JP3922409B2 - 燃焼制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術の分野】
この発明は、ボイラー等の燃焼機器に組み込まれる燃焼制御装置に関し、特に異常燃焼を的確に判断することができ、確実に異常燃焼を防止することができるようにしたものである。
【0002】
【従来の技術】
この種の燃焼制御装置を組み込んだボイラー等の燃焼機器は、現代社会にとって生活必需品ともいうべきもので、入浴時の風呂やシャワーから台所および洗面台等の給湯に至るまで幅広く使用されている。
【0003】
このような燃焼機器の熱源としては、電気又はガスを使用するものが一般的であり、特にガスを使用したものが非常に多くなっている。
【0004】
燃焼機器の熱源としてガスを用いる場合には、ガス漏れに注意を払うことは当然であるが、他に燃焼状態、特に空気不足による異常燃焼に対して十分な注意を払う必要がある。
【0005】
異常燃焼を回避して正常燃焼を行うための一般的な燃焼の制御は、ガス量をコントロールするガス比例弁への供給電流値、および所定の空気量が得られる送風機への供給電圧(または送風機の回転数)を予めマイコンに記憶させ、この記憶データに基づき燃焼を制御し、正常燃焼を行わせるようにしたものである。
【0006】
上記マイコンが記憶している前記電流値と電圧の関係は、1対1対応の関係にあり、電流値が決められると自動的に電圧が決定される。また、この関係は、縦軸に電圧を、横軸に電流をとると、1本の直線または曲線で表すことができ、その直線または曲線上の点は、正常燃焼を行える条件を満たすものである。
【0007】
さらに現在では、上記のような燃焼制御の技術に改良を加え、送風機のファン詰まりや、熱交換器の詰まりによる風量の低下を検出して燃焼制御を行うことも実施されている。この実施の燃焼制御技術は、具体的には、送風機からの風量が低下してファンの負荷が少なくなると送風機の電流値が下がる点に着目し、これを利用して、送風機の電流値が低下したときにはその電流値の低下を元に戻すことにより適正な風量を確保することとしたものである。また、上記のような送風機の電流値の減少という状態に陥った場合には異常燃焼と判定し、使用者に対し警告表示を行うように構成したものもある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のような送風機の電流値の低下は、送風機のほこり詰まり等による風量低下に基づくものだけでなく、その送風機固有の特性によっても生ずる。すなわち、この種の燃焼制御の対象となる送風機は、その駆動時間(燃焼時間)が累積すると、送風機駆動系の馴染み(例えば動摩擦抵抗の減少等)により当該駆動系の負荷が低下し、送風機の電流値が減少するという特性を有している。
【0009】
したがって、送風機の風量低下に基づく電流値の減少が生じない、つまり送風機からの風量は低下しなくとも、送風機の電流値は、送風機固有の特性により積算駆動時間に対応して経時的に減少変化する。
【0010】
ところが、従来の燃焼制御にあっては、上記の如く送風機の電流値が低下すると、これを一律に元に戻す構成である。このため、送風機のほこり詰まり等による風量低下のない正常燃焼時であっても、送風機固有の特性による電流値の減少が生じると、これを元に戻してしまうことから、送風機の風量が増加し、風量過多による異常燃焼を誘発させてしまう、または空気不足と誤判定する等の問題点があり、信頼性が高いものとはいえない。
【0011】
この発明は上述の事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、異常燃焼を的確に判断することができ、確実に異常燃焼を防止するのに好適な安全かつ信頼性の高い燃焼制御装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この請求項1の発明は、燃料ガスを燃焼させる複数のバーナと、上記燃料ガスの流量を調節する流量調節弁と、上記バーナに燃焼用空気を供給し駆動時間に伴い正常燃焼時の電流値が低下する特性を有する送風機と、上記燃料ガスの流量に対応して予め設定された電圧または回転数で上記送風機を駆動する駆動手段と、上記送風機に流れる電流を検出する電流検出手段とを備えてなる燃焼制御装置において、上記燃料ガスが一定条件で燃焼する燃焼安定時に、上記電流検出手段で検出した電流値を上記送風機の基準電流値として決定記憶する記憶手段と、上記記憶手段に基準電流値が記憶された後の燃焼安定時に、上記電流検出手段で検出した現在の電流値を上記送風機の実電流値とし、この実電流値と上記記憶部の基準電流値とを比較し、この比較結果に基づき基準電流値からみた実電流値の現在の電流値減少幅を求める比較手段と、上記送風機の駆動時間を積算し、この積算結果を上記送風機の積算駆動時間とする駆動時間積算手段と、上記積算駆動時間に対応して風量低下を伴わずに経時的に変化する上記送風機の電流値減少幅と上記燃料ガスの異常燃焼時に生じ風量低下を伴う上記送風機の電流値減少幅とを加算した加算値を有するとともに、上記比較手段で求めた現在の電流値減少幅が上記加算値以上か否かを判断する判断手段と、上記判断手段が加算値以上と判断した場合に、異常燃焼と判定し、上記燃料ガスの流量を減少させるとともに、この減少した燃料ガス流量に対応した電圧または回転数で上記送風機を駆動させる駆動調整手段とを設けたことを特徴とする。
【0013】
請求項2記載の発明は、記憶手段において燃料ガスが一定条件で燃焼する燃焼安定時が、燃焼制御装置取付け直後の自動給湯時であることを特徴とするものである。
【0014】
この発明によると、送風機の積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機の電流値減少幅と燃料ガスの異常燃焼時に生じる送風機の電流値減少幅とを加算した加算値をしきい値として備えている。そして、初回の燃焼安定時には、送風機の基準電流値を決定記憶し、その後の燃焼安定時においては、現在の送風機の実電流値と記憶の基準電流値とを比較し、送風機の現在の実電流値が正常な安定燃焼状態での基準電流値よりどれくらい減少しているかを示す現在の電流値減少幅を得て、さらに、この現在の電流値減少幅が上記加算値(しきい値)以上の場合には、異常燃焼と判定し、燃料ガスの流量減少と、この流量減少に対応した送風機の駆動調整がなされ、適正なガス量と空気量で燃焼運転が行われる。
【0015】
つまり、この発明では、異常燃焼による送風機の電流減少特性のみならず、送風機固有の電流減少特性、すなわち送風機の積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機の電流値減少特性にも基づき、異常燃焼の判定がなされる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係る燃焼制御装置の一実施形態について図1ないし図4を用い詳細に説明する。
【0017】
図1はこの発明に係る燃焼制御装置を給湯器に適用した例であり、給湯器1の水の流れは水量センサ4を通過した後、2方向に分流し、その流れの一方は給湯熱交換器5に、また他方は給湯熱交換器5の出口部に至る。なお、水量センサ4は給水口から入水させた水の給水量を検出する。
【0018】
給湯熱交換器5の出口部では給湯熱交換器5を通過した湯と通過していない水とを混合し、この混合水は水量制御弁6および湯温検知の給湯サーミスタ7を通過後、給湯配管24を通り給湯栓20より放出される、あるいは注湯水電磁弁8を通過して浴槽21に給湯される。
【0019】
給湯器1は前記水の流れ以外に追焚用の流れも有しており、追焚用の流れは次の通りである。すなわち、浴槽21内の水は浴槽戻り配管23を経由して給湯器1側に戻り、給湯器1側に流入した水は、湯温検知の風呂サーミスタ11および循環水流検知のフロースイッチ10を経由してポンプ9に至り、このポンプ9から流出した水は、追焚熱交換器19で加温された後、浴槽への注湯配管22を経て浴槽21に戻される。
【0020】
給湯器1は制御部3を有し、制御部3は図2に示す如く給湯栓20が開状態のとき、水量検出部28を介し水量センサ4からの信号を検出するとともに、送風機駆動部34を介し送風機18を駆動する。このように駆動される送風機18は給湯熱交換器5を配した燃焼室側に燃焼用空気を送出して給湯バーナ25、26、追焚バーナ27に燃焼用空気を供給する。また、これらのバーナ25、26、27は燃料ガスを燃焼させるものである。
【0021】
給湯機1は、図1に示す如く燃料ガスの流量を調節する流量調節弁として、ガス配管に接続されたセイフティー電磁弁13、比例電磁弁14、給湯バーナ26にガスを供給するための給湯電磁弁15、および給湯バーナ25に燃料ガスを供給する給湯切り換え電磁弁16を備えており、送風機18が駆動されると、セイフティー電磁弁13、給湯電磁弁15、給湯切り換え電磁弁16が開となるように構成されている。なお、比例電磁弁14はセイフティー電磁弁13と給湯電磁弁15の間に設置され、かつ比例電磁弁駆動部35により駆動され、燃料ガス量を調節し燃焼量を変化させる。
【0022】
給湯バーナ25、26にガスが供給されると、点火装置駆動部38が点火装置12を駆動して着火が行われるが、この着火後、制御装置3は、湯温検出部29を介して給湯サーミスタ7の信号を検出し、この検出値に基づき空燃比例制御を行う。この空燃比例制御は、リモコン2の設定温度となるように比例電磁弁14の弁開度を調整し、その弁開度(ガス供給量)に見合った送風機駆動電圧を送風機に送ることによるものである。
【0023】
また、制御装置3は、最大燃焼でも設定値(リモコン2の設定温度)が得られない場合には、水量制御弁駆動部36を介して水量制御弁6を駆動し、給湯水量を減少させることにより設定温度の湯を得るように構成されている。逆に、最小燃焼でも設定温度が得られない場合には、電磁弁駆動部37を介して給湯切り換え電磁弁16を開とするように構成されている。
【0024】
制御装置3には中央制御部30、記憶部31、比較部32および駆動時間積算部39が設けられており、これらは異常燃焼か否かの判定に際して機能する。
【0025】
記憶部31には送風機18の基準電流値が決定記憶されており、また、比較部32は、電流検出部33で検出した現在の電流値を送風機18の実電流値とし、この実電流値と記憶部31の基準電流値とを比較し、この比較結果に基づき基準電流値からみた実電流値の現在の電流値減少幅を求める。ここでの比較は異常燃焼であるか否かの判定に際して必要となるものであり、送風機18の基準電流値は異常燃焼であるか否かを判定する際の比較の基準となるものであるから、このような基準電流値の決定は極めて重要な意味を有している。
【0026】
基準電流値を決定するためには、一定条件の燃焼を所定時間継続させる必要がある。これはバーナの昇温に伴い電流値が減少していくためであって、電流値を安定させるためにはなくてはならないものである。しかし、通常の給湯では、使用者が使用水量を適宜変化させてしまうため、一定条件の燃焼を所定時間継続させることは難しい。そこで、基準電流値の記憶は使用者が適宜水量を変化させることができない自動注湯時に行うものとし、これにより信頼性の高い基準電流値を得ることが可能となる。また、基準電流値を記憶した燃焼状態と同一状態時に電流減少の検出を行えばさらに信頼性の高い異常燃焼の検出が可能となる。特に、基準電流値の記憶は、送風機のファン詰まりや熱交換器の詰まりがあり得ない燃焼制御装置取付け直後に自動給湯を行い、このような初期状態のとき記憶させるのが好適である。
【0027】
以上のように、記憶部31は、燃料ガスが一定条件で燃焼する燃焼安定時、特に燃焼制御装置取付け直後の自動給湯時に、電流検出部33で検出した電流値を送風機18の基準電流値として決定記憶するものとし、また、比較部32は、記憶部31に基準電流値が決定記憶された後の燃焼安定時に、送風機18の実電流値と記憶部31の基準電流値とを比較し、基準電流値からみた実電流値の現在の電流値減少幅を求めるものとする。
【0028】
なお、ここでいう自動注湯とは、図1に示すように使用者がリモコン2の注湯スイッチを押し、中央制御部30が自動注湯開始を検出すると、注湯水電磁弁8が開となり、かつ水量制御弁6が水量制御を行って、使用者がリモコン2で設定した温度の湯を浴槽21に供給する動作をいう。
【0029】
また、1回の電流値の測定で基準電流値は確定し、それ以後は同じ基準電流値を用いる。なお、1回の電流値測定では安定した値が測定できない場合は、複数回の値の平均値または同一値をとることにより安定した基準電流値を得ることが可能であり、この方法を採用することもできる。
【0030】
ところで、送風機18の電流値が低下する要因としては、異常燃焼による送風機の電流減少特性によるものだけでなく、送風機固有の電流減少特性によるものも含まれている。
【0031】
すなわち、送風機18の駆動時間(燃焼時間)が累積すると、送風機駆動系の馴染みにより駆動系の負荷が減少し、これに基づき送風機18の電流値は低下する。このとき送風機からの風量は低下しないため、正常燃焼でも電流値の低下は発生する。しかし、送風機18のほこり詰まりや給湯熱交換器5の詰まり等による風量低下の異常燃焼でも送風機18の電流値は低下する。
【0032】
したがって、異常燃焼の判定に際しては、異常燃焼による電流値低下のみならず、送風機固有の特性に基づく正常燃焼時の電流値低下(送風機の積算駆動時間に応じた電流値低下)をも考慮しなければならない。
【0033】
このような観点から、駆動時間積算部39は送風機18の駆動時間を積算し、この積算結果を送風機18の積算駆動時間とするものとして構成されている。
【0034】
なお、風量低下が発生しないときの送風機の電流低下幅は、ある送風機を例にとると、積算駆動時間が50時間経過毎に5mA低下し、300時間経過以降は電流低下はない。また、別の送風機では積算駆動時間300時間までは前記と同様に電流値が低下するが、300時間経過以降は600時間経過毎に5mAの電流低下が発生する。
【0035】
中央制御部30は判断手段および駆動調整手段としての機能を具備する。すなわち、中央制御部30は、上記積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機18の電流値減少幅と燃料ガスの異常燃焼時に生じる送風機18の電流値減少幅とを加算した加算値をしきい値として有するとともに、比較部32による比較結果が上記加算値より減少したか否かを判断する。さらに、上記加算値より減少したと判断した場合には、異常燃焼であると判定し、燃料ガスの流量を減少させるとともに、この減少した燃料ガス流量に対応した電圧または回転数で送風機18を駆動させる。なお、送風機18の駆動は送風機駆動部34を介して行われる。
【0036】
次に、上記の如く構成された燃焼制御装置である給湯器の動作について図2ないし図4を用いて説明する。
【0037】
この給湯器によると、まず取付け直後に送風機の基準電流値の決定記憶が次のようにして行われる。
【0038】
図3に示すように、リモコン2の自動注湯スイッチが押され、中央制御部30が自動注湯開始を検出すると(ステップ100)、注湯水電磁弁8が開となると同時に、水量制御弁6が全開となり(ステップ102)、リモコン2で設定された温度の水が浴槽21に注湯される。そして、自動注湯開始からT1時間経過後であるか否かの判断がなされる(ステップ104)。
【0039】
ここで、自動注湯開始からT1時間経過後である場合には水量制御弁6が調整され(ステップ106)、強制的に中燃焼が行われる(ステップ108)。その後、この中燃焼の状態がT2時間経過したか否かの判断がなさる(ステップ110)。
【0040】
そして、中燃焼の状態がT2時間経過した場合には、この時点で送風機18の電流値が基準電流値として記憶される(ステップ112)。その後は中燃焼が解除され(ステップ114)、自動注湯が完了するまで燃焼が継続し(ステップ116)、自動注湯が完了した時点で全処理動作が終了し、再度ステップ100に戻る。
【0041】
なお、ステップ104において、T1時間経過していないと判断した場合はステップ104にて待機し、また、ステップ110において、T2時間経過していないと判断した場合はステップ108の処理に戻る。
【0042】
上記のような処理を経て一度基準電流値が記憶されると、その後は自動注湯を行う毎に、この基準電流値と送風機18の実電流値との比較が次のように行われる。
【0043】
図4に示すように、リモコン2の自動注湯スイッチが押され、中央制御部30が自動注湯開始を検出すると(ステップ200)、注湯水電磁弁8が開となると同時に、水量制御弁6が全開となり(ステップ202)、リモコン2で設定された温度の水が浴槽21に注湯される。そして、自動注湯開始からT1時間経過後であるか否かの判断がなされる(ステップ204)。
【0044】
ここで、自動注湯開始からT1時間経過後である場合には水量制御弁6が調整され(ステップ206)、強制的に中燃焼が行われる(ステップ208)。その後、この中燃焼の状態がT2時間経過したか否かの判断がなされ(ステップ210)、中燃焼の状態がT2時間経過した場合には、この時点で基準電流値と送風機18の実電流値との比較が行われる(ステップ212)。
【0045】
上記比較の結果、送風機18の実電流値が基準電流値よりI1 mA以上減少した場合、すなわち、基準電流値からみた実電流値の現在の電流減少幅がI1 mA以上である場合には、燃焼能力が小燃焼となる。(ステップ214)。
【0046】
なお、I1 mAとは、送風機18の積算駆動時間に対応して経時的に変化する電流値減少幅と燃料ガスの異常燃焼時に生じる送風機18の電流値減少幅とを加算した加算値である。
【0047】
次に、自動注湯が完了しているか否かの判断がなされ(ステップ216)、自動注湯が完了していないときには、リモコン2において異常燃焼状態であることの警告表示が行われる(ステップ218)。
【0048】
その後、上記のような小燃焼の状態がT10時間以上積算されたか否かの判断がなされ(ステップ220)、小燃焼状態がT10時間以上積算された場合は、燃焼を停止し機器の運転を停止する(ステップ222)。
【0049】
なお、ステップ212〜222の処理については、具体的には、基準電流値と実電流値の差が、送風機18の積算駆動時間に対応する電流減少値(例えば積算駆動時間250時間のとき、電流減少値は25mA)とを加算した値以上となったとき、これを異常燃焼とし、さらに、異常燃焼の積算時間(T10)を例えば168時間として、故意に送風機18のファン詰まりを行った。そして、自動注湯スイッチを押すと、リモコン2の温度表示部に警告ランプが点滅すると同時に、ブザーが鳴り、給湯能力が小さくなり(具体的には16号から6号)、この状態が168時間以上継続したときに、燃焼を停止させるものとする。
【0050】
また、ステップ204において、T1時間経過していないと判断した場合はステップ224に移行する。ステップ210において、T2時間経過していないと判断した場合はステップ208の処理に戻る。ステップ212において、送風機18の実電流値が基準電流値よりI1 mA以上減少していない場合はステップ226を経てステップ224の処理に移行する。ステップ220において、小燃焼状態がT10時間以上積算されていない場合にはステップ216に移行する。
【0051】
この実施形態の燃焼制御装置にあっては、送風機18の積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機18の電流値減少幅と、燃料ガスの異常燃焼時に生じる送風機18の電流値減少幅とを加算した加算値を有し、その送風機18の現在の電流値減少幅が上記加算値より減少した場合に、異常燃焼と判定し、これに基づき燃料ガスの流量減少と、この流量減少に対応した送風機18の駆動調整がなされるように構成したものである。このため、異常燃焼による送風機18の電流減少特性のみならず、送風機固有の電流減少特性(送風機18の積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機の電流値減少特性)にも基づき、異常燃焼の判定がなされることから、異常燃焼の判定に際し、送風機固有の電流減少特性に基づく誤判定を除去することができ、異常燃焼の的確かつ信頼性の高い判断と、確実な異常燃焼の防止を図れるとともに、適正なガス量と空気量で燃焼運転を行うことができ、機器の信頼性が高い。
【0052】
【発明の効果】
この発明に係る燃焼制御装置にあっては、上記のように送風機の積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機の電流値減少幅と、燃料ガスの異常燃焼時に生じる送風機の電流値減少幅とを加算した加算値を有し、その送風機の現在の電流値減少幅が上記加算値より減少した場合に、異常燃焼と判定し、これに基づき燃料ガスの流量減少と、この流量減少に対応した送風機の駆動調整がなされるように構成したものである。このため、異常燃焼による送風機の電流減少特性のみならず、送風機固有の電流減少特性、すなわち送風機の積算駆動時間に対応して経時的に変化する送風機の電流値減少特性にも基づき、異常燃焼の判定がなされることから、異常燃焼の判定に際し、送風機固有の電流減少特性に基づく誤判定を除去することができ、異常燃焼の的確かつ信頼性の高い判断と、確実な異常燃焼の防止を図れるとともに、適正なガス量と空気量で燃焼運転を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る燃焼制御装置の一実施形態を示す概略図。
【図2】図1に示す燃焼制御装置のブロック図。
【図3】図1に示す燃焼制御装置の動作を説明するフローチャート。
【図4】図1に示す燃焼制御装置の動作を説明するフローチャート。
【符号の説明】
13 セイフティー電磁弁
14 比例電磁弁
15 給湯電磁弁
16 給湯切り換え電磁弁
17 風呂電磁弁
18 送風機
25、26 給湯バーナ
27 追焚バーナ
30 中央制御部(判断手段、駆動調整手段)
31 記憶部(記憶手段)
32 比較部(比較手段)
33 電流検出部(電流検出手段)
34 送風機駆動部(駆動手段)
39 駆動時間積算部(駆動時間積算手段)
Claims (2)
- 燃料ガスを燃焼させる複数のバーナと、上記燃料ガスの流量を調節する流量調節弁と、上記バーナに燃焼用空気を供給し駆動時間に伴い正常燃焼時の電流値が低下する特性を有する送風機と、上記燃料ガスの流量に対応して予め設定された電圧または回転数で上記送風機を駆動する駆動手段と、上記送風機に流れる電流を検出する電流検出手段とを備えてなる燃焼制御装置において、
上記燃料ガスが一定条件で燃焼する燃焼安定時に、上記電流検出手段で検出した電流値を上記送風機の基準電流値として決定記憶する記憶手段と、
上記記憶手段に基準電流値が記憶された後の燃焼安定時に、上記電流検出手段で検出した現在の電流値を上記送風機の実電流値とし、この実電流値と上記記憶部の基準電流値とを比較し、この比較結果に基づき基準電流値からみた実電流値の現在の電流値減少幅を求める比較手段と、
上記送風機の駆動時間を積算し、この積算結果を上記送風機の積算駆動時間とする駆動時間積算手段と、
上記積算駆動時間に対応して風量低下を伴わずに経時的に変化する上記送風機の電流値減少幅と上記燃料ガスの異常燃焼時に生じ風量低下を伴う上記送風機の電流値減少幅とを加算した加算値を有するとともに、上記比較手段で求めた現在の電流値減少幅が上記加算値以上か否かを判断する判断手段と、
上記判断手段が加算値以上と判断した場合に、異常燃焼と判定し、上記燃料ガスの流量を減少させるとともに、この減少した燃料ガス流量に対応した電圧または回転数で上記送風機を駆動させる駆動調整手段とを設けたことを特徴とする燃焼制御装置。 - 記憶手段において燃料ガスが一定条件で燃焼する燃焼安定時が、燃焼制御装置取付け直後の自動給湯時であることを特徴とする請求項1記載の燃焼制御装置。
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