JP2005228544A - 電池用セパレータ - Google Patents

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茂宏 前田
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Abstract

【課題】デンドライトによる短絡を防止し、且つ電解液の保液性を向上させた電池用セパレータを提供することを課題とする。
【解決手段】(A)剪断力を加えて幹部から離脱し、繊維径1μm以下にフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の少なくとも一方の繊維と、(C)繊維径1〜15μmのポリアミド繊維およびポリオレフィン繊維の少なくとも一方の繊維を含有した不織布からなる電池用セパレータ。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ニッケル−カドミウム電池、ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池、等のアルカリ二次電池に好適に使用できるアルカリ電池用セパレータに関する。
アルカリ二次電池は、充放電特性、過充放電特性に優れ、長寿命で繰り返し使用できるため、携帯電話、パソコン、オーディオ等の小型電子機器の他に、最近ではハイブリッド自動車、電動自転車等の大型機器にも広く使用されている。小型電子機器用途および大型機器用途のどちらにおいても、アルカリ二次電池の高容量化、小型化、軽量化、使用可能な温度領域の拡大化等が求められている。アルカリ二次電池用セパレータの役割としては、正極と負極の分離、短絡防止、電解液の保持、電極反応により生じるガスの透過などが挙げられる。
近年、アルカリ二次電池の小型化、高容量化が進んでおり、そのためには、電極の活物質量を増やす必要がある。このため、電池内部における電池用セパレータの占有体積を少なくする必要があり、電池用セパレータの薄膜化が進んでいる。しかし、電池用セパレータを薄膜化すると、デンドライトによる短絡が起きやすくなり、また、電解液の保液性が低下するため、十分な充放電が出来なくなるなどの弊害が出てくる。
デンドライトによる短絡を防止する方法の一つとして、電池用セパレータの空隙を小さくすることが考えられる。その手段として、合成樹脂などの粉体をセパレータに付着させ、熱融着などにより、その粉体を固定する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。しかし、この方法で設けられた粉体層は、セパレータ基材を構成する繊維よりも低融点で構成されるため、耐熱性が劣るという欠点がある。すると、急速充放電や大電流放電が行われ、電池内の温度が上昇した場合、電池内の機械的圧力により、粉体層の空隙は小さくなり、電解液の保液性が低下し、電池容量の低下を招く。そのため、デンドライトによる短絡防止性と十分な保液性を兼ね備えた電池用セパレータが、求められている。
特開昭53−136631号公報 特開2001−307708号公報
本発明の課題は、デンドライトによる短絡を防止し、且つ電解液の保液性を向上させ、さらに高い耐アルカリ性を持つ電池用セパレータを提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、(1)(A)剪断力を加えて幹部から離脱し、繊維径1μm以下にフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の少なくとも一方の繊維と、(C)繊維径1〜15μmのポリアミド繊維およびポリオレフィン繊維の少なくとも一方の繊維を含有した不織布からなる電池用セパレータ、(2)(A)および/または(B)のフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の含有量が不織布の1〜30質量%であることを特徴とする上記(1)の電池用セパレータ、(3)さらに、バインダー繊維を含有する上記(1)〜(2)いずれかの電池用セパレータ、(4)上記バインダー繊維がエチレンビニルアルコール共重合体繊維及び/又は、ポリビニルアルコール繊維である上記(3)の電池用セパレータ、(5)通気度が15cm3/cm2/sec以下であり、90℃、比重1.30の水酸化カリウム水溶液での耐アルカリ試験において、30日経過後の電池用セパレータの重量減少率が15%以下であることを特徴とする上記(1)〜(4)の電池用セパレータを見出した。
本発明の電池用セパレータ(1)は、フィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維を含有することにより、セパレータの空隙を小さくすることができるため、デンドライトによる短絡を防止するとともに、電解液の保液性を向上させることができる。
本発明の電池用セパレータのフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維の含有量は、上記(2)のように、1〜30質量%が好ましい。フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維の含有量が30質量%を超えると、セパレータの空隙が小さくなりすぎ、ガス透過性が低下したり、電解液の保液量が高くなりすぎるため、電池性能の低下につながる。
本発明の電池用セパレータにおいて、不織布の製造条件によっては、上記(3)のように、さらにバインダー繊維を含有しても良い。特に、湿式法で不織布を製造する場合、湿紙の強度を向上させるために、上記(4)のように、耐熱性に優れ、少量で融着効果を発現し、かつ電池特性への影響が少ないエチレンビニルアルコール共重合体繊維および/またはポリビニルアルコール繊維を用いることが好ましい。
更に、本発明の電池用セパレータの物性値が、上記(5)のように、通気度が15cm3/cm2/sec以下であり、90℃、比重1.30の水酸化カリウム水溶液での耐アルカリ試験において、30日経過後の電池用セパレータの重量減少率が15%以下であるときに、最もその効果が発現される。
本発明の電池用セパレータは、デンドライトによる短絡を防止し、且つ、電解液の保液性を向上させ、さらに耐アルカリ性に優れているため、本発明の電池用セパレータを用いたアルカリ二次電池は高容量であり、長期間に渡って、高い電圧を維持するといった秀逸な効果をもたらす。
以下、本発明の電池用セパレータについて、詳説する。
本発明の電池用セパレータ(1)は、(A)剪断力を加えて幹部から離脱し、繊維径1μm以下にフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の少なくとも一方の繊維と、(C)繊維径1〜15μmのポリアミド繊維およびポリオレフィン繊維の少なくとも一方の繊維を含有した不織布からなる。
本発明の電池用セパレータに係わる全芳香族ポリアミド繊維としては、ポリ−m−フェニレンイソフタルアミド、ポリ−m−キシレンテレフタルアミド等のメタ系全芳香族ポリアミド繊維、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド、ポリ−p−ベンズアミド、ポリ−p−アミドヒドラジド、ポリ−p−フェニレンテレフタルアミド−3,4−ジフェニルエーテルテレフタルアミド等の樹脂成分からなるパラ系全芳香族ポリアミド繊維を用いることができる。一般に、メタ系全芳香族ポリアミド繊維は、パラ系全芳香族ポリアミド繊維よりも、不純イオン含有量が多いために、含有量を多くすると、電池用セパレータの電気絶縁性が低下し、電池の繰り返し特性が悪化する。
上記全芳香族ポリアミド繊維は、通常のパルプ繊維と同様に、ビーター、PFIミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)、また、顔料等の分散や粉砕に使用するボールミル、ダイノミル等の叩解、分散設備により、フィブリル化することができる。全芳香族ポリアミド繊維は、叩解することでフィブリル化が進行し、そのフィブリル化の状態を確認する方法は、フィブリル化した繊維を水等で十分希釈した後に乾燥させ、顕微鏡か、好ましくは電子顕微鏡で観察することが好ましい。
本発明の電池用セパレータに係わる全芳香族ポリアミド繊維のフィブリル化は細かければ細かい程、効果的である。しかしながら、例えば、湿式法により繊維ウェブを形成する場合、円網や長網などの抄紙用網の目よりも細かくフィブリル化してしまうと、網の目をすり抜けてしまい、形成された繊維ウェブには、フィブリル化した繊維が含有されないという事態が起こる。そのため、本発明の電池用セパレータに用いるフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維は、(A)剪断力を加えて幹部から離脱し、繊維径1μm以下にフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の2種類が必要となる。これらのフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維は、繊維ウェブの形成方法や要求される電池用セパレータの特性に応じて、その都度、混合したり、単独で用いることができる。
本発明の電池用セパレータ(2)に用いられるフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の含有量は、電池用セパレータの1〜30質量%が好ましい。該繊維の含有量が、30質量%を超えると、電池用セパレータのガス透過性が悪くなり、電池の内圧が上昇し、寿命が低下したり、また、電解液の保液性が高くなりすぎるため、電極に電解液が供給されず、出力が低下するなど、電池性能を下げる原因となる。
本発明の電池用セパレータに用いられるポリアミド繊維としては、半芳香族ポリアミド繊維や脂肪族ポリアミド繊維が好ましい。上記半芳香族ポリアミド繊維のポリアミドは、ジカルボン酸成分の60モル%以上が芳香族ジカルボン酸であること、およびジアミン成分の60モル%以上が炭素数6〜12の脂肪族アルキレンジアミンである半芳香族ポリアミドを用いることが好ましい。このポリアミドは、親水性、耐アルカリ性、耐酸化劣化性に優れている。
芳香族ジカルボン酸成分としては、セパレータの耐熱性、耐薬品性の点でテレフタル酸が最も好ましく、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、1,4−フェニレンジオキシジ酢酸、1,3−フェニレンジオキシジ酢酸、ジフェン酸、ジ安息香酸、4,4′−オキシジ安息香酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、ジフェニルスルホン−4,4′−ジカルボン酸、4,4′−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸を1種類以上併用して使用することもできる。
ジカルボン酸として、芳香族ジカルボン酸の含有量は、ジカルボン酸成分の60モル%以上であり、75モル%以上であることが好ましい。芳香族ジカルボン酸の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐アルカリ性、耐酸化性、強度などの諸物性が低下するため好ましくない。
上記芳香族ジカルボン酸以外のジカルボン酸としてはマロン酸、ジメチルマロン酸、コハク酸、3,3−ジエチルコハク酸、グルタル酸、2,2−ジメチルグルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、トリメチルアジピン酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸などの脂肪族ジカルボン酸;1,3−シクロペンタンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸を挙げることができ、これらの酸は1種類のみならず2種類以上用いることができる。なかでも不織布の強度、耐薬品性、耐熱性等の点でジカルボン酸成分が100%の芳香族ジカルボン酸であることが好ましい。さらにトリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸を繊維化・不織布化が容易な範囲内で含有させることもできる。
また、ジアミン成分の60モル%以上は炭素数が6〜12の脂肪族アルキレンジアミンで構成され、かかる脂肪族アルキレンジアミンとしては、1,6−ヘキサンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、3−メチル−1,5−ペンタンジアミン、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,4,4−トリメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2−メチル−1,8−オクタンジアミン、5−メチル−1,9−ノナンジアミン等の直鎖または側鎖を有する脂肪族ジアミンなどを挙げることができる。
この脂肪族アルキレンジアミンの含有量は、ジアミン成分の60モル%以上であるが、75モル%以上、特に90モル%以上であることが、耐熱性の点で好ましい。脂肪族ジアミン成分の含有率が60モル%未満の場合には、得られる繊維の耐酸化性、強度などが低下する。なかでも耐熱性、耐加水分解性、耐薬品性の点で1,9−ノナンジアミン、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンとの併用が好ましい。そして、ジアミン成分の60〜100モル%が1,9−ノナンジアミンおよび2−メチル−1,8−オクタンジアミンからなり、かつ1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンのモル比が40:60〜99:1であることが好ましく、70:30〜95:5であることがさらに好ましい。
本発明の電池用セパレータに係わる脂肪族ポリアミド繊維としては、脂肪族ジカルボン酸(あるいは、その誘導体)を脂肪族ジアミンとの重縮合反応、ω−アミノ酸の重縮合反応、ラクタムの開環重付加反応等で製造することができる。
上記脂肪族カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、2−メチルアジピン酸、3−メチルアジピン酸、3−t−ブチルアジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ノナンジオン酸、デカンジオン酸、ウンデカンジオン酸、ドデカンジオン酸、トリデカンジオン酸、テトラデカンジオン酸、ペンタデカンジオン酸、ヘキサデカンジオン酸、アイコサンジオン酸、リンデル酸の2量体のジカルボン酸およびオレイン酸の2量体のジカルボン酸等の脂肪族ジカルボン酸;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸および1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などの脂環族ジカルボン酸等を挙げることができる。
上記脂肪族ジアミンとしては、ヒドラジン、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−メチルヘキサメチレンジアミン、3−メチルヘキサメチレンジアミン、2−エチルオクタメチレンジアミンおよび3−t−ブチルヘキサメチレンジアミン等の脂肪族ジアミン;1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、イソホロンジアミン、ピペラジン、N−アミノエチルピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタンおよび2,2−ビス−(4′−アミノシクロヘキシル)プロパン等の脂環族ジアミン等を挙げることができる。
上記ω−アミノ酸としては、例えば、ε−アミノカプロン酸、ω−アミノヘプタン酸、ω−アミノノナン酸、ω−アミノウンデカン酸およびω−アミノドデカン酸等を挙げることができる。また、上記ラクタムとしては、例えば、ε−カプロラクタム、ω−エナントラクタム、α−ピロリドン、δ−メチルピロリドン、α−ピペリドン、ω−ウンデカンラクタムおよびω−ドデカラクタム等を挙げることができる。
また、本発明の電池用セパレータに係わるポリアミドは、その分子鎖の末端基の10%以上が末端封止剤により封止されている必要があり、末端の40%以上が封止されているのが好ましく、末端の70%以上が封止されているのが更に好ましい。ポリアミドの末端を封止することにより、得られる電池用セパレータの機械的強度、耐アルカリ性、耐酸化劣化性等が優れたものとなる。末端封止剤としては、ポリアミド末端のアミノ基または、カルボキシル基との反応性を有する単官能性の化合物であれば、特に制限はないが、反応性および封止末端の安定性等の点からモノカルボン酸、モノアミンが好ましい。
本発明の電池用セパレータに係わるポリオレフィン繊維としては、ポリオレフィン単独からなる繊維、またはオレフィンとその他の単量体との共重合体とからなる繊維をいう。また、ポリオレフィン系繊維と他の繊維の混合繊維であっても良い。(ポリ)オレフィンとしては、例えば(ポリ)エチレン、(ポリ)プロピレン、(ポリ)メチルペンテン、(ポリ)ブテン、(ポリ)エチレン−プロピレン、(ポリ)エチレン−ブテン−プロピレン等を挙げることができる。また、オレフィンと共重合可能なその他の単量体としては、酢酸ビニル、酪酸ビニル、ビニルアルコール(酢酸ビニルを重合後、鹸化)等を挙げることができる。
本発明の電池用セパレータ(3)、(4)において、不織布の製造条件によっては、さらにバインダー繊維を含有しても良い。特に、湿式法で不織布を製造する場合、湿紙の強度を向上させるために、耐熱性に優れ、少量で融着効果を発現し、かつ電池特性への影響が少ないエチレンビニルアルコール共重合体繊維および/またはポリビニルアルコール繊維を用いることが好ましい。
本発明の電池用セパレータに係わるポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維およびバインダー繊維の繊度は、耐リーク性、吸液性、保液性の点から、1.5dtex以下が好ましく、更に好ましくは1dtex以下が好ましく、通気性と電池セパレータ用不織布の硬さを阻害しない点から0.1dtex以上が好ましい。
本発明の電池用セパレータにおいて、不織布の製造方法としては、繊維ウェブを形成し、繊維ウェブ内の繊維を接着・融着・絡合させる方法を用いることができる。得られた不織布は、そのまま使用しても良いし、複数枚からなる積層体として使用することもできる。繊維ウェブの製造方法としては、例えば、カード法、エアレイ法等の乾式法、抄紙法等の湿式法、スパンボンド法、メルトブロー法等がある。このうち、湿式法によって得られるウェブは、均質かつ緻密であり、電池用セパレータとして好適に用いることができる。湿式法は、繊維を水中に分散して均一な抄紙スラリーとし、この抄紙スラリーを円網、長網、傾斜式等のワイヤーの少なくとも1つを有する抄紙機を用いて、繊維ウェブを得る方法である。
繊維ウェブから不織布を製造する方法としては、水流交絡法、ニードルパンチ法、バインダー接着法等を使用することができる。
本発明の電池用セパレータにおいて、湿式法で不織布を製造する場合、ポリアミド繊維、ポリオレフィン繊維、バインダー繊維の繊維長としては、2〜20mmが好ましい。繊維長が20mmを超えた場合、湿式法では繊維の分散が難しくなり、地合不良等が発生し、良好な繊維ウェブの形成ができなくなるといった問題が生じる。一方、繊維長が2mm未満では、電池セパレータの機械的強度が小さくなる。
本発明の電池用セパレータにおいて、さらに親水性を向上させるために、親水化処理を施しても良い。親水化処理としては、コロナ放電処理、大気圧プラズマ処理、フッ素処理、界面活性剤処理等を用いることができる。
コロナ放電処理は、高電圧発生機に接続した電極と、シリコンラバーなどで被覆した金属ロール間に適度の間隙を設け、高周波で数千〜数万Vの電圧を印加し、コロナ放電を発生させ、この間隙に上記の方法で得られた原布を適度な速度で走らせ、該原布面にコロナ放電により生成したオゾン、あるいは、酸化窒素を反応させて、カルボキシル基、ヒドロキシル基、ペルオキシド基を生成させる事により、原布に対する電解液の親和性を向上させる表面改質法である。
大気圧プラズマ処理は、対向する電極の少なくとも一方の電極表面にポリイミド、雲母、セラミック、ガラス等の固体誘電体を配設した誘電体被覆電極を有するプラズマ反応装置に、ヘリウムおよびアルゴンと酸素から本質的になる気体組成物を導入し、大気圧下でプラズマ励起を行って、対向する電極の間に位置する原布表面を酸化およびエッチングして電解液親和性を向上させる表面改質法である。
フッ素処理は、窒素ガス、あるいはアルゴンガスなどで希釈したフッ素ガスと酸素ガス、二酸化炭素ガス、二酸化硫黄ガス等の一種類のガスとの混合ガスを原布に接触させて、表面にカルボキシル基、カルボニル基、水酸基を生成させて電解液親和性を向上させる表面改質法である。
界面活性剤処理としては、ノニオン系界面活性剤、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、若しくはポリオキシエチレンアルキルフェノールエーテルなどの溶液中に原布を含浸、または、この溶液を塗布、若しくは噴霧した後、乾燥して、原布表面の電解液親和性を向上させる表面改質法である。
上記のようにして形成された電池用セパレータの内、通気度が15cm3/cm2/sec以下、90℃、比重1.30の水酸化カリウム水溶液での耐アルカリ試験において、30日経過後の該電池用セパレータの重量減量率が15%以下であるときに、デンドライトによる短絡を防止し、電解液の保液性も高く、且つガス透過性も維持した適度な空隙を持つ電池用セパレータ(5)となる。また、上記の方法で行われる耐アルカリ試験において、本発明の電池用セパレータに含有するフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維は電池用セパレータの通気度を低下させるとともに、該セパレータの形状を維持するという効果ももたらす。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。なお、実施例中における、部、%は断りのない限り、すべて質量によるものである。
フィブリル化していない繊度1.7dtex、繊維長6mmのパラ系全芳香族ポリアミド繊維をダブルディスクリファイナーを用いて、叩解処理した。途中、適宜サンプリングし、該繊維を水で十分希釈した後に乾燥させ、電子顕微鏡で観察しながら、該繊維のフィブリル化の状態を確認した。その結果、60回繰り返し処理することにより、幹部から離脱した繊維径0.9μm以下のフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維と、繊維径4μm以下の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維の混合繊維を得た。
上記処理によって得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維10質量部と、ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)70質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量62.0g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量62.0g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例1と同様の叩解処理を行い、得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維0.5質量部と、ε−アミノカプロン酸からなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、引張強度5.5cN/dtex)79.5質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量62.8g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量62.8g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例1と同様の叩解処理を行い、得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維1質量部と、ε−アミノカプロン酸からなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、引張強度5.5cN/dtex)79質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量64.2g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量64.2g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例1と同様の叩解処理を行い、得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維10質量部と、ε−アミノカプロン酸からなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、引張強度5.5cN/dtex)70質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量63.4g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量63.4g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例1と同様の叩解処理を行い、得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維30質量部と、ε−アミノカプロン酸からなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、引張強度5.5cN/dtex)50質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量64.5g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量64.5g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例1と同様の叩解処理を行い、得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維40質量部と、ε−アミノカプロン酸からなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、引張強度5.5cN/dtex)40質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量65.1g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量65.1g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例1と同様の叩解処理を行い、得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維10質量部と、芯成分がポリプロピレン(融点155℃)であり、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)である繊度0.8dtex、繊維長10mmの熱溶融性芯鞘繊維(ダイワボウ社製)85質量部と、ポリビニルアルコール繊維(クラレ社製、製品名VPB 107)5質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量61.5g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度140℃でカレンダー処理を行い、坪量61.5g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
(比較例1)
ジカルボン酸成分の100モル%がテレフタル酸、ジアミン成分の50モル%が1,9−ノナンジアミン、残りの50モル%のジアミン成分が2−メチル−1,8−オクタジアミンからなる繊度0.7dtex、繊維長10mmの延伸半芳香族ポリアミド繊維(クラレ社製、融点265℃、軟化温度200℃、引張強度3.7cN/dtex)80質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量62.8g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量62.8g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
(比較例2)
ε−アミノカプロン酸からなる繊度0.7dtex、繊維長5mmの脂肪族ポリアミド繊維(ナイロン6、融点220℃、引張強度5.5cN/dtex)80質量部と、エチレン含有量が44モル%、鹸化度99.6%、繊度0.6dtex、繊維長5mmのエチレンビニルアルコール共重合体繊維20質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量62.7g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、最後にロール温度60℃でカレンダー処理を行い、坪量62.7g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
(比較例3)
芯成分がポリプロピレン(融点155℃)であり、鞘成分がポリエチレン(融点135℃)である繊度0.8dtex、繊維長10mmの熱溶融性芯鞘繊維(ダイワボウ社製)95質量部と、ポリビニルアルコール繊維(クラレ社製、製品名VPB 107)5質量部とを混合し、パルパーの水中で離解させ、アジテーター等の緩やかな撹拌のもと、均一な抄造用スラリーを調成した。この抄紙スラリーを円網抄紙機による湿式法を用いて、坪量63.5g/m2、幅50cmの原布を作製した。次に、原布の両面に電極20mm幅×600mm、誘電体ハイバロン3.2mmを用いてコロナ処理を施し、さらにロール温度140℃でカレンダー処理を行い、坪量63.5g/m2、厚さ150μmの不織布を製造し、電池用セパレータとした。
実施例および比較例で得られた電池用セパレータについて、下記の評価を行い、結果を表1に示した。
<評価方法>
[通気度]
JIS−L−1096により規定されるフラジール通気度を測定し、電池用セパレータのガス透過性の指標とした。フラジール通気度は、フラジール型通気度試験器を用いて、試験片を通過する空気量を5回測定し、その平均値を求めた。
[耐アルカリ試験]
100mm×100mmの試験片を採取し、水分平衡状態の重量(W1)を測定した後、90±2℃に保った比重1.30の水酸化カリウム水溶液中に30日間浸漬する。その後、試験片を取り出し、水洗乾燥後、再び水分平衡状態にし、そのときの重量(W2)を測定する。次式により重量減少率を求め、耐アルカリ性の指標とした。
(式1)重量減少率(%)=((W1−W2)/W1)×100
[急速充放電試験]
電極の集電体として、発泡ニッケル基材を用いたペースト式水酸化ニッケル正極(40mm幅)と、ニッケルメッキパンチングメタル基材を用いた焼結式カドミウム負極(40mm幅)を1枚ずつ用い、これらの電極の間に、43mm幅の上記の実施例の電池用セパレータおよび比較例の電池用セパレータを介在させて、電池構成機を用いて巻き取り、渦巻状電極群を作製した。該渦巻状電極群を円筒形の金属ケースに収納した後、1N水酸化リチウムを含む7N水酸化カリウム水溶液を主体とするアルカリ電解液を注入し、安全弁付きの封印蓋を取り付けて、公称容量が0.7Ahの単3形密閉式ニッケルカドミニウム電池を20個作製した。電池の化成を行う為に、25℃において、0.1Cで15時間充電し、1Cの電流で端子電圧が0.8Vになるまで放電するという充放電を4回繰り返した。
上記のようにして得られた化成済みの電池について、90℃において、1Cの電流で1.2時間充電し、1Cの電流で端末電圧が1.0Vになるまで放電するという充放電サイクルを繰り返し、電池の寿命を評価した。500サイクル未満を×、500〜749サイクルを△、750サイクル以上を○で表した。
Figure 2005228544
実施例1及び7で得られた電池用セパレータは、比較例1及び3で得られた電池用セパレータよりも、通気度が低くなり、その結果、急速充放電試験では、電池寿命が向上した。このことから、実施例1のように叩解処理して得られたフィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を含有することにより、デンドライトによる短絡防止の効果が確認された。
同様に、実施例2〜6で得られた電池用セパレータについても、比較例2で得られた電池用セパレータよりも、通気度が低下し、電池寿命が向上している。加えて、耐アルカリ試験において、耐アルカリ性の高い半芳香族ポリアミド繊維(実施例1及び比較例1)やポリオレフィン繊維(実施例7及び比較例3)を使用した電池用セパレータでは、耐アルカリ性に顕著な差は見られなかったが、それらの繊維と比較して、耐アルカリ性の低い脂肪族ポリアミド繊維を用いた電池用セパレータ(実施例2〜6及び比較例2)では、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維含有の効果が発現され、耐アルカリ性の向上が認められた。
更に、実施例2〜6で得られた電池用セパレータの内、フィブリル化全芳香族ポリアミド繊維を1〜30質量%含有し、通気度が15cm3/cm2/sec以下であり、耐アルカリ試験で重量減少率が15%以下である実施例3〜5で得られた電池用セパレータは、比較例2で得られた電池用セパレータよりも、急速充放電試験において、電池寿命が大きく向上した。
以上、説明したように、本発明の電池用セパレータは、デンドライトによる短絡を防止し、且つ、電解液の保液性を向上させ、さらに耐アルカリ性に優れているため、本発明の電池用セパレータを用いたアルカリ二次電池は高容量であり、長期間に渡って、高い電圧を維持するといった秀逸な効果をもたらす。

Claims (5)

  1. (A)剪断力を加えて幹部から離脱し、繊維径1μm以下にフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維、(B)剪断力を加えて繊維径2μm以上の幹部から繊維径1μm以下の枝部が発生したフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の少なくとも一方の繊維と、(C)繊維径1〜15μmのポリアミド繊維およびポリオレフィン繊維の少なくとも一方の繊維を含有した不織布からなる電池用セパレータ。
  2. (A)および/または(B)のフィブリル化した全芳香族ポリアミド繊維の含有量が不織布の1〜30質量%であることを特徴とする請求項1記載の電池用セパレータ。
  3. さらに、バインダー繊維を含有する請求項1〜2のいずれか記載の電池用セパレータ。
  4. バインダー繊維がエチレンビニルアルコール共重合体繊維および/または、ポリビニルアルコール繊維である請求項3記載の電池用セパレータ。
  5. 通気度が15cm3/cm2/sec以下、90℃、比重1.30の水酸化カリウム水溶液での耐アルカリ試験において、30日経過後の該電池用セパレータの重量減少率が15%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電池用セパレータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2010239040A (ja) * 2009-03-31 2010-10-21 Tomoegawa Paper Co Ltd 蓄電デバイス用セパレータ
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JP2020088024A (ja) * 2018-11-19 2020-06-04 三菱製紙株式会社 固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ用セパレータ及びそれを用いてなる固体電解コンデンサ又はハイブリッド電解コンデンサ
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