JP3696038B2 - 粒子状物質の捕集装置と捕集方法 - Google Patents

粒子状物質の捕集装置と捕集方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、粒子状物質の捕集に係り、特にイオンを用いて粒子状物質を荷電し、該荷電粒子を捕集する捕集装置とその装置を用いる捕集方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、本発明者らが既に提案した、光電子放出材に紫外線を照射することにより発生させた光電子(負イオン)により、粒子状物質を捕集・除去する密閉空間の清浄化について説明する。
光電子放出材に、紫外線を照射することにより発生する光電子による空間の清浄化については、本発明者らの多数の提案や研究論文がある。例えば、(1)空間清浄化に関するものでは、特公平3−5859号、特公平6−34941号、特公平6−74909号、特公平6−74710号各公報参照、(2)光電子放出材に関するものでは、特公平6−74908号、特公平7−93098号、特開平6−277558号各公報参照、(3)研究論文では、(a)Proceedings of the 8th. World Clean Air Congress.1989.Vo1.3.Hague p735〜740(1989)、(b)エアロゾル研究、第7巻、第3号、p245〜247(1992)、(c)エアロゾル研究、第8巻、第3号,p239〜248(1993)、同第8巻、第4号、p315〜324(1993)、などがある。
【0003】
光電子を用いる粒子状物質(微粒子)の荷電・捕集では、光電子により荷電した荷電粒子を効率よく捕集することが重要である。
図5は、本発明者らが既に提案した光電子を用いた密閉空間の清浄化として、クラス1,000の半導体工場におけるストッカ(ウエハの粒子汚染防止装置)の断面構成図である。
図5において、Aは、紫外線ランプ2、光電子放出材3、光電子放出用(光電子放出のための弱い電場形成用)電極4、荷電微粒子捕集材(電極)5より構成される光電子(負イオン)による微粒子の荷電・捕集部(気体清浄化装置)であり、Bは、半導体基板としてキャリアー6に収納されたウエハ7が収納されるウエハ収納空間(被清浄化空間部)である。
ストッカ1には、ウエハ収納空間Bに収納されたウエハ7に付着すると断線や短絡を起こすことから欠陥を生じ、歩留まりの低下をもたらす微粒子8が存在する。微粒子8は、ウエハ7のスットカ1への収納や取り出しのためのスットカ1の開閉毎に、クリーンルーム(クラス1,000)からスットカ1内に侵入する。
【0004】
ここで、微粒子(粒子状物質)8は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射される負イオン(光電子)9により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子捕集材5に捕集され、ウエハ7の存在する清浄化空間部Bは、清浄化される。
このようにして、スットカ1内はクラス1(粒径:0.1μm)よりも清浄な空間が維持される。なお、クラス1とは、1ft3中の0.1μm以上の粒子個数である。
10-1〜10-3は、スットカ1内の空気の流れであり、紫外線ランプ2の照射により生じる気体清浄化装置Aの上下間の温度差によって引き起こされる。この空気の流れ10-1〜10-3により、ウエハ収納空間B中の微粒子8は順次気体清浄化装置Aへと導入され、微粒子の捕集(除去)が行われる。
【0005】
図5の構成のスットカ1の荷電微粒子捕集材5では、特に、長時間運転の場合などで、荷電微粒子が該捕集材5に捕集されず、被清浄化空間部分Bに流出する場合があった。
これは、光電子(負イオン)による荷電では、0.3μm以上のように比較的大粒径の粒子は、荷電により受け取る電荷量が多いので、該電極(捕集材)5で効率よく捕集されやすい。一方、0.05μm以下のような微細な粒径の粒子(粒子状物質)は受け取ることのできる電荷量が少ないために(例、1価荷電)、該捕集電極5に捕集されないで、流出するものがあるためと考えられる。
図5のように、半導体工場におけるスットカ1では、前記のごとく荷電微粒子が、ウエハ7が収納されている被清浄化空間部Bに流出すると、該荷電微粒子がウエハ7に付着し、歩留まりの低下をもたらす。このように、荷電微粒子が被清浄化空間部B流出するという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑み、イオンによる微粒子の荷電・捕集において、荷電微粒子を捕集部で効果的に捕集して、被清浄化空間内に流出させない粒子状物質の捕集装置とそれを用いた捕集方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、粒径が0.05μm以下の粒子を含む粒子状物質をイオンを用いて荷電する荷電部と、該荷電した粒子を捕集する捕集部とを有する粒子状物質の捕集装置において、前記捕集部は、荷電した粒子を捕集する捕集材と、該捕集材の後方に設置された、前記荷電部で粒子が得た電荷と同一の荷電を有する付加電極とからなり、該付加電極は、前記荷電部及び該捕集材の電界よりも強い電界を形成し、該捕集材の後方に前記荷電部で帯電し該捕集材で捕集されず後方に流出した粒子を反発させるように、該付加電極に電圧を印加し、該捕集材で捕集されず後方に流出した粒子を該捕集材で捕集するように構成したことを特徴とする粒子状物質の捕集装置としたものである。
前記捕集装置において、荷電部は、負イオンを発生させる光電子放出材と、該光電子放出材に紫外線を照射する照射源とを有するか、又は、コロナ放電装置を有することとできる。
また、本発明では、前記の粒子状物質の捕集装置に、被清浄化空間中の気体を導入して粒子状物質を捕集することを特徴とする粒子状物質の捕集方法としたものである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の4つの知見に基づいてなされたものである。
(1)電場下で、光電子放出材に紫外線を照射すると、該光電子放出材から光電子が放出され、放出された光電子は負イオンに変化する。〔エアロゾル研究、第8巻、第3号,p239〜248、1993〕。
該負イオンは、オゾンレスであり、微粒子の荷電・捕集に有効に使用される。
(2)前記負イオンによる微粒子(粒子状物質)の荷電では、粒子径が大きいと、受け取る電荷量が多いため、後方に電極(電場)を設置すると高効率で捕集される。一方、粒子径が微細になると、受け取ることのできる電荷量が少ないため、後方の電極では捕集されず、後方に流出するものがある。
例えば、0.3μmの粒子の荷電量は、平均帯電数10であり、一方、0.05μm粒子になると平均帯電数は1価である。そして、半導体産業(クリーンルーム)では、製品の高品質化、高精密化により、今後は0.05、0.01μmの微細粒子の除去が必要になる。
また、比較的大きい粒子でも、長時間の運転では、捕集されず、流出する場合がある。
【0009】
(3)前記の捕集部からの負の帯電粒子の流出は、捕集部出口に比較的強い電界を形成するように、負の電圧を印加する電極を設置すると防止できる。これは、流出する負の帯電粒子は、該負の電圧を印加した電極により(形成される比較的強い電場により)、電気的に反発作用を受け、該作用により負の帯電粒子は捕集部で捕集されるためと考えられる。
(4)前記したことは、コロナ放電により荷電された帯電粒子についても同様である。
例えば、▲1▼負帯電粒子の流出防止には、該負の電圧を印加した電極材の設置、
▲2▼正帯電粒子の流出防止には、正の電圧を印加した電極材の設置、
をすればよい。
【0010】
次に、本発明の夫々の構成について説明する。
先ず、本発明者らが既に提案した光電子(負イオン)を用いる微粒子の荷電部について説明する。
荷電部に用いる負イオンは、光電子放出材に紫外線を照射することにより発生される。
即ち、負イオンは、光電子放出材の表面及び/又は裏面に、紫外線を照射しながら、該光電子放出材の表面及び/又は裏面より気体を導入して、該光電子放出材の表面及び/又は裏面に光電子(負イオン)を発生させるものである。
光電子放出材は、本発明者らがすでに提案したものを適宜に用いることができる(例、特公平6−74908号、特公平6−74909号、特公平8−211号、特公平7−121369号、特公平7−93093号、特公平8−22393号、特開平9−294919号各公報)。
【0011】
光電子放出材は、電場下で紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい。効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は混合物が好ましく、これらは単独で、又は2種以上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
例えば、化合物としては酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸化物には、BaO,SrO,CaO,Y23,Gd23,Nd23,ThO2,ZrO2,Fe23,ZnO,CuO,Ag2O,La23,PtO,PbO,Al23,MgO,In23,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化物には、YB6,GdB6,LaB5,NdB6,CeB6,EuB6,PrB6,ZrB2などがあり、さらに炭化物としては、UC,ZrC,TaC,TiC,NbC,WCなどがある。
【0012】
また、合金としては、黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、或いは薬品で酸化することによっても得ることができる。
さらに、他の方法としては、使用前に加熱し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ることもできる。この例としては、MgとAgとの合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下で、その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸化膜は長期間にわたって安定なものである。
これらの物質は、バルク状(固体状、板状)で、また歯宜の母材(支持体)へ付加して使用できる(特開平3−108698号公報)。例えば、紫外線透過性物質の表面又は該表面近傍に付加する(特公平7−93098号公報)こともできる。
【0013】
付加の方法は、紫外線の照射により光電子が放出されれば何れでも良い。
例えば、ガラス板上ヘコ−テインクして使用する方法、他の例として、板状物質表面近傍へ埋込んで使用する方法や、板状物質に付加し、更にその上に別の材料をコ−ティングして使用する方法、紫外線透過性物質と光電子を放出する物質を混合して用いる方法等がある。また、付加は、薄膜状に付加する方法、網状、線状、粒状、島状、帯状に付加する方法等適宜用いることができる。
光電子を放出する材料の付加の方法は、適宜の材料の表面に周知の方法でコ−テイング、あるいは付着させて作ることができる。例えば、イオンプレ−ティング法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキによる方法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、スクリ−ン印刷による方法を適宜用いることができる。
【0014】
薄膜の厚さは、紫外線の照射により光電子が放出される厚さであれば良く、5Å〜5,000Å、通常20Å〜500Åが一般的である。光電子放出材の使用形状は、板状、プリ−ツ状、筒状、円筒状、棒状、線状、網状、繊維状、ハニカム状等があり、表面の形状を適宜凹凸状とし使用することができる。また、凸部の先端を先鋭状あるいは球面状とすることもできる(特公平6−74908公報)。
形状を網状のような気体通過性とし、光電子放出材の裏面から気体を導入して表面に負イオンを発生させる形態は電場が弱くて良いことから、適用先、装置種類によっては好ましい(特開平7−57643号公報)。
母材への薄膜の付加は、本発明者らが既に提案したように、1種類又は2種類以上の材料を1層又は多層重ねて用いることができる。即ち、薄膜を適宜複数(複合)で使用し、2重構造あるいはそれ以上の多重構造とすることができる(特開平4−152296号公報)。
【0015】
これらの最適な形状や、紫外線の照射により光電子を放出する材料の種類や付加方法及び薄膜の厚さは、装置の種類、規模、形状、光電子放出材の種類、母材の種類、後述電場の強さ、かけ方、効果、経済性等で適宜予備試験を行い決める事が出来る。
前記光電子放出材を母材に付加して使用する場合の母材は、前記した紫外線通過性物質の他にセラミック、粘土、周知の金属材がある。また、後述の光源の表面に上記光電子放出材を被膜(光源と光電子放出材を一体化)して行うこともできる(特開平4−243540号公報)。
また、光触媒(例、TiO2)との一体化を行うこともできる(特開平9−294919号公報)。この形態は、光触媒により光電子放出材が長時間安定化でき(光電子放出材への影響物質があっても除去できる)、や共存するガス状汚染物質の除去ができるので利用先(装置の種類、要求性能)によっては好ましい。
【0016】
光電子放出材への紫外線の照射による光電子の発生は、光電子放出材と、後述の本発明の電極間に電場(電界)を形成して行うと、光電子放出材からの光電子放出が効果的に起こる。また、気体の流し方の適性化、例えば光電子放出材を網状とし、光電子放出材に直交して流す方式により、効果的に起こる。
電場の強さは、用途、装置種類、気体(空気)の流し方、形状、光電子放出材の種類、要求性能により、適宜予備試験を行い決めることが出来る。一般に、O.1V/cm〜2kV/cmである。
電場形成のための電極材料は、周知の導電性材料で、安定した材料であれば、何れでも使用できる。
例えば、Al、SUSがある。また、その形状は、前記負イオン発生の電場形成ができるものであれば何れでもよく、例えば、板状、網状、らせん状、線状、棒状である。
【0017】
次に、紫外線の照射源について述べる。
該照射源は、前述の光電子放出材への照射により、光電子放出材から光電子を放出するものであれば良い。
一般に、水銀灯、水素放電管、キセノン放電管、ライマン放電管などを適宜試用出来る。
光源の例としては、殺菌ランプ、ブラックライト、蛍光ケミカルランプ、UV−B紫外線ランプ、キセノンランプがある。この内、殺菌ランプ(主波長:254nm)が好ましい。殺菌ランプは、オゾンレスであり、殺菌(滅菌)作用を有するためである。
該光源の形状は、棒状、螺旋状、箱状等適宜の形状のものを用いることができる。
【0018】
次に、本発明の特徴である荷電された帯電微粒子(粒子状物質)の捕集部を説明する。
該捕集部は、荷電された帯電微粒子を粒子捕集部内で確実に捕集するものであり、通常の荷電粒子捕集材とその後方に設置する付加電極で構成される。
通常の荷電粒子捕集材としては、荷電粒子を捕集するものであれば何れでもよく、例えば、電極板、静電フィルタ、エレクトレット材がある。
本発明では、通常の該捕集材の後方(出口側)に個別の電極を設置して比較的強い電圧の印加を行う。該印加電圧の強さは、リークした帯電微粒子を反発させるものであれば何れでもよく、対象粒子径、帯電数、装置形状、要求性能などにより、適宜予備試験を行い決めることができる。
例えば、0.01μm以上の帯電微粒子を電極板で捕集する場合は、該電極板による電界に比較して、それよりも強い電界を形成するように電極に電圧を印加する。
使用電極の材料や形状では、前記光電子放出用の電極と同様のものを使用できる。
【0019】
前記した荷電部と捕集部を設置した捕集装置について、図1及び図2を用いて説明する。
図1及び図2は、本発明の捕集装置の一例を示す断面構成図である。
図1において、気流10-3により、微粒子の荷電捕集部Aに導入された空気中の微粒子(図示せず)は、紫外線ランプ2から紫外線照射された光電子放出材3より発生された光電子(負イオン)9により荷電され、荷電微粒子となる。4は、光電子放出材から光電子を効率よく放出させて荷電を行うための荷電用電極である。
該荷電微粒子は、後方の捕集電極(電極板)5にて捕集される。この荷電微粒子の内、0.3μm以上のような比較的粒径の大きい粒子は、光電子により荷電を多く受け取る(多電荷の粒子になる)ので、前記捕集電極5で高効率に捕集される。一方、0.05μm以下のような比較的粒径の小さい粒子は、受け取ることのできる電荷が少ない(帯電数は1価)。従って、このような帯電微細粒子は、その1部が捕集電極5で捕集されず、後方へ流出する。
【0020】
図1では、後方の付加電極11に前記捕集電極5における電界よりも、強い電界を形成するように負電圧が印加されており、即ち、Cの領域には、捕集電極5の領域に比べて、強い電界が形成されており、前記の流出した帯電微細粒子は、このCの領域の電場により反発作用を受け、流出阻止作用が働き、該帯電微細粒子は捕集電極5に捕集される。
このようにして、気流10-3により導入された空気中の微粒子は、微粒子の荷電捕集部Aで効果的に除去され、清浄化され、出口の気流10-1は、清浄空気が供給されることになる。
図1での紫外線ランプ2は、殺菌ランプ、光電子放出材3は、TiO2板上にAuを薄膜状に付加したもの、荷電用電極4は、Al板(電界:50V/cm)、捕集電極5は、板状Al電極(電界:700V/cm)、後方の付加電極11は、網状SUS電極(電界:1100V/cm)である。
【0021】
図2は、図1の変形であり、図1と同一符号は同じ意味を示す。
図2において、5’は捕集電極5の1部であり、付加電極11により形成される比較的強い電界により反発された帯電粒子の捕集のための正電圧印加の電極である。
図2の構成は、比較的強い電界の領域Cが広く、また、正電圧印加の電極5’のこのような設置位置により、リーク帯電粒子がよく効果的に捕集される特徴を有する。
前記では、光電子による微粒子の荷電について説明したが、コロナ放電など周知の荷電法についても同様に実施できる。
【0022】
次に、この放電による荷電のためのイオン発生について説明する。
放電によるイオン発生法としては、コロナ放電、グロー放電、アーク放電、火花放電、沿面放電、パルス放電、高周波放電、レーザ放電、トリガ放電、プラズマ放電など、周知の方法を用いることができる。
この内、コロナ放電は、簡易性、操作性、効果などの点で好ましい。発生イオンの選択として、オゾンの共存が好ましくないものは、正のコロナ電圧による正イオンを発生させて用いることができる。すなわち、正に比較し、負のコロナ放電ではオゾンが発生し易いためである。
人の近傍の利用においては、オゾン発生は健康に良くないので、正イオンを用いるのが好ましい、
【0023】
一方、工業的な利用等において、オゾンの共存があっても良い場合は、負イオンを用いることができる。通常負イオンは、正イオンに比べて移動度が大きいことによリ、工業上効果的な荷電ができることから、オゾンの共存があっても良い利用では好ましい。放電に用いる放電電極や対向電極は、周知の材質・形状を用いることができ、斜状、板状、網状、線状、球状、凹凸状、プリーツ状、くし状など適宜の形状の電極を組合せて用いることができる。コロナ放電の印加電圧は、一般に1kV〜80kVである。
本発明の粒子状物質の捕集は、空気中、N2やArなどの不活性気体中、減圧空間で好適に使用することができる。
【0024】
【実施例】
次に、実施例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
図3は半導体工場のクラス1,000のクリーンルームで使用されるウエハストッカの断面構成図である。
図3で、Aは、紫外線ランプ2、光電子放出材3、光電子放出用電極4、荷電微粒子捕集材(板状電極)5、該捕集材5をリークした荷電微粒子の流出を防ぐための付加電極(網状電極)11よりなる本発明の捕集装置を備えた微粒子の荷電・捕集部(気体清浄化装置)である。
ここで、付加電極11には、光電子により荷電された負の帯電粒子の気体清浄化装置Aからの流出を防ぐために、負の電圧が供給される。このAは、前記図1の形態であり、図1と同一符号は同じ意味を示す。
Bは、半導体基板としてキャリア−6に収納されたウエハ7が収納されるウエハ収納空間(被清浄化空間部)である。
【0025】
ストッカ1には、ウエハ収納空間Bに収納されたウエハ7に付着すると断線や短絡を起こすことから欠陥を生じ、歩留まりの低下をもたらす微粒子8が存在する。微粒子8は、ウエハ7のスットカ1への収納や取り出しのためのスットカ1の開閉毎に、クリーンルーム(クラス1,000)からスットカ1内に侵入する。
ここで、微粒子8は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射された光電子放出材3から放出される負イオン(光電子)9により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子捕集材5に捕集され、ウエハ7の存在する清浄化空間部Bは、清浄化される。
このようにして、スットカ1内はクラス1よりも清浄な空間が維持される。ここでは、0.05μmのような微細な粒子状物質も前記図1のごとくして、荷電微粒子捕集材5に捕集される。
【0026】
10-1〜10-3は、スットカ1内の空気の流れであり、紫外線ランプ2の照射により生じる気体清浄化装置Aの上下間の温度差によって引き起こされる。この空気の流れ10-1〜10-3により、ウエハ収納空間B中の微粒子8は、順次気体清浄化装置Aへと導入され、微粒子の捕集(除去)が行われる。
このようにして、ストッカ1内のウエハ収納空間Bは、クラス1(基準粒径:0.1μm)よりも清浄化されると共に、0.05μmのような微細な粒状物質も除去された超清浄空間となる。該空間にウエハを収納しておくと、ウエハ表面は微細な粒状物質からの汚染が防止される。
この実施例1の紫外線ランプ2は、殺菌ランプ、光電子放出材は、TiO2にAuを薄膜状に付加したもの、荷電用電極4は、Al板(電界:50V/cm)、捕集電極5は,板状Al電極(電界:700V/cm)、後方の付加電極11は、網状SUS電極(電界:1100V/cm)である。
【0027】
実施例2
図3に示した構成のストッカに、下記条件でクラス1,000の半導体工場のクリーンルーム空気を導入して、電場下で光電子放出材に紫外線照射を行い、ストッカ中の微粒子濃度を調べた。ストッカの開閉は、1日15回である。
ストッカの大きさ;100リットル
光電子放出材 ;板状TiO2にAuをスパッタリング法で付加したもの
紫外線ランプ ;殺菌灯(254nm)、
光電子放出用電極;Al製の板状(50V/cm)、
荷電微粒子捕集材 ;Al製の板状電極(700V/cm)、
付加電極 ;SUS製の網状電極(1100V/cm)、
試料空気 ;クラス1,000の半導体工場のクリーンルーム空気
(なお、クラスとは、1ft3の0.1μm以上の微粒子個数を示す。)
微粒子測定;(1)パ−ティクルカウンタ−(光散乱式、>0.1μm)
(2)凝縮核検出器(凝縮成長後、光散乱式で検出、>0.01μm)
【0028】
結果
(1)0.1μm以上の微粒子、
結果を図4に示す。図4は、ストッカにクリーンルーム空気を導入して、20分間運転後のストッカの清浄度を示し、時間経過(連続運転)によるストッカ中の粒子数(クラス)で示す。
図4中で、−〇−は本発明の付加電極を用いたもので、−△−は、比較として従来の捕集材のみ(付加電極の設置がない)ものを示す。
なお、図4中、↓は検出限界(クラス1)以下、−●−は比較として、紫外線照射と全ての電極への電圧の印加をしない(荷電・捕集しない)ものを示す。
(2)0.01μm以上の微粒子(粒子状物質)
結果を表1に示す。表1は、1日、3日、10日運転後の0.01μm以上の微粒子濃度(個/ft3)を示す。
表1中、NDは検出限界以下(<30)を示す。
【表1】
Figure 0003696038
【0029】
実施例3
図6は、病院における病室1の空気清浄を示す説明図である。図6において、菌類(黄色ぶどう株菌、枯草菌、ウィルス、カビ菌類)を含む粒子状物質8は本発明の気体清浄化装置(空気清浄器)Aにて捕集除去され、病室1内の空気は清浄化される。病室1では人(病人)21及びその周辺から菌類22が発生している。本例は個室の場合であるが、特に1つの部屋に複数の人が入院する場合は、人からの発生菌により院内感染(別の人に菌が感染)の問題が生じる。病室では、前記菌類の他に塵埃(いわゆるゴミ)8の発生があり、これらにより汚染されている。これらの汚染物(菌類、ウィルス、塵埃)8、22は、図7にその構成が示される本発明の気体清浄化装置Aにて捕集・除去される。
図7は、該気体清浄化装置Aの基本構成図であり、粗フィルタ23、空気の吸引と吐出のためのファン24、汚染物8、22を荷電するための針状の放電電極25、対向電極4、荷電させた帯電汚染物の捕集のための捕集電極5、及び本発明の付加電極11より構成される。
【0030】
ファン24により、気体清浄化装置Aに導入された処理空気は、先ず粗フィルタ23により、粗大粒子状物質(ふとんや衣類等からの発生粗大粒子)が捕集される。次に、汚染物8、22は、放電電極25と対向電極4間の正電圧の印加(コロナ放電)により発生する正イオン9’により荷電され、荷電された帯電汚染物は捕集電極5に捕集・除去される。
ここで、11は本発明の付加電極であり、正の電圧を印加した電極材である。Cの領域は、捕集電極5の領域に比べて、強い電界が形成されている。
図7において、10-1、10-3は空気の流れ、また図1、2と同一符号は同じ意味を示す。
前記により、気流10-3により導入された空気中の汚染物は、本発明の付加電極11を有する粒子の荷電・捕集(気体清浄化)装置Aで微細な汚染物も効果的に除去され、気流10-1は清浄空気となる。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができた。
1)イオンを用い粒子状物質を荷電し、該荷電粒子を捕集材によって捕集することによる粒子状物質の捕集において、捕集の出口側に個別の粒子が得た電荷と同一の電荷を有する電極を設置したことによって、
(1)捕集材で捕集されずに流出した帯電粒子は、該電極によって形成される電極近傍に形成される比較的強い電界により反発作用を受け流出が阻止され、捕集された。
(2)前記は、長時間運転や微細な帯電粒子に効果的であった。これにより、粒子状物質の捕集による清浄化の信頼性が向上した。
(3)微細な粒子も捕集・除去された清浄気体、清浄空間が、長時間安定に得られた。
【0032】
2)前記により、イオンを用いる粒子状物質の捕集・除去による次の分野の実用性が向上した。
(1)家庭、事務室、病院用の空気清浄器(装置)
(2)(1)における空調系の空気清浄装置
(3)半導体、液晶、精密機械工業、薬品工業、食品工業、農林産業におけるクリーンボックス、キャリアボックス、ストッカ、搬送空間、無菌ボックス、(室)、高温クリーンオーブン、乾燥器、反応装置、ロードロック室、インターフェイス、減圧あるいは真空装置、減圧あるいは真空成膜室
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の捕集装置の一例を示す断面構成図。
【図2】本発明の捕集装置の他の例を示す断面構成図。
【図3】本発明の捕集装置の一例を用いたストッカの断面構成図。
【図4】運転日数(日)と清浄度(クラス)の関係を示すグラフ。
【図5】従来の捕集装置を用いたストッカの断面構成図。
【図6】病院における空気清浄を示す説明図。
【図7】本発明を用いる気体清浄化装置の基本構成図。
【符号の説明】
1:ストッカ、2:紫外線ランプ、3:光電子放出材、4:荷電用電極、5、5’:捕集電極、6:キャリアー、7:ウエハ、8:微粒子、9:負イオン、9’:正イオン、10-1〜10-3:空気の流れ、11:付加電極、21:人、22:菌類、23:粗フィルタ、24:ファン、25:放電電極

Claims (4)

  1. 粒径が0.05μm以下の粒子を含む粒子状物質をイオンを用いて荷電する荷電部と、該荷電した粒子を捕集する捕集部とを有する粒子状物質の捕集装置において、前記捕集部は、荷電した粒子を捕集する捕集材と、該捕集材の後方に設置された、前記荷電部で粒子が得た電荷と同一の荷電を有する付加電極とからなり、該付加電極は、前記荷電部及び捕集材の電界よりも強い電界を形成し、該捕集材の後方に前記荷電部で帯電し該捕集材で捕集されず後方に流出した粒子を反発させるように、該付加電極に電圧を印加し、該捕集材で捕集されず後方に流出した粒子を該捕集材で捕集するように構成したことを特徴とする粒子状物質の捕集装置。
  2. 前記荷電部が、負イオンを発生させる光電子放出材と、該光電子放出材に紫外線を照射する照射源とを有することを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質の捕集装置。
  3. 前記荷電部が、イオンを発生させるコロナ放電装置を有することを特徴とする請求項1に記載の粒子状物質の捕集装置。
  4. 請求項1、2又は記載の粒子状物質の捕集装置に、被清浄化空間中の気体を導入して粒子状物質を捕集することを特徴とする粒子状物質の捕集方法。
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