JP3696275B2 - コンパクト容器 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、揮発性化粧料や流動性化粧料を収納するのに好適な螺子蓋を用いた気密性に優れたコンパクト容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
気密性を必要とする化粧料を螺子蓋で密封したコンパクト容器として、本願出願人は実開平4ー316号公報に開示された考案のコンパクト容器を提案している。
【0003】
この従来のコンパクト容器は、図5及び図6に示すように、上面に開口する収納室51を有する容器本体52の上面を覆う蓋体53を具備してなるコンパクト容器において、前記蓋体53の裏面には前記収納室51を覆う中蓋54が取り付けられ、この中蓋54は操作レバー57による外部からの操作により前記蓋体53の裏面に沿って回動可能とされ、当該中蓋54の周壁55と前記収納室51の周壁56とは互いに螺子嵌合可能とされた構成とされている。
【0004】
そして、閉蓋して、中蓋54を収納室51に螺子嵌合することにより、容易に収納室51内の気密性を保持すると同時に、蓋体53と容器本体52とを互いに係合させることができる。従って、蓋体53と容器本体52との係合手段を別途に設ける必要がなく、蓋体53と容器本体52との開閉操作は操作レバー57を使って行うというものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、図5に開示された従来のコンパクト容器は、開蓋する際に、蓋体53の外表面に露出させた操作レバー57を指で摘んで回動させて蓋体53と容器本体52との係合を解除し、次に、改めて指を蓋体53に当て変えてから体蓋53を押し上げるという二段操作が必要であり、操作性に問題を残していた。
【0006】
また、充分な注意力をもって操作レバー57の回動位置を確認しないと蓋体53と容器本体52との係合状態の判別がしにくく、操作の手順に戸惑うということがあった。
【0007】
一方、図6に示すものにあっては、蓋体53の側面に窓58が設けられ、この窓58から中蓋54の周壁59の外面が露出し、この露出した周壁59に操作レバー57を設けて蓋体53の側面から突出した構成とされており、操作レバー57に指を掛けたまま一連の操作で開蓋できるものである。
【0008】
しかしながら、この図6に開示されたもう一つの従来のコンパクト容器は、蓋体53の側面に窓58が窪んで見えるので、見映えを重要視する化粧用容器としてはデザイン上の不満があり、且つ操作レバー57は常に蓋体53の側面から突出した構成とされているので、携帯中、周囲に操作レバー57がぶつかりやすく、操作レバー57を損傷したり、誤って係合が解除されてしまうことがあった。
【0009】
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたもので、気密性を必要とする化粧料を螺子蓋で密封し、美観を損なわずに操作性を向上させて更に取り扱い易くすることを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決する為に、雄螺子を有し化粧皿を収納する環状筒が立設された容器本体と、前記容器本体の後端部に蝶番結合された蓋体とからなるコンパクト容器において、前記蓋体は上下面に貫通する貫通孔を有していて、前記雄螺子と係合する雌螺子を有し前記環状筒を密封する中蓋が前記貫通孔に回動可能に装着されるとともに、前記中蓋の前記蓋体外表面に露出した天板には前記蓋体の上面前端から突出可能な寸法の操作レバーが設けられ、前記操作レバーを前記蓋体の前端から突出した位置に回動すると前記環状筒と前記中蓋との係合が解除され、突出した操作レバーが開蓋用の指掛け部となることを特徴としている。
【0011】
【作用】
本発明のコンパクト容器にあっては、中蓋に設けた操作レバーは蓋体の上面前端から突出可能な寸法に設定され、且つ操作レバーを蓋体の前端から突出した位置に回動させると、環状筒と中蓋との係合が解除される構成としたので、操作レバー8の回動位置が認識し易く、操作レバー8の位置を見て極めて容易に係合状態の判別ができる。
【0012】
そして、環状筒と中蓋との係合を解除すること、即ち開蓋可能状態にしたときには、操作レバーは蓋体の上面前端から突出するので、突出した操作レバーを指掛け部として使用して一連の手指の操作で開蓋できる。
【0013】
更に、環状筒と中蓋とが係合しているとき、即ち蓋体と容器本体とが係合し閉蓋状態にあるときには、操作レバーは蓋体の上面前端内に位置しているので美観が損なわれる事がないうえに、携帯中、不用意に周囲に操作レバーをぶつけてしまうようなことがない。
【0014】
【実施例】
以下、本発明の実施例を添付図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
図1乃至図4は、本発明に係わるコンパクト容器の好適な実施例を示すもので、中枠9が固着されてなる容器本体1と、この容器本体1の上面を覆い天板10に貫通孔7が穿設された蓋体2とが各後端部で蝶番ピン11によって開閉自在に蝶着されてなり、前記蓋体2の貫通孔7には、中蓋3が脱抜不能、且つ回動可能に装着されて構成されている。
【0016】
図に示すように、容器本体1は、後壁中央部に蝶番部を構成する凹所12が設けられた扁平な有底の箱体からなり、この容器本体1には、パフ(図示せず)を納置する収納凹所13と化粧料Kが充填された化粧皿14を収納する環状筒6とを区画形成した中枠9が固着形成されている。
【0017】
前記環状筒6は、中枠9に一体形成されて容器本体1の上部開放面よりも高く起立して設けられ、その上端面は浅い内向きの段部に形成されて環状筒6内に嵌挿された化粧皿14のフランジ14aが面一にはめ込まれているとともに、その外周壁にはリードの短い雄螺子4が所定間隔をおいて複数箇所に突設され、この雄螺子4のリードの閉まり方向の終端は下方に屈曲してストッパ15を形成している。
【0018】
更に、環状筒6の内周壁には突条16が周設され、この突条16と前記化粧皿14の外周に設けられた周溝14bとが係合して環状筒6と化粧皿14とは嵌脱可能に嵌合している。
【0019】
一方、蓋体2は、天板10の周端から垂設された周壁17に囲まれた浅い皿状に形成され、後端壁中央部から垂設された蝶番脚18が前記容器本体1の凹所12と嵌合して蝶番部を構成しているとともに、容器本体1の収納凹所12に対応した天板10内側には化粧用鏡19が貼着され、天板10の環状筒6に対応した箇所には上下面に貫通した貫通孔7が穿設されている。
【0020】
そして、図2に示すように前記貫通孔7の上部周縁部には中蓋3の回動距離を制限する内向きの段部に形成された円弧状の規制溝20が設けられ、この規制溝20には中蓋3の周縁部23下面に突設された規制片21が摺動可能に臨んでおり、図3に於いて破線で示すように、規制溝20の長さ距離Sが中蓋3の回動可能距離として設定されている。
【0021】
前記中蓋3は、鍔状の周縁部23を残して天板22の下面から一体に垂設された周壁24からなり、この周壁24の外周に周設された突条25が前記蓋体2の貫通孔7の下部周縁部に係合して蓋体2に回動可能、且つ脱抜不能に装着されている。
【0022】
また、中蓋3の内周壁には前記環状筒6の雄螺子4と螺合する雌螺子5が設けられ、中蓋3内の天面にはシート状のパッキン26が貼着されている。
【0023】
そして、蓋体2の上面に露出した中蓋3の天板22の外縁には舌片状の操作レバー8が一体に突出形成され、この操作レバー8は天板10に沿って蓋体2の前方に回動されたとき蓋体2の上面前端縁から突出する所望の長さ寸法に形成されており、蓋体2の開閉用の指掛け部を兼用している。
【0024】
また、本実施例のコンパクト容器においては、操作レバー8を回動して蓋体2の上面前端縁から突出すると、中蓋2の雌螺子5と環状筒6の雄螺子4との係合が解除されるとともに、中蓋3の周縁部23下面に突設された規制片21が規制溝20の終端面20aに当接し、操作レバー8がコンパクト容器の正面に突出して停止するように過回動が規制さて設定されている。
【0025】
また、中蓋3の雌螺子5と環状筒6の雄螺子4とが係合して雌螺子5の先端が雄螺子4のストッパ15に当接した閉蓋状態にあっては、操作レバー8は蓋体2の上面前端縁内に位置している。
【0026】
以上のように構成された本実施例のコンパクト容器は、図3に於いて実線で示したように、閉蓋して操作レバー8が蓋体2の上面前端内に位置しているときは蓋体2と容器本体1とは係合していることを示し、図3に於いて二点鎖線で示したように、操作レバー8が蓋体2の上面前端縁から突出状態にあるときは係合が解除されて開蓋可能状態にあることを示しているので、操作レバー8の回動位置が認識し易く、操作レバー8の位置を見て極めて容易に係合状態の判別ができ、従って、操作の手順に戸惑うことがない。
【0027】
かかる本実施例のコンパクト容器を使用するときは、蓋体2の前方に操作レバー8を回動突出して蓋体2と容器本体1との係合を解除し、突出した操作レバー8を指掛け部として一連の手指の操作で開蓋できる。
【0028】
そして、閉蓋するときは、蓋体2の上面前端内に操作レバー8を回動させると、中蓋2の雌螺子5と環状筒6の雄螺子4との螺合が進み、雄螺子4のストッパ15に雌螺子5のリードの先端が当接することにより蓋体2と容器本体1との係合は完了し、化粧料Kはパッキン26によって気密に密封される。
【0029】
本実施例のコンパクト容器にあっては、蓋体2と容器本体1とが係合状態にあると、操作レバー8は蓋体2の上面前端内に天板10に重なって収まり、見映えが損なわれないばかりか操作レバー8にホットスタンプなどの加飾を施すことによって更に美観を高めることもでき、また、携帯中に不用意に操作レバー8を周囲にぶつけて係合が解除されてしまうようなこともない。
【0030】
【発明の効果】
本発明のコンパクト容器によれば、中蓋に設けた操作レバーを蓋体の上面前端から突出可能な寸法に設定し、且つ操作レバーを蓋体の前端から突出した位置に回動すると環状筒と中蓋との係合が解除される構成としたので、操作レバーの回動位置が認識し易く、且つ操作レバーの位置を見て極めて容易に係合状態の判別ができるので、操作の手順に戸惑うことがない。
【0031】
また、環状筒と中蓋との係合を解除して開蓋可能状態にすると、操作レバーは蓋体の上面前端から突出して指掛け部となり、操作レバーに指を掛けて一連の手指の操作で開蓋できるので、極めて操作性がよい。
【0032】
更に、閉蓋時にあっては、操作レバーは蓋体の上面前端内に収まっているので、見映が損なわれることもなく、携帯中に不用意に操作レバーを周囲にぶつけて係合が解除されてしまうようなこともなく、取り扱い易いコンパクト容器である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のコンパクト容器の実施例を示す開放斜視図。
【図2】 同コンパクト容器の断面図。
【図3】 同コンパクト容器の平面図。
【図4】 同コンパクト容器の側面図、
【図5】 従来のコンパクト容器の断面図。
【図6】 従来のコンパクト容器の別の実施例の開放斜視図。
【符号の説明】
1 容器本体,2 蓋体,3 中蓋,4 雄螺子,5 雌螺子,6 環状筒,
7 貫通孔,8 操作レバー,14 化粧皿,22 天板
Claims (1)
- 雄螺子を有し化粧皿を収納する環状筒が立設された容器本体と、前記容器本体の後端部に蝶番結合された蓋体とからなるコンパクト容器において;前記蓋体は上下面に貫通する貫通孔を有していて、前記雄螺子と係合する雌螺子を有し前記環状筒を密封する中蓋が前記貫通孔に回動可能に装着されるとともに、前記中蓋の前記蓋体外表面に露出した天板には前記蓋体の上面前端から突出可能な寸法の操作レバーが設けられ、前記操作レバーを前記蓋体の前端から突出した位置に回動すると前記環状筒と前記中蓋との係合が解除され、突出した操作レバーが開蓋用の指掛け部となることを特徴とするコンパクト容器。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP33124494A JP3696275B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | コンパクト容器 |
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JP33124494A JP3696275B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | コンパクト容器 |
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JP33124494A Expired - Fee Related JP3696275B2 (ja) | 1994-12-08 | 1994-12-08 | コンパクト容器 |
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