JP6998778B2 - 即時出湯装置 - Google Patents

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  • Domestic Hot-Water Supply Systems And Details Of Heating Systems (AREA)

Description

本発明は、即時出湯装置に関する。
従来、例えば特許文献1に見られるように、給湯配管の末端の出湯栓(カラン)を開栓すると、給湯器の熱源機で加熱された湯水が末端の出湯栓に到達する前に、該出湯栓の近くで貯湯タンクに蓄えられた湯を、熱源機から給湯配管を介して供給される湯水に混合して、該出湯栓から出湯させることで、該出湯栓の開栓の直後から、出湯を行うことを可能とした即時出湯装置が知られている。
この即時出湯装置では、即時出湯装置を接続した出湯栓以外の他の出湯栓の出湯中でないこと、及び、いずれかの出湯栓での前回の出湯後、所定時間が経過して給湯配管内の湯水の温度が冷えていることを条件として、熱源機から即時出湯装置の混合制御弁までの給湯配管の容積を検出する処理を実行し、検出した給湯配管容積に基づいて該給湯配管容積の学習値を更新する。
この場合、給湯配管容積を検出する処理では、末端の出湯栓の開栓後、給湯配管から即時出湯装置に供給される湯水の温度の所定の上昇(熱源機で加熱された湯水が即時出湯装置に到達することによる上昇)が生じるまで、給湯配管から即時出湯装置に供給される湯水の流量の検出値を積算することで、給湯配管容積が検出される。
そして、該給湯配管容積の学習値と、給湯配管内の湯水の温度の検出値とを用いて、貯湯タンク内の湯水の温度の目標値を決定し、貯湯タンク内の湯水の温度を目標値に制御するようにヒータを作動させる。
特開2001-124356号公報
上記特許文献1に見られる技術では、熱源機から即時出湯装置に至る給湯配管の容積に適合させて貯湯タンク内の湯水の温度(以降、貯湯温度ということがある)の目標値を決定することができるものの、該貯湯温度の目標値は、即時出湯装置に接続された出湯栓(以降、即時出湯栓ということがある)からの出湯開始時に、熱源機から即時出湯装置に至る給湯配管内の湯水の温度が均一の一定温度であることを前提として決定されるものである。
一方、熱源機から即時出湯装置に至る給湯配管は、通常、その上流端側の一部が、他の出湯栓の給湯配管を兼ねている。このため、即時出湯栓での出湯の開始直前に、他の出湯栓での出湯が行われている場合には、熱源機から即時出湯装置に至る給湯配管の一部の湯水の温度は、即時出湯栓での出湯の開始時には既に、該給湯配管の下流端側の湯水の温度よりも十分に昇温している状態となる。
そして、このような場合には、前記特許文献1に見られる技術では、貯湯タンク内の湯水の蓄熱量が過剰となってしまう。ひいては、即時出湯装置の省エネ性能が損なわれるという不都合がある。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、省エネ性能をより一層高めることができる即時出湯装置を提供することを目的とする。
本発明の発明者の種々の検討によれば、各住戸における台所、洗面所、浴室等の各出湯栓での出湯の利用形態は、一日のうちの複数の時間帯のそれぞれ毎に特有のパターンになりやすい。
例えば、所定の出湯栓での出湯に着目した場合、ある時間帯では、該所定の出湯栓での出湯を行う直前に、他の出湯栓での出湯が行われる頻度が高く、また、他の時間帯では、該所定の出湯栓での出湯を行う前には、他の出湯栓での出湯がしばらくの期間、行われないことが多い、というように、該所定の出湯栓での出湯の前における他の出湯栓での出湯の利用形態が、時間帯毎に特有のパターンとなりやすい。
ひいては、上記所定の出湯栓で即時出湯を行う場合、該所定の出湯栓の出湯時に、該出湯栓への給湯配管に残存する湯の熱量が時間帯によって異なるものとなりやすい。
そこで、本発明の即時出湯装置は、熱源機で加熱された湯水を該熱源機から出湯栓に供給する給湯配管と該出湯栓とに該出湯栓寄りの位置で接続された貯湯タンクを有し、前記出湯栓の開栓直後に、前記貯湯タンク内の湯水、又は該貯湯タンク内の湯水と前記熱源機から前記給湯配管を介して供給される湯水とを混合してなる湯水を前記出湯栓から出湯させる即時出湯装置であって、
一日を区分する複数の時間帯のそれぞれ毎に、前記貯湯タンク内の湯水の温度の目標値である目標貯湯温度を決定し、各時間帯における前記貯湯タンク内の湯水の温度を当該決定した目標貯湯温度に制御する貯湯温度制御部と、
前記給湯配管から供給される湯水の温度である入水温度と該湯水の流量である入水流量とをそれぞれ検出する温度センサ及び流量センサとを備えており、
前記貯湯温度制御部は、前記各時間帯における前記目標貯湯温度を、過去に該時間帯で実行された前記出湯栓での出湯時に、該出湯栓の開栓直後の所定期間で前記温度センサ及び前記流量センサにより各々検出された前記入水温度及び前記入水流量のそれぞれの検出データに基づいて決定するように構成されていることを特徴とする(第1発明)。
かかる第1発明によれば、一日を区分する複数の時間帯のそれぞれ毎に、各時間帯での目標貯湯温度が、過去に、該時間帯で実行された前記出湯栓での出湯時に、該出湯栓の開栓直後の所定期間で検出された前記入水温度及び前記入水流量のそれぞれの検出データに基づいて決定される。
ここで、各時間帯での前記出湯栓の開栓直後の所定期間における前記入水温度及び前記入水流量の検出データは、該出湯栓での出湯前に給湯配管内に残存している湯水の熱量が反映されたものとなる。これは、前記入水温度の検出値と前記入水流量の検出値との積(又は該積に比例する値)が、前記給湯配管から即時出湯装置に単位時間当たりに供給される湯水の熱量に相当するものとなるからである。
そして、各時間帯における前記出湯栓での出湯前に給湯配管内に残存している湯水の熱量は、該時間帯での出湯の利用形態に依存するものとなりやすい。このため、各時間帯毎の目標貯湯温度を上記の如く決定することで、各時間帯での出湯の利用形態に応じて、前記出湯栓での出湯前に給湯配管に残存する熱量を考慮した態様で、該目標貯湯温度を決定することが可能となる。
この結果、各時間帯における前記出湯栓での出湯時に、貯湯タンク内の湯水に蓄熱されている熱量が過剰になるのを極力防止し得るように、該出湯栓での出湯開始前に貯湯タンク内の湯水を加熱しておくことが可能となる。
よって、第1発明によれば、即時出湯装置の省エネ性能をより一層高めることが可能となる。
上記第1発明では、前記出湯栓の開栓直後の所定期間は、前記出湯栓の開栓後、前記温度センサにより検出される前記入水温度が、前記熱源機から前記給湯配管に供給される湯の温度の目標値である給湯目標温度以下の値に設定された第1所定温度以上の温度に昇温するまでの期間である第1期間を少なくとも含むことが好ましい(第2発明)。
これによれば、前記出湯栓の開栓後、前記熱源機側から前記給湯配管を介して供給される前記第1所定温度以上の温度の湯を該出湯栓に供給し得るようになるまでの期間に相当する前記第1期間において即時出湯装置に供給される湯水の熱量を反映させて前記目標貯湯温度を決定できる。
このため、前記出湯栓の開栓後、前記第1所定温度以上の温度の湯を該出湯栓に供給し得るようになるまでの期間において、該出湯栓から温かい湯を継続的に出湯させることが可能となる熱量の湯を貯湯タンクに貯湯し得るように、前記目標貯湯温度を決定することを適切に行うことができる。
なお、第2発明において、前記第1期間は、前記所定期間と同じ期間であってもよい。また、前記第1所定温度は、前記給湯目標温度と同じ温度であってもよい。
上記第2発明では、前記貯湯温度制御部は、前記各時間帯における過去の前記検出データに基づいて、該時間帯での前記第1期間において前記給湯配管から供給される湯水の平均温度である平均入水温度の代表値と、該第1期間において前記給湯配管から供給される湯水の総量である入水総量の代表値とを設定し、少なくとも前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも大きい場合に、該入水総量の代表値と前記平均入水温度の代表値とを用いて前記目標貯湯温度を決定するように構成されているという態様を採用し得る(第3発明)。
ここで、各時間帯における前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも大きい場合というのは、該時間帯での前記出湯栓の開栓後の前記第1期間において、前記出湯栓から出湯させる湯量が前記貯湯タンク内の湯量よりも大きいことが予測される場合である。
この場合、該時間帯での目標貯湯温度を、該入水総量の代表値と前記平均入水温度の代表値とを用いて前記目標貯湯温度を決定することで、前記出湯栓の開栓後の前記第1期間において、前記貯湯タンク内の湯と前記給湯配管から即時出湯装置に供給される湯水とを混合させて得られる湯の温度を温かい温度に継続的に維持しつつ、該湯を出湯栓に供給することができるように、貯湯タンクに蓄熱させることが可能となる。
なお、第3発明において、各時間帯での前記平均入水温度の代表値としては、例えば、過去の該時間帯での前記検出データから算出される平均入水温度の値のうちの最小値、あるいは、該平均入水温度の平均値などを採用し得る。また、各時間帯での前記入水総量の代表値としては、例えば、過去の該時間帯での前記検出データから算出される入水総量の最大値、あるいは、該入水総量の平均値等を採用し得る。
上記第3発明では、より具体的には、前記貯湯温度制御部は、少なくとも前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも大きい場合に、前記貯湯タンク内の湯の熱量と前記第1期間において前記給湯配管から供給される湯水の全体の熱量との総和の熱量により、前記第1期間において前記出湯栓から出湯される湯の温度を所定の第1目標値に維持し得るように前記目標貯湯温度を決定することを、実際の前記平均入水温度と前記入水総量とがそれぞれ前記代表値に一致するとという仮定の基で実行するように構成されているという態様を採用し得る(第4発明)。
これによれば、各時間帯での前記出湯栓の開栓後の前記第1期間において、前記所定の第1目標値の温度の湯を前記出湯栓から出湯させ得るように(換言すれば、安定した温度の湯を前記出湯栓から出湯させ得るように)、前記貯湯タンクの蓄熱を行うことが可能となる。
なお、上記第3発明又は第4発明では、各時間帯における前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積と一致するか、もしくは該貯湯タンクの容積よりも小さい場合であっても、該時間帯における前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも大きい場合と同様に、前記目標貯湯温度を決定してもよい。ただし、貯湯タンクの蓄熱量が必要以上に多くならないようにする上では、例えば次のようにすることが好ましい。
すなわち、上記第3発明又は第4発明では、前記貯湯温度制御部は、前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも小さい場合において、前記出湯栓から出湯される湯の温度の所定の第2目標値を前記目標貯湯温度として決定するように構成されていることが好ましい(第5発明)。
これによれば、各時間帯での前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも小さい場合においては、該時間帯での前記出湯栓の開栓後の前記第1期間において、貯湯タンクだけから前記所定の第2目標値の温度の湯を安定して、該出湯栓から出湯させることができる。また、貯湯タンク内の湯と、前記給湯配管から即時出湯装置に供給される湯水とを混合して出湯栓に供給する必要が無いので、貯湯タンク内の湯の蓄熱量を必要最低限に留めることができる。
なお、第5発明を前記第4発明と組み合わせる場合、第5発明における前記第2目標値は、第4発明における前記第1目標値と同じであることが好ましい。
また、上記第1~第5発明では、前記貯湯温度制御部が前記各時間帯における前記目標貯湯温度を決定するために用いる前記検出データは、前記熱源機の作動停止状態での前記出湯栓の通水時における前記入水温度及び前記入水流量の検出データを除く検出データであることが好ましい(第6発明)。
これによれば、前記熱源機から前記出湯栓への給湯を行うことができる状況で得られた前記検出データだけに基づいて前記目標貯湯温度が決定されるので、各時間帯での前記出湯栓の開栓後、熱源機側から即時出湯装置に加熱された湯が供給されるまでの期間に、前記出湯栓から適温の湯を継続的に出湯させる上で、好適な目標貯湯温度(貯湯タンク内の湯の蓄熱量が過大になったり、もしくは過小になったりすることのない目標貯湯温度)を適切に決定できる。
本発明の実施形態における即時出湯装置を含むシステムの全体構成を示す図。 図1に示す即時出湯コントローラの機能を示すブロック図。 図2に示す学習データ取得部の処理を示すフローチャート。 図2に示す目標貯湯温度決定部の処理を示すフローチャート。 図5A~図5Cは、実施形態の即時出湯装置の作動に関するグラフを示す図。
本発明の一実施形態を図1~図5Cを参照して以下に説明する。図1を参照して、本実施形態の即時出湯装置20は、複数(例えば3つ)の出湯栓1a,1b,1cのそれぞれに対して給湯を行う給湯運転を実行可能な給湯器3が備えられた任意の住戸において、出湯栓1a,1b,1cのうちの一つ、例えば、出湯栓1bにおける即時出湯を行い得るように設置された装置である。
出湯栓1a,1b,1cのそれぞれは、例えば台所、洗面所、浴室に各々配置された出湯栓である。なお、図1では、各出湯栓1a,1b,1cを蛇口(カラン)として記載しているが、各出湯栓1a,1b,1cは、蛇口に限らず、例えばシャワー、あるいは、シャワーと蛇口との複合体等であってもよい。
給湯器3は、その本体部としての熱源機4を備える。該熱源機4は、例えば、図示を省略するバーナ及び熱交換器を内蔵する燃焼式の熱源機であり、水道水等の給湯用水を熱源機4に導入する給水配管5と、熱源機4内でバーナの燃焼熱により加熱した給湯用水(湯)を出湯栓1a,1b,1cに供給するために給湯配管6とが接続されている。なお、上記バーナの燃料は、気体燃料、あるいは、灯油等の液体燃料のいずれでもよい。
給湯配管6は、熱源機4から導出された上流側給湯配管6dと、該上流側給湯配管6dから分岐された3つの下流側給湯配管6a,6b,6cとを備える。3つの下流側給湯配管6a,6b,6cのうちの第1の下流側給湯配管6aは、台所の出湯栓1aへの給湯用の配管であり、その上流端が上流側給湯配管6dの第1分岐部6d1から分岐され、下流端が出湯栓1aに接続されている。
また、第2の下流側給湯配管6bは、洗面所の即時出湯栓1bへの給湯用の配管であり、その上流端が上流側給湯配管6dの第1分岐部6d1よりも下流側の第2分岐部6d2から分岐され、下流端が即時出湯装置20を介して出湯栓1bに接続されている。
また、第3の下流側給湯配管6cは、浴室の出湯栓1cへの給湯用の配管であり、その上流端が上流側給湯配管6dの第2分岐部6d2よりも下流側の第3分岐部6d3から分岐され、下流端が出湯栓1cに接続されている。
従って、本実施形態の給湯配管6は、上流側給湯配管6dの第1分岐部6d1よりも上流側の配管部分が、全ての出湯栓1a,1b,1cに対して共用の配管部分となり、上流側給湯配管6dの第1分岐部6d1と第2分岐部6d2との間の配管部分が、出湯栓1a以外の出湯栓1b,1cに対して共用の配管部分となるように構成されている。
なお、上流側給湯配管6dの第3分岐部6d3の下流側に、上記3つの出湯栓1a,1b,1c以外の出湯栓がさらに接続されていてもよい。
給湯器3はさらに、熱源機4の作動制御を行うコントローラ8と、給湯器3の運転操作用のリモコン9とを備える。リモコン9は、台所や浴室等に配置され、コントローラ8と有線通信(又は無線通信)を行うことが可能である。このリモコン9を操作することによって、給湯器3の起動又は運転停止をコントローラ8に指令したり、熱源機4から各出湯栓1a,1b,1cに供給する湯の温度(給湯温度)の目標値の設定等を行うことが可能である。
なお、図1では単一のリモコン9だけを図示したが、給湯器3は、リモコン9以外の他の一つ以上のリモコンをさらに備え得る。
コントローラ8(以降、給湯コントローラ8という)は、例えば、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成され、熱源機4に搭載されている。そして、給湯コントローラ8は、実装されたハードウェア構成及びプログラム(ソフトウェア構成)により、給湯運転に係る熱源機4の作動制御を行う。
具体的には、いずれかの出湯栓1a,1b,1cの開栓により、給水配管5での通水が開始されると、給湯コントローラ8は、該通水の開始を、図示しない水流スイッチもしくは流量センサ等のセンサを介して検知し、その検知に応じて、熱源機4のバーナの燃焼運転を開始させる。これにより、給水配管5から熱源機4に導入される給湯用水が、バーナの燃焼熱により熱交換器を介して加熱され、その加熱後の給湯用水(湯)が、開栓された出湯栓1a又は1b又は1cに熱源機4から給湯配管6を介して供給される。
そして、給湯コントローラ8は、開栓された出湯栓1a又は1b又は1cへの実際の給湯温度が、リモコン9で設定された目標値(以降、給湯目標温度という)に一致もしくはほぼ一致するようにバーナの燃焼量を制御する。
補足すると、給湯器3の熱源機4は燃焼式の熱源機に限らず、バーナの代わりに、もしくは、バーナに加えて、電気式の発熱部(ヒートポンプ方式のものを含む)を備える熱源機であってもよい。また、給湯器3は、給湯運転だけでなく、浴槽への湯はり等の風呂運転、あるいは、浴室暖房装置等の温水式暖房装置に温水を供給する運転等を行い得るように構成されていてもよい。
即時出湯装置20は、熱源機4から、即時出湯の対象の出湯栓としての洗面所の出湯栓1b(以降、即時出湯栓1bという)に至る湯水の流路上で、熱源機4よりも即時出湯栓1bに十分に近い位置(即時出湯栓1b寄りの位置)、例えば洗面所のシンク下のスペース等に設置されている。この即時出湯装置20は、貯湯タンク21と、給湯配管6のうちの下流側給湯配管6bの下流端に接続された流入側配管30と、即時出湯栓1bに接続された流出側配管31とを備える。
流入側配管30の下流端は、下流側給湯配管6bから流入側配管30に流入する湯水(即時出湯装置20に入水する湯水)を貯湯タンク21に供給し得るように、貯湯タンク21の下端部に接続されている。従って、貯湯タンク21は、流入側配管30を介して下流側給湯配管6bに接続されている。
また、流出側配管31の上流側部分は、貯湯タンク21内の湯水を即時出湯栓1bに供給し得るように、貯湯タンク21内に導入されている。従って、貯湯タンク21は、流出側配管31を介して即時出湯栓1bに接続されている。この場合、流出側配管31の上流端は、貯湯タンク21の上部にて該貯湯タンク21内に開口している。なお、流出側配管31の上流端は、貯湯タンク21の上部に接続されていてもよい。
貯湯タンク21の内部には、該貯湯タンク21内の湯水を加熱するための電気式のヒータ22と、流入側配管30から貯湯タンク21内に流入する湯水を整流する整流板23とが組み込まれている。
また、貯湯タンク21の外周部には、貯湯タンク21内の湯水の温度(以降、貯湯温度Ttkという)を検出する温度センサ24と、貯湯タンク21が過剰に高温の過熱状態になったときに、ヒータ22ヘの電力供給を強制的に遮断する過熱防止用サーモスタット25と、貯湯タンク21の保温性を高めるために該貯湯タンク21の上部を被覆する断熱材26とが装着されている。
流入側配管30には、該流入側配管30の上流側部分に接続された1つの入口ポート33aと、該流入側配管30の下流側部分と、該流入側配管30の上流側部分から貯湯タンク21を経由させずに流出側配管31に湯水を流す流路を形成するバイパス配管32とに各々接続された2つの出口ポート33b,33cとを有する分配弁33が介装されている。
上記分配弁33は、電動式の3方弁等により構成され、流入側配管30に下流側給湯配管6bから供給される湯水(即時出湯装置20に入水する湯水)を、2つの出口ポート33b,33cに分配して流出させる(ひいては、貯湯タンク21とバイパス配管32とに分配して流出させる)ことが可能であると共に、出口ポート33bから貯湯タンク21に流す湯水の流量(以降、タンク側流量という)と出口ポート33cからバイパス配管32に流す湯水の流量(以降、バイパス側流量という)との比率を可変的に制御することが可能である。この場合、出口ポート33b,33cのいずれか一方を閉弁状態にする(ひいては、タンク側流量又はバイパス側流量をゼロにする)ことも可能である。
分配弁33から湯水が分配されるバイパス配管32の下流端は、流出側配管31の途中部31aに接続されている。該途中部31aは、バイパス配管32を通過した湯水と、貯湯タンク21から流出側配管31に流出した湯水とが混合される部分であり、以降、混合部31aという。
流入側配管30の分配弁33よりも上流側の部分には、下流側給湯配管6bから供給される湯水の温度(以降、入水温度Tinという)を検出する温度センサ34と、下流側給湯配管6bから供給される湯水の流量(以降、入水流量Winという)を検出する流量センサ35と、図示を省略する減圧弁及び逆止弁により構成される弁機構36とが組み付けられている。
流入側配管30の分配弁33よりも下流側の部分には、貯湯タンク21内で加熱により膨張した湯水の一部を排出するための膨張水排出用配管37が接続されており、該膨張水排出用配管37には、貯湯タンク21内の湯水の圧力が所定値以上の圧力に上昇すると開弁する過圧逃し弁38が介装されている。なお、膨張水排出用配管37は、貯湯タンク21、あるいは、流出側配管31に接続されていてもよい。
流出側配管31の混合部31aよりも上流側の部分には、貯湯タンク21から流出側配管31に流出する湯の温度(以降、タンク流出温度Ttoutという)を検出する温度センサ39が組み付けられている。また、流出側配管31の混合部31aよりも下流側の部分には、該混合部31aから即時出湯栓1bに供給されて該即時出湯栓1bから出湯する湯水の温度(以降、出湯温度Toutという)を検出する温度センサ40が組み付けられている。
流出側配管31の途中部、例えば、上記混合部31aには、即時出湯装置20のメンテナンス時、あるいは不使用時等に、貯湯タンク21内の湯水等の水抜きを行うための水抜き用配管41が接続されている。該水抜き用配管41の下流端部には、手動で開閉可能な水抜き栓42が装着されている。
即時出湯装置20は、さらに、貯湯タンク21のヒータ22及び分配弁33の作動制御を行うコントローラ45(以降、即時出湯コントローラ45という)と、即時出湯装置20の電源のオン・オフ操作、該即時出湯装置20の動作条件の設定操作等を行うための操作部50とを備える。
操作部50には、図示しない操作スイッチ、表示部等が備えられている。即時出湯コントローラ45は、マイコン、メモリ、インターフェース回路等を含む一つ以上の電子回路ユニットにより構成され、操作部50の操作信号が入力されると共に、前記温度センサ24,34,39,40及び流量センサ35の検出信号が入力される。
また、本実施形態では、即時出湯コントローラ45は、前記給湯コントローラ8と有線通信(又は無線通信)を行うことが可能であり、この通信により、給湯器3が運転停止状態であるか否かの情報、リモコン9により設定された給湯目標温度を示す情報等を取得することが可能である。
そして、即時出湯コントローラ45は、実装されたハードウェア構成及びプログラムにより実現される機能として、図2に示すように、即時出湯栓1bでの出湯時に分配弁33を制御することで、前記出湯温度Tout(出湯栓1bから出湯する湯水の温度)を制御する出湯温度制御部46としての機能と、ヒータ22を制御することで、前記貯湯温度Ttk(貯湯タンク21内の湯水の温度)を制御する貯湯温度制御部47としての機能とを含む。
そして、貯湯温度制御部47は、貯湯温度Ttkの目標値である目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する処理を実行する目標貯湯温度決定部47aとしての機能と、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定するために用いる学習データを即時出湯栓1bでの出湯時に収集する学習データ取得部47bとしての機能とを含む。
次に、即時出湯コントローラ45の制御処理を中心に、本実施形態の即時出湯装置20の作動を説明する。本実施形態では、即時出湯コントローラ45の貯湯温度制御部47は、一日を、複数の時間帯(例えば、朝、昼、夕方及び夜の4つの時間帯)に区分し、各時間帯毎に、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する処理を目標貯湯温度決定部47aにより実行すると共に、各時間帯における該目標貯湯温度Ttk_cmdを決定するために用いる学習データを該時間帯での即時出湯栓1bの出湯時に収集する処理を学習データ取得部47bにより実行する。
この場合、上記複数の時間帯のそれぞれの開始時刻及び終了時刻は、あらかじめ操作部50の操作によって任意に設定されている。なお、各時間帯の開始時刻及び終了時刻だけでなく、例えば一日を区分する時間帯の個数を、操作部50の操作によって設定できるようになっていてもよい。また、例えば、各時間帯の時間幅を既定の一定値として、各時間帯の開始時刻又は終了時刻だけを操作部50の操作によって設定できるようにしてもよい。
学習データ取得部47bの処理は、図3のフローチャートに示す如く実行される。STEP1において、学習データ取得部47bは、給湯器3が給湯運転可能な状態であるか否かを、給湯コントローラ8との通信を通じて判断する。ここで、給湯運転可能な状態というのは、出湯栓1a,1b,1cのいずれかの開栓により給水配管5の通水(所定流量以上の通水)が開始されると、それに応じて、給湯器3の給湯運転(給湯用水を加熱する運転)が開始されることになる状態、すなわち、給湯器3の通水待ちの待機状態である。
STEP1の判断結果が否定的である場合には、学習データ取得部47bはSTEP1の判断処理を繰り返す。従って、給湯器3が給湯運転可能な状態でない場合(給湯器3の運転停止状態である場合)には、学習データの収集は行われない。なお、給湯器3の運転停止状態は、ユーザによるリモコン9の操作(運転停止操作)によって実現される状態に限らず、給湯器3で発生した異常に応じて、給湯コントローラ8が熱源機4の作動を強制的に停止させた状態も含む。
また、給湯器3が給湯運転可能な状態となっており、STEP1の判断結果が肯定的になる場合には、学習データ取得部47bは、次にSTEP2において、流量センサ35の検出信号に基づいて、即時出湯装置20への入水の有無(詳しくは、給湯配管6の下流側給湯配管6bから即時出湯装置20の流入側配管30への湯水の流入の有無)を判断する。
このSTEP2では、学習データ取得部47bは、流量センサ35の検出信号により示される入水流量Win(流入側配管30に流入した湯水の流量)の検出値が、所定の閾値以下である場合には入水無しと判断し、該入水流量Winの検出値が該閾値を超えた場合に入水有りと判断する。
従って、洗面所の即時出湯栓1bが開栓されていないか、もしくは、該即時出湯栓1bの開栓度合いが微小である場合には、STEP2の判断結果が否定的になる。この場合には、学習データ取得部47bは、STEP1からの処理を繰り返す。
一方、即時出湯栓1bの開栓によって、即時出湯装置20への入水流量Winが上記閾値を超える流量になると、STEP2の判断結果が肯定的になる。この場合には、学習データ取得部47bは、STEP3~6の処理をSTEP7の判断結果が肯定的になるまで所定の演算処理周期で逐次実行する。
STEP3では、学習データ取得部47bは、流量センサ35の検出信号により示される現在の入水流量Winの検出値と、前記温度センサ34の検出信号により示される現在の入水温度Tinの検出値とを取得する。
STEP4では、即時出湯装置20への入水の開始時(STEP2の判断結果が肯定的になった時点)から現在までに即時出湯装置20に入水した湯水(流入側配管30に流入した湯水)の総量(体積)である入水総量Vinを、入水流量Winの検出値の積算演算により算出する。より具体的には、該入水総量Vinは、前回の演算処理周期での入水総量Vinの算出値(初期値はゼロ)に、現在の入水流量Winの検出値と演算処理周期の時間幅Δtとの積(=Win×Δt)として算出される入水量(体積)を加算することで算出される。
STEP5では、現在の入水流量Winの検出値と、現在の入水温度Tinの検出値とを用いて、即時出湯装置20に新たに入水した湯水(詳しくは、現在の制御処理周期で入水流量Win及び入水温度Tinを検出した湯水)が保有する熱量ΔQinを算出する。該熱量ΔQinは、例えば次式(1)の如く、現在の入水流量Winの検出値と演算処理周期の時間幅Δtとの積(=Win×Δt)として算出される入水量(体積)と、現在の入水温度Tinの検出値と掛け合わせることで算出される。
ΔQin[kcal]=Tin[℃]×(Win[リットル/秒]×Δt[秒]) ……(1)

なお、1[kcal]≒4.2[kJ]、1[リットル]=1000[cm3]である。また、上記熱量ΔQinは、湯水の温度が0℃であるときの熱量に対する相対熱量である。
STEP6では、即時出湯装置20への入水の開始時から現在までに即時出湯装置20に入水した湯水の全体が保有する全体熱量Qinを、STEP5で算出した熱量ΔQinの累積加算値として算出する。より具体的には、該全体熱量Qinは、前回の演算処理周期での全体熱量Qinの算出値(初期値はゼロ)に、現在の演算処理周期でSTEP5において算出した熱量ΔQinを加算することで算出される。
上記STEP3~6に続くSTEP7の判断処理では、学習データ取得部47bは、前記給湯目標温度に加熱された状態の湯(詳しくは、給湯目標温度に一致もしくはほぼ一致する温度の湯。以降、単に加熱状態の湯という)の即時出湯装置20への入水の有無を、温度センサ34による入水温度Tinの検出値に基づいて判断する。
具体的には、学習データ取得部47bは、例えば、入水温度Tinの検出値を、給湯コントローラ8との通信を通じて取得した給湯目標温度よりも所定値だけ低い温度に設定した所定の判定温度と比較し、入水温度Tinの検出値が、該判定温度以上の温度に昇温したか否かによって、加熱状態の湯の入水の有無を判断する。この場合、該判定温度は、本発明における第1所定温度に相当する。
なお、上記判定温度は、例えば、給湯器3のリモコン9で設定可能な給湯目標温度の最小値、あるいは、該最小値よりも所定値だけ低い温度等、あらじめ定めれられた一定値の温度であってもよい。また、上記判定温度は、給湯目標温度と同一の値であってもよい。
ここで、上記加熱状態の湯は、即時出湯栓1bの今回の開栓に応じて開始された給湯器3の給湯運転時に熱源機4で新たに加熱された湯に限られず、即時出湯栓1bの今回の開栓前に給湯配管6に既に残存していた湯(詳しくは、給湯配管6に残存していた湯のうち、即時出湯栓1bの開栓に応じて即時出湯装置20の流入側配管30に流入する湯)も含まれ得る。
例えば台所の出湯栓1aへの給湯が行われた直後に、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われた場合には、上流側給湯配管6dのうち、第1分岐部6d1よりも上流側の部分(熱源機4内の部分を含む)に残存している湯が、即時出湯栓1bの今回の開栓後、熱源機4で新たに加熱された湯の前に、流入側配管30に流入する加熱状態の湯となる。
また、例えば、浴室の出湯栓1cへの給湯が行われた直後に、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われた場合には、上流側給湯配管6dのうち、第2分岐部6d2よりも上流側の部分(熱源機4内の部分を含む)に残存している湯が、即時出湯栓1bの今回の開栓後、熱源機4で新たに加熱された湯の前に、流入側配管30に流入する加熱状態の湯となる。
一方、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われる前に、しばらくの期間、給湯器3の給湯運転が実行されていない場合には、給湯配管6には、加熱状態の湯が残存していないので、即時出湯栓1bの今回の開栓後に流入側配管30に最初に流入する加熱状態の湯は、熱源機4で新たに加熱された湯となる。
以降の説明では、加熱状態の湯の入水前に即時出湯装置20に入水する(流入側配管30に流入する)湯水を非加熱状態流入湯水という。
前記STEP7の判断結果が否定的である場合には、学習データ取得部47bは、STEP3~6の処理を前記演算処理周期で繰り返す。また、STEP7の判断結果が肯定的になった場合には、学習データ取得部47bは、STEP3~7の処理を終了して、STEP8~10の処理を実行する。
なお、本実施形態では、即時出湯栓1bの開栓後、STEP7の判断結果が肯定的になるまでの期間が、本発明における所定期間又は第1期間に相当する。
ここで、STEP7の判断結果が肯定的になるまでに、前記STEP4で最終的に算出される入水総量Vinと、STEP6で最終的に算出される全体熱量Qinとに関して補足すると、STEP4で最終的に算出される入水総量Vinは、加熱状態の湯の入水前に(STEP7の判断結果が肯定的になるまでに)、即時出湯装置20に入水した(流入側配管30に流入した)非加熱状態流入湯水の総量(体積)である。
また、STEP6で最終的に算出される全体熱量Qinは、加熱状態の湯の入水前に(STEP7の判断結果が肯定的になるまでに)、即時出湯装置20に入水した非加熱状態流入湯水の全体の熱量である。
そして、非加熱状態流入湯水の入水総量Vinは、即時出湯栓1bの今回の開栓前に、給湯器3の給湯運転がしばらくの期間、実行されていない場合には、上流側給湯配管6dのうち、第2分岐部6d2よりも上流側の部分(熱源機4内の部分を含む)の容積と、下流側給湯配管6bの容積との総和に近似するものとなる。
また、例えば台所の出湯栓1aへの給湯が行われた直後に、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われた場合(上流側給湯配管6dのうち、第1分岐部6d1よりも上流側の部分に加熱状態の湯が残存している場合)には、非加熱状態流入湯水の入水総量Vinは、上流側給湯配管6dのうち、第1分岐部6d1と第2分岐部6d2との間の部分の容積と、下流側給湯配管6bの容積との総和に近似するものとなる。
また、例えば浴室の出湯栓1cへの給湯が行われた直後に、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われた場合(上流側給湯配管6dのうち、第3分岐部6d3よりも上流側の部分に加熱状態の湯が残存している場合)には、非加熱状態流入湯水の入水総量Vinは、下流側給湯配管6bの容積とに近似するものとなる。
図3の説明に戻って、前記STEP7の判断結果が肯定的になった場合の次のSTEP8では、学習データ取得部47bは、加熱状態の湯が即時出湯装置20に入水するまでに(STEP7の判断結果が肯定的になるまでに)、即時出湯装置20に入水した非加熱状態流入湯水の全体の平均入水温度Tin_aveを、STEP6で最終的に算出した非加熱状態流入湯水の全体熱量Qinと、STEP4で最終的に算出した非加熱状態流入湯水の入水総量Vinとから、次式(2)により、算出する。
Tin_ave=Qin/Vin ……(2)
次いで、STEP9において、学習データ取得部47bは、非加熱状態流入湯水の平均入水温度Tin_ave、入水総量Vin、及び全体熱量Qinを学習データとして、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われた日時情報と共に図示しないメモリに記憶保持する。この場合、日時情報には、即時出湯栓1bの今回の開栓が行われた時間帯が、前記複数の時間帯のうちのいずれの時間帯であるかを示す情報も含まれる。
本実施形態では、学習データ取得部47bの処理は、給湯器3の給湯運転可能状態で即時出湯栓1bの開栓が行われる毎に(該開栓に応じて即時出湯装置20への所定流量以上の入水が行われる毎に)、以上の如く実行される。
補足すると、非加熱状態流入湯水の平均入水温度Tin_ave、入水総量Vin、及び全体熱量Qinのうちの任意の一つのパラメータの値は、他の2つのパラメータの値によって一義的に規定される。従って、平均入水温度Tin_ave、入水総量Vin、及び全体熱量Qinのうちの2つのパラメータの値だけを学習データとして記憶保持してもよい。
また、本実施形態では、学習データ取得部47bの上記の処理では、STEP7の判断結果が肯定的になるまで、入水総量Vinと全体熱量Qinとを逐次算出した。ただし、例えば、STEP7の判断結果が肯定的になるまで、入水温度Tinの検出値と入水流量Winの検出値とを時系列的に記憶保持しておき、STEP7の判断結果が肯定的になった後に、随時(必要時に)、記憶保持された時系列データを用いて、平均入水温度Tin_ave、入水総量Vin、及び全体熱量Qinを算出するようにしてもよい。
次に、目標貯湯温度決定部47aの処理を説明する。目標貯湯温度決定部47aは、一日毎の各時間帯の開始前の所定のタイミング(例えば一定時間前のタイミング)では、図4のフローチャートに示すSTEP11a,12~15の処理を実行することで、該時間帯における目標貯湯温度を決定する。
また、目標貯湯温度決定部47aは、各時間帯内では、該時間帯での即時出湯装置20の出湯運転が最初に実行された後、図4のフローチャートに示すSTEP11b,12~15の処理を実行することで、該時間帯における目標貯湯温度を決定する。以降、目標貯湯温度を決定しようとする時間帯を対象時間帯という。
対象時間帯の開始前に該対象時間帯での目標貯湯温度を決定する処理では、目標貯湯温度決定部47aは、STEP11aにおいて、現在の当日から所定のN日前(例えば7日前)までの期間内での過去の対象時間帯で、学習データ取得部47bにより記憶保持された各学習データを取得する。
さらにSTEP12において、目標貯湯温度決定部47aは、取得した学習データに基づいて、対象時間帯での目標貯湯温度Ttk_cmdの算出に用いる非加熱状態流入湯水の平均入水温度Tin_aveの代表値Tin_ave_sと入水総量Vinの代表値Vin_sとを設定する。この場合、算出用の平均入水温度Tin_aveの代表値Tin_ave_sと入水総量Vinの代表値Vin_sとは、基本的には、取得したいずれかの学習データの平均入水温度Tin_aveの値と入水総量Vinの値とにそれぞれ一致もしくは近い値となるように、あらかじめ定められた規則に従って設定される。
例えば、取得した全ての学習データの平均入水温度Tin_aveのうちの最小値と入水総量Vinのうちの最大値とのそれぞれが、平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sとして設定される。なお、この場合、例えば、平均入水温度Tin_aveのうちの最小値よりも所定のマージン値だけ小さい値を、平均入水温度Tin_aveの代表値Tin_ave_sとして設定したり、入水総量Vinのうちの最大値よりも所定のマージン値だけ大きい値を、入水総量Vinの代表値Vin_sとして設定してもよい。
あるいは、例えば、対象時間帯の取得した全ての学習データの平均入水温度Tin_aveの平均値(又は中央値)と、入水総量Vinの平均値(又は中央値)とのそれぞれが、平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sとして設定される。
このほか、例えば、取得した全ての学習データの平均入水温度Tin_aveのうちの最小値と、該平均入水温度Tin_aveの最小値に対応する入水総量Vinの値(該平均入水温度Tin_aveの最小値と日時情報が同一である入水総量Vinの値)とのそれぞれを、平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sとして設定してもよい。
あるいは、例えば、取得した全ての学習データの入水総量Vinのうちの最大値と、該最大値の入水総量Vinに対応する平均入水温度Tin_aveの値(該最大値の入水総量Vinと日時情報が同一である平均入水温度Tin_aveの値)とのそれぞれを、入水総量Vin及び平均入水温度Tin_aveのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sとして設定してもよい。
補足すると、平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sの設定の仕方(規則)を規定する複数のモードを、前記操作部50の操作によりユーザが選択的に指定し得るようにして、該操作部50で指定されたモードにより規定される仕方で、平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sを設定するようにしてもよい。
また、例えば、各時間帯における対象出湯栓1bでの各出湯時における入水温度Tin及び入水流量Winのそれぞれの検出値の時系列データを記憶保持しておき、それらの時系列データから、最適化手法、統計処理手法等により平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sを設定するようにしてもよい。
次いで、STEP13において、目標貯湯温度決定部47aは、上記の如く設定した入水総量Vinの代表値Vin_sが、即時出湯コントローラ45のメモリにあらかじめ記憶保持されている貯湯タンク21の容積Vt以下であるか否かを判断する。
このSTEP13の判断結果が肯定的になる場合(Vin_s≦Vtである場合)は、非加熱状態流入湯水の入水総量Vinの代表値Vin_sと同じ体積の湯を、貯湯タンク21から即時出湯栓1bに供給し得る場合である。この場合には、目標貯湯温度決定部47aは、STEP14において、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する。
このSTEP14では、目標貯湯温度決定部47aは、即時出湯栓1bの開栓直後の期間(詳しくは、即時出湯栓1bの開栓後、下流側給湯配管6bから供給される前記加熱状態の湯を即時出湯栓1bから出湯することが可能となるまでの期間)において、該即時出湯栓1bから出湯させる湯の目標温度(前記出湯温度Toutの目標値)としての即時出湯目標温度Tout_cmdを、目標貯湯温度Ttk_cmdとして決定する。なお、本実施形態では、即時出湯目標温度Tout_cmdは、本発明における第1目標値及び第2目標値に相当する。
この場合、本実施形態では、目標貯湯温度決定部47aは、上記即時出湯目標温度Tout_cmdとして、給湯コントローラ8から取得した給湯目標温度(給湯器3のリモコン9で設定された給湯目標温度)を用いる。従って、STEP14では、給湯目標温度が、目標貯湯温度Ttk_cmdとして決定される。
これにより、目標貯湯温度Ttk_cmdは、即時出湯栓1bの開栓後に即時出湯装置20に入水する非加熱状態流入湯水の入水総量VinがSTEP12で設定した代表値Vin_sに一致するという仮定の基で、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が即時出湯装置20に入水する期間において、貯湯タンク21だけから、即時出湯目標温度Tout_cmd(=給湯目標温度)に一致する温度の湯を即時出湯栓1bに供給し得るように決定される。
一方、STEP13の判断結果が否定的である場合(Vin_s>Vtである場合)には、目標貯湯温度決定部47aは、STEP15において、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する。このSTEP15では、目標貯湯温度決定部47aは、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間において、貯湯タンク21内の湯と、該非加熱状態流入湯水との混合によって、即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯を即時出湯栓1bに供給し得るように、目標貯湯温度Ttk_cmdを即時出湯目標温度Tout_cmdよりも高い温度に決定する。
換言すれば、目標貯湯温度決定部47aは、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間において、貯湯タンク21内の湯の熱量と、即時出湯装置20に入水する非加熱状態流入湯水の全体熱量との総和の熱量によって、即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯を即時出湯栓1bに供給し得るように、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する。
具体的には、本実施形態では、目標貯湯温度決定部47aは、STEP12で設定した平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sと、上記即時出湯目標温度Tout_cmdとを用いて、次式(3)の関係式を満たすように、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する。
Tout_cmd×Vin_s=Ttk_cmd×Vt+Tin_ave_s×(Vin_s-Vt) ……(3)
従って、STEP15では、目標貯湯温度決定部47aは、次式(3a)により、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する。
Ttk_cmd=(Tout_cmd×Vin_s-Tin_ave_s×(Vin_s-Vt))/Vt ……(3a)
ここで、式(3),(3a)におけるTout_cmd×Vin_sは、加熱状態の湯の入水前に、非加熱状態流入湯水が即時出湯装置20に入水する期間において、即時出湯目標温度Tout_cmdの湯を即時出湯栓1bから出湯させるために必要な熱量、Ttk_cmd×Vtは、貯湯タンク21内に蓄熱されるべき熱量、Tin_ave_s×(Vin_s-Vt)は、即時出湯装置20に入水する非加熱状態流入湯水の全体(入水総量Vinの代表値Vin_sの体積を有する湯水)のうち、貯湯タンク21への充填分(貯湯タンク21の容積Vtに一致する体積の湯水)を除いた湯水の熱量である。
なお、式(3a)の右辺の演算により算出される値が、貯湯温度Ttkのあらかじめ定められた所定の上限温度を超える場合には、目標貯湯温度Ttk_cmdは、該上限温度に設定される。
補足すると、目標貯湯温度Ttk_cmdが上限温度以下に収まる範囲内では、上記式(3a)の右辺の演算により算出される値に、例えば、所定のマージン値を加算した値を目標貯湯温度Ttk_cmdとして決定してもよい。
Vin_s>Vtである場合に上記の如く目標貯湯温度Ttk_cmdを決定することで、該目標貯湯温度Ttk_cmdは、基本的には(上限温度に制限される場合を除いて)、即時出湯栓1bの開栓後に即時出湯装置20に入水する非加熱状態流入湯水の平均入水温度Tin_aveと、入水総量VinとがそれぞれSTEP12で設定した代表値Tin_ave_s,Vin_sに一致するという仮定の基で、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間において、貯湯タンク21内の湯と非加熱状態流入湯水とを混合することで、即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯を即時出湯栓1bに供給することが可能となるように決定される。
加えて、該目標貯湯温度Ttk_cmdは、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間が終了するまでに(加熱状態の湯が即時出湯装置20に供給されるようになるまでに)、貯湯タンク21に貯湯された湯(目標貯湯温度Ttk_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯)のほぼ全量が即時出湯栓1bに供給されるように決定される。
本実施形態では、対象時間帯の開始前に目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する処理は、以上の如く実行される。
そして、貯湯温度制御部47は、上記の如く目標貯湯温度Ttk_cmdを決定した対象時間帯の開始時までに、貯湯タンク21内の実際の貯湯温度Ttkを目標貯湯温度Ttk_cmdに一致もしくはほぼ一致させるようにヒータ22を制御する。
より詳しくは、貯湯温度制御部47は、対象時間帯の開始時から所定時間前までの期間内において、即時出湯栓1bへの通水(即時出湯装置20への入水)が行われておらず、且つ、温度センサ24による貯湯温度Ttkの検出値が目標貯湯温度Ttk_cmdよりも所定値以上低い場合に、ヒータ22の発熱運転を開始させることで、貯湯温度Ttkを目標貯湯温度Ttk_cmdまで昇温させる。その後、貯湯温度制御部47は、対象時間帯で、即時出湯栓1bの開栓に応じた即時出湯装置20への入水が最初に開始されるまで、貯湯温度Ttkを目標貯湯温度Ttk_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度に保つように、ヒータ22の発熱運転及び作動停止を交互に繰り返す。
一方、対象時間帯内で、該対象時間帯での目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する処理では、目標貯湯温度決定部47aは、該対象時間帯での即時出湯装置20の出湯運転(即時出湯栓1bから出湯させる運転)の終了直後に、STEP11bにおいて、現在の対象時間帯内で、学習データ取得部47bにより先に記憶保持された各学習データを取得する。
次いで、目標貯湯温度決定部47aは、対象時間帯の開始前と同様にSTEP12~15の処理を実行することで、目標貯湯温度Ttk_cmdを決定する。この場合、STEP12では、現在の対象時間帯内での学習データに基づいて、目標貯湯温度Ttk_cmdの算出用の平均入水温度Tin_ave及び入水総量Vinのそれぞれの代表値Tin_ave_s,Vin_sが設定される。これ以外は、対象時間帯の開始前における処理と同じである。
そして、貯湯温度制御部47は、上記のように目標貯湯温度Ttk_cmdを決定した後、貯湯タンク21内の実際の貯湯温度を該目標貯湯温度Ttk_cmdに一致もしくはほぼ一致させるようにヒータ22を制御する。このヒータ22の制御は、対象時間帯の開始前と同様に行われる。
補足すると、本実施形態では、Vin_s>Vtである場合に、前記式(3a)により目標貯湯温度Ttk_cmdを算出するようにした。例えば、式(3a)の右辺のVtの値(貯湯タンク21の容積)の代わりに、Vtよりも小さい値を使用して、目標貯湯温度Ttk_cmdを算出するようにしてもよい。なお、出湯栓1の出湯時に、貯湯タンク21内に蓄熱される熱量を極力使用する上では、式(3a)により、あるいは、式(3a)の右辺のVtを、その値に近い値(Vtよりも若干小さい値)に置き換えた式により、目標貯湯温度Ttk_cmdを算出することが好ましい。
また、本実施形態では、Vin__s≦Vtである場合に、目標貯湯温度Ttk_cmdを即時出湯目標温度Tout_cmdに一致させた。ただし、例えば、前記式(3a)の右辺のVtを、入水総量Vinの代表値Vin_sよりも小さい値に置き換えた式により算出してもよい。なお、貯湯タンク21内に蓄熱する熱量が必要以上に多くならないようにする上では、Vin__s≦Vtである場合に、目標貯湯温度Ttk_cmdを即時出湯目標温度Tout_cmdに一致させることが好ましい。
次に、即時出湯コントローラ45の出湯温度制御部46の処理を説明する。即時出湯栓1bの開栓に応じた即時出湯装置20への入水(所定流量以上の入水)が行われると、出湯温度制御部46は、当該入水を流量センサ35の検出信号に基づいて検知する。
このとき、出湯温度制御部46は、温度センサ24の検出信号により示される貯湯温度Ttkの検出値が前記目標貯湯温度Ttk_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度である場合(Ttk≒Ttk_ cmdである場合)には、温度センサ34,39,40のそれぞれによる入水温度Tin、タンク流出温度Ttout及び出湯温度Toutのそれぞれの検出値と、流量センサ35による入水流量Winの検出値と、即時出湯目標温度Tout_cmdとを用いて、出湯温度Toutを即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致させ得るように、分配弁33の目標分配比(前記タンク側流量とバイパス側流量との比率)を所定の演算式により逐次決定する。そして、出湯温度制御部46は、決定した目標分配比に分配弁33の実際の分配比を逐次制御する。
これにより、即時出湯栓1bの開栓直後に即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯が即時出湯栓1bから出湯される。その後、加熱状態の湯が即時出湯装置20に入水するようになると、該加熱状態の湯が即時出湯栓1bから出湯される。
なお、目標貯湯温度Ttk_cmdが前記上限温度に制限された場合には、上記のように分配弁33の分配比を制御すると、加熱状態の湯が即時出湯装置20に入水する前に、貯湯タンク21が湯切れ状態になる可能性がある。
そこで、目標貯湯温度Ttk_cmdが前記上限温度に制限された場合には、出湯温度制御部46は、即時出湯目標温度Tout_cmdを給湯目標温度よりも低い温度に修正し、その修正後の即時出湯目標温度Tout_cmdを用いて、上記と同様に分配弁33の分配比を制御する。この場合、修正後の即時出湯目標温度Tout_cmdは、即時出湯栓1bの開栓後、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間において、当該修正後の即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯を即時出湯栓1bに継続的に供給し得るように決定される。
また、貯湯温度Ttkの検出値が目標貯湯温度Ttk_cmdよりも低いか、又は所定値以上低い場合(ヒータ22による貯湯温度Ttkの昇温が未完了である場合)において、該貯湯温度Ttkの検出値が入水温度Tinの検出値よりも高い場合には、出湯温度制御部46は、即時出湯目標温度Tout_cmdを、例えば、貯湯温度Ttkの検出値よりも低く、且つ、入水温度Tinの検出値よりも高い温度に修正する。そして、出湯温度制御部46は、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間において、当該修正後の即時出湯目標温度Tout_cmdを実現するように分配弁33の分配比を制御する。
これにより、即時出湯栓1bの開栓後、即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間において、修正後の即時出湯目標温度Tout_cmdに一致もしくはほぼ一致する温度の湯を即時出湯栓1bから出湯させることができる。その後、加熱状態の湯が即時出湯装置20に入水するようになると、該加熱状態の湯が即時出湯栓1bから出湯される。
また、貯湯温度Ttkの検出値が目標貯湯温度Ttk_cmdよりも低いか、又は所定値以上低い場合(ヒータ22による貯湯温度Ttkの昇温が未完了である場合)において、該貯湯温度Ttkの検出値が入水温度Tinの検出値以下の温度である場合には、出湯温度制御部46は、即時出湯装置20に入水する湯水の全量を出湯栓1bに供給するように分配弁33の分配比を制御する(前記タンク側流量をゼロにするように分配弁33の分配比を制御する)。
これにより、即時出湯栓1bの開栓後、即時出湯装置20に入水する湯水がそのまま即時出湯栓1bから出湯される。
以上説明した実施形態によれば、一日を区分する複数の時間帯のそれぞれの毎に、各時間帯で記憶保持された学習データに基づいて、各時間帯での目標貯湯温度Ttk_cmdが決定される。そして、各時間帯での貯湯タンク21の実際の貯湯温度Ttkが目標貯湯温度Ttk_cmdになるように制御される。
ここで、各時間帯での出湯栓1a,1b,1cの出湯の利用形態は、各時間帯に応じたものになりやすい。例えば、朝の時間帯では、洗面所の即時出湯栓1bの開栓の直前に、台所の出湯栓1aでの出湯が行われている場合が多くなりやすい。ひいては、洗面所の即時出湯栓1bの開栓時には、給湯配管6のうち、上流側給湯配管6dの第1分岐部6d1よりも上流側の部分に既に加熱状態の湯が残存している場合が多くなりやすい(以降、この場合を第1の場合という)。
また、例えば、昼の時間帯では、洗面所の即時出湯栓1bでの出湯が行われる頻度が比較的低いため、該即時出湯栓1bの開栓時には、給湯配管6に加熱状態の湯が残存していない場合が多くなりやすい(以降、この場合を第2の場合という)。
また、例えば、夜の時間帯では、洗面所の即時出湯栓1bの開栓の直前に、浴室の出湯栓1cでの出湯が行われている場合が多くなりやすい。ひいては、洗面所の即時出湯栓1bの開栓時には、給湯配管6のうち、上流側給湯配管6dの第3分岐部6d3よりも上流側の部分に既に加熱状態の湯が残存している場合が多くなりやすい(以降、この場合を第3の場合という)。
上記第1~第3の場合のそれぞれの場合において、即時出湯装置20への入水温度Tinは、それぞれ、即時出湯栓1bの開栓後、即時出湯装置20への入水総量Vinが増加していくに伴い(即時出湯装置20への入水の進行に伴い)、概略的には、図5A、図5B、図5Cに例示する如きパターンで変化する。この場合、図5A、図5B、図5Cのそれぞれにおいて、入水温度Tinが非加熱状態流入湯水の温度Tin1から、給湯目標温度に向かって立ち上がるタイミングが図3のSTEP7の判断結果が肯定的となるタイミングである。
そして、本実施形態では、目標貯湯温度Ttk_cmdは、前記した如く決定されるので、第1~第3の場合のそれぞれにおいて、概ね、図5A、図5B、図5Cのそれぞれの斜線部の面積に相当する熱量を、貯湯タンク21内に蓄熱するように目標貯湯温度Ttk_cmdが決定される。
このため、第1~第3の場合のいずれの場合でも、即時出湯栓1bの開栓後、加熱状態の湯が即時出湯装置20に入水するようになる前の期間(即時出湯装置20に非加熱状態流入湯水が入水する期間)において、前記即時出湯目標温度Tout_cmdとして給湯目標温度に一致もしくはほぼ一致する温度の湯を即時出湯栓1bに供給して、該即時出湯栓1bから出湯させることができる。
また、第1の場合、第2の場合及び第3の場合のそれぞれの場合に適した目標貯湯温度Ttk_cmdを設定できるので、各時間帯での即時出湯栓1bの出湯のために貯湯タンク21に蓄熱する熱量の過不足を極力少なくすることができる。ひいては、即時出湯装置20のエネルギー消費を極力少なくできると共に、即時出湯栓1bの開栓直後の出湯温度Toutが低くなり過ぎるのを極力防止することができる。また、即時出湯栓1bの開栓後、即時出湯装置20に供給される加熱状態の湯を即時出湯栓1bから出湯させ得るようになる前に、貯湯タンク21が湯切れ状態になるのを極力防止できる。
なお、本発明は、以上説明した実施形態に限定されるものではなく、他の態様を採用することもできる。以下に他の実施形態をいくつか説明する。
前記実施形態では、貯湯タンク21内の湯と、熱源機4側から給湯配管6を介して即時出湯装置20に入水する湯水とを混合を行うために、バイパス配管32の上流端部に分配弁33を備えた。ただし、該分配弁33の代わりに、例えば、前記流出側配管31の混合部31a(バイパス配管32の合流部)に、バイパス配管32から流入する湯水の流量と、貯湯タンク21側から流入する湯水の流量との比率を制御可能な混合弁を備えるようにしてもよい。
あるいは、分配弁33の代わりに、例えば、流入側配管30の下流部(バイパス配管32の分岐部よりも下流側の部分)と、バイパス配管32とのそれぞれに流量制御弁を備えるようにしてもよい。
また、前記実施形態では、即時出湯の対象の出湯栓が、出湯栓1a,1b,1cのうち、洗面所の出湯栓1bである場合を例示した。ただし、即時出湯の対象の出湯栓は、洗面所の出湯栓1bに限らず、他の出湯栓(台所の出湯栓1a、浴室の出湯栓1c等)であってもよい。
また、前記実施形態では、即時出湯目標温度Tout_cmdを、基本的には、給湯器3のリモコン9で設定された給湯目標温度に一致させた。ただし、即時出湯目標温度Tout_cmdを、あらかじめ定めた所定値(例えば、リモコン9で設定可能な給湯目標温度の最小値等)としてもよく、あるいは、該即時出湯目標温度Tout_cmdを即時出湯装置20の操作部50の操作によって、所定の範囲内で可変的に設定し得るようにしてもよい。この場合には、即時出湯コントローラ45は、給湯コントローラ8との通信を行わないように構成さ得る。
また、前記実施形態では、学習データ取得部47bは、即時出湯栓1bの開栓後、前記STEP7の判断結果が肯定的になるまでの期間(加熱状態の湯が即時出湯装置20に入水するようになるまでの期間)だけで、入水温度Tin及び入水流量Winの検出値(検出データ)を取得した。ただし、入水温度Tin及び入水流量Winの検出値(検出データ)の取得を行う期間は、例えば、STEP7の判断結果が肯定的になった後、所定時間が経過するまでの期間、あるいは、入水流量Winの検出値を積算してなる入水総量Vinが所定値に達するまでの期間等であってもよい。
また、前記実施形態では、出湯栓1a,1b、1cのそれぞれに給湯を行うための下流側給湯配管6a,6b,6cが、上流側給湯配管6dの互いに異なる分岐部6d1,6d2,6d3から分岐するものを例示した。ただし、下流側給湯配管6a,6b,6cは、例えば、共通のヘッダ(分配機構)を介して上流側給湯配管6dに接続されていてもよい。
また、前記各実施形態では、即時出湯コントローラ45は、給湯コントローラ8との通信により取得した給湯目標温度の設定値を使用した。ただし、例えば、出湯栓1の出湯時(即時出湯装置20の出湯運転時)に、入水温度Tinの検出値が給湯目標温度の設定値に相当する定常的な温度に昇温した状態での該入水温度Tinの検出値を取得し、該検出値を、当該出湯運転後における給湯目標温度の設定値として用いてもよい。
1b…出湯栓、4…熱源機、6…給湯配管、20…即時出湯装置、21…貯湯タンク、34…温度センサ、35…流量センサ、47…貯湯温度制御部。

Claims (6)

  1. 熱源機で加熱された湯水を該熱源機から出湯栓に供給する給湯配管と該出湯栓とに該出湯栓寄りの位置で接続された貯湯タンクを有し、前記出湯栓の開栓直後に、前記貯湯タンク内の湯水、又は該貯湯タンク内の湯水と前記熱源機から前記給湯配管を介して供給される湯水とを混合してなる湯水を前記出湯栓から出湯させる即時出湯装置であって、
    一日を区分する複数の時間帯のそれぞれ毎に、前記貯湯タンク内の湯水の温度の目標値である目標貯湯温度を決定し、各時間帯における前記貯湯タンク内の湯水の温度を当該決定した目標貯湯温度に制御する貯湯温度制御部と、
    前記給湯配管から供給される湯水の温度である入水温度と該湯水の流量である入水流量とをそれぞれ検出する温度センサ及び流量センサとを備えており、
    前記貯湯温度制御部は、前記各時間帯における前記目標貯湯温度を、過去に該時間帯で実行された前記出湯栓での出湯時に、該出湯栓の開栓直後の所定期間で前記温度センサ及び前記流量センサにより各々検出された前記入水温度及び前記入水流量のそれぞれの検出データに基づいて決定するように構成されていることを特徴とする即時出湯装置。
  2. 請求項1記載の即時出湯装置において、
    前記出湯栓の開栓直後の所定期間は、前記出湯栓の開栓後、前記温度センサにより検出される前記入水温度が、前記熱源機から前記給湯配管に供給される湯の温度の目標値である給湯目標温度以下の値に設定された第1所定温度以上の温度に昇温するまでの期間である第1期間を少なくとも含むことを特徴とする即時出湯装置。
  3. 請求項2記載の即時出湯装置において、
    前記貯湯温度制御部は、前記各時間帯における過去の前記検出データに基づいて、該時間帯での前記第1期間において前記給湯配管から供給される湯水の平均温度である平均入水温度の代表値と、該第1期間において前記給湯配管から供給される湯水の総量である入水総量の代表値とを設定し、少なくとも前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも大きい場合に、該入水総量の代表値と前記平均入水温度の代表値とを用いて前記目標貯湯温度を決定するように構成されていることを特徴とする即時出湯装置。
  4. 請求項3記載の即時出湯装置において、
    前記貯湯温度制御部は、少なくとも前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも大きい場合に、前記貯湯タンク内の湯の熱量と前記第1期間において前記給湯配管から供給される湯水の全体の熱量との総和の熱量により、前記第1期間において前記出湯栓から出湯される湯の温度を所定の第1目標値に維持し得るように前記目標貯湯温度を決定することを、実際の前記平均入水温度と前記入水総量とがそれぞれ前記代表値に一致するとという仮定の基で実行するように構成されていることを特徴とする即時出湯装置。
  5. 請求項3又は4記載の即時出湯装置において、
    前記貯湯温度制御部は、前記入水総量の代表値が前記貯湯タンクの容積よりも小さい場合に、前記出湯栓から出湯される湯の温度の所定の第2目標値を前記目標貯湯温度として決定するように構成されていることを特徴とする即時出湯装置。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載の即時出湯装置において、
    前記貯湯温度制御部が前記各時間帯における前記目標貯湯温度を決定するために用いる前記検出データは、前記熱源機の作動停止状態での前記出湯栓の通水時における前記入水温度及び前記入水流量の検出データを除く検出データであることを特徴とする即時出湯装置。
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