JP2002162460A - Dbfレーダ装置 - Google Patents

Dbfレーダ装置

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JP2002162460A
JP2002162460A JP2000357950A JP2000357950A JP2002162460A JP 2002162460 A JP2002162460 A JP 2002162460A JP 2000357950 A JP2000357950 A JP 2000357950A JP 2000357950 A JP2000357950 A JP 2000357950A JP 2002162460 A JP2002162460 A JP 2002162460A
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JP
Japan
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value
dbf
phase correction
target
element antenna
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JP2000357950A
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English (en)
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Junji Kawakubo
淳史 川久保
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】素子アンテナ別の位相補正を特殊な装置を用い
ることなく行うことができるDBFレーダ装置を提供す
ること。 【解決手段】本発明のDBFレーダ装置は位相補正手段
を備えており、その位相補正手段は、検出された所定の
ターゲットに関するビート周波数データについて、選択
された一つの素子アンテナチャネルに関するビート周波
数データの位相回転処理およびDBF合成演算処理を繰
り返し実行し、DBF合成演算処理毎に走査方向の信号
レベルプロファイルを求めそのプロファイルに現れるピ
ーク形状の鋭さであるQ値を算出し、Q値の増加率が所
定値未満となったときまたはQ値の算出回数が所定値を
越えたときの合計位相回転量を選択された素子アンテナ
チャネルの位相補正値として位相ズレの補正を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数の素子アン
テナを有する受信アレーアンテナを備えたDBF(ディ
ジタル・ビーム・フォーミング)レーダ装置に関するも
のであり、特に、各素子アンテナにおけるチャネル毎の
位相ズレを補正することができるDBFレーダ装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】DBFレーダ装置では、素子アンテナチ
ャネル毎に経年変化による素子の劣化や環境温度変化等
に起因する位相ズレが生じる。この位相ズレを放置した
ままDBF合成を行うと、合成結果の走査方向プロファ
イルが崩れたり、サイドローブレベルが上昇するなどの
悪影響が生じて、レーダとしての性能劣化を引き起こ
す。そこで、DBFレーダ装置では、位相ズレの補正を
行うことが検討されている。
【0003】素子アンテナチャネル毎の位相ズレを補正
する技術として、特開平11−97922号公報に開示
されたものがある。この従来技術によると、リファレン
ス信号発生器を用意し、そこから発生した信号を調整用
アンテナから送信し、それを各アンテナ素子で受信し、
その結果を用いて位相補正を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この従来技術
によれば、リファレンス信号発生器や調整用アンテナを
レーダ装置本体とは別に用意する必要がある。また、こ
の従来技術では、調整用アンテナから送信されたリファ
レンス信号を受信アンテナで直接受信し、得られた受信
信号を利用して位相ズレを検出するので、点検整備など
の機会にしか位相補正をすることができず、レーダ装置
の通常使用時に位相補正を行うことができない。
【0005】そこで、特別なハード構成を必要とせず、
しかも、レーダ装置の通常使用時に素子アンテナチャネ
ルの位相補正が可能なレーダ装置が求められていた。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明のDBFレーダ装
置は、このような課題を解決するためになされたもので
あり、複数の素子アンテナを有する受信アンテナを有
し、各素子アンテナで受信した信号に送信信号をミキシ
ングしてビート信号を生成し、ビート信号をA/D変換
してデジタルビート信号とし、デジタルビート信号をビ
ート周波数データにフーリエ変換し、素子アンテナ毎の
ビート周波数データにDBF合成演算処理を施して複数
のレーダビームを電子的に生成することによりレーダビ
ーム走査を行いターゲットの位置及び速度の検出を行う
DBFレーダ装置において、各素子アンテナで受信した
信号をそれぞれ伝達する各素子アンテナチャネルでの位
相ズレを補正する位相補正手段を備え、その位相補正手
段は、検出された所定のターゲットに関するビート周波
数データについて、選択された一つの素子アンテナチャ
ネルに関するビート周波数データの位相回転処理および
DBF合成演算処理を繰り返し実行し、DBF合成演算
処理毎に走査方向の信号レベルプロファイルを求めその
プロファイルに現れるピーク形状の鋭さである鋭さ反映
値を算出し、その鋭さ反映値の増加率が所定値未満とな
ったときまたは鋭さ反映値の算出回数が所定値を越えた
ときの合計位相回転量を選択された素子アンテナチャネ
ルの位相補正値として位相ズレの補正を行うことを特徴
とする。
【0007】位相補正手段は、一つの素子アンテナチャ
ネルのビート周波数データについて位相を少しずつ回転
させながらその都度、他の素子アンテナチャネルのビー
ト周波数データと共にDBF合成演算処理を実行し、走
査方向の信号レベルプロファイルに現れるピーク形状の
鋭さ反映値を順次比較する。鋭さ反映値の増加率が所定
値未満となったときまたは鋭さ反映値の算出回数が所定
値を越えたとき、その鋭さ反映値は最大値またはそれに
近い値となっていると推定することができる。鋭さ反映
値が大きいほど、位相ズレに対する補正が適正に行われ
ていると言えるので、このときの合計位相回転量をその
素子アンテナチャネルの位相補正値としてターゲット検
出処理時の位相補正を行えば、ターゲット検出精度を高
めることができる。
【0008】しかも、通常のレーダ装置使用時において
検出されたターゲットに関するビート周波数データを利
用するので、位相補正のためだけの特殊なハード構成が
不要であり、しかも、実施機会が点検整備時に限定され
ない。
【0009】位相補正処理のために選択されたターゲッ
トは、レーダビームの幅に対して十分に小さく、所定の
距離範囲に存在するものであることが望ましい。
【0010】このような条件のターゲットによれば、走
査方向の信号レベルプロファイルに現れるピーク形状の
鋭さであるQ値が大きくなり、高い補正精度が得られ
る。
【0011】また、鋭さ反映値が前回処理において算出
したQ値よりも減少したときには、位相回転処理での位
相回転方向を逆転させるという簡単な処理で、鋭さ反映
値を増加させる可能性が生じる。
【0012】さらに、位相補正処理は、ターゲット検出
処理の演算周期内の余裕時間にターゲット検出処理に用
いるCPUを用いて実行されるものであり、所定のター
ゲットのビート周波数データに基づく位相補正処理が演
算周期内の余裕時間内に完了しなかった場合には一旦中
断され、次の演算周期内の余裕時間において再開するこ
とが望ましい。
【0013】ターゲット検出処理時間はターゲットの数
によって変動するため、演算周期にはその変動を許容す
るための余裕時間が確保されている。この余裕時間に位
相補正処理を実行することにより、CPUをターゲット
検出処理と兼用することができる。特に、位相補正処理
が一の余裕時間内で完了しない場合には、一時的に中断
した後に次の演算周期における余裕時間で再開し、適宜
これを繰り返せば、ターゲット検出処理の実行を妨げず
に位相補正処理ができる。
【0014】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施形態である
DBFレーダ装置の構成を示すブロック図である。この
レーダ装置は、ターゲット方位を検出するためにディジ
タル・ビーム・フォーミング技術によるアンテナビーム
の形成および走査を行うDBFレーダ装置であると共
に、連続波(CW)に周波数変調(FM)を掛けた送信
信号を用いるFM−CWレーダ装置でもある。
【0015】このレーダ装置は、受信アンテナとして複
数の素子アンテナを有するアレーアンテナが用いられ、
各素子アンテナで受信した受信信号に対して適当な移相
処理を施して合成することにより所望の方位にアンテナ
ビームを形成することができる。そして、所望の方位を
順にずらしてゆけばビーム走査が達成される。素子アン
テナ別の受信信号移相処理および合成処理はデジタル演
算により行われる。すなわち、ディジタル・ビーム・フ
ォーミング(DBF)技術を用いてアンテナビームの形
成および走査が電子的に行われる。
【0016】このレーダ装置は、送信部1、受信用アレ
ーアンテナ2、受信部4、およびディジタル信号処理部
5を備えている。
【0017】送信部1は、中心周波数がf0(たとえば
76GHz)の電圧制御型発振器(VCO)11と、バ
ッファアンプ12と、送信アンテナ13と、RFアンプ
14と、分配器15とを備えている。VCO11は、図
示省略した変調制御手段から出力される制御電圧によっ
て、f0±ΔF/2の三角波周波数変調された被変調波
(送信信号)を出力する。被変調波はバッファアンプ1
2で増幅され、送信アンテナ13から電磁波として広範
囲に放射される。なお、分配器15で分波された送信信
号の一部はRFアンプ14で増幅され受信検波用のロー
カル信号として出力される。
【0018】受信用アレーアンテナ2はn個の素子アン
テナ21(1)〜21(n)を備え、受信用アレーアン
テナ2の後方には受信部4が設けられている。各素子ア
ンテナに付された符号の括弧内の数字はそれぞれの素子
アンテナに付された序数であり、たとえば、素子アンテ
ナ21(1)は第1の素子アンテナを意味する。
【0019】受信部4は、RFアンプ41(1)〜41
(n)、ミキサ42(1)〜42(n)、アンプ43
(1)〜43(n)、フィルタ44(1)〜44(n)
およびA/D変換器45(1)〜45(n)を備えてい
る。
【0020】これらの符号に付された括弧内の数字は、
素子アンテナ21(1)〜21(n)の括弧内の数字と
対応がとれている。各素子アンテナからデジタル信号処
理部5に至るまでの素子アンテナ別の経路を、ここでは
その素子アンテナについての素子アンテナチャネルと呼
び、特に、受信信号がキャリア成分を含んだ状態で伝達
される素子アンテナ21(1)〜21(n)からミキサ
42(1)〜42(n)までの個々の経路を狭義の素子
アンテナチャネルと呼ぶことにする。
【0021】各素子アンテナ21(1)〜21(n)で
受信した信号は、それぞれ、RFアンプ41(1)〜4
1(n)で増幅され、ミキサ42(1)〜42(n)で
RFアンプ14からの送信信号の一部とミキシングされ
る。このミキシングにより各受信信号はダウンコンバー
トされ、送信信号と受信信号との差信号であるビート信
号が素子アンテナ別に生成される。素子アンテナ別ビー
ト信号は、フィルタ44(1)〜44(n)でノイズ除
去された後、A/D変換器45(1)〜45(n)によ
って素子アンテナ別のデジタルビート信号に変換され
る。
【0022】デジタル信号処理部5は、A/D変換器4
5(1)〜45(n)からそれぞれ素子アンテナ毎のデ
ィジタルビート信号を入力し、一時的に記憶する。この
ようにして得られた素子アンテナチャネル別デジタルビ
ート信号に対して種々の処理を施してターゲット情報す
なわちターゲットの距離、相対速度、方位、幅等を取得
する。
【0023】距離および相対速度については通常のFM
−CWレーダ装置の探知原理により取得する。また、方
位については、DBF技術によるアンテナビームの電子
走査により取得する。
【0024】また、デジタル信号処理部5は位相補正手
段としても動作する。位相補正手段は、検出された所定
のターゲットに関するビート周波数データを用いて、各
素子アンテナチャネルでの位相ズレを補正するための位
相補正値を算出し、この位相補正値を用いてターゲット
検出処理の際の位相補正を行う。
【0025】つぎに、ディジタル信号処理部5における
動作を図2に示すフローチャートと共に説明する。
【0026】ステップS1〜ステップS5は、ターゲッ
ト検出処理に関する通常ルーチンである。ステップS1
で、ターゲット検出処理を実行するためのタイマ割り込
みが行われる。ターゲット検出処理の演算周期の一例と
して、ここでは、100msの演算周期が設定されてお
り、100ms毎にこのタイマ割り込みが行われる。1
00msの間にステップS2〜ステップS5が順に実行
され、残余の時間が位相補正処理に用いられる余裕時間
となる。
【0027】ステップS2では、A/D変換器45
(1)〜45(n)から出力されるデジタルビート信号
の取り込みが素子アンテナチャネル別に行われ、記憶さ
れる。ここでのデジタルビート信号は送信信号の変調周
期の一周期である周波数増加区間(アップ区間)と周波
数減少区間(ダウン区間)の両区間に亘っている。
【0028】ステップS3では、記憶された素子アンテ
ナチャネル別デジタルビート信号に対して高速フーリエ
変換(FFT)を施して、素子アンテナチャネル別にビ
ート周波数データを取得する。
【0029】ステップS4では素子アンテナチャネル別
ビート周波数データに対してDBF合成演算処理を実行
し、複数方向へのアンテナビームを生成し、実質的なア
ンテナビーム走査を電子的に実行する。
【0030】ステップS5では、ステップS4でのビー
ム走査結果に基づいてターゲットを検出する。ターゲッ
トの距離および相対速度は、FM−CWレーダの検出原
理に基づいて取得される。
【0031】すなわち、変調サイクルのアップ区間およ
びダウン区間のビート周波数fb1およびfb2を次式
(1)(2)に代入してターゲットの相対速度が零のと
きのビート周波数frおよび相対速度に基づくドップラ
周波数fdを求め、frおよびfdを次式(3)(4)
に代入してターゲットの距離Rと速度Vを求める。
【0032】 fr=(fb1+fb2)/2 …(1) fd=(fb2−fb1)/2 …(2) R=(C/(4・ΔF・fm))・fr …(3) V=(C/(2・f0))・fd …(4) ここに、Cは光の速度である。
【0033】ここまでの処理が終了すると、ステップS
1のタイマ割り込みが為されてから100msが経過す
るときまでの間、ステップS10以降の位相補正処理が
実行される。
【0034】ステップS10では、ステップS1〜ステ
ップS5によるターゲット検出処理において残った余裕
時間が、位相補正処理における一区切りの処理を実行で
きる時間か否かを判断する。一区切りの処理に要する時
間としてどの程度の時間を設定するかは、後に実行され
るDBF演算時間やQ値算出時間に応じて予め決めてお
く。演算時間余裕がないと判断した場合は、位相補正処
理をすることなくターゲット検出処理を終了し、次のタ
イマ割り込みを待つ。
【0035】一方、演算時間余裕があると判断した場合
にはステップS11に移行し、これから実行しようとす
る計算が前回の演算周期において為された位相補正処理
の続きか否かを判断する。ステップS11において否定
された場合、すなわち、新規の位相補正処理を実行しよ
うとする場合にはステップS12に移行する。
【0036】ステップS12では、ステップS5で検出
されたターゲットの中から、ターゲット距離がR1より
も大きくR2よりも小さい範囲にあり、しかも、同一距
離に複数存在していないターゲットを選択する。この条
件を満たすターゲットが存在しない場合は、位相補正処
理を行わずにターゲット検出処理を終了し、次のタイマ
割り込みを待つ。上記の条件を満たすターゲットが選択
された場合は、ステップS13に移行する。
【0037】ターゲットが近すぎると、ターゲット幅が
レーダビーム幅に比べて大きなものとなってしまい、仮
にターゲットを精度良く検出できたとしても走査方向の
信号レベルプロファイル中に急峻なピークを得ることが
できない。このようなターゲットデータでは、後述の位
相補正処理を有効に実施できない。そのため、ターゲッ
ト距離がR1よりも大きいことを条件としている。
【0038】また、ターゲットが遠すぎると受信レベル
が低くなりS/Nが悪化する。S/Nの悪いターゲット
データを利用して位相補正処理を実行したのでは、精度
の良い位相補正値を得ることができない。そのため、タ
ーゲット距離がR2よりも小さいことを条件としてい
る。R1およびR2は予め定めておく。
【0039】ステップS13では、選択したターゲット
に対応する素子アンテナチャネル別のビート周波数デー
タ、すなわち素子アンテナチャネル別のビート信号をF
FT演算によりフーリエ変換したデータ(FFTデー
タ)を記録する。
【0040】続いて、ステップS14では、記録された
ビート周波数データを用いてDBF合成演算処理を行っ
て電子ビーム走査を実行する。一つのターゲットに関す
るビート周波数データが用いられるので、その周波数に
おける走査方向プロファイルが取得できる。そして、走
査方向プロファイルに現れるピーク形状の鋭さを反映す
る鋭さ反映値であるQ値を求め、初期Q値を算出する。
【0041】図3は走査方向プロファイルの一例を示す
グラフである。たとえば、実線31に示すようなピーク
形状が得られる。ここでは、ピークの頂点から所定レベ
ル値Pだけ下がったところのピーク幅Wを求め、P/W
の値をQ値とする。
【0042】つぎにステップS15では、選択された一
つの素子アンテナチャネルについてのビート周波数デー
タを予め設定した位相回転量φ(deg)だけ位相回転
させる。新規の位相補正処理として初めての場合は、第
1の素子アンテナ21(1)についてのビート周波数デ
ータをφだけ位相回転させる。φの値は、温度や経年変
化により生じると予想される位相ズレ量の数分の一程度
が望ましい。
【0043】ステップS16では、ステップS15で一
つの素子アンテナチャネルについて位相回転したビート
周波数データを含む全素子アンテナチャネルのビート周
波数データ用いてDBF合成演算を行い、ステップS1
7でその結果の走査方向プロファイルから、Q値を計算
する。
【0044】ステップS18では、ステップS17で算
出したQ値と前回算出したQ値(前回Q値)とを比較す
る。前回Q値とは、今回のステップS17に最も近い過
去に実施されたステップS17で算出されたQ値のこと
である。ただし、例外的に新規の位相補正処理として最
初に行う比較処理のときは、ステップS14で算出され
たQ値が前回Q値となる。ここで、Q値が前回Q値より
も大きければ、ステップS20に移行する。
【0045】図3に位相回転処理前後の走査方向プロフ
ァイルの一例を示す。図3において、実線31のプロフ
ァイルが位相回転処理前のものであり、破線32のプロ
ファイルが位相回転処理後のものである。前回プロファ
イル31のピーク幅Wと今回プロファイル32のピーク
幅W´とを比較するとW>W´であり、定義からP=P
´であるから、(P´/W´)>(P/W)となり、こ
の例ではQ値が前回Q値よりも大きい。
【0046】ステップS20では、Q値の前回Q値に対
する増加率(Q増加率)が予め設定されたΔQよりも小
さいか否か、または、同一の素子アンテナチャネルにつ
いてのステップS15からこのステップS20までの一
連の処理が予め設定した回数(m回)に達したか否かを
判断する。
【0047】Q増加率がΔQよりも小さいときには、そ
の素子アンテナチャネルについては、ビート周波数デー
タをこれ以上位相回転してもQ値の増加は望めないこと
を意味する。換言すると、その素子アンテナチャネルの
ビート周波数データの位相補正がその時点で適正に行わ
れたことを示している。また、その素子アンテナチャネ
ルに関するビート周波数データの位相回転をm回行った
場合には、Q値の増加が飽和状態に近づいていると推定
できる。
【0048】したがって、ステップS20で肯定された
ときには、その素子アンテナチャネルのビート周波数デ
ータについて適正な位相補正が完了したものとして、ス
テップS21に移行してその素子アンテナチャネルに関
する合計位相回転量を記憶する。合計位相回転量はその
素子アンテナチャネルについての位相補正値に他ならな
い。
【0049】ステップS20で否定されたときには、す
なわち、Q値の増加率がΔQよりも大きい場合は、その
素子アンテナチャネルのビート周波数データについて再
度位相回転を行うことにより、さらなるQ値の増加が見
込めると推定できる。したっがって、ステップS10へ
戻り、演算時間余裕があればステップS11からステッ
プS15へ移行してさらにφだけ位相回転が行われる。
【0050】ステップS21の後は、ステップS22に
移行して基準素子アンテナチャネルを除くすべての素子
アンテナチャネルに関する位相補正値の取得が完了した
か否かを判断し、すべての素子アンテナチャネルについ
て完了したときには、各素子アンテナチャネル別ビート
周波数データに対する合計位相回転量を、各素子アンテ
ナチャネルの位相補正値に加える。これにより、以後の
ターゲット検出処理は、その位相補正値による位相補正
が為されたビート周波数データにより実行される。
【0051】ステップS22において否定された場合、
すなわち、すべての素子アンテナチャネルに関する位相
補正値の取得がまだ完了していない場合は、ステップS
27で対象となる素子アンテナチャネルを変更した後、
ステップS10に戻る。
【0052】ステップS18において、Q値が前回Q値
よりも小さくなってしまった場合には、位相を回転しな
い方がよかったのであるから、明らかに間違った位相回
転を行ったことになる。その場合はステップS24にお
いて位相回転φの方向を反転させてから、ステップS1
5での回転処理が為される前の当該素子アンテナチャネ
ルのビート周波数データに対してφだけ位相回転を行
う。
【0053】ステップS24での符号反転が2回目でな
ければステップS16に戻り、DBF合成演算が再度実
行される。もし2回目であれば、φの符号をいずれにと
ってもQ値が前回Q値を下回ることになり、すでに、Q
値が最大値に近いと判断できる。したがって、その場合
はステップS21に移行して、最後に行った位相回転処
理の前までの合計位相回転量を記録する。
【0054】ステップS11において、これから実行し
ようとする計算が前回の演算周期において為された位相
補正処理の続きであると判断されたときには、前回処理
までの位相回転量やQ値が記録保存されているので、そ
れ利用して以後の処理が再開される。
【0055】図4は本発明の第2の実施形態であるDB
Fレーダ装置の構成図である。このDBFレーダ装置
は、図1に示す第1実施形態のDBFレーダ装置の変形
例である。第1実施形態の受信部4では、RFアンプや
ミキサなどが素子アンテナチャネル毎にそれぞれ設けら
れている。一方、これらの高周波アナログデバイスは非
常に高価である。
【0056】そこで、第2実施形態では、受信部6には
RFアンプやミキサなどの高周波アナログデバイスを一
組だけ設け、受信部6と受信用アレーアンテナ2の各素
子アンテナ21(1)〜21(n)との間に高速切り換
え可能な切換スイッチ3を設けることにより、実質的に
第1実施形態と同等のターゲット検出を達成する。受信
部6には、RFアンプ61およびミキサ62の後に、ア
ンプ64、フィルタ64およびA/D変換器65が接続
されており、これらは、第1実施形態における一つの素
子アンテナチャネルの構成と同じである。
【0057】切換スイッチ3は、m個の前段スイッチ3
1−1〜31−mと、これらにそれぞれ接続される高周
波用アンプ33−1〜33−mと、後段スイッチ32と
を有し、素子アンテナ21(1)〜21(n)のいずれ
か一つを受信部6に接続する。切換スイッチ3での切り
換えは高速で行われ、たとえば、変調周波数が数百Hz
でビート周波数が数十から数百kHzとした場合、数M
Hz〜数百MHzで切り換えが行われる。これにより、
各素子アンテナ21(1)〜21(n)で受信した受信
信号が時分割多重されてシリアルに受信部6に送り込ま
れデジタルビート信号としてデジタル信号処理部5に供
給される。デジタル信号処理部5では、これを各素子ア
ンテナチャネル別に戻すことにより、実質的に素子アン
テナチャネル別のデジタルビート信号が取得される。
【0058】素子アンテナチャネル別のデジタルビート
信号に基づくターゲット検出処理および位相補正処理は
第1実施形態と同様であるので説明は省略する。
【0059】
【発明の効果】以上のように、本発明のDBFレーダ装
置は位相補正手段を備え、この位相補正手段によれば、
既に検出されたターゲットに関するビート周波数データ
を用いて素子アンテナチャネル別の位相補正値を取得す
ることができるので、位相補正のための特別なハード構
成が不要であり、しかも、位相補正処理の実施が、点検
整備時に限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるDBFレーダ装置の
構成図。
【図2】その動作を示すフローチャート。
【図3】走査方向の信号レベルプロファイルを示すグラ
フ。
【図4】本発明の第2の実施形態であるDBFレーダ装
置の構成図。
【符号の説明】
1…送信部、2…受信用アレーアンテナ、3…切換スイ
ッチ、4,6…受信部、5…デジタル信号処理部、21
(1)〜21(n)…素子アンテナ。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の素子アンテナを有する受信アンテ
    ナを有し、前記各素子アンテナで受信した信号に送信信
    号をミキシングしてビート信号を生成し、前記ビート信
    号をA/D変換してデジタルビート信号とし、前記デジ
    タルビート信号をビート周波数データにフーリエ変換
    し、前記素子アンテナ毎のビート周波数データにDBF
    合成演算処理を施して複数のレーダビームを電子的に生
    成することによりレーダビーム走査を行いターゲットの
    位置及び速度の検出を行うDBFレーダ装置において、 前記各素子アンテナで受信した信号をそれぞれ伝達する
    各素子アンテナチャネルでの位相ズレを補正する位相補
    正手段を備え、 前記位相補正手段は、 検出された所定のターゲットに関するビート周波数デー
    タについて、選択された一つの素子アンテナチャネルに
    関するビート周波数データの位相回転処理およびDBF
    合成演算処理を繰り返し実行し、前記DBF合成演算処
    理毎に走査方向の信号レベルプロファイルを求めそのプ
    ロファイルに現れるピーク形状の鋭さを反映する鋭さ反
    映値を算出し、前記鋭さ反映値の増加率が所定値未満と
    なったときまたは前記鋭さ反映値の算出回数が所定値を
    越えたときの合計位相回転量を前記選択された素子アン
    テナチャネルの位相補正値としてターゲット検出処理時
    の位相補正を行うことを特徴とするDBFレーダ装置。
  2. 【請求項2】 前記位相補正手段における第1回目の位
    相回転処理では位相回転量を零とすることを特徴とする
    請求項1に記載のDBFレーダ装置。
  3. 【請求項3】 前記所定のターゲットは単一であり、前
    記位相補正手段は、前記所定のターゲットに関するビー
    ト周波数データに基づいて、前記複数の素子アンテナチ
    ャネルに関する位相補正値を算出しターゲット検出処理
    時の位相補正を行うことを特徴とする請求項2に記載の
    DBFレーダ装置。
  4. 【請求項4】 前記所定のターゲットは前記位相補正手
    段において生成される前記レーダビームの幅に対して十
    分小さい一つのターゲットであることを特徴とする請求
    項3に記載のDBFレーダ装置。
  5. 【請求項5】 前記所定のターゲットは所定の距離範囲
    に存在するターゲットであることを特徴とする請求項4
    に記載のDBFレーダ装置。
  6. 【請求項6】 前記鋭さ反映値が前回処理において算出
    した鋭さ反映値よりも減少したときには、前記位相回転
    処理での位相回転方向を逆転させることを特徴とする請
    求項3に記載のDBFレーダ装置。
  7. 【請求項7】 前記所定のターゲットのビート周波数デ
    ータに基づく前記複数の素子アンテナチャネルの位相補
    正処理は、前記ターゲット検出処理の演算周期内の余裕
    時間に前記ターゲット検出処理に用いるCPUを用いて
    実行されるものであり、前記余裕時間内に完了しなかっ
    た場合に中断され、次の前記演算周期内の余裕時間にお
    いて再開することを特徴とする請求項3〜7のいずれか
    一項に記載のDBFレーダ装置。
  8. 【請求項8】 前記鋭さ反映値がQ値であり、前記Q値
    は前記走査方向プロファイルに現れるピーク形状につい
    て、ピークの頂点から所定レベル値Pだけ下がったとこ
    ろのピーク幅をWとしたときのP/Wであることを特徴
    とする請求項1〜7に記載のDBFレーダ装置。
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