JP3703671B2 - 五徳およびコンロ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ハウジングの天板が、化粧耐熱性ガラス、化粧ほうろう板、化粧ステンレス板等の装飾板で形成されたコンロの装飾性の向上に好適な五徳、および該五徳を用いたデザイン性の高いコンロに関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス、石油などを燃料とするコンロは、ハウジングの天板にバーナ穴を形成し、バーナ穴の中心にガスバーナなどコンロバーナを同心的に配している。天板の上にはバーナ穴に臨んで五徳が設置されており、該五徳に鍋などの被加熱物を載置する。五徳は、鋳造、板金、鍛造などで製造されており、天板に載置される円環状または多角環状の基枠と、該基枠に基部が連結され中心方向に放射状に設けられ、被加熱物が載置される通常5〜6個の爪とからなる。
【0003】
コンロバーナとして、バーナの頭部の外周に炎孔列を周設した外周炎孔バーナを使用する場合には、外周炎孔列の位置は、バーナ穴の縁(天板)の位置、またはバーナ穴とバーナの頭部との間に設置した汁受け皿の内周縁の位置より上位に設定される。これに対し、環状に内周炎孔列を有する内周炎孔バーナは、内周炎孔列を含むバーナの頭部が天板より下位に設定されるのが通常である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
天板を化粧耐熱性ガラス板、ほうろう板、化粧ステンレス板等の装飾板で形成した家具調コンロでは、装飾性に乏しい五徳またはコンロバーナをできるだけ目立たなくすることが望まれる。このため、五徳の基枠を、可能な限り径小で幅を小さく形成したり、コンロバーナに内周炎孔バーナを使用したりすることで、天板の装飾性が損なわれず、デザインの向上に有利になると考えられる。
この発明の目的は、五徳の機能を損なうことなく、装飾性に乏しい部材を目立たなくすることができ、しかも三点支持が可能となり、がたつきを阻止できる五徳、および該五徳を装着したコンロの提供にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、コンロのハウジングの天板に形成されたバーナ穴に臨んで前記天板に載置される五徳であり、前記天板に設置される基枠と、下部が該基枠に連結されるとともに、上部に被加熱物が載置される4個以上の爪とを備えた五徳において、
前記基枠は、前記バーナ穴の内径に近接した大きさを有し、前記爪は前記基枠から外方に突き出した外延部と、該外延部の下方に形成されるとともに、前記天板の上面に当接する脚部とを有し、前記爪は板状であり、前記脚部の下端に、前記天板に当接する拡大された平面を有する足部を設け、前記4個以上の爪のうち3個の爪における前記脚部の下端は、残りの爪における前記脚部の下端より下位に位置し、前記天板に対する常時接触面をなすことを特徴とする。
【0006】
【発明の効果】
この発明では、五徳の基枠から外側に爪を形成しているので、基枠の直径をバーナ穴の縁(内径)とほぼ同一の寸法にまで径小にすることができる。このため、天板に対する基枠の大きさが小さくなり、天板の装飾性およびコンロのデザイン性が向上する。また、各爪の外延部に脚部を設けて天板に当接させているので、被加熱物の安定性が損なわれることがない。
【0007】
各爪の脚部の下端に、拡大した平面を設けると、天板へ集中応力が加わることを防止できるため、天板の擦り傷や摺動音を低減できる。これは、脚部の下端をL字形またはT字形に形成したり、樹脂、金属、ゴムなどの他の部品を脚部の下端に取り付けることにより実施される。
【0008】
通常の五徳では、爪は5〜6個であるため、3個の爪における脚部の下端に他の爪における脚部の下端より幾分下位に設定した常時接触面を設けると、被加熱物が載置されていない状態における五徳の3点支持が可能となり、五徳のがたつきを阻止できる。
常時接触面は、例えば他の脚部の下端面より0.5mm±0.3mmだけ下方に位置すると、被加熱物が五徳に載置されたとき、被加熱物の重量による基枠の歪みで全ての脚部が天板に接触する。
【0009】
請求項2では、コンロのハウジングの天板が化粧耐熱性ガラス板、ほうろう板、化粧ステンレス板等の装飾板で形成されたもとで、コンロバーナがバーナ穴の下方に設置された内周炎孔バーナであると、天板の下にコンロバーナが隠れ、天板の美観が損なわれず、コンロの外観をさらに向上させることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1および図2は、ガスコンロを示し、このガスコンロは、偏平な矩形箱状のハウジング10をコンロのハウジングとして有している。ハウジング10は、天板1に黒色の化粧耐熱性ガラス板を用いており、家具調の高級外観を備えている。天板1における前側の左右にバーナ穴11、12が形成され、後側中央にバーナ穴13が開けられており、バーナ穴11、13の下方には内周炎孔バーナBが取り付けられている。バーナ穴12には、温度センサS付きの外周炎孔バーナが取り付けられている。バーナ穴11、13の縁には、略コ字形の縁部材14が外嵌めされている。
【0011】
バーナ穴11には、この発明の第1実施例にかかる五徳2が載置されている。五徳2は、図3に示すごとく、板金製で円環状の基枠3と、基枠3に下端部を固定され、基枠3から外方に突き出して放射状に配された6個の板状爪4とからなる。基枠3は、平環板部31と、該平環板部31の内側の約60度の角度で下方に傾斜した錐面部32と、前記平環板部31の外側の筒状外縁部33とを有する。
【0012】
バーナ穴11、13は、縁部材14に平環板部31の内側が載置され、筒状外縁部33の高さは縁部材14に合致している。平環板部31には、半径方向の略全幅と同等の寸法(長さ)の6個のスリット34が等間隔で放射状に形成されている。錐面部32は、バーナ穴11、13の内側に配され、内周炎孔バーナBの火炎による気流の整流と内部の目隠しの作用を果たしている。
【0013】
基枠3の爪として機能する板状爪4は、縦に配された略矩形板状を呈し、内側縁の上半分に、内側に突出した突起41を有するとともに、基枠3から外方に突き出している外延部42から下方に延長された外脚部43を脚部として有する。板状爪4の上縁は、緩やかに湾曲して鍋などの被加熱物に対する設置縁となっており、下側縁の内側部はスリット34に差し込まれる連結部44となっている。連結部44は、スリット34に差し込まれた状態で、端面(下端面)を打撃して板厚を拡大させることにより基枠3に固定されている。
【0014】
各外脚部43は、下端が周方向に水平的に曲げられ、天板1の上面に当接する拡大された当接面としての足部45が形成されている。面積の大きい足部45は、天板1に加わる荷重の面圧を低減し、擦り傷および摺動音の発生を防止する作用を有する。この実施例では、足部45が周方向の向きが交互に形成されるとともに、1つおきに中間部が下方に膨出変形されて計3個の常時接触面46が形成されている。常時接触部46は、各足部45の下面に対し0.5mm±0.3mmだけ下方に突き出している。
【0015】
3個の常時接触面46は、五徳2に被加熱物が載置されていない状態では五徳2を天板1の上面に3点で支持し、6個の外脚部43の下端に位置の不揃いにより五徳2が、がたつくことを防止している。3点支持は、6個の足部45の下端の上下位置を変えたり、3個の足部45の下面に他の物体を固着してもよいが、上記の足部45の膨出変形がプレスにより形成できるため最も低コストである。
【0016】
この発明の五徳2は、基枠に各爪の外側部を固定している構造である従来の五徳に比べて、基枠3の外形を含む大きさを小さくできる。また、板状爪4は薄いために五徳2を目立たなくすることが可能であり、天板1の装飾効果を損なうことが少ない。また、五徳2は、6個の足部45は基枠3の外方に設けられており、五徳2に載置された被加熱物を広い面積で支持するため、被加熱物の載置安定性が損なわれることがない。
【0017】
図4は、この発明の第2実施例にかかる五徳5を示す。この実施例では、各外脚部43は足部45を備えていない。このため五徳5がさらに単純な形状となり、装飾板で形成された天板1の外観を損なう割合が低下する。このため、コンロのデザイン性の向上に有利である。
【0018】
図5は、この発明の第3実施例にかかる五徳6を示す。この実施例では、金属線材を円環状に形成した基枠7を用いるとともに、各板状爪4の内側部を基枠7に溶接して連結している。この場合にも、基枠7が装飾板で形成された天板1を隠す割合が小さく、五徳6の形状がシンプルであるためコンロの装飾性が向上する。基枠7は、図示のごとき4角の断面以外に円、楕円の断面を有する線材により形成してもよい。
【0019】
この発明の五徳2、5、6は、鋳造製または鍛造製であっても良く、天板1は化粧ほうろう板、化粧ステンレス板、クロム鍍金板などの装飾板も使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ガスコンロの平面図である。
【図2】 ガスコンロの側面断面図である。
【図3】 第1実施例にかかる五徳の斜視図である。
【図4】 第2実施例にかかる五徳の斜視図である。
【図5】 第3実施例にかかる五徳の斜視図である。
【符号の説明】
1 天板
2、5、6 五徳
3 基枠
4 板状爪(爪)
10 ハウジング(コンロのハウジング)
11、12、13 バーナ穴
42 外延部
43 外脚部(脚部)
45 足部
46 常時接触面
B 内周炎孔バーナ
Claims (2)
- コンロのハウジングの天板に形成されたバーナ穴に臨んで前記天板に載置される五徳であり、前記天板に設置される基枠と、下部が該基枠に連結されるとともに、上部に被加熱物が載置される4個以上の爪とを備えた五徳において、
前記基枠は、前記バーナ穴の内径に近接した大きさを有し、前記爪は前記基枠から外方に突き出した外延部と、該外延部の下方に形成されるとともに、前記天板の上面に当接する脚部とを有し、
前記爪は板状であり、前記脚部の下端に、前記天板に当接する拡大された平面を有する足部を設け、
前記4個以上の爪のうち3個の爪における前記脚部の下端は、残りの爪における前記脚部の下端より下位に位置し、前記天板に対する常時接触面をなすことを特徴とする五徳。 - コンロのハウジングの天板が化粧耐熱性ガラス板、ほうろう板、化粧ステンレス板等の装飾板で形成されるとともに、請求項1に記載の五徳が前記天板に載置され、前記バーナ穴の下方に内周炎孔バーナを設置したことを特徴とするコンロ。
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