JP3705785B2 - 目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材およびプレキャスト部材の連結方法 - Google Patents

目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材およびプレキャスト部材の連結方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、PC鋼材配置孔を備えたプレキャスト製部材相互に、PC鋼材を挿通配置する場合のこれらの目地部に、PC鋼材配置孔となる目地部接続管路を形成可能な伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材およびプレキャスト部材の連結方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プレキャストコンクリート製柱とプレキャストコンクリート製梁との連結部では、それぞれの部材に埋め込まれたPC鋼材挿通用シースが目地部で途切れるため、目地部のダクト(接続管路)を形成する必要があるが、その目地部のダクト形成方法として、例えば、(1)特公平7−81309号公報または(2)特開2001−123526号公報あるいは(3)特開平10−252222号公報に記載されている目地部のダクト形成方法が知られている。
【0003】
前記(1)の特公平7−81309号公報の場合には、カプラーシースに差し込まれる鋼管パイプにナットが取り付けられており、前記ナットに螺合され、目地部に前進するように伸びていく細かいピッチの雄ねじ付き連結筒を、ナットを介して伸びていく構造で、雄ねじ付き連結筒の先端部にゴムパッキンが設置してあり連結筒の先端部が、プレキャストコンクリート製柱にあたり密着するように構成されている。
【0004】
前記(2)の特開2001−123526号公報の場合には、カプラーシース内に内筒を入れ、内筒はその一端側にスプリングを備え、内筒の他端側には、遮断シートからなる薄膜が貼ってあり、ピアノ線で前記薄膜破れるように構成されている。
【0005】
また、前記(3)の特開平10−252222号公報には、カプラーシース内に伸縮自在な細かいピッチのジャバラを短縮した状態でピンで止めておき、プレキャストコンクリート製部材の架設後、前記ピンを抜くことにより、前記ジャバラを前進するように飛び出させ、プレキャストコンクリート製柱の当接面にあたり密着させるように構成されている構造のものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記(1)(3)のプレキャストコンクリート製部材の組立工法においては、PC鋼材を配線する際、プレキャストコンクリート製部材相互の目地部のジョイントシースによる連結方法では、以下の点で問題があった。
【0007】
1.前記(1)(2)の従来のジョイントシース連結では、手作業となる点から、目地幅を手が挿入可能に、50mm程度の目地幅に大きくする必要があった。
2.前記の目地幅を大きくすると、目地間隙に充填する充填材の量が多くなり、目地材充填作業の増大を含めた充填材のコストが過大となる。
3.前記(1)および(2)の場合も同様であるが、ジョイント部の密着性が不十分だとノロ漏れ(シース内へのモルタルの浸入)の原因となるため、前記(3)の場合には、一方のみならず他方のプレキャスト部材の接合面に凹部等の加工を必要としクッションゴムまたはピンを設置するようになるので、両プレキャスト部材の端部の形成が煩雑であるという問題がある。また、前記各従来の場合には、進退される目地部用内筒の形状が正確で細かいので、目地部用接続筒が高価になると言う問題もある。前記各公報に記載されているような案が提案されてきたが、目地部のPC鋼材挿通孔については、いまだこれといった方法が確立されていない。
【0008】
本発明は、前記の問題点に着目し、安価で施工性に優れた目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材およびプレキャスト部材の連結方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
前記の問題を有利に解決するために、本発明における請求項1の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材においては、プレキャスト部材に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用シースの端部に、前記シースの外径よりも大きい外筒が取り付けられ、かつ前記外筒の内側には、螺旋ピッチの粗い雌ねじ部が設けられており、前記外筒に、螺旋ピッチの粗い雄ねじ部を有する接続用内筒が遊嵌状態で螺合されて進退移動可能に構成され、かつ前記内筒の先端部に、先端に環状パッキン材を備えた中空環状キャップを備え、前記外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられていることを特徴とする。
【0010】
また請求項2の発明においては、請求項1の請求項1に記載の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材おいて、前記外筒が合成樹脂製外筒とされ、かつ前記内筒が合成樹脂製内筒とされていることを特徴とする。
【0011】
さらに請求項3のプレキャスト部材の連結方法においては、互いに連結するプレキャスト部材相互のPC部材挿通孔を目地部用接続筒を介して接続し、前記目地部用接続筒を埋め込んでプレキャスト部材相互間に目地材を打設すると共に、前記各プレキャスト部材のPC鋼材挿通孔および接続筒に連続させて、PC鋼材を挿通し、前記PC鋼材を緊張させてプレキャスト部材間を一体化させるプレキャスト部材の連結方法において、一方のプレキャスト部材に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用シースの端部に、外筒が固定され、かつ前記外筒の内側には、雌ねじ部が設けられており、前記外筒に、雄ねじ部を有する接続用内筒が遊嵌状態で螺合されて進退移動可能に構成され、かつ前記接続用内筒の先端部に、先端に環状パッキン材を備えた中空環状キャップを備え、前記外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられている伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を使用して、前記接続用内筒を前記外筒内に後退させた状態で、伸縮自在な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を他方のプレキャスト部材に対して所定の連結位置に設置した後、前記接続用内筒を前進させて、中空環状キャップ先端部の環状パッキン材を介して前記他方のプレキャスト部材におけるPC鋼材挿通孔の下位後端部周縁に当接させて、前記各プレキャスト部材のPC鋼材挿通孔を互いに接続させることを特徴とする。
0012
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図を参照して説明する。
0013
図1〜図3は、本発明の伸縮式の目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材17の第1実施形態を示すものであって、コンクリート29に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用のシース1の端部外側に、前記シース1の外径よりも外径寸法の大きい、例えば、ポリ塩化ビニル製などの合成樹脂製の外筒2の基端部が嵌合固定され、必要に応じ、前記シース1の端部外周面と合成樹脂製の外筒2の基端側外周面とに渡って密閉用テープが貼り付け固着される。前記外筒2の内径は、シース1の外径と同程度が若干大きく設定され、外筒2の長さ寸法Lは、例えば、長さL=200mm程度の外筒でよい。
【0014】
また、前記合成樹脂製の外筒2の内側には、1条ねじ(図示の場合)からなり、螺旋ピッチの粗い雌ねじ孔3が設けられている。この実施形態の前記雌ねじ孔3は、合成樹脂製の外筒2の製作時に、外筒2の全長にわたってほぼ同じ肉厚の筒状体で、外側に凸の雄ねじ状の螺旋状凸部5が形成されていると共に、その螺旋状凸部5の内面側には、螺旋状雌ねじ部6が形成されて、外筒2には、内側に前記螺旋状雌ねじ部6を備えた雌ねじ孔3が形成されている。
【0015】
また、合成樹脂製の前記外筒2の先端側には、例えば、ポリ塩化ビニル製などの合成樹脂製の接続用内筒4が進退移動可能に前記外筒2に遊嵌状態で着脱可能に螺合されている。前記合成樹脂製の接続用内筒4は外筒2と同じ材料により製作され、また、内筒4の外周面に設けられた雄ねじ部7は、前記外筒2の雌ねじと同じ粗い螺旋ピッチで形成されている。このように、粗い螺旋ピッチのねじ嵌合にすることにより、接続用内筒4の回転数または回転角度を少なくして、外筒2に対して接続用内筒4を、前進または後退移動させることができる。前記接続用内筒4の長さは、外筒2の長さよりも短い寸法に設定され、外筒2内に内筒が収容可能に構成されている。
【0016】
また、合成樹脂製の外筒2および接続用内筒4(以下、単に内筒4とも言う。)とすることにより、これらの部品を機械切削加工によらないで、安価に製作することができ、部材軸方向にほぼ一定の肉厚で、しかも筒内面側を部材軸方向になめらかな波形形状に仕上げることができるので、これらの部材内、特に内筒4内を通過させるPC鋼材を、内筒4内において、引っかかることなく、なめらかに通過させることができる。
【0017】
前記の外筒2の雌ねじ孔3と前記内筒4における雄ねじ部7とは、雌ねじ部6と雄ねじ部7が螺合された状態で、雌ねじ部6と雄ねじ部7との間隙Gは、および外筒の最小内径の内周面8と内筒最小外径の外周面9との間隙Gは、内筒内に目地モルタルが流入しない程度のクリアランス(例えば、外筒内面と内筒外面との直径寸法差で5〜7mm(片側2.5mm〜3.5mm))が設けられて、外筒2と内筒4のねじ螺合状態が遊嵌状態とされ、内筒4が外筒2に対して傾動可能に構成されている。
【0018】
したがって、図2に示すように、前記の内筒4は、外筒2に対して、外筒2の中心軸線からその直角方向に若干離れた位置に移動したり、外筒2の内側の半径方向一端側に内筒4の基端側を偏心させて位置させた状態、または外筒2の内側の半径方向他端側に内筒4の基端側を偏心させて位置させた状態で、内筒4の先端側を外筒2の内側内において適宜の位置に位置させて、内筒4を適宜の傾斜状態または偏心した傾斜状態または平行状態にさせることができる。
【0019】
また、前記内筒4は、前記外筒2に対して螺合状態であるので、内筒4を外筒2に対して前進または後退移動させることができる。
【0020】
前記内筒4の先端部内側の内周面8には、先端部に中心軸に垂直で平坦な環状フランジ10を備えていると共にこれに接続し前部から順次後方に向って断面円弧状に縮径するガイド面14を介して差し込み用の筒状部11を一体に連設して備えている鋼製の中空環状キャップ12における前記基端側の筒状部11の外周面が差し込まれて嵌設係止されている。なお、前記筒状部11を比較的長くすると、中空環状キャップ12の接続用内筒4に対する離脱防止およびノロ漏れ(シース内への目地モルタルの浸入)の防止することができる。
【0021】
また、前記環状フランジ10には、例えば、発泡ウレタン製の環状パッキン材13が接着剤などにより固着されて、パッキン材付き中空環状キャップ12が構成されている。
【0022】
前記外筒2と内筒4とパッキン材付き中空環状キャップ12とにより伸縮可能な目地部用接続筒15が構成されている。
【0023】
したがって、前記内筒4を外筒2に対して傾動させることにより、内筒4に嵌設係止された環状パッキン材付き中空環状キャップ12を適宜の傾斜状態にすることができる。このように、環状パッキン材付き中空環状キャップ12および内筒4を、外筒2に対して進退自在に、また傾斜状態にすることができる。
【0024】
図3には、上下方向に間隔をおいて平行に鋼製シース1を埋め込み配置すると共に、各シースの端部に環状パッキン付き中空環状キャップ12における外筒2を埋め込み固定したプレキャストコンクリート製梁材16からなるプレキャスト部材17が示されている。このプレキャストコンクリート製梁材16の両側下部には、切り欠き段部30が設けられ、柱側の梁支持部に載置されるように構成されている。
【0025】
図4〜図6には、本発明のプレキャスト部材の連結方法を示すためのものであって、前記のプレキャストコンクリート製梁材16からなる一方のプレキャスト部材17と、プレキャストコンクリート製柱材18からなる他方のプレキャスト部材19とを互いに連結する場合の形態が示されている。
【0026】
これらのプレキャスト部材17(16),19(18)には、予めプレキャストコンクリート製柱材18を製造するとき、プレキャストコンクリート製梁材16に配置されたPC鋼材挿通用シース1と連続する位置に、シース1が配置され、また、プレキャストコンクリート製梁材16を製造するとき、端部(柱と接する部分)に中間部のシース1より1ランク径の大きい合成樹脂製の外筒2を予め埋め込み固定しておくか、またはその外筒2に内筒4およびパッキン付き中空環状キャップ12を取り付けた状態で、プレキャストコンクリート製梁材16を製造しておく。なお、前記内筒4およびパッキン付き中空環状キャップ12は、構造物築造現場で、プレキャスト部材を組み立てる時、予め外筒2内に内筒4を後退した位置に装着してもよい。
【0027】
さらに説明すると、図4〜図6では、互いに連結するプレキャスト部材17(16),19(18)相互のPC部材挿通孔20,21を目地部用接続筒15を介して接続し、前記目地部用接続筒15を目地部22で埋め込んでプレキャスト部材17(16),19(18)相互間に、モルタルからなる目地材23を打設すると共に、前記各プレキャスト部材17(16),19(18)のPC鋼材挿通孔20,21および目地部用接続筒15に連続させて、PC鋼材24を挿通し、前記PC鋼材24を緊張させて、PC鋼材24の端部を端部支圧プレート25および定着金具26により緊張定着し、コンクリートプレキャスト部材17(16),19(18)を一体化させるプレキャスト部材の連結方法および構造が示されている。
【0028】
一方のプレキャストコンクリート製梁材16からなるプレキャスト部材17に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用シース1の端部に、前記シース1の外径よりも大きい外筒2が埋め込み固定され、かつ前記外筒2の内側には、雌ねじ6が設けられており、前記外筒2に、雄ねじ7を有する接続用内筒4が遊嵌状態で螺合されて進退移動可能に構成され、かつ前記接続用内筒4の先端部に、先端に発泡ウレタンからなる環状パッキン材13を備えた中空環状キャップ12の基端側が嵌設されている伸縮可能な目地部用接続筒15を備えたプレキャスト部材17を使用している。
【0029】
そして、前記接続用内筒4を前記外筒2内に後退させた状態(図1の状態)で、図6に示すように、伸縮自在な目地部用接続筒15を備えたプレキャスト部材17を間隔をおいて対向するように建て込まれて配置されている他方のプレキャスト部材19(プレキャストコンクリート製柱材18)に対して所定の連結位置に設置した後、前記接続用内筒4を前進させて、中空環状キャップ12先端部の環状パッキン材13を介して前記他方のプレキャスト部材19(18)におけるPC鋼材挿通孔21の端部周縁の端面に当接させて、前記各プレキャスト部材17(16),19(18)の各PC鋼材挿通孔20,21を目地部用接続筒15を介して互いに連続するように接続させている。
【0030】
この実施形態では、各プレキャストコンクリート製柱材18には、対向する側の所定の位置に内向きに突出する梁支持部27が一体に設けられ、その梁支持部27にプレキャストコンクリート製梁材16を載置し、前記各柱、梁間の間隔に注意しながら所定の位置に据え付ける。その後、前記各柱、梁間の目地間隙で手によらず、手動式のプライヤーを目地間隙に挿入し、内筒4の外面に圧着把持させることで、内筒4を回転させながら引き出し、プレキャストコンクリート製柱材18に圧着するまで引き出す。このように、プライヤーにより内筒4を回転させて引き出すことにより、目地間隙を30mm程度にすることができ、その分プレキャスト部材の長さ寸法を大きくしておけばよい。
【0031】
この場合、前記内筒4外周面または中空環状キャップ12が適宜プラヤー等の回動工具に係合されて回動され、前記内筒4が前進移動されて他方のプレキャスト部材17(16)の端面に当接されるが、他方のプレキャスト部材17(16)の端面が平坦である場合には、図4に示すように、目地部用接続筒15先端部の環状パッキン材13は、その前面が均一に圧着されて、他方のプレキャスト部材17(16)のPC鋼材挿通孔21の開口周縁部に当接され、また図5に示すように、他方のプレキャスト部材17(16)のPC鋼材挿通孔21の開口周縁部に不陸(凹凸)がある場合、あるいは、他方のプレキャスト部材17(16)のPC鋼材挿通孔21の開口周縁部全体が、上下方向あるいは、左右方向に多少傾斜した傾斜面とされていても、前記内筒4の先端面を、他方プレキャスト部材16における傾斜面に対して平行状態あるいは傾斜状態で当接させることができる。
【0032】
また前記の中空環状キャップ12には、プレキャスト部材16の中間部(プレキャスト部材16の端部側を先端部とすると、中間部は後方)に向って、漸次先端部の拡径部から縮径する断面円弧状のガイド面14が設けられているので、拡径側からPC鋼材24を挿通させる場合には、PC鋼材24をガイドして容易に挿通させることができる。
【0033】
このように、梁および柱の各シース1がつながった後、図6に示すように、PC鋼材24を挿通し、目地部にモルタル等の目地材(充填材)23を充填した後、PC鋼材24を緊張する。そして、PC鋼材24の端部を端部支圧プレート25および定着金具26により緊張定着し、コンクリートプレキャスト部材17(16),19(18)を一体化させている。
【0034】
<第2実施形態>
前記実施形態では、外筒2と内筒4のねじ嵌合部が、1条ねじの場合を示したが、図8および図9に示すように、2条ねじでもよく、それ以外の多条ねじでもよい。このように、2条ねじにすると、接続用内筒4を少ない回転角度で、大きく前進できるので、目地部用接続筒15を効率よく施工することができる。その他の構成は、前記実施形態と同様であるので、同様な部分には、同様な符号を付して説明を省略する。
【0035】
前記各実施形態の場合、目地部用接続筒15における接続用内筒4の前端部の中空環状キャップ12先端部が他のプレキャスト部材に圧着された時に、内筒4と外筒2との間の摩擦力によって、内筒4を所定の位置に保持することになるため、接続用内筒4の外周面と外筒2の内周面との摩擦保持力を高めるために、前記接続用内筒4の外周面または外筒2の内周面の一方または両方の面をローレット加工等により粗面として係止効果を高めてもよく、あるいは、図10に示すように、前記接続用内筒4の外周面または外筒2の内周面の一方または両方の面に摩擦材28を設けるようにしてもよい。また、接続用内筒4の外周面が粗面であると、プライヤーにより把持しやすい。
【0036】
例えば、前記の摩擦材28を設ける場合、摩擦材28によって、内筒4の外筒2に対する偏心性能を阻害しないようにするために、内筒軸方向の雄ねじ山の後部傾斜面の中間部に螺旋傾斜面に沿って1螺旋程度連続させるか、または点在させるように、ゴム製薄板あるいは押し潰し可能な可縮性スポンジ材等の摩擦材28を接着材等により固定してもよく、または、外筒軸方向の雌ねじ山の前部傾斜面にゴム製薄板あるいは可縮性スポンジ材等の摩擦材28を接着材等により固定してもよく、あるいは前記のように、外筒2と接続用内筒4との両方に摩擦材28を設けるようにしてもよく、この場合に、両方の摩擦材28が干渉してもよいが、干渉しないように、軸方向にずらした位置としてもよい。なおまた、前記摩擦材28としては、糊状の接着材あるいは、適宜の粘性材料を外筒2の内周面または接続用内筒4の外周面に適宜塗布して設けるようにしてもよく、この場合、環状パッキン材13が他方のプレキャスト部材に圧着するまでは、硬化しない材料あるいは非硬化性の粘性材料を使用すると、接続用内筒4の位置調整が容易であるのでよい。
【0037】
<第3実施形態>
前記各実施形態の場合には、パッキン材付き鋼製中空環状キャップ12を内筒4の先端部に着脱自在に嵌合固定したが、本発明を実施する場合、図11に示すように、合成樹脂製中空環状キャップ12を合成樹脂製内筒4の先端部に一体にすべく、合成樹脂製内筒4の先端部に一体に先端部に向って拡径する断面円弧状の内側ガイド面14を有する円弧状部とこれに一体に、内筒4の中心軸線に直角な面に位置する環状フランジ10を連設し、その環状フランジ10の先端面に環状パッキン材13を接着材により固定するようにしてもよい。また環状フランジ10の周側面にプライヤー等の回動工具係合部を設けてもよい。
【0038】
このようにすると、プレキャスト部材相互の目地間隙を、例えば10mm程度にさらに小さくすることができ、充填するモルタル等の目地材料を少なくすることができる。なお、この形態では全体が合成樹脂製となるので、錆びることがなく、また前記各実施形態において、外筒2および接続用内筒4ならびに中空環状キャップ12の部分を合成樹脂製とすると錆びることがない。
【0039】
前記実施形態の場合には、プレキャスト部材相互を連結する場合について、説明したが、本発明を実施する場合、他方の部材は、PC鋼材挿通用孔を有する部材にも適用することができる。
また、本発明を実施する場合、PC鋼材としては、PC撚り線またはPC鋼線あるいはPC鋼棒等を使用することができる。
【0040】
【発明の効果】
本発明は以上の構成であるため、次のような効果を有する。
請求項1の発明によると、遊嵌合状態の内筒を外筒に対して回転させて、外筒に対して平行状態で前進(または後退)移動させたり、傾斜状態で前進(または後退)移動させることができ、他方のプレキャスト部材等におけるPC鋼材挿通用透孔周辺の端面に不陸があっても、あるいは、対向するプレキャスト部材の端面の鉛直度あるいは水平度が多少変化していても、前記環状パッキン材の前面全体を対向するプレキャスト部材の端面に確実に均等に圧着して、目地部のPC鋼材挿通孔を形成することができる。
【0041】
また、請求項1のように、外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられていると、内筒を確実に外筒によって保持することができる。
【0042】
請求項2のように、合成樹脂製外筒および合成樹脂製内筒とすると、目地部用接続筒を安価に製作することができるので、より経済的に伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材とすることができる。
【0043】
請求項3によると、一方のプレキャスト部材に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用シースの端部に、前記シースの外径よりも大きい外筒が固定され、かつ前記外筒の内側には、雌ねじ部が設けられており、前記外筒に、雄ねじ部を有する接続用内筒が遊嵌状態で螺合されて進退移動可能に構成され、かつ前記接続用内筒の先端部に、先端に環状パッキン材を備えた中空環状キャップの基端側が嵌設され、前記外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられている伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を使用しているので、接続用内筒を前記外筒内に後退させた状態で、目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を他方のプレキャスト部材に対して所定の連結位置に設置した後、前記接続用内筒を前進させて、中空環状キャップ先端部の環状パッキン材を介して前記他方のプレキャスト部材におけるPC鋼材挿通孔周縁に当接させて、前記各プレキャスト部材のPC鋼材挿通孔を互いに連続させて、PC鋼材を配置すると共に、目地部に目地材を充填して、PC部材を緊張定着してプレキャスト部材を容易に連結することができる。また、外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられていると、内筒を確実に外筒によって保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材の端部を拡大して示す一部縦断側面図である。
【図2】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材における目地部用接続筒の接続用内筒を傾斜させて前進させた状態を示す一部縦断側面図である。
【図3】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を示す一部切欠縦断側面図である。
【図4】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を使用して、内筒を前進させて、他方のプレキャスト部材のPC鋼材挿通孔の開口部周辺に環状パッキン材を圧着させた状態を示す縦断側面図である。
【図5】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を使用して、内筒を左右方向(または上下方向)に傾斜前進させて、他方のプレキャスト部材のPC鋼材挿通孔の開口部周辺に環状パッキン材を圧着させた状態を示す横断平面図である。
【図6】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材としての梁材を、他方のプレキャスト部材としてのプレキャスト柱材の段部に配置した状態を示す縦断側面図である。
【図7】 本発明におけるプレキャスト部材における伸縮可能な目地部用接続筒の先端部の環状パッキン材付き中空環状部材を示すものであって、(A)は正面図、(B)は一部縦断側面図、(C)は背面図である。
【図8】 本発明の第2実施形態の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材の端部を示す縦断側面図である。
【図9】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を使用して、内筒を前進させて、他方のプレキャスト部材のPC鋼材挿通孔の開口部周辺に環状パッキン材を圧着させた状態を示す縦断側面図である。
【図10】 本発明の伸縮可能な目地部用接続筒における接続用内筒と外筒との間の摩擦力を高めるために、内筒雄ねじ部斜面にゴムスポンジ材を固定した形態を示す縦断側面図である。
【図11】 本発明の第3実施形態を示し、中空環状キャップ部分を内筒と一体に連設した伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材の端部を拡大して示す一部縦断側面図である。
【符号の説明】
1 シース
2 外筒
3 雌ねじ孔
4 内筒
5 螺旋状凸部
6 螺旋状雌ねじ部
7 雄ねじ部
8 外筒小径内周面
9 内筒小径外周面
10 環状フランジ
11 筒状部
12 中空環状キャップ
13 環状パッキン材
14 ガイド面
15 目地部用接続筒
16 プレキャストコンクリート製梁材
17 プレキャスト部材
18 プレキャストコンクリート製梁材
19 プレキャスト部材
20 PC鋼材挿通孔
21 PC鋼材挿通孔
22 目地部
23 目地材
24 PC鋼棒
25 端部支圧プレート
26 定着金具
27 梁支持部
28 摩擦材
29 コンクリート
30 切り欠き段部

Claims (3)

  1. プレキャスト部材に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用シースの端部に、前記シースの外径よりも大きい外筒が取り付けられ、かつ前記外筒の内側には、螺旋ピッチの粗い雌ねじ部が設けられており、前記外筒に、螺旋ピッチの粗い雄ねじ部を有する接続用内筒が遊嵌状態で螺合されて進退移動可能に構成され、かつ前記内筒の先端部に、先端に環状パッキン材を備えた中空環状キャップを備え、前記外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられていることを特徴とする伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材。
  2. 前記外筒が合成樹脂製外筒とされ、かつ前記内筒が合成樹脂製内筒とされていることを特徴とする請求項1に記載の伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材。
  3. 互いに連結するプレキャスト部材相互のPC部材挿通孔を目地部用接続筒を介して接続し、前記目地部用接続筒を埋め込んでプレキャスト部材相互間に目地材を打設すると共に、前記各プレキャスト部材のPC鋼材挿通孔および接続筒に連続させて、PC鋼材を挿通し、前記PC鋼材を緊張させてプレキャスト部材間を一体化させるプレキャスト部材の連結方法において、一方のプレキャスト部材に埋め込み配置されているPC鋼材挿通用シースの端部に、外筒が固定され、かつ前記外筒の内側には、雌ねじ部が設けられており、前記外筒に、雄ねじ部を有する接続用内筒が遊嵌状態で螺合されて進退移動可能に構成され、かつ前記接続用内筒の先端部に、先端に環状パッキン材を備えた中空環状キャップを備え、前記外筒の内面と内筒の外面の少なくとも何れか一方に、外筒と内筒との摩擦係合を高める摩擦材が設けられている伸縮可能な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を使用して、前記接続用内筒を前記外筒内に後退させた状態で、伸縮自在な目地部用接続筒を備えたプレキャスト部材を他方のプレキャスト部材に対して所定の連結位置に設置した後、前記接続用内筒を前進させて、中空環状キャップ先端部の環状パッキン材を介して前記他方のプレキャスト部材におけるPC鋼材挿通孔の下位後端部周縁に当接させて、前記各プレキャスト部材のPC鋼材挿通孔を互いに接続させることを特徴とするプレキャスト部材の連結方法。
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