JP3696591B2 - 洗車機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、フレームと車両とを該車両の前後方向に相対移動させながら、該フレームに設けたロッカブラシで車両の側面下部をブラッシングできるようにした洗車機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、上記洗車機において、車体上面の突起物の存在を検知して該突起物に対するブラシの回避動作を自動制御可能としたものは既に提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特許第2747815号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記提案のものでは、検知した突起物の種別(例えばフェンダミラー、タクシー表示灯、ルーフスポイラ、ルーフキャリア等)を、実際に検出した車形と、該突起物の車体面上の位置とに基づいて判定し、その判定した種別に合わせてトップブラシやサイドブラシの回避動作態様を切換えるようにしているが、比較的低位置にある突起物(例えば車両端部のコーナポール、アンテナ等)に対するロッカブラシの回避動作には対応できていないため、該突起物が特に細く壊れ易い形態の場合にはこれをロッカブラシとの干渉に因り損傷させる虞れがあり、また、突起物の上記種別判定過程が非常に複雑であることからコストが嵩む等の問題もある。
【0005】
本発明は、前述の事情に鑑みてなされたもので、従来の上記問題を簡単な構造で解決できるようにした洗車機を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、フレームと車両とを該車両の前後方向に相対移動させながら、該フレームに設けたロッカブラシで車両の側面下部をブラッシングできるようにした洗車機において、車両上面の突起物を検出する突起物検出手段と、その突起物検出手段で検出された前記突起物の車両前後方向の幅が所定幅以下であり且つ同突起物の少なくとも一部が前記ロッカブラシと干渉する虞れのある高さに存するときに該突起物に対する所定の回避動作を前記ロッカブラシに行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また請求項2の発明は、請求項1の上記特徴に加えて、前記所定の回避動作は、回避すべき突起物に対応する位置で前記ロッカブラシを最後退位置に保持することで行われることを特徴とする。
【0008】
尚、本発明において「ブラシ」とは、布製のロールも含む概念であり、従って、本発明において「ブラッシング」とは、布製のロールを車体面に摺接させる動作も含む概念である。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を、添付図面に例示した本発明の実施例に基づいて以下に具体的に説明する。
【0010】
添付図面において、図1は、本発明の一実施例に係る洗車機の概略を示す全体正面図、図2は、前記洗車機の概略を示す全体側面図(図1の2矢視図)、図3は被洗浄車両の一例を示す側面図、図4は、トップブラシの動作態様の一例を示す側面図、図5は、サイドブラシの動作態様の一例を示す平面図、図6は、ロッカブラシの動作態様の一例を示す平面図、図7は、トップブラシの回避動作の制御手順を示すフローチャート、図8は、サイドブラシの回避動作の制御手順を示すフローチャート、図9は、ロッカブラシの回避動作の制御手順を示すフローチャートである。
【0011】
図1および図2に示すように、洗車機は、車両を跨ぐ門型フレーム1を備え、この門型フレーム1に設けられた前後一対の車輪2は、前記車両の前後方向に沿って延びる左右一対のレール3上に載置される。一部の車輪2には、走行モータ4が連動連結され、このモータ4の駆動力により、門型フレーム1がレール3上を往復走行できるようになっている。前記モータ4の出力軸には、モータの基準位置からの回転量(従って門型フレーム1の洗車開始位置からの走行位置)を検出可能なロータリエンコーダ(図示せず)が設けられる。
【0012】
門型フレーム1には、車両の上面をブラッシング洗浄し得るトップブラシ5と、車両の前後面および左右両側面をブラッシング洗浄し得る左右一対のサイドブラシ6,6と、車両の側面下部をブラッシング洗浄し得る左右一対のロッカブラシ7,7とが設けられている。
【0013】
トップブラシ5は、そのブラシ軸が図示しない昇降案内機構を介して門型フレーム1に昇降自在に支持されると共に、図示しない昇降駆動手段(例えばデジタルサーボモータ)により昇降駆動可能であり、また図示しない回転用モータにより回転駆動可能である。尚、前記昇降案内機構としては、門型フレーム1に揺動可能に軸支された揺動アームを介してブラシ軸を昇降案内するタイプと、門型フレーム1に支持された鉛直レールに沿って昇降する昇降体にブラシ軸を昇降案内するタイプの何れを用いてもよい。
【0014】
また左右一対のサイドブラシ6,6は、そのブラシ軸が図示しない開閉案内機構を介して門型フレーム1に左右方向に開閉移動自在に支持されており、図示しない開閉駆動手段(例えばエアシリンダ,トルクモータ)により、所定の開限位置6o(即ち最大開き位置)と所定の閉限位置6s(即ち最小閉じ位置)との間で開閉駆動可能であり、また図示しない回転用モータにより回転駆動可能である。尚、前記トルクモータを用いた場合には、これへの印加電圧を制御することにより、該モータの出力トルク、従ってサイドブラシ6の車両側面への付勢力(押付け力)を増減制御可能である。
【0015】
また左右一対のロッカブラシ7,7は、そのブラシ軸が図示しない進退案内機構を介して門型フレーム1に車両側面に対し進退移動自在に支持されており、図示しない進退駆動手段(例えばエアシリンダ、トルクモータ)により、車両の側面下部をブラッシングし得る最前進位置7fと、車両側面から十分に離れた最後退位置7rとの間で進退駆動可能であり、また、図示しない回転用モータにより回転駆動可能である。
【0016】
門型フレーム1には、その前端近傍位置において、車両の上面位置を検出するための上面位置検出手段8が設けられ、この検出手段8は、図示例では車両を挟んで相対向する位置にある発光素子及び受光素子の組よりなる光電センサ9…を上下方向に等間隔おきに多数配列して構成される。
【0017】
これら上面位置検出手段8の検出信号は、前記走行モータ4のロータリエンコーダからの出力信号と共に、門型フレーム1の適所に設けた制御手段としての制御装置Cに送られ、該制御装置Cでは、門型フレーム1の走行位置と車両上面位置とを関連付けて、車両の上面形状として記憶される。そして、前記制御装置Cは、前記記憶した車両上面形状における上面レベル変化に基づき従来周知(例えば特許第2747815号公報参照)の手法で車両上面の突起物の所在(即ち突起物の存在とその位置)を認識できるようになっている。即ち、車形として与えられる車両の車体輪郭が局部的に起伏を示した部分が突起物として認識され、その突起物の前後方向位置(特に突起物の起点と終点に対応する門型フレーム1の走行位置)や上下方向位置、車体前後方向の幅等のデータが後述する突起物回避動作のための制御に用いられる。
【0018】
而して、前記制御装置C、上面位置検出手段8及び走行モータ4のロータリエンコーダは、互いに協働して車両上面の突起物を検出し得る本発明の突起物検出手段を構成している。
【0019】
門型フレーム1には、前記ブラシ5〜7以外の図示しない種々の処理装置(例えば洗剤噴射装置、清水噴射装置や乾燥装置)が設けられる。また前記制御装置Cには、前記ブラシ5〜7や各処理装置を作動させるためのモータやアクチュエータ、種々のセンサ(例えばトップブラシ5の昇降位置を検出可能な昇降位置センサ、サイドブラシ6の開閉位置を検出可能な開閉位置センサ、ロッカブラシ7の進退位置を検出可能な進退位置センサ等)、任意に操作入力可能な入力操作手段等が接続され、その入力操作信号やセンサの出力信号に基づいて、予め設定された制御プログラムに副って各モータやアクチュエータを作動させて、所定の洗車動作が自動的に行われるようになっている。
【0020】
次に前記実施例の作用を説明する。洗車の開始により洗車機の門型フレーム1が1回目の往走行する工程で、該フレーム1の前端に位置する上面位置検出手段8により車両上面位置が検出され、この検出信号と、走行モータ4のロータリエンコーダからの出力信号とに基づき、制御装置Cでは門型フレーム1の走行位置と車両上面位置とを関連付けて車両上面形状が記憶され、ここで記憶した車両上面形状(上面レベル)は、同工程におけるブラシ5〜7の制御や、以後の工程におけるブラシその他の処理装置の制御に用いられる。
【0021】
図3には、洗浄すべき車両の一例が示されており、その車両前端の左右一方のコーナ部(フロントバンパ上)にはフェンダポールX1が、またボンネットの左右両側部にはフェンダミラーX2が、更にルーフ上には前後一対のルーフキャリヤX3が、更にトランク上の左右一側寄りにはアンテナX4がそれぞれ突設されている。制御装置Cにおいては、後述するように、前記記憶した車両上面形状から、フェンダポールX1は細く(前後幅が20mm以下で)且つ低位(少なくとも下端高さが1000mm以下)にある突起物として認識され、またアンテナX4は細いが低位にはない突起物として認識され、またフェンダミラーX2及びルーフキャリヤX3は細くはない突起物として認識される。
【0022】
而して、従来の洗車機であれば、門型フレーム1の1回目の往走行過程で、図4〜6に二点鎖線で示すような各ブラシ5〜7の通常動作のみが行われる。
【0023】
例えば、トップブラシ5の通常動作は図4の二点鎖線で示されており、即ち、トップブラシ5は、検出された車両上面形状に対しその上面より一定レベル上昇したレベルに昇降位置が制御され、車両上面との接触面圧が常に略一定の適正値に維持されるようになっている。尚、このようなトップブラシの昇降制御は、従来周知であり、例えば特公平4−43017号公報に記載されている。
【0024】
またサイドブラシ6の通常動作は図5の二点鎖線で示される。即ち、サイドブラシ6が閉限位置6sで車両前端面に接触した後、門型フレーム1を僅かに後退させてから停止させ、次にサイドブラシ6は車両前端面をブラッシングしながら開限位置6oまで開き移動する。そしてサイドブラシ5は、これが開限位置6oに達したら、門型フレーム1の往走行再開後、閉じ移動して車両側面に適切な接触面圧で接触し、以後はその接触位置を維持しながら車両側面に沿って移動して該側面をブラッシングし、車両後端に達したら左右コーナを回り込んで車両後端面をブラッシングする。尚、このようなサイドブラシの開閉制御は、従来周知であり、例えば特開2000−198425号公報に記載されている。
【0025】
またロッカブラシ7の通常動作は図6の二点鎖線で示される。即ち、ロッカブラシ7は、先ず最前進位置7fで待機し、門型フレーム1の往走行により該ロッカブラシ7が車両前端のコーナに対応する位置に来たときに該コーナとの接触反力で開き側に若干後退して車両の側面下部に接触し、以後は適切な接触面圧で該側面下部をブラッシングする。尚、このようなロッカブラシの開閉制御は、従来周知であり、例えば特開平12−127918号公報に記載されている。
【0026】
次に、本実施例の洗車機における各ブラシの、突起物回避のための制御態様を説明する。
【0027】
[トップブラシの回避動作]
この制御は図7のフローチャートに基づく。即ち、洗車中において、トップブラシ5が突起物に対応して設定される突起物回避位置(例えば突起物の起点及び終点よりその前後にそれぞれ所定距離離して設定)にあるか否かがステップS1で判断され、あると判断されれば、次にステップS2で、該突起物が細いか(図示例ではその前後幅が所定幅20mm以下か)否かが判断され、細いと判断されればステップS3に移行してトップブラシ5の第2の回避動作が実行され、否と判断されればステップS4に移行して第1の回避動作が実行され、さらに前記ステップS1で否と判断されればステップS5に移行して、前記した通常動作となる。
【0028】
図4の実線からも明らかなように、トップブラシ5に関しての前記第2の回避動作は、図示例では同ブラシ5を突起物回避位置で該突起物に接触しない高さまで上昇保持することで行われ、また前記第1の回避動作は、図示例では同ブラシ5を突起物回避位置で通常よりも低速で回転させることで行われる。
【0029】
而して、トップブラシ5は、車両前端位置でフェンダポールX1等の細い突起物が認識された場合には、この突起物に対応する位置でこれと接触しない昇降高さに保持されて該突起物の破損防止を図り、該突起物を通過した後は、車両上面と適切な接触面圧で接触する位置まで下降する。以後はその接触面圧を維持しながら車両上面に沿って移動して該上面をブラッシングするが、次の突起物が細くない突起物(図示例ではフェンダミラーX2、ルーフキャリヤX3)の場合は、それらと対応する位置でトップブラシ5の回転速度を通常よりも低速として、それら突起物の破損を防止できるようにし、また次の細い突起物(図示例ではトランク上のアンテナX4)が認識される場合は、これと対応する位置でトップブラシ5を十分上昇させて該細い突起物の破損を確実に防止する。
【0030】
[サイドブラシの回避動作]
この制御は図8のフローチャートに基づく。即ち、洗車中においては、サイドブラシ6が突起物に対応して設定される前記突起物回避位置にあるか否かがステップS11で判断され、あると判断されれば、次にステップS12で、該突起物が細いか(図示例ではその前後幅が所定幅20mm以下か)否かが判断され、細いと判断されればステップS13に移行してサイドブラシ6の第2の回避動作が実行され、否と判断されればステップS14に移行して第1の回避動作が実行され、さらに前記ステップS1で否と判断されればステップS15に移行して、前記した通常動作となる。
【0031】
図5の実線からも明らかなように、サイドブラシ6に関しての前記第2の回避動作は、図示例では同ブラシ6を突起物回避位置で開限位置6oに保持することで行われ、また前記第1の回避動作は、図示例では同ブラシ6を突起物回避位置で通常よりも低速で回転させることで行われる。
【0032】
而して、車両前端位置でフェンダポールX1等の細い突起物が認識された場合には、図5に実線で示すようにサイドブラシ6は、閉限位置6sで車両前端面に接触した後、通常よりも大きく門型フレーム1を後退させ停止させた後、該サイドブラシ6を開限位置6oまで開き移動し(この間、車両前端面は中央部を除いてブラッシングされない)、開限位置6oに達したら該サイドブラシ6を回転停止させてから門型フレーム1の往走行を再開する。次いで、サイドブラシ6は、突起物を十分過ぎてから回転を再開すると共に閉じ移動して車両側面に接触し、該側面をブラッシングするので、サイドブラシ6により上記フェンダポール等の突起物を破損させる虞れがない。以後はその接触位置を維持しながら車両側面に沿って移動して該側面をブラッシングするが、次の突起物が細くない突起物(図示例ではフェンダミラーX2、ルーフキャリヤX3)の場合は、それらと対応する位置でサイドブラシ6の回転速度を通常よりも低速として、それら突起物の破損を防止できるようにし、また次の細い突起物(図示例ではトランク上のアンテナX4)が認識される場合は、これと対応する位置でサイドブラシ6を回転停止させると共に開限位置6oまで開き移動させて、該細い突起物の破損を確実に防止する。
【0033】
[ロッカブラシの回避動作]
この制御は図9のフローチャートに基づく。即ち、洗車中において、ロッカブラシ7が突起物に対応して設定される前記突起物回避位置にあるか否かがステップS21で判断され、あると判断されれば、次にステップS22で、該突起物が細いか(図示例ではその前後幅が所定幅20mm以下か)否かが判断され、細いと判断されれば次にステップS23で、該突起物の少なくとも下端部がロッカブラシ7と干渉する虞れのある高さに存するか(図示例では所定高さ1000mm以下の高さ領域に存するか)否かが判断され、存すると判断されればステップS24に移行してロッカブラシ7の所定の回避動作が実行され、前記ステップS21〜23で否と判断されればステップS25に移行して、前記した通常動作となる。
【0034】
図6の実線からも明らかなように、ロッカブラシ7に関しての前記所定の回避動作は、図示例では同ブラシ7を突起物回避位置で車両側面より離すこと(図示例では最後退位置に保持すること)で行われる。
【0035】
而して、車両前端位置でフェンダポールX1等の細く且つ低位の突起物が認識された場合には、ロッカブラシ7の回転を停止させて同ブラシ7を最後退位置7rに保持しておき、そのロッカブラシ7が該突起物X1を十分過ぎてから、同ブラシ7が回転を開始すると共に閉じ移動して車両側面下部に接触し、該側面下部をブラッシングするので、ロッカブラシ7により上記フェンダポールX等の細く且つ低位の突起物を破損させる虞れがない。以後はその接触位置を維持しながら車両側面に沿って移動して該側面下部をブラッシングするが、その間に、別の細く且つ低位の突起物が無ければ通常動作を継続し、またそのような突起物がもし有れば、該突起物と対応する位置ではロッカブラシ7を回転停止させると共に最後退位置7rまで開き移動させて、該突起物の破損を確実に防止できるようにする。
【0036】
以上、門型フレーム1の往行時におけるサイドブラシ6、トップブラシ5及びロッカブラシ7の突起物回避動作について説明したが、それらブラシを門型フレーム1の復行時にもブラッシング作動させる場合には、上記往行時と同様の回避動作を行なうようにする。
【0037】
ところで前記実施例では、サイドブラシ6及びトップブラシ5の第1の回避動作を、細くない(前後幅の大きい)突起物X2、X3に対応した位置でブラシ回転速度を通常よりも低速とすることで行うようにして、突起物の破損防止を図りながら車体面をムラなく奇麗にブラッシングできるようにしているが、斯かる制御に代えて、細くない(前後幅の大きい)突起物X2、X3に対応した位置でブラシの車体面に対する接触面圧を通常よりも低減することで第1の回避動作を実行するようにしてもよい。この場合、その接触面圧を通常よりも低減するに当っては、ブラシの車体面に対する距離を通常動作の場合よりも若干離す制御と、トルクモータ,エアシリンダ等によりブラシに加えられる車体面への付勢力を通常動作の場合よりも若干軽減する制御との何れを行なってもよく、或いはその両方の制御を同時に行なうようにしてもよい。
【0038】
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明を逸脱することなく、種々の小設計変更を行うことが可能である。
【0039】
例えば、前記実施例では、洗車機として、門型フレーム1が停止車両に対し往復移動する移動式洗車機を示したが、本発明は、門型フレーム1を固定し、車両を移動させる固定式洗車機に適用してもよい。
【0040】
また前記実施例では、細く且つ低位の突起物X1を検出した場合のロッカブラシ7の所定の回避動作として、同ブラシ7を突起物に対応した位置で最後退位置7rに保持するようにしているが、本発明は、このような回避動作に代えて、別の回避動作を採用してもよく、例えばロッカブラシ7を突起物に対応した位置で低速回転にしたり或いは回転停止させるようにしてもよく、或いはロッカブラシ7の車両側面下部への接触面圧を低減するようにしてもよい。
【0041】
また前記実施例では、車両上面より突き出す突起物としてフロントバンパ上のフェンダポールX1、ボンネット上のフェンダミラーX2、ルーフ上のルーフキャリヤX3及びトランク上のアンテナX4を例示したが、本発明の突起物としてはこれら備品に限定されず、例えばルーフ上のタクシー表示灯やリヤスポイラ、テールゲート上のスペアタイヤ、ボンネット上のエンブレム、ルーフ上のアンテナ、リヤバンパ上のフェンダポール等も含まれる。
【0042】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、車両上面の突起物の車両前後方向の幅が所定幅以下であり且つ同突起物の少なくとも一部がロッカブラシと干渉する虞れのある高さに存するときに該突起物に対する所定の回避動作をロッカブラシに行わせるようにしたので、突起物の前後幅とレベルとから、ロッカブラシと干渉する虞れのある突起物を容易且つ的確に認識可能となり、その認識された突起物に対してロッカブラシを自動的に回避動作させることができるから、該突起物のロッカブラシとの干渉による破損を回避しながら、ロッカブラシを車両の側面下部に十分に接触させて効率よくブラッシングすることができる。また突起物の前後幅とレベルとで回避対象となる突起物を絞るようにした比較的単純な制御であることから、コスト節減に寄与することができる。
【0043】
また特に請求項2の発明によれば、ロッカブラシの突起物に対する回避動作がより確実に行なわれ、細く且つ低位の突起物の破損防止に一層効果的である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係る洗車機の概略を示す全体正面図
【図2】前記洗車機の概略を示す全体側面図(図1の2矢視図)
【図3】被洗浄車両の一例を示す側面図
【図4】トップブラシの動作態様の一例を示す側面図
【図5】サイドブラシの動作態様の一例を示す平面図
【図6】ロッカブラシの動作態様の一例を示す平面図
【図7】トップブラシの回避動作の制御手順を示すフローチャート
【図8】サイドブラシの回避動作の制御手順を示すフローチャート
【図9】ロッカブラシの回避動作の制御手順を示すフローチャート
【符号の説明】
1………門型フレーム(フレーム)
7………ロッカブラシ
7r……最後退位置
8………上面位置検出手段(突起物検出手段)
C………制御装置(制御手段,突起物検出手段)
X1……フェンダポール(突起物)
X2……フェンダミラー(突起物)
X3……ルーフキャリヤ(突起物)
X4……アンテナ(突起物)
Claims (2)
- フレームと車両とを該車両の前後方向に相対移動させながら、該車両の側面に対し進退し得るように該フレームに設けたロッカブラシで車両の側面下部をブラッシングできるようにした洗車機において、
車両上面の突起物を検出する突起物検出手段と、その突起物検出手段で検出された前記突起物の車両前後方向の幅が所定値以下であり且つ同突起物の少なくとも一部が前記ロッカブラシと干渉する虞れのある高さに存するときに該突起物に対する所定の回避動作を前記ロッカブラシに行わせる制御手段とを備えたことを特徴とする洗車機。 - 前記所定の回避動作は、回避すべき突起物に対応する位置で前記ロッカブラシを最後退位置に保持することで行われることを特徴とする、請求項1に記載の洗車機。
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