JP3460465B2 - 気体の清浄方法と装置 - Google Patents

気体の清浄方法と装置

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JP3460465B2 JP23583196A JP23583196A JP3460465B2 JP 3460465 B2 JP3460465 B2 JP 3460465B2 JP 23583196 A JP23583196 A JP 23583196A JP 23583196 A JP23583196 A JP 23583196A JP 3460465 B2 JP3460465 B2 JP 3460465B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、気体の清浄方法と
装置に係り、特に、紫外線及び/又は放射線を照射して
気体を清浄化する気体中あるいは空間中の気体の清浄方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術に関して、半導体工業におけ
るクリーンルームの空気清浄を例に説明する。従来のク
リーンルームの空気清浄方法あるいはその装置を大別す
ると、 (1)機械的ろ過方法(例えばHEPAフィルター) (2)静電的に微粒子の捕集を行う高電圧による荷電及
び導電性フィルターによるろ過方式(例えばHESAフ
ィルター)があるが、これらの方法は、いずれも微粒子
(粒子状物質)除去を目的としており、炭化水素(H.
C)のようなガス状の汚染物の除去には効果がない欠点
があった。また、これらの夫々は微粒子除去においても
次のような欠点があった。即ち、機械的ろ過方式におい
ては、空気の清浄度(クラス)をあげるためには目の細
かいフィルターを使用する必要があるが、この場合圧損
が高く、また目づまりによる圧損の増加も著しく、フィ
ルターの寿命も短く、フィルターの維持、管理あるいは
交換が面倒であるばかりでなく、フィルターの交換を行
う場合、その間作業をストップする必要があり、復帰ま
でには長時間を要しており、生産能率が悪いという欠点
があった。
【0003】また、空気の清浄度を上げる為に換気回数
(ファンによる空気循環回数)を増加することも行われ
ているが、この場合動力費が高くつくという欠点があっ
た。また、静電的に微粒子の捕集を行う方式において
は、予備荷電部に例えば15〜70kvという高電圧を
必要とするため、装置が大型となり、また安全性、維持
管理の面で問題があった。H.Cの除去法としては、燃
焼分解法、触媒分解法、吸着除去法、O3 分解法などが
知られている。しかし、これらの方法はクリーンルーム
への導入空気に含有する低濃度H.Cの除去には効果が
ない。クリーンルームにおいては、自動車排ガスに起因
するような導入空気中の低濃度のH.Cも汚染質として
問題となる。現状のクリーンルームにおける粒子除去用
フィルターは、H.Cのようなガス状物質は除去できな
いので、このようなガス状物質はクリーンルーム内に導
入されてしまう。
【0004】H.Cの起因は、外気の自動車排ガス、高
分子製品からの脱ガスのクリーンルームへの導入、クリ
ーンルーム構成材料の高分子材料(例えば、高分子製品
の可塑材、離型材、酸化防止材等)からの脱ガスなどが
ある(「空気清浄」、第33巻、第1号、p16〜2
1、1995年)。また、プロセス装置の一部又は全部
をプラスチック板等で囲うので、これらのプラスチック
から有機性ガスが発生する。そして、最近省エネの点で
クリーンルームの空気を循環使用するため、クリーンル
ーム内の有機性ガスは徐々に高まってしまい、ウェハな
どの基材や基板を汚染することになる。これらのH.C
は通常の大気濃度レベルのような極低濃度でも悪影響を
及ぼす。また、クリーンルームにおける作業で生じた各
種の溶剤(例えば、アルコール、ケトン類等)も汚染質
として問題となる。
【0005】H.Cがウェハ基板に付着(吸着)した場
合の基板表面の汚染の度合いは接触角(下記)で表示で
きる。H.Cで汚染された基板の問題点を具体例で説明
すると、H.Cによるウェハ基板(貴重品)の汚染は、
基板とレジストとの親和性(なじみ)に影響を与える。
そして、親和性が悪くなると、レジストと膜厚に影響を
与えたり、基板とレジストとの密着性に影響を与え、品
質の低下が歩留りの低下をもたらす。接触角とは水によ
るぬれの接触角のことであり、基板表面の汚染の程度を
示すものである。すなわち、基板表面に疎水性(油性)
の物質を付着すると、その表面は水をはじき返してぬれ
にくくなる。すると基板表面と水滴との接触角は大きく
なる。従って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触
角が小さいと汚染度が低い。今後要求が高まるより質の
高い製品は、集積度が密(製品がより微細化、高精密化
になる)であり、従来問題とならなかった有機性ガスの
ようなガス状物質の制御が必要となってくる。(「空気
清浄」、第33巻、第1号、p16〜21、1995)
【0006】このような背景に対して、本発明者らは、
空間における粒子状物質の除去方法として、光電子を用
いる方式を提案した(特公平7−121369号公報
等)。次に、該光電子を用いる方式をウェハ保管庫に応
用した例を図6を用いて説明する。ウェハ保管庫1の空
気清浄は、ウェハ保管庫1の片側に設置された紫外線ラ
ンプ2、紫外線の反射面5、光電子放出材3、電場設置
のための電極4及び荷電微粒子の捕集材4(本構成で
は、電極が捕集材を兼用)にて実施される。すなわち、
ウェハ保管庫1中の微粒子(微粒子状物質)6は、紫外
線ランプ2が照射された光電子放出材3から放出される
光電子7により荷電され、荷電微粒子8となり、該荷電
微粒子8は荷電微粒子の捕集材4に捕集され、ウェハの
存在する被処理空間部(清浄化空間部、A)は高清浄化
される。
【0007】ここで、遮光材9は被処理空間部Aと光電
子放出部Bの間に設置されている。遮光材9は、複数の
板状の金属板を相互に組合せたもので、被処理空間部A
に存在する微粒子6が、光電子放出部Bに移動できるよ
うに上部、中央部、下部に被処理空間部Aと光電子放出
部B間に同通個所を有している。また、10はウェハケ
ース、11はウェハケースである。本方式は適用先によ
っては効果的であるが、H.Cのようなガス状汚染物の
除去が必要な適用先においては、改善の必要があった。
即ち、本方式では微粒子6に共存するガス状汚染物
(H.C)12は除去できないので、ウェハ11表面に
付着し、接触角を増加させ、該ウェハに成膜した場合、
膜の付着力が弱く、歩留まりが低下する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、前
記従来技術の問題点を解決し、空間中のガス状汚染物質
も同時に除去することができる気体の清浄方法と装置を
提供することを課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、密閉空間の一部を遮蔽材で区分して清
浄化部とし、該清浄化部における紫外線及び/又は放射
線の照射による気体の清浄方法において、前記遮蔽材に
光触媒を付加することを特徴とする気体の清浄方法とし
たものである。前記気体の清浄方法において、清浄方法
が、前記清浄化部に光電子放出材を備え、前記紫外線及
び/又は放射線照射により、該光電子放出材から光電子
を放出させて微粒子を荷電させて除去する方法か、又
は、前記紫外線及び/又は放射線照射により、気体を電
離して該気体中の荷電微粒子を電気的に除電する方法と
することができる。
【0010】また、本発明では、密閉空間の一部を遮蔽
材で区分して清浄化部とし、該清浄化部紫外線及び/
又は放射線を照射する照射源を有する気体の清浄装置に
おいて、前記遮蔽材に光触媒を付加することを特徴とす
る気体の清浄装置としたものである。前記気体の清浄装
置において、清浄化部は、前記紫外線及び/又は放射線
の照射により光電子を放出する光電子放出材と、該光電
子により荷電した荷電微粒子を捕集する捕集部とを有す
る清浄化装置とするか、又は、前記紫外線及び/又は放
射線照射により、気体を電離して該気体中の荷電微粒子
を電気的に除電する清浄化装置とすることができる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明は、次の二つの知見に基づ
いてなされたものである。 (1)紫外線及び/又は放射線照射による気体の清浄化
では、用途によってはそれらの直接的な照射をさける必
要があり、そのためには遮蔽材が重要である。一方、最
近、H.Cのようなガス状汚染物質の除去の要求が生じ
てきた。これを先端産業を例に説明すると、本発明の対
象分野である先端産業では、従来粒子除去のみで十分で
あったものが、製品の高品質化、高精密化により、今
後、ガス状汚染物質、特にH.Cの影響を受けるように
なる。これは、次のようなことが原因となっている。1
部が有機物(高分子樹脂)で構成されるクリーンルーム
環境では、該有機物から極微量の有機性ガス(H.C)
が発生し、クリーンルーム空間中の収容物(ウエハやガ
ラス基板などの原料、半製品)を汚染する。
【0012】すなわち、クリーンルーム空間では、少な
くともその一部に有機物(例、プラスチック容器、パッ
キン材、シール材、接着材、壁面の材料等)を使用して
おり、該有機物から極微量の有機性ガスが発生する。例
えば、シール材からはシロキサン、収納容器の材料であ
るプラスチック材からはフタル酸エステルなどが発生
し、これらの有機性ガスは、発生濃度は極く低濃度であ
るが、クリーンルームは閉鎖系であり、閉じ込められ、
さらに、最近クリーンルームは省エネの点で空気の循環
使用の比率が高いので、該濃度は徐々に高くなり、クリ
ーンルーム内の収容物の上に付着し悪い影響を与えてし
まう。このように、クリーンルーム中のH.Cは外気か
らの導入H.Cにクリーンルーム内部からの発生ガスが
加わるので、多成分、かつ高濃度になっており、最近で
はクリーンルームはH.Cに関しては、ダーティルーム
と言われており、効果的なH.C処理法が必要になって
いる。 (2)上記において遮蔽材に光触媒を付加すると、該光
触媒が紫外線及び/又は放射線の照射を受け光触媒作用
を発揮し、ガス状汚染物質が効果的に分解・除去され
る。
【0013】次に、本発明を詳細に説明する。先ず、本
発明の各構成について説明する。紫外線及び/又は放射
線源はその使用目的により適宜用いることができる。例
えば、光電子を用いる清浄における紫外線の種類は、そ
の照射により光電子放出材が光電子を放出しうるもので
あれば何れでも良い(特公平3−5859号、特公平6
−7499号、特公平7−110342号、特公平8
−211号各公報)。適用分野によっては、殺菌(滅
菌)作用を併せてもつものが好ましい。紫外線の種類
は、適用分野、作業内容、用途、経済性などにより適宜
決めることができる。例えば、バイオロジカル分野にお
いては、殺菌作用、効率の面から遠紫外線を併用するの
が好ましい。該紫外線源としては、紫外線を発するもの
であれば何れも使用でき、適用分野、装置の形状、構
造、効果、経済性等により適宜選択し用いることができ
る。例えば、水銀灯、水素放電管、キセノン放電管、ラ
イマン放電管などを適宜使用できる。
【0014】また、放射線の種類は、その照射により光
電子放出材が光電子を放出し得るものであれば、何れで
も良い(特公平6−74910号、特公平8−211号
各公報)。例えば、放射線としてはα線、β線、γ線な
どが用いられ、照射手段としてコバルト60、セシウム
137、ストロンチウム90などの放射性同位元素、又
は原子炉内で作られる放射性廃棄物及びこれに適当な処
理加工した放射性物質を線源として用いる方法、原子炉
を直接線源として用いる方法、電子線加速器などの粒子
加速器を用いる方法などを利用する。加速器で電子線照
射を行う場合は、低出力で行うことで、高密度な照射が
出来、効果的となる。加速電圧は、500kV以下、好
ましくは、50kV〜300kVである。次に、除電
(中和)を行う場合を説明する。除電への利用では、気
体への照射により、除電作用を発揮するものであれば何
れでも良い。例えば、真空紫外域の紫外線(波長:10
0〜200nm)や軟X線照射が利用できる。真空紫外
域の紫外線ランプとしては、重水素ランプ、キャピラリ
ランプがある。
【0015】次に、遮蔽材(紫外線源の場合は遮光材)
について説明する。遮蔽材は、紫外線源及び/又は放射
線源からの紫外線及び/又は放射線が後記する被処理空
間部(清浄空間)に直接照射されないような形状をなし
設置できるものであれば何れでも良い。形状は、被処理
空間部に存在する被処理気体が紫外線源及び/又は放射
線源の設置された照射部(気体清浄化部)にスムースに
移動できるものであれば何れでも良い。通常、板状、格
子状、プリーツ状、網状、曲面状のいずれか1種類又は
2種以上を適宜に組合せて使用することができる。図2
に遮蔽材形状の例(断面図)を示す。材質は、SUSな
ど周知の金属材、あるいはアルミナなど周知の無機材、
セラミック材が使用できる。これらの遮蔽材は、後記す
る被処理空間部Aと空気(気体)清浄化部Bの間に、照
射源の種類、位置、照射強度、要求仕様、気体の流れな
どにより、適宜予備検査や予備試験を行い、図2に示し
た形状のものを適宜単独又は組合せて適宜の位置に設置
することができる。
【0016】次に、本発明の特徴である前記遮蔽材に付
加して用いる光触媒について説明する。光触媒は、前記
遮蔽材に付加でき、前記の紫外線源からの紫外線及び/
又は放射線源からの放射線の照射により、光触媒作用
発揮するものであれば何れでも使用できる。通常、半導
体材料が効果的であり容易に入手出来、加工性も良いこ
とから好ましい。効果や経済性の面から、Se、Ge、
Si、Ti、Zn、Cu、Al、Sn、Ga、In、
P、As、Sb、C、Cd、S、Te、Ni、Fe、C
o、Ag、Mo、Sr、W、Cr、Ba、Pbのいずれ
か、又はこれらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ま
しく、これらは単独で、また2種類以上を複合して用い
る。例えば、元素としてはSi、Ge、Se、化合物と
してはAlP、AlAs、GaP、AlSb、GaA
s、InP、GaSb、InAs、InSb、CdS、
CdSe、ZnS、MoS2 、WTe2 、Cr2 Te
3 、MoTe、Cu2 S、WS2 、酸化物としてはTi
2 、Bi23 、CuO、Cu2 O、ZnO、MoO
3 、InO3 、Ag2 O、PbO、SrTiO3 、Ba
TiO3 、Co34 、Fe23 、NiOなどがあ
る。
【0017】光触媒の遮蔽材上への付加は、ゾル−ゲル
法、焼結法、蒸着法、スパッタリング法など周知の方法
を用いることができる。これらの遮蔽材の材質、形状、
光触媒の付加法は、装置の規模や形状、種類、光源の種
類や形状、光触媒の種類、希望する効果、経済性などに
より適宜選択することが出来る。また、光触媒作用の向
上のために、上記光触媒材にPt,Ag,Pd,RuO
2 ,Co3 4 の様な物質を加えて使用することも出来
る。該物質の添加は、光触媒作用を加速するので好まし
い。これらは一種類又は複数組合せて用いることができ
る。添加の方法は、含浸法、光還元法、スパッタ蒸着
法、混練法など周知手段を適宜用いることができる。本
発明において、被処理空間A(図参照)の気体の処理を
迅速に行うために、適宜装置の中や外に加熱源(例、ヒ
ータ、赤外線)や循環ポンプを設置して行うことができ
る。これにより被処理空間Aの気体は、気体(空気)清
浄化部Bに効果的に移動するので効果的となる。このよ
うな方式は装置が大型の場合や、用いる照射源により
(例えば加熱作用が少ないとき)、適宜に用いることが
できる。本発明は空気中の他、窒素・アルゴンなどの他
の気体中でも同様に実施できる。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 半導体工場のウェハ保管庫における空気清浄を、図1に
示した本発明の基本構成図を用いて説明する。密閉空間
であるウェハ保管庫1の空気清浄は、ウェハ保管庫1の
外側に設置された紫外線ランプ2、紫外線の反射面5、
光電子放出材3、電場設置のための電極4、荷電微粒子
の捕集材15、本発明の光触媒材を付加した遮光材9よ
りなる空気清浄化部Bにて実施される。遮光材9は、紫
外線ランプ2からの紫外線が被処理空間部Aにおけるウ
ェハ11に到達するのを防止するために設置されてい
る。即ち、ウェハ保管庫1は、クラス10,000のク
リーンルームに設置されており、ウェハ保管庫1にはウ
ェハケース10に入れられたウェハ11の収納や取り出
し毎に該保管庫1の扉(図示せず)の開閉を行うので
(通常、1日に5〜10回程度開閉を行う)、クリーン
ルームから微粒子(粒子状物質)6、ガス状汚染物質
(H.C)12が該保管庫1内に侵入する。
【0019】ウェハ保管庫1中の微粒子(微粒子状物
質)6は、紫外線ランプ2が照射された光電子放出材3
から放出される光電子7により荷電され、荷電微粒子8
となり、該荷電微粒子8は荷電微粒子の捕集材15に捕
集され、ウェハの存在する被処理空間部(清浄空間部、
A)は清浄化される。ここで、遮光材9は被処理空間部
Aと空気清浄化部Bの間に設置されている。遮光材9
は、板状の金属板を図1に示した形状に設置し、その表
面に光触媒の付加を行っている。ここでの光電子放出材
3は、ガラス材表面にAuを薄膜状に付加したものであ
り、このような構成の光電子放出材については、本発明
者等の別の発明がある(特願平2−295423号)。
このようにして、ウェハ保管庫1中の微粒子(粒子状物
質)6は捕集・除去される。一方、微粒子6を含む空気
中に共存するH.C12は、紫外線ランプ2からの紫外
線の照射を受け活性化された遮光材9上の光触媒に吸着
され、光触媒作用を受け、水や二酸化炭素のようなウェ
ハに悪影響を及ぼさない低分子量のガスに変換される。
【0020】このようにして、ウェハ保管庫1内は超清
浄空気となる。上記において、光電子放出材への紫外線
の照射は、曲面状の反射面5を用い、紫外線ランプ2か
ら紫外線を板状の光電子放出材3に効率よく照射してい
る。電極4は、光電子放出材3からの光電子放出を電場
で行うために設置している。すなわち、光電子放出材3
と電極4の間に電場を形成している。微粒子の荷電は、
電場において光電子放出材3に紫外線照射することによ
り発生する光電子7により効率よく実施される。ここで
の光電子放出用の電場の電圧は50V/cmである。1
3a,13b,13cは、保管庫中の空気の流れであ
り、上記紫外線ランプ5の光電子放出材3への照射によ
り生ずる空気清浄化部Bの上下の温度差によっている。
この空気の流れ13a〜13cにより、保管庫1中の微
粒子6、H.C12は効果的に空気清浄化部Bに移動
し、処理される。
【0021】実施例2 実施例1のクリーンルームにおける除電装置を、図3に
示した本発明の基本構成図を用いて説明する。除電装置
1′における除電は、該装置1′の外側に設置された紫
外線ランプ(重水素ランプ)2、本発明の光触媒を付加
した遮光材9よりなる空気清浄化部Bにて実施される。
遮光材9は、紫外線ランプ2からの紫外線が被処理空間
部Aにおけるウェハ11に到達するのを防ぐ役目をす
る。即ち、除電装置1′には、ウェハケース10に入れ
られたウェハ11が被処理空間部Aに収納されている。
このウェハ11は、通常人やロボットによる移動により
通常800〜3,000Vの電位を有するため近傍の微
粒子6(微粒子6の内、約80%は荷電を有するためウ
ェハ11に付着し得るので)により汚染を受ける。除電
装置1′では、紫外線ランプ2の空気清浄化部Bへの照
射により空気清浄化部Bにおける空気は電離し、除電
(中和)される。すなわち、負電荷は正のガス分子イオ
ンにより、正電荷はガス分子より電離した電子により中
和される。
【0022】一方、微粒子6を含む空気中に共存するガ
ス状汚染物質(H.C)12は、紫外線ランプ2からの
紫外線の照射を受け活性化されたしゃ光材9上の光触媒
に吸着し、光触媒作用を受け、水や二酸化炭素のような
ウェハ11に悪影響を及ぼさない低分子量のガスに変換
される。13a,13b,13cは、除電装置1′中の
空気の流れであり、上記の紫外線ランプ2の照射により
生ずる空気清浄化部Bの上下の温度差によっている。こ
の空気の流れ13a〜13cにより、該装置1内の空気
は効果的に空気清浄化部Bに移動し、処理される。この
ようにして、ウェハ11の存在する被処理空間部Aの空
気は順次空気清浄化部Bにて除電(中和)され、ガス状
汚染物質(H.C)12は分解・除去され、被処理空間
部Aは清浄空気となる。
【0023】実施例3 実施例2の除電装置1′において、加熱ヒータ14を設
置して行う場合を図4に示す。図4において、加熱ヒー
タ14により該装置1′内の空気の流れ13a,13
b,13cが加速されるので除電装置1′内の清浄化
(除電、H.C除去)は効果的に生ずる。図4の記号
で、図3と同一記号は同じ意味を示す。
【0024】実施例4 図1に示した構成のウェハ保管庫に下記試料ガスを入
れ、ウェハを収納し、ウェハ上の接触角、保管庫内の微
粒子濃度と非メタンH.C濃度を測定した。 試験条件 (1)試料ガス; クラス1,000の半導体工場の空
気で、非メタンH.C濃度:0.8〜1.2ppm (2)保管庫大きさ; 30リットル (3)紫外線ランプ; 殺菌灯(254nm) (4)光電子放出材; ガラス材上にITO50Å、A
u50Åを被覆。 (5)微粒子荷電用電界; 格子状電極材、50V/c
m (6)荷電微粒子捕集材; SUS材、850V/cm (7)遮光材; SUS板にTiO2 をゾル−ゲル法
で被覆。
【0025】(8)ウェハ; 5インチウェハを1c
m×8cmのサイズに切断して、保管庫内に設置した。 (9)ウェハの前処理; 洗剤とアルコールで洗浄後、
UV/O3 洗浄を行った (10)接触角の測定; 協和界面科学(株)製、CA−
D型接触角計による測定 (11)微粒子濃度; レーザ式パーティクルカウンター
(>0.1μm、リオン(株)KC−21) (12) 非メタンH.C濃度; GC法による測定。 (13)保管庫の開閉; 保管庫を半導体工場のクリーン
ルーム(クラス1000)に設置し、1日6回保管庫を
開閉した。
【0026】結果 1)ウェハの保管庫内への収納日数に対するウェハ上の
接触角を図5に示す。図5中、〇印は、本発明の値、●
印は(比較用の)試験を行った。クラス1000クリー
ンルームの空気に暴露した値である(↓:検出限界以
下)。 2)保管庫内の微粒子濃度と非メタンH.C濃度を表1
に示す。
【表1】 クラスは、1ft3 に含まれる0.1μm以上の微粒子の個数を表わす。
【0027】3)紫外線の点灯と電界用電圧の印加が無
い時、2日後及び7日後に保管庫内のウェハを取り出
し、加熱によりウェハ上の吸着H.Cを脱離させ、GC
/MS法で測定したところ、フタル酸エステルを検出し
た。本発明の紫外線の点灯と電場用電圧の印加が有る場
合、同様に調べたところ、上記H.Cは不検出であっ
た。上記、実施例ではガス状汚染物として炭化水素
(H.C)を説明した。本発明の光触媒材では、H.C
の他にNOx、NH3 のような有害ガスも臭気性ガス、
悪臭ガスの除去にも効果がある。
【0028】
【発明の効果】本発明によれば、次の効果を奏する。紫
外線及び/又は放射線照射による気体の清浄において遮
蔽材に光触媒を付加することにより、 (1)光触媒は、紫外線及び/又は放射線の照射を受
け、光触媒作用を発揮した。 (2)これにより、遮蔽材は、紫外線及び/又は放射線
が非処理空間部(清浄空間部)に到達するのを防止し、
かつその上に付加された光触媒により、ガス状汚染物質
が除去された。 (3)前記より、紫外線及び/又は放射線照射を行う空
間が清浄化されたので、紫外線及び/又は放射線照射を
行う気体(空間)の清浄化や除電中和の利用分野が広が
った。また実用性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の清浄装置をウェハ保管庫に用いた概略
構成図。
【図2】本発明で用いる遮蔽材の形状の断面構成図。
【図3】本発明の別の清浄装置をウェハ保管庫に用いた
概略構成図。
【図4】本発明の他の清浄装置をウェハ保管庫に用いた
概略構成図。
【図5】収納日数と接触角の関係を示すグラフ。
【図6】公知の清浄装置を用いたウェハ保管庫の概略構
成図。
【符号の説明】
1:ウエハ保管庫、1′:除電装置、2:紫外線ラン
プ、3:光電子放出材、4:電極、5:反射面、6:微
粒子、7:光電子、8:荷電微粒子、9:遮光材、1
0:ウェハケース、11:ウエハ、12:ガス状汚染物
質(H.C)、13:空気の流れ、14:加熱ヒータ、
15:捕集材、A:被処理空間部、B:空気清浄化部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉空間の一部を遮蔽材で区分して清浄
    化部とし、該清浄化部における紫外線及び/又は放射線
    の照射による気体の清浄方法において、前記遮蔽材に光
    触媒を付加することを特徴とする気体の清浄方法。
  2. 【請求項2】 前記清浄方法が、前記清浄化部に光電子
    放出材を備え、前記紫外線及び/又は放射線照射によ
    り、該光電子放出材から光電子を放出させて微粒子を荷
    電させて除去する方法か、又は、前記紫外線及び/又は
    放射線照射により、気体を電離して該気体中の荷電微粒
    子を電気的に除電する方法であることを特徴とする請求
    項1記載の気体の清浄方法。
  3. 【請求項3】 密閉空間の一部を遮蔽材で区分して清浄
    化部とし、該清浄化部紫外線及び/又は放射線を照射
    する照射源を有する気体の清浄装置において、前記遮蔽
    材に光触媒を付加することを特徴とする気体の清浄装
    置。
  4. 【請求項4】 前記清浄化部が、前記紫外線及び/又は
    放射線の照射により光電子を放出する光電子放出材と、
    該光電子により荷電した荷電微粒子を捕集する捕集部と
    を有する清浄化装置であるか、又は、前記紫外線及び/
    又は放射線照射により、気体を電離して該気体中の荷電
    微粒子を電気的に除電する清浄化装置であることを特徴
    とする請求項3記載の気体の清浄装置。
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