JP4553108B2 - 内視鏡の制御ケーブル - Google Patents

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Description

本発明は、医療用等として用いられる内視鏡において、その挿入部の先端に設けた可動部材、例えば対物光学系を構成する可動レンズを遠隔操作で駆動するための制御ケーブルに関するものである。
医療用等として用いられる内視鏡は、一般に、本体操作部に体腔内等への挿入部を連結して設け、また本体操作部から光源装置やプロセッサ等に接続するためのユニバーサルコードを延在させることにより大略構成されるものである。挿入部は、本体操作部への連結部側から大半の長さ分は挿入経路に沿って任意の方向に曲がるようになった軟性部となっており、この軟性部には、アングル部及び先端硬質部が順次連結されている。先端硬質部には、少なくとも照明手段及び観察手段が装着されており、これら以外にも処置具挿通チャンネル、観察部洗浄用のチャンネル等も設けられる。アングル部はこの先端硬質部を所望の方向に向けるためのものであって、本体操作部に設けたアングル操作手段により操作されて先端硬質部を所望の方向に向けるために、湾曲管構造となっている。
内視鏡の挿入部の先端硬質部に設けた観察手段の構成としては、少なくとも対物光学系と固体撮像素子とを含むものである。そして、対物光学系は複数枚のレンズを有する構成となっている。これらのレンズのうち、1乃至複数枚のレンズを光軸方向に移動可能な可動レンズで構成して、観察対象となる部位や治療の目的等に応じて、この可動レンズを移動させて、焦点深度や結像倍率、視野角等を変化させるようになっていると、検査や診断等を行なう上で有益になる。この場合、可動レンズの移動機構を挿入部の先端に組み込むと、挿入部が太径化することになるので、制御ケーブルを設けて、遠隔操作によって可動レンズを移動させる構成としている。
制御ケーブルは、挿入部の先端硬質部から本体操作部まで延在されることから、曲げ方向に可撓性を有する構造となっていなければならない。そこで、この制御ケーブルとしては、可撓性スリーブ内に伝達コイルを挿通させたものから構成し、伝達コイルの先端部を可動部材に連結し、またその基端部を本体操作部内において回転駆動手段に連結し、可撓性スリーブ内で伝達コイルを回転させることによって、その回転力を可動部材にまで伝達する構成としたものは従来から広く用いられている。ここで、可動部材が回転するものであれば、この伝達コイルの先端を可動部材に直結すれば良いが、前述した可動レンズのように、直線方向に往復移動するものであれば、カムやねじ軸等、回転方向の動きを直線方向の動きに変換する手段を設ける。従って、可動部材としては、このように動きの方向を変換する手段が含まれる。
制御ケーブルを構成する伝達コイルは、その回転を可動部材にまで確実に伝達させなければならず、しかも曲げ方向の可撓性を持たせなければならない。このために、伝達コイルを密着コイルで構成し、この密着コイルを内外2重構造としたものが、例えば特許文献1に示されている。この特許文献1に開示されている伝達コイルの構成は、具体的には、本体操作部側から挿入部の途中位置までを後側の伝達コイルとし、またこの位置から先端硬質部に設けた可動部材への連結部までを前側の伝達コイルとしている。これら後側伝達コイルと、前側伝達コイルとでは、コイルを構成する素線径は同じであるが、コイル径は後側伝達コイルの方を大きくし、かつ後側伝達コイルを構成する内層及び外層のコイルを1条抜きの多条コイルとなし、もって後側伝達コイルと可撓性スリーブ内面との摩擦を少なくする構成としている。
特開2002−65579号公報
ところで、内視鏡の挿入部において、軟性部及びアングル部は共に曲げ可能な構造となっているが、軟性部は挿入経路の曲がりに追従するものであるから、その曲がりの度合いはあまり大きくはない。一方、アングル部は先端硬質部の方向制御を行なうためのものであり、特に観察手段による視野を変えるときに湾曲操作されることになる。そして、観察視野を挿入部の挿入方向とは反対方向に向けることができるようにするために、180°乃至それ以上の曲げ角で湾曲可能になっており、しかも小さい曲率半径で湾曲させるために、アングル部の軸線方向の長さは、軟性部と比較して極めて短いものである。
以上のことから、制御ケーブルのうち、アングル部内に位置する部分は、このアングル部の湾曲操作に対する抵抗を少なくするために、曲げ方向により柔軟性を持たせる必要がある。これに対して、制御ケーブルの長さの大半を占める軟性部の内部においては、伝達コイルの伝達ロスを最小限に抑制するために、この伝達コイルと可撓性スリーブとの間の摩擦をできるだけ抑制する必要がある。
とりわけ、対物光学系を構成する可動レンズを光軸方向に移動させるための機構として制御ケーブルを用いる場合においては、この可動レンズの移動により光軸ずれを発生させないようにするために、伝達コイルの回転を可動レンズの直線運動に変換するための機構の寸法精度を厳格に設定しなければならない。そうすると、可動部材の駆動力を大きくして、伝達コイルによる回転力の伝達を向上させる必要がある。伝達コイルによる回転力の伝達効率を高めるためには、コイルの素線径を太くしなければならない。
しかしながら、制御ケーブルは、内視鏡の挿入部内ほぼ全長に延在されており、特にアングル部の内部にも配置されることから、回転力の伝達効率を高めるために、伝達コイルの素線径を太くすると、当然、曲げ方向の可撓性が低下することになり、アングル操作時の負荷が増大して、その操作性に問題が生じることになる。しかも、伝達コイルの大半の長さを占める部分を1条抜き多条コイルで構成すると、伝達コイルと可撓性スリーブとの間の摩擦抵抗を抑制することは可能であるにしても、伝達コイルに隙間が生じていることから、この隙間により伝達力が吸収されることになり、伝達コイルによる伝達効率が低下するという問題点もある。
本発明は以上の点に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、制御ケーブルを構成する伝達コイルとして、回転力の伝達をより効率的に行なうことができ、しかも必要な曲げ方向の可撓性を低下させないようにすることにある。
そこで、本発明においては、前述した目的を達成するために、内視鏡の本体操作部に連結された挿入部の先端硬質部に可動部材を装着し、この可動部材を駆動するために、前記先端硬質部からアングル部及び軟性部を順次経て本体操作部内にまで延在させ、両端がそれぞれ先端硬質部及び本体操作部に固定して設けた可撓性スリーブ内に伝達コイルを挿通させ、この伝達コイルの先端部を前記可動部材に連結し、その基端部を回転駆動手段に接続した制御ケーブルであって、前記伝達コイルは前記アングル部と前記軟性部との境界部を境にして、前記可動部材への接続部側の第1のコイル部と、前記回転駆動手段への接続部側の第2のコイル部とに分割され、これら第1,第2のコイル部は連結部材により一体回転するように連結されており、前記第1のコイル部は、細径のワイヤを密着コイル状に巻回した少なくとも2重の小径コイル部となし、また前記第2のコイル部は、前記第1のコイル部より太い線径の素線で、それより大径のコイル状に巻回した3重の大径コイル部となし、かつこの大径コイル部の内層は密着コイル状に巻回されており、中間層及び外層は相互に反対方向に巻回され、かつ螺旋状の空隙を有する粗巻き状とする構成としたことをその特徴とするものである。
まず、内視鏡の挿入部において、軟性部とアングル部とでは、それらの全長に極めて大きな差があり、かつ曲がる度合いも著しく異なっている。従って、制御ケーブルを構成する伝達コイルを軟性部とアングル部との間の境界部を境として、可動部材への接続側を第1のコイル部とし、また回転駆動手段への接続側を第2のコイル部として構成している。ここで、軟性部とアングル部とは連結リングを介して連結されており、この連結リングが設けられている部位は所定の長さ分だけ曲げ不能となっている。従って、この曲げ不能な部位において、第1のコイル部と第2のコイル部とを連結部材により連結する。これら第1,第2のコイル部は、共に金属線を密着コイル状に巻回したもので構成する。
アングル部の全長は短く、しかもアングル操作時には小さい曲率半径で180°乃至それ以上の角度曲げることができるようになっている。従って、このアングル部内に位置する第1のコイル部は、曲げ方向における可撓性を大きくするために、コイルを構成する素線の線径を小さいものとなし、かつ2重以上、好ましくは3重のコイルで構成する。一方、軟性部は長尺であり、かつ体腔内等に挿入されたときに、比較的緩やかに曲がるものである。そこで、この軟性部内に位置する第2のコイル部は、そのコイルの素線径を大きくし、かつ3重のコイルから構成する。この3重のコイルのうち、内層のコイルは密巻き状態、つまり密着コイル状とする。これに対して、中間層及び外層のコイルは相互に反対方向に巻回され、ピッチ間に螺旋状の空隙を有する粗巻き状のコイルを構成する。
制御ケーブルを構成する可撓性スリーブは全長にわたって均等な円筒状に形成する。この可撓性スリーブ内に挿通される伝達ケーブルは、第1のコイル部の外径寸法より第2のコイル部の外径寸法を大きくする。これによって、アングル部内では、可撓性スリーブの内径と第1のコイル部の外径との差が大きくなり、その間の隙間が第2のコイル部と比較して大きいものとなる。
制御ケーブルによって遠隔操作される可動部材は限定されないが、この可動部材は対物光学系を構成する可動レンズとすることができる。この可動レンズを光軸方向に動かすことによって、焦点深度、結像倍率、視野角等の調整を行なうことができる。例えば、結像倍率を変化させるために、1または複数の可動レンズを変位させる場合、特に通常観察位置と拡大観察位置との間に変位させる場合には、可動部材は回転駆動されるカム軸とし、このカム軸を回転させることによって、通常観察位置と拡大観察位置との間に変位させる。このときには、通常観察位置での結像倍率が変化しないようにするために、可動レンズの位置を極めて正確に調整する必要がある。第2のコイル部を3重のコイルで構成している等のことから、伝達コイルを回転駆動したときに、その回転方向により伝達力に差が生じる。そこで、可動レンズを拡大観察位置から通常観察位置に変位させる方向の方をより高い伝達力とするのが望ましい。さらに、第1のコイル部も3重のコイルで構成することができる。

本発明は、以上のように構成することによって、挿入部の先端硬質部に設けた可動部材への伝達コイルによる回転の伝達を円滑かつ確実に行なうことができ、しかも挿入部における曲げ方向の可撓性を低下させることはない等といった効果を奏する。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。まず、図1に内視鏡の概略構成を示す。同図において、1は本体操作部、2は体腔内への挿入部、3はユニバーサルコードである。挿入部2は、本体操作部1への連結側から大半の長さは軟性部2aとなっており、この軟性部2aにはアングル部2bが、またアングル部2bには先端硬質部2cが設けられている。
図2に挿入部2における先端硬質部2cに装着した内視鏡観察手段の構成を示す。同図から明らかなように、先端硬質部2cには観察窓4が開設されており、この観察窓4には対物光学系10が装着されている。対物光学系10は、観察窓4の先端に臨むように配置され、レンズ機能を有するカバーガラス11と、前群固定レンズ12,前群可動レンズ13,後群可動レンズ14,後群固定レンズ15から構成される。ここで、これら各レンズ12〜15は1乃至複数枚のレンズから構成されている。また、後群固定レンズ15の後方位置にはプリズム16が設けられ、このプリズム16により光路が90°曲折される。そして、対物光学系10の結像位置に固体撮像素子17が装着されている。
この対物光学系10において、前群可動レンズ13と後群可動レンズ14とを同時に光軸方向に移動させることによって、結像倍率が変化するようになっている。図2に示した位置は拡大撮影時の可動レンズ13,14の位置であり、この位置から相互に近接する方向に移動させることによって、通常撮影状態となる位置に移動する。可動レンズ13,14はカム機構により光軸方向に移動させる構成としている。このために、可動レンズ13,14のレンズ枠13a,14aにはカム軸18に嵌合させたカムフォロア19,20が連設されている。カムフォロア19,20は円筒形状の部材からなり、カム軸18に設けたカム溝18a,18bに係合するカムピン19a,20aを有するものである。
従って、可動レンズ13,14を移動させる際には、カム軸18を回転駆動することになり、このカム軸18が本体操作部1から遠隔操作で回転駆動される可動部材である。このために、カム軸18には制御ケーブル21が連結して設けられ、この制御ケーブル21は本体操作部1内にまで延在されて、この本体操作部1内に設けた回転駆動手段に接続されている。そこで、図3に本体操作部1内に設けた回転駆動手段の構成を示す。図中において、22は本体操作部1に設けた支持板であり、この支持板22にはモータ23が固定的に装着されている。モータ23の出力軸23aには回転筒体24が連結して設けられており、この回転筒体24は軸受部材25により回転自在に支持されている。
また、前述した回転駆動手段の作動時に、回転力をカム軸18に伝達するための制御ケーブル21の構成が図4に示されている。図中において、26は可撓性スリーブ、27は伝達コイルである。伝達コイル27は可撓性スリーブ26内に挿入されるように組み込まれるものであり、そのカム軸18に連結される前方側は第1のコイル部28、回転筒体24に連結される後方側は第2のコイル部29であり、これら第1,第2のコイル部28,29は連結部材30にハンダ付け等の手段で固定されており、これによって第1,第2のコイル部28,29は一体的に回転するように連結されている。
制御ケーブル21における可撓性スリーブ26の両端は固定され、伝達コイル27の両端はそれぞれカム軸18及び回転筒体24に連結されている。可撓性スリーブ26の先端にはリング部材31が連結されており、このリング部材31は、図示は省略するが、カム軸18を回転自在に支持する軸受部材に螺合させる等により連結・固定されるようになっている。また、可撓性スリーブ26の基端部は、支持板22に支持されているホルダ32に嵌合されており、かつ締め付け部材33により脱落しないように固定されている。そして、伝達コイル27の一部を構成し、連結部材30により連結された第1のコイル部28の先端には連結部材34が固定されており、この連結部材34はカム軸18に螺挿されて、ハンダ付け等の手段で固定されている。
一方、第2のコイル部29の基端部は、モータ23により回転駆動される回転筒体24に設けたスライド駒35に連結・固定されている。スライド駒35は回転筒体24内に配置されており、この回転筒体24には上下に2箇所スリット24a,24aが形成され、スライド駒35の上下にスライダ35aが延在されて、スライダ35aは回転筒体24のスリット24aに挿通されており、これによって伝達コイル27が可撓性スリーブ26内で曲がったときや、回転時の軸線方向に伸縮したとき等における長さの変化を吸収するようにしている。
以上の構成において、対物光学系10を構成する前群及び後群の可動レンズ13,14は、カム軸18を回転駆動することにより光軸方向に移動させて結像倍率を変化させるが、この操作は本体操作部1に設けた回転駆動手段を構成するモータ23により遠隔操作で行なわれる。制御ケーブル21はこの回転を本体操作部1から挿入部2の先端硬質部2cに伝達するためのものである。この制御ケーブル21は、既に説明したように、また図4から明らかなように、可撓性スリーブ26内に伝達コイル27を挿入したものであり、伝達コイル27は可撓性スリーブ26内で軸回りに回転する部材であって、しかも曲げ方向には可撓性を有するものである。そして、この伝達コイル27はカム軸18への連結側を構成する第1のコイル部28と、モータ23への連結側を構成する第2のコイル部29とから構成され、これら第1,第2のコイル部28,29はアングル部2bと軟性部2aとの境界部乃至その近傍位置において、連結部材30を介して連結されている。ここで、アングル部2bと軟性部2aとの連結部は所定の長さ分だけ硬質部分となっているので、連結部材30の位置で第1,第2のコイル部28,29を連結することによって、当該部位が硬質になっても、格別の支障を来たすことはない。
ここで、第1,第2のコイル部28,29は共に3重の密着コイルから構成されているが、図4から明らかなように、第1のコイル部28と、第2のコイル部29とではコイル径及びコイルを構成する線径が異なっており、しかもコイル構造も異なる構成となっている。
即ち、第1のコイル部28を構成する内層、中間層及び外層からなる3重のコイル28a,28b及び28cは、いずれもコイルを構成する素線の線径は同じであり、密着コイル状に巻回させたもので構成されている。そして、中間層の密着コイル28bの巻回方向に対して内層の密着コイル28a及び外層の密着コイル28cの巻回方向は異なる方向としている。
一方、第2のコイル部29を構成する内層、中間層及び外層からなる3重のコイル29a,29b及び29cは、それらの素線が全て同じ線径で構成されるが、この第2のコイル部29を構成する素線径は、第1のコイル部28の素線径より太くなっている。また、コイル径、つまり第1のコイル部28全体の外径寸法と、第2のコイル部29全体の外径寸法とでは、第2のコイル部29の方が大きくなっている。そして、第2のコイル部29を構成する内層のコイル29aと外層のコイル29cとは同一の方向に巻回させたものであり、また中間層のコイル29bはそれらとは反対方向に巻回させるようにしている。さらに、内層のコイル29aは密着コイル状に巻回されているが、中間層及び外層のコイル29b,29cは一部に粗巻き部を構成するピッチ間空隙eを有する構成となっている。ここで、ピッチ間空隙eは螺旋状のものとなる。
コイルに粗巻き部は、例えば複数本のワイヤを帯状に配列した状態で巻回させた多条巻きコイルとするが、このコイル化のための巻回時に、コイルのピッチ間隔を所定の間隔だけ空けるようにすることにより形成することができる。ここで、ピッチ間空隙eは、任意に制御できるが、あまり大きな空隙を持たせると、回転の伝達に支障をきたすことになり、また空隙が小さいと、目的とする摩擦抵抗の減少に貢献しなくなる。従って、コイルを構成する1本の素線の線径程度とするのが望ましい。また、多条巻きする際に、密巻き状態として、そのうちの1本の素線を取り除くことによっても粗巻き部を形成することができる。このためには、取り除かれる1本の素線はそれ以外の素線と弾性度合いが異なるダミーワイヤとして密着コイル状に巻回させた後に、このダミーワイヤを取り除くようにすれば良い。
伝達コイル27を以上のように構成することによって、回転駆動手段を構成するモータ23の回転力を先端硬質部2cに設けた可動部材としてのカム軸18にまで確実に伝達されることになる。即ち、曲がり度合いがあまり大きくはなく、挿入経路の曲がりに追従する軟性部2aの内部においては、第2のコイル部29が位置しており、この第2のコイル部29は、線径の太いワイヤでコイル径も大きくする構成としているので、それ自体の回転力の伝達効率が高くなる。ただし、伝達コイル27は可撓性スリーブ26内に挿通されているので、コイル径が大きいと、可撓性スリーブ26の内面との間の隙間が小さくなるために、制御ケーブル21に僅かな曲がりがあっても、第2のコイル部29は可撓性スリーブ26の内面と当接することになり、その状態で回転駆動すると、摺動抵抗が発生することになる。特に、第2のコイル部29が位置している軟性部2aは、挿入部2の大半の長さを占めるものであるから、その曲がりの度合いが小さく、第2のコイル部29の可撓性スリーブ26内面への押し付け力が弱いものであるにしても、接触面積の広さという点で、摺動抵抗による回転力の減衰が大きくなる。しかしながら、第2のコイル部29を構成する外層のコイル29cには粗巻き部として、ピッチ間空隙eが形成されているので、接触面積がその分だけ縮減されて、摺動抵抗の増大が緩和される。
ところで、第2のコイル部29を構成する中間層のコイル29bと外層のコイル29cとにピッチ間空隙eが存在すると、回転伝達時にこのピッチ間空隙eの間隔が変化することになる結果、回転力が途中で吸収されて、先端にまで円滑に伝達することができず、回転の伝達効率が低下することになる。しかしながら、内層のコイル29aを密着コイル状に形成しているので、回転時に第2のコイル部29の全長にわたって実質的に長さ変化が生じない。つまり、中間層29b及び外層のコイル29cのピッチ間空隙eが変化するのを防止できる。従って、回転伝達ロスや遅れ等を最小限に抑制できる。しかも、3層からなるコイルのうち、2層のコイル29b,29cにピッチ間空隙eを持たせることによって、曲げ方向の可撓性を増大させることができ、コイルの素線径及びコイル径を大きくしても軟性部2aの硬さが増大することはない。しかも、相互に反対方向に巻回される中間層と外層とのコイル29b,29cに粗巻き部を形成しているので、第2のコイル部29における回転方向の操作力及び曲げ方向の可撓性におけるバランスが良好となる。
以上のようにして、第2のコイル部29は確実に回転力を伝達することができる。そして、第2のコイル部29に連結した第1のコイル部28は、アングル部2b内に位置している。このアングル部2bは挿入部2の全長に占める割合は小さいが、アングル操作により湾曲されるものであり、その湾曲角度も著しく大きく設定されている。しかしながら、第1のコイル部28は、そのコイル径が小さいことから、可撓性スリーブ26の内面との間に大きな隙間が形成されているので、この第1のコイル部28が可撓性スリーブ26内面に極端に押し付けられるという事態が生じることはない。しかも、線径が細い素線を用いているが、3層全て密着コイル状に巻回されており、その全長も短いことから、やはり十分な回転伝達力を発揮する。また、第1のコイル部28を構成する各コイル28a〜28cは細い線径の素線から構成されているので、曲げ方向の可撓性に優れたものとなり、アングル操作の操作性が低下するようなことはない。
以上のことから、第1のコイル部28と第2のコイル部29との具体的な構成の一例として、例えば第1,第2のコイル部28,29共に3重の多条巻きコイルで構成し、第1のコイル部28側を6条密巻きコイルとし、第2のコイル部29は4条巻きコイルで、コイルピッチ間に実質的に素線1本分の空隙を形成することができる。ただし、コイルを構成する素線の材質や素線径は任意に設定できるものであり、またコイル状態に巻回する方法によっては密着度等を制御することができる。同じ材質で同じ線径のコイルであり、巻回方法が同じであれば、多条化すればするほど、回転の伝達力が大きくなり、かつ曲げ方向の可撓性の度合いが低くなる。また、ピッチ間空隙を広く取れば、曲げ方向の可撓性の度合いが大きくなるが、回転伝達ロスも大きくなる。以上のことから、第1のコイル部28の巻き条数及び第2のコイル部29の巻き条数とピッチ間空隙とを適宜設定することによって、目的とする可動部材に対して必要な駆動力を発揮させる伝達コイルを形成すれば良い。
制御ケーブル21を以上のように構成することにより、回転伝達ロスを最小限に抑制でき、カム軸18を確実に回転駆動できるようになる。従って、カム軸18とカムフォロア19,20との嵌合関係及びカム溝18a,18bとカムピン19a,20aとの係合関係を厳格に行なうことにより、前群及び後群の可動レンズ13,14を光軸方向に移動させたときに、これらレンズ13,14の倒れや位置ずれ等が発生するようなことはなく、安定的に移動させることができ、観察条件が良好になり、もって個体撮像素子17により鮮明な映像を取得できるようになる。
ここで、一般的に内視鏡検査を行なうに当っては、対物光学系10を通常観察が可能な配置となし、拡大観察を行なう際には、制御ケーブル21を作動させて、前群可動レンズ13及び後群可動レンズ14を光軸方向に動かして、結像倍率を高くするように操作することになる。これによって、通常観察状態では十分に有効な病変部等の情報が得られない場合に、拡大観察を行なうことによって、精密な検査を行なうことができる。従って、これら前群及び後群の可動レンズ13,14は、一般的には通常観察を行なうべき位置に配置しておき、術者は必要に応じて拡大観察を行なうことになる。以上のことから、前群可動レンズ13及び後群可動レンズ14は、通常観察状態となる位置関係に正確に配置できるようにするのが望ましい。
而して、伝達ケーブル27を構成する第1,第2のコイル部28,29は3層のコイル構成から形成されていることから、一方向に回転させたときと、それとは反対方向に回転させたときとでは、回転伝達力に差が生じることになる。また、回転伝達能力は、単純にコイルの巻回方向だけに依存するものではなく、コイルの巻回時に作用させる締め付け力等によっても変化する。そこで、伝達ケーブル27を一方向及びそれとは反対方向に回転させたときに、この伝達ケーブル27の全体による回転伝達能力が高い方を可動レンズ13,14が通常観察状態となる方向に変位させるように設定するのが望ましい。
本発明の一実施の形態を示す内視鏡の全体構成図である。 図1の内視鏡における観察手段の構成を示す断面図である。 図1の内視鏡に装着した回転駆動手段と制御ケーブルとの連結機構を示す断面図である。 制御ケーブルの可撓性スリーブと伝達コイルとを分解して示す断面図である。
符号の説明
1 本体操作部 2 挿入部
2a 軟性部 2b アングル部
2c 先端硬質部 10 対物光学系
13 前群可動レンズ 14 後群可動レンズ
18 カム軸 19,20 カムフォロア
21 制御ケーブル 23 モータ
24 回転筒体 26 可撓性スリーブ
27 伝達コイル 28 第1のコイル部
29 第2のコイル部 28a〜28c,29a〜29c コイル

Claims (3)

  1. 内視鏡の本体操作部に連結された挿入部の先端硬質部に可動部材を装着し、この可動部材を駆動するために、前記先端硬質部からアングル部及び軟性部を順次経て本体操作部内にまで延在させ、両端がそれぞれ先端硬質部及び本体操作部に固定して設けた可撓性スリーブ内に伝達コイルを挿通させ、この伝達コイルの先端部を前記可動部材に連結し、その基端部を回転駆動手段に接続した制御ケーブルにおいて、
    前記伝達コイルは前記アングル部と前記軟性部との境界部を境にして、前記可動部材への接続部側の第1のコイル部と、前記回転駆動手段への接続部側の第2のコイル部とに分割され、これら第1,第2のコイル部は連結部材により一体回転するように連結されており、
    前記第1のコイル部は、細径のワイヤを密着コイル状に巻回した少なくとも2重の小径コイル部となし、
    また前記第2のコイル部は、前記第1のコイル部より太い線径の素線で、それより大径のコイル状に巻回した3重の大径コイル部となし、かつこの大径コイル部の内層は密着コイル状に巻回されており、中間層及び外層は相互に反対方向に巻回され、かつ螺旋状の空隙を有する粗巻き状とする構成とした
    ことを特徴とする内視鏡の制御ケーブル。
  2. 前記第2のコイル部の少なくとも中間層及び外層は多条コイルから構成され、この多条コイルに概略1条に相当する空隙を形成することによって、前記粗巻き部を形成する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の制御ケーブル。
  3. 前記可動部材は、カム軸を回転させることによって、通常観察位置と拡大観察位置との間に変位可能な対物光学系を構成する1または複数の可動レンズであり、前記伝達コイルは、前記第1のコイル部が前記カム軸に連結されており、さらにこの第1のコイル部は3重構造として、前記伝達コイルの伝達力は前記可動レンズを拡大観察位置から通常観察位置に変位させる方がより大きくなるように設定する構成としたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡の制御ケーブル。
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