JP3699362B2 - タイヤ加硫金型、及びタイヤの製造方法 - Google Patents

タイヤ加硫金型、及びタイヤの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、タイヤ加硫中における空気の排出性を高めサイドウォール部の成形不良を減じるのに役立つタイヤ加硫金型、及びタイヤの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
タイヤは、未加硫のゴムで成型した生カバーをタイヤ加硫金型で加硫成形することにより製造される。タイヤ加硫金型は成形面を具え、この成形面に生カバーのゴムを密着させることで意図するタイヤ形状を得る。ところが、金型の成形面と生カバーとの間に空気が介在すると、生カバーのゴムが前記成形面に密着し得ない。このような場合、成形されたタイヤには、あばた状をなすベアと称される成型不良が生じる。特に、タイヤのサイドウォール部は、タイヤブランド名や製造メーカを示す文字、模様等が凹凸によって形成されているため、成形面と生カバーとの間に空気が溜まりやすく、ベアの発生が生じ易い。
【0003】
従来より、加硫中の金型内の空気を排気する方法として、成型面に空気抜き用のベントホール(直径約0.1〜2mm)を多数穿設することが行われている。しかしながら、この方法ではベントホール内に浸入したゴムがタイヤの表面にひげ状のスピューとなって残存するため、ベントホールをサイドウォール部の成型面に主体的に用いるとタイヤの外観が損なわれ易い。
【0004】
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、タイヤの外観を損ねることなく加硫中における空気の排出性を高め、サイドウォール部の成形不良を減じるのに役立つタイヤ加硫金型、及びタイヤの製造方法を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本件請求項1に係る発明は、タイヤのサイドウォール部を成形するサイドウォール成形面を具えたサイドプレートを有するタイヤ加硫金型であって、
前記サイドプレートは、サイドプレート本体と、このサイドプレート本体に形成した孔部に嵌め込まれた嵌め込み片とを含むとともに、
前記サイドウォール成形面を、前記サイドプレート本体がなす主面と、前記嵌め込み片がなす補助面とを含んで形成し、しかもサイドプレート本体と前記嵌め込み片との間に空気が通過可能な微小隙間を有するとともに、
前記微小間隙の巾を5μmよりも大かつ100μm以下とし、
しかも、補助面を主面から小深さdで凹ませ、かつ前記孔部のサイドウォール成形面側の周縁部を0.1〜3.0mmの曲率半径Raの円弧で面取りする一方、
前記孔部は、サイドウォール成形面に対する法線Nに対して小角度θでかつ孔部の開口面積が外部に向かって減じる向きに傾く少なくとも一つの狭持面を具え、かつ嵌め込み片にこの狭持面に沿う嵌着面を設けて該嵌め込み片を前記孔部に嵌め込ませ、
又は前記孔部の前記内周面をサイドウォール成形面に対して直角に形成し、かつ嵌め込み片の外周面を、前記内周面と嵌合する小長さの平坦面と、内周面から離間する向きに傾く傾斜面とで構成し、前記嵌め込み片を前記孔部に嵌め合わせることを特徴とするタイヤ加硫金型。
【0006】
また請求項2記載の発明は、前記嵌め込み片は、前記補助面の表面積を50〜 mm 2 とし、かつこの補助面を貫通する空気抜き用のベントホールを有していないことを特徴とし、かつ請求項3に係る発明は、前記補助面の輪郭は文字又は模様をなすこと、請求項4に係る発明は、前記小深さdが0.1〜3.5 mm であることを特徴とする
【0007】
さらに請求項5に係る発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のたタイヤ加硫金型を用いてタイヤを加硫成形することを特徴とするタイヤの製造方法。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下本発明の実施の一形態を図面に基づき説明する。
図1は本実施形態のタイヤ加硫金型1の断面図、図2はその部分拡大図、図3はその要部斜視図をそれぞれ示している。図においてタイヤ加硫金型1は、一対のサイドプレート2、2と、そのタイヤ半径方向外側に配されたトレッド成形リング3と、前記サイドプレート2のタイヤ半径方向内側に配されたビード成形リング6とを具えるものを例示している。
【0009】
前記トレッド成形リング3は、例えばタイヤ周方向に分割された複数個のセグメント3aを連結することにより環状に形成されるものである。またトレッド成形リング3は、少なくともタイヤTのトレッド部Dを成形しうるトレッド成形面7を具え、タイヤTに所望のトレッドパターンを付与しうる。トレッド成形リング3を構成する各セグメント3aは、図示しない移動機構によってタイヤ半径方向内外に移動できる。
【0010】
前記サイドプレート2、2は、本例ではタイヤ周方向に連続した一体ものを示しているが、トレッド成形リング3と同様、分割された複数個のセグメントを連結してタイヤ周方向に連続するものでも良い。このサイドプレート2は、図示しない移動機構によりタイヤ軸方向内外に移動でき、トレッド成形リング3の移動と相まってタイヤTを該タイヤ加硫金型1から容易に取り外しできる。
【0011】
またサイドプレート2は、そのタイヤ軸方向内側面にタイヤTのサイドウォール部Sを成形するサイドウォール成形面4を具える。さらにサイドプレート2は、本例ではタイヤ半径方向外端側が前記トレッド成形リング3に連なりかつタイヤ半径方向内端側がタイヤTのビード部Bを保持成形するビード成形リング6に連なるサイドプレート本体2aと、このサイドプレート本体2aに嵌め込まれた1以上の嵌め込み片2bとからなるものを例示している。これらは適宜の金属材料で形成され、本実施形態ではともに鉄を主体とした同一の金属材料によって形成されたものを示すが、特に限定はされない。
【0012】
前記嵌め込み片2bは、図2、図3に示すように、前記サイドプレート本体2aに形成した孔部11に例えばサイドウォール成形面4側から挿入されることにより嵌着されている。なお嵌め込み片2bは、前記孔部11から取り外しすることができる。
【0013】
前記孔部11は、本例ではサイドプレート本体2aをタイヤ軸方向内、外に貫通するとともに嵌め込み片2bの外周面12と当接しうる内周面13を具えた透孔として形成されたものを示す。また孔部11は、図2に略示する如く、前記内周面13のうち、サイドウォール成形面4に対する法線Nに対して好ましくは3゜以下の小角度θでかつ孔部11の開口面積を減じる向きに傾く少なくとも一つの狭持面14を具える。また嵌め込み片2bには、この狭持面14に沿う嵌着面15を具え、該嵌め込み片2bをサイドウォール成形面側から孔部11に挿入していくことにより、孔部11の内周面13と嵌め込み片2bの外周面12と互い強く接触させ締まり嵌めしうる。また孔部11の構成は、上記態様に限定されるものではなく、嵌め込み片2bを嵌め込みうるものであれば種々の態様を採用しうる。例えば図8に示すように、孔部11の内周面13をサイドウォール成形面4に対して直角に形成する一方、嵌め込み片2bの外周面12は、前記内周面13と嵌合する小長さの平坦面23と、内周面13から離間する向きに傾く傾斜面24とで構成しても良い。この例では平坦面23の長さは0.5mm程度としている。また小角度θは、前記範囲と同程度としている。
【0014】
前記サイドウォール成形面4は、前記サイドプレート本体2aのタイヤ軸方向内側面なす主面4aと、前記嵌め込み片2bのタイヤ軸方向内側面がなす補助面4bとを含んで形成される。またサイドプレート本体2aと前記嵌め込み片2bとの間には、空気が通過可能な微小隙間10が形成されている。本実施形態の微小隙間10は、サイドプレート本体2aの孔部11と嵌め込み片2bとの間に凹溝等の積極的な機械加工を施してはおらず、サイドプレート本体2aの孔部11に嵌め込み片2bを密に嵌め込むような場合でも不可避的に生じる両者間の物理的な微小間隙を利用している。
【0015】
このような微小隙間は、加硫中において、タイヤT(ないし生カバーL)とサイドウォール成形面4との間の空気を金型外部に排気できかつ該微小隙間10内への多量のゴムの浸入を防止できる。従って、このような嵌め込み片2bをサイドプレート本体2aの適所の位置(例えば、タイヤ周方向及び/又はタイヤ半径方向に間隔を隔てた位置)、さらには空気が溜まりやすい位置に設けることにより、スピューをサイドウォール部Sに形成することなし、或いはスピューの本数を減じつつ、サイドウォール部Sで空気の排気を可能としうる。これによりタイヤTのサイドウォール部Sにおけるベア等の成形不良を防止しうる。なお図8では前記孔部は、有底状の孔として図示されているが、加硫中において、タイヤT(ないし生カバーL)とサイドウォール成形面4との間の空気を微小隙間を通り 金型外部に排気できる図示しない通路を孔部が具えることは明らかである
【0016】
前記微小隙間10は、特に限定はされないが、その間隙が例えば0μmよりも大かつ100μm以下、さらに好ましくは5〜10μmであるのが望ましい。前記間隙が100μmを超えると、空気の排気効率は向上するものの該隙間に多量のゴムが浸入し易くなり、成形後のタイヤTに目立つバリが形成される傾向がある。逆に前記微小隙間10の間隙が5μm未満であると、空気が通過する際の抵抗が大きく十分な排気をなし得ない傾向がある。
【0017】
このような微小隙間10は、前記嵌め込み片2bの周囲に沿って連続して形成されるのが望ましく、これによって、より広範囲の位置から効率良く空気の排出を可能としうる。また例えば孔部11の内周面13又は/及び嵌め込み片2bの外周面12の表面粗さを、主面4a及び補助面4bよりも大とすることによって、両者の境界面により複雑な経路で微小隙間10を形成することもできる。なお孔部11には、例えば真空ポンプ等を連係させることにより、前記微小隙間10からの強制的に吸気を行うことも好ましく実施しうる。
【0018】
また、サイドウォール成形面4において、前記主面4aと補助面4bとは、実質的に連続して同一平面ないし曲面を形成することもできるが、より好ましくは図2、図に示す本実施形態のように、前記嵌め込み片2bがなす補助面4bを、主面4aに対して小深さdで凹ませることが望ましい。タイヤTのサイドウォール部Sには、図4に示すように、タイヤブランド名、製造メーカ名等が加硫成形によって凸模様15として形成される。このような凸模様15は、サイドウォール成形面4に凹部を彫刻することで加硫成形される。しかし、サイドウォール成形面4に彫刻された凹部には空気が溜まりやすく、特にその表面積が大になるほど、この傾向が顕著に現れる。
【0019】
また前記凸模様15としては、図4に示したように、実質的に平らな外表面で突出しているいわゆるベタ模様15Aの他、図5に示すように、文字、図形等の輪郭線だけを小巾で突出させる袋文字模様ないし袋図形模様15Bが知られている。模様のインパクトや立体感を考慮すると、ベタ模様15Aが好ましいが、このようなベタ模様15Aを形成するサイドウォール成形面4の凹部には特に空気が溜まりやすい傾向がある。従って、一般には凸模様15をベタ模様15Aで形成する場合、その表面積が100mm 2 以上になると、図6に示すように該ベタ模様を形成する凹部20から貫通してのびる1以上のベントホール21、21を設けることが必要と考えられ、成形後にスピューが残存するものであった。
【0020】
本実施形態では、図3に示した如く、補助面4bを上述の如く主面4aに対して小深さdで凹ませるとともに、該補助面4bの輪郭がタイヤTのサイドウォール部Sに形成される凸模様15の輪郭とされている。また補助面4bは、実質的に凹凸のない滑らかな平坦面にて構成されている。タイヤ加硫金型1は、このような補助面4bを具えることにより、タイヤTのサイドウォール部Sに図4に示した前記小深さdに等しい高さの凸部15からなるベタ模様15Aを形成でき、しかもこのとき、前記サイドプレート本体2aと嵌め込み片2bとの間の微小隙間10から空気を排気しうる結果、ベタ模様15Aであっても成形不良を生じることなく精度よく成形しうる。
【0021】
発明者らの種々の実験によると、一例として補助面4bの表面積が100mm 2 以上であっても、この補助面4bから貫通してのびる空気抜き用のベントホールを形成することなしに精度良くベタ模様15Aが形成されうることが判明している。但し、補助面4bの表面積が著しく大きくなると、空気の排気が低下するため、500mm 2 以下、より好ましくは300mm 2 以下とするのが望ましい。なお本発明では、嵌め込み片2bを用いて袋文字模様15Bを成形することを排除するものではない。
【0022】
また前記小深さdは、特に限定はされないが、例えば0.1〜3.5mm、より好ましくは0.2〜2.0mm、さらに好ましくは0.5〜1.5mmとするのが望ましい。タイヤTのサイドウォール部Sに凸模様15を形成する場合、前記小深さdが0.1mm未満であると、凸模様15の立体感を十分に発揮させ得ない傾向があり、逆に3.5mmを超えると、凸模様15の高さが著しく大となって成形不良が生じやすくなる傾向がある。
【0023】
また補助面4bを主面4aから小深さdで凹ませる場合、図2に示したように、孔部11のサイドウォール成形面4側の周縁部11eを曲率半径Raの円弧で面取りすることができる。前記曲率半径Raは、特に限定されるものではないが、より好ましくは0.1〜3.0mm、さらに好ましくは0.2〜2.0mmとし、しかも前記小深さdよりも小とするのが望ましい。なお図7に示す如く、孔部11の周囲にセレーション(縞模様)形成用の凹凸部23がされているような場合には、このような面取りを省略しても良い。
【0024】
上述のように、本実施形態のタイヤ加硫金型を用いてタイヤを加硫成形することにより、タイヤTのサイドウォール部Sを精度良く成形できる。特に近年では軽量化を図るべくサイドウォール部Sのサイドウォールゴムの厚さが小のタイヤ、より好ましくはサイドウォールゴムの厚さtが1.0〜2.0mm程度に設定されたものがあるが、このようなタイヤTはサイドウォール部でのゴムの流れが少なくベアに対しては一般的に不利となる。このようなタイヤに対して本発明を採用することにより、薄いサイドウォールゴムを有するタイヤでも成形不良を減じて成形できる。
【0025】
また補助面4bを主面4aから凹ませたときには、この補助面4bを利用してサイドウォール部Sにベタ模様などを精度良く成形するのに好適である。また上述のようなサイドウォール成形面4を採用するときには、該サイドウォール成形面4からベントホールを無くすことや、或いはベントホールの数を減じることが可能となるため、サイドウォール部Sへのスピューの本数を従来に比して減じることが可能である。
【0026】
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。例えば、嵌め込み片2bは、例えば表面に凹凸を形成することによって、中抜き部分を有する文字(例えば「R」、「O」など)についてもベタ模様15A又は袋文字模様15Bなどで精度良く成形できる。また嵌め込み片2bは、2重以上の入れ子式として形成することもでき、これによってより複雑な形状の模様、文字等を成形するのに役立つ。また、本発明のタイヤ加硫金型1は、サイドプレート2以外の構成については、例示の実施形態に限定されることなく種々変形が可能であるのは言うまでもない。
【0027】
【実施例】
タイヤサイズが、195/65R15の空気入りラジアルタイヤを本発明の方法に従って製造した。実施例のものは、図3に示す形状の嵌め込み片を用いてタイヤのサイドウォール部に反転同形状のベタ模様を形成した。なお小深さdは1.0mmとし、補助面の表面積は100mm2 である。また比較例として、図6に示したように、サイドウォール成形面に、実施例の補助面と同形状の凹部を直接NCで彫り込んだタイヤ加硫金型で同サイズのタイヤを試作した(ベントホールなし)。実施例、比較例、それぞれ100本づつタイヤを加硫成形し、ベタ模様の表面にベアが生じたタイヤの本数をそれぞれ調べ、ベア発生率を求めた。比較例のタイヤ加硫金型のベア発生率を100とすると、実施例のベア発生率は「2」にまで抑えられており非常に良好な結果が得られた。
【0028】
【発明の効果】
上述したように、請求項1記載の発明では、サイドウォール成形面を、サイドプレート本体がなす主面と、このサイドプレート本体に嵌め込まれた嵌め込み片がなす補助面とで形成し、しかもサイドプレート本体と前記嵌め込み片との間に空気が通過可能な微小隙間を有することによって、金型内のサイドウォール部の空気を排気できる。従って、タイヤの加硫成形に際してサイドウォール部でベアが生じるのを防止でき成形不良を減じうる。
【0029】
また前記補助面は、前記主面に対して小深さdで凹むことにより、ベアが生じ易かった例えばサイドウォール部の凸模様を精度良く形成することができる。
【0030】
また請求項2記載の発明のように、前記嵌め込み片は、その補助面の表面積を50〜500mm 2 とし、かつこの補助面を貫通する空気抜き用のベントホールを有していないことにより、サイドウォール部でのスピューを減じるのに役立つ。
【0031】
さらに請求項3記載の発明のように、前記補助面の輪郭を、文字又は模様としたときには、サイドウォール部にベアを生じることなく文字又は模様を凸部で精度良く成形しうる。
【0032】
又請求項5に係る発明において、このようなタイヤ加硫金型を用いてタイヤを加硫成形することにより、サイドウォール部の成形不良を減じうる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示すタイヤ加硫金型の断面図である。
【図2】 その部分拡大図である。
【図3】 嵌め込み片の斜視図である。
【図4】 タイヤのサイドウォール部の一例を示す部分斜視図である。
【図5】 タイヤのサイドウォール部の他の例を示す部分斜視図である。
【図6】 従来のサイドウォール成形面の凹部を示す斜視図である。
【図7】 他の形態を示す金型の部分断面図である。
【図8】 他の形態を示す金型の部分断面図である。
【符号の説明】
1 タイヤ加硫金型
2 サイドプレート
2a サイドプレート本体
2b 嵌め込み片
4 サイドウォール成形面
4a 主面
4b 補助面
10 微少隙間

Claims (5)

  1. タイヤのサイドウォール部を成形するサイドウォール成形面を具えたサイドプレートを有するタイヤ加硫金型であって、
    前記サイドプレートは、サイドプレート本体と、このサイドプレート本体に形成した孔部に嵌め込まれた嵌め込み片とを含むとともに、
    前記サイドウォール成形面を、前記サイドプレート本体がなす主面と、前記嵌め込み片がなす補助面とを含んで形成し、しかもサイドプレート本体と前記嵌め込み片との間に空気が通過可能な微小隙間を有するとともに、
    前記微小間隙の巾を5μmよりも大かつ100μm以下とし、
    しかも、補助面を主面から小深さdで凹ませ、かつ前記孔部のサイドウォール成形面側の周縁部を0.1〜3.0mmの曲率半径Raの円弧で面取りする一方、
    前記孔部は、サイドウォール成形面に対する法線Nに対して小角度θでかつ孔部の開口面積が外部に向かって減じる向きに傾く少なくとも一つの狭持面を具え、かつ嵌め込み片にこの狭持面に沿う嵌着面を設けて該嵌め込み片を前記孔部に嵌め込ませ、
    又は前記孔部の前記内周面をサイドウォール成形面に対して直角に形成し、かつ嵌め込み片の外周面を、前記内周面と嵌合する小長さの平坦面と、内周面から離間する向きに傾く傾斜面とで構成し、前記嵌め込み片を前記孔部に嵌め合わせることを特徴とするタイヤ加硫金型。
  2. 前記嵌め込み片は、前記補助面の表面積を50〜500mm 2 とし、かつこの補助面を貫通する空気抜き用のベントホールを有していないことを特徴とする請求項1記載のタイヤ加硫金型。
  3. 前記補助面の輪郭は、文字又は模様をなすことを特徴とする請求項1又は2に記載のタイヤ加硫金型。
  4. 前記小深さdが0.1〜3.5 mm であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のタイヤ加硫金型。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のたタイヤ加硫金型を用いてタイヤを加硫成形することを特徴とするタイヤの製造方法。
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