JP3703641B2 - 内視鏡装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は内視鏡装置、特に先端部を曲げ動作させる挿入部から操作部の内部に配置される線状伝達部材の保護管の接続構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
図3には、内視鏡の操作部及び挿入部が示されており、図4には、操作部内のレンズ駆動(伝達)部の構成が示されている。図3(A),(B)において、内視鏡操作部1Aは光源装置やプロセッサ装置等に接続するためのケーブル1Bを有し、その後端部には送気/送水スイッチ2、吸引スイッチ3、撮影ボタン4、観察距離ボタン5等が配置される。この操作部1Aには、図示していないが先端部1Dを上下、左右に曲げるためのアングル操作つまみも設けられる。
【0003】
そして、内視鏡では少なくとも挿入部1C内に、観察距離を変化させる可動レンズを駆動するのための線状伝達部材の保護チューブ7、吸引管8、処置具挿通チャンネル9や送気管、送水管、その他の部材の保護チューブ等の各種の管部材が配置されている。即ち、当該内視鏡では挿入部1Cの先端部1Dに観察距離を変える可動レンズが設けられ、この可動レンズを、撚り線ワイヤ等からなる線状伝達部材10を介して接続されたモータ11で駆動(観察距離ボタン5を押して)するように構成されており、図4にも示されるように、上記線状伝達部材10は連結軸12を介してモータ11により回転するが、上記保護チューブ7内に収納され保護される。この保護チューブ7は、固定具13で操作部1A内の支持部に固定される。なお、上記処置具挿通チャンネル9は、上記吸引管8に連結されると共に、鉗子口15に接続される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の内視鏡では、挿入部先端側を屈曲動作した際に所望の動作方向からずれて傾く、いわゆる首曲がりを防止するために、上記保護管10はその長さを挿入部外装体よりも少し長くしてこの挿入部内に配置することになる。即ち、内視鏡内には大小径の複数の管路や他の線状部材が収納されており、先端部を屈曲(上下、左右に曲げられる)させた場合は、曲り部分の内周側に位置する保護管10は外側へ押され、外周側に位置する保護管10は内側へ引っ張られることになり、また各種部材の配置位置の関係やそれらの径のばらつきから、図3(B)でいうと、挿入部1Cの本来の曲げ方向である紙面内方向以外の方向に先端部1Dが少し傾いた状態(首曲がり状態)となる。そこで、従来では保護管10を例えば数mm程度長くし、図3(B)のEに示されるように、その余裕(弛み)分を挿入部1C内へ押し込むようにしている。
【0005】
しかしながら、上述した線状伝達部材10の保護チューブ7は、挿入部1C(先端部1D)を真っ直ぐしたとき、余裕分を設けたことによって例えば図3(B)のEのように蛇行し、内部の線状伝達部材10の回転動作時の負荷が大きくなるという問題があった。
【0006】
また、内視鏡に配置される保護管10の余裕分を長くし過ぎると、管部材が曲げ動作時に内周側に位置するときに弛みが大きくなるため、逆に首曲りを生じさせることになり、この余裕分の長さの調整も煩雑となっていた。
【0007】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、保護管の余裕分の押し込み配置をなくし、線状駆動伝達部材の負荷を小さくすると共に首曲りの発生をなくし、また保護管の取付け作業を軽減することができる内視鏡装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、先端側より順に少なくとも先端硬質部、アングル部が設けられた挿入部と、この挿入部に接続される内視鏡操作部と、上記先端硬質部内に配置され、観察距離を変えるための可動レンズと、上記操作部内に配置された駆動モータと、この駆動モータの回転を伝達する線状伝達部材とを備え、上記線状伝達部材の回転運動を直線運動に変換して上記可動レンズを光軸方向へ駆動する内視鏡装置において、上記挿入部内の線状伝達部材を挿通し、一端を上記先端硬質部側に固定し他端を自由端とした第1保護管と、この第1保護管の自由端に相対的に所定量だけ軸方向に摺動可能となるように嵌合接続する一端を有し、他端を上記駆動部側に固定した第2保護管とを設け、上記第1及び第2保護管の摺動可能な接続部を上記操作部に配置し、この第1及び第2保護管の摺動可能な接続部に、これら保護管の一方の端部外周と他方の端部内周に設けたリング状係止突起により保護管抜けを防止する構造を施したことを特徴とする。
【0009】
上記の構成によれば、第1保護管の自由端が第2保護管の自由端に嵌合した状態で進退自在となってその全体の長さを変化させる。即ち、挿入部の屈曲動作時に保護管が外周側に位置するときは長くなり、内周側に位置するときは短くなり、全体が伸縮する。従って、当該保護管の蛇行、弛み状態がなくなり、駆動伝達部材の動作がスムーズとなる。
また、保護管の接続部分が曲げられることがないので、保護管の伸縮動作がスムーズに行われるという利点があり、更には、上記摺動接続部の保護管の抜けが防止される。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1には、実施形態の第1例に係る内視鏡装置の保護管取付け構造が示されており、この第1例はレンズ駆動用伝達部材の保護チューブに適用したものである。図1において、操作部1A内では、モータ(図3)回転軸に接続された第1連結軸20と第2連結軸21が軸接続具22で接続固定され、この第2連結軸21に多重コイルバネ等の線状伝達部材10が取り付けられる。この線状伝達部材10は、先端側において回転運動を直線運動に変換する機構に接続されており、この線状伝達部材10の回転によって観察距離を変えるための可動レンズを光軸方向に動かすことになる。
【0011】
そして、上記線状伝達部材10を内包する状態で2本の第1保護チューブ24A及び第2保護チューブ24Bが操作部1Aから挿入先端部まで設けられており、この第2保護チューブ24Bの径を第1保護チューブ24Aの径よりもやや大きくして両者の自由端を軸中心に重ねると共に、両者が互いにスラスト方向(管軸方向)に摺動自在となるように配置する。即ち、これらのチューブ24A,24Bとしては、例えばフッ素系樹脂を材料としたものを用い、チューブ24Bに24Aを挿入したとき比較的スムーズに摺動できる状態とする。なお、この保護チューブ24A,24B内に内包される線状伝達部材10では、スムーズな回転を確保するためにその表面に潤滑材を塗布しており、このような潤滑材を保護チューブ24Aと24Bの間に添加してもよい。
【0012】
上記の第2保護チューブ24Bは、固定具25内の孔に例えば接着剤で接着されており、この固定具25で操作部1Aの支持板26に固定される。従って、挿入部1Cが曲げられるとき、又は真っ直ぐに戻されるときには、第1保護チューブ24Aの自由端が第2保護チューブ24Bの自由端に対して進退自在となることにより、保護チューブ24(A,B)全体の長さが例えば図1のL1の範囲で変化(伸縮)することになる。しかも、真っ直ぐにした際等に保護チューブ24A,24Bが弛んで蛇行することはなく、保護チューブ24A,24Bによって内部の線状伝達部材10の動作時の負荷が増加することもない。
【0013】
また、この例によれば、上記の変動範囲L1を従来の保護チューブ(7)の余裕分よりも長く設定して、挿入部1Cの首曲りを確実に防止できるという利点がある。即ち、上述のように、従来では曲げ動作時に保護チューブが内周側に位置するときの大きな弛みにより逆に首曲りを生じさせることがあるため、各管部材の余裕分を控え目に設定していた。これに対し、当該発明では、曲げ動作時に上記保護チューブ24Aが内周側に位置する場合でも、上記の変動範囲L1で保護チューブ24(A,B)、の全体の長さが調整され、これらの弛みや蛇行を生じさせることがないので、動作方向からずれて傾く首曲りが防止される。
【0014】
更に、当該例では、上記保護チューブ24Aと24Bの摺動接続部を操作部1A内に配置することによってスラスト方向の伸縮動作がスムーズになる。即ち、この接続部は曲げ可能となる挿入部1C内に配置することもできるが、この場合には接続部のチューブ自体も曲がるので、円滑な摺動動作が妨げられる場合が生じ得る。そこで、当該例では接続部を曲がることのない操作部1A内に配置し、摺動動作の妨げの要因をなくすようにしたものである。
【0015】
図2には、実施形態の第2例の構造が示されており、この第2例は第1例の保護チューブの抜け止めを考慮したものである。図2において、例えばフッ素樹脂製の第1保護チューブ34Aは金属製連結管35を介して、金属製の第2保護チューブ34Bに連結される。そして、この第2保護チューブ34Bの端部外周にリング状係止突起(ストッパ)F1、また連結管35の端部内周にリング状係止突起F2を設けて、両者のチューブが摺動自在に結合される。
【0016】
このような第2例では、第1保護チューブ34Aが変動範囲L1で進退することになるが、この際には連結管35の内側の係止突起F2が第2保護チューブ34Bの外側の係止突起F1に係止することにより、第1保護チューブ34Aと第2保護チューブ34Bとの抜けが防止される。
【0017】
上記実施形態例では、観察距離を変化させるレンズ駆動用線状伝達部材10の保護チューブ24,34に適用した例を示したが、その他の駆動部における伝達部材の保護チューブに本発明を適用することができる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、保護管を第1管と第2管に途中で分離し、それぞれの自由端を相対的に所定量だけ軸方向に摺動可能となるように嵌合接続したので、管部材の余裕分を押し込む必要がなくなり、回転する線状伝達部材の動作負荷を小さくできる。また、首曲りの発生も良好に防ぐことができ、更には保護管の取付け作業を軽減することが可能となる。
【0019】
また、保護管の摺動接続部を操作部内に配置したので、保護管のスムーズな伸縮動作が確保できるという利点があり、更には、上記摺動接続部の保護管の抜けが防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態の第1例に係る内視鏡装置の保護管取付け構造を示す図である。
【図2】実施形態の第2例に係る保護管取付け構造を示す図である。
【図3】従来の内視鏡及びレンズ駆動用伝達部材の構成を示す図である。
【図4】図3の操作部内のレンズ駆動用伝達部材の接続構造を示す図である。
【符号の説明】
1A … 内視鏡操作部、1C … 挿入部、
7,24(A,B),34(A,B) … 保護チューブ、
10 … 線状伝達部材、
30,35 … 連結管、
F1,F2 … 係止突起。
Claims (1)
- 先端側より順に少なくとも先端硬質部、アングル部が設けられた挿入部と、この挿入部に接続される内視鏡操作部と、上記先端硬質部内に配置され、観察距離を変えるための可動レンズと、上記操作部内に配置された駆動モータと、この駆動モータの回転を伝達する線状伝達部材とを備え、上記線状伝達部材の回転運動を直線運動に変換して上記可動レンズを光軸方向へ駆動する内視鏡装置において、
上記挿入部内の線状伝達部材を挿通し、一端を上記先端硬質部側に固定し他端を自由端とした第1保護管と、
この第1保護管の自由端に相対的に所定量だけ軸方向に摺動可能となるように嵌合接続する一端を有し、他端を上記駆動部側に固定した第2保護管とを設け、
上記第1及び第2保護管の摺動可能な接続部を上記操作部に配置し、この第1及び第2保護管の摺動可能な接続部に、これら保護管の一方の端部外周と他方の端部内周に設けたリング状係止突起により保護管抜けを防止する構造を施したことを特徴とする内視鏡装置。
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