JP3695684B2 - 基板表面の洗浄方法と装置 - Google Patents

基板表面の洗浄方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板表面の洗浄に係り、特に半導体、液晶、精密機械工業における基板や基材表面の洗浄(清浄化)方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基板(基材)表面の洗浄は、大別して湿式洗浄と乾式洗浄が知られている。
そのうち、湿式洗浄は、酸やアルカリ性の薬剤の使用、純水によるリンス、乾燥器による乾燥などの処理を必要とする。このため、煩雑になり、大がかりな装置(器具類)が必要となると共に、基板の種類によっては酸化されること、コストが高くなることなどの問題があった。
一方、乾式洗浄は、184nmと254nmの紫外線(UV)を用いて基板表面を浄化する方式である。
【0003】
すなわち、空気中に被洗浄基板を置き、それに184.9nmと253.7nmの波長を含む紫外線を照射する。この場合、184.9nmの波長の紫外線により、空気中のO2から、
2→O+O ・・・(1)
O+O2→O3 ・・・(2)
なる反応により、O3が発生し、さらに、253.7nmの波長の紫外線により、
3→O+O2 ・・・(3)
O+O2→O3 ・・・(4)
なる反応が繰り返される。そして、その過程においてウエハ表面の汚染物が酸化される。
この方式は、装置が小型である長所を有するが、基板表面に直接紫外線やOのような活性種(ラジカルなど)が作用するため、基板の種類によっては使用できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、上記従来技術の問題点を解消し、基板の種類に関係なく、小型の装置で簡易に汚染された基板表面を洗浄(清浄化)することができる方法と装置を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、汚染基板の基板表面を洗浄する方法において、該汚染基板を、洗浄するための収納空間に収納し、該収納空間中の少なくとも炭化水素を含む気体を、空間容積1m3当り50〜50000cm2の表面積で設置された光触媒に、0.01mW/cm2〜10mW/cm2の紫外線が照射されている空間内で、該気体中の非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に清浄化し、該気体を汚染基板表面接触させることにより、該基板上の汚染物を気体中に脱離させることを特徴とする基板表面の洗浄方法としたものである。
前記基板表面の洗浄方法において、紫外線が照射されている空間内に、さらに光電子放出材と電極を設置して、前記気体中の微粒子濃度をクラス10以下に清浄化することができ、前記紫外線の照射は、殺菌ランプで行うのがよく、また、前記空間には、不活性ガスを封入することができる。
また、本発明では、汚染基板から基板上の汚染物を気体中に脱離させて洗浄する基板表面の洗浄装置において、該汚染基板を洗浄するための収納空間と、該収納空間の気体中の非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に清浄化するための、該空間容積1m 当り50〜50000cm 2 の表面積で設置された光触媒と、該光触媒に光触媒面積1cm 当り0.01〜10mWの紫外線を照射する紫外線源とを備えたことを特徴とする基板表面の洗浄装置としたものである。
前記基板表面の洗浄装置において、紫外線は、基板収納空間の内部に設置することができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の6つの知見に基づいて発明されたものである。
即ち、(1)本発明の対象分野である先端産業におけるウェハなどの基板の清浄化空間では、従来はHEPAフィルターなどで除去できる微粒子の除去で十分であったが、今後は製品が高品質化、精密化するのでガス状物質の影響を受けるようになる。
即ち、現状のクリーンルームは、フィルター技術により微粒子除去による清浄空間が得られるが、ガス状物質は該フィルターで除去できないので、クリーンルーム内はガス状汚染物質(ガス状有害成分)が処理されないまま存在している。
【0007】
(2)通常の空気(外気)中には、ガス状有害成分としてNOX、SOX、HClのような酸性ガス、アンモニア、アミンのようなアルカリ性ガス、及び炭化水素(H.C)が存在し、クリーンルームに設置されているフィルターによっては、これらのガス状有害成分の捕集はできないので、これらの有害ガスはクリーンルームに導入されてしまう。このうち、通常の空気中の濃度レベルの場合、H.Cがウェハなどの基板の接触角の増大に関与する度合いが最も大きい(空気清浄、第33巻、第1号、p16−21、1995)。
即ち、基板表面の汚染の程度(汚染レベル)は、接触角で表示できる。
【0008】
(3)少なくとも一部が有機物(例えば、高分子樹脂)で構成されるクリーンルームにおいては、有機物から極く微量の有機性ガス(例えば、H.C)が発生し、クリーンルーム内の収容物(ウェハやガラス基板などの原料や半製品)を汚染する。すなわち、クリーンルームにおいては、少なくともその一部に有機物(例えば、プラスチック容器、パッキン材、シール材、接着材、壁面の材料)を使用していて、これら有機物から極く微量の有機性ガスが発生する。例えば、シール材からはシロキサン、収納容器の材料であるプラスチックからはフタル酸エステルなどが発生する。
【0009】
これら有機性ガスの発生量は微量であり少ないが、閉鎖系であるクリーンルーム内に閉じ込められる。特に最近のクリーンルームにおいては省エネを目的として空気を循環使用することが多いので、このような現象が生じる。従って、有機性ガスの濃度は徐々に高くなり、クリーンルーム内の収容物である基板の上に付着し、悪影響を与える。
このように、クリーンルーム内のH.Cは、外気から導入されるH.Cに内部で発生するガスが加わるので、多成分かつ高濃度になっていて、最近では、クリーンルームはH.Cに関してのダーティルームと言われていて、効果的な空間中H.Cの除去法及び汚染された基板表面の簡易な洗浄法が必要となっている。
【0010】
(4)非メタン炭化水素は、通常の空気(外気やクリーンルーム)中の濃度で基板表面を汚染する。
この汚染基板は、空間に収納し、空間の片側に光触媒を、空間容積1m3当り、50〜50000cm2の表面積で設置し、該光触媒に光触媒1cm2当り0.01〜10mW/cm2の紫外線量を照射すると基板の洗浄が行われる。
また、種々の非メタン炭化水素のうち、基板の汚染物(接触角を増大させる成分)は基板の種類(ウェハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類・性状によって、異なると考えられる。本発明者は、鋭意検討した結果、空気中の非メタン炭化水素濃度を指標として、これを光触媒により0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば、空間に収納した基板表面の洗浄(清浄化)に効果があることを見いだした。
【0011】
(5)微粒子(粒子状物質)の共存が問題となる場合は、前記の紫外線が照射される空間に、少なくとも光電子放出材と電極を設置すると、前記のH.C除去に加えて微粒子除去ができるので(ガスと微粒子の同時処理ができるので)、利用先、装置種類、要求性能によっては好ましい。
即ち、上記紫外線照射の空間に光電子放出材を設置し、電界を形成すると光電子放出材から光電子が効果的に放出されるので、微粒子除去が同時に行える。微粒子の除去は、クラス10以下、好ましくは、クラス1以下とすると効果的である。
【0012】
(6)前記の空間に、不活性ガス(O2や水分を含まない気体)を封入して行うと基板によっては効果的である。
即ち、不活性ガス封入下で行うと、基板は酸素や水分による酸化作用を受けないので、敏感な基板の洗浄では実用上有効である。
なお、基板の物性は、基板表面の約1nmが重要であり、約1nmの極表面の状態が基板の物性を支配する。即ち、この極表面の洗浄や評価を的確に行うことが重要である。このような極表面の評価法(分析法)として、TOF−SIMS法が有効である(13th.ISCC,p316〜322,1996)。
【0013】
次に、本発明の夫々の構成を詳細に説明する。
光触媒は、被洗浄用基板が収納(設置)された空間中のガス状有害成分(汚染物)を分解・除去するものであり、該基板表面から発生するガス状有害成分を分解し、基板に付着しても悪影響を及ぼさない形態(低分子量の安定化ガス)に変換するものであればよい。
通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手出来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の面から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また2種類以上を複合して用いる。
【0014】
例えば、元素としてはSi,Ge,Se、化合物としてはAlP,AlAs,GaP,AlSb,GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,CdS,CdSe,ZnS,MoS2,WTe2,Cr2Te3,MoTe,Cu2S,WS2、酸化物としてはTiO2,Bi23,CuO,Cu2O,ZnO,MoO3,InO3,Ag2O,PbO,SrTiO3,BaTiO3,Co34,Fe23,NiOなどがある。
適用先によっては、金属材を焼成し、金属表面に光触媒の形成を行うことができる。この例として、Ti材を焼成し、その表面にTiO2の形成を行う光触媒がある(特願平9−273302号)。
【0015】
また、光触媒作用の向上のために、上記光触媒にPt,Ag,Pd,RuO2,Co34の様な物質を加えて使用することも出来る。該物質の添加は、光触媒によるH.C分解作用が促進されるので好ましい。これらは、一種類又は複数組合せて用いることができる。通常、添加量は、光触媒に対して、0.01重量%〜10重量%であり、適宜添加物質の種類や要求性能などにより予備試験を行い、適正濃度を選択することができる。添加の方法は、含浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練法など周知手段を適重用いることができる。
光触媒の形状は、光触媒を板状、綿状、網状、ハニカム状、膜、シート状あるいは繊維状などの適宜の形状の材料に、ゾルーゲル法、焼結法、蒸着法、スパッタリング法などによる付加、あるいは包み、又は挟み込んで用いてもよい。例えば、金属材、セラミック、フッ素樹脂、ガラス材にゾルーゲル法による付加手段を適宜に用いて行うことができる。例として、ガラス材やアルミナ板へのTiO2のゾルーゲル法による付加がある。
【0016】
光触媒の設置の位置は、空間への固定化、壁面への固定化があり、気流中に浮遊させて用いることもできる。該固定化は、前記の他に後述の光源との一体化、即ち、光源表面への被覆(付加)がある。
この場合の付加の厚さは、光触媒が光源からの光を吸収し、表面(ランプと反対面)の光触媒が活性化すれば良いので、薄膜状で、ランプの光が光触媒表面に到達する程度の厚さで良い。そして、好適な薄膜の厚さは、用いる光触媒の種類(光の透過性)、光源の種類、出力などにより、適宜予価実験を行い決めることができる。
光触媒は、光源を囲んで設置して、コンパクトなユニット(洗浄装置)とすることができる。該ユニットは、光触媒の設置面積を広くでき、また円周方向に放出される照射紫外線を有効利用でき、被清浄空間の任意の場所に、任意の本数設置できるので、利用先、装置種類によっては好ましい。
【0017】
空間中のH.Cは、被清浄空間の容積1m3当り50cm2以上の表面積で設置した光触媒に、光触媒1cm2当り、0.01mW/cm2以上の紫外線を照射することにより、光触媒に接触及び吸着し、順次効果的に分解される。光触媒の設置面積は広い程、また、紫外線の照射強度は強い程効果的であるが、コスト、維持、管理、効果などを考慮すると、面積の広さ、紫外線の照射強度には限界があり、実用上の面積は通常50〜50000cm2、好ましくは100〜10000cm2、実用上の照射強度は0.01〜10mW/cm2である。
光触媒の好適な形状、設置場所、面積、照射強度は、用途、洗浄装置、基材・基板の種類、規模、要求性能などにより、適宜予備試験を行い決めることができる。
例えば、敏感な表面基板は、多成分かつ低濃度の汚染物の影響を受けるので、、洗浄において発生するガス状有害成分は、多成分、かつ発生濃度が高いので、光触媒の設置面積は広く、また照射強度を強くとるのが良い。
【0018】
次に、光源としては、光触媒への光照射により、光触媒が光触媒作用を有するものであれば何れでも良い。
すなわち、光触媒作用によるH.Cの分解は、光触媒の種類により定まる光吸収域の(波長域の)光を光触媒に照射しつつ被処理気体を光触媒に接触させることにより行うことができる。
光触媒の主たる光吸収域を例示すればつぎのごとくである。
Si:<1,100(nm)、Ge:1,825(nm)、Se:<590(nm)、AlAs:<517(nm),AlSb:<825(nm)、GaAs:<886(nm)、InP:<992(nm)、InSb:<6,888(nm)、InAs:<3.757(nm)、CdS:<520(nm)、CdSe:<730(nm)、MoS2:<585(nm)、ZnS:<335(nm)、TiO2:<415(nm)、ZnO:<400(nm)、Cu2O:<625(nm)、PbO:<540(nm)、Bi23:<390(nm)。
【0019】
光源は、光触媒の光吸収域の波長を持つものであればよく、周知のものが適宜使用できる。可視光線又は紫外線が使用できるが、効率(処理速度)の点で紫外線が好ましい。
紫外線は、例えば水銀灯、水素放電管、ライマン放電管、キセノン放電管などを光吸収域等により適宜使用することができる。
通常、水銀灯がコスト、効果、簡易な形状などからより好ましい。水銀灯の例としては殺菌ランプ、ブラックライト、蛍光ケミカルランプ、UV−B紫外線ランプがある。この内、殺菌ランプ(主波長:254nm)が好ましい。これは、殺菌ランプは光触媒への有効照射光量を強くでき(光触媒作用が強くなる)、後述の光電子放出材からの光電子放出にも効果的でオゾンレスで実施できるためである。
【0020】
前記の光触媒により、空気中の非メタン炭化水素濃度を0.2ppm、好ましくは0.1ppm以下とすることで、基板の洗浄効果が効果的となり、本発明の特徴である。
上記の空間中の非メタン炭化水素濃度を低減化すると、基板の洗浄が効果的になる理由の詳細は不明であるが、次のように考えることができる。
基板は、クリーンルーム空気の暴露により汚染されるが、これは基板表面が、クリーンルーム空気中の汚染物(状態)と平衡状態を保つ(化学的にクリーンルーム空気中の汚染物と、基板表面の汚染物が平衡を保つ)ことによる。
これに対して、本発明では、汚染基板を収納した空気中の汚染物濃度を低減化するので、蒸気圧効果が生じ、汚染基板上の汚染物が空気中へ脱離(ガス化)する。空気中への脱離汚染物は、光触媒により分離される。このように、汚染基板上の汚染物の脱離と該汚染物の分解が順次起こる。その結果として、汚染基板は表面は洗浄化される。
【0021】
次に、光触媒による汚染物の分解・除去機構について、基板に付着し、デバイス特性に悪影響を及ぼす炭化水素について説明する。
通常のクリーンルームにおいて、基板表面に付着し、悪影響を及ぼす炭化水素(H.C)で共通して言えることは、高分子量のH.Cが主であり、その構造として−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つことである。このH.Cは親水部(−CO、−COO結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の−C−C−の部分)と考えることができる。
具体例で説明すると、通常のクリーンルームにおけるガラス基板などの収容物表面に付着するH.Cは、C16〜C20の高分子量H.C、例えばフタル酸エステル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成分に共通することは化学的構造として、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つ。これらの汚染H.Cの起因は、高分子製品の可塑剤、離型剤、酸化防止剤などであり、高分子製品の存在する個所が発生源である。(「空気清浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995)。
【0022】
光触媒によるこれらのH.Cの処理メカニズムの詳細は不明であるが、次のように推測できる。すなわち、これらのH.Cは、−CO、−COO結合の部分がウェハやガラス基板表面のOH基と水素結合し、その上部は疎水面となり、結果としてウェハやガラス表面は疎水性になり、接触角が大きくなり(汚染基板となる)、その表面に成膜すると膜の付着力は弱い。
即ち、H.Cが存在する雰囲気に光触媒を設置すると、光触媒は吸着作用を有するので、H.Cはその活性部である−CO、−COO結合部が、光触媒表面に吸着し、光触媒作用を受け、別の安定な形態に変換される。その結果として、H.Cは安定な形態となり(低分子の物質まで変換され)、ウェハやガラス基板上には付着しないか、又は付着しても疎水性を示さないと考えられる。
【0023】
光触媒は、前記H.Cの分解・除去の他に、アンモニアやアミンのような塩基性ガス(ガス状有害成分)の除去にも効果的である。
光触媒の使用においては、その周辺からの粒子状物質の発生、あるいは緊急時を考慮して、適宜周知の除塵手段、例えば後述の光電子を用いる方法、あるいはフィルターを用いる方法を適宜用いることができる。フィルター方式による除塵フィルターは、例えば中性能フィルター、HEPAフィルター、ULPAフィルター、帯電フィルター等を組合せて用いることができる。
【0024】
次に、光電子放出材と電極を説明する。
これらは、微粒子の共存が問題になる場合、例えば、基板が収納される空間で微粒子が発生し、微粒子付着の問題が懸念される場合、製品が高品質、高精密のため極く微量の微粒子も問題となる場合等に、該微粒子を発生H.C除去に加えて行う場合に、光触媒と共に紫外線照射空間内に設置して用いる。
該光電子による微粒子の荷電・捕集(除去)は、本発明者らが既に提案した方法を適宜に用いることができる(特公平3−5859号、特公平6−34941号、特公平7−93098号、特公平7−121369号、特公平8−211号各公報)。
【0025】
光電子放出材は、紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい。効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は合金又は混合物が好ましく、これらは単独で又は二種以上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材も用い得る。
例えば、化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,CaO,Y25,Gd23,Nd23,ThO2,ZrO2,Fe23,ZnO,CuO,Ag2O,La23,PtO,PbO,Al23,MgO,In23,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化物にはYB6,GdB6,LaB5,NdB6,CeB6,EuB6,PrB6,ZrB2などがあり、さらに炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,NbC,WCなどがある。
【0026】
また、合金としては黄飼、青銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、或いは薬品で酸化することによっても得ることができる。
さらに、他の方法としては使用前に加熱し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ることもできる。この例としては、MgとAgとの合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下で、その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸化薄膜は長期間にわたって安定なものである。
これらの材料は、適宜の母材、例えば金属材、セラミックス、紫外線透過性物質に付加して用いることができる。
【0027】
これらの材料の使用形状は、棒状、線状、格子状、板状、プリーツ状、曲面状、円筒状、金網状等の形状が使用でき、紫外線の照射面積の大きな形状のものが好ましい。
本発明者が、すでに提案したように、光電子放出材に保護膜を設け、多重構造としたものも好適に使用できる(特開平3−108698号公報)。
母材上への光電子放出材の付加として、適宜の母材上へ薄膜状に光電子を放出し得る物質の付加がある(特開平4−152296号公報)。
また、紫外線透過性物質に前記の光電子放出材を付加して用いる例として、紫外線透過性物質(母材)としての石英ガラス上に光電子を放出し得る物質として、Auを薄膜状に付加したものがある(特公平7−93098号公報)。光電子放出材を母材に付加して使用する場合は、本発明者がすでに提案しているように、導電物質の付加を併せて行い用いることができる(特許第2,598,730号明細書)。
【0028】
また、前記の紫外線源との一体化、例えば紫外線ランプ表面への光電子放出材の付加がある(特開平4−243540号公報)。該一体化は装置がコンパクト化するので、適用先、要求性能によっては好ましい形態である。
また、前記の光触媒との一体化も用いることができる(特願平8−132563号)。該一体化では、微粒子に共存するガス状汚染物質の同時除去は、もちろんのこと、光電子放出材がセルフクリーニングされるので、長時間安定に使用できること(光電子放出材の使用環境中に、光電子放出材に対して有害な物質が共存しても、光触媒により分解・除去される)から、好ましい。例えば、プラスチック材を用いる洗浄用装置では、プラスチック材の種類によっては、光電子放出材に有害な物質が発生し得るが、該発生有害物質を除去するので、この様な用途では好ましい。
【0029】
前記のように、光電子放出材は、適宜の形状の母材表面に周知の方法、例えば、イオンプレーティング法、蒸着法、スパッタリング法、COD法、メッキ法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、スクリーン印刷による方法を適宜に用い、薄膜状、粒状、島状、帯状、網状、線状、格子状に付加し、用いることができる。
光電子放出材への紫外線照射による光電子の放出は、電場下で効果的である。電極は、そのために用いられる。
該電極の材料、位置や形状は、光電子放出材との間に電場(電界)が形成できるものであれば何れも使用できる。電極材料とその構造は、周知の荷電装置において使用されているもので良い。電極材料は導体であれば何れでも使用でき、この例としてタングステンの線、棒状、網状、板状がある。これらを1種類又は2種類以上組合せて光電子放出材の近傍に電場が形成できるように設置する(特開平2−303557号公報)。
【0030】
該電場電圧は、2V/cm〜2kV/cmである。好適な電場の強さは、利用分野、条件、装置形状、規模、効果、経済性等で適宜予備試験や検討を行い決めることが出来る(特開平2−303557号公報)。
光電子放出材への照射紫外線は、前記光触媒に好適な光源を用いることができる。この内、殺菌ランプは、コンパクト、安価、オゾンレスで、殺菌作用があり、光電子の放出が効果的であることから好ましい。
【0031】
次に、荷電微粒子捕集材(集塵材)について説明する。
該集塵材は、前記の光電子により荷電された微粒子を捕集するものである。荷電微粒子の捕集材(集塵材)は、通常の荷電装置における集じん板、集じん電極等各種電極材や静電フィルター方式が一般的であるが、スチールウール電極、タングステンウール電極のようなウール状構造のものも有効である。エレクトレック材も好適に使用できる。
光電子放出材、電極材、荷電微粒子の捕集材の好適な組合せ方は、適用装置の形状、構造、要求性能、経済性などにより、適宜決めることができる。
前記の電場用電極材は、用途、装置形状によっては、集塵材と兼用あるいは一体化して行うことができる(特公平8−211号公報)。
前記の光電子を用いる微粒子の荷電・捕集(除去)により、微粒子濃度をクラス10好ましくは、クラス1以下とすることで、基材又は基板の洗浄が効果的となり、本発明の特徴の1つである。
ここで、クラスは微粒子濃度の単位であり、1ft3中の微粒子(0.1μm以上)の個数を表す。
【0032】
本発明の基板の洗浄を行う空間は、空気中の他、不活性ガス封止下(不活性ガスの環境中)で、効果的に実施される。
該空間への不活性ガスの導入は、洗浄空間に、間欠的に不活性ガス供給源(装置)から、不活性ガスを供給することにより行うことができる。
ここで、不活性ガスとは、水分、O2を含まない気体を指し、N2、Ar,ドライ空気などの周知の不活性ガスを用いることができる。この内、N2が実用上安価であること、取扱い容易で繁用性のガスであることなどから好ましい。N2は、液体窒素を気化させて用いる方式、ボンベに充填して用いる方式、PSAによる方式など周知の方式を適宜に用いることができる。
不活性ガスの洗浄空間への導入は、空間がほぼ完全に不活性ガスに置き代わる量、通常該空間の容積の1.5〜50倍量、好ましくは1.5〜3倍量導入する。
不活性ガスの種類や、そのグレード、該ガスの発生方法、空間への供給方式、該空間への導入量とその頻度は、用途、装置の形状、密閉度、規模、要求性能、経済性、安全性、操作性などを考慮し、適宜予備実験を行い決めることができる。
【0033】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明するが、本発明は下記実施例に何ら限定されない。
実施例1
図1に、本発明の洗浄方法を、半導体工場のクリーンルームに設置されたクリーンルームで汚染されたウェハの洗浄に用いた装置の概略構成図を示し、この図1を用いて説明する。
図1において、1はウェハの洗浄装置を示し、該ウェハ洗浄装置1は、ウェハ2表面から発生するH.Cなどの発生ガス状有害成分3を分解・除去するためのH.C分解部A、被洗浄ウェハ2を洗浄のために収納する収納空間(被清浄化空間)部Bにより構成される。4は、洗浄用ウェハの収納ケースである。
収納空間部Bには、クリーンルーム空気中のH.Cのようなガス状有害成分3、及び、上記のようにウェハ2表面から発生するガス状有害成分3が存在するが、これらのガス状有害成分3は紫外線ランプ5の照射を受けた光触媒6で分解処理され、ウェハ2が収納された被清浄空間Bは清浄化される。
【0034】
即ち、洗浄装置1の収納空間Bには、洗浄装置1の開閉により、初期にクリーンルーム内の1〜1.5ppmのH.Cが侵入し、また、ウェハ2からは洗浄時間の経過と共に、H.Cなどのガス状有害成分3が発生するが、H.Cを含む空気の流れ7-1、7-2、7-3により、H.C分解部Aにおいて光触媒6と接触し、H.Cは0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで分解される。この流れは、紫外線照射された光触媒6の上下には、わずかな温度差が生じ、これにより該装置1内の空気に上下の流れ(循環流)が生じるので、これにより空気は順次光触媒6に接触し、H.Cは効果的に処理される。
これにより、分子量の大きいH.Cは、分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解される。
ここで、塩基性ガスとしてNH3が共存するが、光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3濃度:30〜50ppb)まで分解・除去される。
【0035】
汚染ウェハ2上の表面洗浄は、先ず収納空間B内のガス状有害成分3の光触媒6による分解・除去により、収納空間B内が超クリーン化され、次いで、その結果として、該汚染ウェハ2上の汚染物が、収納空間部Bに放出(ガス化)され、これらが順次起こることで、効果的に達成される。
8は遮光材であり、これはウェハ2が紫外光に敏感なために設置されている。即ち、これは、紫外線ランプ5からのわずかなリーク紫外線のウェハ2への照射を防ぐ。9は反射面であり、紫外線ランプ5からの放射紫外線を反射して効果的に光触媒6に照射する。
本例における光触媒6は、アルミナ板にTiO2を付加したものであり、空間容積(被清浄空間Bの容積)1m3当り、3000cm2の表面積で設置されている。紫外線ランプ5は、殺菌ランプであり、光触媒6への紫外線照射強度は、光触媒1cm2当り0.1mW/cm2である。
【0036】
実施例2
図2は、図1に示したウェハ洗浄装置の変形例であり、紫外線ランプ(殺菌ランプ)5を、洗浄装置1の内部に設置し、その廻りに光触媒6を配置したものである。本装置は、光触媒面積を広く配置できること、紫外線照射強度を強くできることから、表面が敏感な基板(例、ウェハ2上に金属膜が被覆)の洗浄に効果的である。
光触媒の設置面積は、容積1m3当り、30000cm2の表面積で、紫外線ランプからの光触媒6への紫外線照射強度は、光触媒1cm2当り、0.1mW/cm2である。これにより、H.Cは0.2ppm以下まで分解される(クリーンルーム空気中のH.Cは1〜1.5ppm)。
光触媒によるH.C分解部Aは、紫外線ランプ5と光触媒6より成る洗浄装置としてのユニットにできる。即ち、該ユニットは、洗浄ウェハ収納空間部Bに、適宜取り付け、取り外しができるので保守管理が容易なウェハ洗浄装置となる。
図2中、図1と同一符号は、同じ意味を示す。
【0037】
実施例3
図3は、図1に示したウェハ洗浄装置1の変形例であり、紫外線ランプ(殺菌ランプ)5を、1の内部に設置し、該ランプ5の表面に光触媒を付加したものである(光源と光触媒が一体化)。
本装置の光触媒によるH.C分解部Aは、紫外線ランプ5の表面に光触媒を付加したもののため、紫外線照射強度を強くとることができ、簡易な構造でウェハの洗浄が実施できる特徴がある。
光触媒の設置面積は、容積1m3当り、3000cm2の表面積で設置されており、紫外線ランプ5からの光触媒6への紫外線照射強度は、光触媒1cm2当り、4.0mW/cm2である。これにより、H.Cは0.2ppm以下まで分解される(クリーンルーム空気中のH.Cは1〜1.5ppm)。
光触媒によるH.C分解部Aは、紫外線ランプ5と光触媒6より成る洗浄装置としてのユニットにできる。即ち、該ユニットは、洗浄ウェハ収納空間部Bに、適宜取り付け、取り外しができるので保守管理が容易なウェハ洗浄装置となる。
図3中、図1と同一符号は、同じ意味を示す。
【0038】
実施例4
図4は、図1〜3に示したウェハ洗浄装置1の変形例である。
図1〜3の洗浄装置との比較で説明すると、紫外線ランプ5からの紫外線に対する遮光材8(図1〜3)を取り外し、洗浄用ウェハ2に対して積極的に、紫外線ランプ5からの紫外線を照射するものである。これにより、照射紫外線のエネルギにより、汚染ウェハ2表面からのガス状有害成分の発生を促進し、ウェハ2の洗浄速度を加速するものである。
本例は、ウェハ2の汚染が激しく、またウェハに紫外線照射しても支障がない場合に用いることができ、洗浄速度が迅速、かつ高効率にできるメリットがある。
本例の紫外線ランプ5は、殺菌ランプの他、殺菌ランプとオゾン発生の水銀ランプを組合せて用いることができる。オゾン発生のランプと殺菌ランプの組合わせでは、下記(1)式のごとく、発生オゾンから酸素活性種〔(O)〕を生成し、該酸素活性種により汚染ウェハ2表面からのガス状有害成分の発生を促進するものである。
3→(O)+O2 (1)
これにより、空気中H.Cは0.2ppm以下まで除去される。
図4中、図1〜3と同一符号は同じ意味を示す。
【0039】
実施例5
図5は、実施例1のクリーンルームにおけるウェハ洗浄装置1である図1において、光触媒6と紫外線ランプ5からの紫外線が存在する空間Aに、光電子放出材10と、該光電子放出材10から光電子を効率良く放出させるための電極11、そして光電子により荷電された荷電微粒子を捕集するための荷電微粒子捕集材12を設置したものである。
即ち、ウェハ洗浄のための収納空間(被清浄化空間)Bに収納したウェハ3はその表面が敏感であるため、微量の微粒子(粒子状物質)13の存在も問題となる。該微粒子13は、例えば、ウェハ2の裏面や表面に付着し、洗浄装置1内に持ち込まれ、他のウェハに付着し、汚染をもたらす。このため、本発明のH.C分解部Aに、前記のごとく光電子放出材10、電極11、荷電微粒子捕集材12を設置し、H.C4と微粒子12の同時除去を行う。
【0040】
H.C分解部AにおけるH.C除去は、図1と同様に0.2ppm以下まで除去される。
一方、微粒子13は、H.C分解部Aにおいて、光電子放出材10に、紫外線ランプ(殺菌ランプ)5からの放出紫外線が照射されることにより、生成した光電子により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は、荷電微粒子捕集材12に捕集・除去される。
微粒子13を含む空気は、空気の流れ7-1〜7-3により、本発明の光電子放出材10、電極11、荷電微粒子捕集材12を設置したH.C分解部Aに順次送られ、微粒子はクラス1以下まで捕集・除去される。
【0041】
このようにして、洗浄装置1内はH.C濃度は0.1ppm以下、NH3は1ppb以下で、クラス1よりも清浄な超クリーン空間が創出され、実施例1で説明したごとくして、ウェハ2表面の洗浄が実施される。
ここでの光触媒面積は、空間容積1m3当り、6000cm2の表面積、紫外線照射強度は5mW/cm2である。
また、光電子放出材10は、紫外線照射窓としての石英ガラス表面にAu(10nm)を付加、電極11は、コンパクト化のための光触媒6の1部に目のあらい網状SUS材を設置したもの(電場:50V/cm)、荷電微粒子捕集材12はSUS電極(電場:800V/cm)である。
図5中、図1と同一符号は同じ意味を示す。
【0042】
実施例6
図6は、図5に示したウェハ洗浄装置1の変形例であり、紫外線ランプ(殺菌ランプ)5を、該装置1の内部に設置し、該ランプ5の対向面に光触媒6を付加し、光触媒6と紫外線ランプ5からの紫外線が存在する空間Aに、光電子放出材10と、該光電子放出材10から光電子を効率良く放出させるための電極11、そして光電子により荷電された荷電微粒子を捕集するための荷電微粒子捕集材12を設置したものである。
ここで、光電子放出材10は、紫外線ランプ5の表面にAuを10nm付加、電極11は光触媒6の1部に目のあらい網状SUS材を設置したもの(電場:50V/cm)、荷電微粒子捕集材12はSUS電極(電場:800V/cm)である。
H.C分解部AにおけるH.C除去は、図1のごとくである。
一方、微粒子13は、H.C分解部Aにおいて、光電子放出材10に、紫外線ランプ5からの放出紫外線が照射されることにより、生成した光電子により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は、荷電微粒子捕集材12に捕集・除去される。
【0043】
微粒子13を含む空気は、空気の流れ7-1〜7-3により、本発明の光電子放出材10、電極11、荷電微粒子捕集材12を設置したH.C分解部Aに順次送られ、微粒子はクラス1以下まで捕集・除去される。
このようにして、ウェハ収納空間部B内はH.C濃度は0.1ppm以下、NH3は1ppb以下で、クラス1よりも清浄な超クリーン空間が創出され、実施例1で説明したごとくして、ウェハ2表面の洗浄が実施される。
ここでの光触媒面積は、空間容積1m3当り、3000cm2の表面積で紫外線ランプ5からの光触媒6への紫外線照射強度は光触媒1cm2当り、1.5mW/cm2である。
光電子放出材10、電極11、荷電微粒子捕集材12を設置したH.C分解部Aは、前実施例のごとく洗浄化装置としてユニット化できる。
【0044】
実施例7
図7は、実施例1における図1のウェハ洗浄装置1に、該洗浄装置1の外側に設置されたN2供給源14より、バルブ15-1、15-2の開放により、N2を導入(N2封止)するものである。N2導入は、該装置1の開閉時に実施される。
図7の符号で、図1と同一符号は同じ意味を示す。
洗浄装置1内の収納空間(被清浄空間)Bに汚染された洗浄用ウェハ2が収納されると、バルブ15-1、15-2の開放により、N2供給源14からの高純度N2が15分間(装置1の容積の1.5倍容積)、該装置1内に供給された後、N2の供給が停止される。
これにより、洗浄装置1内の汚染物を含有するクリーンルーム空気は、N2に置換され、収納空間はクリーン空間となる。
ここで、H.C分解部Aによる紫外線ランプ5からの照射により、N2の流れ7-1〜7-3が生じ、汚染ウェハ2から生じたH.Cなどのガス状有害成分3は、図1のごとく本発明の紫外線照射された光触媒6により分解される。
図7中、図1と同一符号は同じ意味を示す。
【0045】
実施例8
図8は、実施例7における図7の洗浄装置1の変形例であり、紫外線ランプ5を洗浄装置1の内部に設置し、その廻りに光触媒を配置したものである。
図8中、図1、図7と同一符号は同じ意味を示す。
【0046】
実施例9
図9は、実施例6における図6の洗浄装置1を、該洗浄装置1の外側に設置されたN2供給源14からのN2を導入し、行うものである。
図9中、図6と図7と同一符号は同じ意味を示す。
【0047】
実施例10
図1に示したウェハ洗浄装置における収納空間に、下記の汚染ウェハを収納し、光触媒に紫外線照射を行い、光触媒の設置面積と紫外線照射強度の影響について、ウェハ表面のDOP量、及び接触角を測定することにより調べた。
また、洗浄装置中の非メタン炭化水素濃度を測定した。
1).ウェハ洗浄装置の大きさ;100リットル
2).光源;殺菌ランプ
3).光触媒;TiO2(石英ガラス板にTiO2をゾル−ゲル法により付加)
4).汚染ウェハ;クラス1,000の半導体工場におけるクリーンルーム空気に暴露し、汚染されたウェハ
5).ウェハ表面のDOP量測定法;TOF−SIMS分析装置
6).ウェハ表面の接触角の測定法;水滴接触角計
7).非メタン炭化水素の測定法;ガスクロマトグラフ(GC)
8).ウェハの前処理法;洗剤とアルコールで洗浄後、O3発生下で紫外線照射(UV/O3洗浄)
【0048】
結果
(1)光触媒の設置面積の影響
図10に、光触媒設置面積とTOF−SIMS分析によるDOP量(−O−印)を示す。
ここで、ウェハの収納空間への収納時間は24時間、紫外線照射強度は1.0mW/cm2である。
クリーンルーム空気で汚染されたウェハのTOF−SIMS分析によるDOP量(初期値)は、3.9であった(初期汚染量)。
尚、上記において、汚染ウェハの初期における接触角は39度、光触媒が100cm2以上で24時間洗浄した後の接触角は5度であった。
【0049】
(2)紫外線照射強度の影響
図11に、紫外線照射強度とTOF−SIMS分析によるDOP量(−O−印)を示す。
ここで、ウェハの収納空間への収納時間は24時間、光触媒面積は500cm2である。
尚、上記においてウェハの前処理法により洗浄したウェハの初期値はTOF−SIMS分析によるDOP量0.25、接触角は4度であった。
(3)洗浄装置中の非メタン炭化水素濃度
ウェハ収納24時間後の濃度は0.2ppm以下であり、初期濃度は1.1ppmであった。
【0050】
実施例11
図7に示したウェハ洗浄装置における収納空間に、下記の汚染ウェハを収納し、実施例7のごとくN2を封入して、汚染ウェハの洗浄を行った。
Figure 0003695684
2).N2の供給量;洗浄装置容積の1.5倍(150リットル)
3).光源;殺菌ランプ
4).光触媒;TiO2(石英ガラス板にTiO2をゾル−ゲル法により付加)
【0051】
5).汚染ウェハ;クラス1,000の半導体工場におけるクリーンルーム空気に暴露し、汚染されたウェハ
6).ウェハ表面のDOP量測定法;TOF−SIMS分析装置
7).ウェハの前処理法;洗剤とアルコールで洗浄後、O3発生下で紫外線照射(UV/O3洗浄)
結果
汚染ウェハを24時間、本発明の洗浄装置における収納空間に収納したDOP量の測定値は、0.25であり、比較としてウェハの前処理法により洗浄した試験前のウェハの初期値は、0.25、このウェハをクリーンルーム空気に暴露し汚染された値は、3.9であった。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
(1)基板表面の洗浄において、光触媒を洗浄空間に、空間容積1m3当り、50〜50000cm2の表面積で設置し、該光触媒に0.01〜10mW/cm2の紫外線を照射し、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下にすることによって、
(a)基板の収納空間が汚染物が除去された超クリーン空間となり、次いで基板表面が洗浄された。即ち、汚染基板表面から、付着汚染物が空間中へ放出され、放出汚染物は光触媒により分解・除去された。
(b)コンパクトな簡易な洗浄装置が作成でき、実用性が向上した。
(2)微粒子の共存が問題となる場合(用途、要求性能によっては)、前記(1)の紫外線が照射される空間に、光電子放出材と電極とを設置し、クラス10以下とすることによって、
(a)ガスと粒子が同時除去されるので、敏感な基板にも使用できるようになることから、用途が広がり、実用性が向上した。
【0053】
(3)前記(1)(2)において、紫外線源を光触媒、あるいは光触媒と光電子放出材と電極で囲み一体化(ユニット化)することにより、
(a)汚染基板が収納された空間内の任意の場所に、任意の本数(本数を多くすると洗浄能力が増大する)設置できるので、簡易な基板の洗浄装置となった。
(b)ユニットを用いる基板の洗浄装置は、(ユニット部とウェハ収納部とを分離できるので)保守、管理が容易となり、実用性が向上した。
(4)上記の基板洗浄を不活性ガス封止下で行うことにより、
(a)不活性な環境(雰囲気)で、表面洗浄が実施できるため、表面が敏感(デリケート)な基板の洗浄ができた(基板表面の変質がない洗浄方式となった)。
(b)不活性ガス導入により、汚染ウェハが収納される空間中の汚染物は排出され、該空間中はクリーン化されるので、洗浄速度が迅速化した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の洗浄方法に用いる装置の一例を示す概略構成図。
【図2】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図3】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図4】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図5】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図6】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図7】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図8】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図9】本発明の洗浄方法に用いる装置の他の例を示す概略構成図。
【図10】光触媒の表面積とTOF−SIMS法によるDOP量の関係を示すグラフ。
【図11】紫外線照射強度(mW/cm2)とTOF−SIMS法によるDOP量の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:ウェハ洗浄装置、2:ウェハ、3:ガス状有害成分、4:収納ケース、5:紫外線ランプ、6:光触媒、7-1〜7-3:空気の流れ、8:遮光材、9:反射面、10:光電子放出材、11:電極、12:荷電微粒子捕集材、13:微粒子、14:N2供給源、15-1、15-2:バルブ、A:H.C分解部、B:収納空間部

Claims (6)

  1. 汚染基板の基板表面を洗浄する方法において、該汚染基板を、洗浄するための収納空間に収納し、該収納空間中の少なくとも炭化水素を含む気体を、空間容積1m3当り50〜50000cm2の表面積で設置された光触媒に、0.01mW/cm2〜10mW/cm2の紫外線が照射されている空間内で、該気体中の非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に清浄化し、該気体を汚染基板表面接触させることにより、該基板上の汚染物を気体中に脱離させることを特徴とする基板表面の洗浄方法。
  2. 前記紫外線が照射されている空間内に、さらに光電子放出材と電極を設置して、前記気体中の微粒子濃度をクラス10以下に清浄化することを特徴とする請求項1記載の基板表面の洗浄方法。
  3. 前記紫外線の照射は、殺菌ランプで行うことを特徴とする請求項1又は2記載の基板表面の洗浄方法。
  4. 前記空間には、不活性ガスを封入することを特徴とする請求項1、2又は3記載の基板表面の洗浄方法。
  5. 汚染基板から基板上の汚染物を気体中に脱離させて洗浄する基板表面の洗浄装置において、該汚染基板を洗浄するための収納空間と、該収納空間の気体中の非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に清浄化するための、該空間容積1m 当り50〜50000cm 2 の表面積で設置された光触媒と、該光触媒に光触媒面積1cm 当り0.01〜10mWの紫外線を照射する紫外線源とを備えたことを特徴とする基板表面の洗浄装置。
  6. 前記紫外線が、基板収納空間の内部に設置されていることを特徴とする請求項5記載の基板表面の洗浄装置。
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