JP3705164B2 - 密閉型鉛蓄電池用セパレータ及び密閉型鉛蓄電池 - Google Patents

密閉型鉛蓄電池用セパレータ及び密閉型鉛蓄電池 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はガラス繊維を主体として構成される密閉型鉛蓄電池用セパレータとそれを内蔵した密閉型鉛蓄電池に係り、特に、加圧時の厚さの変化率が大きく、また加圧時から減圧した際の厚み復元性に優れ、このため長寿命かつ高性能で性能のバラツキの小さい密閉型鉛蓄電池を良好な作業性のもとに製造することができる密閉型鉛蓄電池用セパレータと、このセパレータを内蔵した密閉型鉛蓄電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、密閉型鉛蓄電池用セパレータとしては、主にガラス繊維から構成されるシート状セパレータが用いられており、例えば、次のようなものが提案されている。
【0003】
▲1▼ 平均繊維径0.3〜1.0μmのガラス繊維を湿式抄紙し、特別の接着剤なしに相互に接着させて0.13〜0.16g/cmの密度のマット状としたセパレータ(特開昭59−71255号公報)。このセパレータでは、ガラス繊維以外のものを用いず、ガラス繊維同士の絡み合いのみでシート化することでセパレータの保液性、吸液性を高めている。
【0004】
▲2▼ 主体とする第1のガラス繊維と、この第1のガラス繊維よりも軟化点が50〜400℃低い第2のガラス繊維とを湿式抄紙してマット状とし、このガラスマットを第1のガラス繊維の軟化点と第2のガラス繊維の軟化点との中間の温度で加熱処理してガラス繊維同士を熱融着したセパレータ(特許第2546240号公報)。このセパレータではガラス繊維の絡み合い部分を熱融着させることで、セパレータの強度を高めている。
【0005】
ところで、密閉型鉛蓄電池は、正極板と負極板との間にセパレータを挟み込み、さらにそれを何層か積層させた後に、厚さ方向に荷重をかけながら電槽(電池ケース)に挿入することにより組み立てられる。このような密閉型鉛蓄電池において、正極板及び負極板の厚みは、放電時に厚くなり、充電時に薄くなるという特徴があり、充放電を繰り返すと、セパレータには絶えず電極板による負荷がかかる。そのため、セパレータの厚み復元性が低い場合には、放電時に電極によって徐々に潰され、厚みが充電時に戻らず、セパレータと極板との間に隙間が形成される。電解液量が多い初期状態ではこの隙間の影響は小さいが、充放電を数百サイクルも繰り返し、電解液量が大幅に減少し、硫酸濃度分布も変化したような状況では、セパレータと電極との間に隙間があると、隙間近傍の電極反応が起こらず、容量及び寿命が損なわれる。また、セパレータが潰されすぎると、その内部に蓄えられている電解液が絞り出されて保液量が減少し、これにより容量が低下してしまうこともある。
【0006】
従って、セパレータには、加圧状態から減圧した際の厚さの復元性が高いことが要求される。
【0007】
また、密閉型鉛蓄電池の組み立て時に、正極板と負極板との間にセパレータを挟み込んだ極群を圧縮しながら電槽に挿入する際、圧縮力に対するセパレータの厚みの変化の度合が小さいと、作業上、極群の圧迫力に大きなバラツキが生じる。この電池組み込み時の初期圧力にバラツキがあると、電池性能にもバラツキが生じ、性能の安定した密閉型鉛蓄電池を作製し得ない。
【0008】
従って、セパレータには、加圧時の厚さの変化率が大きいことが要求される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
従来のセパレータのうち、特開昭59−71255号公報に記載されるセパレータは、ガラス繊維のみを用い、接着剤を用いずにガラス繊維の絡み合いのみでマットを形成しているため、セパレータに圧力が加わると、絡み合ったガラス繊維が互いに離反する方向にずれることにより厚さが薄くなる。この加圧時にガラス繊維がずれる度合は、加圧力と繊維の摩擦力に応じたものとなるが、加圧力が大きいと、ガラス繊維のずれの度合も大きく、セパレータの厚さもより薄くなる。従って、加圧時の厚さの変化率は大きい。しかし、加圧状態から減圧されたときは、ガラス繊維のずれが元に戻り難く、またガラス繊維が直線状で繊維自体の弾力性も乏しいため、厚さの復元性は悪い。
【0010】
一方、特許第2546240号公報に記載される軟化点の異なるガラス繊維を用い、熱融着させたセパレータでは、ガラス繊維同士の絡み合いの交点が熱融着で固定されているため、セパレータに圧力が加えられてもガラス繊維のずれは起こり難く、厚さの変化は小さい。ただし、加圧されたときの厚さの変化が小さいため、加圧状態から減圧した際の厚さ復元性は比較的高い。しかし、大きな圧力が加えられた場合には、このガラス繊維同士の絡み合いの交点が破壊され、またガラス繊維も切断されて厚さが変化するが、この場合には、加圧状態から減圧されたときに、元の厚さには復元し得ない。
【0011】
本発明は上記従来の問題点を解決し、加圧時の厚さの変化率が大きく、従って、性能のバラツキの小さい電池を良好な作業性のもとに作製することができ、しかも加圧状態から減圧した際の厚さの復元性が良く、従って、セパレータが極板の膨張、収縮に対して密着性良く追従し、長寿命で高容量な電池を作製することができる密閉型鉛蓄電池用セパレータと、このセパレータを内蔵した密閉型鉛蓄電池を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、ガラス繊維を主体とし、長さ方向の少なくとも一部が湾曲している捲縮繊維を混合して、抄紙水のpHを酸性として抄紙し、前記ガラス繊維同士の熱融着なしに得られることを特徴とする。
【0013】
捲縮繊維は、繊維自体に弾力性を有し、加圧、減圧時の繊維の反発力が高く、加圧に対して俊敏に反応して大きく厚さが変化すると共に、減圧時には高い復元率で厚さが戻る。
【0014】
即ち、従来の直線状の繊維を用いたセパレータでは、図3に示す如く、無加圧状態(図3(a))から加圧状態(図3(b))となったときに、単なるガラス繊維の絡み合いよりなるものでは、厚さが比較的大きく変化するが、復元性がなく、減圧(復元)状態(図3(c))では、初期の厚さを回復し得ない。また、ガラス繊維を熱融着したセパレータでは、加圧しても厚さの変化が小さい。
【0015】
これに対して、捲縮繊維を用いた本発明のセパレータでは、図2に示す如く、無加圧状態(図2(a))から加圧状態(図2(b))となったときに、厚さが比較的大きく変化し、減圧(復元)状態(図2(c))では、良好な復元性で初期の厚さを回復する。
【0016】
本発明において、捲縮繊維は、繊維の一端を支持し、他端側を垂下させたときに、鉛直方向の繊維長hに対する水平方向の繊維の最大幅wの比w/h×100が20%以上のものであることが好ましい。
【0017】
また、捲縮繊維の含有量は10〜90重量%、特に20〜60重量%であることが好ましい。
【0018】
この捲縮繊維は平均繊維長さ3〜50mmで平均繊維径0.6〜2μmのガラス繊維よりなることが好ましい。
【0019】
本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータは、実質的にガラス繊維のみから構成されるものであっても良く、有機繊維、有機バインダ及び無機粉体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むものであっても良い。有機繊維及び/又は有機バインダを含む場合、その含有量は20重量%以下であることが好ましい。
【0020】
本発明の密閉型鉛蓄電池は、このような密閉型鉛蓄電池用セパレータを内蔵したものであり、長寿命、かつ高容量で性能のバラツキが少ない。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明で用いる捲縮繊維を示す模式図である。
【0023】
本発明で用いる捲縮繊維は、少なくとも一部が湾曲しており、繊維の一端を支持して他端側を垂下させたときに、自重で鉛直方向に直線状に垂れ下がることなく湾曲した部分を有するものである。その具体的な形状には特に制限はないが、図1(a)に示す如く略J字形の捲縮繊維1、図1(b)に示す如く、うず巻き形状の捲縮繊維2、図1(c)に示す如く略S字形の捲縮繊維3、その他略U字形の捲縮繊維や略C字形の捲縮繊維などが挙げられる。
【0024】
捲縮繊維の湾曲の程度としては、図1(a)〜(c)に示す如く、捲縮繊維1,2,3の一端1a,2a,3aを支持して他端1b,2b,3bを垂下させたときに、鉛直方向の繊維長hに対する水平方向の繊維の最大幅wの比(以下「捲縮比」と称す場合がある。)w/h×100が20%以上であることが好ましい。この捲縮比が20%以上のものは、捲縮繊維としてきわめて十分な弾力性を有する。
【0025】
この捲縮繊維は、ガラス繊維、有機繊維、パルプ等のいずれでも良いが、ガラス繊維であることが好ましい。捲縮ガラス繊維等の捲縮繊維は、平均繊維長さ3〜50mmで、平均繊維径が0.6〜2.0μm特に0.6〜1.5μmであることが好ましい。
【0026】
捲縮ガラス繊維の捲縮比は特に40〜60%であることが好ましく、前述の一端を支持して鉛直方向に垂下させたときの繊維長hは、ガラス繊維の実際の長さの50〜80%となることが好ましい。
【0027】
このような捲縮ガラス繊維としては、繊維径、繊維長さ、捲縮比、ガラス組成等の異なるものを2種以上併用しても良い。
【0028】
このような捲縮ガラス繊維は、通常のガラス繊維製造工程において、軟化点の異なる2種以上のガラス原料を溶融して紡糸することにより、冷却時の冷却速度の差により捲縮した繊維として繊維化することにより製造することができる。この製造方法としては、例えば、特表平10−503460号公報に記載の製造方法を挙げることができる。
【0029】
本発明のセパレータは、例えば、次のような構成とすることができる。
(1) 実質的にガラス繊維のみから構成し、このガラス繊維の一部として捲縮ガラス繊維を用い、残部は直線状の通常のガラス繊維を用いる。
(2) ガラス繊維と、有機繊維、有機バインダ及びシリカ等の無機粉体の1種又は2種以上とで構成し、このガラス繊維の一部として捲縮ガラス繊維を用い、残部は通常の直線状のガラス繊維を用いる。
【0030】
上記(1)のセパレータにおいて、捲縮ガラス繊維の混合割合は、セパレータ中の捲縮ガラス繊維の含有量で10〜90重量%、特に20〜60重量%であることが好ましい。この範囲の捲縮ガラス繊維の含有量であると、捲縮ガラス繊維を用いたことによる本発明の効果を十分に得ることができ、また、セパレータの引張強度も十分に高いものとなる。捲縮ガラス繊維はその湾曲形状により、繊維同士の絡み合いは強いが、繊維の配向がセパレータ中でランダム配向となるため、セパレータの厚さ方向と直交する引張応力に対する強度が低下する。上記の範囲内であれば、セパレータの強度は十分に高いものとなる。
【0031】
このセパレータにおいて、捲縮ガラス繊維と混合する直線状のガラス繊維としては、一般にセパレータの製造に用いられるものでよく、平均繊維径0.5〜2.0μm、特に0.8〜1.5μmで平均繊維長さ1〜30mm程度のものが好ましい。この直線状のガラス繊維としては、繊維径の異なるものを2種以上併用しても良い。
【0032】
実質的にガラス繊維のみから構成されるセパレータは、直線状のガラス繊維に対して所定量の捲縮ガラス繊維を混合すること以外は、通常の抄紙法により製造することができる。この抄紙に当たり、抄紙水(循環水)のpHは通常2〜4の酸性とされ、これにより、ガラス繊維表面が酸と反応し、ガラスのアルカリ分が酸(水素)と置換することでSi−OH・HOの水ガラスが生成し、生成した水ガラスにより、ガラス繊維同士の絡み合いの交点が接着される。
【0033】
なお、ガラス繊維やセパレータの抄紙法として、抄紙水(循環水)のpHを中性とし、このような水ガラスを生成させず、ガラス繊維の絡み合いのみでシート化する方法も行われており、この方法によれば、より柔軟なセパレータを製造することができる。しかしながら、水ガラスによる接着力がないセパレータでは、強度が低下し、セパレータに必要な強度を得ることができないことがあるため、本発明のセパレータの製造に当っては、抄紙時にこのような柔軟加工は施さず、pH2〜4の条件で抄紙を行うのが好ましい。
【0034】
また、特許第2546240号公報では、抄紙後、得られた抄紙シートを高温加熱して熱融着させており、この熱融着によりセパレータの引張強度が高められるが、前述の如く、熱融着でガラス繊維同士の絡み合いの交点を接着すると、加重時の厚さの変化率が小さくなり、本発明の効果が損なわれる。従って、本発明のセパレータは、このような熱融着処理を行わずに、ガラス繊維の絡み合いと抄紙時に生成する水ガラスでシート化したものであることが好ましい。
【0035】
上記(2)の有機繊維、有機バインダ及び無機粉体の1種又は2種以上を含有するセパレータの場合、目的に応じて、これらの添加成分を選択することができる。例えば、熱融着性の有機繊維や有機バインダを用いることにより、捲縮ガラス繊維のランダム配向による強度低下を補って、セパレータの引張強度を高めることができる。
【0036】
この場合、有機繊維としては、平均繊維径5〜30μm、平均繊維長さ10〜30mm程度のアクリル繊維、パルプ繊維、ポリオレフィン繊維、ポリエステル繊維、PET繊維等を用いることができ、また有機バインダとしてはアクリル系、ポリオレフィン系等を用いることができる。
【0037】
有機繊維や有機バインダを用いる場合、その混合割合が過度に多いと、ガラス繊維による吸液性、保液性が損なわれることから、セパレータ中の含有量で20重量%以下、特に1〜15重量%とするのが好ましい。また、シリカ等の無機粉体を用いる場合、セパレータ中の含有量で30重量%以下、特に5〜20重量%とするのが好ましい。
【0038】
この有機繊維、有機バインダ及び無機粉体を含有するセパレータにおいても、直線状のガラス繊維及び捲縮ガラス繊維の構成は前述のガラス繊維のみから構成されるセパレータの場合と同様であり、また、捲縮ガラス繊維のセパレータ中の含有量も前述と同様の理由から1〜30重量%、特に1〜15重量%とするのが好ましい。
【0039】
この有機繊維、有機バインダ及び無機粉体を含有するセパレータも、直線状のガラス繊維及び捲縮ガラス繊維と有機繊維等の添加成分を混合して、前述と同様の抄紙法により製造することができる。
【0040】
なお、以上の説明は捲縮繊維として捲縮ガラス繊維を用いる場合について説明したが、捲縮繊維としては捲縮した耐酸性有機繊維を用いても良く、また捲縮有機繊維と捲縮ガラス繊維とを併用しても良い。
【0041】
本発明のセパレータの厚さは、使用される密閉型鉛蓄電池によっても異なるが、一般には0.3〜3mmであることが好ましい。また、セパレータの密度は、セパレータをその厚み方向に1.96kPaの荷重で押圧した状態において、0.12〜0.18g/cm程度であることが好ましい。
【0042】
本発明のセパレータは、電極を隔てるように電槽内に収納され、これにより密閉型鉛蓄電池が構成される。
【0043】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
【0044】
なお、以下の実施例及び比較例において、セパレータの製造に用いた繊維は次の通りである。
極細ガラス繊維:平均繊維長さ3mm,平均繊維径0.8μmのガラス繊維(軟化点690℃)
低軟化点ガラス繊維:平均繊維長さ3mm,平均繊維径0.8μmのガラス繊維(軟化点610℃)
捲縮ガラス繊維:平均繊維長さ5mm,平均繊維径1.5μm,捲縮比40%(h=約5mm,w=約2mm)のガラス繊維(軟化点680℃)
熱融着性有機繊維:平均繊維長さ25mm,平均繊維径15μmのポリエステル繊維(融点110℃)
【0045】
また、実施例及び比較例における、各物性及び特性の測定方法は次の通りである。
▲1▼ 目付(g/m):試料質量を試料面積で除して求めた。
▲2▼ 密度(g/cm):試料をその厚さ方向に19.6kPa(20kg/dm)の荷重で押圧した状態で測定した(JISC−2202)厚さT(mm)と▲1▼の目付W(g/m)とから次式によって算出した。
W/1000T
▲3▼ 引張強度(N/10mm):SBA4501により測定した。
▲4▼ 吸液性(mm/5min):試料を垂直にして、その下部を比重1.30の希硫酸に浸漬し、5分間で上昇する液位を測定することにより求めた。
▲5▼ 耐酸性:比重1.2の硫酸液に80℃で5時間浸漬した後の減量を測定した。
▲6▼ 加重時厚さ変化率(%)及び復元性(%):試料をその厚さ方向に荷重を掛けて押圧した状態で厚さを測定する際に、この荷重を9.8kPa(10kg/dm)から98kPa(100kg/dm)まで、9.8kPaずつ増やし、98kPaで測定した後、荷重を9.8kPaずつ減らして各々厚さを測定した。厚さは測定開始時に9.8kPaの荷重を掛けたとき(以下「S点」と称す。)の厚さを100%として相対値で示し、S点での厚さ(100%)から98kPaの荷重を掛けたとき(以下「R点」と称す。)の厚さの相対値を差し引いた値を加重時厚さ変化率とした。また、R点から加重を減らして最後に再び9.8kPaの荷重を掛けたとき(以下「E点」と称す。)の厚さの相対値を厚さ復元率とした。
【0046】
実施例1〜4、比較例1,2
表1に示す配合の構成繊維を水中に投入して水流型分散機により攪拌して分散させ、更に硫酸を加えて水のpHを2.7とし約10分間保持し、次いで150℃に加熱乾燥してセパレータを製造した。なお、比較例2では、乾燥後、560℃で3分間高温加熱してガラス繊維を熱融着させた。
【0047】
得られたセパレータについて各物性及び特性の測定を行い、結果を表1に示した。また、実施例1及び比較例1,2については、加重時の厚さ変化率及び復元率の測定時の厚さの測定値の相対値を表2,3及び図4に示した。表2は19.6kPa加重時を100%として求めた厚さの相対値を示し、表3は9.8kPa加重時を100%として求めた厚さの相対値を示す。また、図4は表3をグラフ化したものである。
【0048】
【表1】
Figure 0003705164
【0049】
【表2】
Figure 0003705164
【0050】
【表3】
Figure 0003705164
【0051】
表1〜3及び図4より、捲縮ガラス繊維を用いた本発明のセパレータは、加重時の厚さ変化率が大きく、また、厚さ復元性にも優れることがわかる。
【0052】
これに対して、捲縮ガラス繊維を用いず、繊維の絡み合いのみで製造した比較例1(特開昭59−71255号公報のセパレータに相当する。)では、加重時の厚さ変化率は大きいが、厚さ復元性が悪い。ガラス繊維を熱融着した比較例2(特許第2546240号公報のセパレータに相当する。)では、加重時の厚さ変化率が小さい。この比較例2では、加重による厚さの変化が小さいため、厚さの復元性は大きな値となる。
【0053】
なお、実施例1〜4のうち、実施例4は捲縮ガラス繊維の含有量が少ないため、加重時の厚さ変化率及び復元性が実施例1〜3に比べて若干劣るが、比較例1,2に比べて良好な結果が得られている。また、熱融着性有機繊維を用いた実施例3では、引張強度が大幅に改善されている。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述した通り、本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータによれば、次のような効果が奏される。
【0055】
▲1▼ 加圧時の厚さの変化率が大きい。このため電池組み立て時の極群の電槽組み入れ時の圧縮力のバラツキが小さくなり、組み入れ作業性が向上すると共に、電池性能のバラツキが低減される。
▲2▼ 加圧状態から減圧した際の厚さの復元性が良い。このため、セパレータが極板の膨張、収縮に対して密着性良く追従し、電池寿命及び電池容量、その他電池性能が向上する。
【0056】
本発明の密閉型鉛蓄電池は、このような本発明の密閉型鉛蓄電池用セパレータを内蔵したものであり、高容量かつ長寿命で電池性能のバラツキが少ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる捲縮繊維の実施例を示す模式図である。
【図2】本発明のセパレータの加圧時の厚さ変化及び復元性を説明する模式図である。
【図3】従来のセパレータの加圧時の厚さ変化及び復元性を説明する模式図である。
【図4】実施例1及び比較例1,2のセパレータの加重時の厚さの測定値(相対値)を示すグラフである。
【符号の説明】
1,2,3 捲縮繊維

Claims (9)

  1. ガラス繊維を主体とし、長さ方向の少なくとも一部が湾曲している捲縮繊維を混合して、抄紙水のpHを酸性として抄紙し、前記ガラス繊維同士の熱融着なしに得られる密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  2. 請求項1において、該捲縮繊維は、繊維の一端を支持し、他端側を垂下させたときに、鉛直方向の繊維長hに対する水平方向の繊維の最大幅wの比w/h×100が20%以上のものであることを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  3. 請求項1又は2において、該捲縮繊維の含有量が10〜90重量%であることを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  4. 請求項3において、該捲縮繊維の含有量が20〜60重量%であることを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該捲縮繊維は平均繊維長さ3〜50mmで平均繊維径0.6〜2μmのガラス繊維よりなることを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、実質的にガラス繊維のみから構成されることを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項において、有機繊維、有機バインダ及び無機粉体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を含むことを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  8. 請求項7において、有機繊維及び/又は有機バインダの含有量が20重量%以下であることを特徴とする密閉型鉛蓄電池用セパレータ。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の密閉型鉛蓄電池用セパレータを内蔵した密閉型鉛蓄電池。
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