JP7172096B2 - レーダ装置、アンテナ特性算出装置、アンテナ特性算出方法、及びプログラム - Google Patents

レーダ装置、アンテナ特性算出装置、アンテナ特性算出方法、及びプログラム Download PDF

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Description

この発明は、受信部に含まれる複数の受信アンテナまたは送信部に含まれる複数の送信アンテナの特性を算出する機能を備えたレーダ装置、アンテナ特性算出装置、アンテナ特性算出方法、及びプログラムに関する。
レーダ装置で高い空間分解能を得るための技術として、複数の受信アンテナを広範囲に分散させて配置させ、それぞれの受信アンテナで受信した信号にDBF(Digital Beam Forming)処理を行う分散アレイアンテナ技術が有る。分散アレイアンテナ技術では、複数の受信アンテナ全体を使用して得られる空間分解能は、複数の受信アンテナを展開した範囲を開口とする大型の受信アンテナと同等になる。このため、小型可搬の受信アンテナを広い範囲に展開することで、移動可能な空間分解能が高いレーダを得ることができる。
MIMO (Multiple-Input and Multiple-Output)レーダ技術とDBF技術を組み合わせると、広範囲に分散させた複数の送信アンテナを使用しても、高い捜索効率を得ることができる。複数の送信アンテナで送信し受信アンテナで受信した信号は、MIMOレーダ技術により送信アンテナ毎の成分に分離することができる。分離した送信アンテナ毎の成分にDBF処理を行うと、複数の送信アンテナ全体を使用して得られる空間分解能は、複数の送信アンテナを展開した範囲を開口とする大型のアンテナと同等になる。
一般に、複数の受信アンテナでは、それぞれの透過位相、受信損失などの電気特性にはばらつきが有る。このため、複数の受信アンテナでは、同じ電波を受信しても、それぞれで出力される電気信号の振幅、位相には違いが有る。また、複数の送信アンテナでは、それぞれの透過位相、送信損失などの電気特性にはばらつきが有る。このため、複数の送信アンテナでは、同じ電気信号が入力されても、それぞれで出力される電波の振幅、位相には違いが有る。
さらに、位置や向きなどの配置が異なる複数の受信アンテナどうしは、同じ電波を受信しても、伝搬距離の違いや、電波の伝搬方向の受信アンテナの利得の違いにより振幅や位相が異なるものとなる。また、受信アンテナにより位置や向きなどの配置が異なる複数の送信アンテナで送信した電波を受信した場合も、受信されるまでに伝搬する距離の違いや、電波が伝搬する方向の送信アンテナ利得の違いにより振幅や位相が異なるものとなる。DBF処理により高い空間分解能を得るためには、それぞれの受信アンテナどうし、それぞれの送信アンテナどうしの配置や電気的特性を含む特性の違いによる振幅や位相の違いを正確に把握した上で合成を行なう必要が有る。
複数の送信アンテナの配置や電気的特性振幅を求める技術としては、例えば、複数の送信アンテナから送信し、目標物で反射した電波を受信アンテナで受信し、受信信号に含まれるそれぞれの送信アンテナで送信した電波の成分の振幅と位相を比較して、送信アンテナの特性を求める技術が有る(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2016/067321号
特許文献1に記載の技術では、アンテナの特性を求めるために、目標物の位置情報を外部から取得する。目標物の位置情報を外部から取得する方法としては、位置が正確に求められている目標物の位置情報を取得する方法がある。位置が正確に求められている目標物は、例えば、地球を周回する軌道上を飛行する物体等である。しかし、これらの物体を使用する方法では、物体が、レーダ装置からの観測に適した位置を飛行するまでアンテナの特性を求めることができないという課題があった。
目標物の位置情報を外部から取得する他の方法としては、例えば、通信機器と航法装置とを搭載して常に自らの位置情報を外部に知らせることができる移動体から、移動体の位置を取得する方法がある。しかし、この方法では、アンテナの特性を求めるために特別な移動体を準備したり、移動体の運用者の協力を得たりする必要が有り、頻繁にアンテナの特性を求めることが困難となるという課題があった。
この発明は、上記のような課題を解決するためのものであり、目標物の位置情報を外部から取得せずにアンテナの特性を求めることができるレーダ装置、アンテナ特性算出装置、アンテナ特性算出方法、及びプログラムを得るためのものである。
この発明に係るレーダ装置は、送信電波を送信する送信アンテナと、前記送信電波目標物により反射された反射電波を受信して受信信号を出力する、位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済受信アンテナと、前記反射電波を受信して受信信号を出力する、前記特性の値を求める対象である校正対象受信アンテナと、前記反射電波を受信して受信信号を出力する、複数の前記校正済受信アンテナ、及び前記特性の値が求められていない複数の未校正受信アンテナを含む、前記目標物の位置を求めるための検出用受信アンテナと、複数の前記校正済受信アンテナのそれぞれから出力された複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するコヒーレント信号合成部と、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める位置検出部と、複数の前記校正済受信アンテナ及び前記校正対象受信アンテナのそれぞれから出力された受信信号それぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する振幅位相取得部と、前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済受信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象受信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する特性算出部とを備えるものである。
また、この発明に係る他のレーダ装置は、送信電波を送信する、位置、向き、透過位相、及び送信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済送信アンテナと、送信電波を送信する、前記特性の値を求める対象である校正対象送信アンテナと、複数の前記校正済送信アンテナ、及び前記特性の値が求められていない複数の未校正送信アンテナを含む、目標物の位置を求めるために送信電波を送信する検出用送信アンテナと、複数の前記校正済送信アンテナ、前記校正対象送信アンテナ、及び複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が前記目標物により反射された反射電波をそれぞれ受信して、複数の前記校正済送信アンテナ、前記校正対象送信アンテナ、及び複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号を出力する受信アンテナと、前記受信アンテナが出力する複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく複数の受信信号の少なくとも一部である複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するコヒーレント信号合成部と、前記受信アンテナが出力する、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める位置検出部と、複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづき前記受信アンテナが出力する複数の受信信号及び前記校正対象送信アンテナから送信された送信電波にもとづき前記受信アンテナが出力する受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する振幅位相取得部と、前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済送信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象送信アンテナについて、前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する特性算出部とを備えるものである。
この発明によれば、自ら目標物の位置を測定しながら目標物からの反射電波を受信してアンテナの特性を求めるレーダ装置、アンテナ特性算出装置、アンテナ特性算出方法、及びプログラムを得ることができる。
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。 この発明に係るレーダ装置の校正済アンテナ、校正対象アンテナ、及び検出用アンナの構成を表す概念図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の動作を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態1に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るアンテナ特性算出装置が求める目標位置の誤差と検出用信号の信号対雑音比との関係を表す概念図である。 この発明の実施の形態1に係るアンテナ特性算出装置のハードウェア構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の他の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態2に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態3に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態4に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態5に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態6に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態7に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態7に係るレーダ装置の動作を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態7に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態7に係るレーダ装置の他の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態8に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態9に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態10に係るレーダ装置の動作を表すフローチャートである。 この発明の実施の形態10に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態11に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。 この発明の実施の形態12に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。
実施の形態1.
この発明の実施の形態1に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図1~図6を用いて説明する。図1は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。図1において、レーダ装置は、空間に電波を送信する送信部100と、送信部100から送信された送信電波が目標物1で反射された反射電波を受信する受信部200と、レーダ装置全体の制御を行うレーダ制御部300と、受信部200が備える複数の受信アンテナ測定装置210の特性を算出するアンテナ特性算出装置400とを備えている。
送信部100は、M個の送信アンテナ110を含む。実施の形態1においては、Mは、1以上の整数である。それぞれの送信アンテナ110は、空間に送信電波を送信する。受信部200は、N個の受信アンテナ210を含む。実施の形態1においては、Nは、2以上の整数である。複数の受信アンテナ210のそれぞれは、空間に存在する目標物1が送信部100からの送信電波を反射した反射電波を受信する。複数の受信アンテナ210のそれぞれは、受信した電波にもとづく受信信号を出力する。受信アンテナ210は、その内部にある受信機により、受信した電波を電気信号に変換する。受信機により変換された電気信号は、A/D部(アナログデジタル変換部)によりデジタル信号に変換されて受信アンテナ210から出力される。受信アンテナ210から出力されるデジタル信号を、以後、受信信号と呼ぶ。複数の受信アンテナ210それぞれが生成する受信信号は、受信した反射電波を電気信号に変換した反射信号を含んでいる。
それぞれの受信アンテナ210は、例えば、電子的に受信ビームを走査させるフェーズドアレイアンテナや、指向性アンテナの受信ビームを機械的に走査させる機械走査アンテナなどにより電波を受信する。受信アンテナ210は、電波を受信する際に、目標物1の方向に受信ビームを指向させ、目標物1から反射される反射電波を選択的に受信することができる。また、複数の受信アンテナ210は、それぞれ同じ方向に指向させながら受信ビームを走査させるように制御されている。
受信部200が含む複数の受信アンテナ210は、校正済受信アンテナ211、校正対象受信アンテナ212、及び検出用受信アンテナ213を含んでいる。校正済受信アンテナ211は、複数の受信アンテナ210の内の、位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められているものである。校正対象受信アンテナ212は、複数の受信アンテナ210の内の、アンテナ特性算出装置400が、位置、向き、透過位相、及び受信損失の1以上を含む特性の値を算出する対象とするものである。一般に、校正対象受信アンテナ212は、受信部200が含む複数の受信アンテナ210の内の、校正済受信アンテナ211で無いものの内の1つ、複数、または全てである。校正対象受信アンテナ212は、反射電波を受信して、特性の値を求めるための受信信号を出力する。
図1では、受信アンテナ210であるRx#1~Rx#N-1が校正済受信アンテナ211、受信アンテナ210であるRx#Nが校正対象受信アンテナ212である例を示している。以後、校正済受信アンテナ211、校正対象受信アンテナ212を図1の例のとおりにした場合について説明する。検出用受信アンテナ213は、複数の受信アンテナ210の内の、目標物1の位置を求めるための受信アンテナである。
図2は、この発明に係るレーダ装置の校正済アンテナ、校正対象アンテナ、及び検出用アンテナの構成を表す概念図である。図2では、送信アンテナ110が1つ、受信アンテナ210が4つの例を示している。図2では、校正対象受信アンテナ212は1つであるが、複数の受信アンテナ210を同時に校正対象受信アンテナ212としても良い。
図2(a)において、検出用受信アンテナ213は、受信部200が含む複数の受信アンテナ210の内の1つである。検出用受信アンテナ213は、受信アンテナ210であればどのアンテナであっても良い。検出用受信アンテナ213は、校正済受信アンテナ211でも良いし、校正対象受信アンテナ212でも良い。
図2(b)に示すとおり、複数の受信アンテナ210を検出用受信アンテナ213としても良い。図2(b)の構成については、実施の形態2及び実施の形態3により説明する。また、図2(c)に示すとおり、複数の校正済受信アンテナ211を検出用受信アンテナ213としても良い。図2(c)の構成については、実施の形態4により説明する。さらに、図2(d)に示すとおり、複数の校正済受信アンテナ211と校正済受信アンテナ211でない受信アンテナ210を検出用受信アンテナ213としても良い。図2(d)の構成については、実施の形態5及び実施の形態6により説明する。
レーダ制御部300は、制御部310とレーダ目標検出部320と、表示部330と、特性データ340とを備えている。制御部310は、送信部100による送信電波の送信と受信部200による反射電波の受信を制御する。レーダ目標検出部320は、受信部200が反射電波を受信して生成した受信信号にDBF処理を行い、目標物1からの反射電波にもとづく反射信号の検出を行う。レーダ目標検出部320で検出された反射信号から求められる目標物1の位置は、表示部330に表示される。レーダ目標検出部320は、DBF処理により高い空間分解能を得るために、それぞれの受信アンテナ210の特性にもとづいて、複数の受信アンテナ210が生成したそれぞれの受信信号の振幅と位相とを補償する。受信アンテナ210の特性は、それぞれの受信アンテナ210の位置や向きなどの配置と透過位相、受信損失などの電気特性を含んでいる。特性データ340は、複数の受信アンテナ210が生成したそれぞれの受信信号の振幅と位相との補償に必要な、それぞれの受信アンテナ210の特性の値を記憶している。
アンテナ特性算出装置400は、校正対象受信アンテナ212の特性の値を算出する。アンテナ特性算出装置400は、検出用信号収集部410と、位置検出部420と、振幅位相取得部430と、特性算出部440と、選択部450とを備えている。検出用信号収集部410は、検出用受信アンテナ213の受信信号を目標物1の位置を検出するために収集する。また、検出用信号収集部410は、必要に応じて検出用受信アンテナ213の受信信号の合成などの処理も行う。位置検出部420は、検出用信号収集部410が収集した検出用受信アンテナ213の受信信号から、目標物1の位置を校正用位置情報として求める。校正用位置情報は、特性算出部440が校正対象受信アンテナ212の特性の値を算出するために使用する。
振幅位相取得部430は、校正済受信アンテナ211及び校正対象受信アンテナ212のそれぞれが出力した受信信号それぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する。振幅位相情報は、特性算出部440が校正対象受信アンテナ212の特性の値を算出するために使用する。振幅位相情報は、校正済受信アンテナ211及び校正対象受信アンテナ212のそれぞれが出力した受信信号の内の、目標物1を検出した受信信号または、校正用位置情報が表す位置で反射された反射電波の受信信号の振幅及び位相の情報である。振幅位相取得部430は、校正済受信アンテナ211及び校正対象受信アンテナ212のそれぞれが出力した受信信号の内の、校正用位置情報が表す位置で反射された反射電波の受信信号を取得する場合、以下のように受信信号を抽出する。
レーダ装置では、受信アンテナ210が生成する受信信号や、受信信号を信号処理した結果により、決められた方向と距離から反射された信号のみを、他の方向と距離から反射された信号から分離して取得することができる。決められた方向から反射された反射電波は、受信アンテナ210の受信アンテナを決められた方向に指向させることで得られる。決められた距離から反射された反射電波を得る方法は、レーダ方式により異なる。パルスレーダ方式では、受信アンテナ210が生成する受信信号から、距離に対応した時刻に得られた信号を抽出することで、決められた距離から反射された反射電波の受信信号を得ることができる。FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave)レーダ方式では、受信アンテナ210が生成する受信信号から、送信信号との周波数差が距離に対応した周波数の信号を抽出することで、決められた距離から反射された反射電波の受信信号を得ることができる。
特性算出部440は、位置検出部420が求めた目標物1の校正用位置情報と、振幅位相取得部430が取得した、校正用位置情報に対応する振幅位相情報と特性データ340に記憶されている校正済受信アンテナ211の特性の値とをもとに、校正対象受信アンテナ212特性の内の1以上の値を算出する。特性算出部440が算出する校正対象受信アンテナ212の特性の値は、それぞれの受信アンテナ210の位置、向き、透過位相、及び受信損失の4つの特性の1以上を含む値である。また、特性算出部440は、選択部450が、検出用信号をもとに選択した校正用位置情報を、特性の値の算出するために使用する。特性算出部440が算出した特性の値は、特性データ340に記憶される。
図3は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の動作を表すフローチャートである。実施の形態1に係るレーダ装置の動作を、図3により説明する。最初に送信部100が空間に送信電波を送信する(ST001)。次に、受信部200の複数の受信アンテナ210それぞれが、目標物1が送信電波を反射した、目標物1からの反射電波を受信する(ST002)。複数の受信アンテナ210は、校正済受信アンテナ211、校正対象受信アンテナ212、及び検出用受信アンテナ213を含んでいる。複数の受信アンテナ210はそれぞれ、反射電波を受信して受信信号を出力する。受信信号には、反射電波にもとづく反射信号が含まれている。
検出用信号収集部410は、受信部200の検出用受信アンテナ213が出力した受信信号を、目標物1の位置を検出するために収集し、位置検出部420は、収集した信号から目標物1の位置を校正用位置情報として求める(ST003)。また、位置検出部420は、検出用受信アンテナ213が出力した受信信号の信号対雑音比を求める(ST004)。振幅位相取得部430は、校正済受信アンテナ211及び校正対象受信アンテナ212のそれぞれが出力した受信信号それぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する(ST005)。レーダ装置は、ST001からST005の処理を決められた回数Kだけ繰り返したかどうかを確認し(ST006)、Kだけ繰り返していなければ(ST006でYES)、ST001からの処理を繰り返す。
ST001からST006を繰り返すことにより、位置検出部420は、目標物1の校正用位置情報と校正用位置情報を求めたときの検出用受信アンテナ213が出力した受信信号の信号対雑音比と校正用位置情報に対応する振幅位相情報との組合せを1以上の必要な数だけ生成する。
レーダ装置は、ST001からST006の処理を決められた回数Kだけ繰り返した場合は(ST006でNO)、選択部450は、校正用位置情報を求めたときの検出用受信アンテナ213が出力した受信信号の信号対雑音比が決められた条件を満足するかどうかを確認して、校正用位置情報を特性算出部440で使用するかどうかを選択する(ST007)。
特性算出部440は、選択部450が選択した校正用位置情報と振幅位相情報と校正済受信アンテナ211の特性の値とをもとに、校正対象受信アンテナ212について、特性の値を算出する(ST008)。特性算出部440が算出した特性の値は、特性データ340に記憶され、レーダ制御部300が通常のレーダ運用で使用する(ST009)。
特性データ340に記憶された特性データの値は、レーダ目標検出部320が、受信部200が反射電波を受信して生成した受信信号にDBF処理を行う際に使用する。レーダ目標検出部320は、校正済受信アンテナ211が出力する受信信号の振幅及び位相を、特性データ340に記憶されているそれぞれの校正済受信アンテナ211の特性データにより補償する。また、レーダ目標検出部320は、特性算出部440が特性を算出した校正対象受信アンテナ212が出力する受信信号の振幅及び位相を、特性算出部440が特性データ340に記憶したそれぞれの校正対象受信アンテナ212の特性データにより補償する。レーダ目標検出部320は、校正済受信アンテナ211が出力した受信信号に振幅及び位相を補償したデータ及び校正対象受信アンテナ212が出力する受信信号に振幅及び位相を補償したデータに対してDBF処理を行い、目標の検出を行う。
図4は、アンテナ特性算出装置400の構成を表すブロック図である。図4により、アンテナ特性算出装置400の詳細を説明する。
検出用信号収集部410は、検出用受信アンテナ213が出力した受信信号を目標物1の位置を検出するために収集する。検出用信号収集部410は、信号選択部411と信号収集部412とを備えている。信号選択部411は、複数の受信アンテナ210それぞれが出力した受信信号の内から、検出用受信アンテナ213が出力した受信信号を選択する。検出用受信アンテナ213は、例えば、複数の受信アンテナ210の内でも、最も少ない誤差で目標物1の位置を算出できる受信アンテナ210などである。信号収集部412は、信号選択部411が選択した受信信号を、目標物1の位置を検出するために必要なだ収集する。信号収集部412は、信号選択部411が選択した検出用受信アンテナ213が目標物1の周囲の複数の方向で受信した受信信号などを収集する。
位置検出部420は、検出用信号収集部410が収集した検出用受信アンテナ213の受信信号から目標物の位置を校正用位置情報として検出する。また、位置検出部420は、検出用受信アンテナ213の受信信号の信号対雑音比を算出する。位置検出部420は、信号検出部421と目標位置算出部422と、信号対雑音比測定部423とを備えている。信号検出部421は、検出用受信アンテナ213の受信信号に含まれている、目標物1からの反射電波にもとづく反射信号を検出する。目標位置算出部422は、検出した反射信号にもとづいて、目標物1の位置である校正用位置情報を求める。目標位置算出部422は、校正用位置情報を、振幅位相取得部430と特性算出部440とに出力する。信号対雑音比測定部423は、検出用信号の信号対雑音比を求める。信号対雑音比測定部423は、求めた信号対雑音比を、選択部450に出力する。
選択部450は、検出用受信アンテナ213の受信信号をもとに、特性算出部440で校正用位置情報を使用するかしないかを選択する。具体的には、選択部450は、検出用受信アンテナ213の受信信号の信号対雑音比をもとに、特性算出部440で校正用位置情報を使用するかしないかを選択する。
ここで、特性算出部440で校正用位置情報を使用するかしないかを選択する原理について説明する。校正用位置情報の誤差が大きいと、反射電波が目標物1からそれぞれの受信アンテナ210に到達するまでに伝搬する距離や、電波が伝搬する方向の現実の値と校正用位置情報から算出した値との間に違いが発生する。距離や方向の違いは、それぞれの受信アンテナ210が受信する反射電波の振幅や位相の違いや、それぞれの受信アンテナ210が反射電波を受信する際のアンテナ利得の違いが発生するもととなる。このため、特性の値を求めるためには、誤差が少ない校正用位置情報とその校正用位置情報にもとづく振幅位相情報とを選択する必要が有る。
位置検出部420は、校正用位置情報の方向、位置のいずれについても、検出用受信アンテナ213の受信信号または検出用受信アンテナ213の受信信号にもとづく信号の信号電力をもとに算出する。このため、校正用位置情報の誤差は、図5で示すように、検出用受信アンテナ213の受信信号の信号対雑音比が大きくなる程、誤差は小さなものとなる。選択部450は、検出用受信アンテナ213の受信信号の信号対雑音比が決められた値以上となる場合について、特性算出部440で校正用位置情報を使用すると選択する。
振幅位相取得部430は、校正済受信アンテナ211及び校正対象受信アンテナ212それぞれが出力した受信信号の、振幅及び位相を示す振幅位相情報を取得する。図3のフローチャートのST005の処理を行うとき、振幅位相取得部430が取得する信号について説明する。目標物1からの反射電波をs(t)とすると、校正済受信アンテナ211及び校正対象受信アンテナ212それぞれが出力する受信信号x(t)は、式(1)のように表すことができる。ベクトルx(t)の1~N-1番目の要素は校正済受信アンテナ211の受信信号、N番目の要素は、校正対象受信アンテナ212の受信信号である。
Figure 0007172096000001
ここで、kは、ST006のk回目の処理であることを表し、a(θ,φ)、θ、φ、s(t)はそれぞれ受信アレーのステアリングベクトル、k回目の観測時の目標仰角、k回目の観測時の目標方位角、反射信号の波形を表している。また、Tは転置を表している。受信アレーのステアリングベクトルa(θ,φ)は、式(2)のように表すことができる。
Figure 0007172096000002
ところで、反射電波は電波の振幅と位相により表され、反射電波をもとにした反射信号もまた、振幅と位相により表される。校正用位置情報の反射信号を含む受信信号の振幅位相情報の値y(k)は、校正用位置情報の距離に対応する時刻(t)のそれぞれの受信信号の値である。このため、振幅位相取得部430が取得する振幅位相情報は、式(3)の通りとなる。
Figure 0007172096000003
図4において、特性算出部440は、選択部450が選択した校正用位置情報と振幅位相情報と校正済受信アンテナ211の特性の値をもとに、校正対象受信アンテナ212について、特性の値を算出する。特性の値は、例えば、最尤推定などを使用して算出する。最尤推定では、特性の値を求めることは、以下の式(4)に示す対数尤度に基づいた評価関数J(ξ)の最小化問題を解き、特性の値ξ’を求める処理となる。
Figure 0007172096000004
Figure 0007172096000005
式(4)において、a’(θ,φ,ξ)はステアリングベクトルの計算値であり、ξは推定対象となる特性の値を要素とするベクトルである。ここで、校正対象受信アンテナ212(特性の値を求める対象をN番目の受信アンテナ210)の位置を(x,y,z)、方向を(Δθ,Δφ)、受信損失を1-μ、透過位相をψとした場合、ξは以下の式(6)のようになる。
Figure 0007172096000006
このとき、ステアリングベクトルa’(θ,φ,ξ)中のn番目の受信アンテナ210に対応した成分a’(θ,φ,ξ)は以下の式(7)のようになる。
Figure 0007172096000007
式(7)中のG(θ,φ,Δθ,Δφ)は受信アンテナ210の方向がΔθ,Δφのときに信号がθ,φから到来した場合のアンテナ利得である。dは下記の式(8)の受信アンテナ210の位置ベクトル、u(θ,φ)は下記の式(9)記載の到来方向ベクトルである。なお、一般的に座標系の取り方によって式(9)の到来方向ベクトルの表現は変化する。
Figure 0007172096000008
Figure 0007172096000009
特性算出装置440は、上記の式(7)について、校正済受信アンテナ211については既に求められている特性の値を代入し、校正対象受信アンテナ212についてはξを変化させながら計算し式(5)のJ(ξ)の最小値探索を行うことで、特性の値ξ’を得る。
なお、ここでは最尤推定により特性の値を求める手法を記述しているが、特性算出装置440は、他の手法により特性の値を求めてもよい。例えば、特性算出装置440は、最小二乗法を用いて、最尤推定と同様に式(8)のステアリングベクトルの計算値を利用した評価関数を作成し、その最小化問題として特性の値を求めても良い。
なお、上記説明では、特性算出装置440が算出する校正対象受信アンテナ212の特性として、校正対象受信アンテナ212の位置、向き、透過位相、受信損失の全てが未知の場合を想定していた。このとき、特性算出装置440は、ξを式(6)のようにして、ξを変化させながら計算し式(5)のJ(ξ)の最小値探索を行う。しかし、特性算出装置440は、これら4つの特性の内の、1つないしは3つが未知の場合にも未知の特性の値を求めることができる。例えば校正対象受信アンテナ212の位置、位相の差は既知で、校正対象受信アンテナ212の方向のみを求める場合には、特性算出装置440は、ξを以下の式(10)のようにして、ξを変化させながら計算し式(5)のJ(ξ)の最小値探索を行うことで、校正対象受信アンテナ212の方向の値ξ’を得る。
Figure 0007172096000010
さらに、特性算出部440は、2以上の校正対象受信アンテナ212についての特性を求めることも可能である。例えば、式(6)に加えてN-1番目の受信アンテナ210を校正対象受信アンテナ212として、N-1番目の受信アンテナ210の位置(xN-1,yN-1,zN-1)、受信アンテナの方向(ΔθN-1,ΔφN-1)、受信した反射電波と生成する反射信号との間の振幅比μN-1、透過位相ψN-1とを求める場合、ξは以下の式(11)のようになる。
Figure 0007172096000011
特性の値を求める校正対象受信アンテナ212が3以上となった場合も、同様に、ξを、求める特性を全て含むようにする。このようにξを設定し、ξを変化させながら計算し、式(5)のJ(ξ)の最小値探索を行うことで、複数の校正対象受信アンテナ212の特性の値ξ’を得ることができる。
図6は、この発明の実施の形態1に係るアンテナ特性算出装置のハードウェア構成を表すブロック図である。アンテナ特性算出装置400は、プロセッサ610と、主記憶装置620と、外部記憶装置630と、制御部インタフェース640と、受信部インタフェース650と、送信部インタフェース660とを備える。主記憶装置620、外部記憶装置630、制御部インタフェース640、受信部インタフェース650、及び送信部インタフェース660は、内部バス600によりプロセッサ610に接続されている。
プロセッサ610は、例えば、RAM(Random-Access Memory)から構成されている。主記憶装置620は、後述する外部記憶装置630に記憶されている制御プログラムをロードし、プロセッサ610の作業領域として用いられる。
外部記憶装置630は、例えば、フラッシュメモリ、ハードディスク、DVD-RAM(Digital Versatile Disc Random-Access Memory)、DVD-RW(Digital Versatile Disc ReWritable)といった不揮発性メモリから構成される。外部記憶装置630には、アンテナ特性算出装置400の処理をプロセッサ610に行なわせるための制御プログラムが、あらかじめ記憶されている。
制御プログラムは、検出用信号収集部410、位置検出部420、振幅位相取得部430、特性算出部440、及び選択部450のそれぞれの処理を備えている。検出用信号収集部410の処理は、目標物1の位置を求めるための検出用受信アンテナ213が、送信アンテナ110から送信された送信電波を目標物1が反射した反射電波を受信して出力する受信信号を収集する処理である。位置検出部420の処理は、検出用信号収集部410が収集した、検出用受信アンテナ213が出力する受信信号にもとづいて、目標物1の位置を校正用位置情報として求める処理である。振幅位相取得部430の処理は、位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められている校正済受信アンテナ211が、反射電波を受信して出力する受信信号、及び校正対象受信アンテナ212が、反射電波を受信して出力する特性の値を求めるための受信信号それぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する処理である。特性算出部440の処理は、校正用位置情報と振幅位相情報と校正済受信アンテナ211の特性の値とをもとに、校正対象受信アンテナ212について前記特性の内の1以上の値を算出する処理である。選択部450の処理は、検出用受信アンテナ213が出力した受信信号をもとに、校正用位置情報を特性算出部440で使用するかしないかを選択する処理である。
図7は、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置の他の構成を表すブロック図である。図1の構成では、レーダ装置及びアンテナ特性算出装置は、受信部200の複数の受信アンテナ210の受信信号をもとに、1以上の受信アンテナ210の受信特性を算出する。しかし、図7のように、送信アンテナ110と校正対象受信アンテナ212とが、同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。図7においては、レーダ装置は、送信アンテナ110と校正対象受信アンテナ212との代わりに、送受信アンテナ160を備えているものとも言うことができる。送受信アンテナ160は、受信アンテナ210の受信アンテナを使用して、送信アンテナ110の送信信号を送信するように構成されている。このため、送受信アンテナ160は、受信部200に含まれるとともに、送信部100にも含まれる。図7の構成であっても、図1の構成と全く同様に、レーダ装置及びアンテナ特性算出装置は、受信アンテナ210及び送受信アンテナ160の受信信号をもとに、校正対象受信アンテナ212や送受信アンテナ160について、特性の値を算出することができる。
以上のように、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置は、検出用信号収集部410が収集した検出用受信アンテナ213の受信信号をもとに位置検出部420が目標物1の校正用位置情報を求めるため、目標物の位置情報を外部から取得せずに校正対象受信アンテナ212の特性を求めることができる。また、レーダ装置は、通常の運用で目標検出に使用する送信部100、受信部200を使用して校正対象受信アンテナ212の特性を求めることができる。
また、この発明の実施の形態1に係るレーダ装置は、選択部450が検出用信号をもとに選択した校正用位置情報と振幅位相情報をもとに位置検出部420が校正対象受信アンテナ212の特性を求めるため、レーダ装置が通常の運用で目標検出に使用する送信部100、受信部200を使用して高い精度で受信アンテナ210の特性を求めることができる。
実施の形態2.
実施の形態2に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図8により説明する。実施の形態1に係るレーダ装置は、位置検出部420が、複数の受信アンテナ210の内の1つである検出用受信アンテナ213の受信信号を使用して目標物1の校正用位置情報を求めるように構成されている。しかし、レーダ装置は、位置検出部420Aが複数の受信アンテナ210の内の複数の検出用受信アンテナ213で受信した受信信号から目標物1の位置を求めるように構成されても。
図8は、実施の形態2に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。なお、実施の形態2に係るレーダ装置としては、図1や図7の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置400を、図8の構成のアンテナ特性算出装置400Aで置き換えたものとなる。実施の形態2に係るレーダ装置の動作もまた、図3のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態2に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。
検出用信号収集部410Aは、複数の受信アンテナ210の内の複数の検出用受信アンテナ213が出力した受信信号を目標物1の位置を検出するために収集する。検出用信号収集部410Aは、信号選択部411Aと2以上の信号収集部412とを備えている。信号選択部411Aは、複数の受信アンテナ210それぞれが生成した受信信号の内から、複数の検出用受信アンテナ213が出力した受信信号を選択する。選択する受信信号は、例えば、複数の受信アンテナ210の内でも、少ない誤差で目標物1の位置を算出できる検出用受信アンテナ213が生成する受信信号などである。信号収集部412は、信号選択部411Aが選択した複数の検出用受信アンテナ213の受信信号それぞれを、目標物1の位置を検出するために必要なだけ収集する。
なお、図8では、検出用信号収集部410Aは、複数の検出用受信アンテナ213の受信信号それぞれを収集する。しかし、検出用信号収集部410Aは、複数の検出用受信アンテナ213の受信信号について、複数の受信信号群に分類し、それぞれの受信信号群に含まれる受信信号どうしを実施の形態3や実施の形態4で説明するコヒーレント合成または非コヒーレント合成した信号を信号群毎に収集しても良い。
位置検出部420Aは、検出用信号収集部410Aが収集した2以上の検出用受信アンテナ213の受信信号それぞれをもとに、目標物の位置を校正用位置情報として検出する。また、位置検出部420Aは、検出用信号の信号対雑音比を算出する。位置検出部420Aは、2以上の信号検出部421と2以上の目標位置算出部422と、2以上の信号対雑音比測定部423とを備えている。さらに、位置検出部420Aは、平均目標位置算出部424と平均信号対雑音比算出部425とを備えている。
信号検出部421は、それぞれの検出用受信アンテナ213の受信信号に含まれている、目標物1からの反射電波にもとづく反射信号を検出する。目標位置算出部422は、それぞれの反射信号にもとづいて、目標物1の位置を求める。平均目標位置算出部424は、それぞれの目標位置算出部422が算出した目標物1の位置を平均化して目標物の校正用位置情報を算出し、振幅位相取得部430及び特性算出部440に出力する。平均信号対雑音比算出部425は、それぞれの信号対雑音比測定部423が算出した検出用受信アンテナ213の受信信号の信号対雑音比を平均化して、信号対雑音比の平均を求め検出信号の信号対雑音比として、選択部450に出力する。
選択部450、信号位相取得部430、及び特性算出部440の動作は、実施の形態1と同様である。特性算出部440は、校正用位置情報として、2以上の検出用信号のそれぞれから求めた目標物1の位置の平均値を使用する。
特性算出部440は、2以上の検出用受信アンテナ213の受信信号のそれぞれから求めた目標物1の位置の平均値を使用して受信アンテナ210の特性を求める。このため、特性算出部440が受信アンテナ210の特性を求めるために使用する校正用位置情報は、1つの検出用受信アンテナ213の受信信号から求めた場合に比べてより正確なものとなる。このため、実施の形態2に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置は、実施の形態1に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置に比べて、より正確に受信アンテナ210の特性を求めることができる。
実施の形態3.
実施の形態3に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図9により説明する。実施の形態2に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、2以上の検出用受信アンテナ213の受信信号からそれぞれ目標物の位置を求めたが、2以上の検出用受信アンテナ213の受信信号を合成した信号をもとに、目標物の位置を求めるようにしても良い。
図9は、実施の形態3に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。なお、実施の形態3に係るレーダ装置としては、図1や図7の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置400を、図9の構成のアンテナ特性算出装置400Bで置き換えたものとなる。実施の形態3に係るレーダ装置の動作もまた、図4のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態3に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。
検出用信号収集部410Bは、複数の受信アンテナ210の内の2以上の検出用受信アンテナ213が出力した受信信号を合成した信号を目標物1の位置を検出するために収集する。検出用信号収集部410Bは、信号選択部411Aと非コヒーレント信号合成部413と信号収集部412とを備えている。非コヒーレント信号合成部413は、信号選択部411Aが選択した2以上の検出用受信アンテナ213で同時に受信された受信信号それぞれの振幅を2乗和した信号(非コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部412は、非コヒーレント信号合成部413が生成した非コヒーレント合成信号を、目標物1の位置を検出するために必要なだけ、目標物1の位置を検出するために収集する。位置検出部420、選択部450、信号位相取得部430、及び特性算出部440の動作は、実施の形態1と同様である。
なお、図9では、非コヒーレント信号合成部413は、複数の検出用受信アンテナ213の受信信号それぞれの振幅を2乗和した信号(非コヒーレント合成信号)を生成する。しかし、非コヒーレント信号合成部413は、複数の検出用受信アンテナ213の受信信号の一部をコヒーレント合成した信号と、他の検出用受信アンテナ213の受信信号とを非コヒーレント合成しても良い。
特性算出部440は、2以上の検出用受信アンテナ213で同時に受信された受信信号それぞれの振幅を2乗和した信号(非コヒーレント合成信号)から求めた目標物1の校正用位置情報を使用して校正対象受信アンテナ212の特性を求める。このため、特性算出部440が校正対象受信アンテナ212の特性を求めるために使用する校正用位置情報は、1つの受信信号から求めた場合に比べてより正確なものとなる。
実施の形態4.
実施の形態4に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図10及び図11により説明する。検出用受信アンテナ213が既に特性の値が求められている校正済受信アンテナ211を複数含む場合、複数の校正済受信アンテナ211の受信信号どうしでDBF処理を行うことができる。実施の形態4に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、DBF処理を行うことにより、高い空間分解能で正確に目標物1の校正用位置情報を求めることができる。
図10は、実施の形態4に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。図10に示すレーダ装置は、図1と比較すると、アンテナ特性算出部400の代わりに、アンテナ特性算出部400Cを備えている。アンテナ特性算出部400Cは、検出用信号収集部410Cが、検出用受信アンテナ213が含む複数の校正済受信アンテナ211の受信信号どうしでDBF処理を行い合成した信号を収集する。その他の構成については、図1と同様である。実施の形態4に係るレーダ装置の動作もまた、図3のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態4に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。また、実施の形態4に係るレーダ装置についても、図7と同様に、送信アンテナ110と受信アンテナ210(校正対象受信アンテナ212)とが同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。
図11は、実施の形態4に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。図11において、検出用信号収集部410Cは、信号選択部411Aとコヒーレント信号合成部414と、信号収集部412とを備えている。また、検出用受信アンテナ213は、既に特性の値が求められている校正済受信アンテナ211を複数含んでいる。
信号選択部411Aは、検出用受信アンテナ213に含まれている、2以上の校正済受信アンテナ211それぞれの同時に受信された受信信号を選択する。コヒーレント信号合成部414は、信号選択部411Aが選択したそれぞれの受信信号を、それぞれの校正済受信アンテナ211の特性をもとに振幅と位相とを補償して足し合わせた信号(コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部412は、コヒーレント信号合成部414が生成したコヒーレント合成信号を、目標物1の位置を検出するために必要なだけ収集する。位置検出部420、選択部450、信号位相取得部430、及び特性算出部440の動作は、実施の形態1と同様である。
位置検出部420は、検出用受信アンテナ213に含まれる2以上の校正済受信アンテナ211の受信信号の同時に受信された受信信号をDBF処理により合成した信号(コヒーレント合成信号)から目標物1の校正用位置情報をもとめる。このため、特性算出部440が受信アンテナ210の特性を求めるために使用する校正用位置情報は、1つの検出用受信アンテナ213の受信信号から求めた場合に比べてより正確なものとなる。このため、実施の形態4に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置は、実施の形態1に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置に比べて、より正確に校正対象受信アンテナ212の特性を求めることができる。
実施の形態5.
実施の形態5に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図12により説明する。図12は、実施の形態5に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。なお、実施の形態5に係るレーダ装置の構成は、図10の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置400をアンテナ特性算出装置400Dに置き換えたものである。図12において、検出用信号収集部410Dは、信号選択部411Aとコヒーレント信号合成部414と、複数の信号収集部412とを備えている。また、検出用受信アンテナ213は、特性が既に求められている校正済受信アンテナ211と特性が求められてない受信アンテナ210とを含む。その他の構成については、図8と同様である。実施の形態5に係るレーダ装置の動作もまた、図3のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態5に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。実施の形態5に係るレーダ装置についても、図7と同様に、送信アンテナ110と受信アンテナ210(校正対象受信アンテナ212)とが同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。
コヒーレント信号合成部414は、信号選択部411Aが選択した検出用受信アンテナ213の受信信号の内の、2以上の校正済受信アンテナ211それぞれの同時に受信された受信信号を、既に求められている特性をもとに振幅と位相とを補償して足し合わせたコヒーレント合成信号を生成する。信号収集部412は、複数の受信アンテナ210の1以上が生成した受信信号とコヒーレント信号合成部414が生成したコヒーレント合成信号とのそれぞれを、目標物1の位置を検出するために必要なだけ、目標物1の位置を検出するために収集する。
特性算出部440Dは、検出用受信アンテナ213の内の特性の値が求められて無い受信アンテナ210が出力した受信信号とコヒーレント信号合成部414が生成したコヒーレント合成信号とのそれぞれから求めた目標物1の位置の平均値を使用して校正対象受信アンテナ212の特性を求める。このため、特性算出部440が校正対象受信アンテナ212の特性を求めるために使用する校正用位置情報は、コヒーレント合成信号のみから求めた場合に比べてより正確なものとなる。このため、実施の形態5に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置は、実施の形態4に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置に比べて、より正確に校正対象受信アンテナ212の特性を求めることができる。
実施の形態6.
実施の形態6に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図13により説明する。図13は、実施の形態6に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。なお、実施の形態6に係るレーダ装置の構成は、図10の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置400をアンテナ特性算出装置400Eに置き換えたものである。図13において、検出用信号収集部410Eは、信号選択部411Aとコヒーレント信号合成部414と、非コヒーレント信号合成部413と、信号収集部412とを備えている。図13において、検出用受信アンテナ213は、特性が既に求められている校正済受信アンテナ211と特性が求められてない受信アンテナ210とを含む。その他の構成については、図9と同様である。実施の形態5に係るレーダ装置の動作もまた、図3のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態6に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。実施の形態6に係るレーダ装置についても、図7と同様に、送信アンテナ110と受信アンテナ210(校正対象受信アンテナ212)とが同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。
コヒーレント信号合成部414は、信号選択部411Aが選択した検出用受信アンテナ213の受信信号の内の、2以上の校正済受信アンテナ211それぞれの同時に受信された受信信号を、既に求められている特性をもとに振幅と位相とを補償して足し合わせたコヒーレント合成信号を生成する。非コヒーレント信号合成部413は、信号選択部411Aが選択した検出用受信アンテナ213の受信信号の内の特性が求められてない受信アンテナ210の受信信号とコヒーレント信号合成部414が生成したコヒーレント合成信号のそれぞれの振幅を2乗和した信号(非コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部412は、非コヒーレント信号合成部413が生成した非コヒーレント合成信号を、目標物1の位置を検出するために必要なだけ収集する。
特性算出部440Dは、複数の受信アンテナ210の1以上が生成した受信信号とコヒーレント信号合成部414が生成したコヒーレント合成信号とのそれぞれから求めた目標物1の位置の平均値を使用して受信アンテナ210の特性を求める。このため、特性算出部440が受信アンテナ210の特性を求めるために使用する校正用位置情報は、コヒーレント合成信号のみから求めた場合に比べてより正確なものとなる。
実施の形態7.
実施の形態7に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図14~図16及び図2により説明する。実施の形態1~実施の形態6に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、複数の校正対象受信アンテナ212の特性の値を算出したが、実施の形態7に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、複数の校正対象送信アンテナ112の特性の値を算出する。
図14は、実施の形態7に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。図14において、レーダ装置は、空間に電波を送信する送信部100と、送信部100から送信され、目標物1で反射された反射電波を受信する受信部200と、レーダ装置全体の制御を行うレーダ制御部300Aと、送信部100が備える校正対象送信アンテナ112の特性を算出するアンテナ特性算出装置500と、受信部200が反射電波を受信して出力した受信信号を、送信部100が備えるそれぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづくそれぞれの受信信号に分離してレーダ制御部300Aやアンテナ特性算出装置500に出力する信号分配部700とを備えている。
校正対象送信アンテナ112の特性の値を算出するためには、送信部100が備えるそれぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづき受信部200が生成する受信信号を取得する必要がある。それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづき受信部200が生成する受信信号を取得する方法としては、それぞれの送信アンテナ110の1つずつ電波を送信して、受信部200で受信する方法がある。また、複数の送信アンテナ110で同時に電波を送信して、受信部200が出力する受信信号から、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづき受信部200が生成する受信信号を分離する方法がある。図14では、後者の例として、MIMO(Multi Input Multi Output)レーダ技術を応用し、信号分配部700が受信部200が出力する受信信号から、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづき受信部200が生成する受信信号を分離する構成を説明する。
送信部100は、M個の送信アンテナ110を含む。実施の形態7においては、Mは、2以上の整数である。それぞれの送信アンテナ110は、互いに異なる送信信号にもとづいた送信電波を空間に送信する。受信部200は、N個の受信アンテナ210を含む。実施の形態7においては、Nは、1以上の整数である。受信アンテナ210は、複数の送信アンテナ110が送信した複数の送信電波を空間に存在する目標物1が反射したそれぞれの反射電波を受信する。受信アンテナ210は、それぞれの反射電波にもとづく反射信号を含む受信信号を出力する。
送信部100が含む複数の送信アンテナ110は、校正済送信アンテナ111、校正対象送信アンテナ112、及び検出用送信アンテナ113を含んでいる。校正済送信アンテナ111は、複数の送信アンテナ110の内の、位置、向き、透過位相、及び送信損失を含む特性の値がすでに求められているものである。校正対象送信アンテナ112は、複数の送信アンテナ210の内の、アンテナ特性算出装置500が、位置、向き、透過位相、及び送信損失の内の1以上を含む特性の値を算出する対象とするものである。一般に、校正対象送信アンテナ112は、送信部100が含む複数の送信アンテナ110の内の、校正済送信アンテナ111で無いものの内の1つ、複数、または全てである。校正対象送信アンテナ112は、特性の値を求めるための送信電波を送信する。
図14では、送信アンテナ110であるTx#1~Tx#M-1が校正済送信アンテナ111、送信アンテナ110であるTx#Mが校正対象送信アンテナ112である例を示している。検出用送信アンテナ113は、複数の送信アンテナ110の内の、目標物1の位置を求めるための送信アンテナである。
この発明に係るレーダ装置の校正済送信アンテナ111、校正対象送信アンテナ112、及び検出用送信アンテナ113について、図2により説明する。図2では、受信アンテナ210が1つ、送信アンテナ110が4つの例を示している。図2では、校正対象受信アンテナ212は1つであるが、複数の受信アンテナ210を同時に校正対象受信アンテナ212としても良い。
図2(a)において、検出用送信アンテナ113は、送信部100が含む複数の送信アンテナ110の内の1つである。検出用送信アンテナ113は、送信アンテナ110であればどのアンテナであっても良い。検出用送信アンテナ113は、校正済送信アンテナ111でも良いし、校正対象送信アンテナ112でも良い。
図2(b)に示すとおり、複数の送信アンテナ110を検出用送信アンテナ113としても良い。図2(b)の構成については、実施の形態8及び実施の形態9により説明する。また、図2(c)に示すとおり、複数の校正済送信アンテナ111を検出用送信アンテナ113としても良い。図2(c)の構成については、実施の形態10により説明する。さらに、図2(d)に示すとおり、複数の校正済送信アンテナ111と校正済送信アンテナ111でない送信アンテナ110を検出用送信信アンテナ113としても良い。図2(d)の構成については、実施の形態11及び実施の形態12により説明する。
図14において、レーダ制御部300Aは、制御部310Aとレーダ目標検出部320Aと、表示部330と、特性データ340Aとを備えている。制御部310Aは、送信部100による送信電波の送信と受信部200による反射電波の受信を制御する。レーダ目標検出部320Aは、それぞれの送信アンテナ110から送信したそれぞれの送信電波にもとづき受信部200が出力する受信信号にDBF処理を行い、目標物1からの反射電波の検出を行う。受信部200が出力する受信信号は、分配部700によりそれぞれの送信電波にもとづく受信信号に分離されている。目標検出部320で検出された反射電波から求められる目標物1の位置は、表示部330に表示される。
レーダ目標検出部320Aは、DBF処理により高い空間分解能を得るために、それぞれの送信アンテナ110の特性にもとづいて、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号の振幅と位相とを補償する。送信アンテナ110の特性は、それぞれの送信アンテナ110の位置や向きなどの配置と透過位相、送信損失などの電気特性を含んでいる。特性データ340Aは、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号の振幅と位相の補償に必要な、それぞれの送信アンテナ110の特性の値を記憶している。
信号分配部700は、受信部200が受信した、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号をレーダ制御部300Aと特性検出装置500とに出力する。信号分配部700は、複数の信号分離部710と信号合成部720とを備えている。複数の信号分離部710は、それぞれ受信アンテナ210に対応して設けられている。それぞれの信号分離部710は、送信アンテナ110それぞれの送信信号の違いを利用して、それぞれの受信アンテナ210が生成した受信信号を、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号に分離する。信号合成部720は、受信アンテナ210間で同一の送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく信号成分の合成を行う。また、受信部200が受信アンテナ210を一つだけ含む場合は、信号分離部710が分離したそれぞれの送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号が、検出用信号収集部510、振幅位相取得部530、及びレーダ目標検出部320Aに出力される。受信部200が受信アンテナ210を一つだけ含む場合は、信号分配部700は、信号合成部720を含まない。
アンテナ特性算出装置500は、受信部200が出力した受信信号をもとに、校正対象送信アンテナ112の特性の値を算出する。アンテナ特性算出装置500は、検出用信号収集部510と、位置検出部520と、振幅位相取得部530と、特性算出部540と、選択部550とを備えている。
検出用信号収集部510は、受信部200が出力した受信信号の内の、信号分離部560が分離した、それぞれの送信アンテナ110の送信信号にもとづいた受信信号を取得する。検出用信号収集部510は、検出用送信アンテナ113の送信信号にもとづいた受信信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。位置検出部520は、検出用信号収集部510が収集した検出用送信アンテナ113の送信信号にもとづいた受信信号をもとに、目標物1の位置を校正用位置情報として求める。
振幅位相取得部530は、校正済送信アンテナ111が送信した送信電波にもとづく受信信号及び校正対象送信アンテナ112が送信した送信電波にもとづく受信信号それぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する。振幅位相情報は、特性算出部540が校正対象送信アンテナ112の特性の値を算出するために使用する。
選択部550は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号をもとに、校正用位置情報を特性算出部540で使用するかしないかを選択する。選択部550は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号の信号対雑音比をもとに、校正用位置情報を特性算出部540で使用するかしないかを選択する。
特性算出部540は、位置検出部520が求めた目標物1の校正用位置情報と、振幅位相取得部530が取得した、校正用位置情報に対応する振幅位相情報と、特性データ340Aに記憶されている校正済送信アンテナ111の特性の値とをもとに、校正対象送信アンテナ112特性の内の1以上の値を算出する。特性算出部540が算出する校正対象送信アンテナ112の特性の値は、それぞれの送信アンテナ110の位置、向き、透過位相、及び送信損失の4つの特性の1以上を含む値である。また、特性算出部540は、選択部550が、検出用信号をもとに選択した校正用位置情報を、特性の値の算出するために使用する。特性算出部540が算出した特性の値は、特性データ540Aに記憶される。
図15は、この発明の実施の形態7に係るレーダ装置の動作を表すフローチャートである。実施の形態7に係るレーダ装置の動作を、図14により説明する。最初に送信部100の複数の送信アンテナ110が空間に送信電波を送信する(ST101)。送信を行う複数の送信アンテナ110は、校正済送信アンテナ111、校正対象送信アンテナ112、及び検出用送信アンテナ113を含んでいる。次に、受信部200が、目標物1が送信したそれぞれの送信電波を反射した、目標物1からの反射電波を受信する(ST102)。受信アンテナ210が受信した目標物1からの反射電波は、受信アンテナ210内部の受信機により、反射信号に変換される。受信アンテナ210はそれぞれ、反射電波を含む受信した電波から受信信号を出力する。受信信号には、反射信号が含まれている。
信号分配部700は、送信アンテナ110それぞれの送信信号の違いを利用して、それぞれの受信アンテナ210が生成した受信信号を、それぞれの送信アンテナ110が送信した送信信号にもとづく受信信号に分離する(ST103)。検出用信号収集部510は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。位置検出部520は、検出用信号収集部510が収集した受信信号をもとに、目標物1の校正用位置情報を求める(ST104)。また、位置検出部520は、検出した反射信号の信号対雑音比を求める(ST105)。振幅位相取得部530は、校正済送信アンテナ111が送信した送信電波にもとづく受信信号及び校正対象送信アンテナ112が送信した送信電波にもとづく受信信号それぞれの振幅及び位相を示す振幅位相情報を取得する(ST106)。レーダ装置は、ST101からST106の処理を決められた回数Kだけ繰り返したかどうかを確認し(ST107)、Kだけ繰り返していなければ(ST107でYES)、ST101からの処理を繰り返す。
ST101からST107を繰り返すことにより、位置検出部520は、目標物1の校正用位置情報と校正用位置情報を求めたそれぞれの送信アンテナ110に対応した信号成分の信号対雑音比と振幅位相情報との組合せを1以上の必要な数だけ生成する。
レーダ装置が、ST107からST107の処理を決められた回数Kだけ繰り返した場合は(ST107でNO)、選択部550は、信号対雑音比が決められた条件を満足するかどうかを確認して、目標物1の校正用位置情報を特性算出部540で使用するかどうかを選択する(ST108)。
特性算出部540は、選択部550が選択した校正用位置情報と校正用送信アンテナ111の特性の値と振幅位相情報とをもとに、校正対象送信アンテナ112について、特性の値を算出する(ST109)。特性算出部540が算出した特性の値は、特性データ340Aに記憶され、レーダ制御部300Aが通常のレーダ運用で使用する(ST110)。特性データ340Aに記憶された特性データの値は、レーダ目標検出部320Aが、受信部200が生成した受信信号のそれぞれの送信アンテナ110に対応した信号成分にDBF処理を行う際に使用する。
特性データ340Aに記憶された特性データの値は、レーダ目標検出部320Aが、受信部200が反射電波を受信して生成した受信信号にDBF処理を行う際に使用する。レーダ目標検出部320Aは、校正済送信アンテナ111が送信した送信電波をもとにした受信部200の受信信号の振幅及び位相を、特性データ340Aに記憶されているそれぞれの校正済送信アンテナ111の特性データにより補償する。また、レーダ目標検出部320は、特性算出部540が特性を算出した校正対象送信アンテナ112が送信電波をもとにした受信部200の受信信号の振幅及び位相を、特性算出部540が特性データ340Aに記憶させそれぞれの校正対象送信アンテナ112の特性データにより補償する。レーダ目標検出部320Aは、校正済送信アンテナ111が送信した送信電波にもとづく受信信号に振幅及び位相を補償したデータ及び校正対象受信アンテナ212が送信した送信電波にもとづく受信信号に振幅及び位相を補償したデータに対してDBF処理を行い、目標の検出を行う。
図16は、アンテナ特性算出装置500の構成を表すブロック図である。なお、アンテナ特性算出装置500のハードウェア構成は、図6と同様である。検出用信号収集部510は、受信部200が生成した受信信号の内の、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。検出用信号収集部510は、信号選択部511と信号収集部512とを備えている。信号選択部511は、受信部200が出力した受信信号から、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号を選択する。信号収集部512は、信号選択部511が選択した受信信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。信号収集部512は、検出用送信アンテナ113がアンテナを目標物1の周囲の複数の方向に指向させて送信した送信電波にもとづく受信信号を収集する。
位置検出部520は、検出用信号収集部510が収集した検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号から目標物1の位置を校正用位置情報として求める。また、位置検出部520は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号の信号対雑音比を算出する。位置検出部520は、信号検出部521と目標位置算出部522と、信号対雑音比測定部523とを備えている。信号検出部521は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号に含まれている、目標物1からの反射電波にもとづく反射信号を検出する。目標位置算出部522は、検出した反射信号にもとづいて、目標物1の位置である校正用位置情報を求める。目標位置算出部522は、校正用位置情報を、振幅位相取得部530と特性算出部540とに出力する。信号対雑音比測定部523は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号の信号対雑音比を算出する。信号対雑音比測定部523は、算出した信号対雑音比を、選択部550に出力する。
振幅位相取得部530は、校正済送信アンテナ111が送信した送信電波にもとづく受信信号及び校正対象送信アンテナ112が送信した送信電波にもとづく受信信号それぞれの振幅及び位相を示す振幅位相情報を取得する。
選択部550は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号をもとに、特性推定部540で校正用位置情報を使用するかしないかを選択する。具体的には、選択部550は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号の信号対雑音比をもとに、特性推定部540で校正用位置情報を使用するかしないかを選択する。特性算出部540は、選択部550が選択した校正用位置情報と校正用位置情報に対応する振幅位相情報と校正済送信アンテナ111の特性の値をもとに、校正対象送信アンテナ112について、特性の値を算出する。特性算出部540は、特性算出部440と同様に、例えば、式(5)を使用して最尤推定などにより校正対象送信アンテナ112について、特性の値を算出する。
以上のように、この発明の実施の形態7に係るレーダ装置は、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号をもとに目標の校正用位置情報を求めるため、目標物の位置情報を外部から取得せずに受信アンテナ210の特性を求めることができる。また、検出用送信アンテナ113は、送信部100が備える送信アンテナ110に含まれる送信アンテナであるため、レーダ装置が通常の運用で目標検出に使用する送信部100、受信部200を使用して送信アンテナ110の特性を求めることができる。
また、この発明の実施の形態7に係るレーダ装置は、選択部550が検出用送信アンテナ113が送信した送信電波をもとに選択した校正用位置情報を使用して送信アンテナ110の特性の値を求めるため、高い精度の校正用位置情報を使用して校正対象送信アンテナ112の特性の値を求めることができる。
図17は、この発明の実施の形態7に係るレーダ装置の他の構成を表すブロック図である。図17のように、受信アンテナ210と校正対象送信アンテナ112とが、同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。送受信アンテナ160は、送信部100に含まれるとともに、受信部200にも含まれる。図17の構成であっても、レーダ装置及びアンテナ特性算出装置は、送受信アンテナ160の受信信号をもとに、校正対象送信受信アンテナ112や送受信アンテナ160について、特性の値を算出することができる。
実施の形態8.
実施の形態8に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図18により説明する。実施の形態7に係るレーダ装置では、目標物1の位置を求めるために、受信部200が出力する、1つの検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号を使用した。しかし、実施の形態7に係るレーダ装置では、受信部200が出力する、複数の検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号を使用する。
図18は、実施の形態8に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。なお、実施の形態8に係るレーダ装置としては、図14や図17の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置500を、図18の構成のアンテナ特性算出装置500Aで置き換えたものとなる。実施の形態5に係るレーダ装置の動作もまた、図15のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態8に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。
検出用信号収集部510Aは、受信部200が生成した、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を標物1の位置を検出するために収集する。検出用信号収集部510は、信号選択部511Aと2以上の信号収集部512とを備えている。信号選択部511Aは、複数の送信アンテナ110それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号の内から、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を選択する。信号収集部512は、信号選択部511Aが選択した受信信号それぞれを、目標物1の位置を検出するために収集する。
位置検出部520Aは、複数の検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号をもとに、目標物1の位置を校正用位置情報として検出する。また、位置検出部520Aは、検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号の信号対雑音比を算出する。位置検出部520Aは、2以上の信号検出部521と2以上の目標位置算出部522と、2以上の信号対雑音比測定部523とを備えている。さらに、位置検出部520は、平均目標位置算出部524と平均信号対雑音比算出部525とを備えている。
なお、図18では、検出用信号収集部510Aは、複数の検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号それぞれを収集する。しかし、検出用信号収集部410Aは、複数の検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号について、複数の受信信号群に分類し、それぞれの受信信号群に含まれる受信信号どうしを実施の形態9や実施の形態10で説明するコヒーレント合成または非コヒーレント合成した信号を信号群毎に収集しても良い。
信号検出部521は、それぞれの検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号から、目標物1からの反射電波にもとづく反射信号を検出する。目標位置算出部522は、それぞれの反射信号にもとづいて、目標物1の位置を求める。平均目標位置算出部524は、それぞれの目標位置算出部522が算出した目標物1の位置の平均を目標物1の校正用位置情報として算出し、振幅位相取得部530及び特性算出部540に出力する。平均信号対雑音比算出部525は、それぞれの信号対雑音比測定部523が算出した目標物1の信号対雑音比の平均を算出して、検出信号の信号対雑音比として、選択部550に出力する。
選択部550、信号位相取得部530、及び特性算出部540の動作は、実施の形態7と同様である。特性算出部540は、2以上の検出用信号のそれぞれから求めた目標物1の位置の平均値を使用する。
実施の形態9.
実施の形態9に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図19により説明する。実施の形態9に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、複数の検出用送信アンテナ113が送信した送信電波にもとづく受信信号を合成した信号をもとに、目標物の位置を求める。
図19は、実施の形態9に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。なお、実施の形態9に係るレーダ装置としては、図14や図17の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置500を、図19の構成のアンテナ特性算出装置500Bで置き換えたものとなる。実施の形態9に係るレーダ装置の動作もまた、図15のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態9に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。
検出用信号収集部510Bは、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづくそれぞれの受信信号を合成した信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。検出用信号収集部510は、信号選択部511Aと非コヒーレント信号合成部513と信号収集部512とを備えている。信号選択部511Aは、複数の送信アンテナ110それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号の内から、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を選択する。非コヒーレント信号合成部513は、信号選択部511Aが選択した複数の受信信号それぞれの振幅を2乗和した信号(非コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部512は、非コヒーレント信号合成部513が生成した非コヒーレント合成信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。位置検出部520、選択部550、信号位相取得部530、及び特性算出部540の動作は、実施の形態7と同様である。
なお、図19では、非コヒーレント信号合成部513は、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号それぞれの振幅を2乗和した信号を生成する。しかし、非コヒーレント信号合成部513は、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号の一部をコヒーレント合成した信号と、他の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号とを非コヒーレント合成しても良い。
実施の形態10.
実施の形態10に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図20及び図21により説明する。実施の形態10に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、検出用送信アンテナ113に校正済送信アンテナ111が複数含まれている。実施の形態10に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置では、検出用送信アンテナ113の内の校正済送信アンテナ111が送信した送信電波にもとづくそれぞれの受信信号にDBF処理を行う合成した信号をもとに、目標物1の位置を検出する。
図20は、実施の形態10に係るレーダ装置の構成を表すブロック図である。図20に示すレーダ装置は、図14と比較すると、アンテナ特性算出部500の代わりに、アンテナ特性算出部500Cを備えている。アンテナ特性算出部500Cは、検出用信号収集部510Cが、検出用送信アンテナ113の内の校正済送信アンテナ111が送信した送信電波にもとづくそれぞれの受信信号にDBF処理を行い、目標物1の位置を検出するための信号を生成する。その他の構成については、図14と同様である。実施の形態10に係るレーダ装置の動作もまた、図15のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態10に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。また、実施の形態10に係るレーダ装置についても、図17と同様に、受信アンテナ210と送信アンテナ110(校正対象送信アンテナ112)とが同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。
図21は、実施の形態10に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。図21において、検出用信号収集部510Cは、信号選択部511Aとコヒーレント信号合成部514と、信号収集部512とを備えている。また、検出用送信アンテナ113の内の2以上は、特性が既に求められている校正済送信アンテナ111である。
信号選択部511Aは、複数の送信アンテナ110それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号の内から、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を選択する。コヒーレント信号合成部514Dは、信号選択部511Aが選択した受信信号の内の、複数の校正済送信アンテナ111それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を、それぞれの校正済送信アンテナ111の特性の値をもとに振幅と位相とを補償して足し合わせた信号(コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部512は、コヒーレント信号合成部514が生成したコヒーレント合成信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。位置検出部520、選択部550、信号位相取得部530、及び特性算出部540の動作は、実施の形態7と同様である。
実施の形態11.
実施の形態11に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図22により説明する。図22は、実施の形態11に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。実施の形態11に係るレーダ装置は、図20の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置500を図22のアンテナ特性算出装置500Dで置き換えたものである。図22において、検出用信号収集部510Dは、信号選択部511Aとコヒーレント信号合成部514と、複数の信号収集部512とを備えている。また、検出用送信アンテナ213は、校正済送信アンテナ111でない送信アンテナ110と複数の校正済送信アンテナ111とを含む。その他の構成については、図21と同様である。
実施の形態11に係るレーダ装置の動作もまた、図15のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態11に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。実施の形態11に係るレーダ装置についても、図17と同様に、受信アンテナ210と送信アンテナ110(校正対象送信アンテナ112)とが同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。
図22において、信号選択部511Aは、複数の送信アンテナ110それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号の内から、複数の検出用送信アンテナ113それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を選択する。コヒーレント信号合成部514は、信号選択部511Aが選択した受信信号の内の、複数の校正済送信アンテナ111それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を、それぞれの校正済送信アンテナ111の特性の値をもとに振幅と位相とを補償して足し合わせた信号(コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部512は、信号選択部511Aが選択した校正済送信アンテナ111でない送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号とコヒーレント信号合成部514が生成したコヒーレント合成信号とのそれぞれを、目標物1の位置を検出するために収集する。位置検出部520、選択部550、信号位相取得部530、及び特性算出部540の動作は、実施の形態7と同様である。
実施の形態12.
実施の形態12に係るレーダ装置及びアンテナ特性算出装置について、図23により説明する。図23は、実施の形態12に係るアンテナ特性算出装置の構成を表すブロック図である。実施の形態12に係るレーダ装置は、図20の構成のレーダ装置のアンテナ特性算出装置500を図23のアンテナ特性算出装置500Eで置き換えたものである。図23において、検出用信号収集部510Eは、信号選択部511Aとコヒーレント信号合成部514と、非コヒーレント信号合成部513と、信号収集部512とを備えている。また、検出用送信アンテナ113は、校正済送信アンテナ111と特性が求められてない送信アンテナ110とを含む。その他の構成については、図31と同様である。実施の形態12に係るレーダ装置の動作もまた、図15のフローチャートで示すとおりである。また、実施の形態12に係るアンテナ特性算出装置も、ハードウェア構成は図6に示すとおりである。実施の形態12に係るレーダ装置についても、図17と同様に、受信アンテナ210と送信アンテナ110(校正対象送信アンテナ112)とが同じ送受信アンテナ160に含まれるようにしても良い。
コヒーレント信号合成部514は、信号選択部511Aが選択した受信信号の内の、複数の校正済送信アンテナ111それぞれが送信した送信電波にもとづく受信信号を、それぞれの校正済送信アンテナ111の特性の値をもとに振幅と位相とを補償して足し合わせた信号(コヒーレント合成信号)を生成する。非コヒーレント信号合成部513は、信号選択部511Aが選択した校正済送信アンテナ111でない送信アンテナ110が送信した送信電波にもとづく受信信号とコヒーレント信号合成部514が生成したコヒーレント合成信号のそれぞれの振幅を2乗和した信号(非コヒーレント合成信号)を生成する。信号収集部512は、非コヒーレント信号合成部513が生成した非コヒーレント合成信号を、目標物1の位置を検出するために収集する。
以上のように、この発明によれば、自ら目標物の位置を測定しながら目標物からの反射電波を受信してアンテナの特性を求めるレーダ装置、アンテナ特性算出装置、アンテナ特性算出方法、及びプログラムを得ることができる。
1 目標物、100 送信部、110 送信アンテナ、111 校正済送信アンテナ、112 校正対象送信アンテナ、113 検出用送信アンテナ、160 送受信アンテナ、200 受信部、210 受信アンテナ、211 校正済受信アンテナ、212 校正対象受信アンテナ、213 検出用受信アンテナ、300、300A レーダ制御部、310、310A 制御部、320、320A レーダ目標検出部、330 表示部、340、340A 特性データ、400 アンテナ特性算出装置、410、410A、410B、410C、410D、410E 検出用信号収集部、411、411A 信号選択部、412 信号収集部、413 非コヒーレント信号合成部、414 コヒーレント信号合成部、420、420A 位置検出部、421 信号検出部、422 目標位置算出部、423 信号対雑音比測定部、424 平均目標位置算出部、425 平均信号対雑音比算出部、430 振幅位相取得部、440 特性算出部、450 選択部、500 アンテナ特性算出装置、510、510A、510B、510C、510D、510E 検出用信号収集部、511、511A 信号選択部、512 信号収集部、513 非コヒーレント信号合成部、514 コヒーレント信号合成部、520、520A 位置検出部、521 信号検出部、522 目標位置算出部、523 信号対雑音比測定部、524 平均目標位置算出部、525 平均信号対雑音比算出部、530 振幅位相取得部、540 特性算出部、550 選択部、600 内部バス、610 プロセッサ、620 主記憶装置、630 外部記憶装置、640 制御部インタフェース、650 受信部インタフェース、660 送信部インタフェース、700 信号分配部、710 信号分離部、720 信号合成部。

Claims (24)

  1. 送信電波を送信する送信アンテナと、
    前記送信電波が目標物により反射された反射電波を受信して受信信号を出力する、位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済受信アンテナと、
    前記反射電波を受信して受信信号を出力する、前記特性の値を求める対象である校正対象受信アンテナと、
    前記反射電波を受信して受信信号を出力する、複数の前記校正済受信アンテナ、及び前記特性の値が求められていない複数の未校正受信アンテナを含む、前記目標物の位置を求めるための検出用受信アンテナと、
    複数の前記校正済受信アンテナのそれぞれから出力された複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するコヒーレント信号合成部と、
    複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める位置検出部と、
    複数の前記校正済受信アンテナ及び前記校正対象受信アンテナのそれぞれから出力された受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する振幅位相取得部と、 前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済受信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象受信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する特性算出部とを備えたレーダ装置。
  2. 前記位置検出部は、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める、請求項1に記載のレーダ装置。
  3. 前記検出用受信アンテナから出力された受信信号をもとに、前記校正用位置情報を前記特性算出部で使用するかしないかを選択する選択部をさらに備え、前記特性算出部は、前記選択部により使用することが選択された前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済受信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象受信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する請求項1または2に記載のレーダ装置。
  4. 前記選択部は、前記検出用受信アンテナから出力された受信信号の信号対雑音比をもとに、前記校正用位置情報を前記特性算出部で使用するかしないかを選択する請求項3に記載のレーダ装置。
  5. 複数の前記未校正受信アンテナは、前記校正対象受信アンテナを含むことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  6. 前記送信アンテナ及び前記校正対象受信アンテナは、1個の送受信アンテナであることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  7. 送信電波を送信する、位置、向き、透過位相、及び送信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済送信アンテナと、
    送信電波を送信する、前記特性の値を求める対象である校正対象送信アンテナと、
    複数の前記校正済送信アンテナ、及び前記特性の値が求められていない複数の未校正送信アンテナを含む、目標物の位置を求めるために送信電波を送信する検出用送信アンテナと、
    複数の前記校正済送信アンテナ、前記校正対象送信アンテナ、及び複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が前記目標物により反射された反射電波をそれぞれ受信して、複数の前記校正済送信アンテナ、前記校正対象送信アンテナ、及び複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号を出力する受信アンテナと、
    前記受信アンテナが出力する複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく複数の受信信号の少なくとも一部である複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するコヒーレント信号合成部と、
    前記受信アンテナが出力する、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める位置検出部と、
    複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづき前記受信アンテナが出力する複数の受信信号及び前記校正対象送信アンテナから送信された送信電波にもとづき前記受信アンテナが出力する受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する振幅位相取得部と、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済送信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象送信アンテナについて、前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する特性算出部とを備えたレーダ装置。
  8. 前記位置検出部は、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める、請求項7に記載のレーダ装置。
  9. 前記検出用送信アンテナから送信された送信電波にもとづく受信信号をもとに、前記校正用位置情報を前記特性算出部で使用するかしないかを選択する選択部をさらに備え、前記特性算出部は、前記選択部により使用することが選択された前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済送信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象送信アンテナについて、前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する請求項7または8に記載のレーダ装置。
  10. 前記選択部は、前記検出用送信アンテナから送信された送信電波にもとづく受信信号の信号対雑音比をもとに、前記校正用位置情報を前記特性算出部で使用するかしないかを選択する請求項9に記載のレーダ装置。
  11. 複数の前記未校正送信アンテナは、前記校正対象送信アンテナを含むことを特徴とする請求項7から10のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  12. 前記受信アンテナ及び前記校正対象送信アンテナは、1個の送受信アンテナであることを特徴とする、請求項7から11のいずれか1項に記載のレーダ装置。
  13. 送信アンテナから送信された送信電波が目標物により反射された反射電波を、位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済受信アンテナが受信してそれぞれ出力する複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するコヒーレント信号合成部と、
    前記目標物の位置を求めるための前記特性の値が求められていない受信アンテナである未校正受信アンテナが複数あり、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれが前記反射電波を受信して出力するそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める位置検出部と、
    複数の前記校正済受信アンテナのそれぞれが出力する複数の受信信号、及び前記特性の値を求める対象である校正対象受信アンテナが前記反射電波を受信して出力する受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する振幅位相取得部と、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済受信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象受信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する特性算出部とを備えたアンテナ特性算出装置。
  14. 前記位置検出部は、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める、請求項13に記載のアンテナ特性算出装置。
  15. 位置、向き、透過位相、及び送信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が目標物により反射された反射電波のそれぞれを受信アンテナが受信して出力する、複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するコヒーレント信号合成部と、
    前記目標物の位置を求めるための前記特性の値が求められていない送信アンテナである未校正送信アンテナが複数あり、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が前記目標物により反射された反射電波のそれぞれを受信して前記受信アンテナが出力する、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から、前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める位置検出部と、 複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく複数の受信信号及び前記特性の値を求める対象である校正対象送信アンテナから送信された送信電波が前記目標物により反射された反射電波を受信して前記受信アンテナが出力する受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する振幅位相取得部と、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済送信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象送信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する特性算出部とを備えたアンテナ特性算出装置。
  16. 前記位置検出部は、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める、請求項15に記載のアンテナ特性算出装置。
  17. 送信アンテナが、送信電波を送信するステップと、
    位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済受信アンテナのそれぞれが、前記送信電波が目標物により反射された反射電波を受信して受信信号をそれぞれ出力するステップと、
    前記特性の値を求める対象である校正対象受信アンテナが、前記反射電波を受信して受信信号を出力するステップと、
    前記特性の値が求められていない受信アンテナである未校正受信アンテナが複数あり、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれが、前記反射電波を受信して受信信号をそれぞれ出力するステップと、
    複数の前記校正済受信アンテナのそれぞれから出力された複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するステップと、
    複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれから出力されたそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求めるステップと、
    複数の前記校正済受信アンテナ及び前記校正対象受信アンテナのそれぞれから出力された受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得するステップと、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済受信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象受信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出するステップとを備えたアンテナ特性算出方法。
  18. 前記校正用位置情報を求めるステップは、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれが出力するそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める、請求項17にアンテナ特性算出方法。
  19. 受信アンテナが、位置、向き、透過位相、及び送信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が目標物により反射された反射電波をそれぞれ受信して、複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく受信信号を出力するステップと、
    前記受信アンテナが、前記特性の値を求める対象である校正対象送信アンテナから送信された送信電波が前記目標物により反射された反射電波を受信して、前記校正対象送信アンテナから送信された送信電波にもとづく受信信号を出力するステップと、
    前記特性の値が求められていない送信アンテナである未校正送信アンテナが複数あり、前記受信アンテナが、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が目標物により反射された反射電波を受信して、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく受信信号を出力するステップと、
    複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれの送信電波にもとづく複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成するステップと、
    複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求めるステップと、
    前記受信アンテナが出力する、複数の前記校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづく複数の受信信号及び前記校正対象送信アンテナから送信された送信電波にもとづく受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得するステップと、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済送信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象送信アンテナについて、前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出するステップとを備えたアンテナ特性算出方法。
  20. 前記校正用位置情報を求めるステップは、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める、請求項19に記載のアンテナ特性算出方法。
  21. コンピュータに、
    位置、向き、透過位相、及び受信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済受信アンテナのそれぞれが、送信アンテナから送信された送信電波が目標物により反射された反射電波を受信してそれぞれ出力する複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成する処理と、
    前記特性の値が求められていない受信アンテナである未校正受信アンテナが複数あり、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれが前記反射電波を受信して出力するそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれが出力するそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める処理と、
    複数の前記校正済受信アンテナのそれぞれが出力する複数の受信信号及び前記特性の値を求める対象である校正対象受信アンテナが前記反射電波を受信して出力する受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する処理と、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済受信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象受信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する処理とを実行させるプログラム。
  22. 前記校正用位置情報を求める処理は、複数の前記未校正受信アンテナのそれぞれが出力するそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める処理である、請求項21に記載のプログラム。
  23. コンピュータに、
    位置、向き、透過位相、及び送信損失を含む特性の値がすでに求められている複数の校正済送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が目標物により反射された反射電波のそれぞれを受信アンテナが受信して出力する、複数の前記校正済送信アンテナから送信されたそれぞれの送信電波にもとづく複数の受信信号の少なくとも一部の複数の受信信号を、前記特性の値にもとづき振幅と位相とを補償して足し合わせた信号であるコヒーレント合成信号を少なくとも1個、生成する処理と、
    前記特性の値が求められていない送信アンテナである未校正送信アンテナが複数あり、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波が前記目標物により反射された反射電波を前記受信アンテナが受信して出力する、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から前記目標物の位置を求め、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから前記目標物の位置を求め、複数の前記未校正送信アンテナのそれぞれから送信された送信電波にもとづくそれぞれの受信信号から求めた前記目標物の位置、少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置にもとづき決めた前記目標物の位置を校正用位置情報として求める処理と、
    複数の前記校正済送信アンテナから送信されたそれぞれの送信電波にもとづく複数の受信信号、及び前記特性の値を求める対象である校正対象送信アンテナから送信された送信電波の前記目標物による反射電波を前記受信アンテナが受信して出力する受信信号のそれぞれの振幅及び位相を振幅位相情報として取得する処理と、
    前記校正用位置情報と前記振幅位相情報と複数の前記校正済送信アンテナの前記特性の値とをもとに、前記校正対象送信アンテナについて前記特性の値の内の少なくとも1個の値を算出する処理とを実行させるプログラム。
  24. 前記校正用位置情報を求める処理は、複数の前記未校正送信アンテナから送信されたそれぞれの送信電波にもとづく複数の受信信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置、及び少なくとも1個の前記コヒーレント合成信号のそれぞれから求めた前記目標物の位置の平均を前記校正用位置情報として求める処理である、請求項23に記載のプログラム。
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