JP3827263B2 - 基材又は基板用収納容器 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材又は基板用の収納容器に係り、特に半導体製造や液晶製造などの先端産業における原材料、半製品、製品の基材や基板表面の汚染を防止することができる基材又は基板用収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクリーンルームにおける空気清浄を、半導体製造工場における空気清浄を例に、図12を用いて説明する。
図12において、外気21は先ずプレフィルタ22で粗粒子が除去され、次いで空調機23で空調され、中性能フィルタ24で除塵される。次に、クリーンルーム1の天井部に設置されているHEPAフィルタ(高性能フィルタ)26で微細な粒子が除去され、クリーンルーム1はクラス100〜1,000が維持される(「洗浄設計」p.11〜24、 Summer 1988)。27-1、27-2はファン、矢印は空気の流れを示す。
従来のクリーンルームにおける空気清浄は、微粒子除去を目的としているので、図12のように構成されていた。このような構成では、微粒子除去には効果的であるが、ガス状有害成分の除去には効果がない。
一方、図12のような大部屋方式のクリーンルームでは超クリーン化に対してコストがかかり過ぎるという課題がある(BREAK THROUGH 、5号 p.38〜41、1993)。
【0003】
ところで、今後半導体産業では製品の高品質化、精密化が増々進み、これに伴い、微粒子(粒子状物質)は当然のこと、微粒子に加えてガス状物質が汚染物として関与する。即ち、従来は微粒子除去のみで十分であったのが、今後は、ガス状物質(ガス状有害成分)の制御が重要となってくる。そして、前記図12に示した、従来のクリーンルームのフィルタでは、微粒子のみしか除去されず、外気からのガス状有害成分は、除去されずにクリーンルームに導入されてしまうので問題になるためである。
即ち、クリーンルームにおいては、微粒子(粒子状物質)や、今までの除塵フィルタ(例、HEPA、ULPAフィルタ)では捕集、除去されず、クリーンルーム内に導入されてしまう自動車の排気ガス、民生品として広く使用されている高分子樹脂製品からの脱ガスなどに起因する炭化水素(H.C)と呼ばれる有機性ガスやNH3 、アミンのような塩基性(アルカリ性)ガスなどのガス状物質が、ガス状有害成分として問題となる。
【0004】
この内、H.Cはガス状有害成分として通常の空気(室内空気及び外気)中の極低濃度のものが汚染をもたらすので、除去する必要がある。
また、最近ではクリーンルームの構成材や使用器具(例、ウェハ収納ボックス)の高分子樹脂類からの脱ガスがH.C発生源として問題となっている。((社)日本機械工業連合会、平成6年度報告書、平成7年3月、p.41〜49、1995)。
これらのガス状物質は、クリーンルーム内における作業で発生したものも問題となる。即ち、該ガス状物質の起因として通常のクリーンルームでは、外気から導入されたガス状物質(クリーンルームでのフィルタでは、ガス状物質は除去できないので、外気中のガス状物質は導入されてしまう)に、前記のクリーンルーム内で発生したガス状物質が加わるので、外気に比べてクリーンルーム中のガス状物質は高濃度となり、ウェハ基材や基板を汚染する。
【0005】
即ち、上記の汚染物質(微粒子、ガス状有害成分)がウェハ、半製品、製品の基板表面に付着すれば、微粒子は、基板表面の回路(パターン)の断線や短絡を引き起こし欠陥を生じさせる。また、ガス状物質として、▲1▼ H.Cは、ウェハ(基板)表面に付着すると、接触角の増加をもたらし、H.Cは基板とレジストとの親和性(なじみ)に影響を与える。そして、親和性が悪くなるとレジストの膜厚に悪影響を与えたり、基板とレジストとの密着性に悪影響を与える(空気清浄、第33巻、第1号、p.16〜21、1995)。また、H.Cはウェハの酸化膜の耐圧劣化(信頼性の低下)を引き起こす(第39回応用物理学関係連合講演会予稿集、p.686、1992)。
【0006】
▲2▼ NH3 は、アンモニウム塩の生成などをもたらし、ウェハにくもり(解像不良)を引き起こす(リアライス社、最新技術講座、資料集、半導体プロセスセミナー、1996年10月29日、p.15〜25、1996)。
このような原因により、微粒子はもとよりこれらのガス状汚染物質は、半導体製品の生産性(歩留り)を低下させる。
特に、ガス状有害成分としての上記のガス状物質は上述の発生起因により、また最近では省エネの観点でクリーンルーム空気の循環を多くして用いるので、クリーンルーム中のガス状物質の濃度は濃縮され、外気に比べかなりの高濃度となっており、基材や基板に付着し、該表面を汚染する。この汚染の程度は、基材や基板の接触角で表わすことができ、汚染が激しいと接触角が大きい。接触角が大きい基材や基板は、その表面に成膜しても膜の付着強度が弱く(なじみが悪い)、歩留りの低下をまねく。
【0007】
ここで、接触角とは水によるぬれの接触角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものである。即ち、基板表面に疎水性(油性)の汚染物質が付着すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと汚染度が低い。
特に、最近省エネの点でクリーンルームの空気を循環使用するため、クリーンルーム内のガス状有害成分は徐々に高まってしまい、基材や基板を汚染することになる。
汚染物質としての微粒子は、フィルタ技術により除去でき、空間は、クラス1(1ft3 中に0.1μm以上の粒子が1個)よりも清浄な空間が容易に達成されるが、ガス状有害成分の除去は、現状のフィルタ技術では効果がない。
【0008】
このような汚染物質による汚染防止について、今後の空間のクリーン化は清浄空間を限定(局所化)する局所クリーン化(ミニエンバイロメント)が効果的であると提案されている(▲1▼ NIKKEI MICRODEVICES 、7月号、p.136〜141、1995、▲2▼ Proceedings of IES. p.373〜378、1994)。
現在、このようなミニエンバイロメントとして、Siウェハを透明性の合成樹脂(プラスチック)製ボックスに収納し、搬送する方式が検討されているが、(1)内部から突発的に発塵が起きた場合、かえって粒子汚染が深刻になる、(2)ボックス材料からの脱ガス(発ガス)に対する対策が必要、(3)(1)(2)により、ボックス自身を定期洗浄する工程が増えるので、操作(手間)が煩雑になり、実用上問題である等の指摘がある(KANOMAX エアロゾルセミナー、p.1〜10、1996)。
【0009】
このような中にあって、本発明者らは、局所クリーン化技術として光電子や光触媒を用いる空間のクリーン化方式を提案してきた。
例えば1)光触媒による清浄方式(ガス状有害成分の除去):特開平9−168722号、特開平9−205046号公報、2)光電子による清浄方式(粒子状物質の除去):特公平3−5859号、特公平6−74909号、特公平8−211号、特公平7−121369号公報、3)光電子と光触媒の併用方式(粒子とガスの同時除去):特開平1−266864号公報がある。
これらの清浄方式は、適用先(装置の種類)や要求性能によっては、前記の清浄方式で効果的であるが、適用先や要求性能によっては、使用法を適宜改善する必要があった。
この改善においては、実用上一層効果的になるよう改善するという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記従来技術に鑑み、半導体、液晶、精密機械工業などの先端産業において、製品の高品質化、精密化、微細化が進むにつれ要望が高まるミニエンバイロメントとしての汚染防止容器において、汚染物質の除去機能を有するセルフクリーニングタイプの基材又は基板用収納容器を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、基材又は基板表面の汚染を防止する、紫外線を透過する合成樹脂製の透明な材料からなる基材又は基板用の収納容器において、該合成樹脂製の透明な材料からなる収納容器の内部表面に、無機性材料の紫外線透過性物質を被覆し、該被覆した紫外線透過性物質の表面に、厚さ10〜1000Åの光触媒を被覆したことを特徴とする外部からの紫外線を含む光の照射により汚染を防止できる基材又は基板用収納容器としたものである。
前記収納容器は、該容器内の一部に、紫外線ランプと、該紫外線ランプの周囲に設けた光触媒又は光電子放出材又は光触媒及び光電子放出材(以下、光触媒及び/又は光電子放出材と記す)と、電場形成用電極とを有する気体清浄化ユニットを設置することができ、前記紫外線ランプは、殺菌ランプを用いるのが良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の6つの知見に基づいてなされたものである。
(1)本発明の対象分野である先端産業においては、従来はHEPAフィルターなどで除去できる微粒子の除去だけで十分であったが、今後は製品が高品質化、精密化するので、ガス状物質の影響を受けるようになる。
即ち、現状のクリーンルームは、フィルター技術により、微粒子除去による清浄空間が得られるが、ガス状物質は該フィルターで除去できないので、クリーンルーム内はガス状汚染物質(ガス状有害成分)が処理されないまま存在している。
(2)通常の空気(外気)中には、ガス状有害成分としてNOx、SOx、HClのような酸性ガス、アンモニア、アミンのようなアルカリ性ガス、及び炭化水素(H.C)が存在し、クリーンルームに設置されているフィルターによってはこれらのガス状有害成分の捕集はできないので、これらの有害ガスはクリーンルームに導入されてしまう。このうち、通常の空気中の濃度レベルの場合、H.Cがウェハなどの基板の接触角の増大に関与する度合いが最も大きい(空気清浄、第33巻、第1号、p16−21、1995)。
【0013】
(3)少なくとも一部が有機物(例えば高分子樹脂)で構成されるクリーンルームにおいては、有機物から極く微量の有機性ガス(例えばH.C)が発生し、クリーンルーム内の収容物(ウェハやガラス基板などの原料や半製品)を汚染する。すなわち、クリーンルームにおいては、少なくともその一部に有機物(例えばプラスチック容器、パッキン材、シール材、接着材、壁面の材料)を使用していて、これら有機物から極く微量の有機性ガスが発生する。例えば、シール材からはシロキサン、収容容器の材料であるプラスチックからはフタル酸エステルなどが発生する。これら有機性ガスの発生量は極く少ないが、閉鎖系であるクリーンルーム内に閉じ込められる。特に最近のクリーンルームにおいては省エネを目的として空気を循環使用することが多いので、このようなことが生じる。従って有機性ガスの濃度は徐々に高くなり、クリーンルーム内の収容物の上に付着し、悪影響を与える。このように、クリーンルーム内のH.Cは、外気から導入されるH.Cに内部で発生するガスが加わるので、多成分かつ高濃度になっていて、最近では、クリーンルームはH.Cに関してのダーティルームと言われていて、効果的なH.C処理法が必要となっている。
【0014】
(4)非メタン炭化水素は、通常の空気(室内空気及び外気)中の濃度で汚染をもたらす。また種々の非メタン炭化水素のうち、接触角を増大させる成分は基材の種類(ウェハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類・性状によって異なると考えられる。本願発明者らは鋭意検討した結果、非メタン炭化水素を指標として、これを光触媒により0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば効果があることを見いだした。
(5)今後、省エネや汚染物質の制御の点で透明な合成樹脂製(例、ポリカーボネイト(P.C)製)の容器に基材や基板を収納する方式が検討されているが、該容器から汚染物質の発生がある(クリーンテクノロジー、Vol.7、No.10、p.23〜29、1997)。また、容器内の汚染物質の発生は、収納物品(例、ウェハ)を汚染してしまう(KANOMAX エアロゾルセミナー、p.1〜10、1996)。このため、実用上効果的な汚染物質の低減策や除去方式の出現が期待されている。
【0015】
(6)クリーンルームには多種類のH.Cが存在するが、この内ウェハやガラス基板に付着し、悪影響を及ぼすH.Cは、ごく一部のH.C、例えばフタル酸エステル(例DOP、DBP)である。該H.C成分に共通することは、化学構造として、−CO−、−COO−結合(親水性を有する)を持つことである(空気清浄、Vol.33、No.1、p.16〜21、1995)。
即ち、該化学構造を他へ変換するとH.Cはウェハやガラス基板に付着しない(付着しにくくなる)。
上記に対して、本発明では、透明な合成樹脂製の容器の内面に紫外線透過性物質とその表面に光触媒とを被覆(付加)し、該光触媒に容器の外部から紫外線を含む光を照射し、容器内に収納された基材や基板に有害なH.Cを分解・除去するものである。
ここで、有害なH.Cの濃度が高い場合、除去速度を加速したい場合、あるいは、微粒子(粒子状物質)が問題となる場合は、容器の一部に、紫外線ランプと、光触媒及び/又は光電子放出材と、電極とを有する気体清浄化ユニットの設置を行い、清浄化を追加して行うものである。
【0016】
次に、本発明の夫々の構成を詳細に説明する。
本発明の基材又は基板表面の汚染を防止できる基材又は基板用容器(ボックス)は、透明な材料で製造されており、汚染防止のためにウェハやガラス基板が収納でき、その内部の表面に、下記の紫外線透過性物質が被覆できるものであれば何れでも良い。例えば、ABS、アクリル、塩ビ、ポリプロピレン、ポリカーボネイト(P.C)、ポリエーテルイミド等の周知の合成樹脂が好適に使用できる。
この内、ABS、P.Cが発ガスが比較的少なく、加工性に優れ、機械的強度が強いことから好ましい。容器材料を透明にする理由は、内部に光触媒の作用に効果的な紫外線が透過でき、内部の収納物品が見え、また、金属に比べて軽量、安価なためである。
紫外線透過性物質は、無機性材料からなり、上記容器の内面の表面に被覆でき、容器の外部の紫外線(クリーンルーム内に存在する紫外線)が該物質表面に付加された下記光触媒に到達できるものであれば何れでも良い。
【0017】
例えば、酸化インジウム(In2 O3 )系、あるいは酸化スズ(SnO2 )系の透明導電性薄膜がある。例としては、SnをドープしたIn2 O3 膜(ITO)、SbをドープしたSnO2 膜がある。また、SiO2 膜も好適に使用できる。
該物質の容器への被覆は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等周知の付加法を適宜に用いることができる。
被覆の厚さは、紫外線を透過し、その表面に到達し、かつ容器表面に強固に付着する厚さであれば良く、該材料の種類や光触媒の種類等により、適宜予備試験を行い、決めることができる。通常、5Å〜500Åの厚さである。
上記の紫外線透過性物質の容器表面への被覆により、該容器材料から容器内へのガス状有害成分の発生が抑制され、本発明の特徴である。
【0018】
光触媒は、上記紫外線透過性物質の表面やその近傍に付加し、ガス状有害成分の除去を行うものであり、光源からの光照射により励起され、接触角増加に関与する有機性ガス(非メタン炭化水素、H.C)を接触角の増加に関与しない形態に分解あるいは、付着しても影響を及ぼさない安定な形態に変換するものであればいずれでもよい。
通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手出来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の面から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また2種類以上を複合して用いる。
【0019】
例えば、元素としてはSi,Ge,Se、化合物としてはAlP,AlAs,GaP,AlSb,GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,CdS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2 Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としてはTiO2 ,Bi2 O3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,MoO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3 ,BaTiO3 ,Co3 O4 ,Fe2 O3 ,NiOなどがある。
光触媒の付加は、蒸着法、スパッタリング法、焼結法、ゾル−ゲル法、塗布による方法、焼付け塗装による方法など、周知の付加方法を適宜用い、薄膜状、線状、網状、帯状、くし状、粒状、島状の適宜の形状を適用容器の種類、形状、要求性能などにより適宜に選択して用いることができる。
付加の厚さは、容器の外部の光源、例えはクリーンルームにおけるランプから放出される紫外線の上記紫外線透過性物質を介した照射により光触媒表面が光触媒作用を発揮する厚さであれば良く、紫外線透過性物質や光触媒の種類等により適宜予備試験を行い決めることができる。通常、10Å〜1000Åの厚さである。
【0020】
また、光触媒作用の向上のために、上記光触媒にPt,Ag,Pd,RuO2 ,Co3 O4 の様な物質を加えて使用することも出来る。該物質の添加は、光触媒による有機物の分解作用が加速されるので好ましい。これらは、一種類又は複数組合せて用いることができる。通常、添加量は、光触媒に対して、0.01〜10重量%であり、適宜添加物質の種類や要求性能などにより、予備試験行い適正濃度を選択することができる。
前記光触媒への紫外線照射の光源は、特別に設置を行わないで、容器の外部に存在する紫外線を利用できることが、本発明の大きな特徴である。即ち、光触媒の励起源は、クリーンルームにおける照明用ランプ等からわずかに発生する紫外線や自然に存在する紫外線を活用するものである。
即ち、本発明は、特別に個別の光源の設置を行わないでも、容器内の清浄化を行うものである。
【0021】
次に、光触媒によるH.C除去について説明する。
ウェハやガラスなどの基板に付着し、歩留りを低下させる有機性ガスは、気体中の多成分の有機性ガスの内の一部の該基板に付着しやすい構造を有する有機性ガスのみである。光触媒は吸着作用を有するので、この基板に付着しやすい構造を有する有機性ガスが光触媒の表面に吸着し、光触媒作用により分解される。
この作用について、次に詳しく説明する。
有機性ガスによる汚染は、前記した接触角で表現される。接触角を増加させる有機性ガスは、基板(ウエハ、ガラス材など)の種類や基板上の薄膜の種類、性状によって異なるが、本発明者らの研究によると次のように考えられる。
すなわち、通常クリーンルームにおける基板表面の接触角を増加させる有機性ガス(H.C)で共通して言えることは、高分子量のH.Cが主であり、その構造として−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つことである。このH.Cは親水部(−CO、−COO結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の−C−C−の部分)と考えることができる。
【0022】
具体例で説明すると、通常のクリーンルームにおけるガラス基板などの基板表面の接触角を増加させる有機性ガスは、C16〜C20の高分子量H.C、例えばフタル酸エステル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成分に共通することは化学的構造として、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つことである。
これらの汚染有機性ガスの起因は、高分子製品の可塑剤、離型剤、酸化防止剤などであり、高分子製品の存在する個所が発生源である(「空気清浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995)。
光触媒によるこれらの有機性ガスの処理メカニズムの詳細は不明であるが、次のように推定できる。すなわち、これらの有機性ガスは−CO、−COO結合の部分がウエハやガラス表面のOH基と水素結合し、その上部は疎水面となり、結果としてウエハやガラス表面は疎水性になり、接触角が大きくなり、その表面に成膜すると膜の付着力は弱い。
【0023】
有機性ガスが存在する雰囲気に光触媒を設置すると、その活性部である−CO、−COO結合部が、光触媒に吸着し、次いで光触媒作用により分解作用を受けて別の安定な形態に変換される。その結果として、有機性ガスは安定な形態となり、ウエハやガラス基板上には付着しないか、又は付着しても疎水性を示さない(「空気清浄」第35巻、第3号、p51〜58、1997)。
光触媒は、前記H.Cの分解・除去の他に、アンモニアやアミンのような塩基性ガス(ガス状有害成分)の除去にも効果的である。
また、本発明では、容器の種類(利用先)、試料ガスの条件(汚染物質の濃度が高い場合等)、要求性能によっては、容器の一部に少なくとも紫外線ランプ、光触媒及び/又は光電子放出材と電極からなる気体清浄化ユニットの設置を行うことができる。
新たに紫外線ランプと光触媒の設置を行う場合の光触媒による処理は、前記の光触媒を適宜の母材上に付加し、紫外線ランプの周囲に設置することで達成される。
光触媒によるH.C除去は、本発明者が既に提案した方法を適宜に用いることができる(特開平9−205046号公報)。
【0024】
次に、光電子放出材と電極について説明する。
光電子放出材と電極は、微粒子の共存が問題となる場合、例えば基板が収納される空間で微粒子が発生し、微粒子付着の問題が懸念される場合や製品が高品質、高精密のため極く微量の微粒子でも問題となる場合等に、該微粒子除去をH.C除去に加えて行う場合に設置して用いる。
該光電子放出材から放出する光電子による微粒子の荷電・捕集(除去)は、本発明者らが、既に提案した方法を適宜に用いて行うことができる(特公平3−5859号、特公平6−34941号、特公平7−93098号、特公平7−121369号、特公平8−211号各公報)。
光電子放出材は、紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい。効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は合金又は混合物が好ましく、これらは単独で又は二種以上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
【0025】
例えば、化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,CaO,Y2 O5 ,Gd2 O3 ,Nd2 O3 ,ThO2 ,ZrO2 ,Fe2 O3 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La2 O3 ,PtO,PbO,Al2 O3 ,MgO,In2 O3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化物にはYB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,CeB6 ,EuB6 ,PrB6 ,ZrB2 などがあり、さらに炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,NbC,WCなどがある。
また、合金としては黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、或いは薬品で酸化することによっても得ることができる。
【0026】
さらに他の方法としては使用前に加熱し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ることもできる。この例としてはMgとAgとの合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下で、その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸化薄膜は長期間にわたって安定なものである。
これらの材料は、適宜の母材、例えば、金属材、セラミックス材に付加して用いることができる。
これらの材料の使用形状は、棒状、線状、格子状、板状、プリーツ状、曲面状、円筒状、金網状等の形状が使用でき紫外線の照射面積の大きな形状のものが好ましい。
本発明者が、すでに提案したように光電子放出材に保護膜を設け、多重構造としたものも好適に使用できる(特開平3−108698号公報)。
母材上への光電子放出材の付加として、適宜の母材上へ薄膜状に光電子を放出しうる物質の付加がある(特開平4−152296号公報)。
また、石英ガラス上に光電子を放出し得る物質として、Auを薄膜状に付加したものがある(特公平7−93098号公報)。
【0027】
光電子放出材を母材に付加して使用する場合は本発明者がすでに提案しているように、導電性物質の付加を併せて行い用いることができる(特許第2598730号明細書)。
また、前記の紫外線源との一体化、例えば紫外線ランプ表面への光電子放出材の付加がある(特開平4−243540号)。該一体化は、装置がコンパクト化するので適用先・要求性能によっては好ましい形態である。
また、前記の光触媒との一体化も用いることができる(特願平8−132563号)。該一体化では、微粒子に共存するガス状有害成分の同時除去はもちろんのこと、光電子放出材がセルフクリーニングされるので、長時間安定に使用できること(光電子放出材の使用環境中に光電子放出材に対して有害な物質が共存しても光触媒により、分解・除去される)から好ましい。
前記のように、光電子放出材は、適宜の形状の母材表面に、周知の方法、例えば、イオンプレーティング法、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、メッキ法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、スクリーン印刷による方法を適宜に用い、薄膜状、粒状、島状、帯状、網状、線状、格子状に付加し、用いることができる。
【0028】
光電子放出材への紫外線照射による光電子の放出は、電場下で効果的である。電極はそのために用いられる。
該電極の材料、位置や形状は、光電子放出材との間に電場(電界)が形成できるものであれば何れでも使用できる。電極材料とその構造は、周知の荷電装置において使用されているもので良い。電極材料は導体であれば何れも使用でき、この例としてSUS材、Cu−Zn材、タングステンの線、棒状、網状、板状がある。これらを1種類又は2種類以上組合わせて光電子放出材の近傍に電場が形成できるように設置する(特開平2−303557号)。
該電場電圧は、2V/cm〜2kV/cmである。好適な電場の強さは、利用分野、条件、装置形状、規模、効果、経済性等で適宜予備試験や検討を行い決めることが出来る(特開平2−303557号)。
電極は光触媒と一体化したものも装置の種類・要求性能によっては使用できる(特願平8−231290号)。
【0029】
次に、荷電微粒子捕集材(集じん材)について説明する。
該集じん材は、前記の光電子により荷電された微粒子を捕集するものである。荷電微粒子の捕集材(集じん材)は、通常の荷電装置における集じん板、集じん電極等各種電極材や静電フィルター方式が一般的であるが、スチールウール電極、タングステンウール電極のようなウール状構造のものも有効である。エレクトレック材も好適に使用できる。
光電子放出材、電極材、荷電微粒子の捕集材の好適な組合わせ方は、適用装置の形状、構造、要求性能、経済性などにより適宜決めることができる。
前記の電場用電極材は用途装置形状によっては集じん材と兼用あるいは一体化して行うことができる(特公平8−211号)。
前記の光電子を用いる微粒子の荷電捕集(除去)では、微粒子濃度をクラス10、好ましくはクラス1以下とすることで、基材又は基板の汚染防止が効果的となり、本発明の特徴である。
ここでクラスとは、微粒子濃度の単位であり、1ft3 中の粒径0.1μm以上の微粒子の個数を表わす。
【0030】
新たに設置する紫外線ランプは、その照射紫外線により光触媒及び/又は光電子放出材が夫々機能を発揮するものであれば何れでも良い。
通常、水銀灯がコスト、効果、簡易な形状などから好ましい。水銀灯の例としては、殺菌ランプ(主波長:254nm)、ブラックライト、蛍光ケミカルランプ、UV−β紫外線ランプがある。
この内、殺菌ランプが好ましい。これは殺菌ランプは、光触媒への有効照射量を強くでき(光触媒作用が強くなる)、前記光電子放出材からの光電子放出にも効果的で、オゾンレスで実施できるためである。また、殺菌作用を有することから、微生物(増殖)や菌類が問題となる所は特に好ましい。
本容器における気体の清浄化は、容器の種類、試料ガスの条件、要求性能、経済性等により、新たに光触媒による清浄方式及び/又は光電子による清浄方式を組合せて用いることができ、本発明の特徴の一つである。
【0031】
即ち、H.CやNH3 、アミンのようなガス状有害成分に対する要求が厳しい場合は、光触媒による方式を、微粒子が問題になる場合は、光電子による方式を、更に、ガスと微粒子の両方が問題となる場合は、これらを一体化した方式を用いることができる。
本発明の容器は、任意に取り付け、あるいは取り外しが容易な前記の光触媒及び/又は光電子を用いる気体清浄化ユニットを容器の一部に付加して用いることができるのであり、本発明の特徴である。
該ユニットを付加することにより、容器内で発ガスや発塵があっても迅速に除去される。即ち、本発明の容器はセルフクリーニング機能を有する容器である。気体清浄化ユニットは、容器の側面、天井面、床面の適宜の位置に設置し、清浄化を行うことができる。
【0032】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
図1に示した概略図によって、クラス10000の半導体工場のクリーンルーム1におけるクラス10の局所高クリーン化ゾーンに設置されているウェハ保管庫2(ウェハ収納ストッカ)の空気清浄化を説明する。図1中、A部は本発明の光触媒を付加した紫外線透過物質で作製している透過壁であり、図2にその拡大図が示されているH.C分解部である。B部は清浄化されたウェハの収納部(被清浄空間部)を示す。すなわち、クリーンルーム1には、外部から導入されるH.Cに加えて、クリーンルーム構成材や器具類から脱ガスされた非メタン炭化水素が1.0〜1.5ppm存在する。そのため、クリーンルーム内に、ウェハへのH.Cの汚染を防止するためのウェハ保管庫2が設置されている。ウェハ保管庫2には、ウェハ3が収納されたウェハキャリア4を出し入れする毎に、すなわち、保管庫2の扉を開閉する毎に、クリーンルーム1から非メタン炭化水素(H.C)5が侵入する。
【0033】
ここで、H.C5は天井面全面に設置されたクリーンルーム1内の照射用ランプ6等から発生する紫外線の照射を受けた光触媒7の作用を受け、分解・除去され、ウェハ3が収納された収納部Bは清浄化される。すなわち、保管庫2の開閉により、クリーンルーム内の1.0〜1.5ppmのH.C5が保管庫2内に侵入するが、H.Cを含む空気は、本発明の保管庫2の容器壁8の表面に被覆された紫外線透過性物質9の上に付加された光触媒7と接触し、H.C5は0.1ppm以下まで分解される。これにより接触角の増加に関与する分子量の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解される。
ここで、塩基性ガスとしてNH3 が共存するが光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3 濃度:30〜50ppb)まで分解・除去される。
本例における容器壁8の材質はP.C、紫外線透過性物質9はITO100Å、光触媒7はTiO2 300Åである。
本保管庫2に、ウェハ3を収納しておくと、ウェハ3表面の接触角の増加が防止される(ウェハ3は汚染防止される)。
【0034】
実施例2
図3は、実施例1(図1、2)の保管庫2における光触媒7によるH.Cの分解・除去を、照明用ランプ6からの放射紫外線に加えて、保管庫2内部に、新たに紫外線ランプ10の設置を行い実施するものである。
11-1、11-2は、紫外線ランプ10の設置に伴い新たに設置した光触媒であり、紫外線ランプ10の照射を受け光触媒作用を発揮している。12は、しゃ光材であり、紫外線ランプ10からの放射紫外線のウェハへの照射を防ぐためのものである。
紫外線ランプ10、光触媒11-1、11-2、しゃ光材12は、気体清浄化ユニット(C)として一体化されており、容器への取り付け、取り外しが容易である。
ウェハ保管庫2には、ウェハ3が収納されたウェハキャリア4を出し入れする毎に、すなわち、保管庫2の扉を開閉する毎に、クリーンルームから非メタン炭化水素(H.C)5が侵入する。
【0035】
ここで、H.C5は照明用ランプ6等から発生する紫外線の照射を受けた光触媒7の作用、及び保管庫2内に新たに設置された光触媒11の作用を受け、分解・除去され、ウェハ3が収納された収納部Bは清浄化される。すなわち、保管庫2の開閉により、クリーンルーム内の1.5〜1.8ppmのH.Cが保管庫2内に侵入するが、H.Cを含む空気は空気の流れ13-1〜13-3により、本発明の透過壁Aにおける光触媒7と、気体清浄化ユニットCにおける光触媒11に順次接触し、H.Cは0.1ppm以下まで分解・処理される。即ち、紫外線照射された光触媒11の上下には、わずかな温度差が生じ、これにより保管庫2内の空気に上下の流れ(循環流)が生じ、空気は順次光触媒7、11に順次接触し、H.Cは効果的に処理される。これにより接触角の増加に関与する分子量の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解される。
【0036】
ここで、塩基性ガスとしてはNH3 が共存するが光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3 濃度:100〜200ppb)まで分解・除去される。
本例における容器8の材質はP.C、紫外線透過性物質9はITO100Å、光触媒7はTiO2 300Å、紫外線ランプ10は殺菌ランプ、光触媒11-1はTiO2 でAl板に付加、11-2はTiO2 でITO100Å上に5,000Å付加したものである。
この気体清浄化ユニットC部における光触媒11-2は、紫外線ランプ10からの放射紫外線の外部への放出を防ぐため厚く、5,000Åを付加したものである。
図3において、図1、2と同一符号は同じ意味を示す。
【0037】
実施例3
図4は、図3の保管庫2の変形例であり、図3に示した気体清浄化ユニットCを床面の下部に設置したものである。
図4において、図3と同一符号は同じ意味を示す。
【0038】
実施例4
図5は、実施例2のクリーンルームのウェハ保管庫(図3)において、光触媒11-1、11-2と紫外線ランプ10が存在する空間に、光電子放出材14と、該光電子放出材14から光電子を効率良く放出させるための電極15、そして光電子により荷電された荷電微粒子を捕集するための荷電微粒子捕集材16を設置したものである。
即ち、本保管庫2に収納したウェハ3はその表面が敏感であるため、微量の微粒子(粒子状物質)17の存在も問題となる。該微粒子17は、例えば、ウェハ3やウェハキャリア4の裏面に付着し、保管庫2内に持ち込まれ、他のウェハに付着し、汚染をもたらす。このため、本発明の透過壁Aを有する容器壁8に、紫外線ランプ10、光触媒11-1、11-2、該紫外線ランプ上に被覆した光電子放出材14、(光触媒11-1、11-2と一体化された)電極15、荷電微粒子捕集材16からなる気体清浄化ユニットCを付加し、H.C5の除去の加速を行うとともに、H.C5と微粒子17の同時除去を行う。
H.C分解部AにおけるH.C除去は、図3のごとくである。
【0039】
一方、微粒子17は、該ユニットCにおいて、光電子放出材14に紫外線ランプ(殺菌ランプ)10からの放出紫外線が照射されることにより生成する光電子により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は、荷電微粒子捕集材16に捕集・除去される。
空間中の微粒子17は、ユニットC内における紫外線ランプ10の照射により生ずるユニットC内の上下の温度差で引き起こされる空気の流れ13-1〜13-3により、順次ユニット内に送り込まれ、微粒子はクラス1以下まで捕集・除去される。
これにより、収納部Bは、接触角の増加に関与する分子量の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解されるとともに、塩基性ガスとしてNH3 が共存するが光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3 濃度:100〜200ppb)まで分解・除去され、クラス1よりも清浄な超清浄空間が創出される。
本保管庫2に、ウェハ3を収納しておくと、接触角の増加防止と、基板回路(パターン)の断線や短絡による欠陥の発生が防止される(ウェハ3は汚染防止される)。
図5中、図3と同一符号は、同じ意味を示す。
本例における光電子放出材14は、紫外線ランプ(殺菌ランプ)10上にAu100Åを付加したものである。
【0040】
実施例5
図1に示した保管庫(容器)に下記試料空気を入れ、光点灯されているクリーンルームに設置し、ストッカに収納したウェハ上の接触角及びストッカ中の非メタン炭化水素(H.C)とアンモニア濃度を測定した。
ストッカの大きさ ; 60リットル
容 器 ; P.C材の内面上に先ずITO100Åをスパッタリング法により被覆し、その上に光触媒としてTiO2 300Åを塗布による方法により付加し、80℃で乾燥。
試料空気 ; 半導体工場の非メタン炭化水素濃度1.5ppm、アンモニア60ppbのクラス10の空気
接触角の測定 ; 水滴接触角計、
非メタン炭化水素濃度の測定; GC法
アンモニア測定法 ; 化学発光法
ウェハの前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射(UV/O3 洗浄)
【0041】
結果
1)ウェハ基板上の接触角の測定
図6に結果を示す。図6において、−〇−印は本発明のもの、−△−印は、比較として同様の操作において容器をしゃ光カバーでおおい、光触媒への光照射を無くしたもの、−●−印はITO、TiO2 の付加がないもの(P.C材のみの容器)を示す。
また、P.C材のみの容器のとき、150時間後にウェハを取り出し、加熱によりウェハ上に付着したH.Cを脱離させ、GC/MS法で測定したところ、フタル酸エステルを検出した。一方、上記本発明の容器では検出しなかった。
【0042】
2)保管庫の空気中ガス状有害成分の測定
表1に結果を示す。比較として光照射のないものを併記する。
【表1】
クリーンルームにおける照明ランプは、天井面全面に設置された蛍光灯であり、その発光スペクトルを図7に示す。図7中300〜380nmの光(D部)が光触媒の作用に有効な波長と考えられる。この光の光量は0.2mW/cm2 であった。
【0043】
実施例6
図1に示した保管庫に、図5のごとく紫外線ランプ、光触媒、光電子放出材、電極からなる気体清浄化ユニットCを付加し、ウェハ上の接触角、保管庫中の非メタン炭化水素(H.C)濃度、アンモニア濃度、微粒子濃度を測定した。
ストッカの大きさ ; 60リットル
容 器 ; P.C材に先ずITO100Åをスパッタリング法により被覆し、その上に光触媒としてTiO2 300Åを塗布による方法により付加し、80℃で乾燥
気体清浄化ユニット;
紫外線ランプ : 殺菌ランプ(254nm)、10W
光触媒 : Al上にTiO2 をゾル−ゲル法で付加
光電子放出用の電極 : 前記光触媒に目のあらい網状Cu−Znを付加(一体化)、電界50V/cm
荷電微粒子捕集材 : 板状Cu−Zn材、電界800V/cm
【0044】
試料空気 ; 半導体工場の非メタン炭化水素濃度1.6ppm、アンモニア80ppbのクラス100の空気
接触角の測定 ; 水滴接触角計、
非メタン炭化水素濃度の測定; GC法
アンモニア測定法 ; 化学発光法
微粒子濃度測定器 ; パーティクルカウンタ(光散乱式、>0.1μm)
ウェハの前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射(UV/O3 洗浄)
【0045】
結果
1)ウェハ基板上の接触角の測定
図8に結果を示す。図8において、−〇−印は本発明のもの、−△−印は、比較として同様の操作において容器をカバーでおおい、光触媒への光照射を無くしたもの、−●−印はITO、TiO2 の付加がないもの(P.C材のみの容器)を示す。
また、P.C材のみの容器のとき、130時間後にウェハを取り出し、加熱によりウェハ上に付着したH.Cを脱離させ、GC/MS法で測定したところ、フタル酸エステルを検出した。一方、上記本発明の容器では検出しなかった。
2)保管庫の空気中汚染物質の測定
図9にH.C濃度、図10にアンモニア濃度、図11に微粒子濃度を示す。
図9〜11において、−〇−印は気体清浄化ユニットを作動させた本発明のもの、−△−印は気体清浄化ユニットを作動させない本発明のもの、−●−印は比較としてのP.C材のみの容器(ITOとTiO2 の付加がないもの)の場合を示す。
図9〜11において、↓印は不検出(検出限界以下)を示す。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
1)基材又は基板表面の汚染を防止する収納容器において、容器材料として透明な材料を用い、該容器の内部表面に紫外線透過性物質とその表面に光触媒を被
覆したことにより、
▲1▼ 透明な材料のため、ウェハ等の収納物品を外から見ることができるので、容器の操作性が向上した。また、金属材に比べて、軽量化されたので実用性が向上した。
▲2▼ 紫外線透過性物質の被覆により、容器材料からの発ガス(ガス状有害成分の発生)が抑制された。
▲3▼ 紫外線透過性物質の被覆により、その表面に光触媒を付加することができた。即ち、例えば、P.C上への光触媒の直接の付加だと、光触媒によりP.C自体が分解され発ガスを生じるが、紫外線透過性物質を被覆することにより、容器構成材(例、P.C)に影響を与えることなく、光触媒が付加できた。更に、これにより外部からの紫外線を光触媒に照射することができた。
即ち、外部に存在する紫外線を有効利用し、汚染物質を除去でき、光触媒が効果的に作用する構成となった。
【0047】
2)前記1)の容器に、紫外線ランプと光触媒及び/又は光電子放出材と電極とを有する気体清浄化ユニットの付加(設置)を行うことにより、
▲1▼ 該ユニット内に設置された紫外線ランプの照射により、ユニット上下に温度差が生じ、それにより容器内に気流が発生するので、容器内の汚染物質は、順次容器壁面の光触媒及びユニット内の光触媒及び/又は光電子に接触するので、汚染物質は迅速に除去された。
▲2▼ 該気体清浄化ユニットの設置においては、適用容器の種類、要求性能、経済性等により、光電子による清浄方式(微粒子の除去のみ)、光触媒による清浄方式(ガス状有害成分の除去のみ)、該光電子と光触媒の一体化(微粒子とガスの同時除去)を適宜に選択できた。
即ち、多種類の試料気体条件に対応できる実用上効果的な清浄方式となり、適用範囲が広がった。
【0048】
3)前記2)における気体清浄化ユニットは、容器から取り外しが容易にできることにより、
▲1▼ 容器の収納部と切り離しが簡単にできるので、収納部や該容器の保守管理が容易となった。
即ち、保守・管理・維持が容易な容器となった。
4)前記により、
▲1▼ 基板の収納部や搬出に伴う容器内への浸入汚染物質は当然のこと基板表面からの発ガスや発塵材料からの発ガスや発塵も除去され、容器内はセルフクリーニング的に超清浄化された。
▲2▼ 容器材料として、発ガスが懸念されているプラスチック材料が使用できた。プラスチックは軽いので実用上有効な容器となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の収納容器(ウェハ保管庫)を設置したクリーンルームの基本構成図。
【図2】収納容器の透過壁の拡大構成図。
【図3】本発明の他の収納容器(ウェハ保管庫)の断面構成図。
【図4】本発明の別の収納容器(ウェハ保管庫)の断面構成図。
【図5】本発明のもう一つの収納容器(ウェハ保管庫)の断面構成図。
【図6】収納時間(h)による接触角(度)の変化を示すグラフ。
【図7】蛍光灯ランプの発光スペクトル図。
【図8】収納時間(h)による接触角(度)の変化を示すグラフ。
【図9】収納時間(h)によるH.C濃度(ppm)の変化を示すグラフ。
【図10】収納時間(h)によるNH3 濃度(ppb)の変化を示すグラフ。
【図11】収納時間(h)によるクリーン度(クラス)の変化を示すグラフ。
【図12】従来の半導体工場のクリーンルームの基本構成図。
【符号の説明】
1:クリーンルーム、2:収納容器(ウェハ保管庫)、3:ウェハ、4:ウェハキャリア、5:非メタン炭化水素、6:照射用ランプ、7:光触媒、8:容器壁、9:紫外線透過性物質、10:紫外線ランプ、11-1、11-2:光触媒、12:遮光材、13-1〜13-3:空気の流れ、14:光電子放出材、15:電極、16:荷電微粒子捕集材、17:微粒子、
A:透過壁、B:収納部、C:気体清浄化ユニット。
【発明の属する技術分野】
本発明は、基材又は基板用の収納容器に係り、特に半導体製造や液晶製造などの先端産業における原材料、半製品、製品の基材や基板表面の汚染を防止することができる基材又は基板用収納容器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のクリーンルームにおける空気清浄を、半導体製造工場における空気清浄を例に、図12を用いて説明する。
図12において、外気21は先ずプレフィルタ22で粗粒子が除去され、次いで空調機23で空調され、中性能フィルタ24で除塵される。次に、クリーンルーム1の天井部に設置されているHEPAフィルタ(高性能フィルタ)26で微細な粒子が除去され、クリーンルーム1はクラス100〜1,000が維持される(「洗浄設計」p.11〜24、 Summer 1988)。27-1、27-2はファン、矢印は空気の流れを示す。
従来のクリーンルームにおける空気清浄は、微粒子除去を目的としているので、図12のように構成されていた。このような構成では、微粒子除去には効果的であるが、ガス状有害成分の除去には効果がない。
一方、図12のような大部屋方式のクリーンルームでは超クリーン化に対してコストがかかり過ぎるという課題がある(BREAK THROUGH 、5号 p.38〜41、1993)。
【0003】
ところで、今後半導体産業では製品の高品質化、精密化が増々進み、これに伴い、微粒子(粒子状物質)は当然のこと、微粒子に加えてガス状物質が汚染物として関与する。即ち、従来は微粒子除去のみで十分であったのが、今後は、ガス状物質(ガス状有害成分)の制御が重要となってくる。そして、前記図12に示した、従来のクリーンルームのフィルタでは、微粒子のみしか除去されず、外気からのガス状有害成分は、除去されずにクリーンルームに導入されてしまうので問題になるためである。
即ち、クリーンルームにおいては、微粒子(粒子状物質)や、今までの除塵フィルタ(例、HEPA、ULPAフィルタ)では捕集、除去されず、クリーンルーム内に導入されてしまう自動車の排気ガス、民生品として広く使用されている高分子樹脂製品からの脱ガスなどに起因する炭化水素(H.C)と呼ばれる有機性ガスやNH3 、アミンのような塩基性(アルカリ性)ガスなどのガス状物質が、ガス状有害成分として問題となる。
【0004】
この内、H.Cはガス状有害成分として通常の空気(室内空気及び外気)中の極低濃度のものが汚染をもたらすので、除去する必要がある。
また、最近ではクリーンルームの構成材や使用器具(例、ウェハ収納ボックス)の高分子樹脂類からの脱ガスがH.C発生源として問題となっている。((社)日本機械工業連合会、平成6年度報告書、平成7年3月、p.41〜49、1995)。
これらのガス状物質は、クリーンルーム内における作業で発生したものも問題となる。即ち、該ガス状物質の起因として通常のクリーンルームでは、外気から導入されたガス状物質(クリーンルームでのフィルタでは、ガス状物質は除去できないので、外気中のガス状物質は導入されてしまう)に、前記のクリーンルーム内で発生したガス状物質が加わるので、外気に比べてクリーンルーム中のガス状物質は高濃度となり、ウェハ基材や基板を汚染する。
【0005】
即ち、上記の汚染物質(微粒子、ガス状有害成分)がウェハ、半製品、製品の基板表面に付着すれば、微粒子は、基板表面の回路(パターン)の断線や短絡を引き起こし欠陥を生じさせる。また、ガス状物質として、▲1▼ H.Cは、ウェハ(基板)表面に付着すると、接触角の増加をもたらし、H.Cは基板とレジストとの親和性(なじみ)に影響を与える。そして、親和性が悪くなるとレジストの膜厚に悪影響を与えたり、基板とレジストとの密着性に悪影響を与える(空気清浄、第33巻、第1号、p.16〜21、1995)。また、H.Cはウェハの酸化膜の耐圧劣化(信頼性の低下)を引き起こす(第39回応用物理学関係連合講演会予稿集、p.686、1992)。
【0006】
▲2▼ NH3 は、アンモニウム塩の生成などをもたらし、ウェハにくもり(解像不良)を引き起こす(リアライス社、最新技術講座、資料集、半導体プロセスセミナー、1996年10月29日、p.15〜25、1996)。
このような原因により、微粒子はもとよりこれらのガス状汚染物質は、半導体製品の生産性(歩留り)を低下させる。
特に、ガス状有害成分としての上記のガス状物質は上述の発生起因により、また最近では省エネの観点でクリーンルーム空気の循環を多くして用いるので、クリーンルーム中のガス状物質の濃度は濃縮され、外気に比べかなりの高濃度となっており、基材や基板に付着し、該表面を汚染する。この汚染の程度は、基材や基板の接触角で表わすことができ、汚染が激しいと接触角が大きい。接触角が大きい基材や基板は、その表面に成膜しても膜の付着強度が弱く(なじみが悪い)、歩留りの低下をまねく。
【0007】
ここで、接触角とは水によるぬれの接触角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものである。即ち、基板表面に疎水性(油性)の汚染物質が付着すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと汚染度が低い。
特に、最近省エネの点でクリーンルームの空気を循環使用するため、クリーンルーム内のガス状有害成分は徐々に高まってしまい、基材や基板を汚染することになる。
汚染物質としての微粒子は、フィルタ技術により除去でき、空間は、クラス1(1ft3 中に0.1μm以上の粒子が1個)よりも清浄な空間が容易に達成されるが、ガス状有害成分の除去は、現状のフィルタ技術では効果がない。
【0008】
このような汚染物質による汚染防止について、今後の空間のクリーン化は清浄空間を限定(局所化)する局所クリーン化(ミニエンバイロメント)が効果的であると提案されている(▲1▼ NIKKEI MICRODEVICES 、7月号、p.136〜141、1995、▲2▼ Proceedings of IES. p.373〜378、1994)。
現在、このようなミニエンバイロメントとして、Siウェハを透明性の合成樹脂(プラスチック)製ボックスに収納し、搬送する方式が検討されているが、(1)内部から突発的に発塵が起きた場合、かえって粒子汚染が深刻になる、(2)ボックス材料からの脱ガス(発ガス)に対する対策が必要、(3)(1)(2)により、ボックス自身を定期洗浄する工程が増えるので、操作(手間)が煩雑になり、実用上問題である等の指摘がある(KANOMAX エアロゾルセミナー、p.1〜10、1996)。
【0009】
このような中にあって、本発明者らは、局所クリーン化技術として光電子や光触媒を用いる空間のクリーン化方式を提案してきた。
例えば1)光触媒による清浄方式(ガス状有害成分の除去):特開平9−168722号、特開平9−205046号公報、2)光電子による清浄方式(粒子状物質の除去):特公平3−5859号、特公平6−74909号、特公平8−211号、特公平7−121369号公報、3)光電子と光触媒の併用方式(粒子とガスの同時除去):特開平1−266864号公報がある。
これらの清浄方式は、適用先(装置の種類)や要求性能によっては、前記の清浄方式で効果的であるが、適用先や要求性能によっては、使用法を適宜改善する必要があった。
この改善においては、実用上一層効果的になるよう改善するという問題があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、上記従来技術に鑑み、半導体、液晶、精密機械工業などの先端産業において、製品の高品質化、精密化、微細化が進むにつれ要望が高まるミニエンバイロメントとしての汚染防止容器において、汚染物質の除去機能を有するセルフクリーニングタイプの基材又は基板用収納容器を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、基材又は基板表面の汚染を防止する、紫外線を透過する合成樹脂製の透明な材料からなる基材又は基板用の収納容器において、該合成樹脂製の透明な材料からなる収納容器の内部表面に、無機性材料の紫外線透過性物質を被覆し、該被覆した紫外線透過性物質の表面に、厚さ10〜1000Åの光触媒を被覆したことを特徴とする外部からの紫外線を含む光の照射により汚染を防止できる基材又は基板用収納容器としたものである。
前記収納容器は、該容器内の一部に、紫外線ランプと、該紫外線ランプの周囲に設けた光触媒又は光電子放出材又は光触媒及び光電子放出材(以下、光触媒及び/又は光電子放出材と記す)と、電場形成用電極とを有する気体清浄化ユニットを設置することができ、前記紫外線ランプは、殺菌ランプを用いるのが良い。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の6つの知見に基づいてなされたものである。
(1)本発明の対象分野である先端産業においては、従来はHEPAフィルターなどで除去できる微粒子の除去だけで十分であったが、今後は製品が高品質化、精密化するので、ガス状物質の影響を受けるようになる。
即ち、現状のクリーンルームは、フィルター技術により、微粒子除去による清浄空間が得られるが、ガス状物質は該フィルターで除去できないので、クリーンルーム内はガス状汚染物質(ガス状有害成分)が処理されないまま存在している。
(2)通常の空気(外気)中には、ガス状有害成分としてNOx、SOx、HClのような酸性ガス、アンモニア、アミンのようなアルカリ性ガス、及び炭化水素(H.C)が存在し、クリーンルームに設置されているフィルターによってはこれらのガス状有害成分の捕集はできないので、これらの有害ガスはクリーンルームに導入されてしまう。このうち、通常の空気中の濃度レベルの場合、H.Cがウェハなどの基板の接触角の増大に関与する度合いが最も大きい(空気清浄、第33巻、第1号、p16−21、1995)。
【0013】
(3)少なくとも一部が有機物(例えば高分子樹脂)で構成されるクリーンルームにおいては、有機物から極く微量の有機性ガス(例えばH.C)が発生し、クリーンルーム内の収容物(ウェハやガラス基板などの原料や半製品)を汚染する。すなわち、クリーンルームにおいては、少なくともその一部に有機物(例えばプラスチック容器、パッキン材、シール材、接着材、壁面の材料)を使用していて、これら有機物から極く微量の有機性ガスが発生する。例えば、シール材からはシロキサン、収容容器の材料であるプラスチックからはフタル酸エステルなどが発生する。これら有機性ガスの発生量は極く少ないが、閉鎖系であるクリーンルーム内に閉じ込められる。特に最近のクリーンルームにおいては省エネを目的として空気を循環使用することが多いので、このようなことが生じる。従って有機性ガスの濃度は徐々に高くなり、クリーンルーム内の収容物の上に付着し、悪影響を与える。このように、クリーンルーム内のH.Cは、外気から導入されるH.Cに内部で発生するガスが加わるので、多成分かつ高濃度になっていて、最近では、クリーンルームはH.Cに関してのダーティルームと言われていて、効果的なH.C処理法が必要となっている。
【0014】
(4)非メタン炭化水素は、通常の空気(室内空気及び外気)中の濃度で汚染をもたらす。また種々の非メタン炭化水素のうち、接触角を増大させる成分は基材の種類(ウェハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類・性状によって異なると考えられる。本願発明者らは鋭意検討した結果、非メタン炭化水素を指標として、これを光触媒により0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば効果があることを見いだした。
(5)今後、省エネや汚染物質の制御の点で透明な合成樹脂製(例、ポリカーボネイト(P.C)製)の容器に基材や基板を収納する方式が検討されているが、該容器から汚染物質の発生がある(クリーンテクノロジー、Vol.7、No.10、p.23〜29、1997)。また、容器内の汚染物質の発生は、収納物品(例、ウェハ)を汚染してしまう(KANOMAX エアロゾルセミナー、p.1〜10、1996)。このため、実用上効果的な汚染物質の低減策や除去方式の出現が期待されている。
【0015】
(6)クリーンルームには多種類のH.Cが存在するが、この内ウェハやガラス基板に付着し、悪影響を及ぼすH.Cは、ごく一部のH.C、例えばフタル酸エステル(例DOP、DBP)である。該H.C成分に共通することは、化学構造として、−CO−、−COO−結合(親水性を有する)を持つことである(空気清浄、Vol.33、No.1、p.16〜21、1995)。
即ち、該化学構造を他へ変換するとH.Cはウェハやガラス基板に付着しない(付着しにくくなる)。
上記に対して、本発明では、透明な合成樹脂製の容器の内面に紫外線透過性物質とその表面に光触媒とを被覆(付加)し、該光触媒に容器の外部から紫外線を含む光を照射し、容器内に収納された基材や基板に有害なH.Cを分解・除去するものである。
ここで、有害なH.Cの濃度が高い場合、除去速度を加速したい場合、あるいは、微粒子(粒子状物質)が問題となる場合は、容器の一部に、紫外線ランプと、光触媒及び/又は光電子放出材と、電極とを有する気体清浄化ユニットの設置を行い、清浄化を追加して行うものである。
【0016】
次に、本発明の夫々の構成を詳細に説明する。
本発明の基材又は基板表面の汚染を防止できる基材又は基板用容器(ボックス)は、透明な材料で製造されており、汚染防止のためにウェハやガラス基板が収納でき、その内部の表面に、下記の紫外線透過性物質が被覆できるものであれば何れでも良い。例えば、ABS、アクリル、塩ビ、ポリプロピレン、ポリカーボネイト(P.C)、ポリエーテルイミド等の周知の合成樹脂が好適に使用できる。
この内、ABS、P.Cが発ガスが比較的少なく、加工性に優れ、機械的強度が強いことから好ましい。容器材料を透明にする理由は、内部に光触媒の作用に効果的な紫外線が透過でき、内部の収納物品が見え、また、金属に比べて軽量、安価なためである。
紫外線透過性物質は、無機性材料からなり、上記容器の内面の表面に被覆でき、容器の外部の紫外線(クリーンルーム内に存在する紫外線)が該物質表面に付加された下記光触媒に到達できるものであれば何れでも良い。
【0017】
例えば、酸化インジウム(In2 O3 )系、あるいは酸化スズ(SnO2 )系の透明導電性薄膜がある。例としては、SnをドープしたIn2 O3 膜(ITO)、SbをドープしたSnO2 膜がある。また、SiO2 膜も好適に使用できる。
該物質の容器への被覆は、蒸着法、スパッタリング法、CVD法等周知の付加法を適宜に用いることができる。
被覆の厚さは、紫外線を透過し、その表面に到達し、かつ容器表面に強固に付着する厚さであれば良く、該材料の種類や光触媒の種類等により、適宜予備試験を行い、決めることができる。通常、5Å〜500Åの厚さである。
上記の紫外線透過性物質の容器表面への被覆により、該容器材料から容器内へのガス状有害成分の発生が抑制され、本発明の特徴である。
【0018】
光触媒は、上記紫外線透過性物質の表面やその近傍に付加し、ガス状有害成分の除去を行うものであり、光源からの光照射により励起され、接触角増加に関与する有機性ガス(非メタン炭化水素、H.C)を接触角の増加に関与しない形態に分解あるいは、付着しても影響を及ぼさない安定な形態に変換するものであればいずれでもよい。
通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手出来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の面から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,Sn,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,Te,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また2種類以上を複合して用いる。
【0019】
例えば、元素としてはSi,Ge,Se、化合物としてはAlP,AlAs,GaP,AlSb,GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,CdS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2 Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としてはTiO2 ,Bi2 O3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,MoO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3 ,BaTiO3 ,Co3 O4 ,Fe2 O3 ,NiOなどがある。
光触媒の付加は、蒸着法、スパッタリング法、焼結法、ゾル−ゲル法、塗布による方法、焼付け塗装による方法など、周知の付加方法を適宜用い、薄膜状、線状、網状、帯状、くし状、粒状、島状の適宜の形状を適用容器の種類、形状、要求性能などにより適宜に選択して用いることができる。
付加の厚さは、容器の外部の光源、例えはクリーンルームにおけるランプから放出される紫外線の上記紫外線透過性物質を介した照射により光触媒表面が光触媒作用を発揮する厚さであれば良く、紫外線透過性物質や光触媒の種類等により適宜予備試験を行い決めることができる。通常、10Å〜1000Åの厚さである。
【0020】
また、光触媒作用の向上のために、上記光触媒にPt,Ag,Pd,RuO2 ,Co3 O4 の様な物質を加えて使用することも出来る。該物質の添加は、光触媒による有機物の分解作用が加速されるので好ましい。これらは、一種類又は複数組合せて用いることができる。通常、添加量は、光触媒に対して、0.01〜10重量%であり、適宜添加物質の種類や要求性能などにより、予備試験行い適正濃度を選択することができる。
前記光触媒への紫外線照射の光源は、特別に設置を行わないで、容器の外部に存在する紫外線を利用できることが、本発明の大きな特徴である。即ち、光触媒の励起源は、クリーンルームにおける照明用ランプ等からわずかに発生する紫外線や自然に存在する紫外線を活用するものである。
即ち、本発明は、特別に個別の光源の設置を行わないでも、容器内の清浄化を行うものである。
【0021】
次に、光触媒によるH.C除去について説明する。
ウェハやガラスなどの基板に付着し、歩留りを低下させる有機性ガスは、気体中の多成分の有機性ガスの内の一部の該基板に付着しやすい構造を有する有機性ガスのみである。光触媒は吸着作用を有するので、この基板に付着しやすい構造を有する有機性ガスが光触媒の表面に吸着し、光触媒作用により分解される。
この作用について、次に詳しく説明する。
有機性ガスによる汚染は、前記した接触角で表現される。接触角を増加させる有機性ガスは、基板(ウエハ、ガラス材など)の種類や基板上の薄膜の種類、性状によって異なるが、本発明者らの研究によると次のように考えられる。
すなわち、通常クリーンルームにおける基板表面の接触角を増加させる有機性ガス(H.C)で共通して言えることは、高分子量のH.Cが主であり、その構造として−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つことである。このH.Cは親水部(−CO、−COO結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の−C−C−の部分)と考えることができる。
【0022】
具体例で説明すると、通常のクリーンルームにおけるガラス基板などの基板表面の接触角を増加させる有機性ガスは、C16〜C20の高分子量H.C、例えばフタル酸エステル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成分に共通することは化学的構造として、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つことである。
これらの汚染有機性ガスの起因は、高分子製品の可塑剤、離型剤、酸化防止剤などであり、高分子製品の存在する個所が発生源である(「空気清浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995)。
光触媒によるこれらの有機性ガスの処理メカニズムの詳細は不明であるが、次のように推定できる。すなわち、これらの有機性ガスは−CO、−COO結合の部分がウエハやガラス表面のOH基と水素結合し、その上部は疎水面となり、結果としてウエハやガラス表面は疎水性になり、接触角が大きくなり、その表面に成膜すると膜の付着力は弱い。
【0023】
有機性ガスが存在する雰囲気に光触媒を設置すると、その活性部である−CO、−COO結合部が、光触媒に吸着し、次いで光触媒作用により分解作用を受けて別の安定な形態に変換される。その結果として、有機性ガスは安定な形態となり、ウエハやガラス基板上には付着しないか、又は付着しても疎水性を示さない(「空気清浄」第35巻、第3号、p51〜58、1997)。
光触媒は、前記H.Cの分解・除去の他に、アンモニアやアミンのような塩基性ガス(ガス状有害成分)の除去にも効果的である。
また、本発明では、容器の種類(利用先)、試料ガスの条件(汚染物質の濃度が高い場合等)、要求性能によっては、容器の一部に少なくとも紫外線ランプ、光触媒及び/又は光電子放出材と電極からなる気体清浄化ユニットの設置を行うことができる。
新たに紫外線ランプと光触媒の設置を行う場合の光触媒による処理は、前記の光触媒を適宜の母材上に付加し、紫外線ランプの周囲に設置することで達成される。
光触媒によるH.C除去は、本発明者が既に提案した方法を適宜に用いることができる(特開平9−205046号公報)。
【0024】
次に、光電子放出材と電極について説明する。
光電子放出材と電極は、微粒子の共存が問題となる場合、例えば基板が収納される空間で微粒子が発生し、微粒子付着の問題が懸念される場合や製品が高品質、高精密のため極く微量の微粒子でも問題となる場合等に、該微粒子除去をH.C除去に加えて行う場合に設置して用いる。
該光電子放出材から放出する光電子による微粒子の荷電・捕集(除去)は、本発明者らが、既に提案した方法を適宜に用いて行うことができる(特公平3−5859号、特公平6−34941号、特公平7−93098号、特公平7−121369号、特公平8−211号各公報)。
光電子放出材は、紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい。効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は合金又は混合物が好ましく、これらは単独で又は二種以上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
【0025】
例えば、化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,CaO,Y2 O5 ,Gd2 O3 ,Nd2 O3 ,ThO2 ,ZrO2 ,Fe2 O3 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La2 O3 ,PtO,PbO,Al2 O3 ,MgO,In2 O3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化物にはYB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,CeB6 ,EuB6 ,PrB6 ,ZrB2 などがあり、さらに炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,NbC,WCなどがある。
また、合金としては黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、或いは薬品で酸化することによっても得ることができる。
【0026】
さらに他の方法としては使用前に加熱し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ることもできる。この例としてはMgとAgとの合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下で、その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸化薄膜は長期間にわたって安定なものである。
これらの材料は、適宜の母材、例えば、金属材、セラミックス材に付加して用いることができる。
これらの材料の使用形状は、棒状、線状、格子状、板状、プリーツ状、曲面状、円筒状、金網状等の形状が使用でき紫外線の照射面積の大きな形状のものが好ましい。
本発明者が、すでに提案したように光電子放出材に保護膜を設け、多重構造としたものも好適に使用できる(特開平3−108698号公報)。
母材上への光電子放出材の付加として、適宜の母材上へ薄膜状に光電子を放出しうる物質の付加がある(特開平4−152296号公報)。
また、石英ガラス上に光電子を放出し得る物質として、Auを薄膜状に付加したものがある(特公平7−93098号公報)。
【0027】
光電子放出材を母材に付加して使用する場合は本発明者がすでに提案しているように、導電性物質の付加を併せて行い用いることができる(特許第2598730号明細書)。
また、前記の紫外線源との一体化、例えば紫外線ランプ表面への光電子放出材の付加がある(特開平4−243540号)。該一体化は、装置がコンパクト化するので適用先・要求性能によっては好ましい形態である。
また、前記の光触媒との一体化も用いることができる(特願平8−132563号)。該一体化では、微粒子に共存するガス状有害成分の同時除去はもちろんのこと、光電子放出材がセルフクリーニングされるので、長時間安定に使用できること(光電子放出材の使用環境中に光電子放出材に対して有害な物質が共存しても光触媒により、分解・除去される)から好ましい。
前記のように、光電子放出材は、適宜の形状の母材表面に、周知の方法、例えば、イオンプレーティング法、蒸着法、スパッタリング法、CVD法、メッキ法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、スクリーン印刷による方法を適宜に用い、薄膜状、粒状、島状、帯状、網状、線状、格子状に付加し、用いることができる。
【0028】
光電子放出材への紫外線照射による光電子の放出は、電場下で効果的である。電極はそのために用いられる。
該電極の材料、位置や形状は、光電子放出材との間に電場(電界)が形成できるものであれば何れでも使用できる。電極材料とその構造は、周知の荷電装置において使用されているもので良い。電極材料は導体であれば何れも使用でき、この例としてSUS材、Cu−Zn材、タングステンの線、棒状、網状、板状がある。これらを1種類又は2種類以上組合わせて光電子放出材の近傍に電場が形成できるように設置する(特開平2−303557号)。
該電場電圧は、2V/cm〜2kV/cmである。好適な電場の強さは、利用分野、条件、装置形状、規模、効果、経済性等で適宜予備試験や検討を行い決めることが出来る(特開平2−303557号)。
電極は光触媒と一体化したものも装置の種類・要求性能によっては使用できる(特願平8−231290号)。
【0029】
次に、荷電微粒子捕集材(集じん材)について説明する。
該集じん材は、前記の光電子により荷電された微粒子を捕集するものである。荷電微粒子の捕集材(集じん材)は、通常の荷電装置における集じん板、集じん電極等各種電極材や静電フィルター方式が一般的であるが、スチールウール電極、タングステンウール電極のようなウール状構造のものも有効である。エレクトレック材も好適に使用できる。
光電子放出材、電極材、荷電微粒子の捕集材の好適な組合わせ方は、適用装置の形状、構造、要求性能、経済性などにより適宜決めることができる。
前記の電場用電極材は用途装置形状によっては集じん材と兼用あるいは一体化して行うことができる(特公平8−211号)。
前記の光電子を用いる微粒子の荷電捕集(除去)では、微粒子濃度をクラス10、好ましくはクラス1以下とすることで、基材又は基板の汚染防止が効果的となり、本発明の特徴である。
ここでクラスとは、微粒子濃度の単位であり、1ft3 中の粒径0.1μm以上の微粒子の個数を表わす。
【0030】
新たに設置する紫外線ランプは、その照射紫外線により光触媒及び/又は光電子放出材が夫々機能を発揮するものであれば何れでも良い。
通常、水銀灯がコスト、効果、簡易な形状などから好ましい。水銀灯の例としては、殺菌ランプ(主波長:254nm)、ブラックライト、蛍光ケミカルランプ、UV−β紫外線ランプがある。
この内、殺菌ランプが好ましい。これは殺菌ランプは、光触媒への有効照射量を強くでき(光触媒作用が強くなる)、前記光電子放出材からの光電子放出にも効果的で、オゾンレスで実施できるためである。また、殺菌作用を有することから、微生物(増殖)や菌類が問題となる所は特に好ましい。
本容器における気体の清浄化は、容器の種類、試料ガスの条件、要求性能、経済性等により、新たに光触媒による清浄方式及び/又は光電子による清浄方式を組合せて用いることができ、本発明の特徴の一つである。
【0031】
即ち、H.CやNH3 、アミンのようなガス状有害成分に対する要求が厳しい場合は、光触媒による方式を、微粒子が問題になる場合は、光電子による方式を、更に、ガスと微粒子の両方が問題となる場合は、これらを一体化した方式を用いることができる。
本発明の容器は、任意に取り付け、あるいは取り外しが容易な前記の光触媒及び/又は光電子を用いる気体清浄化ユニットを容器の一部に付加して用いることができるのであり、本発明の特徴である。
該ユニットを付加することにより、容器内で発ガスや発塵があっても迅速に除去される。即ち、本発明の容器はセルフクリーニング機能を有する容器である。気体清浄化ユニットは、容器の側面、天井面、床面の適宜の位置に設置し、清浄化を行うことができる。
【0032】
【実施例】
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
図1に示した概略図によって、クラス10000の半導体工場のクリーンルーム1におけるクラス10の局所高クリーン化ゾーンに設置されているウェハ保管庫2(ウェハ収納ストッカ)の空気清浄化を説明する。図1中、A部は本発明の光触媒を付加した紫外線透過物質で作製している透過壁であり、図2にその拡大図が示されているH.C分解部である。B部は清浄化されたウェハの収納部(被清浄空間部)を示す。すなわち、クリーンルーム1には、外部から導入されるH.Cに加えて、クリーンルーム構成材や器具類から脱ガスされた非メタン炭化水素が1.0〜1.5ppm存在する。そのため、クリーンルーム内に、ウェハへのH.Cの汚染を防止するためのウェハ保管庫2が設置されている。ウェハ保管庫2には、ウェハ3が収納されたウェハキャリア4を出し入れする毎に、すなわち、保管庫2の扉を開閉する毎に、クリーンルーム1から非メタン炭化水素(H.C)5が侵入する。
【0033】
ここで、H.C5は天井面全面に設置されたクリーンルーム1内の照射用ランプ6等から発生する紫外線の照射を受けた光触媒7の作用を受け、分解・除去され、ウェハ3が収納された収納部Bは清浄化される。すなわち、保管庫2の開閉により、クリーンルーム内の1.0〜1.5ppmのH.C5が保管庫2内に侵入するが、H.Cを含む空気は、本発明の保管庫2の容器壁8の表面に被覆された紫外線透過性物質9の上に付加された光触媒7と接触し、H.C5は0.1ppm以下まで分解される。これにより接触角の増加に関与する分子量の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解される。
ここで、塩基性ガスとしてNH3 が共存するが光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3 濃度:30〜50ppb)まで分解・除去される。
本例における容器壁8の材質はP.C、紫外線透過性物質9はITO100Å、光触媒7はTiO2 300Åである。
本保管庫2に、ウェハ3を収納しておくと、ウェハ3表面の接触角の増加が防止される(ウェハ3は汚染防止される)。
【0034】
実施例2
図3は、実施例1(図1、2)の保管庫2における光触媒7によるH.Cの分解・除去を、照明用ランプ6からの放射紫外線に加えて、保管庫2内部に、新たに紫外線ランプ10の設置を行い実施するものである。
11-1、11-2は、紫外線ランプ10の設置に伴い新たに設置した光触媒であり、紫外線ランプ10の照射を受け光触媒作用を発揮している。12は、しゃ光材であり、紫外線ランプ10からの放射紫外線のウェハへの照射を防ぐためのものである。
紫外線ランプ10、光触媒11-1、11-2、しゃ光材12は、気体清浄化ユニット(C)として一体化されており、容器への取り付け、取り外しが容易である。
ウェハ保管庫2には、ウェハ3が収納されたウェハキャリア4を出し入れする毎に、すなわち、保管庫2の扉を開閉する毎に、クリーンルームから非メタン炭化水素(H.C)5が侵入する。
【0035】
ここで、H.C5は照明用ランプ6等から発生する紫外線の照射を受けた光触媒7の作用、及び保管庫2内に新たに設置された光触媒11の作用を受け、分解・除去され、ウェハ3が収納された収納部Bは清浄化される。すなわち、保管庫2の開閉により、クリーンルーム内の1.5〜1.8ppmのH.Cが保管庫2内に侵入するが、H.Cを含む空気は空気の流れ13-1〜13-3により、本発明の透過壁Aにおける光触媒7と、気体清浄化ユニットCにおける光触媒11に順次接触し、H.Cは0.1ppm以下まで分解・処理される。即ち、紫外線照射された光触媒11の上下には、わずかな温度差が生じ、これにより保管庫2内の空気に上下の流れ(循環流)が生じ、空気は順次光触媒7、11に順次接触し、H.Cは効果的に処理される。これにより接触角の増加に関与する分子量の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解される。
【0036】
ここで、塩基性ガスとしてはNH3 が共存するが光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3 濃度:100〜200ppb)まで分解・除去される。
本例における容器8の材質はP.C、紫外線透過性物質9はITO100Å、光触媒7はTiO2 300Å、紫外線ランプ10は殺菌ランプ、光触媒11-1はTiO2 でAl板に付加、11-2はTiO2 でITO100Å上に5,000Å付加したものである。
この気体清浄化ユニットC部における光触媒11-2は、紫外線ランプ10からの放射紫外線の外部への放出を防ぐため厚く、5,000Åを付加したものである。
図3において、図1、2と同一符号は同じ意味を示す。
【0037】
実施例3
図4は、図3の保管庫2の変形例であり、図3に示した気体清浄化ユニットCを床面の下部に設置したものである。
図4において、図3と同一符号は同じ意味を示す。
【0038】
実施例4
図5は、実施例2のクリーンルームのウェハ保管庫(図3)において、光触媒11-1、11-2と紫外線ランプ10が存在する空間に、光電子放出材14と、該光電子放出材14から光電子を効率良く放出させるための電極15、そして光電子により荷電された荷電微粒子を捕集するための荷電微粒子捕集材16を設置したものである。
即ち、本保管庫2に収納したウェハ3はその表面が敏感であるため、微量の微粒子(粒子状物質)17の存在も問題となる。該微粒子17は、例えば、ウェハ3やウェハキャリア4の裏面に付着し、保管庫2内に持ち込まれ、他のウェハに付着し、汚染をもたらす。このため、本発明の透過壁Aを有する容器壁8に、紫外線ランプ10、光触媒11-1、11-2、該紫外線ランプ上に被覆した光電子放出材14、(光触媒11-1、11-2と一体化された)電極15、荷電微粒子捕集材16からなる気体清浄化ユニットCを付加し、H.C5の除去の加速を行うとともに、H.C5と微粒子17の同時除去を行う。
H.C分解部AにおけるH.C除去は、図3のごとくである。
【0039】
一方、微粒子17は、該ユニットCにおいて、光電子放出材14に紫外線ランプ(殺菌ランプ)10からの放出紫外線が照射されることにより生成する光電子により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は、荷電微粒子捕集材16に捕集・除去される。
空間中の微粒子17は、ユニットC内における紫外線ランプ10の照射により生ずるユニットC内の上下の温度差で引き起こされる空気の流れ13-1〜13-3により、順次ユニット内に送り込まれ、微粒子はクラス1以下まで捕集・除去される。
これにより、収納部Bは、接触角の増加に関与する分子量の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解されるとともに、塩基性ガスとしてNH3 が共存するが光触媒により1ppb以下(クリーンルーム空気中NH3 濃度:100〜200ppb)まで分解・除去され、クラス1よりも清浄な超清浄空間が創出される。
本保管庫2に、ウェハ3を収納しておくと、接触角の増加防止と、基板回路(パターン)の断線や短絡による欠陥の発生が防止される(ウェハ3は汚染防止される)。
図5中、図3と同一符号は、同じ意味を示す。
本例における光電子放出材14は、紫外線ランプ(殺菌ランプ)10上にAu100Åを付加したものである。
【0040】
実施例5
図1に示した保管庫(容器)に下記試料空気を入れ、光点灯されているクリーンルームに設置し、ストッカに収納したウェハ上の接触角及びストッカ中の非メタン炭化水素(H.C)とアンモニア濃度を測定した。
ストッカの大きさ ; 60リットル
容 器 ; P.C材の内面上に先ずITO100Åをスパッタリング法により被覆し、その上に光触媒としてTiO2 300Åを塗布による方法により付加し、80℃で乾燥。
試料空気 ; 半導体工場の非メタン炭化水素濃度1.5ppm、アンモニア60ppbのクラス10の空気
接触角の測定 ; 水滴接触角計、
非メタン炭化水素濃度の測定; GC法
アンモニア測定法 ; 化学発光法
ウェハの前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射(UV/O3 洗浄)
【0041】
結果
1)ウェハ基板上の接触角の測定
図6に結果を示す。図6において、−〇−印は本発明のもの、−△−印は、比較として同様の操作において容器をしゃ光カバーでおおい、光触媒への光照射を無くしたもの、−●−印はITO、TiO2 の付加がないもの(P.C材のみの容器)を示す。
また、P.C材のみの容器のとき、150時間後にウェハを取り出し、加熱によりウェハ上に付着したH.Cを脱離させ、GC/MS法で測定したところ、フタル酸エステルを検出した。一方、上記本発明の容器では検出しなかった。
【0042】
2)保管庫の空気中ガス状有害成分の測定
表1に結果を示す。比較として光照射のないものを併記する。
【表1】
クリーンルームにおける照明ランプは、天井面全面に設置された蛍光灯であり、その発光スペクトルを図7に示す。図7中300〜380nmの光(D部)が光触媒の作用に有効な波長と考えられる。この光の光量は0.2mW/cm2 であった。
【0043】
実施例6
図1に示した保管庫に、図5のごとく紫外線ランプ、光触媒、光電子放出材、電極からなる気体清浄化ユニットCを付加し、ウェハ上の接触角、保管庫中の非メタン炭化水素(H.C)濃度、アンモニア濃度、微粒子濃度を測定した。
ストッカの大きさ ; 60リットル
容 器 ; P.C材に先ずITO100Åをスパッタリング法により被覆し、その上に光触媒としてTiO2 300Åを塗布による方法により付加し、80℃で乾燥
気体清浄化ユニット;
紫外線ランプ : 殺菌ランプ(254nm)、10W
光触媒 : Al上にTiO2 をゾル−ゲル法で付加
光電子放出用の電極 : 前記光触媒に目のあらい網状Cu−Znを付加(一体化)、電界50V/cm
荷電微粒子捕集材 : 板状Cu−Zn材、電界800V/cm
【0044】
試料空気 ; 半導体工場の非メタン炭化水素濃度1.6ppm、アンモニア80ppbのクラス100の空気
接触角の測定 ; 水滴接触角計、
非メタン炭化水素濃度の測定; GC法
アンモニア測定法 ; 化学発光法
微粒子濃度測定器 ; パーティクルカウンタ(光散乱式、>0.1μm)
ウェハの前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射(UV/O3 洗浄)
【0045】
結果
1)ウェハ基板上の接触角の測定
図8に結果を示す。図8において、−〇−印は本発明のもの、−△−印は、比較として同様の操作において容器をカバーでおおい、光触媒への光照射を無くしたもの、−●−印はITO、TiO2 の付加がないもの(P.C材のみの容器)を示す。
また、P.C材のみの容器のとき、130時間後にウェハを取り出し、加熱によりウェハ上に付着したH.Cを脱離させ、GC/MS法で測定したところ、フタル酸エステルを検出した。一方、上記本発明の容器では検出しなかった。
2)保管庫の空気中汚染物質の測定
図9にH.C濃度、図10にアンモニア濃度、図11に微粒子濃度を示す。
図9〜11において、−〇−印は気体清浄化ユニットを作動させた本発明のもの、−△−印は気体清浄化ユニットを作動させない本発明のもの、−●−印は比較としてのP.C材のみの容器(ITOとTiO2 の付加がないもの)の場合を示す。
図9〜11において、↓印は不検出(検出限界以下)を示す。
【0046】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができる。
1)基材又は基板表面の汚染を防止する収納容器において、容器材料として透明な材料を用い、該容器の内部表面に紫外線透過性物質とその表面に光触媒を被
覆したことにより、
▲1▼ 透明な材料のため、ウェハ等の収納物品を外から見ることができるので、容器の操作性が向上した。また、金属材に比べて、軽量化されたので実用性が向上した。
▲2▼ 紫外線透過性物質の被覆により、容器材料からの発ガス(ガス状有害成分の発生)が抑制された。
▲3▼ 紫外線透過性物質の被覆により、その表面に光触媒を付加することができた。即ち、例えば、P.C上への光触媒の直接の付加だと、光触媒によりP.C自体が分解され発ガスを生じるが、紫外線透過性物質を被覆することにより、容器構成材(例、P.C)に影響を与えることなく、光触媒が付加できた。更に、これにより外部からの紫外線を光触媒に照射することができた。
即ち、外部に存在する紫外線を有効利用し、汚染物質を除去でき、光触媒が効果的に作用する構成となった。
【0047】
2)前記1)の容器に、紫外線ランプと光触媒及び/又は光電子放出材と電極とを有する気体清浄化ユニットの付加(設置)を行うことにより、
▲1▼ 該ユニット内に設置された紫外線ランプの照射により、ユニット上下に温度差が生じ、それにより容器内に気流が発生するので、容器内の汚染物質は、順次容器壁面の光触媒及びユニット内の光触媒及び/又は光電子に接触するので、汚染物質は迅速に除去された。
▲2▼ 該気体清浄化ユニットの設置においては、適用容器の種類、要求性能、経済性等により、光電子による清浄方式(微粒子の除去のみ)、光触媒による清浄方式(ガス状有害成分の除去のみ)、該光電子と光触媒の一体化(微粒子とガスの同時除去)を適宜に選択できた。
即ち、多種類の試料気体条件に対応できる実用上効果的な清浄方式となり、適用範囲が広がった。
【0048】
3)前記2)における気体清浄化ユニットは、容器から取り外しが容易にできることにより、
▲1▼ 容器の収納部と切り離しが簡単にできるので、収納部や該容器の保守管理が容易となった。
即ち、保守・管理・維持が容易な容器となった。
4)前記により、
▲1▼ 基板の収納部や搬出に伴う容器内への浸入汚染物質は当然のこと基板表面からの発ガスや発塵材料からの発ガスや発塵も除去され、容器内はセルフクリーニング的に超清浄化された。
▲2▼ 容器材料として、発ガスが懸念されているプラスチック材料が使用できた。プラスチックは軽いので実用上有効な容器となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の収納容器(ウェハ保管庫)を設置したクリーンルームの基本構成図。
【図2】収納容器の透過壁の拡大構成図。
【図3】本発明の他の収納容器(ウェハ保管庫)の断面構成図。
【図4】本発明の別の収納容器(ウェハ保管庫)の断面構成図。
【図5】本発明のもう一つの収納容器(ウェハ保管庫)の断面構成図。
【図6】収納時間(h)による接触角(度)の変化を示すグラフ。
【図7】蛍光灯ランプの発光スペクトル図。
【図8】収納時間(h)による接触角(度)の変化を示すグラフ。
【図9】収納時間(h)によるH.C濃度(ppm)の変化を示すグラフ。
【図10】収納時間(h)によるNH3 濃度(ppb)の変化を示すグラフ。
【図11】収納時間(h)によるクリーン度(クラス)の変化を示すグラフ。
【図12】従来の半導体工場のクリーンルームの基本構成図。
【符号の説明】
1:クリーンルーム、2:収納容器(ウェハ保管庫)、3:ウェハ、4:ウェハキャリア、5:非メタン炭化水素、6:照射用ランプ、7:光触媒、8:容器壁、9:紫外線透過性物質、10:紫外線ランプ、11-1、11-2:光触媒、12:遮光材、13-1〜13-3:空気の流れ、14:光電子放出材、15:電極、16:荷電微粒子捕集材、17:微粒子、
A:透過壁、B:収納部、C:気体清浄化ユニット。
Claims (3)
- 基材又は基板表面の汚染を防止する、紫外線を透過する合成樹脂製の透明な材料からなる基材又は基板用の収納容器において、該合成樹脂製の透明な材料からなる収納容器の内部表面に、無機性材料の紫外線透過性物質を被覆し、該被覆した紫外線透過性物質の表面に、厚さ10〜1000Åの光触媒を被覆したことを特徴とする外部からの紫外線を含む光の照射により汚染を防止できる基材又は基板用収納容器。
- 前記収納容器は、該容器内の一部に、紫外線ランプと、該紫外線ランプの周囲に設けた光触媒又は光電子放出材又は光触媒及び光電子放出材と、電場形成用電極とを有する気体清浄化ユニットを設置したことを特徴とする請求項1記載の基材又は基板用収納容器。
- 前記紫外線ランプは、殺菌ランプであることを特徴とする請求項2記載の基材又は基板用収納容器。
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