JP3697439B2 - レーダ信号処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として気象観測に用いられるパルスドップラーレーダの信号処理装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のレーダ信号処理装置では、送信周波数の高周波信号の発生には、マグネトロン(自励発振型送信管)を使用するものと、クライストロン(増幅型送信機)を使用するものの2種類がよく知られている。このどちらの場合でも、ドップラー処理を行うために受信IF信号とレーダ装置内部に設けたコヒーレント発振装置(以下COHOという)のCOHO信号を連続的に取り込み、A/D変換、周波数変換を行った後、受信IF信号をCOHO信号で複素乗算検波することによりベースバンドのI/Qビデオを算出し、そのI/Qビデオから気象エコーの強度、速度、速度幅等を求めていた。(例えば特許文献1参照。)
【0003】
即ちCOHOの信号が各処理の基準となるので、その信号が安定していることが前提となるが、COHOには無視できないドリフトが常にあるため動作が不安定になることがあるという課題があった。また、複素乗算検波はリアルタイムで位相検波を行う回路であるためハードウェアとして高価となるという課題があった。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−228242号公報、図11、段落[0003]〜[0006]参照。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来のレーダ信号処理装置は、受信IF信号と送信バーストIF信号のCOHO信号を連続的に取り込んで、A/D変換、周波数変換後、受信IF信号をCOHO信号で複素乗算検波することによりベースバンドのI/Qビデオを算出し、そのI/Qビデオの位相情報を用いてドップラー処理を行っていた。しかし送信タイミングから受信タイミングまでのCOHOのドリフトが、ドップラー処理の精度を悪化させてしまうという課題があった。また、リアルタイムで位相検波を行う為に複素乗算回路を備える必要があり、ハードウエア規模、コストが増大するという課題があった。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたものであり、ドップラ処理を高安定、高精度に行え、しかもハードウェアによる複素乗算検波回路を必要としないレーダ信号処理装置を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明によるレーダ信号処理装置は、送信信号を発振する例えばマグネトロンなどの自励発振装置、予め定めた所定の安定した周波数の信号を発振する安定化局部発振器、
前記送信信号が対象により反射されて生成されたエコー信号と前記安定化局部発振器の発振した信号とを混合して生成された受信IF信号と、前記送信信号の一部と前記安定化局部発振器の信号とを混合して生成された送信バーストIF信号とをそれぞれディジタル化して、デイジタル受信IF信号とディジタル送信バーストIF信号として出力するA/D変換器、
前記ディジタル受信IF信号から予め定めた帯域の信号を抽出して、ディジタル受信IF帯域信号とするディジタルマッチドフィルタ、
前記デイジタル受信IF帯域信号と前記デイジタル送信バーストIF信号とを記憶するメモリ、
前記メモリから前記デイジタル受信IF帯域信号と前記デイジタル送信バーストIF信号とを読み出して、前記エコー信号の受信強度、ドップラー速度、速度幅を算出するとともに、前記送信信号の送出タイミング指令を出力するプロセッサ、
前記送出タイミング指令にもとづき前記自励発振装置の送信タイミングを制御するタイミング発生部を備えたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1のレーダ信号処理装置について説明する。図1はマグネトロンを用いたレーダに適用した場合の実施の形態1のレーダ信号処理装置のブロック図である。図1のレーダ信号処理装置は、高周波信号を発振するマグネトロン13(自励発振装置と言う)と、予め定めた所定の安定した周波数の信号を発振する安定化局部発振器(以下STALOとも言う)1と、送信信号が対象により反射されてエコー信号となったものを、図示しないアンテナから受信したRF受信信号(図中RXRFと記載)と安定化局部発振器1の出力とを混合して受信IF信号を出力する第1の混合器3と、マグネトロン13の出力の一部を取り出す方向性結合器5と、方向性結合器5の出力と安定化局部発振器1の出力とを混合して送信バーストIF信号を出力する第2の混合器4と、受信IF信号(RXIF)と送信バーストIF信号をそれぞれデジタル受信IF信号、デイジタル送信バーストIF信号に変換するA/D変換器6と、ティジタル受信IF信号をフィルタリングしてディジタル受信IF帯域信号とするデジタルマッチドフィルタ8と、フィルタ処理後のデジタル受信IF帯域信号とディジタル送信バーストIF信号を記憶するメモリ9と、メモリ9のデータを読み出して処理するとともに、次に記すタイミング指令を行うCPU、DSP(デジタル信号処理器)等のプロセッサ10と、前記プロセッサ10からのタイミング指令に基づいて送信パルスの発射(送信)タイミングを生成するタイミング発生部11と、タイミング発生部11からの制御によりマグネトロン13に送信タイミングを指令するパルス出力を行うパルス変調部12とを持つ。理解を助けるため、厳密ではないが、上記の内デイジタル処理を行う部分を信号処理装置100として点線で囲っている。その他の部分は高周波信号処理またはアナログ信号処理を行う部分である。
【0009】
次に図1のレーダ信号処理装置の動作を図2の特性図、図3のタイミング説明図を用いて説明する。図示しないアンテナから受信したRF受信信号(エコー信号、図中RXRFと示す)は安定化局部発振器(以下STALO)1の出力信号と第1の混合器3で混合され、受信IF信号(図中RXIFと示す)へダウンコンバートされ、次にA/D変換器6にてアナログ信号からデジタル信号に変換されディジタル受信IF信号となる。このデイジタル受信IF信号はデジタルマッチドフィルタ(D.B.P.F.)8で不要な帯域の信号を除去されS/Nを向上させる。ここでのマッチドフィルタ8は従来知られているものと異なり、IF信号を直接フィルタリングするバンドパスフィルタで構成されている。D.B.P.F8の特性の理解を助けるため、その様子を図2に示す。マッチドフィルタ8から出力されたフィルタリングされた信号(ディジタル受信IF帯域信号という)は、メモリ9に一旦記憶された後、処理を行うタイミングになったときプロセッサ10に読み出される。
【0010】
プロセッサ10は送信タイミングをタイミング発生部11に指令する。タイミング発生部11は送信トリガ(図3の99)をパルス変調部12に出力する。パルス変調部12からパルス出力がマグネトロン13に対して出力され、このパルス出力に応じてマグネトロン13からRF送信信号(図中TXRF)が生成される。ただし後述するとおりマグネトロン13の反応の遅れのためパルス出力と送信出力とが時間的に一致しないこともある。
次に、方向性結合器5により送信信号の一部が取り出され、STALO1の出力信号と第2の混合器4で混合され、送信バーストIF信号(図3の101)となってA/D変換部6に入力される。さらに、A/D変換部6にてアナログからデジタルに変換されたディジタル送信バーストIF信号はメモリ9に一旦記憶され、処理のタイミングでプロセッサ10に読み出される。この時、メモリ9に格納するディジタル送信バーストIF信号は図3に示すように送信トリガ99を起点に送信バーストIF信号101を含む一定期間101aのみでよい
プロセッサ10に読み出されたディジタル受信IF帯域信号とディジタル送信バーストIF信号により、各対象の距離に相当する受信エコーの送信バーストIF信号との位相差(時間差)、強度が演算され、受信強度、ドップラ速度、速度幅などが算出される。図3のバーストゲート101aの説明は後述する。
【0011】
図1の構成のレーダ信号処理装置では、COHOを使用せず送信バーストIF信号を用いて受信したエコー信号の位相を求めるので、従来問題となっていたCOHOのドリフトの影響がなく、ドップラ処理の精度を高くする効果がある。また、リアルタイムで検波を行わないので高速のハードウェア回路を必要としない。また、クライストロン(実施の形態2で説明)とマグネトロン13のどちらを用いたレーダにも適用することができ、さらに、2次エコー除去やレンジ拡張のためのランダム位相変調を行う場合、予め位相変調情報を処理側で認識していなくても、位相変調後の送信バーストIF信号から送信位相情報を検出することで,容易に2次エコー除去やレンジ拡張処理が可能となる。
【0012】
実施の形態2.
以下の各図において、同一符号は同一または相当部分を示すので、その詳細な説明は省略する。実施の形態1の図1では、送信信号の発振・送信管にマグネトロン13を用いた場合を示したが、図4に示すように、STALO1の出力とコヒーレント発振器(COHO)2の出力(同期信号と言うこともある)を第2の混合器4で混合し、得られた信号を電力増幅器20で増幅し、これを用いてクライストロン15から高周波出力を得ても良い。そしてA/D変換器6へは、コヒーレント発振器2からの出力を入力する。
【0013】
COHOの発振信号をもとに送信信号が生成されるので、図4中のCOHO2に生じた諸特性のドリフトは、従来から知られているように、そのまま送信信号に(最終的には受信信号に)反映されるため影響は少ない。その他の構成と動作は実施の形態1の図1と同様であるので詳細な説明を省略する。本実施の形態のものは実施の形態1のものと同様の効果が得られる。
【0014】
実施の形態3
実施の形態1の図1のマグネトロン13は、一般に周波数安定度が悪く送信周波数を外部からサーボ制御等を加えないと送信周波数が安定しない。そこで図5に示すように、プロセッサ10にメモリ9から出力されたディジタル送信バーストIF信号からマグネトロン13の発振周波数を算出(検出)する送信周波数検出手段31を設ける。送信周波数検出手段31はマグネトロン13の発振周波数の所定周波数からのずれを検出するものでもよい。そして、検出された結果は、送信周波数制御部16に入力され、送信周波数制御部16はマグネトロン13の発振周波数を所定の値に修正する信号を出力する。
この様な手段を一般にAFC(Automatic Frequency Control;自動周波数制御)という。
プロセッサ10の送信バーストIF信号から送信周波数を検出する送信周波数検出手段31の周波数の検出方法としては、いわゆるFFT、DFTなどを用いても良い。
【0015】
このように、ディジタル化された送信バーストIF信号をプロセッサ10に入力し、プロセッサ10で送信周波数を検出しAFCの制御電圧を計算して周波数を安定化するので、従来のAFCの制御電圧を発生するためのアナログ回路を必要とせず簡単なD/A変換回路などによる送信周波数制御により容易にAFC制御が可能となる。
【0016】
実施の形態4.
実施の形態1の図1のマグネトロン13は、一般に送信パルスの発生タイミング(図3のトリガ99と信号101との時間差)がパルス変調部12からのトリガパルス99のタイミングに対して安定せず、放置すると送信トリガ99の時間位置からの時間差が大きくずれる場合がある。そこで実施の形態1の図1の構成に加えプロセッサ10にバーストトラック手段41を設ける。本実施の形態では、パルス変調部12の出力するトリガパルス99のタイミングと、ディジタル送信バーストIF信号101のタイミングとから送信信号の遅れ時間を検出し、タイミング発生部11から出力される送信タイミングを補正(図示しないタイミング補正部による)し、補正された送信トリガを出力するものである。
【0017】
図6は、この発明の実施の形態4のレーダ信号処理装置の構成を示すブロック図である。バーストトラック手段41は、ディジタル送信バーストIF信号から送信信号の送れ時間を検出する。バーストトラック手段41は送信信号の時間位置を常時監視し、常に送信パルスが図3のバーストゲート101aのほぼ中心、即ち処理タイミング上のレンジ0に正確に常駐する様に送信トリガ99のタイミングを計算し、タイミング補正部を経由してタイミング発生部11を制御する事により、パルス変調部12へ補正した送信トリガを出力する。
【0018】
このように、本実施の形態では、プロセッサ10にバーストトラック手段41を備え、送信信号のタイミングをプロセッサ10で検出して送信トリガ99の発生タイミングを送信パルス位置のドリフトを補正するように構成したので、マグネトロン13にパルス発生時間遅れのドリフトが生じる場合でも、常にレーダの距離測定精度を保つことが出来るという効果がある。
【0019】
実施の形態5.
実施の形態4で述べたように、一般にマグネトロン13は送信パルスの発生タイミングが安定しないが、電源投入直後などは特に顕著で、送信パルスを捕捉するためのバーストゲート101a内からはずれることもある。理解を助けるため図7でこのずれの状態を再度説明する。送信トリガ99に対してある時間遅れの後、通常時の送信パルス101が検出される。通常時のバースドゲート101aは送信トリガ99の後、所定の時間長さに設定される。バースドゲート101aの後は通常時の受信ゲート103を示している。受信ゲート103の時間幅を広く取るために通常時のバーストゲート101aは必要最小限の時間長さに制限してある。104は電源投入直後などの通常ではない状態での送信バーストIF信号の一例を示している。このとき送信バーストIF信号104はバーストゲート101aから逸脱していることを示す。バーストハント手段51はこの様な場合に捕捉ゲート101aを一時的に拡張して104aのようにし、送信バーストIF信号104を捕捉するための手段である。
【0020】
バーストハント手段51の無いレーダ信号処理装置の場合、送信バーストIF信号を取り込む過程で、一定のバーストゲート101a内のタイミングで送信されるバースト信号101のみが検出可能であり、送信バーストIF信号のタイミングがずれた場合、信号の喪失が生じ、実施の形態4で説明したバーストトラック手段41も働かない。むろん拡張しっぱなしでは受信ゲートが短くなってしまうのでバーストハント手段51は一時的にバーストゲート101aを拡張し、バーストIF信号104を検出した後、本来のバーストゲート101a内にバーストパルスが入るように送信トリガタイミング99を変更して運用を継続する手段である。
【0021】
図8は本実施の形態5のレーダ信号処理装置の構成を示し、実施の形態1の図1の構成に加え、プロセッサ10にバーストハント手段51を備えたものである。
バーストハント手段51は、送信パルスの検出(相当程度タイミングがずれた送信パルスでも)が可能となっている。さらに、検出した送信パルスのタイミング位置を元に、プロセッサ10が送信トリガのタイミングの修正量を計算し、タイミング発生部11に指令することにより、パルス変調部12へ補正した送信トリガ信号が出力される。
【0022】
本実施の形態のレーダ信号処理装置では、プロセッサ10にバーストハント手段51を備えることで、通常バーストトラックを行っているバーストゲート内からバーストパルスが喪失した時、一時的にバーストゲートを拡張し、バーストパルスを検出した後、元のバーストゲート内にバーストパルスが入るように、送信トリガタイミングを変更して運用を継続することができ、マグネトロン13に大きなパルス発生位置の誤差が生じた場合でも、すぐに正常運用に戻すことが可能である。またレーダ装置の初期タイミング設定時に本手段を用いることで、予め計算などでタイミングを設定しておく必要が無く、装置の動作に合わせて容易にタイミング信号の初期設定を行うことが可能となる効果がある。
【0023】
実施の形態6.
本実施形態は、実施の形態1の図1の構成に加えプロセッサ10にIAGC(Instantaneous Automatic Gain Control)手段71を備えたものである。
図9は、この発明の実施の形態6を示すブロック図である。
一般に気象用のドップラレーダでは地形エコーをHPF等を用いてクラッタとして除去するが、その際マグネトロン13の送信パルス強度がヒット毎に変動すると、受信エコーの変動成分となり、クラッタの抑圧が不完全となって消え残りとして現れる。IAGC手段71は、この様な送信パルスの強度変動分を信号処理時に補正するもので、プロセッサ10でクラッタ抑圧を行う場合に、受信エコーの振幅が一定となるように処理するものである。あるいは、マグネトロン13の出力を制御しても良い。
【0024】
プロセッサにIAGC手段71を備えることで、送信ヒット毎に送信パルスの強度が異なる場合、そのまま信号処理を行うと強度の変動成分によりクラッタの消え残りが増加し、クラッタ抑制性能を悪化させるが、クラッタ抑圧処理の前段でバーストパルスの強度に応じて受信エコー強度補正を行うことで、クラッタ抑制性能を悪化させることなく強度検出、ドップラ信号処理を行うことが可能となる効果がある。
【0025】
実施の形態7.
図10は、この発明の実施の形態7を示すブロック図である。図10のものは、実施の形態1の図1の構成に加え、A/D変換回路6を3チャンネル、デジタルマッチドフィルタ回路8を2チャンネル有し、プロセッサ10に2重偏波処理手段81を備えたものである。
【0026】
図においてRXRFVは垂直偏波の受信信号(第1のエコー受信信号)、RXRFHは水平偏波の受信信号(第2のエコー受信信号)を示し、2重偏波レーダを構成している。RXRFVは垂直偏波の受信信号(第1のエコー受信信号)、RXRFHは水平偏波の受信信号(第2のエコー受信信号)で、図示しない偏波受信分離手段により受信される。受信エコーの処理回路を2回路設け2重偏波レーダに適用して、反射強度偏波比のほか、偏波間伝播位相差、偏波間伝播位相差の空間微分、偏波間相関係数などの、2重偏波パラメータを算出できるようにしたものである。
ここで水平偏波、垂直偏波と説明したが両者は水平/垂直に限るものではなく互いに偏場面が異なる信号であればよい。
【0027】
実施の形態8.
実施の形態3、4、5、6の各手段はマグネトロン13の動作の安定化を目的とするものであるから、実施の形態1の構成に重複組み合わせして用いることが出来る。例えば、実施の形態1、3、4、5を組み合わせた構成とすることも出来る。即ち、実施の形態1に加え、プロセッサ10に送信周波数検出処理手段31と、バーストトラック手段41と、バーストハント手段51を備えた構成となる。本実施形態により、簡単なD/A変換回路などによる送信周波数制御により容易にAFC制御が可能となり、かつ送信バーストIF信号のタイミングが大幅にずれた場合でもバーストハント手段51により送信パルスを検出し、次いでバーストトラック手段41により送信バーストIF信号から送信パルスの位置を検出し、送信タイミングを補正してタイミング発生部11から補正した送信トリガを出力することが可能となり、常に正常なタイミングの送信パルスを送信することが出来る。
【0028】
実施の形態9.
実施の形態1,3、6を組み合わせたものとすることもできる。実施の形態1の構成に加え、プロセッサ10にAFC手段31と、IAGC手段71を加えた構成となる。本実施形態により、送信バーストIF信号をデジタル化してプロセッサ10に入力し、プロセッサ10で送信周波数を検出しAFCの制御電圧を計算することで、従来のAFCの制御電圧を発生するためのアナログ回路を必要とせず、簡単なD/A変換回路6などによる送信周波数制御により容易にAFC制御が可能となり、かつIAGC手段71により、クラッタ抑圧性能の劣化を防ぐことが可能となる。
【0029】
実施の形態10.
本実施形態は、実施の形態3、実施の形態7を組み合わせたものである。実施の形態1の構成に加え、A/D変換器、デジタルマッチドフィルタ回路を複数チャンネル設け、さらにプロセッサ10の手段として、2重偏波処理手段81とAFC手段31を備えた構成となる。本実施形態により、2重偏波レーダに適用して、反射強度偏波比のほか、偏波間伝播位相差、偏波間伝播位相差の空間微分、偏波間相関係数などの、2重偏波パラメータを算出できるようにしたものであり、かつ簡単なD/A変換回路などによる送信周波数制御により容易にAFC制御が可能となる。
【0030】
実施の形態11.
本実施形態は、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5,実施の形態6を組み合わせたものである。実施の形態1に加え、プロセッサ10にAFC手段31、バーストトラック手段41、バーストハント手段51、IAGC手段71を加えた構成となる。本実施形態により、簡単なD/A変換回路などによる送信周波数制御により容易にAFC制御が可能となり、かつバーストトラック手段41、バーストハント手段51により、送信タイミングがずれた場合でも送信バーストIF信号から送信パルスの位置を検出し、送信タイミングを補正してタイミング発生部11から送信トリガ出力が可能となり、かつIAGC手段71によりクラッタ抑圧性能の劣化を防ぐことが可能となる。
【0031】
実施の形態12.
本実施形態は、実施の形態3、実施の形態4、実施の形態5,実施の形態6、実施の形態7を組み合わせたものである。実施の形態1に加え、プロセッサ10にAFC手段31、バーストトラック手段41、バーストハント手段51、IAGC手段71、2重偏波処理手段81を加え、かつA/D変換器を3チャンネル、デジタルマッチドフィルタ回路を2チャンネル備えた構成となる。本実施形態により、簡単なD/A変換回路などによる送信周波数制御により容易にAFC制御が可能となり、かつバーストトラック、バーストハント手段により、送信タイミングがずれた場合でも送信バーストIF信号から送信パルスの位置を検出し、送信タイミングを補正してタイミング発生部から送信トリガ出力が可能となり、かつIAGC手段71によりクラッタ抑圧性能の劣化を防ぐことが可能となり、さらに2重偏波パラメータの反射強度偏波比のほか、偏波間伝播位相差、偏波間伝播位相差の空間微分、偏波間相関係数などのを算出することが可能となる。
なお、実施の形態7の2重偏波処理に関する構成は、送信がマグネトロンであるか、クライストロンであるかに関係なく用いることが出来ることは言うまでもない。
【0032】
【発明の効果】
この発明のレーダ信号処理装置によれば、送信バーストIF信号を用いて受信エコーの位相を求めるので、従来問題となっていたCOHOのドリフトの影響がなく、ドップラ処理の精度を高くする効果がある。また、リアルタイムで検波を行わないので高速の位相検波のハードウェア回路を必要としない。
また、クライストロンとマグネトロンどちらを用いたレーダにも適用することができる。さらに、2次エコー除去やレンジ拡張のためのランダム位相変調を行う場合、予め位相変調情報を処理側で認識していなくても、位相変調後のCOHOや送信バーストIFから送信位相情報を検出することで,容易に2次エコー除去やレンジ拡張処理が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【図2】 図1のデイジタルマッチドフィルタの特性説明図である。
【図3】 図1の動作を説明するためのタイミング説明図である。
【図4】 この発明の実施の形態2に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【図5】 この発明の実施の形態3に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【図6】 この発明の実施の形態4に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【図7】 バーストハント手段の説明を示すための図である。
【図8】 この発明の実施の形態5に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【図9】 この発明の実施の形態6に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【図10】 この発明の実施の形態7に係るレーダ信号処理装置を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 安定化局部発振器、 2 コヒーレント発振器、 3 第1の混合器、
4 第2の混合器、 5 方向性結合器、 6 A/D変換器、
8 デジタルマッチドフィルタ(D.B .P.F)、 9 メモリ、
10 プロセッサ、 11 タイミング発生部、 12 パルス変調部、
13 マグネトロン、 15 クライストロン、
16 送信周波数制御部、 20 電力増幅器、 99 送信トリガ、
101 送信バーストIF信号、 101a バーストゲート、
102 受信IF信号、
104 タイミングがずれた送信バーストIF信号。
Claims (7)
- 送信信号を発振する自励発振装置、予め定めた所定周波数の信号を発振する安定化局部発振器、
前記送信信号が対象により反射されて生成されたエコー信号と前記安定化局部発振器の信号とを混合して生成した受信IF信号と、前記送信信号と前記安定化局部発振器の信号とを混合して生成した送信バーストIF信号とをそれぞれディジタル化して、デイジタル受信IF信号とディジタル送信バーストIF信号として出力するA/D変換器、
前記ディジタル受信IF信号から予め定めた帯域の信号を抽出して、ディジタル受信IF帯域信号とするディジタルマッチドフィルタ、
前記デイジタル受信IF帯域信号と前記デイジタル送信バーストIF信号とを記憶するメモリ、
前記メモリから前記デイジタル受信IF帯域信号と前記デイジタル送信バーストIF信号とを読み出して、前記エコー信号の受信強度、ドップラー速度を算出するとともに、前記送信信号の送出タイミング指令を出力するプロセッサ、
前記送出タイミング指令にもとづき前記自励発振装置の送信タイミングを制御するタイミング発生部を備えたことを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 予め定めた所定周波数の信号を発振する安定化局部発振器、前記安定化局部発振器の信号と混合して同期した送信信号を生成するための同期信号を発振するコヒーレント発振回路、
前記送信信号を指令されたタイミングに基づき送信する電力増幅手段、
前記送信信号が対象により反射されて生成されたエコー信号と前記安定化局部発振器の信号とを混合して生成された受信IF信号と、前記コヒーレント発振回路の同期信号とをそれぞれディジタル化して、デイジタル受信IF信号とディジタルCOHO信号として出力するA/D変換器、
前記ディジタル受信IF信号から予め定めた帯域の信号を抽出して、ディジタル受信IF帯域信号とするディジタルマッチドフィルタ、
前記デイジタル受信IF帯域信号と前記デイジタルCOHO信号とを記憶するメモリ、
前記メモリから前記デイジタル受信IF帯域信号と前記デイジタルCOHO信号とを読み出して、前記エコー信号の受信強度、ドップラー速度、速度幅を算出するとともに、前記送信信号を送出する送出タイミング指令を出力するプロセッサ、
前記送出タイミング指令にもとづき前記電力増幅手段の送信タイミングを制御するタイミング発生部を備えたことを特徴とするレーダ信号処理装置。 - 前記プロセッサ内部に構成され、前記送信バーストIF信号の周波数から前記送信信号の周波数を演算して検出する送信周波数検出手段、
前記送信周波数検出手段が検出した送信信号の周波数にもとづき前記自励発振装置の発振周波数を制御する送信周波数制御部を備えたことを特徴とする請求項1に記載のレーダ信号処理装置。 - 前記プロセッサ内部に構成され、前記送出タイミング指令の後の所定時間内において、前記送出タイミング指令と前記送信バーストIF信号の発生タイミングとから前記送信信号の送信遅れ時間を検出するバーストトラッキング手段、前記バーストトラッキング手段が検出した前記送信遅れ時間にもとづき、前記送出タイミング指令を補正する送出タイミング補正部を備えたことを特徴とする請求項1又は3に記載のレーダ信号処理装置。
- 前記プロセッサ内部に構成され、前記バーストトラッキング手段が前記所定時間内に前記送信バーストIF信号の発生タイミングを検出出来ないとき、前記バーストトラッキング手段の前記所定時間の時間幅を拡張するバーストハント手段を備えたことを特徴とする請求項4に記載のレーダ信号処理装置。
- 前記プロセッサ内部に構成され、前記エコー信号中に含まれる特定のエコー信号の振幅を検出し、この振幅が予め定めた所定の値となるよう前記デイジタル受信IF帯域信号の振幅を補正するIAGC手段を備えたことを特徴とする請求項1、3、4、5項のいずれか一項に記載のレーダ信号処理装置。
- 前記エコー信号を偏波面が互いに異なる第1のエコー受信信号と第2のエコー受信信号に分離して受信する偏波分離受信手段、
前記プロセッサ内部に構成され、前記第1,第2のエコー受信信号の少なくとも反射強度偏波比、偏波間位相差、前記偏波間位相差の空間微分、偏波間相関係数のいずれか1つ以上を求める2重偏波処理手段を備えたことを特徴とする請求項1、3、4,5、6項のいずれか一項に記載のレーダ信号処理装置。
Priority Applications (1)
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