JP2991963B2 - 基材又は基板表面の汚染防止方法と装置 - Google Patents

基材又は基板表面の汚染防止方法と装置

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JP2991963B2 JP8031231A JP3123196A JP2991963B2 JP 2991963 B2 JP2991963 B2 JP 2991963B2 JP 8031231 A JP8031231 A JP 8031231A JP 3123196 A JP3123196 A JP 3123196A JP 2991963 B2 JP2991963 B2 JP 2991963B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空間中の基材又は
基板表面の汚染を防止する方法及び装置に係り、特に半
導体製造や液晶製造などの先端産業における原材料、半
製品、製品の基材や基板表面の汚染防止に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を、半導体製造工場における
クリーンルームの空気清浄を例にとり、以下説明する。
クリーンルームにおいては、微粒子(粒子状物質)や、
自動車の排気ガス、民生品として広く使用されている高
分子樹脂製品からの脱ガスなどに起因する空気中のメタ
ン以外の極低濃度の炭化水素(H.C)などのガス状物
質が汚染物質として問題となる。特に、H.Cはガス状
有害成分として通常の空気(室内空気及び外気)中の極
低濃度のものが汚染をもたらすので、除去する必要があ
る。また、最近ではクリーンルームの構成材の高分子樹
脂類からの脱ガスがH.C発生源として問題となってい
る。すなわち、H.Cの起因として通常のクリーンルー
ムでは、外気から導入されたH.C(クリーンルームで
のフィルタでは、H.Cは除去できないので、外気中の
H.Cは導入されてしまう)に、前記のクリーンルーム
内で発生したH.Cが加わるので、外気に比べてクリー
ンルーム中のH.Cは高濃度となり、基材や基板を汚染
する。
【0003】H.Cは、クリーンルームにおける作業で
生じる各種の溶剤(アルコール、ケトン類など)も濃度
が高くなると汚染物質として問題となる。すなわち、上
述の汚染物質(微粒子及びH.C)がウエハ、半製品、
製品の基板表面へ付着すれば、 微粒子では基板表面
回路(パターン)の断線や短絡を引き起こし欠陥を生じ
させる。一方、 H.Cは基板とレジストとの親和性
(なじみ)に影響を与える。そして、親和性が悪くなる
とレジストの膜厚に悪影響を与えたり、基板とレジスト
との密着性に悪影響を与える。このような原因により、
これらの汚染物質は、半導体製品の生産性(歩留り)を
低下させる。特に、ガス状有害成分としてのH.Cは上
述の発生起因により、また最近では省エネの観点でクリ
ーンルーム空気の循環を多くして用いるので、クリーン
ルーム中のH.C濃度は濃縮され、外気に比べかなりの
高濃度となっており、基材や基板に付着し、該表面を汚
染する。この汚染の程度は、基材や基板の接触角で表わ
すことができ、汚染が激しいと接触角が大きい。接触角
が大きい基材や基板は、その表面に成膜しても膜の付着
強度が弱く(なじみが悪い)、歩留まりの低下をまね
く。
【0004】ここで、接触角とは水によるぬれの接触角
のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の汚染物質が
付着すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくな
る。すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従
って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さ
いと汚染度が低い。従来のクリーンルームの空気を浄化
する方法あるいはそのための装置には、大別して、
(1)機械的ろ過方法(HEPAフィルターなど)、
(2)静電的に微粒子の捕集を行う、高電圧による荷電
あるいは導電性フィルターによるろ過方式(HESAフ
ィルターなど)、がある。これらの方法は、いずれも微
粒子の除去を目的としており、メタン以外の炭化水素
(H.C)のような、接触角を増大させるガス状の汚染
物質の除去に対しては効果がない。
【0005】一方、ガス状の汚染物質であるH.Cの除
去法としては、燃焼分解法、O3 分解法などが知られて
いる。しかし、これらの方法は、クリーンルームへの導
入空気中に含有する極低濃度のH.Cの除去には効果が
ない。これらに対し、本発明者らは、基材又は基板表面
の汚染を防止する方法及び装置として、上記接触角の増
大を防止するために吸着材や吸収材などを用いる方法及
び装置を、すでに提案した(特開平5−157284
号、特開平6−324号、特開平7−8752号各公
報)。これらの方法及び装置では、H.Cの除去に吸着
材や吸収材を用いているので、廃棄物がでるという問題
があった。そこで、これらに対して除塵手段と光触媒に
よる炭化水素分解手段を用いる方法及び装置を提案した
(特開平7−57981号公報)。この方法及び装置は
適用分野によっては有効であるが、更に実用性を増すた
めに一層の改善を行う必要がある。また、適用先によっ
ては、より効果的な方式に改善を行う必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、現状の大部
屋方式のクリーンルームはコスト高の問題があるため、
今後のクリーン化技術は、局所空間を高清浄化する方式
が必要になると思われる。しかし、局所空間(制御空間
のスケール縮小)では、現状のクリーンルームに比べて
プラスチック、シール材、接着剤等の高分子材料の使用
比率が増えるので、該高分子材料類からのH.Cの脱ガ
スが汚染源として問題になる。このため、H.Cの効果
的な除去技術が期待される。そこで、本発明の課題は、
クリーンルームへの導入空気中に含有し、かつクリーン
ルーム内で発生する基材及び基板表面の接触角を増大さ
せるH.Cを効果的、かつ簡便に除去あるいは接触角増
加に関与しないH.Cへ変換することを可能にする方法
及び装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、基材又は基板表面の汚染を防止する方
法において、該基材又は基板と接触する少なくとも炭化
水素を含む気体を、光が照射されている光触媒と接触さ
せて、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に浄化
した後、該気体を基材又は基板表面に暴露させるに際
し、前記光触媒が、光源の表面に薄膜状に形成されて、
光源と光触媒とが一体化されているか、又は、前記基材
又は基板と接触する気体が密閉空間内の気体であり、前
記光触媒が、該空間内に空間容積1m 3 当り、50〜50
000cm 2 の表面積で設置されていることとしたもので
ある。
【0008】また、本発明では、基材又は基板表面の汚
染を防止する装置において、該基材又は基板と接触する
気体を非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に浄化
する、光源と光触媒とからなる浄化装置と、該装置で浄
化された気体を基材又は基板表面に暴露させる手段とを
有し、さらに、前記浄化装置は、光触媒が光源の表面に
薄膜状に形成されて、光源と一体化されているか、又
は、前記浄化装置が、密閉空間内に設置され、前記光触
媒が、該空間内に空間容積1m3当り、50〜5000
0cm2の表面積で設置されていることとしたものであ
る。 さらに、本発明では、前記浄化装置は、光触媒が光
源の表面に薄膜状に形成されて、光源と一体化されてい
ることとしたものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、次の4つの知見に基づ
いて発明されたものである。即ち、1)通常の空気(外
気)中には、ガス状有害成分としてNOx、SOx、H
Clのような酸性ガス、アンモニア、アミンのようなア
ルカリ性ガス及び炭化水素(H.C.)が存在し、クリ
ーンルームにおけるフィルタでは、これらのガス状有害
成分の捕集はできないので、これらの有害ガスはクリー
ンルームに導入されてしまう。この内通常の空気中濃度
レベルではウエハなどの基板の接触角の増加への関与は
H.C.が最とも大きい(空気清浄、第33巻、第1
号、p16−21、1995)。 2)少なくとも一部が有機物(高分子樹脂)で構成され
るクリーンルーム環境では、該有機物から、極微量の有
機性ガス(H.C)が発生し、クリーンルーム空間中の
収容物(ウエハやガラス基板などの原料、半製品)を汚
染する。
【0010】すなわち、クリーンルーム空間では、少な
くともその一部に有機物(例、プラスチック容器、パッ
キン材、シール材、接着材、壁面の材料等)を使用して
おり、該有機物から極く微量の有機性ガスが発生する。
例えば、シール材からはシロキサン、収納容器の材料で
あるプラスチック材からはフタル酸エステルなどが発生
し、これらの有機性ガスは、発生濃度は極く低濃度であ
るが、クリーンルームは閉鎖系であり、閉じ込められる
ので(最近クリーンルームは省エネの点で空気の循環使
用の比率が高い)、該濃度は徐々に高くなり、クリーン
ルーム内の収容物の上に付着し悪い影響を与えてしま
う。このように、クリーンルーム中のH.C.は外気か
らの導入、H.C.に内部からの発生ガスが加わるの
で、多成分、かつ高濃度になっており、最近ではクリー
ンルームはH.Cに関してはダーティルームと言われて
おり、今後、効果的なH.C処理法が必要になってい
る。
【0011】3)本発明の対象分野である先端産業で
は、従来粒子状物質の除去で十分であったものが、製品
の高品質化、精密化により(より高価な製品は、集積度
が密、すなわちより微細化、高精密化になり)、今後ガ
ス状物質の影響、すなわち、H.Cの影響を受けるよう
になる。 4)非メタン炭化水素は、通常の空気(室内空気及び外
気)中の濃度で汚染をもたらす。また種々の非メタン炭
化水素のうち、接触角を増大させる成分は基材の種類
(ウエハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類・性状
によって異なると考えられる。本発明者は鋭意検討した
結果、非メタン炭化水素を指標として、これを後述光触
媒により0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以
下まで除去すれば効果がある。
【0012】次に、本発明の一例を図面を用いて詳細に
説明する。図1に本発明で用いる浄化装置の概略構成図
を示す。図1において、浄化装置は光源1の表面に光触
媒2が薄膜状に形成されて一体化されている。この浄化
装置は、光源1として、例えば紫外線ランプを用い、該
ランプの表面上に光触媒、例えばTiO2 が形成されて
いる。薄膜状に形成された光触媒2は光源1からの光を
吸収して光触媒作用を発揮する。本発明は、前記の一体
化した浄化装置を用いる以外に、密閉空間内に該空間容
積1m3 当り、50〜50000cm2 の表面積を有す
る光触媒を設置し、該光触媒に光を照射することによっ
ても達成できる。
【0013】次に、本発明の夫々の構成を詳細に説明す
る。光触媒は、光照射により励起され、接触角増加に関
与する有機性ガス(非メタン炭化水素)を接触角の増加
に関与しない形態に分解あるいは、付着しても影響を及
ぼさない安定な形態に変換するものであればいずれでも
よい。通常、半導体材料が効果的であり、容易に入手出
来、加工性も良いことから好ましい。効果や経済性の面
から、Se,Ge,Si,Ti,Zn,Cu,Al,S
n,Ga,In,P,As,Sb,C,Cd,S,T
e,Ni,Fe,Co,Ag,Mo,Sr,W,Cr,
Ba,Pbのいずれか、又はこれらの化合物、又は合
金、又は酸化物が好ましく、これらは単独で、また2種
類以上を複合して用いる。
【0014】例えば、元素としてはSi,Ge,Se、
化合物としてはAlP,AlAg,GaP,AlSb,
GaAs,InP,GaSb,InAs,InSb,C
dS,CdSe,ZnS,MoS2 ,WTe2 ,Cr2
Te3 ,MoTe,Cu2 S,WS2 、酸化物としては
TiO2 ,Bi2 3 ,CuO,Cu2 O,ZnO,M
oO3 ,InO3 ,Ag2 O,PbO,SrTiO3
BaTiO3 ,Co34 ,Fe2 3 ,NiOなどが
ある。また、光触媒作用の向上のために、上記光触媒に
Pt,Ag,Pd,RuO2,Co3 4 の様な物質を
加えて使用することも出来る。該物質の添加は、光触媒
によるH.C分解作用が促進されるので好ましい。これ
らは、一種類又は複数組合せて用いることができる。通
常、添加量は、光触媒に対して0.01重量%〜10重
量%であり、適宜添加物質の種類や要求性能などにより
予備実験を行い、適正濃度を選択することができる。添
加の方法は、含浸法、光還元法、スパッタ蒸着法、混練
法など周知手段を適宜用いることができる。
【0015】光触媒の固定は、光触媒を板状、綿状、網
状、ハニカム状、膜、シート状あるいは繊維状などの適
宜の材料にコーティングしたり、あるいは包み、又は挟
み込んでユニット内に固定して用いてもよい。例えば、
セラミック、フッ素樹脂、ガラス材に、ゾル−ゲル法、
焼結法、蒸着法、スパッタリング法などの周知の付加手
段を適宜に用いて行うことができる。例として、ガラス
材やアルミナ板へのTiO2 のゾル−ゲル法による付加
がある。また、光触媒と光源を一体化するための光触媒
の光源への固定法は、ゾル−ゲル法、焼結法、蒸着法、
スパッタリング法などの周知の付加手段を適宜に用いる
ことができる。この場合の付加の厚さは、光触媒が光源
からの光を吸収し、表面(ランプと反対面)の光触媒が
活性化すれば良いので、薄膜状で、ランプの光が光触媒
表面に到達する程度の厚さで良い。そして、好適な薄膜
の厚さは、用いる光触媒の種類(光の透過性)、光源の
種類、出力などにより、適宜予備実験を行い決めること
ができる。
【0016】光触媒の密閉空間への設置は、該空間容積
1m3 当り、10cm2 以上の表面積の光触媒を設置す
ることで、該空間中の炭化水素は、順次光触媒に接触
し、効果的に分解される。特に、該空間への光触媒の設
置は密閉空間の容積1m3 当り、50cm2 以上の表面
積で効果的であり、面積が広い程、効果的であるが、コ
スト、維持、管理、効果などを考慮すると、面積の広さ
には限界があり、実用上の面積は通常50〜50000
cm2 、好ましくは100〜10000cm2 の範囲で
ある。光触媒の設置場所は、密閉空間の壁面部や天井部
に1又は数個所設置すればよい。光触媒の設置場所やそ
の設置面積は、用途、装置形状、規模、要求性能、光触
媒の種類やその固定化方法、光源の種類や光の照射方法
などにより、適宜予備試験を行い決めることができる。
【0017】次に、光源としては、光触媒への光照射に
より、光触媒が光触媒作用を有するものであれば何れで
も良い。すなわち、光触媒作用によるH.Cの分解は、
光触媒の種類により定まる光吸収域の(波長域の)光を
光触媒に照射しつつ被処理気体を光触媒に接触させるこ
とにより行うことができる。光触媒の主たる光吸収域を
例示すればつぎのごとくである。 Si:<1,100(nm)、Ge:1,825(n
m)、Se:<590(nm)、AlAs:<517
(nm)、AlSb:<827(nm)、GaAs:<
886(nm)、InP:<992(nm)、InS
b:<6,888(nm)、InAs:<3,757
(nm)、CdS:<520(nm)、CdSe:<7
30(nm)、MoS2 :<585(nm)、ZnS:
<335(nm)、TiO2 :<415(nm)、Zn
O:<400(nm)、Cu2 O:<625(nm)、
PbO:<540(nm)、Bi2 3 :<390(n
m)。
【0018】光源は、光触媒の光吸収域の波長を持つも
のであればよく、周知のものが適宜使用できる。可視光
線又は紫外線、特に後者の使用が好ましい。紫外線はた
とえば水銀灯、水素放電管、ライマン放電管、キセノン
放電管などを光吸収域等により適宜使用することができ
る。通常、水銀灯がコスト、効果、簡易な形状などから
好ましい。好適な光源の種類は、光触媒の種類、添加物
質の有無、適用先や適用装置の種類とその規模、要求性
能などにより適宜予備実験を行い決めることができる。
接触角を増加させる有機性ガス(H.C)は、基板(ウ
エハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類、性状によ
って異なるが、本発明者らの研究によると次のように考
えられる。
【0019】すなわち、通常のクリーンルームにおける
基板表面の接触角を増加させる有機性ガス(H.C)で
共通して言えることは、高分子量のH.Cが主であり、
その構造として−CO、−COO結合(親水性を有す
る)を持つことである。このH.Cは親水部(−CO、
−COO結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構
造の−C−C−の部分)と考えることができる。具体例
で説明すると、通常のクリーンルームにおけるガラス基
板などの基板の表面の接触角を増加させる有機性ガス
は、C16〜C20の高分子量H.C、例えばフタル酸エス
テル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成
分に共通することは化学的構造として、−CO、−CO
O結合(親水性を有する)を持つ。これらの汚染有機性
ガスの起因は、高分子製品の可塑剤、離型剤、酸化防止
剤などであり、高分子製品の存在する個所が発生源であ
る。(「空気清浄」第33巻、第1号、p16〜21、
1995)
【0020】光触媒によるこれらの有機性ガスの処理メ
カニズムの詳細は不明であるが、次のように推定でき
る。すなわち、これらの有機性ガスは−CO、−COO
結合の部分がウエハやガラス表面のOH基と水素結合
し、その上部は疎水面となり、結果としてウエハやガラ
ス表面は疎水性になり、接触角が大きくなり、その表面
に成膜すると膜の付着力は弱い。有機性ガスが存在する
雰囲気に光触媒を設置すると、先ず、光触媒にウエハや
ガラス表面と同様に有機性ガスがその表面に吸着し、次
いで、その活性部である−CO、−COO結合部が、光
触媒への光の照射で別の安定な形態に変換される。その
結果として、有機性ガスは安定な形態となり、ウエハや
ガラス基板上には付着しないか、又は付着しても疎水性
を示さない。本発明は、通常のクリーンルームにおける
空気中をはじめ各種気体中例えばN2 、Ar中でも同様
に使用できる。
【0021】また、H.C以外のガス状有害成分、例え
ば、NOx、NH3 、S又はNを含有する臭気性成分
が、不純物として許容濃度以上の高い濃度で含まれる場
合も、該ガス状有害成分の除去に対し、本発明を同様に
実施できることは言うまでもない。本発明を適用し得る
空間とは、上述の大気圧下の他に、加圧下、減圧下、真
空下を指し、同様に実施できる。通常のクリーンルーム
では、ガス状有害成分として、H.Cが外気濃度レベル
でも基板の接触角を増加させ、汚染物として、特に関与
が大きいので、本発明では、主にH.C.の処理につい
て説明した。すなわち、H.C除去を指標として基材や
基板と接触する気体を処理すれば良い。例えば、クリー
ンルームにおいて酸やアルカリ性物質が高濃度で存在す
る場合、例えば酸やアルカリ性物質を用いる洗浄工程に
おける発生NOxやNH3 がクリーンルームに流出して
いる場合、該ガス状の汚染物質の濃度によっては、上述
の接触角増加に関与する。この場合は、該ガス状の汚染
物も光触媒による作用により処理される。例えば、NO
xは、酸化され硝酸の形で捕集・除去され、接触角が増
加しない清浄気体となる。
【0022】上記は、いずれも基板の接触角を増加する
ガス状有害成分の処理について述べたが、本発明を用い
る環境において微粒子濃度が高い場合は、周知のフィル
タ方式や本発明者が既に提案した光電子を用いる微粒子
除去方式(例、特公平3−5859号、特開平4−17
1061号、特開平5−138070号各公報)を適
宜、同時に用いることができる。例えば、微粒子濃度が
高いと、適用装置によっては光触媒の表面に微粒子が付
着し、性能劣化を引き起こすことがある。この様な場
合、微粒子除去を同時に行うことが好ましい。また、本
発明で使用している密閉空間とは、基本的に閉鎖された
空間であり、局所空間とも呼ばれ、基本的に閉じられた
系であればいずれでも良い。すなわち、リークなどによ
り外部から多少の気体の出入りがあっても何ら支障な
く、本発明を適用できることは言うまでもない。
【0023】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 クラス10,000の半導体工場のクリーンルームにお
けるクラス10の局所高クリーン化ゾーンに設置されて
いるウエハ保管庫(ウエハ収納ストッカ)の空気清浄
を、図2に示した本発明の基本構成図を用い説明する。
クリーンルームには、外気からの導入H.Cに加えて、
クリーンルーム構成材からの脱ガスの非メタン炭化水素
が1.0〜1.5ppm存在する。そのため、クリーン
ルームには、ウエハへのH.Cの汚染を防止するためウ
エハ保管庫3が設置されている。ウエハ保管庫3には、
ウエハ4が収納されたウエハキャリア5を、該保管庫3
に出し入れする毎に、すなわち該保管庫3の扉の開閉毎
に、クリーンルームから接触角を増加させる非メタン炭
化水素(H.C)6が浸入する。
【0024】H.Cは、本発明の紫外線ランプ1の表面
に光触媒材2としてTiO2 が薄膜状に付加された(光
源と光触媒材が一体化された)装置Aにて分解、処理さ
れる。すなわち、保管庫3の開閉により、クリーンルー
ムにおける1.0〜1.5ppmのH.Cが保管庫3に
侵入するが、該H.Cを含む空気は、空気の流れ7-1
-2、7-3により本発明の装置Aにおける光触媒2に接
触する。そして、H.Cは、非メタン炭化水素を指標と
して0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下ま
で分解される。光触媒2による作用は、紫外線照射され
た光触媒2の上下には、わずかな温度差が生じ、これに
より、保管庫3内の空気に上下の流れ(循環流)が生
じ、空気は順次光触媒に接触し、H.Cは効果的に処理
される。8はしゃ光材であり、紫外線ランプ2からのわ
ずかなリーク紫外線のウエハ4への照射を防ぐものであ
る。このようにして、ウエハ(基板)が存在する被清浄
空間部Bは、洗浄化され接触角が増加しない空間とな
る。
【0025】実施例2 図3は、本発明を半導体製造工場におけるクラス1,0
00のクリーンルームでのエアーナイフ用の供給空気の
浄化に適用した例である。クラス1,000のクリーン
ルームにおける空気9は粗フィルタ10、接触角を増大
させるH.Cを分解する光触媒2、光触媒に紫外線照射
を行う紫外線ランプ1及び除塵フィルタ11よりなる汚
染防止装置12によって処理される。空気9は装置12
を通過した後には、除塵されてかつH.C成分が分解さ
れた清浄な空気13となっていて、ウエハ(基板)を洗
浄するためのエアーナイフ装置14へ供給される。クラ
ス1,000のクリーンルームには、外気から導入され
たH.Cに加えて、クリーンルームの構成材からの脱ガ
スH.Cにより非メタン炭化水素(H.C)が1.1〜
1.3ppm存在する。そのため、クリーンルームの空
気9は、先ず粗フィルタ3により除塵される。このフィ
ルタは、クリーンルームで発塵があった場合、該塵(粒
子状物質)により光触媒が物理的に汚染され性能劣化す
ることを防ぐために設置されている。
【0026】次いで、該H.Cは、本発明の棒状紫外線
ランプ1の表面に光触媒材2としてTiO2 が薄膜状に
付加された(光源と光触媒材が一体化された)装置Aに
て、非メタン炭化水素を指標として0.2ppm以下、
好ましくは0.1ppm以下まで分解される。これによ
り、接触角増加に関与する分子量の大きいH.C及び活
性なH.CはH.Cの種類によって接触角が増加しない
分子量の小さいH.Cもしくは二酸化炭素や水に分解さ
れる。除塵フィルタ11は、クリーンルーム内のクラス
1,000の濃度の微粒子及び緊急時にH.C分解部も
しくはその周辺からの流出微粒子を効率良く捕集するも
のであり(除塵部)、ULPAフィルタを用いている。
ULPAフィルタにより微粒子がクラス10以下まで除
去される。このようにして、基板の接触角を増加させな
い清浄空気13が得られ、エアーナイフ装置14へ供給
される。
【0027】実施例3 図2に示した構成の保管庫に下記試料ガスを入れ、光触
媒材に紫外線照射を行い、保管庫に収納したウエハ上の
接触角及び該ウエハにCr膜を成膜し、該膜のウエハと
のなじみ(付着力)を測定した。また、保管庫内のウエ
ハに吸着した炭化水素の同定、及び保管庫中の非メタン
炭化水素の濃度を調べた。また、比較として、光触媒材
がない場合(ブランク)も同様に調べた。 保管庫の大きさ ; 80リットル 光 源 ; ケミカルランプ6W(360nmにピーク) 光触媒材 ; TiO2 光源への光触媒材の付加 ; ケミカルランプの表面にTiO2 をゾル−ゲル 法で100nmの厚さで被覆した。
【0028】 接触角の測定 ; 水滴接触角法〔(株)協和界面科学製、CA−DT型 〕 ウエハ上の成膜 ; Cr300nm厚さ、スパッタリング法 成膜したCrの付着力 ; スクラッチ試験(RHESCA製CSR02型) 保管庫中非メタン炭化水素の測定 ; ガスクロマトグラフ(GC) ウエハ上に吸着した炭化水素の同定 ; GC/MS法 試料ガス ; 微粒子濃度:クラス10(1ft3 中の0.1μm以 上の微粒子の個数) 非メタン炭化水素濃度:1.1ppm 保管庫内のウエハ ; 5インチウエハを1cm×8cmに切断し、下記前処 理後、保管庫に設置。 ウエハの前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射 (UV/O3 洗浄)。
【0029】結果 図4は、経過時間による接触角(角度)と付着力(m
N)の変化を示すグラフである。図4において、接触角
は光触媒が有る場合−〇−、無い場合−●−で示し、ま
た付着力は光触媒が有る場合−△−、無い場合−▲−で
示す。このように、光触媒を設置した場合は、時間の経
過によっても変化がなかった。また、光触媒なしのと
き、50時間後にウエハを取り出し、加熱によりウエハ
上に付着した炭化水素を脱離させ、GC/MS法で測定
したところ、フタル酸エステルを検出した。光触媒を設
置した場合は検出しなかった。また、保管庫内の非メタ
ン炭化水素の濃度は、光触媒有りの場合、2時間、20
時間、50時間、98時間の経過後、いずれも0.1p
pm以下であった。光触媒無しの場合、2時間、20時
間、50時間、98時間の経過後、いずれも0.9pp
mであった。
【0030】実施例4 クラス10,000の半導体工場のクリーンルームにお
けるクラス10の局所高クリーン化ゾーンに設置されて
いるウエハ保管庫(ウエハ収納ストッカ)の空気清浄
を、図5に示した本発明の他の基本構成図を用いて説明
する。図5中、A部は本発明の光触媒によるH.C分解
部、B部はウエハの収納部(被清浄空間部)を示す。ク
リーンルームには、外部からの導入H.Cに加えて、ク
リーンルーム構成材から脱ガスされた非メタン炭化水素
が1.0〜1.5ppm存在する。そのため、クリーン
ルーム内にウエハへのH.Cの汚染を防止するためのウ
エハ保管庫3が設置されている。ウエハ保管庫3には、
ウエハ4が収納されたウエハキャリア5を出し入れする
毎に、すなわち、保管庫3の扉を開閉する毎に、クリー
ンルームから接触角を増加する非メタン炭化水素(H.
C)6が侵入する。
【0031】H.C6は紫外線ランプ1の照射を受けた
光触媒2で分解処理され、ウエハ4が収納された被清浄
空間Bは清浄化される。すなわち、保管庫3の開閉によ
り、クリーンルーム内の1.0〜1.5ppmのH.C
が保管庫3内に侵入するが、該H.Cを含む空気は空気
の流れ7-1、7-2、7-3により、本発明のH.C分解部
Aにおいて光触媒2と接触し、H.Cは非メタン炭化水
素を指標として0.2ppm以下、好ましくは0.1p
pm以下まで分解される。光触媒2による作用は、紫外
線照射された光触媒2の上下には、わずかな温度差が生
じ、これにより保管庫3内の空気に上下の流れ(循環
流)が生じ、空気は順次光触媒2に接触し、H.Cは効
果的に処理される。
【0032】これにより接触角の増加に関与する分子量
の大きいH.Cは、接触角が増加しない分子量の小さい
H.C、もしくは二酸化炭素や水に分解される。8はし
ゃ光材であり紫外線ランプ1からのわずかなリーク紫外
線のウエハ4への照射を防ぐものである。15は反射面
であり、紫外線ランプ1からの放射紫外線を反射によ
り、効果的に光触媒材2に照射するものである。このよ
うにして、ウエハ(基板)4が存在する被清浄空間部B
は、清浄化され接触角が増加しない空間となる。本例に
おける光触媒材2は、アルミナ板に、TiO2 を付加し
たものであり、空間容積1m3 当り、1000cm2
表面積で設置されている。
【0033】実施例5 図6は、実施例4において、光触媒材2が石英ガラス板
に、TiO2 を付加したものである。本例の光触媒材2
は、空間容積1m3 当たり、2,000cm2の表面積
で設置されている。図6において、図5と同じ符号は、
同じ意味を示す。
【0034】実施例6 図7は、実施例4において、光触媒材2がフッ素樹脂シ
ートに、TiO2 を付加したもので、紫外線ランプ1を
ストッカ3内に設置したものである。図7において、図
5と同じ符号は同じ意味を示す。本例の光触媒材2は、
空間容積1m3 当たり、4,000cm2 の表面積で設
置されている。
【0035】実施例7 図8は、実施例4における光触媒材2を複数の壁面に設
置し、紫外線ランプ1も内側に設置したものである。図
8において、図5と同じ符号は同じ意味を示す。本例の
光触媒材2は、空間容積1m3 当たり、10,000c
2 の表面積で設置されている。
【0036】実施例8 図7又は図8の構造に示した保管庫に、下記クリーンル
ーム空気(試料ガス)を入れ、表面積を変えた光触媒材
に紫外線照射を行い、保管庫中に収納したウエハ上の接
触角及び該ウエハにCr膜を成膜し、該膜のウエハとの
なじみ(付着力)を測定した。また、保管庫内のウエハ
に吸着した炭化水素の同定、及び保管庫中の非メタン炭
化水素の濃度を調べた。また、比較として、光触媒材が
ない場合(ブランク)も同様に調べた。 保管庫の大きさ ; 100リットル 光 源 ; ケミカルランプ6W(360nmにピーク) 光触媒材 ; アルミナ板にゾル−ゲル法でTiO2 を付加し、しゃ 光材の面や壁面に固定 光触媒材の使用面積 ; ストッカの空間容積100リットルに、1〜5,0 00cm2 の面積の光触媒を設置。 (光触媒の使用面積が広い場合は、光触媒材の設置面 積の拡大に従って、ランプの設置本数を増加させた 。)
【0037】 接触角の測定 ; 水滴接触角法〔(株)協和界面科学製、CA−DT型 〕 ウエハ上の成膜 ; Cr300nm厚さ、スパッタリング法 成膜したCrの付着力 ; スクラッチ試験(RHESCA製CSR02型) 保管庫中非メタン炭化水素の測定 ; ガスクロマトグラフ(GC) ウエハ上に吸着した炭化水素の同定 ; GC/MS法 試料ガス ; 微粒子濃度:クラス10(1ft3 中の0.1μm以 上の微粒子の個数) 非メタン炭化水素濃度:1.1ppm 保管庫内のウエハ ; 5インチウエハを1cm×8cmに切断し、下記前処 理後、保管庫に設置。 ウエハの前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射 (UV/O3 洗浄)。
【0038】結果 図9に、3日保管後の接触角の値(−〇−)、図10に
3日保管後のウエハに成膜した膜の付着力の値(−〇
−)を示す。尚、光触媒が無しの場合(−●− ブラン
ク値)は、夫々35度、22mNである。また、光触媒
も1cm2 設置した場合と、設置無しの場合は、3日後
にウエハを取り出し、加熱によりウエハ上に付着した炭
化水素を脱離させ、GC/MS法で測定したところ、フ
タル酸エステルを検出した。光触媒を100cm2
1,000cm2 設置した場合は検出しなかった。ま
た、保管庫内の3日後の非メタン炭化水素の濃度は、光
触媒を100cm2、1,000cm2 設置の場合、い
ずれも0.1ppm以下であった。一方、光触媒の設置
が1cm2 の場合、設置無しの場合いずれも0.9pp
mであった。また、100cm2 の光触媒材の場合、保
管庫の開閉を1日5回行う長時間運転を行い長時間の安
定性能として3,000時間後の接触角及び膜付力で同
様に調べた。結果は、接触角の増加は5度以内、付着力
の低下は3mN以内であり、初期の性能であった。
【0039】
【発明の効果】本発明により得られる効果を以下に示
す。 1)光源の表面に光触媒を付加して一体化させたことに
より、 (a)ガス状有害成分が処理できるコンパクトな装置が
得られた。 (b)光触媒により、通常の空気や気体等に存在する極
低濃度レベルのH.Cが、効果的に分解され、接触角の
増加が防止される気体あるいは雰囲気(環境)が簡易に
得られた。 (c)前記で得られた気体(雰囲気)を半導体ウエハや
液晶ガラスなどの基材や基板(原料、半製品、製品)に
暴露しておくと該基材や基板表面の汚染が防止された。 (d)光触媒は、H.C吸着材や吸収材に比べて、長時
間安定した性能を維持するので、実用性が向上した。 (e)一体化において光源を光触媒で囲み付加(設置)
したことにより、光源からの放出光がロスすることなく
有効利用できるようになった。例えば、円周方向に放射
状に放出される光に対し、該放出光を囲むように、光触
媒材を付加することで、全ての方向に放出された光を光
触媒材に照射できた。すなわち、省エネ型の清浄化装置
となった。
【0040】(f)本装置は空間中の任意の場所に設置
できるので、清浄化能力が向上した。また、比較的大容
量の空間にも適用できるようになった。また、従来式で
は、板状などの母材上に光触媒を付加して該表面に個別
に設置した光源からの光照射を行うので清浄化装置とし
ての装置構造を制限するが、本発明の装置を用いればそ
の制限はない。すなわち、清浄化装置の設計の自由度が
大となった。 (g)清浄化装置において、初期設計値よりも清浄能力
(清浄速度)を改善したい場合、従来式では困難である
が、本法では本発明の装置を任意の場所に増設できるの
で、清浄能力の改善が簡易にできる。すなわち、大容量
の空間であっても容易に清浄化できた。 (h)クリーンルームでH.C以外の有害ガスの発生が
ある場合、H.Cと共存する有害ガスも同時に処理され
る(接触角が増加しない清浄気体になる。)。
【0041】2)密閉空間の清浄化にあたり、該空間に
該空間容積1m3 当たり、50〜50,000cm2
光触媒材を設置し、該光触媒材に光照射することによ
り、 (a)光触媒により、通常の空気中や気体中等に存在す
る極低濃度レベルのH.Cが分子量の小さいH.C及び
/又は二酸化炭素、水に変換された。 (b)(a)により、基材又は基板表面の接触角の増加
を防止する気体あるいは雰囲気が得られた。 (c)(b)で得られた気体(あるいは雰囲気)を半導
体ウエハや液晶ガラスに暴露しておくと、該基材や基板
表面の汚染が防止される。 (d)光触媒材は、H.C吸着材や吸収材に比べて、長
時間安定した性能を維持するので、実用性が向上した。
【0042】3)共存微粒子が問題となる環境や用途、
装置の種類、規模、形状では、要求性能によっては本発
明者らがすでに提案した光電子を用いる微粒子除去方
式、あるいは周知のフィルタ方式を適宜に組合せて用い
ることにより、 (a)本発明のガス状有害成分の処理に粒子状物質の処
理(除去)が加わるので、ガスと粒子を同時除去(制
御)した超清浄空間を創出できた。 (b)ガスと粒子の同時除去により、適用分野が広が
り、実用性が向上した。4)上記より、本発明では、ガ
ス状有害成分を、効果的に処理できるので (a)今後のクリーン化技術の方向として期待される局
所空間(ミニエンバイロメント)の清浄化に好適に使用
できた。 (b)(a)より、本発明により清浄化された局所空間
では、製品が低コストで製造できるので、適用分野が広
がり、実用性が向上した。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる光源と光触媒を一体とした装置
の概略断面図。
【図2】本発明の汚染防止装置をウエハ保管庫に用いた
概略構成図。
【図3】本発明の汚染防止装置をエアーナイフ用の供給
空気の浄化に用いた概略構成図。
【図4】経過時間による接触角と付着力との変化を示す
グラフ。
【図5】本発明の汚染防止装置を用いた他のウエハ保管
庫の概略構成図。
【図6】本発明の汚染防止装置を用いた他のウエハ保管
庫の概略構成図。
【図7】本発明の汚染防止装置を用いた他のウエハ保管
庫の概略構成図。
【図8】本発明の汚染防止装置を用いた他のウエハ保管
庫の概略構成図。
【図9】光触媒の表面積と接触角の関係を示すグラフ。
【図10】光触媒の表面積と付着力の関係を示すグラ
フ。
【符号の説明】
1:紫外線ランプ、2:光触媒、3:ウエハ保管庫、
4:ウエハ、5:ウエハキャリア、6:非メタン炭化水
素(H.C)、7:空気の流れ、8:遮光板、9:空
気、10:粗フィルタ、11:除塵フィルタ、12:汚
染防止装置、13:清浄空気、14:エアーナイフ装
置、15:反射面、A:一体化装置、B:被清浄空間部

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材又は基板表面の汚染を防止する方法
    において、該基材又は基板と接触する少なくとも炭化水
    素を含む気体を、光が照射されている光触媒と接触させ
    て、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に浄化し
    た後、該気体を基材又は基板表面に暴露させるに際し、
    前記光触媒が、光源の表面に薄膜状に形成されて、光源
    と光触媒とが一体化されていることを特徴とする基材又
    は基板表面の汚染防止方法。
  2. 【請求項2】 基材又は基板表面の汚染を防止する方法
    において、該基材又は基板と接触する少なくとも炭化水
    素を含む気体を、光が照射されている光触媒と接触させ
    て、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下に浄化し
    た後、該気体を基材又は基板表面に暴露させるに際し、
    前記基材又は基板と接触する気体が、密閉空間内の気体
    であり、前記光触媒が、該空間内に空間容積1m 3 当り、
    50〜50000cm 2 の表面積で設置されていることを
    特徴とする基材又は基板表面の汚染防止方法。
  3. 【請求項3】 基材又は基板表面の汚染を防止する装置
    において、該基材又は基板と接触する気体を、非メタン
    炭化水素濃度を0.2ppm以下に浄化する、光源と光
    触媒とからなる浄化装置と、該装置で浄化された気体を
    を基材又は基板表面に暴露させる手段とを有し、前記浄
    化装置は、光触媒が光源の表面に薄膜状に形成されて、
    光源と一体化されていることを特徴とする基材又は基板
    表面の汚染防止装置。
  4. 【請求項4】 基材又は基板表面の汚染を防止する装置
    において、該基材又は基板と接触する気体を、非メタン
    炭化水素濃度を0.2ppm以下に浄化する、光源と光
    触媒とからなる浄化装置と、該装置で浄化された気体を
    基材又は基板表面に暴露させる手段とを有し、前記浄化
    装置が、密閉空間内に設置され、前記光触媒が、該空間
    内に空間容積1m 3 当り、50〜50000cm 2 の表面積
    で設置されていることを特徴とする基材又は基板表面の
    汚染防止装置。
  5. 【請求項5】 光源の表面に光触媒が薄膜状に形成され
    て一体化されていることを特徴とする非メタン炭化水素
    の浄化装置。
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