基よりも高い表面張力をもち、
    (d)該X−基をもつシリコン原子及び該X’−基を含有するシリコン原子は該塗膜の異なるシロキサン層にあり、これらの層は少なくとも1つのさらなるシロキサン層によって分離され、
    (e)X−基又はX’−基に結合していないシリコン原子が橋かけ結合したポリシロキサンのシリコン原子の全数の主要部を形成し、そして
    (f)該塗膜はX−基と反応する基体表面上の基と該X−基との反応によって該基体に結合される、ことを特徴とするインクジェットプリンターノズルプレートに非湿潤特性を付与する方法。
  7. 基体がガラス、金属、セラミックス、及びポリイミド、ポリカルボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルエーテルケトン及びポリブチレンナフタレートから選択される合成重合体から選ばれる請求項6記載の方法。
  8. 塗膜をノズルを囲むノズル板の領域に適用する請求項7記載の方法。
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