JP3702453B2 - 発光指針 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両その他各種産業機器用計器に係り、特に、前記計器に採用するのに適した発光指針に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の発光指針としては、指針に係合爪を設けるとともにキャップに係合部を設け、前記係合爪と係合部とを係合固定させることにより熱加締めや接着をする必要なく、組み付け作業も容易な発光指針があり、例えば、実開昭59−131014号公報に示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の発光指針にあっては、キャップの指示部の対応位置には、キャップの開口側に連続し、指示部を係止する係止部を有した略コ字状に切り欠いた凹部を有し、指示部と凹部の係止部を係合させる場合は、振動によって指針本体とキャップとがガタつかないように、指示部の縦方向の寸法と凹部の係止部の寸法との寸法精度を厳しく管理する必要があったので、生産性が上昇しにくいという課題があり、更なる改良が望まれていた。このため、本発明は、指示部や凹部の係止部の寸法精度を高めなくとも、がたつかない発光指針を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記目的を達成するため、透光性の部材からなり回転中心の指針基部と、この指針基部から突出した指示部とから構成される指針本体と、指針基部を覆い前記指示部が露出する指示部露出部を備えたキャップとを備えた発光指針において、前記指示部の側面を下方に向かって前記指示部の幅が狭まるように形成するとともに、前記指示部の側面に対応し当接もしくは近接する左右の側辺を前記キャップの周壁に設けた指示部露出部に形成したものである。
【0005】
また、透光性の部材からなり回転中心の指針基部と、この指針基部から突出した指示部とから構成される指針本体と、指針基部を覆い前記指示部が露出する指示部露出部を備えたキャップとを備えた発光指針において、前記指示部の側面を下方に向かって前記指示部の幅が狭まるように形成し、前記指示部の側面に対応し当接もしくは近接する左右の側辺を前記キャップの周壁に設けた指示部露出部に形成し、前記指示部の側面を前記指示部露出部の側辺で保持するとともに、前記指針基部には第1の係止部を形成し、前記キャップには前記第1の係止部に係止する第2の係止部を形成し、前記第1の係止部に第2の係止部を係止することにより、前記キャップを前記指針本体に取り付け固定するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の発光指針では、指示部の側面を下方に向かって指示部の幅が狭まるように形成するとともに、指示部の側面に対応し当接もしくは近接する左右の側辺をキャップの周壁に設けた指示部露出部に形成している。このため、キャップの指示部露出部の側辺に指示部の側面が当接し、指示部露出部の側辺間に指示部がはまり込み、指示部とキャップのがたつきを防止することができる。また、指示部と指示部露出部とが当接することにより、指示部と指示部露出部との間からの光漏れを防止することができる。
【0007】
また、指示部の側面を下方に向かって指示部の幅が狭まるように形成し、指示部の側面に対応し当接もしくは近接する左右の側辺をキャップの周壁に設けた指示部露出部に形成し、指示部の側面を指示部露出部の側辺で保持するとともに、指針基部には第1の係止部を形成し、キャップには第1の係止部に係止する第2の係止部を形成し、第1の係止部に第2の係止部を係止することにより、キャップを指針本体に取り付け固定している。このため、キャップと指針本体との組付けが容易な発光指針を提供することができる。また、キャップの指示部露出部の側辺に指示部の側面が当接し、指示部露出部の側辺間に指示部がはまり込み、指示部とキャップのがたつきを防止することができる。また、指示部と指示部露出部とが当接することにより、指示部と指示部露出部との間からの光漏れを防止することができる。
【0008】
【実施例】
以下、図1から図3を用いて本発明の第1実施例を説明する。
【0009】
図1は、車両用計器に本発明が適用された例を示している。この計器は、計器本体1を備えており、この計器本体1は、その両側に位置する両ランプ2、2と共に回路基板3上に配設されている。
【0010】
導光板4は、その中央孔部5にて、計器本体1上に固定されており、この導光板4は、両ランプ2に対向する位置まで下方に向け突出している光導入部6を備えている。これにより、導光板4は、両ランプ2からの光を光導入部6から中央孔部5にかけて導入し、この中央孔部5周壁に形成した傾斜状反射面7にて、導入光を文字板8の中央孔部9を通し上方に向け反射する。
【0011】
発光指針10は、文字板8及び導光板4を介し、計器本体1からのびている指針軸11に組み付けられているもので、この発光指針10は、透光性の部材からなる指針本体12と、キャップ13とにより構成されている。指針本体12は、回動中心である指針基部14から突出する指示部15とを有しており、この指針本体12は、アクリル樹脂やポリカーボネート樹脂等の無色透明若しくは半透明の透光性の材料により形成されている。
【0012】
指針基部14は、そのボス部16にて、導光板4の中央孔部5を通し、計器本体1の指針軸11に軸支されている。この指針基部14は、反射面17を備えており、この反射面17は、指針基部14内に導光板4から入射した光を、指示部15の端及びその下側に向けて反射するように、指針基部14に傾斜して形成されている。
【0013】
また、指示部15の下面18は、ホットスタンプ等によりオレンジ色に着色した層で被覆されている。指示部15は、その断面形状が台形状であり、図2中、下方にいくに従い指示部15の幅が狭まるように形成されている。指示部15の側面19は湾曲せずに平面である。なお、指示部15の上面20は緩やかに湾曲している。
【0014】
キャップ13は、指針本体12の指針基部14に組み付けられているもので、このキャップ13は、指針本体12の指針基部14を上方から覆う形状にて、ABSなどの合成樹脂材料により形成されている。
【0015】
このキャップ13の周壁には、指示部露出部21が、指示部15に対応する位置にて下方から切り欠き形成されており、この切り欠き形成された指示部露出部21の前記指示部15の側面19に対応する左右の側辺22は、指示部15の側面19に当接する。指示部15の側面19が平面であるので、側辺22も直線状に形成されている。なお、側辺22下側の側面19に当接しない側辺22a部分は、さらに、内側に向いて傾斜している。指示部露出部21の側辺22間には、指示部15の側面19が略合致する。また、指示部15やキャップ13の差により側辺22間で指示部15を挟んで支持できなかった場合は、内側に絞り込まれた側辺22a間で指示部15の下面18を支持することができる。よって、指示部15の側面19と、キャップ13の指示部露出部21との間には、隙間を略なくすことができ、あるいは間隙を小さくでき、指示部15と指示部露出部21との間からの光漏れを低減することができる。
【0016】
また、導光板4内に導入された両ランプ2からの光は、反射面7により反射されて、指針基部14内に入射する。この入射光は、反射面17により反射されて指針基部14の内部を通り指示部15内に入射する。このため、指示部15内に入射した光が指示部15の内部を照射し指示部15を発光させる。
【0017】
指針基部14には、指示部15を突出して設けた側とは反対側に、延出片23を備えている。この延出片23はその中程に段差部24を備えている。延出片23の端部には凹んだ第1の係止部25が形成されている。なお、延出片23に段差部24を設けたことにより、延出片23が撓みやすくなり、キャップ13を指針本体12に組みつけるの作業性が向上する。
【0018】
キャップ13には、延出片23の第1の係止部25を係止する爪状の第2の係止部26を開口の近傍に備えている。なお、指針基部14から、突出している4つの突出片27は、キャップ13内に当接し、指針本体12とキャップ13の位置を決めるものであり、28は発光指針10の錘である。
【0019】
このように構成した第1実施例において、キャップ13の指針本体12に対する組み付けは、次のようにして行う。まず、キャップ13を指示部15の指針基部14の上方に保持し、キャップ13の指示部露出部21内に指示部15をその先端側を下方から挿入する。次いで、キャップ13により指針基部14を上方から覆う。そして、キャップ13の第2の係止部26に延出片23の第1の係止部25を係止する。これにより、キャップ13の指針本体12に対する組み付けが完了する。このように、指示部15の側面19をキャップ13の指示部露出部21の側辺22で保持し、指針本体12の第1の係止部25にキャップ13の第2の係止部26を係止することにより、キャップ13を指針本体12に取り付け固定するので、キャップ13の指針本体12に対する組み付けが容易に行える。
【0020】
次に本発明の第2実施例を図4を用いて説明する。この実施例では、指示部15の断面形状は、指示部15の下面18と上面20と中程の部分の幅が一番大きくなるように形成されている。このため、側面19は、幅の一番大きい部分を境にして上側の側面19aと下側の側面19bとを備えている。上側の側面19aは上方に向かって指示部15の幅が狭まるように形成されており、また、下側の側面19bは下方に向かって指示部15の幅が狭まるように形成されている。
【0021】
キャップ13の指示部露出部21の形状も指示部15の形状に合致するように形成されているので、指示部15の上側の側面19aに対応する側辺22bは、上方に向かって指示部露出部21の幅が狭まるように形成されており、また、指示部15の下側の側面19bに対応する側辺22cは、下方に向かって指示部露出部21の幅が狭まるように形成されている。また、側辺22c下側の側面19bに当接しない側辺22d部分は、さらに、内側に向いて傾斜している。
【0022】
以上の構成の第2実施例においても、第1実施例と同様の作用効果を得るものである。
【0023】
なお、第1,第2実施例は、ともに、指示部露出部21はキャップ13の開口から切り欠いた形状であったが、前記実施例及び変形例に限定限定されるものではなく、指示部露出部21として貫通する孔を形成してもよい。
【0024】
次に本発明の第3実施例を図5から図7を用いて説明する。この実施例は、指示部15の上面20がボス部16上を通過する発光指針10である。指示部15は、その断面形状が台形状であり、図中、下方にいくに従い指示部15の幅が狭まるように形成されている。指示部15の側面19は湾曲せずに平面である。なお、指示部15の上面20も平面である。
【0025】
キャップ29は、指針本体12の指針基部14に組み付けられているもので、このキャップ29は、指針本体12の指針基部14を上方から覆う形状にて、ABSなどの合成樹脂材料により形成されている。
【0026】
このキャップ29の周壁から上面にかけて、指示部露出部21が切り欠き形成されており、周壁部分の指示部露出部21は指示部15に対応するように形成されており、この指示部露出部21の指示部15の側面19に対応する左右の側辺22eは、指示部15の側面19に当接する。指示部15の側面19が平面であるので、側辺22eも直線状に形成されている。なお、側辺22e下側の側面19に当接しない側辺22f部分は、さらに、内側に向いて傾斜している。指示部露出部21の側辺22e間には、指示部15の側面19が略合致する。また、指示部15やキャップ13の差により側辺22e間で指示部15を挟んで支持できなかった場合は、内側に絞り込まれた側辺22f間で指示部15の下面18を支持することができる。よって、指示部15の側面19と、キャップ13の指示部露出部21との間には、隙間を略なくすことができ、あるいは、間隙を小さくでき、指示部15と指示部露出部21との間からの光漏れを低減することができる。
【0027】
また、キャップ29には、突起状の第2の係止部30が形成されている。指示部15の後端のキャップ29で隠される部分には、突起30を係止する凹んだ第1の係止部31を備えている。
【0028】
このように構成した第3実施例において、キャップ29の指針本体12に対する組み付けは、次のようにして行う。まず、キャップ29を指示部15の指針基部14の上方に保持し、キャップ13の指示部露出部21に指示部15の後端側を下方から挿入する。次いで、指示部15先端側を下方に下げ、指示部15の側面19を側辺22e間に配置する。そして、キャップ29の受け部31に突起30を係止する。これにより、キャップ29の指針本体12に対する組み付けが完了する。このように、指示部15の側面19をキャップ29の指示部露出部21の側辺22eで保持し、指針本体12の突起30をキャップ29の受け部31で係止することにより、キャップ29を指針本体12に取り付け固定するので、キャップ29の指針本体12に対する組み付けが容易に行える。
【0029】
本実施例の場合、指示部露出部21が、前記各実施例に比べて大きいけれども、前記各実施例と同様な作用効果を得ることができる。
【0030】
【発明の効果】
以上、本発明により、初期の目的を達成することができ、指示部や凹部の係止部の寸法精度を高めなくとも、がたつかない発光指針を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す断面図である。
【図2】同実施例を指示部側から見た側面図である。
【図3】同実施例の指針本体の上面図である。
【図4】本発明の第2実施例を指示部側から見た側面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す断面図である。
【図6】同実施例を指示部側から見た側面図である。
【図7】同実施例の上面図である。
【符号の説明】
10 発光指針
12 指針本体
13,29 キャップ
14 指針基部
15 指示部
19 側面
19a 上側の側面
19b 下側の側面
21 指示部露出部
22,22a,22b,22c,22d,22e,22f 側辺
25,31 第1の係止部
26,30 第2の係止部

Claims (2)

  1. 透光性の部材からなり回転中心の指針基部と、この指針基部から突出した指示部とから構成される指針本体と、指針基部を覆い前記指示部が露出する指示部露出部を備えたキャップとを備えた発光指針において、前記指示部の側面を下方に向かって前記指示部の幅が狭まるように形成するとともに、前記指示部の側面に対応し当接もしくは近接する左右の側辺を前記キャップの周壁に設けた指示部露出部に形成したことを特徴とする発光指針。
  2. 透光性の部材からなり回転中心の指針基部と、この指針基部から突出した指示部とから構成される指針本体と、指針基部を覆い前記指示部が露出する指示部露出部を備えたキャップとを備えた発光指針において、前記指示部の側面を下方に向かって前記指示部の幅が狭まるように形成し、前記指示部の側面に対応し当接もしくは近接する左右の側辺を前記キャップの周壁に設けた指示部露出部に形成し、前記指示部の側面を前記指示部露出部の側辺で保持するとともに、前記指針基部には第1の係止部を形成し、前記キャップには前記第1の係止部に係止する第2の係止部を形成し、前記第1の係止部に第2の係止部を係止することにより、前記キャップを前記指針本体に取り付け固定することを特徴とする発光指針。
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