JP3635511B2 - 基材又は基板表面の汚染防止方法と装置 - Google Patents

基材又は基板表面の汚染防止方法と装置 Download PDF

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、空間中の基材又は基板表面の汚染を防止する方法及び装置に係り、特に半導体製造や液晶製造などの先端産業における原材料、半製品、製品の基材や基板表面の汚染防止に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術を、半導体製造工場におけるクリーンルームの空気清浄を例にとり、以下説明する。
クリーンルームにおいては、微粒子(粒子状物質)や、自動車の排気ガス、民生品として広く使用されている高分子樹脂製品からの脱ガスなどに起因する空気中のメタン以外の極低濃度の炭化水素(H.C)などのガス状物質が汚染物質として問題となる。特にH.Cはガス状有害成分として通常の空気(室内空気及び外気)中の極低濃度のものが汚染をもたらすので、除去する必要がある。
また、最近ではクリーンルームの構成材の高分子樹脂類からの脱ガスがH.C発生源として問題となっている。すなわち、H.Cの起因として通常のクリーンルームでは、外気から導入されたH.C(クリーンルームでのフィルタでは、H.Cは除去できないので、外気中のH.Cは導入されてしまう)に、前記のクリーンルーム内で発生したH.Cが加わるので、外気に比べてクリーンルーム中のH.Cは高濃度となり、基材や基板を汚染する。
【0003】
H.Cは、クリーンルームにおける作業で生じる各種の溶剤(アルコール、ケトン類など)も濃度が高くなると汚染物質として問題となる。
ところで、今後要求が高まるより質の高い製品は、集積度が密(製品がより微細化、高精密化になる)であり、従来問題とならなかった有機性ガスのようなガス状物質の制御が必要となってくる(「空気清浄」第33巻、第1号、p16〜21、1995)。
今後、半導体産業では製品の高品質化、精密化が増々進み、これに伴いガス状物質が汚染物として関与する。即ち、従来は微粒子除去のみで十分であったのが、今後は、微粒子とガス状物質の同時制御が必要になってくる。
【0004】
すなわち、上述の汚染物質(微粒子及びH.C)がウエハ、半製品、製品の基板表面へ付着すれば、▲1▼ 微粒子では基板表面回路(パターン)の断線や短絡を引き起こし欠陥を生じさせる。一方、▲2▼ H.Cは基板とレジストとの親和性(なじみ)に影響を与える。そして、親和性が悪くなるとレジストの膜厚に悪影響を与えたり、基板とレジストとの密着性に悪影響を与える。
このような原因により、これらの汚染物質は、半導体製品の生産性(歩留り)を低下させる。特に、ガス状有害成分としてのH.Cは上述の発生起因により、また最近では省エネの観点でクリーンルーム空気の循環を多くして用いるので、クリーンルーム中のH.C濃度は濃縮され、外気に比べかなりの高濃度となっており、基材や基板に付着し、該表面を汚染する。この汚染の程度は、基材や基板の接触角で表わすことができ、汚染が激しいと接触角が大きい。接触角が大きい基材や基板は、その表面に成膜しても膜の付着強度が弱く(なじみが悪い)、歩留りの低下をまねく。
【0005】
ここで、接触角とは水によるぬれの接触角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものである。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の汚染物質が付着すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと汚染度が低い。
従来のクリーンルームの空気を浄化する方法あるいはそのための装置には、大別して、(1)機械的ろ過方法(HEPAフィルターなど)、(2)静電的に微粒子の捕集を行う、高電圧により荷電あるいは導電性フィルターによるろ過方式(HESAフィルターなど)、がある。これらの方法は、いずれも微粒子の除去を目的としており、メタン以外の炭化水素(H.C)のような、接触角を増大させるガス状の汚染物質の除去に対しては効果がない。
【0006】
ガス状の汚染物質であるH.Cの除去法としては、燃焼分解法、O3 分解法などが知られている。しかし、これらの方法は、クリーンルームへの導入空気中に含有する極低濃度のH.Cの除去には効果がない。
これらに対し、本発明者らは、基材又は基板表面の汚染を防止する方法及び装置として、上記接触角の増大を防止するために吸着材や吸収材などを用いる方法及び装置を、すでに提案した(特開平5−157284号、特開平6−324号、特開平7−8752号各公報)。
これらの方法及び装置は、適用分野によっては有効であるが、更に実用性を増すために、一層の改善を行う必要がある。特に、既に提案した上記方法において、その形状が粒状の吸着材はSV(空間速度、h-1)を大きくとれないなど実用上課題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
すなわち、半導体や液晶製品の生産性を向上させるためには粒子状物質及び接触角を増大させるガス状有害成分、特に非メタン炭化水素を実用上効果的に除去する必要がある。
そこで本発明の課題は、微粒子と基材及び基板表面の接触角を増大させる非メタン炭化水素が実用上効果的に除去できる基材又は基板表面の汚染防止方法及び装置を提供することである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、基材又は基板と接触する気体を、該気体中の微粒子濃度をクラス1000以下にする除塵処理と、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下にする吸着処理とで処理して、基材又は基板表面の汚染を防止する方法において、前記吸着処理を、フィルター状又は繊維状の活性炭及び/又は該活性炭に金属又は半導体の酸化物、水酸化物、塩基性塩、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、炭酸塩から選ばれた1種類以上の親水性を有する無機物質を担持したもので、少なくとも親水性部と疎水性部とを有する第1の吸着材と、ガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材とを組合せた吸着材を用いて行うこととしたものである。
また、本発明では、基材又は基板と接触する気体を通す、微粒子をクラス1000以下となるまで除去するための除塵手段と、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下とする吸着手段とを有する基材又は基板表面の汚染を防止する装置において、前記吸着手段は、フィルター状又は繊維状の活性炭及び/又は該活性炭に金属又は半導体の酸化物、水酸化物、塩基性塩、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、炭酸塩から選ばれた1種類以上の親水性を有する無機物質を担持したもので、少なくとも親水性部と疎水性部とを有する第1の吸着材と、ガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材とを組合せた吸着材を用いることとしたものである。
【0009】
本発明において、第1の吸着材としては、フィルター状又は繊維状の活性炭及び/又は該活性炭に金属又は半導体の酸化物、水酸化物、塩基性塩、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、炭酸塩から選ばれた1種類以上の親水性を有する無機物質を担持したものを用いるのがよく、また、前記吸着処理では、処理する前の気体を除湿処理して、該気体中の水分濃度を50%(RH)以下、好ましくは30%(RH)以下にして吸着処理するのがよく、また装置においては手段の前に除湿手段を設けておくのがよい。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の4つの知見に基づいて発明されたものである。
即ち、1.通常の空気(外気)中には、NOx、SOx、HClのような酸性ガス、アンモニア、アミンのようなアルカリ性ガス及び炭化水素(H.C)と呼ばれる有機性ガスが存在し、クリーンルームにおけるフィルタでは、これらの有害ガスの捕集はできないので、これらの有害ガスはクリーンルームに導入されてしまう。この内通常の空気中濃度レベルではウエハなどの基板表面に付着し接触角の増加への関与は非メタンH.Cが大きい(空気清浄、第33巻、第1号、p.16−21、1995)。
2.少なくとも一部が有機物で構成されるクリーンルーム環境では、該有機物から、極微量の有機性ガスが発生し、クリーンルーム空間中の収容物(ウエハやガラス基板などの原料、半製品)を汚染する。
【0011】
すなわち、クリーンルーム空間では、少なくともその一部に有機物(例、プラスチック容器、パッキン材、シール材、接着材、壁面の材料等)を使用しており、シール材からはシロキサン、収納容器の材料であるプラスチック材からはフタル酸エステルなど(詳細は後記)が発生し、これらの有機性ガスは、発生濃度は極く低濃度であるが、クリーンルームは閉鎖系であり、閉じ込められるので(最近クリーンルームは省エネの点で空気の循環使用の比率が高い)、該濃度は徐々に高くなり、クリーンルーム内の収容物の上に付着し悪い影響を与えてしまう。このように、非メタンH.Cは外気からの導入に加えて内部からの発生ガスがあり、ウエハなどの基板上に付着し、基板に悪影響を及ぼす。例えば、接触角が増加すると該基板上に成膜してもその付着力は弱い。
また、基板上に付着すると絶縁体として作用したり、薄膜結晶成長の障害になるなどの悪い影響がある。
【0012】
3.本発明者らの研究によれば、通常のクリーンルームにおける基板表面の接触角を増加させるH.Cは、高分子量のH.Cであり、その構造の特徴は、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つものであり、このH.Cは親水性部(−CO、−COO結合部)を有する疎水性物質(H.Cの基本構造の−C−C−C−の部分)と考えることができる。
具体的には、本発明者らの研究によれば、通常のクリーンルームにおけるガラス基板表面の接触角を増加させる非メタンH.Cは、C16〜C20の高分子量H.C、例えばフタル酸エステル、高級脂肪酸フェノール誘導体であり、これらの成分に共通することは化学的構造として、−CO、−COO結合(親水性を有する)を持つ。
このように、本発明者らのH.Cに関する研究により、好適な接触角を増加させるH.Cの吸着材は、上記H.Cの構造である「親水性部と疎水性部を有する」部分に対応させれば良い。
【0013】
4.非メタンH.Cは、通常の空気(室内空気や外気)中の極く低濃度で汚染をもたらす。また、種々の非メタンH.Cの内、接触角を増大させる成分は、基材の種類(ウエハ、ガラス材)や基材上の薄膜の種類、性状によって異なる。本発明者は鋭意検討した結果、フィルタ状あるいは繊維状の少なくとも親水性部と疎水性部を有する第1の吸着材と、ガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材とを組合せて用いる吸着処理により、非メタンH.C濃度を指標として、これを0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば、接触角増加防止が効果的となる。
【0014】
次に、本発明を、基材又は基板表面に接触する気体が空気である場合を例にとり、詳細に説明する。
本発明における除塵処理は、空気中の微粒子を低濃度まで除去できるものであればどのようなものでもよい。通常、周知のフィルタ方式、又は本発明者らが既に提案している光電子による方式(特公平3−5859号、特公平6−74909号、特公平6−74910号、特公平8−211号各公報など参照)などの除塵手段を用いることができる。光電子を用いる方式は、気体を強制循環することなく清浄化できる受動的な動きのない方式(「エアロゾル研究」第7巻、第3号(1992)p.245〜247、同第8巻、第3号(1993)p.239〜248、「クリーンテクノロジー」第5巻、第7号(1995)p.63〜67など参照)なので、用途、装置、形状、構造、要求性能などによっては好ましい。
【0015】
一方、フィルタ方式は、装置全体がコンパクト化できるなどのメリットがあるので、用途、装置形状、構造などによっては好適に用いることができる。
フィルタ方式としては、微粒子を低濃度まで効率良く捕集する周知の除塵フィルタが用いられる。一般に、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、金属製フィルタ、例えばSUSフィルタ、静電フィルタが簡易でかつ効果的であることから好ましい。通常、これらのフィルタの1種類又は複数種類を適宜に組み合わせて用いる。微粒子の除去によって、微粒子濃度をクラス1000(1000個/ft3 )以下、好ましくはクラス100以下とする。ここで、クラスとは微粒子濃度の単位であり、1ft3 中の微粒子の個数を表わす。
本発明で吸着処理又は吸着手段として用いる吸着材は、フィルター状あるいは繊維状の少なくとも特性の異なる2つのグループから選択された複数の吸着材を組合せて用いている。
【0016】
即ち、接触角を増加させる非メタンH.C、すなわちガス状有害成分を効果的に除去するためには、接触角を増大させるこれらの成分を吸着する材料を複数種類組み合わせて用いる。非メタンH.Cは、通常の空気(室内空気及び外気)中の濃度で汚染をもたらす。また種々の非メタン炭化水素のうち、接触角を増大させる成分は基材の種類(ウエハ、ガラス材など)や基材上の薄膜の種類・性状によって異なると考えられる。本発明者は鋭意検討した結果、非メタンH.Cを指標として、これを0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば効果的である。
すなわち、本発明の特徴は、特性の異なる2つのグループの各々から選ばれた複数の吸着材を組み合わせて用いることによって、被処理気体中の非メタン炭化水素を除去することにある。接触角を増大させる非メタンH.Cを構成する成分は広範囲にわたるので、吸着特性の異なる吸着材を複数種類組み合わせて用いれば、非メタンH.Cが広範囲の成分にわたって効果的に捕集・除去される。
【0017】
また、その形状をフィルター状又は繊維状とすることで非メタンH.Cの除去が効果的となり、処理量を大きくとれる(SVを大きくできる)ので、コンパクト(小型)な装置で効果的な処理ができるようになった。
使用される吸着材の第1のグループは、フィルター状又は繊維状の吸着材の中に、少なくとも親水性部と疎水性部を有する吸着材であれば、いずれも好適に使用できる。
次に使用できる第1の吸着材を例示する。
(a)活性炭(フィルター状、繊維状); 活性炭表面は炭素−炭素結合をなし、全体としては疎水性であるが、灰分や揮発分によって、一部親水性を有している。本発明で使用できる活性炭は前述の特性を有するものであれば、いずれでも良いが、次に使用できる好適なものの製造例を示す。
【0018】
▲1▼ 300〜500℃で予備炭化したヤシ殻炭に酢酸マグネシウムあるいは酢酸アルミニウムを水溶液で10%添加した。これを850〜950℃で30分〜1時間水蒸気賦活した。これにより、表面積800m2 /g、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが細孔内にナノ複合化した多孔体が得られる。
▲2▼ 石油ピッチに酢酸マグネシウム及び酢酸アルミニウムを10%添加し、混練後、紡糸処理を行った。これを850℃で1時間水蒸気賦活し、活性炭繊維を得た。窒素吸着による解析の結果、BET表面積約1000m2 /gの高比表面積多孔質繊維であることが判明した。マグネシウム及びアルミニウムはそれぞれ、水酸化物としてナノレベルで担持されており、活性炭繊維に極性基を付与し、界面活性剤等の極性分子の吸着に威力を発揮すると思われる。
【0019】
(b)先に提案した親水性部と疎水性部が分子レベルで混合、分布しているナノコンポジット型吸着材(特願平7−259578号); 全体としては疎水性物質から成る担体に親水性を有する無機物質を担持させたものである。
即ち、親水性を有する無機物質は、全体として疎水性物質である活性炭素繊維、テフロン繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維から選ばれた1種類以上の担体に保持させて使用する。すなわち、こうすることにより吸着材は通気抵抗の少ない親水性部と疎水性部を有する形態(構造)となり、接触角を増加させるH.Cを効果的に捕集するのである。
このような構成にすることにより、吸着材には親水性部と疎水性部とが均一に表面積大で分布し、またその形状は通気性大(圧力損失小)とできるので、H.Cの捕集が効果的に行われる。
【0020】
次に、該吸着材の構成について詳細に説明する。
担体として用いる疎水性物質は、表面積大、通気性大(圧力損失小)で、その表面に親水性を有する無機物質を担持でき、接触角を増加させるH.Cを効果的に捕集できるものであれば何れでも良い。
通常、活性炭(フィルタ状、繊維状)、テフロン繊維(繊維状、フィルタ状)、ポリエチレン繊維(繊維状、フィルタ状)、ポリプロピレン繊維(繊維状、フィルタ状)が、上記性質を有し好ましい。
次に、親水性を有する無機物質は、疎水性物質の表面に均一に担持でき、接触角を増加するH.Cを効果的に捕集できるものであれば何れでも良い。
通常、金属又は半導体の酸化物、水酸化物、燐酸塩、硼酸塩、珪酸塩、炭酸塩、塩基性塩が効果の上から好ましい。
【0021】
例示すると、SiO2 、TiO2 、ZnO、Al2 3 、Fe2 3 、ZrO2 、MgO、CaO、Mg(OH)2 、Ca(OH)2 、Al(OH)3 、Zn(OH)2 、AlPO4 、KPO3 、LiBO2 、Mg2 SiO4 、塩基性塩としては、Mg(OH)2 ・MgCO3 、Zn(OH)2 ・(NO3 )H2 Oなどがある。
塩基性塩は、前記のように化合物中に1種類の金属を含むものの他に、複数の金属を含む複塩基性塩も好ましい。金属の組合せとして、MgとAl、NiとAl、ZnとAl、ZnとCr、CuとAl、NiとCr、CoとCr、CoとAl、NiとFe、MgとFe、NiとMgとAl、MgとAlとCrがある。このような例として、Mg4 Al2 (OH)12CO3 (ハイドロタルサイト)がある。
これらの親水性を有する無機物質の種類や、担体の種類によっては、担体に担持する無機物質を2種類以上組合せて用いることができる。
【0022】
また、除去対象H.Cの種類(対象とする基板又は基板の種類)によっては、疎水性物質と親水性を有する無機物質の種類(組合せ方)を適宜予備試験を行い決めることができる。
次に、本発明で用いる吸着材の製造例を示す。
▲1▼ SiO2 /C (C:活性炭素繊維)
ケイ酸テトラエチル(TEOS)に2規定塩酸溶液及びエタノールを41g/10ml/12mlの比率で混合し、加水分解によって、SiO2 ゾル溶液を調製した。これをエタノールで3倍に希釈し、この溶液を、SiO2 量が5重量%となるように、活性炭素繊維に噴霧した。乾燥後、400℃で2時間焼成して、SiO2 担持活性炭素繊維ナノコンポジットを合成した。
【0023】
▲2▼ TiO2 /C
テトライソプロピルチタン10gに1規定塩酸溶液130mlを加えて、攪拌し、TiO2 ゾル溶液を調製した。この溶液を上述の操作でエタノールに希釈し、同様に噴霧、乾燥、焼成して、TiO2 担持活性炭素繊維ナノコンポジットを合成した。
▲3▼ SiO2 −TiO2 /C
SiO2 及びTiO2 ゾル溶液をSiO2 /TiO2 モル比が10/1となるように混合し、同様に噴霧、乾燥、焼成によって、SiO2 −TiO2 担持活性炭素繊維ナノコンポジットを合成した。
【0024】
▲4▼ Al2 3 /C
エチルアセテートアルミニウムイソプロピレートの50%エチルアルコール溶液を活性炭素繊維に対して、5重量%となるように、噴霧、乾燥、焼成して、Al2 3 担持活性炭素繊維ナノコンポジットを合成した。
▲5▼ MgO/C
酢酸マグネシウムのアルコール溶液を活性炭素繊維に対して、MgO/Cが5〜10重量%になるように噴霧して、400℃で2時間焼成し、MgO担持活性炭素繊維ナノコンポジットを合成した。
最適な担体、親水性を有する無機物質の種類と濃度(組成比)、組合せ、形状、充填密度、処理速度の選択は、本装置の利用分野、基板の種類や表面状態、接触角を増加させる有害成分の種類や濃度、装置規模、構造、効果、再生利用の有無、経済性などにより適宜予備試験を行い、決めることができる。
【0025】
吸着材の第2のグループは、ガラス材とフッ素化合物からなるフィルター状又は繊維状の吸着材である。
ガラス材としては、酸化物ガラス系、例えばケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラスが一般的である。ケイ酸塩ガラスとしては特にホウケン酸ガラス(主要成分:N2 O−B2 3 −SiO2 )が、成形が容易で吸着効果が高く、かつ安価であることから好ましい。
フッ素化合物としては、四フッ化樹脂、四−六フッ化樹脂、PFA樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化黒鉛、テフロンなどがある。
該ガラスとフッ素化合物は、フィルタ状あるいは繊維状に混合して用いると非メタンH.Cが該形状の吸着材の中を通り抜けるので、非メタンH.C除去が効果的となることから実用上好ましい。
【0026】
フィルタ状で用いる場合の成形法の例として、フッ素化合物樹脂をバインダとして用い、繊維状のガラス材をフィルタ状に固めて用いる方法がある。このようなフィルタ状で用いるとH.Cの除去性能に除塵性能が加わるので、吸着材が除塵手段を兼ねることとなり、フィルタ構成が簡素になる。従ってこのような吸着材を汚染防止装置に組み込むことは、利用分野、装置規模、装置形状によっては好ましい。このような形状で用いることにより、非メタンH.Cが該吸着材の中を通り抜けるので非メタンH.C除去が効果的となる。
該吸着材は、構成する上記材料と被処理気体の接触時間が長い(又は接触面積が大きい)ものが好ましい。例えば、吸着材のみかけ比重を0.01〜0.5、好ましくは0.05〜0.3とし、厚さが0.2〜5cm、好ましくは0.5〜2cmの円筒状に成形して用いると効果的である。
【0027】
本発明は、上記第1のグループの吸着材と第2のグループの吸着材の各々から選択したものを適宜に組み合わせて用いると、(1)H.Cの除去率や吸着材の寿命が、単一の材料を用いた場合よりも顕著に改善されること、(2)表面が敏感な金属性の基板(影響を受けるH.Cの種類が多いもの、あるいは複雑なもの)にも効果が高いこと、(3)形状をフィルタ状あるいは繊維状とすることで、被処理気体が吸着材の中を通り抜けるようになるので、非メタンH.Cの捕集効果が高くなること、更に、SV(空間速度、h-1)が大きくとれるようになり、実用上効果的になることを見い出し本発明に至ったものである。
第1のグループの吸着材に、上記第2のグループの吸着材を組合せて用いると、H.Cの捕集・除去が効果的に実施できる理由として、第2のグループの吸着材は第1のグループの吸着材とは特性は異なるが、その素材としてのガラス、フッ素化合物が夫々親水性部、疎水性部を有し、第1のグループの吸着材とは特性の異なる吸着材の形態をなし、被捕集H.Cの構造に対応したためと考えられる。
【0028】
第1のグループの吸着材と第2のグループの吸着材の配置の仕方は特に限定されるものではなく、両者を混合して、あるいはいずれか一方を上流に設置し他方を下流に設置して用いることができる。前述のごとく、第2のグループの吸着材が除塵性能も有する場合は、通常第1のグループを上流に、第2のグループを下流にするのが好ましい。
吸着材の実用上効果的な組み合わせは適宜選択することができる。すなわち、ガラス基板やシリコンウエハ基板の種類によって、又は基板の表面状態によってはH.Cの影響の程度が異なるので、(例えば、該基板上にCrやTaなど金属性基板を被覆するとその基板上の接触角は大きくなる(第14回、空気清浄とコンタミネーションコントロール研究大会、1996、p201〜204)。すなわち、表面が金属性の基板はH.Cの影響を大きく受ける。)利用分野、装置規模、形状、装置の使用条件、共有ガス、要求性能、経済性などにより適宜予備試験を行って、上記吸着材の中から好適な組み合わせを選定することができる。
【0029】
次に、第1のグループの吸着材と第2のグループの吸着材の組合せの例を示す。
(1)繊維状活性炭(上流層)と繊維状ホウケイ酸ガラスをフッ素化合物をバインダとして用いてフィルタ状に固めたもの(下流層)との組み合わせで、下流層に除塵性能ももたせたもの。
(2)SiO2 担持活性炭素繊維(上流層)と繊維状ホウケイ酸ガラスをフッ素化合物をバインダとして用いてフィルタ状に固めたもの(下流層)との組み合わせで、下流層に除塵性能ももたせたもの。
適用分野や装置のタイプによっては、吸着材に空気を通す前に被処理空気の脱水、除湿または減湿を行えば吸着材の吸着性能が向上し、また寿命が延びるので、吸着材の前で除湿を行うことが好ましい。
【0030】
そのためには、冷却式、吸着式、吸収式、圧縮式、膜分離による方式など周知の方式のものを使用することができ、本発明の装置の適用分野、規模、形状、使用条件(例えば大気圧下又は加圧下)などにより適宜予備試験を行い、1種類又は2種類以上を適宜組み合わせて用いる。除湿方式は、通常数カ月〜半年以上の長期間にわたって除湿性能が安定して維持されるものを用いるのが好ましい。特に、冷却式及び/又は吸着式のものが簡易で効果的である。冷却式のものとしては電子除湿方式、冷却コイル方式が好ましく、吸着式のものとしては除湿と除湿器自体の再生を行いながら長期間連続して除湿する方式(固定式、回転式など)が簡易で効果的である。
【0031】
被処理気体中の水分濃度を50%(RH:相対湿度)以下、好ましくは30%(RH)以下になるように除湿すれば、吸着材のH.C吸着性能が向上し、性能が長期間安定して維持される。除湿方式や限界水分濃度は、適用装置の種類、規模、H.C除去材の種類、要求性能、経済性などにより、適宜予備試験を行って決めることができる。
吸着材の使用条件は、本発明の装置の適用分野、装置規模、形状、要求性能などによって、適宜予備試験を行って決めることができる。本発明では、上記のごとく吸着材の使用形状をフィルタ状あるいは繊維状とすることで大きい空間速度の領域でも使用でき、本発明の特徴でもある。空間速度は、一般に1,000〜200,000(h-1)、通常5,000〜50,000(h-1)で使用する。
【0032】
以上は、通常の空気中の極低濃度非メタンH.Cを除去する場合(特にクリーンルーム内にH.Cの特別な人工発生源がない場合)の本発明の態様を説明したものである。一般に基材又は基板表面を汚染し、接触角を増大させる原因となる物質は(1)SOx、NOx、HCl、NH3 のような有害ガス、(2)微粒子、(3)H.Cに大別できて、本発明者が検討した結果、通常の空気中(通常のクリーンルームにおける環境大気中)や半導体製造工場や液晶製造工場などのクリーンルームで使用されるN2 中では、接触角に対して、微粒子とH.Cの影響が大きい。
すなわち、一般にSOx、NOx、HCl、NH3 は、通常の空気中の濃度レベルでは接触角の増大に対して影響が少ない。従って除塵とH.Cの除去によって効果が得られる。しかしSOx、NH3 等有害ガスがクリーンルーム内又はその周辺で発生してこれらの濃度が高い場合はこれらガス成分の影響を受けるし、これらの濃度が通常では影響しない程度に低い場合であっても、基材や基板が敏感な場合や表面が特殊な状態になっている場合(例えば基材表面に特殊な薄膜を被覆した場合)には影響を受ける可能性がある。
【0033】
このような場合、本発明者がすでに提案した、紫外線及び/又は放射線を有害ガスに照射してガスを微粒子化し、この微粒子を捕集材する方法(装置)(特願平3−22686号)を適宜組み合わせて用いるのが好ましい。またこのような場合、別の周知の有害ガス除去材、例えば活性炭、イオン交換繊維などを適宜組み合わせて用いてもよい。活性炭は、酸やアルカリなどを添着したり、周知の方法によって適宜改質したものを用いることができる。
上述の本発明者がすでに提案した方法(装置)と本発明の方法との組み合わせや、H.C以外の有害ガスを除去する材料の使用や組み合わせは、適宜選択して用いることができる。また、除塵フィルタや吸着材の使用条件は、適宜に決めることができる。すなわち、これらは、使用するクリーンルーム内の汚染物質(微粒子、H.C、その他の有害ガス)の濃度、種類、適用装置の種類、構造、規模、要求性能、効率、経済性などによって、適宜に予備試験を行って決めることができる。
【0034】
上記では、媒体が空気の場合について説明したが、窒素やアルゴンなど他の気体中に微粒子やガス状有害物質が不純物として含まれる場合も、本発明を同様に実施できることは言うまでもない。
本発明を適用し得る空間とは、上述の大気圧下の他に、加圧下、減圧下、真空下を指し、同様に実施できる。
本発明の吸着材による接触角を増加させるH.Cの除去機構は、例えば空気中のH.Cが数百種又は数千種以上の成分の混合物と言われていることから詳細は不明な点が多いが一般に次のように考えられる。接触角の増加は、空気中H.Cの内、特に分子量の大きい物質や活性の高い物質の影響が大きいと推定され、これらの物質が親水性部と疎水性部を有する吸着材(第1の吸着材)と、ガラスとフッ素化合物からなる吸着材(第2の吸着材)の組合せにより効果的に吸着捕集される。これは、上記のごとく基板上に付着し、接触角を増加させる非メタンH.Cの構造である「親水性部と疎水性部を有するH.C」に、上記吸着材の形態が夫々対応しているためと考えられる。
【0035】
すなわち、少なくとも2つのグループから選択された特性の異なる吸着材を組合せて用いることにより、基板の種類や表面状態によって影響の度合いが異なると考えられる広範囲の接触角の増加に関与する非メタンH.Cが効果的に捕集されると考えられる。
このように、多種類の空気中のH.Cの内、接触角増加にどの成分がどの程度関与するか不明な点が多いが、該吸着材に通すことにより、接触角を増加する成分が除去された気体が得られる。また、接触角を増加させる有害成分は、基材の種類(例えば、ウエハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類(例えば、Si、Al、Cr、Au、Ta、ITO)やその状態により種々あるが、本発明の汚染防止により、表面の汚染は防止される。
また、これらのH.C成分の濃度は、通常クリーンルームではpptレベル(推定)であることから、従来の周知の吸着材では効果的な捕集はできなかったが、上記した吸着材の構成により、これらのH.Cが効果的に捕集・除去できるようになった。
【0036】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
実施例1
図1は、本発明の方法を半導体製造工場におけるエアーナイフ用の供給空気に適用した例である。図1においては、1はクラス10000のクリーンルームであり、空気2が、除塵フィルタ3、除湿器4、接触角を増大させるガス状有害成分(本例では主としてH.C)を吸着する吸着材5-1、5-2より成る接触角増加防止装置6によって、クリーンルーム1内で処理される。空気7は装置6を通過した後には、除塵されてかつガス状有害成分が除去された清浄な空気となっていて、ウエハ(基板)を洗浄するためのエアーナイフ装置8へ供給される。
【0037】
以下、本例を詳細に説明する。クリーンルーム1内に入る前の外気9は、まず粗フィルタ10と空気調和器11で処理される。次いで空気はクリーンルーム1に入る際にHEPAフィルタ12によって除塵されて、極低濃度のH.Cが共存するクラス10000の濃度の空気13となる。すなわち、主に自動車から発生する極低濃度のH.Cは粗フィルタ10、空気調和器11、及びHEPAフィルタ12では除去されないため、クリーンルーム1内に導入されてしまう。また、H.Cはクリーンルーム1の構成材やクリーンルームで使用の高分子樹脂類(プラスチック製品やシール材、パッキン材)から発生しておりクリーンルーム1中の空気2中のH.C濃度は非メタンH.Cで0.8〜1.2ppmである。
【0038】
クリーンルーム1内の空気2は、水分(RH40〜50%)、微粒子(クラス10000)、及びウエハ表面に付着すると接触角を増加させる極低濃度のH.Cを含む。まず微粒子が接触角増加防止装置6内の最前部に設置された除塵フィルタ3によって除去される。次いで除湿器(除湿装置)4によって水分が一定濃度以下になるように除湿される。本例の除湿器は電子除湿方式によるもので、クリーンルーム1内の上記湿度(RH40〜50%)が30%以下になるように運転される。
除湿後の空気は、次いで本発明の吸着材5-1及び5-2を通すことにより処理され、これにより極低濃度のH.Cが除去される。H.C吸着材5-1、5-2は、接触角を増加させるH.Cを捕集・除去するものであり、本例では活性炭素繊維(フィルタ状)5-1および繊維状ホウケイ酸ガラスを四フッ化樹脂をバインダとして用いてフィルタ状に成形したもの5-2を組み合わせて、SV30,000(h-1)で使用している。これにより、空気中の非メタンH.Cが0.1ppm以下の濃度まで除去される。
【0039】
ここで、吸着材5-2は、H.Cの吸着除去性能に加え除塵性能も有しており、前方の除湿器4、活性炭素繊維5-1の周辺部から緊急時や非定常状態時に微粒子(粒子状物質)が発生した場合でも、該微生物が後方へ流出するのを防ぐ役目をしている。
除塵フィルタ3の位置は、H.C吸着材5-1、5-2よりも上流側、又はH.C吸着材5-1、5-2よりも下流側、又は上流側と下流側の両方とすることができる。通常、クリーンルーム内の清浄度が低い場合、微粒子によるH.C吸着材表面の目詰まりによる有効表面積の低下を防ぐため、吸着材の上流に1箇所、及び除湿器4、活性炭素繊維5-1周辺からの微粒子(粒子状物質)の流出がある場合を想定して安全のために下流側に1箇所設置するのが好ましい。
【0040】
除塵フィルタ3は、クリーンルーム内のクラス10000の濃度の微粒子及び吸着材からの流出微粒子を効率良く捕集できるものであれば、どのようなものでもよい。本例ではULPAフィルタを使用している。ULPAフィルタによって微粒子がクラス10以下まで除去される。
本接触角増加防止装置6の特徴は、吸着材5-1、5-2の使用SV(h-1)が高くとれるので、装置が小型化(コンパクト化)する点にある。
除湿器4は、上述の理由からH.C吸着材よりも前方に設置するのが好ましい。また、微粒子によって除湿器が汚染されることは好ましくないので、除湿器4は、除塵フィルタ3よりも後方に設置するのが好ましい。
【0041】
実施例2
図2に実施例1のクリーンルームにおいて、ガラス基板、金属/ガラス基板用接触角増加防止用ストッカ20に適用した例を示す。
図2において、21はガラス基板、金属/ガラス基板の接触角増加防止のために収納する空間(収納空間)、6は本発明の吸着材5-1、5-2(吸着材5-2は除塵フィルタを兼用)より成る接触角増加防止装置である。
基板の収納空間21には、上記基板を収納空間21に出し入れする際に、クリーンルーム1内のクラス10000の微粒子や接触角を増加させるガス状有害成分を含む空気2が入る。ストッカ20では、該基板の出し入れ時の収納空間21の扉の開閉直後、及び基板の出し入れがない場合でも3時間毎に、循環ファン22の作動(ON)により、収納空間21の空気2が本発明の接触角の増加を防止する装置6に通気されることにより処理される。
【0042】
これにより、収納空間21の空気2は除塵され、かつ接触角を増加させるガス状有害成分(H.C)が除去された清浄化空気となる。
基板の出し入れが無い場合でも一定時間毎、本例では3時間毎に自動的に収納空間の空気の処理を行う理由は、ストッカへ(わずかな隙間から)外の有害成分を含む空気が浸入しても収納空間の清浄度を絶えず高清浄度に維持するためである。
すなわち、該基板は一度汚染されてしまうと、再び清浄化するには煩雑な清浄工程による洗浄処理を行う必要があるためである。
このようにして、ストッカ20の収納空間21は接触角が増加しない清浄空気(雰囲気)が長時間安定して維持される。
【0043】
ここで、H.C吸着材5-1、5-2は接触角を増加させるH.Cを捕集・除去するものであり、本例では活性炭素繊維(フィルタ状)5-1、及び繊維状ホウケイ酸ガラスを四フッ化樹脂をバインダとして用いてフィルタ状に固めたもの5-2を組み合わせて、SV30,000(h-1)で使用している。これにより、ストッカ20中の非メタンH.Cは0.1ppm以下の濃度まで除去される。
また、吸着材5-2は、H.Cの吸着除去性能に加えて除塵性能も有するので、本例では個別の除塵フィルタを備えていない。
吸着材5-2の組成は、繊維状ホウケイ酸ガラス、四フッ化樹脂が夫々60wt%、40wt%であり、フィルタ状をなし、圧損10mmH2 Oである。
該吸着材により、微粒子がクラス100以下まで除去される。
本例では、処理空気量が少ないので除湿は行っていない。本例で実施例1と同じ記号は、同じ意味を示す。
本ストッカ20の特徴は、吸着材5-1、5-2の使用SV(h-1)が高くとれるので、基板のストッカ20への出し入れ時にストッカ20に侵入するクリーンルーム空気2中の微粒子や接触角を増加させるガス状有害成分を短時間で迅速に除去できる点がある。
【0044】
実施例3
図3に実施例1のクリーンルーム1において、ウエハ基板用の接触角増加防止用ストッカ20に適用した例を示す。
本ストッカ20は、実施例2のストッカ20に、除塵手段として、光電子を用いる方式による個別の微粒子除去(除塵)部23を備えたものである。
光電子を用いる微粒子除去部23は、紫外線ランプ24、紫外線照射により光電子25を放出するための光電子放出材26、電場用電極材27、荷電微粒子捕集用電極材28、紫外線の反射角29より構成される。
ストッカ20は、ストッカの扉(図示せず)の開閉によるウエハ(ウエハケースに収納されたウエハ)の出し入れにより、クラス10000のクリーンルーム空気、すなわちウエハに付着すると汚染をもたらす微粒子(粒子状物質)、及びウエハの表面の接触角を増加させるガス状有害成分(ここでは主にH.C)がストッカ20内に侵入する。ここでの空気清浄を、接触角増加防止を行うガス状有害成分除去部6と微粒子除去部23の作動について述べる。
【0045】
ストッカ20内の微粒子を含む空気2を強制的に流動化すると、該微粒子がストッカに収納のウエハに付着するので、▲1▼ 先ず、微粒子除去部23を作動させ、微粒子を捕集・除去し、連続運転を行う。▲2▼ 次いで、ガス状有害成分除去部6を、作動させ、微粒子フリーの有害成分を含む空気からガス状有害成分を捕集・除去し、運転を停止する(間欠運転)。
先ず、光電子による微粒子除去部23について説明する。
ストッカ20の開閉(ウエハの出し入れ)に伴い、ストッカに侵入したクリーンルーム空気2中の微粒子は、微粒子除去部23の30分の作動(荷電・捕集)により、捕集・除去されウエハの収納空間(被清浄空間)21はクラス1(1ft3 中の0.1μm以上の微粒子数)よりも清浄となる。
ここでは、後述のごとく、空気の流動化を強制的に行うことなく微粒子の捕集・除去が行われる。ウエハストッカ20中の微粒子(微粒子状物質)は、紫外線ランプ24が照射された光電子放出材26から放出される光電子25により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子の捕集材28に捕集され、ウエハの存在する収納空間21は超清浄化される。
【0046】
ここでの光電子放出材26は、ガラス材表面にAuを薄膜状に付加したものであり、このような構成の光電子放出材については、本発明者等の別の発明があり(特公平7−93098号)適宜用いることができる。このようにして、ウエハストッカ中の微粒子(微粒子状物質)は捕集・除去され、ストッカ20中のウエハ収納空間21は清浄空気となる。上記において、光電子放出材26への紫外線の照射は、曲面状の反射面29を用い、紫外線ランプ24から紫外線を板状の光電子放出材26に効率よく照射している。電極27は、光電子放出材26からの光電子放出を電場で行うために設置している。すなわち、光電子放出材26と電極27の間に電場を形成している(光電子放出部)。
【0047】
微粒子の荷電は、電場において光電子放出材に紫外線照射することにより発生する光電子7により効率よく実施される。ここでの電場の電圧は、50V/cmである。荷電微粒子の捕集は、荷電微粒子を完全に捕集するために(荷電微粒子の収納空間21への流出をなくするために)、荷電微粒子捕集材28を設置して行っている。
光電子による微粒子除去部23の運転は、経時によるウエハケースやストッカの壁面などからの微粒子の放出(剥離)、又は緊急時などにストッカやウエハキャリアの振動などによる微粒子の放出(振動部からの発生)の場合があってもストッカの内部は超清浄を維持できるように連続運転を行う。光電子による微粒子の除去は、本発明者らのすでに提案した方法及び装置を適用分野、装置形状、規模等により、適宜用いることができる。例えば上述形態
(構成)の他に、荷電捕集ユニット装置を用いる方法(特開平5−68910号)があり適宜用いることができる。
【0048】
記号30-1〜30-3は、ストッカ20内の空気の流れであり、紫外線ランプ24の光電子放出材26への照射により生ずる光電子放出材26と電極25の上下間のわずかな温度差により引き起こされている。このわずかな温度差により、ストッカ20内には受動的な(passive な)自然循環流(空気の流れ)が生じ、これによりストッカ中微粒子は効果的に光電子放出部に運ばれ、荷電され、捕集・除去される。
次に、ストッカ20の開閉によりストッカ内に侵入するクリーンルーム空気2中のガス状有害成分の除去を行うガス状有害成分除去部6について説明する。
上述の微粒子除去部23の作動により微粒子が除去されたガス状有害成分を含む空気は、ファン22の作動により吸着材5-1、5-2に通され、該ガス状有害成分は捕集・除去される。
【0049】
ここでは、上述微粒子除去部23の運転開始30分後(ウエハの収納空間21から、微粒子が完全に(検出限界以下まで)除去される時間後)に作動を始め(ファン22がONになる)、1時間運転して作動が停止する(ファン22がOFFになる)。即ち、空気の流動化(強制循環)は、新たな汚染の発生などの汚染をもたらす原因となるため必要最低限が良いので、ストッカ内のガス状有害成分の除去が終了すると、ここでの作動(吸着材5-1、5-2への空気の通過)は停止する。
ここでの作動は、ストッカの開閉30分後に1時間、及び基板の出し入れがない場合でも3時間毎に、循環ファン22により、収納空間21の空気がガス状有害成分除去部6に通気されることにより処理される。
【0050】
これにより、収納空間21の空気は微粒子が存在しない、かつ接触角を増加させるガス状有害成分(H.C)が除去された清浄化空気となる。
基板の出し入れが無い場合でも一定時間毎、本例では3時間毎に自動的に収納空間の空気の処理を行う理由は、ストッカへ(わずかな隙間から)外の有害成分を含む空気が侵入しても収納空間の清浄度を長時間にわたり超清浄度に維持するためである。
このようにして、ストッカ20の収納空間21は接触角が増加しない清浄空気(雰囲気)が長時間安定して維持される。
【0051】
本例における吸着材5-1は活性炭素繊維、吸着材5-2は繊維状ホウケイ酸ガラスを四フッ化樹脂をバインダとして用いてフィルタ状に固めたもので、組み合わせて、SV30,000(h-1)で使用している。これにより、ストッカ20中の非メタンH.Cは0.1ppm以下の低濃度まで除去される。尚、吸着材5-2は、除塵性も有し、吸着材5-1周辺部から発塵があった場合でも後方に流出させない役目をはたす。
本ストッカ20の特徴は、吸着材5-1、5-2の使用SV(h-1)が高くとれるので、基板のストッカ20への出し入れ時にストッカ20に侵入するクリーンルーム空気中の微粒子や接触角を増加させるガス状有害成分を短時間で迅速に除去できる点がある。
このようにして、本ストッカの収納空間21は接触角の増加が防止されるクラス1よりも清浄な超清浄空間が創出され、長時間維持される。
本例では、処理空気が少ないため除湿は行っていない。本例で、実施例1と同じ記号は同じ意味を示す。
【0052】
実施例4
図2に示した接触角の増加を防止する装置が設置されたストッカにおいて、該装置により収納空間の空気中の微粒子及び有害成分の除去を行い、収納空間中の空気にガラスにCrを被覆した基板を暴露し、接触角の増加について調べた。
クリーンルーム ; クラス10,000
吸着材(上流) ; 繊維状(多孔体)活性炭(下に製造法を示す)
吸着材(下流) ; 繊維状ホウケイ酸ガラスを四フッ化樹脂をバインダとしてフィルタ状に固めたもの
繊維状活性炭の製造法 :
300〜500℃で予備炭化したヤシ殻炭に酢酸マグネシウムあるいは酢酸アルミニウムを水溶液で10%添加した。これを850〜950℃で30分〜1時間水蒸気賦活した。これにより、表面積800m2 /g、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが細孔内にナノ複合化した多孔体を得た。
【0053】
基板 : ガラスにCr20nmをスパッタリングで被覆したもの
吸着材のSV ; 3万(h-1
除塵フィルタ : 吸着材(下流)で兼用
クリーンルーム内の非メタンH.C濃度 ; 0.8〜1.2ppm
接触角 ; 接触角計
Cr/ガラス基板の前処理 ; 洗剤とアルコールで洗浄後、O3 発生下で紫外線照射(UV/O3 洗浄)
ストッカの開閉 : 18回/日
【0054】
結果
200時間暴露した接触角(θ、度)を図4に示す。図4において、本発明のものは−〇−で示し、また、比較として、クリーンルームの空気にそのまま暴露したもの(−●−)、本発明の吸着材(上流、下流)の内、上流のもののみ−□−、下流のもののみ−△−を示す。
図4から分かるように本発明のものは200時間後でも5度程度であった。
尚、用いた接触角計の接触角を検出し得る度数(検出下限の接触角、θ、度)は、4〜5度であり、↓印は検出限界値を示す。
収納空間の空気中微粒子濃度は、クラス10以下(測定器:光散乱式パーティクルカウンタ)で、非メタン炭化水素の濃度は0.1ppm以下(測定器:ガスクロマトグラフ)であった。
【0055】
【発明の効果】
本発明によれば以下のような効果を奏することができる。
(1)本発明の方法により空間中の微粒子を除去すると共に、非メタンH.Cを親水性部と疎水性部を有する第1の吸着材とガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材とを組合せた複数の吸着材で捕集することにより、清浄な気体が得られる。
この清浄化気体を半導体や液晶などの基材や基板上に暴露しておくと、基材や基板の汚染が防止される。
【0056】
(2)前記において、親水性部と疎水性部からなる第1の吸着材、及びガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材は、その吸着材の形態が被捕集H.Cの構造(H.Cは親水性部と疎水性部を有する構造)に対応したので、基板の種類や表面状態によって影響の度合いが異なると考えられる広範囲の接触角増加に関与するH.Cが効果的に捕集・除去された。
即ち、夫々の吸着材の中に親水性部と疎水性部とを有する特性の異なる複数の吸着材を組合せて用いたことにより、広範囲に及ぶH.Cが効果的に捕集・除去された。
(3)前記の吸着材の形状をフィルタ状あるいは繊維状にしたことも、被処理気体は吸着材の中を通り抜けるようになり、表面積大の吸着材となった。
これにより、SV(空間速度、h-1)が大きくとれるようになったので、装置がコンパクトにでき、処理能力が向上したので、実用上効果的な接触角を増加させるH.Cの捕集・除去ができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚染防止装置を用いたエアーナイフ装置の概略構成図。
【図2】本発明の汚染防止装置を設置したストッカの概略構成図。
【図3】本発明の汚染防止装置を設置した他のストッカの概略構成図。
【図4】暴露時間(hr)と接触角(θ、度)の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1:クリーンルーム、2:空気、3:除塵フィルタ、4:除湿器、5-1、5-2:吸着材、5汚染防止装置、7:清浄空気、8:エアーナイフ装置、9:外気、10:粗フィルタ、11:空気調和器、12:HEPAフィルタ、13:空気、20:ストッカ、21:収納空間、22:循環ファン、23:微粒子除去部、24:紫外線ランプ、25:光電子、26:光電子放出材、27:電場用電極材、28:捕集用電極材、29:反射面、30:空気の流れ

Claims (4)

  1. 基材又は基板と接触する気体を、該気体中の微粒子濃度をクラス1000以下にする除塵処理と、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下にする吸着処理とで処理して、基材又は基板表面の汚染を防止する方法において、前記吸着処理を、フィルター状又は繊維状の活性炭及び/又は該活性炭に金属又は半導体の酸化物、水酸化物、塩基性塩、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、炭酸塩から選ばれた1種類以上の親水性を有する無機物質を担持したもので、少なくとも親水性部と疎水性部とを有する第1の吸着材と、ガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材とを組合せた吸着材を用いて行うことを特徴とする基材又は基板表面の汚染防止方法。
  2. 前記吸着処理は、処理する前の気体を除湿処理して該気体中の水分濃度を50%(RH)以下にして行うことを特徴とする請求項1記載の基材又は基板表面の汚染防止方法。
  3. 基材又は基板と接触する気体を通す、微粒子をクラス1000以下となるまで除去するための除塵手段と、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下とする吸着手段とを有する基材又は基板表面の汚染を防止する装置において、前記吸着手段は、フィルター状又は繊維状の活性炭及び/又は該活性炭に金属又は半導体の酸化物、水酸化物、塩基性塩、珪酸塩、燐酸塩、硼酸塩、炭酸塩から選ばれた1種類以上の親水性を有する無機物質を担持したもので、少なくとも親水性部と疎水性部とを有する第1の吸着材と、ガラスとフッ素化合物からなる第2の吸着材とを組合せた吸着材を用いることを特徴とする基材又は基板表面の汚染防止装置。
  4. 前記吸着手段は、該手段の前に除湿手段を備えていることを特徴とする請求項記載の基材又は基板表面の汚染防止装置。
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