JP3699824B2 - 放流警報システム、及び放流警報装置 - Google Patents
放流警報システム、及び放流警報装置 Download PDFInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、、及び同システムに適用される放流警報装置に関する。
更に本発明は、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等による順次制御モード下での放送起動信号伝送時に於ける漏音の防止機能を備えた放流警報システム、及び同システムに適用される放流警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川及びダムの管理用として設置する放流警報システムの構成を図6及び図7を参照して説明する。
図6は本発明で対象とする、建設省仕様による放流警報システムの構成を示すブロック図であり、図7は当該放流警報システムの一構成要素をなす制御監視局の制御監視装置で扱う放流警報水系図の画面構成例を示す図である。
【0003】
図6に於いて、制御監視局1は、スピーカ警報局2(A)、及びサイレン警報局2(B)を呼出制御することにより、疑似音吹鳴、サイレン吹鳴、及び音声放送等の動作を行なわせる。また、呼出制御を受けた警報局2から返送される返送信号により警報局2の動作状況の印字及び表示を行なう。
【0004】
スピーカ警報局2(A)は、疑似音吹鳴、及び音声放送等の動作を行なうとともに、動作状況を制御監視局1へ返送する。この際の音声放送には、制御監視局1からのマイクロフォン放送、親局音声発生による放送、子局音声発生による放送等がある。
【0005】
サイレン警報局2(B)は、制御監視局1からの呼出制御により、サイレン吹鳴、疑似音吹鳴、及び音声放送等の動作を行なうとともに、動作状況を制御監視局1へ返送する。
【0006】
制御監視局1と警報局2,2,…との間の伝送路内に無線回線の中継局3が介在するシステム構成では、制御監視局1が、上記各警報局2,2,…の制御に先立ち、中継局3を自動的に起動させ、同一中継局を利用する最終の中継局3の制御終了後、中継動作を終了する。
【0007】
尚、制御監視局1と警報局2,2,…との間(中継局3が介在される場合も含む)の無線伝送には、建設省70MHZ帯無線装置、又は建設省400MHZ帯無線装置(図中の無線装置)が用いられる。
【0008】
制御監視局1は複数の各警報局2,2,…に対して一斉に、又は所定の順序に従い、放流警報の制御を行なう。この際の制御モードには、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、ブロックタイマー順次制御モード、全局一斉制御モード、ブロック一斉制御モード等がある。
【0009】
全局順次制御モードは、全警報局2,2,…に対して局間タイマーを設けず、予め定められた順序に従って制御する方式である。ブロック順次制御モードは、全警報局2,2,…を複数ブロックに分割し、ブロック内を局間タイマーを設けず、予め定められた順序に従って制御する方式である。タイマー順次制御モードは、全警報局2,2,…を局間タイマーの設定時間に従い、予め定められた順序に従って制御する方式である。ブロックタイマー順次制御モードは、全警報局2,2,…を複数ブロックに分割し、ブロック内を局間タイマーの設定時間に従い、予め定められた順序に従って制御する方式である。全局一斉制御モードは、全警報局2,2,…を一斉に制御する方式である。ブロック一斉制御モードは、全警報局2,2,…を複数ブロックに分割し、ブロック内を一斉に制御する方式である。上記各順次制御モードに於いては各警報局の順次制御毎に返送信号による確認動作が伴う。
【0010】
制御監視局1からの制御による警報動作には、サイレン、サイレン疑似音等の他に、マイクロフォン放送等の音声放送が含まれる。マイクロフォン等による音声放送制御が行なわれた場合は、約5秒間、チャイム音放送を自動的に行ない、その後、制御監視局1から送出される音声を放送する。また、放送終了後は、制御監視局1からの放送停止制御により約5秒間のチャイム音を自動的に放送した後、放送動作を終了する。
【0011】
各警報局2,2,…は、制御監視局1の制御に従い、自警報局2の動作内容を示す返送信号を送出する。例えば上記各順次制御モード下に於いては、制御監視局1から所定の順序で各警報局2,2,…に、順次、放送起動信号が無線(又は有線)により送信され、各警報局2,2,…は放送起動信号を受信するとスピーカを駆動するためアンプを起動するとともに、返送信号を制御監視局1に返送する。
【0012】
この際の返送信号には、可聴音と、動作確認信号、及び警報局状態信号等が含まれる。即ち、サイレン、又はサイレン疑似音の制御が行なわれたときは、そのサイレン音又は疑似音を集音して約5秒間返送する。更に続いて、サイレン吹鳴、疑似音吹鳴等を表わす動作確認信号、及び警報局状態信号等を返送する。
【0013】
また、マイクロフォン等による音声放送制御が行なわれたときは、チャイム音を約5秒間放送するとともに、これを集音して返送する。更に続いて、音声増幅器の起動を表わす動作確認信号、及び警報局状態信号等を返送する。
【0014】
放送停止制御が行なわれたときも、チャイム音を約5秒間放送するとともに、これを集音して返送する。更に続いて、音声増幅器の停止を表わす動作確認信号、及び警報局状態信号等を返送する。
【0015】
上記した処理機能以外に、点検、監視、印字等の処理機能があるが、ここではその説明を省略する。
上記したような構成をなす放流警報システムに於いて、従来では、警報局2,2,…の順次制御による起動動作時に於いて、起動済みの警報局より、可聴音信号の伝送に伴う漏洩雑音(漏音)が発生するという問題が生じていた。
【0016】
即ち、制御監視局1が、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等により、制御対象下にある各警報局2,2,…に対して1局目の警報局2から最後の警報局2まで、順次、放流警報放送の制御を行なう際、その制御期間内に於いて、起動済みの警報局2から、以降起動する警報局2の制御信号(返送信号を含む)が漏洩雑音
(漏音)として放送されてしまう。
【0017】
この際の漏洩雑音(漏音)の発生タイミングを図8に示している。ここでは、放流警報放送に先立ち、上記したような所定の順次制御モードで、制御対象下にある各警報局(A局→B局→C局…)に順次、放送起動信号を伝送して上記各警報局(A局→B局→C局…)の放送出力用アンプを起動する際、その起動制御期間内に於いて、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し雑音(漏音)として放送されてしまう。この雑音(漏音)は、放流警報放送時のみでなく、放流警報動作の点検、確認時等に於いても、その都度、周囲の住民に騒音として送出されてしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来では、制御監視局が、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等の順次制御モードにより、制御対象下にある各警報局に対して1局目の警報局から最後の警報局まで、順次、放流警報放送の制御を行なう際、その制御期間内に於いて、起動済みの警報局から、以降起動する警報局の制御信号が漏洩雑音 (漏音)として放送され、放流警報動作の点検、確認時等に於いて、その都度、周囲の住民に騒音として伝達されてしまうという不都合な問題があった。
【0019】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴う漏音放送を防止する機能を備えた放流警報システム、及び放流警報装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、上記制御監視局には、放流警報放送の開始に際し、所定の順次制御モードで上記各警報局に順次放送起動をかけ、制御対象にある全ての警報局に放送起動をかけた後に当該各警報局に一斉に特定制御信号を送出する手段を設け、上記警報局には、放送起動後、上記特定制御信号を受けてスピーカのアンプを動作可状態にする手段を設けて、上記各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)出力を防止する構成としたことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、全ての警報局に放送起動をかけた後に、各警報局のアンプが動作可状態となることから、各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0022】
また、本発明は、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、所定の順次制御モードによる放送起動信号の受信後、一斉制御による特定の制御信号(スピーカラインオン信号)を受信することにより、スピーカのアンプ(音声増幅器)を動作可状態にする手段を有してなる構成としたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、順次制御モードによる放送起動信号の受信のみではスピーカを駆動するアンプが動作可状態に至らず、全ての警報局に放送起動信号が送出された後のスピーカラインオン信号を受信して、はじめてアンプが動作可状態となることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0024】
また本発明は、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号に含まれる、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分(放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分)を除去するフィルタを放送用信号路上に介在して設けたことを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に於ける制御信号(返送信号を含む)の可聴音信号成分(漏音信号成分)のみをフィルタでカットすることにより、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に従った確実な警報放送が行なえる。
【0026】
また本発明は、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延手段と、上記遅延手段の遅延時間内に於いて上記制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定手段と、上記判定手段より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する警報制御手段とを具備してなることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、遅延手段で受信信号を遅らせている間に、判定手段で受信信号を判定し、不用信号(漏音信号)のみをカットすることにより、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送を防止することができる。即ち、順次制御モード下での放送起動信号の伝送時等に於ける制御系信号の受信時に於いては放送禁止制御信号によりスピーカを駆動する音声増幅器の動作が禁止され、放送用信号を受信した際に、上記判定処理に要する時間分の遅延をもって当該放送用信号に従う警報放送が行なわれることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に欠落が生じることなく、放送用信号に従った確実な警報放送が行なえる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態による放流警報システムの各警報局に設けられる放流警報装置の全体の構成を示すブロック図である。
【0029】
図1に於いて、20は放流警報システムの警報局に設けられた警報装置であり、システム上では図6に示すスピーカ警報装置(又はサイレン警報装置)に相当する。
【0030】
2aは放流警報装置全体の制御を司る基本制御部であり、各入出力制御部の入出力制御、受信符号の判定等を行なう。また無線装置を介して制御監視局(図6に示す制御監視局1に相当)との間で、放送起動信号を含む各種の制御信号、可聴音を伴う返送信号、警報放送信号、監視情報等を授受する。
【0031】
2bは上記基本制御部2aの制御の下に、制御監視局との間で上記したような各種の情報を送受する無線装置であり、建設省70MHZ帯無線装置、又は建設省400MHZ帯無線装置により構成される。
【0032】
2cは無線装置2bに接続された変復調部であり、パルス符号を周波数変調信号に変換する変調回路と、周波数変調信号をパルス符号に変換する復調回路等を有して構成される。
【0033】
2dは基本制御部2aに接続されたバスと無線装置2bとの間に介在された伝送制御部であり、制御監視局の制御監視装置との間のデータ伝送手順を管理するとともに、符号の送受信制御を行なう。
【0034】
2eは集音返送部であり、警報制御部2hの制御の下に、起動後、約5秒間、可聴音を返送する機能を有するとともに、集音マイクロフォン2fで集音した出力音声信号を返送する。尚、複数の集音マイクロフォンがある場合は、そのいずれかを用いて集音した音声信号を返送する。
【0035】
2fは集音マイクロフォンであり、スピーカ2jより出力されるチャイム放送及びサイレン疑似音等の警報放送出力を集音し集音返送部2eに出力する。
2gは集音レベル判定部であり、集音マイクロフォン2fで集音した音のレベルを判定する。集音の対象は、ここでは、サイレン疑似音、チャイム音、及び放送音等である。これらのレベル判定は、予め設定された、音圧レベル、吹鳴パターン精度等を含む規定された値に基づいて行なわれる。
【0036】
2hは警報制御部であり、基本制御部2aの制御の下に、サイレン疑似音制御、及び放送制御を行なう。ここでは音声増幅器2iとの間の信号伝送路上に於いて、順次制御モード下での放送起動の際に、同一制御監視局の制御対象にある全ての警報局に放送起動信号が送出されるまで、音声増幅器2iへの信号入力が断たれ、スピーカ2jからの放送出力が禁止される。
【0037】
2iは音声増幅器(アンプ)であり、警報制御部2hより出力されるサイレン疑似音、チャイム音、及び放送音等の警報放送信号を入力し電力増幅してスピーカ2jを駆動する。
【0038】
2jは音声増幅器2iの出力信号に従い、サイレン疑似音、チャイム音、及び放送音等の警報放送を所定の地域に放送出力するスピーカ(ラウドスピーカ)であり、ここでは2乃至4方向型で、入力1ワットに於ける正面軸上1メートルの地点で音圧が104デシベル(dB)以上確保できる出力音圧特性をもつ構成のものが使用される。
【0039】
2kはチャイム音出力部であり、放送起動後の放送開始前、及び放送終了後に所定の単位時間をもって出力(放送)される。この際のチャイム音は、電子音による4打音(ド−ミ−ソ−ド(高)、及びド−ソ−ミ−ド)である。
【0040】
2pはインピーダンス判定部であり、点検制御時にスピーカ2jのインピーダンスを測定し、所定の規格(インピーダンス正常範囲、検音周波数等)を満足するか否かを判定する。
【0041】
2qは音声発生部であり、テープと同様に放送内容をメモリに記憶して、起動指令により読み出され放送される。ここでは放送内容を1項目1分以内として最大3項目まで付加できる構成としている。
【0042】
2rは警報放送の放送起動時に於けるスピーカ2jの出力を規制する出力制御部であり、制御監視局から、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等による順次制御モード下で放送起動信号を受けた際、続いて制御監視局から特定の一斉制御信号(スピーカラインオン信号;図3(e)の一斉ラインON信号参照)を受けるまで、スピーカ2jのアンプ起動を禁止するスピーカラインオン/オフ制御信号 (図3(h)参照)を出力する。
【0043】
2sは上記スピーカラインオン/オフ制御信号(図3(h)参照)を受けて音声増幅器2iを起動制御するアンプ起動制御部であり、ここでは、スピーカラインオン/オフ制御信号がラインオン状態となるまで、音声増幅器2iの信号入力端を警報制御部2hの放送用信号出力端より切放し、接地(グランド)レベルに落として音声増幅器2iの出力を抑制している。
【0044】
尚、ここでは音声増幅器2iの入力端を警報制御部2hの放送用信号出力端より切放し、接地レベルに落とすことで音声増幅器2iの出力を抑制する、音声増幅器2iの起動制御手段を用いているが、これに限らず、例えば音声増幅器2iのゲインコントロールによる手段、音声増幅器2iの動作電源制御による手段、音声増幅器出力側でのスピーカ/インピーダンス素子切換による手段等、他のアンプ起動制御手段に於いても実現可能である。
【0045】
図2は上記した本発明の第1実施形態による放流警報装置20の要部の構成を示すブロック図であり、ここでは図1と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図3は上記第1実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
この第1実施形態に於いては、制御監視局(図6の符号1参照)が、放流警報放送の開始に際し、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等、所定の順次制御モードで、制御対象にある各警報局(図6の符号2参照)に、図3(a)〜(d)に示すように、順次、放送起動をかけ、制御対象にある全ての警報局(図3ではA〜N局)に放送起動をかけた後に、当該各警報局(A〜N局)に、一斉制御で、図3(e)に示すスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を送出する。
【0047】
上記各警報局(A〜N局)の警報装置20は、上記順次制御モード下で放送起動信号を受けると、音声増幅器2iを起動するが、続いて制御監視局からスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を受けるまでは、音声増幅器2iの信号入力端が警報制御部2hの放送用信号出力端より切放され、接地(グランド)レベルとなって動作が禁止された状態にあることからスピーカ2jは無音状態 (非駆動状態)にあり、図3(e)に示すスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を受信して、はじめてスピーカ2jが動作可能となる。この際は、制御監視局より受信したスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)が変復調部2cの復調回路を介して出力制御部2rに入力されることにより、出力制御部2rからアンプ起動制御部2sに、図3(h)に示すようにラインオンレベルのスピーカラインオン/オフ制御信号が出力され、これによりアンプ起動制御部2sが音声増幅器2iの信号入力端を接地(グランド)レベルから開放し、警報制御部2hの放送用信号出力端に接続して、音声増幅器2iの動作禁止状態が解除され、スピーカ2jの出力動作が可能な状態(放送可能状態)となる。
【0048】
ここで上記図1乃至図3を参照して本発明の第1実施形態に於ける動作を説明する。
図6に示すような構成をなす放流警報システムに於いて、制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、警報放送に先立ち、制御対象下に置かれた各警報局の警報装置20に対して所定の順序で図3(a)に示すように、順次、放送起動信号を伝送する。
【0049】
この放送起動信号を受信した各警報局の警報装置20は、順次制御モード下で放送起動信号を受けると、当該信号に従い、図3(b)乃至(d)に示すように、音声増幅器2iを起動制御する。この放送起動制御時に於いては、未だ出力制御部2rが変復調部2cを介してスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を受けていないことから、音声増幅器2iの信号入力端を警報制御部2hの放送用信号出力端より切放し、接地(グランド)レベルにして、音声増幅器2iを動作禁止状態にしている。従ってスピーカ2jは作動せず無音状態(非駆動状態)にある。
【0050】
ここで上記放送起動制御時に於いては、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し、従来では雑音(漏音)として放送されてしまうが、この実施形態では、上記したように放送起動制御時に於いて音声増幅器2iの信号入力端が警報制御部2hの放送用信号出力端より切放され、接地(グランド)レベルにあって、音声増幅器2iが動作禁止状態にあり、スピーカ2jが無音状態(非駆動状態)にあることから、上記雑音(漏音)放送は回避される。
【0051】
制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、制御対象下に置かれた全ての警報局の警報装置20に対して、順次、放送起動信号を伝送した後、当該各警報局に対して一斉に、図3(e)に示すスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を伝送する。
【0052】
各警報局の警報装置20の出力制御部2rは、変復調部2cの復調回路を介し、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後、放送起動信号を受けると、アンプ起動制御部2sに、図3(h)に示すようにラインオンレベルのスピーカラインオン/オフ制御信号を出力する。これによりアンプ起動制御部2sは音声増幅器2iの信号入力端を接地(グランド)レベルから開放し、警報制御部2hの放送用信号出力端に接続して、音声増幅器2iの動作禁止状態を解除し、スピーカ2jの出力動作が可能な状態(放送可能状態)にする。
【0053】
制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、制御対象下に置かれた全ての警報局の警報装置20に対して、一斉にスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を伝送した後、既存システムと同様に、上記各警報局の警報装置20に対して一斉に放流警報放送の音声信号を伝送し、その後、一斉放送停止信号を伝送する。
【0054】
各警報局の警報装置20に設けられた警報制御部2hは、変復調部2cの復調回路を介して上記放流警報放送の音声信号を受けると、当該音声信号をアンプ起動制御部2sを介して音声増幅器2iに送出する。
【0055】
音声増幅器2iは警報制御部2hより入力した放流警報放送の音声信号を電力増幅しスピーカ2jを駆動して放流警報をスピーカ2jより放送する。
上記したように本発明の第1実施形態による放送起動制御によれば、全ての警報局の警報装置20に放送起動をかけた後に、各警報局の警報装置20に設けられた音声増幅器(アンプ)2iが起動することから、各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカ2jからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0056】
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
図4は本発明の第2実施形態による放流警報装置20の要部の構成を示すブロック図であり、ここでは図1と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
この第2実施形態は、制御監視局の制御対象下にある各警報局のスピーカ2jを駆動する警報出力回路上に、上記受信信号に含まれる、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分を除去する、即ち放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分を除去するフィルタを介在して、制御監視局の放送起動制御は既存のままで、放送起動制御時に於ける放送起動信号の伝送に伴うスピーカ2jからの雑音(漏音)放送を防止する構成としたものである。
【0058】
図4に於いて、2mは制御監視局より受信した制御信号をもとに警報制御部2hを制御する受信制御部である。2nは順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分を除去するフィルタ回路であり、ここでは警報制御部2hに前置されて、警報制御部2hに入力される放送用信号の放送起動信号順次伝送時に於ける漏音信号成分を除去する。
【0059】
上記構成に於いて、制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、警報放送に先立ち、制御対象下に置かれた各警報局の警報装置20に対して所定の順序で、順次、放送起動信号を伝送する。
【0060】
上記各警報局の警報装置20に設けられた受信制御部2mは変復調部2cの復調回路を介して所定の順次制御モードによる放送起動信号を受信すると、警報制御部2hを介して音声増幅器2iを起動制御する。
【0061】
ここで上記放送起動制御時に於いては、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し、従来では雑音(漏音)として放送されてしまうが、この実施形態では、警報制御部2hの前段にフィルタ回路2nが介挿され、当該フィルタ回路2nによって、警報制御部2hに入力される放送用信号に含まれる放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分がカットされる。
【0062】
これにより、音声増幅器2iに入力される信号から、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分のみが除去され、従って制御信号の漏洩による雑音(漏音)のない警報放送が可能となる。
【0063】
次に、図5を参照して本発明の第3実施形態を説明する。
図5は本発明の第3実施形態による放流警報装置20の要部の構成を示すブロック図であり、ここでは図1と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
この第3実施形態は、制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延回路と、この遅延回路の遅延時間内に於いて制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定回路と、この判定回路より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する警報制御部とを具備して、遅延回路で受信信号を遅らせている間に、判定回路で受信信号を判定し、不用信号(漏音信号)のみをカットすることにより、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送を防止する構成としたものである。即ち、順次制御モード下での放送起動信号の伝送時等に於ける制御系信号の受信時に於いては放送禁止制御信号によりスピーカを駆動する音声増幅器の動作が禁止され、放送用信号を受信した際に、上記判定処理に要する時間分の遅延をもって当該放送用信号に従う警報放送が行なわれることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に欠落が生じることなく、放送用信号に従った確実な警報放送が可能となる。
【0065】
図5に於いて、2uは制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定する判定回路であり、放送用信号でないとき放送禁止制御信号を警報制御部2hに送出する。
【0066】
2vは警報制御部2hに前置された遅延回路であり、警報制御部2hに入力される放送用信号を上記判定回路2uの判定動作所要時間をもって遅延する。
上記構成に於いて、制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、警報放送に先立ち、制御対象下に置かれた各警報局の警報装置20に対して所定の順序で、順次、放送起動信号を伝送する。
【0067】
上記各警報局の警報装置20に設けられた受信制御部2mは変復調部2cの復調回路を介して所定の順次制御モードによる放送起動信号を受信すると、警報制御部2hを介して音声増幅器2iを起動制御する。
【0068】
ここで上記放送起動制御時に於いては、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し、従来では雑音(漏音)として放送されてしまうが、この実施形態では、遅延回路2vで受信信号を遅らせている間に、判定回路2uで受信信号を判定し、その判定信号をもとに警報制御部2hが不用信号(漏音信号)のみをカットする。これにより、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送が防止され、かつ欠落の無い正しい警報放送が行なわれる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴う漏音放送を防止する機能を備えた放流警報システム、及び放流警報装置が提供できる。
【0070】
即ち、本発明によれば、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、上記制御監視局には、放流警報放送の開始に際し、所定の順次制御モードで上記各警報局に順次放送起動をかけ、制御対象にある全ての警報局に放送起動をかけた後に当該各警報局に一斉に特定制御信号を送出する手段を設け、上記警報局には、放送起動後、上記特定制御信号を受けてスピーカのアンプを動作可状態にする手段を設けて、上記各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)出力を防止する構成としたことにより、全ての警報局に放送起動をかけた後に、各警報局のアンプが動作可状態となることから、各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0071】
また、本発明によれば、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、所定の順次制御モードによる放送起動信号の受信後、一斉制御による特定の制御信号(スピーカラインオン信号)を受信することにより、スピーカのアンプ(音声増幅器)を動作可状態にする手段を有してなる構成としたことにより、順次制御モードによる放送起動信号の受信のみではスピーカを駆動するアンプが動作可状態に至らず、全ての警報局に放送起動信号が送出された後のスピーカラインオン信号を受信して、はじめてアンプが動作可状態となることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0072】
また本発明によれば、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号に含まれる、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分(放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分)を除去するフィルタをスピーカを駆動する放送用信号路に介在してなる構成としたことにより、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に於ける制御信号(返送信号を含む)の可聴音信号成分(漏音信号成分)のみをフィルタでカットして、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に従った確実な警報放送が行なえる。
【0073】
また本発明によれば、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延手段と、上記遅延手段の遅延時間内に於いて上記制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定手段と、上記判定手段より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する警報制御手段とを具備してなる構成としたことにより、遅延手段で受信信号を遅らせている間に、判定手段で受信信号を判定し、不用信号(漏音信号)のみをカットすることで、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による放流警報システムの各警報局に設けられる放流警報装置の全体の構成を示すブロック図。
【図2】上記第1実施形態による放流警報装置の要部の構成を示すブロック図。
【図3】上記第1実施形態の動作を説明するためのタイムチャート。
【図4】本発明の第2実施形態による放流警報装置の要部の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第3実施形態による放流警報装置の要部の構成を示すブロック図。
【図6】本発明で対象とする放流警報システムの構成を示すブロック図。
【図7】上記図6に示す放流警報システムの一構成要素をなす制御監視局の制御監視装置で扱う放流警報水系図の画面構成例を示す図。
【図8】上記図6に示す放流警報システムの漏洩雑音(漏音)の発生タイミングを示す図。
【符号の説明】
20…警報装置、
2a…基本制御部、
2b…無線装置、
2c…変復調部、
2d…伝送制御部、
2e…集音返送部、
2f…集音マイクロフォン、
2g…集音レベル判定部、
2h…警報制御部、
2i…音声増幅器(アンプ)、
2j…スピーカ(ラウドスピーカ)、
2k…チャイム音出力部、
2m…受信制御部、
2n…フィルタ回路、
2p…インピーダンス判定部、
2q…音声発生部、
2r…出力制御部、
2s…アンプ起動制御部、
2u…判定回路、
2v…遅延回路。
【発明の属する技術分野】
本発明は、、及び同システムに適用される放流警報装置に関する。
更に本発明は、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等による順次制御モード下での放送起動信号伝送時に於ける漏音の防止機能を備えた放流警報システム、及び同システムに適用される放流警報装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川及びダムの管理用として設置する放流警報システムの構成を図6及び図7を参照して説明する。
図6は本発明で対象とする、建設省仕様による放流警報システムの構成を示すブロック図であり、図7は当該放流警報システムの一構成要素をなす制御監視局の制御監視装置で扱う放流警報水系図の画面構成例を示す図である。
【0003】
図6に於いて、制御監視局1は、スピーカ警報局2(A)、及びサイレン警報局2(B)を呼出制御することにより、疑似音吹鳴、サイレン吹鳴、及び音声放送等の動作を行なわせる。また、呼出制御を受けた警報局2から返送される返送信号により警報局2の動作状況の印字及び表示を行なう。
【0004】
スピーカ警報局2(A)は、疑似音吹鳴、及び音声放送等の動作を行なうとともに、動作状況を制御監視局1へ返送する。この際の音声放送には、制御監視局1からのマイクロフォン放送、親局音声発生による放送、子局音声発生による放送等がある。
【0005】
サイレン警報局2(B)は、制御監視局1からの呼出制御により、サイレン吹鳴、疑似音吹鳴、及び音声放送等の動作を行なうとともに、動作状況を制御監視局1へ返送する。
【0006】
制御監視局1と警報局2,2,…との間の伝送路内に無線回線の中継局3が介在するシステム構成では、制御監視局1が、上記各警報局2,2,…の制御に先立ち、中継局3を自動的に起動させ、同一中継局を利用する最終の中継局3の制御終了後、中継動作を終了する。
【0007】
尚、制御監視局1と警報局2,2,…との間(中継局3が介在される場合も含む)の無線伝送には、建設省70MHZ帯無線装置、又は建設省400MHZ帯無線装置(図中の無線装置)が用いられる。
【0008】
制御監視局1は複数の各警報局2,2,…に対して一斉に、又は所定の順序に従い、放流警報の制御を行なう。この際の制御モードには、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、ブロックタイマー順次制御モード、全局一斉制御モード、ブロック一斉制御モード等がある。
【0009】
全局順次制御モードは、全警報局2,2,…に対して局間タイマーを設けず、予め定められた順序に従って制御する方式である。ブロック順次制御モードは、全警報局2,2,…を複数ブロックに分割し、ブロック内を局間タイマーを設けず、予め定められた順序に従って制御する方式である。タイマー順次制御モードは、全警報局2,2,…を局間タイマーの設定時間に従い、予め定められた順序に従って制御する方式である。ブロックタイマー順次制御モードは、全警報局2,2,…を複数ブロックに分割し、ブロック内を局間タイマーの設定時間に従い、予め定められた順序に従って制御する方式である。全局一斉制御モードは、全警報局2,2,…を一斉に制御する方式である。ブロック一斉制御モードは、全警報局2,2,…を複数ブロックに分割し、ブロック内を一斉に制御する方式である。上記各順次制御モードに於いては各警報局の順次制御毎に返送信号による確認動作が伴う。
【0010】
制御監視局1からの制御による警報動作には、サイレン、サイレン疑似音等の他に、マイクロフォン放送等の音声放送が含まれる。マイクロフォン等による音声放送制御が行なわれた場合は、約5秒間、チャイム音放送を自動的に行ない、その後、制御監視局1から送出される音声を放送する。また、放送終了後は、制御監視局1からの放送停止制御により約5秒間のチャイム音を自動的に放送した後、放送動作を終了する。
【0011】
各警報局2,2,…は、制御監視局1の制御に従い、自警報局2の動作内容を示す返送信号を送出する。例えば上記各順次制御モード下に於いては、制御監視局1から所定の順序で各警報局2,2,…に、順次、放送起動信号が無線(又は有線)により送信され、各警報局2,2,…は放送起動信号を受信するとスピーカを駆動するためアンプを起動するとともに、返送信号を制御監視局1に返送する。
【0012】
この際の返送信号には、可聴音と、動作確認信号、及び警報局状態信号等が含まれる。即ち、サイレン、又はサイレン疑似音の制御が行なわれたときは、そのサイレン音又は疑似音を集音して約5秒間返送する。更に続いて、サイレン吹鳴、疑似音吹鳴等を表わす動作確認信号、及び警報局状態信号等を返送する。
【0013】
また、マイクロフォン等による音声放送制御が行なわれたときは、チャイム音を約5秒間放送するとともに、これを集音して返送する。更に続いて、音声増幅器の起動を表わす動作確認信号、及び警報局状態信号等を返送する。
【0014】
放送停止制御が行なわれたときも、チャイム音を約5秒間放送するとともに、これを集音して返送する。更に続いて、音声増幅器の停止を表わす動作確認信号、及び警報局状態信号等を返送する。
【0015】
上記した処理機能以外に、点検、監視、印字等の処理機能があるが、ここではその説明を省略する。
上記したような構成をなす放流警報システムに於いて、従来では、警報局2,2,…の順次制御による起動動作時に於いて、起動済みの警報局より、可聴音信号の伝送に伴う漏洩雑音(漏音)が発生するという問題が生じていた。
【0016】
即ち、制御監視局1が、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等により、制御対象下にある各警報局2,2,…に対して1局目の警報局2から最後の警報局2まで、順次、放流警報放送の制御を行なう際、その制御期間内に於いて、起動済みの警報局2から、以降起動する警報局2の制御信号(返送信号を含む)が漏洩雑音
(漏音)として放送されてしまう。
【0017】
この際の漏洩雑音(漏音)の発生タイミングを図8に示している。ここでは、放流警報放送に先立ち、上記したような所定の順次制御モードで、制御対象下にある各警報局(A局→B局→C局…)に順次、放送起動信号を伝送して上記各警報局(A局→B局→C局…)の放送出力用アンプを起動する際、その起動制御期間内に於いて、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し雑音(漏音)として放送されてしまう。この雑音(漏音)は、放流警報放送時のみでなく、放流警報動作の点検、確認時等に於いても、その都度、周囲の住民に騒音として送出されてしまう。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来では、制御監視局が、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等の順次制御モードにより、制御対象下にある各警報局に対して1局目の警報局から最後の警報局まで、順次、放流警報放送の制御を行なう際、その制御期間内に於いて、起動済みの警報局から、以降起動する警報局の制御信号が漏洩雑音 (漏音)として放送され、放流警報動作の点検、確認時等に於いて、その都度、周囲の住民に騒音として伝達されてしまうという不都合な問題があった。
【0019】
本発明は上記実情に鑑みなされたもので、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴う漏音放送を防止する機能を備えた放流警報システム、及び放流警報装置を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、上記制御監視局には、放流警報放送の開始に際し、所定の順次制御モードで上記各警報局に順次放送起動をかけ、制御対象にある全ての警報局に放送起動をかけた後に当該各警報局に一斉に特定制御信号を送出する手段を設け、上記警報局には、放送起動後、上記特定制御信号を受けてスピーカのアンプを動作可状態にする手段を設けて、上記各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)出力を防止する構成としたことを特徴とする。
【0021】
上記構成によれば、全ての警報局に放送起動をかけた後に、各警報局のアンプが動作可状態となることから、各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0022】
また、本発明は、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、所定の順次制御モードによる放送起動信号の受信後、一斉制御による特定の制御信号(スピーカラインオン信号)を受信することにより、スピーカのアンプ(音声増幅器)を動作可状態にする手段を有してなる構成としたことを特徴とする。
【0023】
上記構成によれば、順次制御モードによる放送起動信号の受信のみではスピーカを駆動するアンプが動作可状態に至らず、全ての警報局に放送起動信号が送出された後のスピーカラインオン信号を受信して、はじめてアンプが動作可状態となることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0024】
また本発明は、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号に含まれる、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分(放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分)を除去するフィルタを放送用信号路上に介在して設けたことを特徴とする。
【0025】
上記構成によれば、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に於ける制御信号(返送信号を含む)の可聴音信号成分(漏音信号成分)のみをフィルタでカットすることにより、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に従った確実な警報放送が行なえる。
【0026】
また本発明は、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延手段と、上記遅延手段の遅延時間内に於いて上記制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定手段と、上記判定手段より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する警報制御手段とを具備してなることを特徴とする。
【0027】
上記構成によれば、遅延手段で受信信号を遅らせている間に、判定手段で受信信号を判定し、不用信号(漏音信号)のみをカットすることにより、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送を防止することができる。即ち、順次制御モード下での放送起動信号の伝送時等に於ける制御系信号の受信時に於いては放送禁止制御信号によりスピーカを駆動する音声増幅器の動作が禁止され、放送用信号を受信した際に、上記判定処理に要する時間分の遅延をもって当該放送用信号に従う警報放送が行なわれることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に欠落が生じることなく、放送用信号に従った確実な警報放送が行なえる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
図1は本発明の第1実施形態による放流警報システムの各警報局に設けられる放流警報装置の全体の構成を示すブロック図である。
【0029】
図1に於いて、20は放流警報システムの警報局に設けられた警報装置であり、システム上では図6に示すスピーカ警報装置(又はサイレン警報装置)に相当する。
【0030】
2aは放流警報装置全体の制御を司る基本制御部であり、各入出力制御部の入出力制御、受信符号の判定等を行なう。また無線装置を介して制御監視局(図6に示す制御監視局1に相当)との間で、放送起動信号を含む各種の制御信号、可聴音を伴う返送信号、警報放送信号、監視情報等を授受する。
【0031】
2bは上記基本制御部2aの制御の下に、制御監視局との間で上記したような各種の情報を送受する無線装置であり、建設省70MHZ帯無線装置、又は建設省400MHZ帯無線装置により構成される。
【0032】
2cは無線装置2bに接続された変復調部であり、パルス符号を周波数変調信号に変換する変調回路と、周波数変調信号をパルス符号に変換する復調回路等を有して構成される。
【0033】
2dは基本制御部2aに接続されたバスと無線装置2bとの間に介在された伝送制御部であり、制御監視局の制御監視装置との間のデータ伝送手順を管理するとともに、符号の送受信制御を行なう。
【0034】
2eは集音返送部であり、警報制御部2hの制御の下に、起動後、約5秒間、可聴音を返送する機能を有するとともに、集音マイクロフォン2fで集音した出力音声信号を返送する。尚、複数の集音マイクロフォンがある場合は、そのいずれかを用いて集音した音声信号を返送する。
【0035】
2fは集音マイクロフォンであり、スピーカ2jより出力されるチャイム放送及びサイレン疑似音等の警報放送出力を集音し集音返送部2eに出力する。
2gは集音レベル判定部であり、集音マイクロフォン2fで集音した音のレベルを判定する。集音の対象は、ここでは、サイレン疑似音、チャイム音、及び放送音等である。これらのレベル判定は、予め設定された、音圧レベル、吹鳴パターン精度等を含む規定された値に基づいて行なわれる。
【0036】
2hは警報制御部であり、基本制御部2aの制御の下に、サイレン疑似音制御、及び放送制御を行なう。ここでは音声増幅器2iとの間の信号伝送路上に於いて、順次制御モード下での放送起動の際に、同一制御監視局の制御対象にある全ての警報局に放送起動信号が送出されるまで、音声増幅器2iへの信号入力が断たれ、スピーカ2jからの放送出力が禁止される。
【0037】
2iは音声増幅器(アンプ)であり、警報制御部2hより出力されるサイレン疑似音、チャイム音、及び放送音等の警報放送信号を入力し電力増幅してスピーカ2jを駆動する。
【0038】
2jは音声増幅器2iの出力信号に従い、サイレン疑似音、チャイム音、及び放送音等の警報放送を所定の地域に放送出力するスピーカ(ラウドスピーカ)であり、ここでは2乃至4方向型で、入力1ワットに於ける正面軸上1メートルの地点で音圧が104デシベル(dB)以上確保できる出力音圧特性をもつ構成のものが使用される。
【0039】
2kはチャイム音出力部であり、放送起動後の放送開始前、及び放送終了後に所定の単位時間をもって出力(放送)される。この際のチャイム音は、電子音による4打音(ド−ミ−ソ−ド(高)、及びド−ソ−ミ−ド)である。
【0040】
2pはインピーダンス判定部であり、点検制御時にスピーカ2jのインピーダンスを測定し、所定の規格(インピーダンス正常範囲、検音周波数等)を満足するか否かを判定する。
【0041】
2qは音声発生部であり、テープと同様に放送内容をメモリに記憶して、起動指令により読み出され放送される。ここでは放送内容を1項目1分以内として最大3項目まで付加できる構成としている。
【0042】
2rは警報放送の放送起動時に於けるスピーカ2jの出力を規制する出力制御部であり、制御監視局から、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等による順次制御モード下で放送起動信号を受けた際、続いて制御監視局から特定の一斉制御信号(スピーカラインオン信号;図3(e)の一斉ラインON信号参照)を受けるまで、スピーカ2jのアンプ起動を禁止するスピーカラインオン/オフ制御信号 (図3(h)参照)を出力する。
【0043】
2sは上記スピーカラインオン/オフ制御信号(図3(h)参照)を受けて音声増幅器2iを起動制御するアンプ起動制御部であり、ここでは、スピーカラインオン/オフ制御信号がラインオン状態となるまで、音声増幅器2iの信号入力端を警報制御部2hの放送用信号出力端より切放し、接地(グランド)レベルに落として音声増幅器2iの出力を抑制している。
【0044】
尚、ここでは音声増幅器2iの入力端を警報制御部2hの放送用信号出力端より切放し、接地レベルに落とすことで音声増幅器2iの出力を抑制する、音声増幅器2iの起動制御手段を用いているが、これに限らず、例えば音声増幅器2iのゲインコントロールによる手段、音声増幅器2iの動作電源制御による手段、音声増幅器出力側でのスピーカ/インピーダンス素子切換による手段等、他のアンプ起動制御手段に於いても実現可能である。
【0045】
図2は上記した本発明の第1実施形態による放流警報装置20の要部の構成を示すブロック図であり、ここでは図1と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0046】
図3は上記第1実施形態の動作を説明するためのタイムチャートである。
この第1実施形態に於いては、制御監視局(図6の符号1参照)が、放流警報放送の開始に際し、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等、所定の順次制御モードで、制御対象にある各警報局(図6の符号2参照)に、図3(a)〜(d)に示すように、順次、放送起動をかけ、制御対象にある全ての警報局(図3ではA〜N局)に放送起動をかけた後に、当該各警報局(A〜N局)に、一斉制御で、図3(e)に示すスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を送出する。
【0047】
上記各警報局(A〜N局)の警報装置20は、上記順次制御モード下で放送起動信号を受けると、音声増幅器2iを起動するが、続いて制御監視局からスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を受けるまでは、音声増幅器2iの信号入力端が警報制御部2hの放送用信号出力端より切放され、接地(グランド)レベルとなって動作が禁止された状態にあることからスピーカ2jは無音状態 (非駆動状態)にあり、図3(e)に示すスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を受信して、はじめてスピーカ2jが動作可能となる。この際は、制御監視局より受信したスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)が変復調部2cの復調回路を介して出力制御部2rに入力されることにより、出力制御部2rからアンプ起動制御部2sに、図3(h)に示すようにラインオンレベルのスピーカラインオン/オフ制御信号が出力され、これによりアンプ起動制御部2sが音声増幅器2iの信号入力端を接地(グランド)レベルから開放し、警報制御部2hの放送用信号出力端に接続して、音声増幅器2iの動作禁止状態が解除され、スピーカ2jの出力動作が可能な状態(放送可能状態)となる。
【0048】
ここで上記図1乃至図3を参照して本発明の第1実施形態に於ける動作を説明する。
図6に示すような構成をなす放流警報システムに於いて、制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、警報放送に先立ち、制御対象下に置かれた各警報局の警報装置20に対して所定の順序で図3(a)に示すように、順次、放送起動信号を伝送する。
【0049】
この放送起動信号を受信した各警報局の警報装置20は、順次制御モード下で放送起動信号を受けると、当該信号に従い、図3(b)乃至(d)に示すように、音声増幅器2iを起動制御する。この放送起動制御時に於いては、未だ出力制御部2rが変復調部2cを介してスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を受けていないことから、音声増幅器2iの信号入力端を警報制御部2hの放送用信号出力端より切放し、接地(グランド)レベルにして、音声増幅器2iを動作禁止状態にしている。従ってスピーカ2jは作動せず無音状態(非駆動状態)にある。
【0050】
ここで上記放送起動制御時に於いては、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し、従来では雑音(漏音)として放送されてしまうが、この実施形態では、上記したように放送起動制御時に於いて音声増幅器2iの信号入力端が警報制御部2hの放送用信号出力端より切放され、接地(グランド)レベルにあって、音声増幅器2iが動作禁止状態にあり、スピーカ2jが無音状態(非駆動状態)にあることから、上記雑音(漏音)放送は回避される。
【0051】
制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、制御対象下に置かれた全ての警報局の警報装置20に対して、順次、放送起動信号を伝送した後、当該各警報局に対して一斉に、図3(e)に示すスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を伝送する。
【0052】
各警報局の警報装置20の出力制御部2rは、変復調部2cの復調回路を介し、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後、放送起動信号を受けると、アンプ起動制御部2sに、図3(h)に示すようにラインオンレベルのスピーカラインオン/オフ制御信号を出力する。これによりアンプ起動制御部2sは音声増幅器2iの信号入力端を接地(グランド)レベルから開放し、警報制御部2hの放送用信号出力端に接続して、音声増幅器2iの動作禁止状態を解除し、スピーカ2jの出力動作が可能な状態(放送可能状態)にする。
【0053】
制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、制御対象下に置かれた全ての警報局の警報装置20に対して、一斉にスピーカラインオン信号(一斉ラインON信号)を伝送した後、既存システムと同様に、上記各警報局の警報装置20に対して一斉に放流警報放送の音声信号を伝送し、その後、一斉放送停止信号を伝送する。
【0054】
各警報局の警報装置20に設けられた警報制御部2hは、変復調部2cの復調回路を介して上記放流警報放送の音声信号を受けると、当該音声信号をアンプ起動制御部2sを介して音声増幅器2iに送出する。
【0055】
音声増幅器2iは警報制御部2hより入力した放流警報放送の音声信号を電力増幅しスピーカ2jを駆動して放流警報をスピーカ2jより放送する。
上記したように本発明の第1実施形態による放送起動制御によれば、全ての警報局の警報装置20に放送起動をかけた後に、各警報局の警報装置20に設けられた音声増幅器(アンプ)2iが起動することから、各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカ2jからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0056】
次に、図4を参照して本発明の第2実施形態を説明する。
図4は本発明の第2実施形態による放流警報装置20の要部の構成を示すブロック図であり、ここでは図1と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0057】
この第2実施形態は、制御監視局の制御対象下にある各警報局のスピーカ2jを駆動する警報出力回路上に、上記受信信号に含まれる、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分を除去する、即ち放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分を除去するフィルタを介在して、制御監視局の放送起動制御は既存のままで、放送起動制御時に於ける放送起動信号の伝送に伴うスピーカ2jからの雑音(漏音)放送を防止する構成としたものである。
【0058】
図4に於いて、2mは制御監視局より受信した制御信号をもとに警報制御部2hを制御する受信制御部である。2nは順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分を除去するフィルタ回路であり、ここでは警報制御部2hに前置されて、警報制御部2hに入力される放送用信号の放送起動信号順次伝送時に於ける漏音信号成分を除去する。
【0059】
上記構成に於いて、制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、警報放送に先立ち、制御対象下に置かれた各警報局の警報装置20に対して所定の順序で、順次、放送起動信号を伝送する。
【0060】
上記各警報局の警報装置20に設けられた受信制御部2mは変復調部2cの復調回路を介して所定の順次制御モードによる放送起動信号を受信すると、警報制御部2hを介して音声増幅器2iを起動制御する。
【0061】
ここで上記放送起動制御時に於いては、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し、従来では雑音(漏音)として放送されてしまうが、この実施形態では、警報制御部2hの前段にフィルタ回路2nが介挿され、当該フィルタ回路2nによって、警報制御部2hに入力される放送用信号に含まれる放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分がカットされる。
【0062】
これにより、音声増幅器2iに入力される信号から、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分のみが除去され、従って制御信号の漏洩による雑音(漏音)のない警報放送が可能となる。
【0063】
次に、図5を参照して本発明の第3実施形態を説明する。
図5は本発明の第3実施形態による放流警報装置20の要部の構成を示すブロック図であり、ここでは図1と同一部分に同一符号を付して、その説明を省略する。
【0064】
この第3実施形態は、制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延回路と、この遅延回路の遅延時間内に於いて制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定回路と、この判定回路より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する警報制御部とを具備して、遅延回路で受信信号を遅らせている間に、判定回路で受信信号を判定し、不用信号(漏音信号)のみをカットすることにより、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送を防止する構成としたものである。即ち、順次制御モード下での放送起動信号の伝送時等に於ける制御系信号の受信時に於いては放送禁止制御信号によりスピーカを駆動する音声増幅器の動作が禁止され、放送用信号を受信した際に、上記判定処理に要する時間分の遅延をもって当該放送用信号に従う警報放送が行なわれることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に欠落が生じることなく、放送用信号に従った確実な警報放送が可能となる。
【0065】
図5に於いて、2uは制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定する判定回路であり、放送用信号でないとき放送禁止制御信号を警報制御部2hに送出する。
【0066】
2vは警報制御部2hに前置された遅延回路であり、警報制御部2hに入力される放送用信号を上記判定回路2uの判定動作所要時間をもって遅延する。
上記構成に於いて、制御監視局の制御監視装置(図6の符号1参照)は、警報放送に先立ち、制御対象下に置かれた各警報局の警報装置20に対して所定の順序で、順次、放送起動信号を伝送する。
【0067】
上記各警報局の警報装置20に設けられた受信制御部2mは変復調部2cの復調回路を介して所定の順次制御モードによる放送起動信号を受信すると、警報制御部2hを介して音声増幅器2iを起動制御する。
【0068】
ここで上記放送起動制御時に於いては、起動済みの警報局(例えばA局)から、以降起動する警報局(B局→C局…)の放送起動(返送信号を含む)に伴う可聴周波数信号が漏洩し、従来では雑音(漏音)として放送されてしまうが、この実施形態では、遅延回路2vで受信信号を遅らせている間に、判定回路2uで受信信号を判定し、その判定信号をもとに警報制御部2hが不用信号(漏音信号)のみをカットする。これにより、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送が防止され、かつ欠落の無い正しい警報放送が行なわれる。
【0069】
【発明の効果】
以上詳記したように本発明によれば、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴う漏音放送を防止する機能を備えた放流警報システム、及び放流警報装置が提供できる。
【0070】
即ち、本発明によれば、1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、上記制御監視局には、放流警報放送の開始に際し、所定の順次制御モードで上記各警報局に順次放送起動をかけ、制御対象にある全ての警報局に放送起動をかけた後に当該各警報局に一斉に特定制御信号を送出する手段を設け、上記警報局には、放送起動後、上記特定制御信号を受けてスピーカのアンプを動作可状態にする手段を設けて、上記各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)出力を防止する構成としたことにより、全ての警報局に放送起動をかけた後に、各警報局のアンプが動作可状態となることから、各警報局が順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0071】
また、本発明によれば、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、所定の順次制御モードによる放送起動信号の受信後、一斉制御による特定の制御信号(スピーカラインオン信号)を受信することにより、スピーカのアンプ(音声増幅器)を動作可状態にする手段を有してなる構成としたことにより、順次制御モードによる放送起動信号の受信のみではスピーカを駆動するアンプが動作可状態に至らず、全ての警報局に放送起動信号が送出された後のスピーカラインオン信号を受信して、はじめてアンプが動作可状態となることから、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができる。
【0072】
また本発明によれば、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号に含まれる、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に発生する可聴周波数に相当する特定可聴周波数帯の信号成分(放送起動信号順次伝送時の漏音信号成分)を除去するフィルタをスピーカを駆動する放送用信号路に介在してなる構成としたことにより、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に於ける制御信号(返送信号を含む)の可聴音信号成分(漏音信号成分)のみをフィルタでカットして、順次制御モード下で放送起動信号を受けた後の他の警報局への放送起動信号の伝送に伴うスピーカからの雑音(漏音)放送を確実に防止することができるとともに、受信した放送用信号に従った確実な警報放送が行なえる。
【0073】
また本発明によれば、放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置に於いて、上記制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延手段と、上記遅延手段の遅延時間内に於いて上記制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定手段と、上記判定手段より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する警報制御手段とを具備してなる構成としたことにより、遅延手段で受信信号を遅らせている間に、判定手段で受信信号を判定し、不用信号(漏音信号)のみをカットすることで、順次制御による放送起動信号の伝送時に於ける雑音(漏音)放送を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による放流警報システムの各警報局に設けられる放流警報装置の全体の構成を示すブロック図。
【図2】上記第1実施形態による放流警報装置の要部の構成を示すブロック図。
【図3】上記第1実施形態の動作を説明するためのタイムチャート。
【図4】本発明の第2実施形態による放流警報装置の要部の構成を示すブロック図。
【図5】本発明の第3実施形態による放流警報装置の要部の構成を示すブロック図。
【図6】本発明で対象とする放流警報システムの構成を示すブロック図。
【図7】上記図6に示す放流警報システムの一構成要素をなす制御監視局の制御監視装置で扱う放流警報水系図の画面構成例を示す図。
【図8】上記図6に示す放流警報システムの漏洩雑音(漏音)の発生タイミングを示す図。
【符号の説明】
20…警報装置、
2a…基本制御部、
2b…無線装置、
2c…変復調部、
2d…伝送制御部、
2e…集音返送部、
2f…集音マイクロフォン、
2g…集音レベル判定部、
2h…警報制御部、
2i…音声増幅器(アンプ)、
2j…スピーカ(ラウドスピーカ)、
2k…チャイム音出力部、
2m…受信制御部、
2n…フィルタ回路、
2p…インピーダンス判定部、
2q…音声発生部、
2r…出力制御部、
2s…アンプ起動制御部、
2u…判定回路、
2v…遅延回路。
Claims (4)
- 1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに於いて、
上記制御監視局に、
放流警報放送の開始に際し、所定の順次制御モードで上記各警報局に順次放送起動信号を送出し、制御対象にある全ての警報局に放送起動信号を送出した後、当該各警報局に一斉に特定制御信号を送出する手段を設け、
上記各警報局に、
上記放送起動信号受信後、上記特定制御信号を受けることにより、スピーカ駆動を可能にする手段を設けてなることを特徴とする放流警報システム。 - 1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置であって、
上記制御監視局から、全局順次制御モード、ブロック順次制御モード、タイマー順次制御モード、又はブロックタイマー順次制御モード等による順次制御モード下で放送起動信号を受けた際、続いて上記制御監視局から特定の一斉制御信号を受けるまで放送出力を禁止する制御手段を設けてなることを特徴とする放流警報装置。 - 1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置であって、
上記制御監視局より受信した信号に含まれる特定可聴周波数帯の信号成分を除去するフィルタをスピーカを駆動する放送用信号路に介在し、当該フィルタにより、順次制御モード下での放送起動信号順次伝送時に於ける漏音信号を除去したことを特徴とする放流警報装置。 - 1制御監視局が複数の警報局を制御下に置く放流警報システムに適用される警報局の放流警報装置であって、
上記制御監視局より受信した信号を所定時間遅延する遅延手段と、
上記遅延手段の遅延時間内に於いて上記制御監視局より受信した信号が放送用信号であるか否かを判定し放送用信号でないとき放送禁止制御信号を出力する判定手段と、
上記判定手段より出力される放送禁止制御信号をもとに警報放送の出力を制御する出力制御手段と
を具備してなることを特徴とする放流警報装置。
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