JP3704670B2 - 強制循環式風呂装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は保温機能を備えた強制循環式風呂装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、浴槽水を所定周期で循環させて浴槽水温を測定し、湯温低下を検出した場合にはガス燃焼により追い焚きして設定温度を維持する保温機能を備えた強制循環式風呂装置が知られている。最近では、浴槽水を循環させて浄化する温水浄化装置を備え、浴槽水の保温だけでなく、温水浄化により常に浴槽内の温水が清潔に保たれるようにした、いわゆる24時間風呂も使われるようになってきている。こうした24時間風呂においては、何ヵ月も浴槽水を入れ替える必要がなく24時間いつでも入浴することができ、しかも節水効果もあるという優れた機能を持っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような保温機能を有する強制循環式風呂装置は、ガスの計量器であるマイコンメータの誤動作を引き起こす恐れがある。マイコンメータには安全装置として、マイコンが30日以上連続して微少流量を検知したときは、パイロット等の連続使用か、配管等からの洩れがあると判断して警報表示を行なう機能(但し30日間で1時間以上連続してガスを使用しない期間があれば異常と検知しない。)を持つものがあり、温水浄化装置を持った強制循環式風呂装置の場合、24時間常に保温動作と休止とを繰り返す状態が続くため、保温動作を多く必要とする条件下では(浴槽の保温状態が悪い、気温が低い等の場合)、30日間で1時間以上の休止時間が一度も取れないことがある。この場合、ガス洩れでないにもかかわらず、30日を越えた時点でマイコンメータが異常と判断して自動的にガスが遮断されてしまうことになる。
【0004】
このような問題を解決するために、実開平7ー42914では24時間タイマーと、ガス湯沸器の運転を一定時間停止させる休止時間を記憶する記憶手段を備えることにより、毎日決まった時間にガスバーナの運転を強制的に一定時間停止させることによって、ガスメータが誤動作することを防ぐという構成をとっている。
【0005】
しかしながら、このような構成では、毎日決まった時間に一定時間以上の休止時間が強制的に取られるため、冬場の深夜に入浴する様な場合にこの休止時間と重なってしまうと、所定の湯温が得られず、24時間いつでも入浴できるという利点が犠牲になっている。
本発明の強制循環式風呂装置は上記課題を解決し、マイコンメータの誤動作を防止し、なおかつ無駄な強制停止を無くした強制循環式風呂装置を実現することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の請求項1記載の強制循環式風呂装置は、浴槽水を循環路に循環させつつ、その浴槽水をガス燃焼熱により加熱する強制循環加熱手段と、
浴槽水温を設定温度に保つように上記強制循環加熱手段を制御する保温制御手段とを備えた強制循環式風呂装置において、
運転状況調査期間と燃焼調整期間とを交互に切り替える期間設定タイマーと、
連続した燃焼停止時間を測定する停止時間測定タイマーと、
上記停止時間測定タイマーが所定時間に達した時にカウント動作すると共に上記停止時間測定タイマーをリセットするカウンタと、
上記運転状況調査期間終了時の上記カウンタの値に応じて、上記燃焼調整期間にて上記強制循環加熱手段のガス燃焼を所定時間強制的に禁止する燃焼禁止手段と
を備えたことを要旨とする。
【0007】
上記課題を解決する本発明の請求項2記載の強制循環式風呂装置は、請求項1記載の強制循環式風呂装置において、上記燃焼禁止手段は、上記運転状況調査期間終了時の上記カウンタの値が一定回数に達していなかった場合に、上記燃焼調整期間にて上記カウンタの値が一定回数に達するまで上記強制循環加熱手段のガス燃焼を所定時間強制的に禁止することを要旨とする。
【0008】
上記課題を解決する本発明の請求項3記載の強制循環式風呂装置は、請求項1または2記載の強制循環式風呂装置において、上記燃焼禁止手段は、上記燃焼調整期間における特定した時間帯においてのみ、ガス燃焼を禁止することを要旨とする。
【0009】
上記課題を解決する本発明の請求項4記載の強制循環式風呂装置は、請求項1ないし3の何れかに記載の強制循環式風呂装置において、上記運転状況調査期間と上記燃焼調整期間とにおける上記カウンタの値に基づいて、次回の運転状況調査期間と燃焼調整期間との比率を変更する期間設定変更手段を備えたことを要旨とする。
【0010】
上記課題を解決する本発明の請求項5記載の強制循環式風呂装置は、請求項1ないし4の何れかに記載の強制循環式風呂装置において、上記強制循環加熱手段とは別に、通水される水を加熱して給湯する給湯手段を備えると共に、
上記給湯手段の使用頻度を時間帯別に測定し、使用頻度の少ない時間帯を上記燃焼調整期間におけるガス燃焼禁止時間帯としたことを要旨とする。
【0011】
上記構成を有する本発明の請求項1記載の強制循環式風呂装置は、停止時間測定タイマーが強制循環加熱手段の連続した燃焼停止時間を測定し、ガスの計量器であるマイコンメーターの誤操作を防ぐために必要な所定時間(例えば65分)が経過した時点でカウンタがカウントし、運転状況調査期間終了時のカウンタの値に応じて、燃焼調整期間にて強制循環加熱手段のガス燃焼を所定時間強制的に禁止する。
【0012】
従って、マイコンメータの誤動作を防止するために必要な所定時間の連続した燃焼停止時間を運転状況調査期間で充分な回数とることができなかった場合には、燃焼調整期間において強制循環加熱手段のガス燃焼を強制禁止することにより、運転状況調査期間と燃焼調整期間とを合せた期間内で充分な回数とることができる。そのため、マイコンメータがガス洩れを判定するための期間内の、カウントした燃焼停止時間の全てで他のガス器具が使用されない限り、マイコンメータの誤動作を防止する事ができる。マイコンメータがガス洩れを判定する期間内で充分な回数のカウントをした場合、そのカウントした燃焼停止時間の全てで他のガス器具の使用があるという確率は極めて低い。そのため、マイコンメータの誤動作を防止することができる。また、運転状況調査期間において、自然に発生する所定時間の燃焼停止時間を測定しカウントするため、運転状況調査期間終了時にカウンタが充分な値であれば、燃焼調整期間において強制禁止をする必要がない。そのため必要のない時には強制禁止を行なわず、非常に使い勝手が良い。
【0013】
上記構成を有する本発明の請求項2記載の強制循環式風呂装置は、運転状況調査期間終了時のカウンタの値が一定回数(例えば10回)に達していない場合に、燃焼調整期間にて強制循環加熱手段のガス燃焼をカウンタの値が一定回数に達するまで強制的に禁止する。従って、運転状況調査期間終了時にカウンタの値が一定回数に達していれば強制禁止を行なわない。そのため 、運転状況調査期間で例えばカウンタの値が9回だった場合、燃焼調整期間で強制禁止が行なわれるが、カウンタの値が10回になるまで強制禁止を行なえばよいので、強制禁止は1回で良いことになる。つまり、運転状況調査期間と燃焼調整期間とを合せた期間内でほぼ一定回数のカウントをとることでマイコンメータの誤動作をばらつきなく防止することができ、尚かつ無駄な強制禁止を行なうことがない。
【0014】
上記構成を有する本発明の請求項3記載の強制循環式風呂装置は、燃焼調整期間における特定された時間帯においてのみ燃焼禁止手段がガス燃焼を禁止するため、特定した時間帯を使用者の入浴頻度の少ない時間帯に設定することで、燃焼禁止手段がガス燃焼を禁止している時に使用者が入浴するという確率を低くすることができる。
【0015】
上記構成を有する本発明の請求項4記載の強制循環式風呂装置は、運転状況調査期間と燃焼調整期間とにおけるカウンタの値に基づいて、次回の運転状況調査期間と燃焼調整期間との比率を変更する事で、季節の変化等により運転状況調査期間での所定時間の連続した燃焼停止期間の発生率が変化しても、使用状況にあった最適な比率に自動調整する。そのため、ガス燃焼を強制的に禁止することを無駄な回数行なうことがない。
【0016】
上記構成を有する本発明の請求項5記載の強制循環式風呂装置は、通水される水を加熱して給湯する給湯手段の使用頻度を時間帯別に測定し、その測定結果から使用頻度の少ない時間帯を特定することで、その時間帯内では他のガス器具の使用頻度も少ないと予測できる。つまり、シャワーや給水栓が使用されない時間帯では、ガスコンロやガス炊飯器といったガス器具が使用される頻度も少ないと想定し、その使用頻度の少ない時間帯を燃焼調整期間におけるガス燃焼禁止時間帯として、そこでガス燃焼を所定時間強制的に禁止することにより、マイコンメータがガスの連続休止を読取る確率を高くする。また、強制禁止している時に使用者が入浴するという確率も低くなる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以上説明した本発明の構成・作用を一層明らかにするために、以下本発明の強制循環式風呂装置の好適な実施例について説明する。
図1は一実施例としての給湯器付強制循環式風呂釜の概略構成図である。給湯器付強制循環式風呂釜(以下、単に給湯付風呂釜と呼ぶ)1は、浴槽水を循環し加熱する強制循環加熱部10と、通水される水を加熱して給湯する給湯部30と、これらの動作を制御するコントローラ50とからなる。
【0018】
強制循環加熱部10は、浴槽水を循環させる循環路11と、循環路11の途中に設けられバーナ12により加熱される熱交換器13と、熱交換器13の上流側循環路に設けられる水流スイッチ14、循環ポンプ15と、循環ポンプの上流側で流路を開閉する流路切換弁16と、流路切換弁16より上流で水圧を検出する圧力センサ17と、循環水温を検出するサーミスタ18と、浴槽水を浄化する温水浄化装置19とを備える。バーナ12には元電磁弁20、メイン電磁弁21を介してガスが供給される。
【0019】
給湯部30は、冷水が供給される給水路31と、給水路31の途中に設けられバーナ32により加熱される熱交換器33と、熱交換器33の下流側に接続される出湯路34と、出湯路34を分岐して設けられる風呂給湯路35、一般給湯路36とで流路を構成する。給水路31には流量を検出する水流センサ37と、入水温を検出するサーミスタ38が、出湯路34には出湯温を検出するサーミスタ39が設けられる。バーナ32には、元電磁弁43、比例制御弁44、メイン電磁弁45を介してガスが供給される。給水路31から導かれた冷水は、熱交換器33を通過する時にバーナ32の燃焼熱により加熱され、燃焼量制御により所定温度となって送り出される。
【0020】
出湯路34から分岐した風呂給湯器35は、この流路の開閉を行なう給水弁40と、縁切り弁としてのホッパー41と、強制循環加熱部からの逆流を防止する逆止弁42とを備え、強制循環加熱部10に接続される。一方、出湯路34から分岐した一般給湯路36には、洗面所、シャワー等の給湯口3に通じる外部給湯管4が接続される。尚、図中5は給湯栓である。
【0021】
給湯付風呂釜1は、給湯部30により浴槽2に所定水位まで給湯し、その後保温モードに入る。この保温モードにおいては、所定時間毎(例えば20分毎)に循環ポンプ15により浴槽水を循環させ、サーミスタ18により検出したこの時の浴槽水温が設定温度より下回っている時に追焚き燃焼を開始する。そして、湯温検出を継続し、湯温が設定温度に達した時、燃焼及び循環を停止する。この時、浴槽水は温水循環装置を経由して循環されるため清潔に、しかも適温に維持される。
【0022】
コントローラ50は、循環加熱制御、給湯制御等を司どるもので、図示しない周知の算術論理演算回路を構成するCPU,RAM,ROMと、各種センサからの信号を入力する入力インタフェースと、各種のアクチュエータに駆動信号を出力する出力インタフェース等から構成される。
【0023】
尚、給湯付風呂釜1は、図示しないが点火装置および燃焼用空気を供給するファン等を備える。
【0024】
ガスの計量器であるマイコンメータ8は、ガス供給会社により各家庭のガス供給管に取付けられ、図示しない流量センサーによりパルス信号をマイコン制御部で一定時間(約30秒)毎に流量監視を行なう事により使用状況が正常かどうかを判断し、異常があった場合には信号によりガス遮断弁を閉じ、併せて作動表示を行なう。マイコンメータ8はマイコンメータ8内のガスメータが1回転もしない時間が60分以上続いた場合は、ガスの流れが無いと判断する。また、マイコンが30日間以上連続して微少流量を検知した時は、配管等などの洩れがあると判断してガスを遮断する。このため、給湯付風呂釜1が保温モードに入っている場合において、冬場などで頻繁に追焚き動作が行なわれるケースでは、30日間で1度も連続60分以上のガス未使用期間がとれなくなり、マイコンがガスを遮断してしまう。
【0025】
こうしたマイコンメータ8の誤操作を防ぐためには、30日間の間に連続1時間以上のガス休止をとることが必要である。しかしながら、30日間に1回給湯付風呂釜1の燃焼動作を1時間以上停止させたとしても、その間に他のガス器具9が使用された場合、マイコンメータ8はガスの流れを感知するため誤作動の防止にはならない。そのため本実施例では、一定期間(360時間)の中で、所定時間(65分)のガス休止時間を少なくとも一定回数(10回)以上とるようにする。30日間(720時間)の間に充分な回数(20回)のガス休止時間をとることにより、その全てで他のガス器具9が使用されている確率は極めて低いため、誤動作が防止できる。一定回数のガス休止時間を無駄なくとるために、停止時間測定タイマーと、休止回数測定カウンタと、期間設定タイマーと、使用有回数テーブルとをコントローラ50内に備える。
【0026】
停止時間測定タイマーは、給湯付風呂釜1の連続した燃焼停止時間を測定する。停止時間測定タイマーが所定の時間(65分)に達した時休止回数測定カウンタがカウント動作を行なう。上記一定期間(360時間)は運転状況調査期間(240時間)と燃焼調整期間(120時間)とに分けられる(図2)。期間設定タイマーは、運転状況調査期間と燃焼調整期間とを交互に切り換える。運転状況調査期間においては給湯付風呂釜1の自然に発生する連続した燃焼停止時間を測定する。燃焼調整期間においては、休止回数測定カウンタの値が所定の値に達してない場合において、強制循環加熱部10のガス燃焼、つまり追焚き動作を強制的に禁止する。
【0027】
時間帯毎の使用頻度を測定するために、コントローラ50内の使用有回数テーブル(図3)を用いる。使用有回数テーブルは1日を例えば24に分割した時間帯を持つ。各時間帯毎に給湯部30の使用が1度でも有った場合は1、1度の使用も無い場合は0として記録し、累計していく。使用有回数テーブルのスタート時に累計したデータから使用頻度の少ない時間帯を例えば5つ特定する。その特定された時間帯内では給湯部30の使用頻度が少ないことから、他のガス器具9の使用も少ない時間帯(睡眠時間等)である事が予測できる。そのため、強制的に燃焼を禁止する必要がある場合には、その特定された時間帯内でガスの休止時間をとることにより、マイコンメータ8がガスの休止を読取る確率が高くなると共に、使用者にとっても入浴時に強制禁止しているといった問題も少なくなる。
【0028】
次に、コントローラ50の行なう制御処理について図4のフローチャートを用いて説明する。
【0029】
装置の電源ON(S10)と同時に期間設定タイマーをスタート(S11)し、まず運転状況調査期間が設定される。給湯部30が使用される(S12)と、水流センサ38の信号により使用有回数テーブルのその使用があった時間帯に1と記録する(S13)。
【0030】
次に、ステップ14、16において、どの期間に入っているかを判断し、電源ONから240時間内は運転状況調査期間にあることから、本ルーチンの初期においてはステップ14、16の判断はNOとなり、ステップ17の処理に移行する。ステップ17では、特定時間帯か否かを判断する。この特定時間帯は使用有回数テーブルに基づいて、後述する処理により更新修正されるが、電源投入時は、例えばAM1〜2時、2〜3時、3〜4時、4〜5時、5〜6時の5つの時間帯が初期設定されている。
【0031】
特定時間帯内でなければ先のステップ12の処理に戻り、特定時間帯内であれば、給湯付風呂釜1(強制循環加熱部10及び給湯部30)が燃焼運転を停止した時点(S18)で停止時間測定タイマーをスタートする(S19)。ここで、給湯付風呂釜1が浴槽水の保温運転や給湯部30の使用等により燃焼運転を始めた場合(S20、S21)、停止時間測定タイマーをリセットする(S23)。停止時間測定タイマーが65分以上となった時(S25)休止回数測定カウンタをカウントアップする(S26)。同時に停止時間測定タイマーをリセットする(S27)。そしてステップ12に戻り、同様の処理を繰り返す。つまり、使用有回数テーブルの記録と、どの期間に入っているかの判断との後で、ステップ17、18の条件を満たした時に休止時間の測定が行なわれる。
【0032】
こうした運転状況調査期間(240時間)が終了すると(S14:YES)、休止回数測定カウンタの値が10回未満の場合には、続いて始まる燃焼調整期間(S15)において強制循環加熱部10での燃焼運転を所定時間強制的に禁止する。燃焼運転の禁止中は浴槽湯温が設定温度より低くなっても保温動作を行なわない。強制禁止を極力使用者の不便にならないようにするため、強制禁止開始は使用有回数テーブルで特定された使用頻度の少ない時間帯内(S17)で、なおかつ給湯付風呂釜1が燃焼運転を行なっていない時(S18)という条件でのみ行なう。また、強制禁止中は強制循環加熱部10の燃焼運転のみを禁止するもので(S24)、給湯部30の動作に関しては強制禁止しない。強制禁止中に給湯部30の使用があった場合(S21:YES)、停止時間測定タイマーをリセットする(S23)。その後、給湯部30の使用が終了し、ステップ17、18の条件を満たした時点で再び強制禁止を行なう。
【0033】
強制禁止中において停止時間測定タイマーが65分を経過すると(S25)休止回数測定カウンタがカウント動作を行ない(S26)、停止時間測定タイマーをリセットする(S27)。この時点で、休止回数測定カウンタの値がまだ10回に達していない場合(S28:YES)、更に強制禁止を行なう必要があるが、連続で強制禁止を行なうことによる浴槽湯温の大幅な低下を防ぐため、循環ポンプ15により一旦浴槽水の循環を行ない、設定温度より低いとサーミスタ18が検知した場合保温運転を行ない、設定温度内である時及び保温運転の終了後にステップ17、18の条件を満たした時点で再び強制禁止を行なう。
【0034】
こうした処理を繰り返して燃焼調整期間を終了すると(S16:YES)、休止回数測定カウンタの値が10回より多いか少ないかによって、次回の運転状況調査期間と燃焼調整期間との比率を変更する(S30)。休止回数測定カウンタの値が大きいほど燃焼調整期間の比率を小さくし、また休止回数測定カウンタの値が小さいほど燃焼調整期間の比率を大きくする。この調節を繰り返す事により、季節の変化等に適応した比率が決められる。例えば、気温が高い時期や、浴槽1の保温状態が良い場合などは運転状況調査期間で65分以上の燃焼停止時間をとる事ができると考えられるため、燃焼調整時間を短く設定する。その為強制禁止する回数は減少し、燃焼調整期間に強制禁止を行なわない様な場合も起こり得る。このように無駄な強制禁止がなくなり、使用者にとって非常に使いやすいものになる。
【0035】
ステップ30にて比率変更を行なうと、休止回数測定カウンタをリセットし(S31)、使用有回数テーブルにより使用頻度の少ない時間帯(特定時間帯)を更新し(S32)、運転状況調査期間をスタートする(S11)。
【0036】
以上説明した本実施例の給湯付風呂釜1によれば、運転状況調査期間終了時に休止回数測定カウンタの値が10回に達していない場合に、燃焼調整期間にて休止回数測定カウンタの値が10回に達するまで強制循環加熱部10の燃焼動作の強制禁止を行なうことで、360時間で10回のガス休止時間をカウントすることができる。このため、30日間(720時間)では、20回のガス休止時間をカウントすることになり、その全てで他のガス器具9が使われている可能性は極めて低く、そのためマイコンメータ8の誤動作を防止することができる。また運転状況調査期間におけるカウントは、自然に発生したガス休止期間であるので、使用者にとって全く支障が無く、運転状況調査期間でとれなかった分のカウントを強制禁止でとれば良いため、無駄に強制禁止をすることが無く、使い勝手が良い。強制禁止は使用者の入浴する際に不便となるため、特定時間帯でのみ行なうことで、使用者の不便を少なくすると共に、他のガス器具9の使用が少ない時間帯に行なうことで、マイコンメータ8がガス休止を読取る確率を高くする。後者の理由により本実施例では、運転状況調査期間における休止時間に対しても特定時間帯内でのみカウントを行なう。更に、燃焼調整期間の終了時の休止回数測定カウンタの値によって2つの期間の比率を変更することによって、季節の変化等に対しても、無駄な強制禁止をとることが無い。
【0037】
以上本発明の実施例について説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0038】
【発明の効果】
以上詳述したように、本発明の請求項1記載の強制循環式風呂装置によれば、運転状況調査期間終了時のカウンタの値に応じて、燃焼調整期間においてガス燃焼を強制禁止するため、無駄な強制禁止を行なうことが無く、マイコンメータの誤動作を防止する事ができる。
【0039】
更に請求項2記載の強制循環式風呂装置によれば、運転状況調査期間終了時にカウンタの値が一定回数に達していない時に燃焼調整期間にて一定回数に達するまで強制禁止を行なうため、運転状況調査期間と燃焼調整期間とを合せた期間内でほぼ一定回数のカウントをとることでマイコンメータの誤動作をばらつきなく防止することができ、尚かつ無駄な強制禁止を行なうことがない。
【0040】
更に請求項3記載の強制循環式風呂装置によれば、特定した時間帯を使用者の入浴頻度の少ない時間帯に設定することで、強制禁止中に使用者が入浴するということを少なくできる。
【0041】
更に請求項4記載の強制循環式風呂装置によれば、運転状況調査期間と燃焼調整期間との比率を変更する事で、季節の変化等により運転状況調査期間でのガス休止時間の発生率が変化しても、使用状況にあった最適な比率に自動調整するため、無駄な強制禁止を行なうことがない。
【0042】
更に請求項5記載の強制循環式風呂装置によれば、給湯部の使用頻度の少ない時間帯を特定し、その特定時間帯内で強制禁止することにより、強制禁止している時に使用者が入浴するという確率を低くすることができると共に、マイコンメータがガスの連続休止を読取る確率を高くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一実施例としての給湯器付強制循環式風呂釜の概略構成図である。
【図2】運転状況調査期間と燃焼調整期間とを表す説明図である。
【図3】使用有回数テーブルの説明図である。
【図4】マイコンメータの誤動作防止制御処理を表すフローチャートである。
【図5】マイコンメータの誤動作防止制御処理を表すフローチャートである。
【符号の説明】
1…給湯器付強制循環式風呂釜、 8…マイコンメータ、 10…強制循環部、 15…循環ポンプ、 18…サーミスタ、 19…温水浄化装置、
30…給湯部、 37…水流センサ。
Claims (5)
- 浴槽水を循環路に循環させつつ、その浴槽水をガス燃焼熱により加熱する強制循環加熱手段と、
浴槽水温を設定温度に保つように上記強制循環加熱手段を制御する保温制御手段とを備えた強制循環式風呂装置において、
運転状況調査期間と燃焼調整期間とを交互に切り替える期間設定タイマーと、
連続した燃焼停止時間を測定する停止時間測定タイマーと、
上記停止時間測定タイマーが所定時間に達した時にカウント動作すると共に上記停止時間測定タイマーをリセットするカウンタと、
上記運転状況調査期間終了時の上記カウンタの値に応じて、上記燃焼調整期間にて上記強制循環加熱手段のガス燃焼を所定時間強制的に禁止する燃焼禁止手段と
を備えたことを特徴とする強制循環式風呂装置。 - 上記燃焼禁止手段は、上記運転状況調査期間終了時の上記カウンタの値が一定回数に達していなかった場合に、上記燃焼調整期間にて上記カウンタの値が一定回数に達するまで上記強制循環加熱手段のガス燃焼を所定時間強制的に禁止することを特徴とする請求項1記載の強制循環式風呂装置。
- 上記燃焼禁止手段は、上記燃焼調整期間における特定した時間帯においてのみ、ガス燃焼を禁止することを特徴とする請求項1または2記載の強制循環式風呂装置。
- 上記運転状況調査期間と上記燃焼調整期間とにおける上記カウンタの値に基づいて、次回の運転状況調査期間と燃焼調整期間との比率を変更する期間設定変更手段を備えたことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の強制循環式風呂装置。
- 上記強制循環加熱手段とは別に、通水される水を加熱して給湯する給湯手段を備えると共に、
上記給湯手段の使用頻度を時間帯別に測定し、使用頻度の少ない時間帯を上記燃焼調整期間におけるガス燃焼禁止時間帯としたことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の強制循環式風呂装置。
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