JP3705392B2 - 洗濯方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、洗濯方法及び洗浄剤組成物に関する。更に詳しくは、洗濯液のpHが高くなるよりも先に洗濯液の硬度を低下させることにより、界面活性剤の濃度が低くても洗浄力に優れる洗濯方法及び洗浄剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に洗浄剤は、洗濯液をアルカリ性にすることによって、汚れの分散力を上げて遊離した汚れの再汚染を防ぎながら、一方でゼオライト等の金属イオン封鎖剤を添加することにより、水道中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンにより界面活性剤が受ける影響をなくすことにより、衣類に付着した汚れを除去していることが知られている。
【0003】
従って、従来の洗浄剤粒子中には、アルカリ剤や金属イオン封鎖剤が含有されているのが一般的であり、当該洗浄剤粒子は一般的には次のようにして製造される。
【0004】
即ち、洗浄剤粒子は、陰イオン界面活性剤や非イオン界面活性剤を中心とする界面活性剤、炭酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムなどのアルカリ剤、ゼオライトやトリポリリン酸ナトリウムなどのカルシウム捕捉剤(金属イオン封鎖剤)、硫酸ナトリウムなどの充填剤及びその他成分(熱に安定な物質)を水に分散させたスラリーをつくり、これを乾燥し、粒子化したものに、熱に不安定な物質である香料、場合によっては漂白剤や漂白活性化剤をアフターブレンドすることによって製造される。
【0005】
なお、かつてゼオライト以前のカルシウム捕捉剤として一般的に用いられていたトリポリリン酸塩をはじめとするリン系金属イオン封鎖剤は、カルシウム捕捉能以外にアルカリ剤の性質をもち、かつ乾燥粒子の流動性等の粉末物性を向上させるのに最も適した性質をもつため乾燥粒子内に配合されてきた。
【0006】
また、前記のような洗浄剤粒子において、アルカリ金属炭酸塩や珪酸塩等のアルカリ剤も、粒子自体を強固にして流動性を向上させる性質を持っているため、可塑性である界面活性剤と微粒子であるゼオライトを粒状化するため、これらの物質と同じ粒子内に含有されるのが一般的である。
【0007】
このように、従来の洗浄剤は金属イオン封鎖剤とアルカリ剤が同一粒子内に配合されているため、洗濯液中での溶解により同時にアルカリ能と金属イオン捕捉能が発現されるか、もしくはアルカリ剤と水の反応よりも、金属イオン封鎖剤と水中のCaやMgイオンとの反応の方が速度的に遅いためにアルカリ能の発現の方が早くなることが考えられる。また、この点は液体洗浄剤についても同様であり、通常、同一液に金属イオン封鎖剤とアルカリ剤が混在しているため、アルカリ能と金属イオン捕捉能が同時、又はアルカリ能の方が早く発現される。
【0008】
ところで、人体由来の皮脂汚れはその大半において、脂肪酸を含有している。洗浄中において、カルシウム、マグネシウムは脂肪酸とスカムを形成し、溶解性を低下させ、汚れの水中への分散を防げる原因になる。特に我々は、スカム化速度がアルカリ度(pH)が高いほど速くなることに気づき、一般の洗濯方法では洗浄パフォーマンスを最大限に生かせきれていないことに気づいた。
【0009】
一方、上記とは異なり、アルカリ剤を別の粒子として洗浄剤粒子にドライブレンドする方法も、従来よりいくつか知られている。
【0010】
例えば、▲1▼特公平3−52798号公報には、炭酸アルカリ金属塩及び/又は硫酸アルカリ金属塩にポリエチレングリコール等の有機化合物を添加して造粒する嵩密度の小さい洗剤ビルダーの製造方法が開示されている。しかしながら、この発明は粒子強度および溶解性を改善するものであり、アルカリ剤の溶解を金属イオン封鎖剤よりも遅くして、洗浄効果を高めることを目的とするものではない。従って、実施例に示されたアルカリ剤粒子は、バインダーの量も少なく、ポリエチレングリコールの分子量も低いものであり、アルカリ能の発現を遅延させるものではない。
【0011】
▲2▼特開昭55−52396号公報には、界面活性剤及びゼオライト等のキレート剤を配合する洗剤粒子に、特定のアルカリ金属珪酸塩粒子をドライブレンドする方法が開示されている。しかしながら、この発明はシリケートがゼオライトと相互作用を起こし水不溶性物質を生成するのを防ぎ、かつ洗濯機の防錆効果を損なわないことを目的とするものであり、アルカリ剤の溶解をキレート剤よりも遅くして、洗浄効果を高めることを目的とするものではない。従って、実施例に示されたシリケート粒子は粒径の大きなものであるが、粒径の操作によりアルカリ能の発現を遅延させるものではない。
【0012】
▲3▼特開昭62−167399号公報には、高嵩密度化による洗剤粒子の溶解性の低下を防ぐために、洗剤生地中の水溶性の結晶性無機塩の配合量を限定し、アルカリ剤をドライブレンドする高嵩密度洗剤の製造方法が開示されている。しかし、上記▲2▼と同様に、アルカリ剤の溶解を金属イオン封鎖剤よりも遅くして洗浄効果を高めることについては、何ら示唆されていない。
【0013】
▲4▼特開昭58−213099号公報には、噴霧乾燥された粉末洗浄生地に対して特定の密度、粒子径及び粒度分布を持つ炭酸ソーダをドライブレンドする衣料用洗剤の製造法が開示されている。しかしながら、この発明は耐ケーキング性を改善し、且つ炭酸ソーダの分級を防ぐことを目的とするものであり、アルカリ剤の溶解を金属イオン封鎖剤よりも遅くして、洗浄効果を高めることを目的とするものではない。従って、実施例でも洗剤生地中に珪酸ソーダを比較的多量に配合しており、金属イオン封鎖剤であるゼオライトと同じ粒子に珪酸ソーダが含有されている。
【0014】
従って、アルカリ能を金属イオン捕捉能より遅れて発現させることを目的とした従来技術はなく、上記のようなアルカリ剤をアフターブレンドする方法は、ゼオライトが水不溶性であるため、微粒子のままでシリケート等と混合するとシリケートがゼオライトの分散を抑制するため繊維に残留するのを抑えるための配合、又は耐ケーキング性や溶解性を改善するための配合にすぎない。そして、逆に、前記の先行技術の洗剤は、アルカリ剤が直接洗濯液に触れるため、金属イオン封鎖剤や界面活性剤と同一の粒子に配合した場合よりもアルカリ能の立ち上がりが速くなる。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、洗濯液の硬度が低下してから洗濯液のpHが増加する条件で洗濯することにより、界面活性剤の濃度が低くても洗浄力に優れる洗濯方法を提供することにある。また、本発明の他の目的は、当該洗濯方法に好適に用いることができる洗浄剤組成物を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、洗濯液のpHが高くなるよりも先に洗濯液の硬度を低下させることにより、界面活性剤の濃度が低くても洗浄力が抜群に上昇することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0017】
即ち、本発明の要旨は、
〔1〕 金属イオン封鎖剤の添加開始より遅れて、アルカリ剤を添加して洗濯液のpHの増加が洗濯液の硬度の低下よりも遅延した条件で洗濯することを特徴とする洗濯方法(但し、アルカリ剤はアルカリ金属ケイ酸塩を含み、且つアルカリ金属ケイ酸塩はアルカリ剤として用いる)であって、洗濯液の硬度が3.5°DH以下に低下した後、アルカリ剤の添加により洗濯液のpHが10.0を越すようにして洗濯する洗濯方法、
〔2〕 衣類を入れない時の測定条件(25℃)で、洗濯液中の最大pH値が10.6以上になる前記〔1〕記載の洗濯方法、
〔3〕 アルカリ金属ケイ酸塩が結晶性アルカリ金属ケイ酸塩であり、且つ金属イオン封鎖剤の量が洗濯液の硬度を計算上0.5°DH以下にするのに十分な量であり、且つ、アルカリ剤の量が衣類を入れない時の測定条件(25℃)でpHを10.6以上にするのに十分な量である前記〔1〕又は〔2〕記載の洗濯方法、に関するものである。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明の洗濯方法は、洗濯液のpHの増加が洗濯液の硬度の低下よりも遅延した条件で洗濯することを特徴とする。
このような条件で洗濯する方法としては、金属イオン封鎖剤の添加開始より遅れて、アルカリ剤を添加する方法でもよく、またアルカリ剤の溶解もしくは分散が、金属イオン封鎖剤の溶解もしくは分散よりも遅く発現させる方法のいずれであってもよい。更には洗濯水の硬度を低下させた後に、アルカリ剤を添加する方法でもよい。
【0023】
また上記の条件としては、具体的には洗濯中の洗濯液の硬度が徐々に低下していく過程のpHに着目してみると、低下中の硬度が未だ3.5°DH以上の時、好ましくは1.5°DH以上の時、さらに好ましくは0.8°DH以上の時にはpH値が10.5を越えないものが好ましく、10.0を越えないものがより好ましい。硬度が低下している途中においてpH値がこの範囲を越えると脂肪酸の石鹸化とスカム形成が競合しておこるため、十分な洗浄性を得にくい傾向がある。換言すれば硬度が充分に低下するまでは、アルカリ剤によるpHの増加を遅延させるのが好ましい。従って、硬度が3.5°DH以下に、好ましくは1.5°DH以下に、さらに好ましくは0.8°DH以下に低下すれば、アルカリ剤の作用によりpHは10.0、さらには10.5を越すのが高い洗浄性を得る上で好ましい。
【0024】
更に、衣類を入れない時の測定条件(25℃)で、洗濯中の洗濯液の最大pH値が10.6以上になることが好ましく、より好ましくは10.8以上である。最大pH値を10.6以上にすることにより洗浄力を高くすることができる。
【0025】
洗剤の標準使用量は、世界の国によって異なる。これは国ごとに水道水の硬度が異なる為である。例えば、日本国では通常4°DH付近であるのに対し、米国では、6°DH以上、欧州では10°DHを越える高硬度の水を洗濯用水として使用している。このため金属イオン封鎖剤の絶対量が変化するため、その結果、標準使用量も、それに応じて加減される。本発明での金属イオン封鎖剤の添加量は硬度によって異なるが、洗濯液中の界面活性剤濃度は基本的には同じであり、また標準使用量も従来よりも少ない量である。
【0026】
本発明の洗濯方法は、標準的な使用量(使用する洗濯用水が2〜6°DHの時は0.40〜1.00g/L、6〜10°DHの時は0.5〜0.67g/L、10〜20°DHの時は0.80〜2.50g/L)において洗濯液中の界面活性剤濃度が0.07g/L以上であることが好ましく、0.10g/L以上であることがより好ましい。界面活性剤濃度が0.07g/L未満であると、本発明の方法でも十分な洗浄性が得にくいからである。
【0027】
なお、界面活性剤の溶解もしくは分散は、アルカリ剤の溶解もしくは分散よりも先に生じ、できる限り洗浄初期から発現することが好ましい。
以上のような本発明の洗濯方法は、例えば以下のような本発明の洗浄剤組成物を用いることによって、好適に実施することができるが、これに限定されるわけではない。
【0028】
本発明の洗浄剤組成物は、添加後の洗濯液のpHの増加が、洗濯液の硬度の低下よりも遅く発現するアルカリ遅延粒子を含有することを特徴とするものである。
このとき、具体的には標準的な使用量(使用する洗濯用水が2〜6°DHの時は0.40〜1.00g/L、6〜10°DHの時は0.5〜0.67g/L、10〜20°DHの時は0.80〜2.50g/L)において、前記のように洗濯中の洗濯液の低下中の硬度が3.5°DH以上の時、好ましくは1.5°DH以上の時、さらに好ましくは0.8°DH以上の時にはpH値が10.5を越えないものが好ましく、10.0を越えないものがより好ましい。pH値がこの範囲を越えると脂肪酸の石鹸化とスカム形成が競合しておこるため、十分な洗浄性を得にくい傾向がある。
【0029】
本発明の洗浄剤組成物は、具体的には少なくとも界面活性剤、アルカリ剤および金属イオン封鎖剤を含有するものであり、金属イオン封鎖剤の含有量は、標準的な使用量(使用する洗濯用水が2〜6°DHの時は0.40〜1.00g/L、6〜10°DHの時は0.5〜0.67g/L、10〜20°DHの時は0.80〜2.50g/L)において洗濯液の硬度を計算上0.5°DH以下にするのに十分な量であり、アルカリ剤の含有量は、pHを25℃で10.6以上にするのに十分な量である。
ここで、洗濯液のpHは通常のガラス電極pH計等により25℃で測定される。
【0030】
また、洗濯液中に存在すべき金属イオン封鎖剤(アルカリ金属ケイ酸塩以外の金属イオン封鎖剤をいう)の量は、次のようにして計算される。
洗濯用水の硬度を計算上0.5°DHにするのに必要なイオン捕捉能に対応する量は、用いる洗濯用水の硬度(硬度は国によって異なり、例えば、日本では約4°DH)からその硬度差に相当するCa,Mgイオンの濃度を計算して、そのイオン濃度に対応する全Caイオン捕捉能を濃度の単位で計算する。なお、DH硬度はイオンカップリングプラズマ法(ICP法)で測定される。
このとき金属イオン封鎖物質のイオン捕捉能の測定方法は、用いる金属イオン封鎖物質がイオン交換体であるかキレート剤であるかによって異なっている。各物質についてその測定方法を述べると、次のようになる。
【0031】
イオン交換体の場合
試料0.1gを精秤し、塩化カルシウム水溶液(濃度はCaCO3 として500ppm)100ml中に加え、25℃で60分間撹拌した後、孔サイズ0.2μmのメンブランフィルター(アドバンテック社、ニトロセルロース製)を用いて濾過を行い、その濾液10ml中に含まれるCa量をEDTA滴定により測定する。その値より試料のカルシウムイオン交換容量(カチオン交換容量)を求める。
たとえば本発明では、結晶性アルカリ金属ケイ酸塩、アルミノケイ酸塩(ゼオライト他)などの無機物質をイオン交換体として測定している。
【0032】
キレート剤の場合
カルシウムイオン電極を用いて、Caイオン捕捉能を下記のようにして測定する。なお、溶液は全て以下の緩衝液を用いて調製する。
緩衝液;0.1M−NH4 Cl−NH4 OH buffer(pH10.0)
(1)検量線の作成
標準カルシウムイオン溶液を作成し、図1の如きカルシウムイオン濃度の対数と電位の関係を示す検量線を作成する。
【0033】
(2)カルシウムイオンの捕捉能の測定
約0.1gのキレート剤を秤量し、100mLメスフラスコに入れて上記の緩衝液でメスアップする。このようにして調製されたキレート剤含有緩衝液に、カルシウムイオン濃度が20000ppm(CaCO3 換算)に相当するCaCl2 水溶液(pH10.0)をビュレットから滴下する。滴下はCaCl2 水溶液を0.1〜0.2mLずつ加えて行い、その時の電位を読み取る。また、キレート剤を含有しない緩衝液にも同様にCaCl2 水溶液滴下を行う。この溶液をブランク溶液と称する。図1の検量線よりカルシウムイオン濃度を求め、CaCl2 水溶液の滴下量とカルシウムイオン濃度の関係をグラフに示す(図2)。図2中、線Pはブランク溶液(キレート剤を使用しない緩衝液を用いた場合)のデータを示し、線Qはキレート剤含有緩衝液を用いた場合のデータを示す。線Qの延長線と、横軸との交点をAとし、Aにおけるブランク溶液のカルシウムイオン濃度から、キレート剤のカルシウムイオン捕捉能を求める。
【0034】
たとえば本発明では、クエン酸塩などのポリカルボン酸塩並びにアクリル酸−マレイン酸コポリマー等のカルボキシレート重合体を、キレート剤として使用している。本発明の金属イオン封鎖剤は、Ca交換容量が150CaCO3 mg/g以上のもの、特に200CaCO3 mg/g以上のものを指すが、キレート剤についてはpKCa2+(カルシウムイオンキレート安定度定数)の値が3.2以下の場合(例えば、クエン酸塩など)、十分な硬度の低下が望めないので、組成物中15重量%以下、好ましくは10重量%以下であり、特に金属イオン封鎖剤中、30重量%以下であることが好ましい。なおpKCa2+は、次のようにして測定される。
【0035】
カルシウムイオンキレート安定度定数の計算:
カルシウムイオンキレート安定度定数(pKCa2+)は、Ca2+捕捉能測定時の結果を用いる。サンプルに対して等モルのカルシウムを加えた時に1対1の錯体を作るものとして計算する。
錯体の安定度定数は以下の式に従って求めることができる。
【0036】
【数1】
【0037】
洗濯液での硬度測定方法
洗濯液の硬度の測定法としては、洗浄組成物に配合されている金属イオン封鎖剤がイオン交換体である時は、孔サイズ0.2μmのメンブランフィルター(アドバンテック社:ニトロセルロース製)を用いて洗濯液をろ過し、ろ液中に含有される硬度成分量をICP法(イオンプラズマカップリング法)もしくはEDTA滴定法を用いて容易に測定することができる。
また、洗浄剤組成物に配合されている金属イオン封鎖剤がキレート剤の場合は、キレート指示薬法を採用することで良好な結果を得ることができる。キレート指示薬法は、被験洗濯液に相当するpHおよびイオン強度下で検量線を作成する必要性があるが、キレート剤等の金属イオン封鎖剤に捕捉されえなかった遊離の硬度成分量を、洗濯液そのものから定量することができる。具体的には、例えば 4th WORLD SURFACTANTS CONGRESS 要旨集第2巻 p.159に記載されている Chrome Violet(東京化成工業(株)より入手可能)による方法を用いることができる。
【0038】
さらに多くの洗浄剤組成物がそうであるように、洗浄剤組成物に、イオン交換体とキレート剤が金属イオン封鎖剤として併用されてる場合には、上記のメンブランフィルターを用いる方法とキレート指示薬法を組み合わせることで目的を達成することができる。即ち、被験洗剤液を速やかに孔サイズ0.2μmのメンブランフィルターを用いて洗濯液中のイオン交換体をろ過し、得られたろ液に Chrome Violet液を添加後、着色液の可視吸収波長を測定することで、キレート剤に捕捉されていない遊離の硬度成分量を定量するものである。
【0039】
また、本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ剤の溶解もしくは分散が金属イオン封鎖剤の溶解もしくは分散よりも遅く発現するものや、アルカリ剤の溶解もしくは分散が、界面活性剤の溶解もしくは分散よりも遅く発現するものが例示される。
ここで、アルカリ遅延粒子とは、添加後の洗濯液のpHの増加が、洗濯液の硬度の低下よりも遅く発現するアルカリ発現の遅延可能な粒子をいう。当該粒子は、例えば有機物質又は有機及び無機物質でアルカリ剤を被覆した複合粒子等が挙げられる。
【0040】
用いられる有機物質としては、常温で固体の非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、脂肪酸等が挙げられる。
アルカリ剤を被覆するのに用いられる非イオン界面活性剤としては、例えばポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、アルキルポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
このうち、特に非イオン界面活性剤として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル及び/又はポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルを用いることが、洗浄性の点より好ましい。
【0041】
ポリエチレングリコールとしては、分子量3000〜20000のものが挙げられ、脂肪酸としては炭素鎖長12〜20の飽和及び/又は不飽和のもの等が挙げられる。その他、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、低重合度カルボキシメチルセルロースが挙げられ、また撥水性の高い金属石鹸や、炭酸カルシウム、シリカ粉末等を用いてもよい。
【0042】
上記のような被覆剤の含有量は、アルカリ遅延粒子中10〜80重量%であることが好ましく、30〜70重量%であることがより好ましい。この範囲より被覆剤の含有量が少ないと、アルカリ発現の遅延が十分でなくなる傾向があり、この範囲より被覆剤の含有量が多いと、洗濯液への溶解性が著しく遅くなる為、洗濯時間が制限され十分な洗浄力が得られない。
【0043】
アルカリ遅延粒子(複合粒子)を製造する方法としては、非イオン界面活性剤、ポリエチレングリコール、脂肪酸等をバインダーとし、充分な量を用いてアルカリ剤を造粒する方法。また、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、低重合度カルボキシメチルセルロース等をコーティング剤として、アルカリ剤と流動層でコーティングする方法等が挙げられる。また、この造粒・コーティングを行う際、撥水性の高い金属石鹸や難溶性の高い炭酸カルシウム、シリカ粉末等を添加しても良い。
【0044】
このようにして得られたアルカリ遅延粒子は、アルカリ遅延粒子が凝集したアルカリ凝集粒子としてもよく、更に上記のアルカリ遅延粒子又はアルカリ凝集粒子の外表面を金属イオン封鎖剤によって被覆してもよい。
本発明で言うアルカリ剤とは1リットルのイオン交換水にアルカリ剤0.2g添加した後、3分間攪拌を行い、アルカリ剤を十分に溶解もしくは分散させた後の溶液のpHが10以上であり、更にこのアルカリ溶液に0.1規定の塩酸を添加していきpHが10になるまでの量が少なくとも3ml以上であるようなアルカリ緩衝能を示すものである。従って、本発明においてゼオライト、亜硫酸塩、炭酸水素塩等は本発明のアルカリ剤として含まれないものとする。
【0045】
一方、特開平5−184946号公報や特開昭60−74595号公報等に記載された結晶性のケイ酸塩は、ゼオライトと同じく金属イオン封鎖能を示すが、アルカリ能が高いため本発明ではアルカリ剤に含まれるものとする。
なお上記結晶性ケイ酸塩を非イオン界面活性剤を含むバインダーで造粒することが、特表平6−502445号公報に記載されているが、この発明は自由流動性の良好な粒状物に関する発明であり、その上、この技術は結晶性ケイ酸塩に限らず、ゼオライトの単独又は併用にも使用できるものであり、また実施例を見る限りにおいては、本発明のようにアルカリ剤の溶解を金属イオン封鎖剤よりも遅くして、洗浄効果を高めることを目的とするものではなく、本発明の技術思想を示唆するものでもない。
【0046】
用いられるアルカリ剤としては、例えばアルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属ケイ酸塩、好ましくはアルカリ金属ケイ酸塩が挙げられる。これらの内、アルカリ金属炭酸塩が炭酸ナトリウムである場合や、アルカリ金属ケイ酸塩が結晶性ケイ酸塩である場合が好ましい。
アルカリ金属ケイ酸塩としては、上記に限らず無定形のものも用いることができるが、アルカリ能のみならず、イオン交換能を付与することが可能となるため結晶性のものが好ましい。アルカリ剤へのイオン交換能の付与は、より速やかな硬度の低下を導くことを容易にする。しかしながら、アルカリ剤は遅延すべきであるので、該アルカリ剤のイオン交換能はあくまでも補助的なものである。
【0047】
本発明に用いられる結晶性アルカリ金属ケイ酸塩のうち、好ましくは次の組成を有するものが例示される。
▲1▼ xM2 O・ySiO2 ・zMem On ・wH2 O (1)
(式中、Mは周期律表のIa族元素、MeはIIa、IIb、 IIIa、IVaもしくはVIII族元素から選ばれる1種または2種以上の組合せを示し、y/x=0.5〜2.6、z/x=0.01〜1.0、n/m=0.5〜2.0、w=0〜20である。)
▲2▼ M2 O・x’SiO2 ・y’H2 O (2)
(式中、Mはアルカリ金属を表し、x’=1.5〜2.6、y’=0〜20である。)
【0048】
まず、上記▲1▼の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩について説明する。
一般式(1)において、Mは周期律表のIa族元素から選ばれ、Ia族元素としてはNa、K等が挙げられる。これらは単独であるいは例えばNa2 OとK2 Oとが混合してM2 O成分を構成していてもよい。
Meは周期律表のIIa,IIb,IIIa,IVaまたはVIII族元素から選ばれ、例えばMg、Ca、Zn、Y、Ti、Zr、Fe等が挙げられる。これらは特に限定されるものではないが、資源及び安全上の点から好ましくはMg、Caである。また、これらは単独であるいは2種以上混合していてもよく、例えばMgO、CaOなどが混合してMem On 成分を構成していてもよい。
【0049】
また、本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩においては、水和物であってもよく、この場合の水和量はw=0〜20の範囲である。
また、一般式においてy/xが0.5〜2.6であり、好ましくは1.5〜2.2である。y/xが0.5未満では耐水溶性が不十分であり、ケーキング性、溶解性、洗浄剤組成物の粉末物性に著しく悪影響を及ぼす。y/xが2.6を越えると、アルカリ能が低くなりアルカリ剤として不十分となり、かつイオン交換能も低くなり、イオン交換体としても不十分である。z/xは0.01〜1.0であり、好ましくは0.02〜0.9である。z/xが0.01未満では耐水溶性が不十分であり、1.0を越えるとイオン交換能が低くなり、イオン交換体として不十分である。x,y,zは前記のy/xおよびz/xに示されるような関係であれば、特に限定されるものではない。なお、前記のようにxM2 Oが例えばx’Na2 O・x”K2 Oとなる場合は、xはx’+x”となる。このような関係は、zMem On 成分が2種以上のものからなる場合におけるzにおいても同様である。また、n/m=0.5〜2.0は、当該元素に配位する酸素イオン数を示し、実質的には0.5、1.0、1.5、2.0の値から選ばれる。
【0050】
本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、前記の一般式に示されるようにM2 O、SiO2 、Mem On の三成分よりなっている。したがって、本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩を製造するには、その原料として各成分が必要になるが、本発明においては特に限定されることなく公知の化合物が、適宜用いられる。例えば、M2 O成分、Mem On 成分としては、各々の当該元素の単独あるいは複合の酸化物、水酸化物、塩類、当該元素含有鉱物が用いられる。具体的には例えば、M2 O成分の原料としては、NaOH、KOH、Na2 CO3 、K2 CO3 、Na2 SO4 等が、Mem On 成分の原料としては、CaCO3 、MgCO3 、Ca(OH)2 、Mg(OH)2 、MgO、ZrO2 、ドロマイト等が挙げられる。SiO2 成分としてはケイ石、カオリン、タルク、溶融シリカ、ケイ酸ソーダ等が用いられる。
【0051】
本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩の調製方法は、目的とする結晶性アルカリ金属ケイ酸塩のx,y,zの値となるように所定の量比で上記の原料成分を混合し、通常300〜1500℃、好ましくは500〜1000℃、さらに好ましくは600〜900℃の範囲で焼成して結晶化させる方法が例示される。この場合、加熱温度が300℃未満では結晶化が不十分で耐水溶性に劣り、1500℃を越えると粗大粒子化しイオン交換能が低下する。加熱時間は通常0.1〜24時間である。このような焼成は通常、電気炉、ガス炉等の加熱炉で行う事ができる。
【0052】
このようにして得られた本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、0.2重量%分散液において10.6以上のpHを示し、優れたアルカリ能を示す。またアルカリ緩衝効果についても、特に優れており、炭酸ソーダや炭酸カリウムと比較してもアルカリ緩衝効果が優れるものである。
【0053】
なお、本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、アルカリ能だけでなくイオン交換能も示し、少なくとも100CaCO3 mg/g以上、好ましくは200〜600CaCO3 mg/gを有している。
【0054】
本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、前記のようにアルカリ能とアルカリ緩衝効果を有し、さらにイオン交換能を有するため、その配合量を適宜調整することにより、前述の洗浄条件を好適に調整することができる。
【0055】
本発明において、結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、その平均粒径が、0.1〜20μmであることが好ましく、より好ましくは1〜30μmであり、さらに好ましくは1〜10μmである。平均粒径がこの範囲を超えると、イオン交換の発現速度が遅くなる傾向があり、洗浄性の低下を招く。また、この範囲未満であると、比表面積の増大により、吸湿性ならびに吸CO2 性が増大し、品質の劣化が著しい傾向がある。尚、ここでいう平均粒径とは、粒度分布のメジアン径である。
【0056】
このような平均粒径及び粒度分布を有する結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、振動ミル、ハンマーミル、ボールミル、ローラーミル等の粉砕機を用い、粉砕することによって調製することができる。
【0057】
結晶性アルカリ金属ケイ酸塩の含有量は、全組成物中、3〜75重量%配合するのが好ましく、特に2〜6°DHの洗濯用水を用いる場合、8〜55重量%、6〜10°DHの洗濯用水を用いる場合、5〜45重量%、10〜20°DHの洗濯用水を用いる場合、3〜30重量%配合するのが好ましい。
【0058】
次に、前記▲2▼の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩について説明する。
この結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、一般式(2)
M2 O・x’SiO2 ・y’H2 O (2)
(式中、Mはアルカリ金属を表し、x’=1.5〜2.6、y’=0〜20である。)
で表されるものであるが、一般式(2)中のx’、y’が1.7≦x’≦2.2、y’=0のものが好ましく、陽イオン交換能が100〜400CaCO3 mg/gのものが使用できる。
【0059】
本発明における結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、このようにアルカリ能とアルカリ緩衝効果を有し、さらにイオン交換能を有するため、その配合量を適宜調整することにより、前述の洗浄条件を好適に調整することができる。
この結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、全組成物中、3〜75重量%配合するのが好ましく、特に2〜6°DHの洗濯用水を用いる場合、8〜55重量%、6〜10°DHの洗濯用水を用いる場合、5〜45重量%、10〜20°DHの洗濯用水を用いる場合、3〜30重量%配合するのが好ましい。
【0060】
かかる結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、特開昭60−227895号公報にその製法が記載されており、一般的には無定形のガラス状ケイ酸ソーダを200〜1000℃で焼成して結晶性とすることによって得られる。合成方法の詳細は例えば Phys. Chem. Glasses. 7, 127-138(1966)、 Z. Kristallogr., 129, 396-404(1969) 等に記載されている。また、この結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は例えばヘキスト社より商品名「Na-SKS-6」(δ−Na2Si2O5) として、粉末状、顆粒状のものが入手できる。
【0061】
本発明において、▲2▼の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、▲1▼の組成のものと同様に、平均粒径が、0.1〜50μmであることが好ましく、より好ましくは1〜30μmである。さらに好ましくは1〜10μmである。
【0062】
本発明において、前記▲1▼および▲2▼の組成の結晶性アルカリ金属ケイ酸塩は、それぞれ単独であるいは2種以上を併用して用いられ、またアルカリ剤として、そのうち50〜100重量%を占めることが好ましく、より好ましくは70〜100重量%を占めるものである。
【0063】
本発明では、洗浄剤組成物中にアルカリ剤が通常10〜75重量%含有されているが、そのアルカリ剤の70重量%以上が、上記の複合粒子に含有されていることが好ましく、より好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上である。70重量%以上含有させることにより、アルカリ発現の遅延により本発明の効果が好適に得られるからである。
【0064】
本発明の洗浄剤組成物においては、被覆されたアルカリ剤は、前記のように造粒(凝集)により比較的大きな粒子にしても良い。その場合、アルカリ金属ケイ酸塩以外の金属イオン封鎖剤は、該凝集された粒子(アルカリ凝集粒子)内部にできるだけ含まれないものが好ましく、具体的にはその70重量%以上、好ましくは80重量%以上、最も好ましくは90重量%以上がアルカリ凝集粒子内部に含まれないことが好ましく、より好ましくは実質的に凝集粒子内部にアルカリ金属ケイ酸塩以外の金属イオン封鎖剤を含まないものである。
【0065】
このように本発明では、金属イオン封鎖剤がアルカリ凝集粒子以外に存在することが好ましいが、より好ましくはアルカリ凝集粒子の外部表面を金属イオン封鎖剤で被覆することによって金属イオン捕捉がアルカリ能の発現より速くなるため好適である。なお、その際用いられる金属イオン封鎖剤は、アルミノシリケートが好ましく、それは粒状組成物の粉末物性を向上させる効果も有する。外部表面を被覆する金属イオン封鎖剤は、被覆された粒子中2〜20重量%含有することが好ましい。
【0066】
本発明に用いられる界面活性剤としては、一般的に洗浄剤に用いられるものが特に限定されることなく使用できる。具体的には、以下に例示される非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤及び両性界面活性剤からなる群より選択される一種以上である。例えば、非イオン界面活性剤の中から複数選択する場合のごとく同一種類のみから選択してもよく、また陰イオン界面活性剤と非イオン界面活性剤の中からそれぞれ選択する場合のごとく各種のものを複数選択してもよい。
【0067】
非イオン界面活性剤としては、前記のものを含め、以下のものが例示される。
即ち、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸アルキルエステル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルアミン、グリセリン脂肪酸エステル、高級脂肪酸アルカノールアミド、アルキルグルコシド、アルキルグルコースアミド、アルキルアミンオキサイド等が挙げられる。
【0068】
このうち、特に非イオン界面活性剤として、炭素数10〜18の直鎖または分岐鎖の1級または2級アルコールのエチレンオキサイド付加物であって、平均付加モル数5〜15のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用するのが望ましい。より好ましくは炭素数12〜14の直鎖または分岐鎖の1級または2級のアルコールのエチレンオキサイド付加物であって、平均付加モル数6〜10のポリオキシエチレンアルキルエーテルを使用するのが望ましい。
【0069】
陰イオン界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸塩またはエステル塩、アルキルまたはアルケニルエーテルカルボン酸塩、アミノ酸型界面活性剤、N−アシルアミノ酸型界面活性剤、等が例示され、好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニルエーテル硫酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩等である。
【0070】
陽イオン界面活性剤としては、アルキルトリメチルアミン塩等の第4アンモニウム塩等が例示される。両性界面活性剤としては、カルボキシ型またはスルホベタイン型等の両性界面活性剤が例示される。
【0071】
界面活性剤の含有量は、全組成物中、好ましくは5〜70重量%であり、特に2〜6°DHの洗濯用水を用いる場合には、10〜50重量%、6〜10°DHの洗濯用水を用いる場合には、5〜40重量%、10〜20°DHの洗濯用水を用いる場合には、3〜30重量%配合されるのがより好ましい。
【0072】
このような界面活性剤の含有量は、標準的な使用量(使用する洗濯用水が2〜6°DHの時は0.40〜1.00g/L、6〜10°DHの時は0.5〜0.67g/L、10〜20°DHの時は0.80〜2.50g/L)で洗濯液中の界面活性剤濃度を0.07g/L以上にするのに十分な量である。
【0073】
金属イオン封鎖剤としては、Caイオン捕捉能が200CaCO3 mg/g以上のカルボキシレート重合体を金属イオン封鎖剤中に10重量%以上含有するものが好ましい。
【0074】
このような重合体の具体例としては、一般式(3)で表される繰り返し単位を有する重合体あるいは共重合体が挙げられる。
【0075】
【化1】
【0076】
(式中、X1 はメチル、HまたはCOOX3 を、X2 はメチル、HまたはOHを、X3 はH、アルカリ金属、アルカリ土類金属、NH4 またはエタノールアミンを示す。)
【0077】
一般式(3)において、アルカリ金属としては、Na,K,Li等が挙げられ、アルカリ土類金属としては、Ca,Mg等が挙げられる。
【0078】
本発明に用いられる重合体あるいは共重合体は、例えばアクリル酸、(無水)マレイン酸、メタクリル酸、α−ヒドロキシアクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、およびその塩等の重合反応、または各モノマーの共重合反応、あるいは他の重合性モノマーとの共重合反応によって合成されるものである。このとき共重合に用いられる他の共重合モノマーの例としては、例えばアコニット酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、ビニルホスホン酸、スルホン化マレイン酸、ジイソブチレン、スチレン、メチルビニルエーテル、エチレン、プロピレン、イソブチレン、ペンテン、ブタジエン、イソプレン、酢酸ビニル(及び共重合後に加水分解した場合はビニルアルコール)、アクリル酸エステル等が挙げられるが、特に限定されるものではない。なお、重合反応は特に限定されることなく、通常公知の方法を用いることができる。
【0079】
また、特開昭54−52196号公報記載のポリグリオキシル酸等のポリアセタールカルボン酸重合体を用いることもできる。
【0080】
本発明において上記の重合体、共重合体としては、重量平均分子量が800〜100万のものが用いられ、好ましくは、5000〜20万のものが用いられる。重量平均分子量が800未満であると重合体特有の本発明の効果が得られず、100万を越えると逆に重合体の影響により再汚染が起こり、洗浄性能が妨げられる。
【0081】
また、共重合させる場合の一般式(3)の繰り返し単位と他の共重合モノマーとの共重合率も特に限定されないが、好ましくは一般式(3)の繰り返し単位/他の共重合モノマー=1/100〜90/10の範囲の共重合比率である。
【0082】
また、金属イオン封鎖剤として、下記式(4)で示されるイオン交換容量が200CaCO3 mg/g以上のアルミノケイ酸塩を含有してもよい。
x"(M2 O)・Al2 O3 ・y"(SiO2 )・w"(H2 O) (4)
(式中、Mはナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、x”,y”,w”は各成分のモル数を表し、一般的には0.7≦x”≦1.5、0.8≦y”≦6、w”は任意の定数である。)
【0083】
上記のアルミノケイ酸塩としては、結晶性のものと非晶質のものが例示されるが、結晶性のものとしては、特に次の一般式で示されるものが好ましい。
Na2 O・Al2 O3 ・ySiO2 ・wH2 O
(式中、yは1.8〜3.0、wは1〜6の数を表す。)
【0084】
結晶性アルミノケイ酸塩(ゼオライト)としては、A型、X型、P型ゼオライトに代表される平均一次粒子径0.1〜10μmの合成ゼオライトが好適に使用される。ゼオライトは粉末及び/又はゼオライトスラリー又はスラリーを乾燥して得られるゼオライト凝集乾燥粒子として用いてもよい。
【0085】
上記の結晶性アルミノケイ酸塩は、常法により製造することができる。例えば、特開昭50−12381号公報及び特開昭51−12805号公報に記載の方法を用いることができる。
【0086】
一方、上記の結晶性アルミノケイ酸塩と同様の一般式で示される、非晶質アルミノケイ酸塩は、常法により製造することができる。例えば、SiO2 とM2 O(Mはアルカリ金属を意味する)のモル比がSiO2 /M2 O=1.0〜4.0であり、H2 OとM2 Oのモル比がH2 O/M2 O=12〜200であるケイ酸アルカリ金属塩水溶液を用いて、これにM2 OとAl2 O3 のモル比がM2 O/Al2 O3 =1.0〜2.0であり、H2 OとM2 Oのモル比がH2 O/M2 O=6.0〜500である低アルカリアルミン酸アルカリ金属塩水溶液を通常15〜60℃、好ましくは30〜50℃の温度のもとで強攪拌下に添加する。
【0087】
次いで生成した白色沈澱物スラリーを通常70〜100℃、好ましくは90〜100℃の温度で、通常10分以上10時間以下、好ましくは5時間以下加熱処理し、その後濾過、洗浄、乾燥する事により有利に得る事ができる。このとき添加方法は、低アルカリアルミン酸アルカリ金属塩水溶液にケイ酸アルカリ金属塩水溶液を添加する方法であってもよい。
【0088】
本発明において、金属イオン封鎖剤の含有量は、全組成物中、10〜90重量%であり、中でも上記の重合体あるいは共重合体は、全組成物中に2〜50重量%、好ましくは5〜30重量%配合される。2重量%未満であると本発明の効果は得られず、50重量%を越えると添加効果は飽和し、いたずらにコストを上げるだけで意味がないものとなる。
【0089】
本発明の洗浄剤組成物には、上記成分の他、洗浄剤ビルダー、例えば、アミノトリ(メチレンホスホン酸)、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの塩、2−ホスホノブタン−1,2−ジカルボン酸等のホスホノカルボン酸の塩、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸の塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミン四酢酸塩等のアミノポリ酢酸塩、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の非解離高分子、ジグリコール酸、オキシカルボン酸塩等の有機酸の塩等のビルダー、カルボキシメチルセルロースといった一般的に洗浄剤に配合することが知られているキレート剤や色あせ防止剤、再汚染防止剤などが挙げられる。
【0090】
その他に本発明の洗浄剤組成物は、以下の様な成分も含有する事ができる。即ち、プロテアーゼ、リパーゼ、セルラーゼ、アミラーゼ等の酵素、炭素数1〜4程度の低級アルキルベンゼンスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、タルク、カルシウムシリケート等のケーキング防止剤、第3ブチルヒドロキシトルエン、ジスチレン化クレゾール等の酸化防止剤、過炭酸ナトリウムなどの漂白剤又はテトラアセチルエチレンジアミン等の漂白活性化剤、蛍光染料、青味付剤、香料等を含むことができるが、これらについては特に限定されず、目的に応じた配合がなされてよい。
【0091】
本発明の洗浄剤組成物は、アルカリ遅延粒子の他に金属イオン封鎖剤をアルカリ遅延粒子外に必要とするが、金属イオン封鎖剤にて被覆する方法以外に、別粒子として洗剤粒子をドライブレンドすることによっても得られる。その際、全洗剤組成物中のアルカリ剤の少なくとも80重量%以上、さらに好ましくは90重量%以上はアルカリ遅延粒子中に存在することが好ましい。但し、粒子の強度を保つための骨格剤としてアルカリ遅延粒子以外の洗剤粒子に少量のアルカリ剤を配合してもよい。別粒子としての洗剤粒子は特に限定されないが、従来の洗剤粒子からアルカリ剤の配合量を少なくしたようなものであればよい。洗浄剤組成物の製造方法は、特に限定されることなく、従来より公知の方法を用いることができる。例えば、高嵩密度洗浄剤を得るための方法としては、特開昭61−69897号公報、特開昭61−69899号公報、特開昭61−69900号公報、特開平5−209200号公報に記載の方法を使用することができる。
【0092】
【実施例】
以下、実施例および比較例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例等によりなんら限定されるものではない。
洗濯液のpHは、洗濯用水に洗浄剤組成物を添加し、ガラス電極pH計((株)堀場製作所製)により25℃で測定した。このとき、示された値が充分に安定した値をもって洗濯液のpHとした。なお、後述の実施例2、3は参考例である。
【0093】
実施例1、比較例1
用いた金属イオン封鎖剤、アルカリ剤、界面活性剤、及びその使用量は、次のとおりである。
【0094】
金属イオン封鎖剤:
ゼオライト4A型(平均粒径3μm、Ca交換容量230CaCO3 mg/g、含水量22%、東ソー(株)製)=0.333g/L(計算上、4.29°DH分)
【0095】
アルカリ剤:
メタ珪酸ソーダ(無水物、日本化学工業(株)製)=0.167g/L
【0096】
界面活性剤:
ポリオキシエチレンアルキルエーテルnC12POE=8
(花王(株)製)=0.180g/L
【0097】
ターゴトメーターを使用して、回転数100rpm、洗濯時間10分、温度20℃、使用水4°DH(Ca硬水)で、図3に示すタイムテーブルに従って、上記の各成分を添加して洗濯を行った。
この時、ゼオライト及びメタ珪酸ソーダは、粉末を精秤しターゴトメーター容器(1000ml用)にそのまま添加した。またポリオキシエチレンアルキルエーテルに関しては、ポリオキシエチレンアルキルエーテルを含まない洗浄液を995mlとし、ポリオキシエチレンアルキルエーテル3.6重量%水溶液5mlを洗浄液に添加する方法で行った。
【0098】
洗濯の後に得られた洗浄率を図3に併せて示す。
その結果、アルカリ剤を金属イオン封鎖剤より後に添加する本発明の実施例1a〜1cでは洗浄率が高かったが、アルカリ剤と金属イオン封鎖剤の添加が同時である比較例1dやアルカリ剤を金属イオン封鎖剤より先に添加する比較例1e〜1fでは、洗浄率が実施例と比較して低かった。
なお、前記の洗浄率は次の人工汚染布を用いて、下記の方法で算出したものである
【0099】
(人工汚染布の調製)
下記組成の人工汚染液を布に付着して人工汚染布を調製した。人工汚染液の布への付着は、特開平7−270395号に示されているグラビアロールコーターを用いたグラビア式汚染機を使用した。人工汚染液を布にグラビア印刷させ人工汚染布を作製する工程は、グラビアロールのセル容量58cm3 /cm2 、塗布速度1.0m/min、乾燥温度100℃、乾燥時間1分で行った。布は木綿金巾2003布(谷頭商店製)を使用した。
【0100】
〔人工汚染液の組成〕
ラウリン酸 0.44重量%
ミリスチン酸 3.09重量%
ペンタデカン酸 2.31重量%
パルミチン酸 6.18重量%
ヘプタデカン酸 0.44重量%
ステアリン酸 1.57重量%
オレイン酸 7.75重量%
トリオレイン 13.06重量%
パルミチン酸n−ヘキサデシル 2.18重量%
スクアレン 6.53重量%
卵白レシチン液晶物 1.94重量%
鹿沼赤土 8.11重量%
カーボンブラック 0.01重量%
水道水 バランス
【0101】
(洗浄率の算出)
原布及び洗浄前後の550mμにおける反射率を自記色彩計(島津製作所製)にて測定し、次式によって洗浄率D(%)を算出した。
D=(L2 −L1 )/(L0 −L1 )×100(%)
L0 :原布の反射率
L1 :洗浄前汚染布の反射率
L2 :洗浄後汚染布の反射率
【0102】
実施例2、比較例2
アクリル酸マレイン酸コポリマー(平均分子量70000、BASF社製ソカランCP5)13.0重量%、ゼオライト(4A型、平均粒子径2μm)74.0重量%、芒硝13.0重量%を50%固形分スラリーにし、これを向流型噴霧乾燥機にて噴霧乾燥し、自重の5%の水分を含む粒子を得た。この粒子9.68kgをハイスピードミキサーに入れ、さらに非晶質アルミノ珪酸塩4.8kg、ゼオライト8.0kgを加え、これらを室温で攪拌しているところに、70℃に加温したポリオキシエチレンアルキルエーテル(nC12POE=8)7.2kgを徐々に滴下し、造粒物Aを得た(平均粒径400μm)。
また、別途、下記の結晶性アルカリ金属珪酸塩24.0kgをハイスピードミキサーに入れ、室温で攪拌しているところに、70℃に加温したポリエチレングリコール(平均分子量6000)7.2kgを徐々に滴下し、結晶性アルカリ金属珪酸塩をポリエチレングリコールで被覆した造粒物Bを得た(平均粒径400μm)。
【0103】
結晶性アルカリ金属ケイ酸塩:
X’Na2 O・X”K2 O・ySiO2 ・Z’CaO・Z”MgO
X”/X’=0.03、y/(x’+x”)=1.8、
(z’+z”)/(x’+x”)=0.02、
z”/z’=0.01(CEC、305CaCO3 mg/g)
【0104】
また、噴霧乾燥粒子7.26kg、下記の非晶質アルミノ珪酸塩3.6kg、ゼオライト6.0kg、結晶性アルカリ金属珪酸塩6.0kgをハイスピードミキサーに入れ、これらを室温で攪拌しているところに、70℃に加温した上記ポリオキシエチレンアルキルエーテル5.4kgとポリエチレングリコール1.8kgを混合した液体を徐々に滴下し、全成分が均一に混和された造粒物Cを得た(平均粒径400μm)。
【0105】
非晶質アルミノシリケート:
Na2 O・Al2 O3 ・3.1SiO2 ・13H2 O
(CEC:185CaCO3 mg/g、吸油能:285ml/100g)
【0106】
得られた造粒物A0.618gと造粒物B0.217gを用いて洗浄開始時に両者を添加して実施例1と同様にして洗浄を行った(最大pH値は10.93)。また得られた造粒物C0.835gを用いて実施例1と同様にして洗浄を行った(最大pH値は10.91)。実施例1と同様にして洗浄率を評価した結果、前者の場合の洗浄率は、67.2%であり、後者の場合の洗浄率は、60.5%であり、造粒物A+Bの方が造粒物Cに比べ、洗浄力が高かった。なお、ここで造粒物A0.62g+造粒物B0.22gは、造粒物C0.84gと同一組成である。
【0107】
実施例3、比較例3
ポリアクリル酸ナトリウム(平均分子量10000、中和度100%)6.3重量%、クエン酸ナトリウム4.2重量%、ゼオライト(4A型、平均粒子径2μm)20.8重量%、LAS−Na(直鎖アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム,アルキル基の炭素数12)37.5重量%、AS−Na(アルキル硫酸ナトリウム,アルキル基の炭素数12)10.4重量%、芒硝20.8重量%を50%固形分スラリーにし、これを向流型噴霧乾燥機にて噴霧乾燥し、自重の5%の水分を含む粒子を得た。この得られた粒子25.27kgをハイスピードミキサーに入れ、さらにゼオライト8.5kgを入れ造粒物Dを得た(平均粒径400μm)。
また、別途ソーダ灰(炭酸ナトリウム無水物)28.0kgをハイスピードミキサーに入れ、室温で攪拌しているところに、70℃に加温したパルミチン酸5.0kgを徐々に滴下し、造粒物Eを得た(平均粒径400μm)。
また、先の噴霧乾燥粒子15.16kg、ゼオライト5.1kg、ソーダ灰8.4kg(炭酸ナトリウム無水物)をハイスピードミキサーに入れ、そこに70℃に加温したパルミチン酸1.5kgを徐々に滴下し、全成分が均一に混和された造粒物Fを得た(平均粒径400μm)。
得られた造粒物D0.562gと造粒物E0.275gを用いて洗浄開始時に両者を添加して実施例1と同様にして洗浄を行った(最大pH値は10.82)。また得られた造粒物F0.837gを用いて実施例1と同様にして洗浄を行った(最大pH値は10.80)。実施例1と同様にして洗浄率を評価した結果、前者の場合の洗浄率は、64.8%であり、後者の場合の洗浄率は、59.1%であり、造粒物D+Eの方が造粒物Fに比べ、洗浄力が高かった。なお、ここで造粒物D0.562g+造粒物E0.275gと造粒物F0.837gは同一組成である。
また、造粒物Fに替わり、同一重量比をもってソーダ灰もスラリー成分とした噴霧乾燥粒子を作製し、この粒子とゼオライトをハイスピードミキサーに入れ、70℃に加温したパルミチン酸を徐々に滴下し、全成分が均一に混和された造粒物Gを得た(平均粒径400μm)。
上記と同様に造粒物G0.837gを用いて洗浄を行ったところ、その洗浄率は58.8%であり、造粒物D+Eの方が造粒物Gに比べ、洗浄力が高かった。
【0108】
【発明の効果】
本発明の洗濯方法および洗浄剤組成物は、洗濯液の硬度が低下してから洗濯液のpHが増加する条件で洗濯することにより、界面活性剤の濃度が低くても洗浄力に優れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、カルシウムイオン濃度の対数と電位の関係を示す検量線を表した図である。
【図2】図2は、CaCl2 水溶液の滴下量とカルシウムイオン濃度の関係を示す図である。Aは線Qの延長線と横軸との交点であり、線Pはブランクの溶液(キレート剤を使用していない緩衝液を用いた場合)のデータであり、線Qはキレート剤含有緩衝液を用いた場合のデータである。
【図3】図3は、実施例1と比較例1における金属イオン封鎖剤、アルカリ剤、界面活性剤の添加時期を表すタイムテーブルを、洗浄率と共に示すものである。
Claims (3)
- 金属イオン封鎖剤の添加開始より遅れて、アルカリ剤を添加して洗濯液のpHの増加が洗濯液の硬度の低下よりも遅延した条件で洗濯することを特徴とする洗濯方法(但し、アルカリ剤はアルカリ金属ケイ酸塩を含み、且つアルカリ金属ケイ酸塩はアルカリ剤として用いる)であって、洗濯液の硬度が3.5°DH以下に低下した後、アルカリ剤の添加により洗濯液のpHが10.0を越すようにして洗濯する洗濯方法。
- 衣類を入れない時の測定条件(25℃)で、洗濯液中の最大pH値が10.6以上になる請求項1記載の洗濯方法。
- アルカリ金属ケイ酸塩が結晶性アルカリ金属ケイ酸塩であり、且つ金属イオン封鎖剤の量が洗濯液の硬度を計算上0.5°DH以下にするのに十分な量であり、且つ、アルカリ剤の量が衣類を入れない時の測定条件(25℃)でpHを10.6以上にするのに十分な量である請求項1又は2記載の洗濯方法。
Priority Applications (1)
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JP07906897A JP3705392B2 (ja) | 1997-03-12 | 1997-03-12 | 洗濯方法 |
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