JP2006066929A - 基材又は基板表面の汚染を防止する方法及び装置 - Google Patents

基材又は基板表面の汚染を防止する方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体製造や液晶製造などの先端産業における原材料、半製品、製品の基材や基板表面の汚染を防止するための清浄気体の調製方法を提供する。
【解決手段】本発明は、基材又は基板表面の汚染を防止するための方法であって、クリーンルーム内の気体を、吸着手段および/または吸収手段と、除塵手段とに通すことによって、非メタン炭化水素濃度が0.2ppm以下且つ微粒子濃度クラスが10以下の清浄気体を調整し、得られた清浄空気を基材又は基板の表面と接触させることを特徴とする方法を提供する。
【選択図】 図1

Description

発明の詳細な説明
本発明は、基材または基板表面と接触させる清浄気体を調製する方法および装置に関し、特に半導体製造や液晶製造などの先端産業における原材料、半製品、製品の基材や基板表面の汚染を防止するための清浄気体の調製に関する。
本発明の適用分野は例えば、(1)半導体製造工程におけるウエハの汚染防止、(2)液晶製造工程におけるガラス基板の汚染防止、(3)精密機械製造工程における基材の汚染防止、である。本発明の清浄気体の調製方法および調製装置の適用箇所の例としては、半導体製造工場、液晶製造工場、精密機械製造工場などにおけるクリーンルーム内の空間、例えば安全キャビネット、クリーンボックス、貴重品の保管庫、ウエハ保管庫、貴重品の密閉搬送空間、各種気体の存在下あるいは減圧下や真空下でのクリーンな密閉空間、搬送空間、洗浄装置への供給気体を含む空間、エアーナイフ用供給空気を含む空間、がある。
従来の技術を、半導体製造工場におけるクリーンルームの空気清浄を例にとり、以下説明する。
クリーンルームにおいては、微粒子(粒子状物質)や、自動車の排気ガスなどに起因する空気中のメタン以外の極低濃度の炭化水素(HC)などのガス状物質が汚染物質として問題となる。特にHCはガス状有害成分として通常の空気(室内空気および外気)中の極低濃度のものが汚染をもたらすので、除去する必要がある。また、クリーンルームにおける作業で生じる各種の溶剤(アルコール、ケトン類など)も汚染物質として問題となる。
すなわち、上述の汚染物質(微粒子およびガス状汚染物質)がウエハ、半製品、製品の基板表面へ沈着すれば基板表面が破損しやすくなり、半導体製品の生産性(歩留り)を低下させる原因となるため、汚染物質の除去が必要である。微粒子とガス状物質はともに基板表面の接触角を増大させるが、特に通常のクリーンルーム内ではHCが接触角を増大させる傾向が高いことがわかった。ここで、接触角とは水によるぬれの接触角のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものである。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の物質が付着すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと汚染度が低い。
従来のクリーンルームの空気浄化方法あるいはそのための装置には、大別して、(1)機械的ろ過方法(HEPAフィルターなど)、(2)静電的に微粒子の捕集を行う、高電圧による荷電あるいは導電性フィルターによるろ過方式(HESAフィルターなど)、がある。これらの方法は、いずれも微粒子の除去を目的としており、メタン以外の炭化水素(HC)のような、接触角を増大させるガス状の汚染物質の除去に対しては効果がない。
一方、ガス状の汚染物質であるHCの除去法としては、燃焼分解法、O分解法などが知られている。しかし、これらの方法は、クリーンルームへの導入空気中に含有する極低濃度のHCの除去には効果がない。
また、HC以外のガス状有害成分としては、SO、NO、HCl、NHなどがあり、これらの除去法としては、適宜のアルカリ性物質や酸性物質を用いた中和反応や酸化反応を利用する方法などが知られている。しかし、これらの方法は、やはり成分濃度がクリーンルームへの導入空気中に含有するような極低濃度の場合には、効果が少ない。
本発明者らは、基材または基板表面の汚染を防止する方法および装置として、上記接触角の増大を防止するために吸着材や吸収材などを用いる方法および装置を、すでに提案した(特許文献1および特許文献2)。これらの方法および装置は適用分野によっては有効であるが、更に実用性を増すために一層の改善を行う必要がある。
特願平3−341802号(特開平05−157284号) 特願平4−180538号(特開平06−000324号)
すなわち、半導体製品の生産性を向上させるためには粒子状物質および接触角を増大させるガス状有害成分を除去する必要がある。そこで本発明の課題は、微粒子の濃度と基材および基板表面の接触角を増大させるガス状有害物質の濃度が十分に低い清浄気体を調製する方法および装置を提供することである。
上記課題を解決するため本発明によれば、クリーンルーム内の気体から非メタン炭化水素濃度が0.2ppm以下の清浄気体を調整する装置であって、除湿手段と、吸着手段および/または吸収手段と、除塵手段とを有することを特徴とする、前記清浄気体の調整装置が提供される。
また、本発明によれば、基材または基板と接触する気体を、除塵手段と、吸着および/または吸収手段とにより浄化し、前記気体中の非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下となした後、前記気体を基材または基板表面に暴露することを特徴とする方法が提供される。
更に本発明によれば、基材または基板の表面の汚染を防止するために前記表面と接触させる清浄気体を調製する方法であって、被処理気体中の水分濃度を除湿手段によって50%(RH)以下とした後、除塵手段と、吸着手段および/または吸収手段により浄化することによって、気体中の微粒子濃度をクラス10以下で非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下とすることを特徴とする方法が提供される。
さらに本発明によれば、基材または基板の表面の汚染を防止するために前記表面と接触させる清浄気体を調製するための装置であって、装置の入口に被処理気体中の水分濃度を50%(RH)以下にする除湿手段を備え、前記除湿手段の下流に、水分濃度を50%以下に低下させた気体中の微粒子濃度をクラス10以下にする除塵手段と、非メタン炭化水素濃度を0.2ppm以下とする吸着手段および/または吸収手段とを備えたことを特徴とする装置が提供される。
以下、本発明を、基材または基板表面に接触する気体が空気である場合を例にとり、詳細に説明する。
本発明における除塵手段は、空気中の微粒子を低濃度まで除去できるものであればどのようなものでもよい。通常、微粒子を低濃度まで効率良く捕集する周知の除塵フィルタが用いられる。一般に、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ、静電フィルタが簡易でかつ効果的であることから好ましい。通常、これらのフィルタの1種類または複数種類を適宜に組み合わせて用いる。微粒子の除去によって、微粒子濃度をクラス10(10個/ft)以下とする。ここで、クラスとは微粒子濃度の単位であり、1ft中の微粒子の個数を表す。
非メタン炭化水素すなわちガス状有害成分を除去するためには、接触角を増大させるこれら成分を吸着および/または吸収する材料を用いる。非メタン炭化水素は、通常の空気(室内空気および外気)中の濃度で汚染をもたらす。また種々の非メタン炭化水素のうち、接触角を増大させる成分は基材の種類(ウエハ、ガラス材など)や基板上の薄膜の種類・性状によって異なると考えられる。本発明者は鋭意検討した結果、非メタン炭化水素を指標として、これを0.2ppm以下、好ましくは0.1ppm以下まで除去すれば効果的であることを発見した。
吸着材としては、活性炭、シリカゲル、合成ゼオライト、モレキュラシーブ、高分子化合物(例えば、スチレン系重合体、スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)、ガラス、フッ素化合物、金属などを用いる。
ガラス材としては、酸化物ガラス系、例えばケイ酸塩ガラス、リン酸塩ガラスが一般的である。ケイ酸塩ガラスとしては特にホウケイ酸ガラス(主要成分:NO−B−SiO)が、成形が容易で吸着効果が高く、かつ安価であることから好ましい。また、ガラス表面にTi、Au、Al、Crなどの金属薄膜を被覆して用いると、吸着効果が高くなる。
フッ素化合物としては、四フッ化樹脂、四−六フッ化樹脂、PFA樹脂、三フッ化エチレン樹脂、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン樹脂、フッ化ビニル樹脂、フッ化黒鉛、テフロン(登録商標)などがある。
ガラスおよびフッ素化合物の使用形状は、フィルタ状、繊維状、網状、球状、ペレット状、格子状、棒状、プリーツ状などがある。一般にフィルタ状が吸着効果が大きいので好ましい。フィルタ状で用いる場合の成形法の例として、フッ素化合物樹脂をバインダとして用い、繊維状のガラス材をフィルタ状に固めて用いる方法がある。このようなフィルタ状で用いるとHCの除去性能に除塵性能が加わるのでフィルタ構成が簡素になる。従ってこのような吸着材を汚染防止装置に組み込むことは、利用分野、装置規模、装置形状によっては好ましい。
金属としては、例えばFe、Ag、Ni、Cr、Ti、Au、Pt があり、粉末状、板状、スポンジ状、線状、繊維状、あるいは適宜の担体に付加したもの、例えばシリカ−アルミナゲルにAgを担持したものやリン酸ジルコニウムにAgを担持した形状が好適に使用できる。
上記吸着材のうち、活性炭、シリカゲル、合成ゼオライト、高分子化合物、ガラス、フッ素化合物、および金属が吸着効果が高いのでより好ましい。これらの吸着材は、単独で又は2種類以上を適宜組み合わせて使用できる(特願平3−341802号および特願平4−180538号参照)。後述するように、接触角増大に関与するHCは複数種類と考えられるので、2種類以上の吸着材を組み合わせて用いると寿命が長くなる。すなわち、通常1種類の吸着材による捕集によっては接触角増大に関与する全てのHCを捕集するには限界があるので、吸着特性の異なる吸着材を、実験を行って適宜組み合わせて用いると効果的である。
また、ガラス基板の種類によって、または基板の表面状態によってはHCの影響の程度が異なるので、利用分野、装置規模、形状、装置の使用条件、共有ガス、要求性能、経済性などにより適宜予備試験を行って、上記吸着材の中から好適なものを選定することができる。
本発明においては、吸着材に空気を通す前に被処理空気の脱水、除湿または減湿を行うが、それによって吸着材の吸着性能が向上し、また寿命が延びる。そのためには、冷却式、吸着式、吸収式、圧縮式、膜分離による方式など周知の方式のものを使用することができ、本発明の装置の適用分野、規模、形状、使用条件(例えば大気圧下または加圧下)などにより適宜予備試験を行い、1種類または2種類以上を適宜組み合わせて用いる。除湿方式は、通常数カ月〜半年以上の長期間にわたって除湿性能が安定して維持されるものを用いるのが好ましい。特に、冷却式および/または吸着式のものが簡易で効果的である。冷却式のものとしては電子除湿方式、冷却コイル方式が好ましく、吸着式のものとしては除湿と除湿器自体の再生を行いながら長期間連続して除湿する方式(固定式、回転式など)が簡易で効果的である。吸着式による除湿材料としては、シリカゲル、ゼオライト、活性炭、活性アルミナ、過塩素酸マグネシウム、塩化カルシウムなどを用いることができる。このうち、シリカゲルとゼオライトが、HC除去効果もあり、再生利用でき、また長期間の使用も可能なので好ましい。
被処理気体中の水分濃度を50%(RH:相対湿度)以下、好ましくは30%(RH)以下になるように除湿すれば、吸着材のHC吸着性能が向上し、性能が長期間安定して維持される。除湿方式や限界水分濃度は、適用装置の種類、規模、HC除去材の種類、要求性能、経済性などにより、適宜予備試験を行って決めることができる。
除湿を行うことにより吸着材のHC除去性能が長期間安定して維持される。特に吸着材としてシリカゲルやフッ素化合物のような疎水性物質を用いる場合に性能が顕著に安定する。
吸着材の使用に際しては、上述の(除湿を伴う)使用方法の他に、PSA(圧力スウィング吸着)やTSA(熱スウィング吸着)により吸着材の再生を同時に行うことができる。
HC吸収材は、低濃度のHCと反応し、これを固定化できるものであれば何でも使用できる。一般には、HSO共存下でのCr6+との反応や、H共存下でのIとの反応を用いることができる。前者は低分子量のHCに、後者は高分子量のHCに対して有効である。例えば、ガラスビーズあるいは適宜の形状(例えばペレット状)のゼオライトやアルミナなどの担体表面にHSO酸性の6価クロムを含む塩水溶液を含浸させて用いる。なお、吸収とは化学反応により反応吸収することを示す。
吸着材および/または吸収材の使用条件は、本発明の装置の適用分野、装置規模、形状、要求性能などによって、適宜予備試験を行って決めることができる。装置中の被処理空気の空間速度(SV)は通常100〜20000(h−1)、好ましくは100〜5000(h−1)とする。
以上は、通常の空気中の極低濃度HCを除去する場合の本発明の態様を説明したものである。一般に基材または基板表面を汚染し、接触角を増大させる原因となる物質は、(1)SO、NO、HCl、NHのような有害ガス、(2)微粒子、(3)HC、に大別できて、本発明者が検討した結果、通常の空気中(通常のクリーンルームにおける環境大気中)や半導体製造工場や液晶製造工場などのクリーンルームで使用されるN中では、接触角に対して、微粒子とHCの影響が大きい。すなわち、一般にSO、NO、HCl、NHは、通常の空気中の濃度レベルでは接触角の増大に対して影響が少ない。従って除塵とHCの除去によって効果が得られる。しかしSO等有害ガスがクリーンルーム内またはその周辺で発生してこれらの濃度が高い場合はこれらガス成分の影響を受けるし、これらの濃度が通常では影響しない程度に低い場合であっても、基材や基板が敏感な場合や表面が特殊な状態になっている場合(例えば基材表面に特殊な薄膜を被覆した場合)には影響を受ける可能性がある。このような場合、本発明者がすでに提案した、紫外線および/または放射線を有害ガスに照射してガスを微粒子化し、この微粒子を捕集する方法(装置)(特願平3−22686号:特開平4−243517号)を適宜組み合わせて用いるのが好ましい。またこのような場合、別の周知の有害ガス除去材、例えば活性炭、イオン交換樹脂などを適宜組み合わせて用いてもよい。活性炭は、酸やアルカリなどを添着したり、周知の方法によって適宜改質したものを用いることができる。
さらに、HCを除去する目的に対しても、本発明者がすでに提案した、紫外線および/または放射線照射によりHCを微粒子化して捕集する方法(特願平3−105092号)を用いることもできる。
図1は、本発明の方法を半導体製造工場におけるエアーナイフ用の供給空気の浄化に適用した例である。図1において、1はクラス10000のクリーンルームであり、空気2が、除湿器3、接触角を増大させるガス状有害成分(本例では主としてHC)を吸着する吸着材4、および除塵フィルタ5よりなる気体調製装置6によって、クリーンルーム1内で処理される。空気7は装置6を通過した後には、除塵されてかつガス状有害成分が除去された清浄な空気となっていて、ウエハ(基板)を洗浄するためのエアーナイフ装置8へ供給される。
以下、本例を詳細に説明する。クリーンルーム1内に入る前の外気9は、まず粗フィルタ10と空気調和器11で処理される。次いで空気はクリーンルーム1に入る際にHEPAフィルタ12によって除塵されて、極低濃度のHCが共存するクラス10000の濃度の空気13となる。すなわち、主に自動車から発生する極低濃度のHCは粗フィルタ10、空気調和器11、およびHEPAフィルタ12では除去されないため、クリーンルーム1内に導入されてしまう。空気13中のHCの濃度は非メタンHCで0.5〜0.8ppmである。
水分(RH40〜60%)、微粒子(クラス10000)、および極低濃度のHCを含むクリーンルーム1内の空気2は、まず除湿器(除湿装置)3によって水分が一定濃度以下になるように除湿される。本例の除湿器は電子除湿方式によるもので、クリーンルーム1内の上記湿度(RH40〜60%)が30%以下になるように運転される。
除湿後の空気は、次いでHC吸着材すなわちガス吸着除去装置4によって処理され、これにより極低濃度のHCが除去される。HC吸着材4は、通常大気中にある極低濃度のHCを除去するものであればどのようなものでもよい。本例では吸着材4としてシリカゲルを使用している。これにより、空気中の非メタンHCが0.1ppmの濃度まで除去される。シリカゲルは導入空気2中の水分が高い場合、水分をも吸着して性能が低下してしまうので、上述のように除湿器3によって予め水分の除去を行うのである。
次いで、空気中の微粒子を除塵フィルタ(除塵装置)5によって除去する。除塵フィルタ5の位置は、HC吸着材4よりも上流側、または本例のようにHC吸着材よりも下流側、または上流側と下流側の両方とすることができる。しかし、吸着材4からの微粒子の流出がある場合を想定して安全のために、通常本例の様に少なくとも一つは下流側に設置するのが好ましい。除塵フィルタ5は、クリーンルーム内のクラス10000の濃度の微粒子および吸着材からの流出微粒子を効率良く捕集できるものであれば、どのようなものでもよい。本例ではULPAフィルタを使用している。ULPAフィルタによって微粒子がクラス10以下まで除去される。
本例ではHC除去は吸着材により行っているが、吸着材の代わりに吸収材(極低濃度のHCとの反応剤)を用いてもよい。また吸着材と吸収材を同時に使用してもよい。
上述の本発明者がすでに提案した方法(装置)と本発明の方法との組み合わせや、HC以外の有害ガスを除去する材料の使用や組み合わせは、適宜選択して用いることができる。また、除塵フィルタや吸着材および/または吸収材の使用条件は、適宜に決めることができる。すなわち、これらは、使用するクリーンルーム内の汚染物質(微粒子、HC、その他の有害ガス)の濃度、種類、適用装置の種類、構造、規模、要求性能、効率、経済性などによって、適宜に予備試験を行って決めることができる。
本実施例では媒体が空気の場合について説明したが、窒素やアルゴンなど他の気体中に微粒子やガス状有害物質が不純物として含まれる場合も、本発明を同様に実施できることは言うまでもない。
本発明を適用し得る空間とは、上述の大気圧下の他に、加圧下、減圧下、真空下を指し、同様に実施できる。
空気中のHC成分は数百種あるいは数千種以上の成分の混合物と言われていて、このような多種類のHC成分のうち接触角の増大にどの成分がどの程度関与するのか不明である。そのため、吸着材および/または吸収材による接触角の増大を防止する機構についての詳細は不明な点が多いが、次のように考えられる。すなわち、接触角の増大に対してはHC成分のうち特に分子量の大きい物質や活性の高い物質の影響が大きいと推定され、これらが吸着材や吸収材によって効果的に吸着・捕集される。
実施例1
図1に示した装置によって、クリーンルーム内の空気から水分と微粒子とHCを除去した。これによって得られた清浄化空気にガラス基板を暴露し、接触角を測定した。また本発明に係る気体調製装置の出口で微粒子濃度と非メタンHCの濃度を測定した。さらに除湿器出口での水分濃度も測定した。また図1に示した装置から除湿器を外したもの、除湿器とHC吸着材を外したもの(すなわち除塵フィルタのみ使用)、除湿器と除塵フィルタを外したもの(すなわちHC吸着材のみ使用)についても接触角の測定を行い、さらにクリーンルーム内の処理前の空気にガラス基板を暴露した場合についても接触角の測定を行った。
試験条件
処理前のクリーンルーム内での水分の濃度:40〜60%
処理前のクリーンルーム内での微粒子濃度:クラス10000
処理前のクリーンルーム内での非メタンHCの濃度:0.51ppm
除湿器:電子除湿器(Peltier effect方式)(伸栄産業(株)製)
除塵フィルタ:ULPA(日本ポール(株)製、ガスクリーンフィルタSGLF6101)
HC吸着材:シリカゲル(中粒、SV:1000h−1)(和光純薬(株)製)
接触角測定器:協和界面科学(株)製、CA−D型接触角計
水分測定器:電子式湿度センサ
ガラス基板の前処理:洗剤とアルコールで洗浄後、O発生下で紫外線照射
空気へのガラス基板の暴露時間と測定された接触角θとの関係を図2に示す。図2において、本発明のもの(A)(除湿器、除塵フィルタ、シリカゲルを使用)は白丸−○−で示し、比較として、本発明のもの(A)から除湿器を外したもの(B)は黒白丸で示す。また比較として、クリーンルーム内の処理前の空気に暴露したもの(C)(黒丸−●−)、除塵フィルタのみに通した空気に暴露したもの(D)(白四角−□−)、およびHC吸着材のみに通した空気に暴露したもの(E)(黒四角)もあわせて示す。
用いた接触角計の接触角を検出し得る度数(接触角の検出下限)は3〜4度であり、除湿器、除塵フィルタ、シリカゲルを同時使用した本発明の場合、初期において検出限界(↓)を示した。本発明の装置(A)の出口での微粒子濃度はクラス10以下(測定器:光散乱式パーティクルカウンター)で、非メタンHCの濃度は0.1ppm以下(測定器:ガスクロマトグラフ)であった。また除湿器出口での水分の濃度は25〜30%であった。
実施例2
吸着材として合成ゼオライト、高分子化合物(スチレン系重合体)、フッ素パウダ、フッ化黒鉛をそれぞれ用い、その他の条件は実施例1における本発明(A)と同様にして、15、40、および100時間後の接触角を測定した。結果を表1に示す。
実施例3
硝酸と硫酸を使用して酸洗浄したクリーンルーム内の空気(NOとSOを10〜50ppm含有)から、図1に示した装置によって水分と微粒子とHCを除去した。これによって得られた清浄化空気にウエハを暴露し、接触角を測定した。また本発明に係る気体調製装置の出口で微粒子濃度と非メタンHCの濃度を測定した。さらに除湿器出口での水分濃度も測定した。さらに比較の装置およびクリーンルーム内の処理前の空気にウエハを暴露した場合についても接触角の測定を行った。
試験条件
処理前のクリーンルーム内での水分の濃度:40〜60%
処理前のクリーンルーム内での微粒子濃度:クラス10000
処理前のクリーンルーム内での非メタンHCの濃度:0.82ppm
除湿器:電子除湿器(Peltier effect方式)(伸栄産業(株)製)
除塵フィルタ:ULPA(日本ポール(株)製、ガスクリーンフィルタSGLF6101)
吸着材:(1)シリカゲル(HC吸着用)(中粒、SV:1000h−1)(和光純薬(株)製)
(2)アルカリを添着した活性炭(NOとSO吸着用、SV:1000h−1)(ツルミコール(株)製)を上記シリカゲルの下流側に装着したもの
接触角測定器:協和界面科学(株)製、CA−D型接触角計
水分測定器:電子式湿度センサ
空気へのウエハの暴露時間と測定された接触角θとの関係を図3に示す。図3において、本発明のもの(F)(除湿器、除塵フィルタ、吸着材(2)を使用)は白丸−○−で示し、比較として、本発明のもの(F)から除湿器を外したもの(G)は黒白丸で示し、また本発明のもの(H)(除湿器、除塵フィルタ、吸着材(1)を使用)は白四角−□−で示す。さらに比較として、クリーンルーム内の処理前の空気に暴露したもの(I)を黒丸−●−で示す。
本発明の装置(F)および(H)の出口での微粒子濃度はクラス10以下で、非メタンHCの濃度は0.1ppm以下であった。また除湿器出口での水分の濃度は30〜35%であった。
実施例4
図1に示した装置(ただし除塵フィルタと吸着材は下記のものを使用)によって、クリーンルーム内の空気から水分と微粒子とHCを除去した。これによって得られた清浄化空気にガラス基板を暴露し、接触角を測定した。また本発明に係る気体調製装置の出口で微粒子濃度と非メタンHCの濃度を測定した。さらに除湿器出口での水分濃度も測定した。また図1に示した装置から除湿器を外したもの、さらにクリーンルーム内の処理前の空気にガラス基板を暴露した場合についても接触角の測定を行った。
試験条件
処理前のクリーンルーム内での水分の濃度:40〜60%
処理前のクリーンルーム内での微粒子濃度:クラス10000
処理前のクリーンルーム内での非メタンHCの濃度:0.64ppm
除湿器:電子除湿器(Peltier effect方式)(伸栄産業(株)製)
HC吸着材:シリカゲル(中粒、SV:1000h−1)(和光純薬(株)製)と、このシリカゲルの下流側に繊維状ホウケイ酸ガラスを四フッ化樹脂をバインダとしてフィルタ状に成形したもの(SV:10000h−1)を装着したもの
除塵フィルタ:上記の繊維状ホウケイ酸ガラスをフィルタ状に成形したもので兼用
接触角測定器:協和界面科学(株)製、CA−D型接触角計
水分測定器:電子式湿度センサ
ガラス基板の前処理:洗剤とアルコールで洗浄後、O発生下で紫外線照射
空気へのガラス基板の暴露時間と測定された接触角θとの関係を図4に示す。図4において、本発明のもの(J)(除湿器、除塵フィルタ、HC吸着材を使用)は白丸−○−で示し、比較として、本発明のもの(J)から除湿器を外したもの(K)は黒白丸で示す。また比較として、クリーンルーム内の処理前の空気に暴露したもの(L)を黒丸−●−で示す。
本発明の装置(J)の出口での微粒子濃度はクラス10以下で、非メタンHCの濃度は0.1ppm以下であった。また除湿器出口での水分の濃度は25〜30%であった。
本発明によれば以下のような効果を奏する。
本発明の方法により気体中の微粒子を除去するとともに炭化水素を吸着および/または吸収することによって、清浄な気体が得られる。この清浄化気体を半導体や液晶などの基材や基板上に暴露しておくと基材や基板の表面の汚染が防止される。
また被処理気体中での炭化水素以外のNO、SOなどのガス状有害成分の濃度が高い場合、これら有害成分の除去法(例えば本発明者がすでに提案した方法)を適宜選択し、それを本発明に係る炭化水素の吸着材および/または吸収材と組み合わせることによって、汚染がよりいっそう効果的に防止される。
さらに、炭化水素を除去するにあたって、被処理空気を除湿し、水分を一定濃度以下にすることによって、吸着材による炭化水素除去性能が長期間にわたって安定して維持される。これにより、吸着材の交換頻度が減少し、実用性が向上する。
図1は本発明の装置を示し、半導体製造工場におけるエアーナイフ用の供給空気の浄化に適用した例である。 図2は、空気へのガラス基板またはウエハの暴露時間と測定された接触角θとの関係を示すグラフである。 図3は、空気へのガラス基板またはウエハの暴露時間と測定された接触角θとの関係を示すグラフである。 図4は、空気へのガラス基板またはウエハの暴露時間と測定された接触角θとの関係を示すグラフである。

Claims (19)

  1. 基材又は基板表面の汚染を防止するための方法であって、クリーンルーム内の気体を、吸着手段および/または吸収手段と、除塵手段とに通すことによって、非メタン炭化水素濃度が0.2ppm以下且つ微粒子濃度クラスが10以下の清浄気体を調整し、得られた清浄空気を基材又は基板の表面と接触させることを特徴とする方法。
  2. 前記吸着手段および/または吸収手段に、被処理気体を空間速度20000h−1以下で通す請求項1に記載の方法。
  3. 被処理気体を、吸着手段および/または吸収手段に通し、次に除塵手段に通す請求項1又は2に記載の方法。
  4. 除塵手段が、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ及び静電フィルタの少なくとも一つから構成される請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 吸着手段および/または吸収手段が、活性炭、シリカゲル、合成ゼオライト、モレキュラシーブ、高分子化合物、ガラス、フッ素化合物及び金属の少なくとも一つから構成される請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 気体を吸着手段および/または吸収手段に通す前に、除湿手段に通す請求項1〜5のいずれかに記載の方法。
  7. 除湿手段が、冷却式、吸着式、吸収式、圧縮式、膜分離、又はこれらの組み合わせである請求項6に記載の方法。
  8. 除湿手段が、シリカゲル又はゼオライトから構成される請求項7に記載の方法。
  9. 気体を除湿手段に通す前に、予備除塵手段に通す請求項6〜8のいずれかに記載の方法。
  10. 基材又は基板表面の汚染を防止するための装置であって、クリーンルーム内の気体を通して非メタン炭化水素濃度が0.2ppm以下且つ微粒子濃度クラスが10以下の清浄気体を調整する吸着手段および/または吸収手段ならびに除塵手段と、該吸着手段および/または吸収手段ならびに除塵手段を通過した清浄気体を基材又は基板の表面に接触させる手段を具備することを特徴とする装置。
  11. 前記吸着手段および/または吸収手段を通過する気体の空間速度が20000h−1以下である請求項10に記載の装置。
  12. 除塵手段の少なくとも一つが吸着手段および/または吸収手段の下流に配置されている請求項10又は11に記載の装置。
  13. 吸着手段および/または吸収手段ならびに除塵手段を通過した清浄気体中の微粒子濃度がクラス10以下である請求項10〜12のいずれかに記載の装置。
  14. 除塵手段が、HEPAフィルタ、ULPAフィルタ及び静電フィルタの少なくとも一つから構成される請求項10〜13のいずれかに記載の装置。
  15. 吸着手段および/または吸収手段が、活性炭、シリカゲル、合成ゼオライト、モレキュラシーブ、高分子化合物、ガラス、フッ素化合物及び金属の少なくとも一つから構成される請求項10〜14のいずれかに記載の装置。
  16. 気体を吸着手段および/または吸収手段に通す前に、除湿手段に通す請求項10〜15のいずれかに記載の装置。
  17. 除湿手段が、冷却式、吸着式、吸収式、圧縮式、膜分離、又はこれらの組み合わせである請求項16に記載の装置。
  18. 除湿手段が、シリカゲル又はゼオライトから構成される請求項17に記載の装置。
  19. 気体を除湿手段に通す前に、予備除塵手段に通す請求項16〜18のいずれかに記載の装置。
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