JPH07256141A - 室内の無菌化方法及び無菌室 - Google Patents

室内の無菌化方法及び無菌室

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JPH07256141A
JPH07256141A JP7128594A JP7128594A JPH07256141A JP H07256141 A JPH07256141 A JP H07256141A JP 7128594 A JP7128594 A JP 7128594A JP 7128594 A JP7128594 A JP 7128594A JP H07256141 A JPH07256141 A JP H07256141A
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sterilization
microorganisms
room
rays
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JP7128594A
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Toshiaki Fujii
敏昭 藤井
Hidetomo Suzuki
英友 鈴木
Hirotada Kashima
啓正 鹿島
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Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Original Assignee
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
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Publication date
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  • Disinfection, Sterilisation Or Deodorisation Of Air (AREA)
  • Electrostatic Separation (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 十分に殺菌でき、捕集微生物の増殖もなく、
安心して使用できる室内の無菌化方法と無菌室を提供す
る。 【構成】 室内の一部に殺菌線を含む紫外線を放出する
紫外線源2と、該殺菌線を含む紫外線の照射を受けて光
電子を発生する光電子放出材3と、電場設定用電極4及
び発生した光電子、イオン、荷電微粒子を捕集する荷電
粒子捕集材4とを備えたことを特徴とする無菌室であ
り、また、前記紫外線源2を前記光電子放出材3、電場
設定用電極4及び荷電粒子捕集材4で囲んで殺菌ユニッ
トとしてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、室内の無菌化方法と無
菌室に係り、特に、ウィルス、バクテリヤ、酵母、カ
ビ、ビールス等の各種菌体とか微生物を殺菌し、室内の
空間からそれらの菌体微生物及び微粒子(粒子状物質)
を除去する方法及び無菌室に関する。本発明の無菌室
は、病院、医薬、食品工業、農林産業、バイオロジカル
クリーンルーム分野において、ウィルス、バクテリヤ、
酵母、カビ、ビールス等の各種菌類とか微生物の存在が
問題となる空間の清浄化に用いることができ、例えば、
無菌手術室、バイオクリーンベンチ、無菌ブース、安全
キャビネット、セフティルーム、殺菌クリーンボック
ス、グローブボックス、エアロックルーム、パスボック
ス、培養室、安全実験室、アイソレータ、実験動物飼育
装置、くん蒸装置がある。
【0002】
【従来の技術】従来の無菌室を図11に示す病院の殺菌
クリーンボックスを例に説明する。図11において、殺
菌クリーンボックス1には、殺菌ランプ2が設置され殺
菌されている。該ボックス1には、各種の菌体(微生
物)3が空間中に浮遊している。これらの微生物3の大
部分は粒子状物質上に付着しているため浮遊微粒子と同
様の挙動をしている。この様な構成では、微生物3は殺
菌ランプ2からの殺菌線(主波長、254nm)により
殺菌作用を受けるが、浮遊状態であるためその作用は完
全でない。
【0003】例えば、殺菌ランプ2の反対側(紫外線照
射さない側)の微生物は、殺菌作用を十分に受けない。
このように、空間に殺菌ランプを設置したのみでは、殺
菌効果は十分でない場合があり問題であった。また、空
間に各種フィルタを設置し、フィルタにより該微生物を
捕集・除去する方式では、捕集された微生物がフィルタ
上で増殖する場合があり、問題であった。また、ホルマ
リンやエチレンオキサイドを用いる方法もあるが、いず
れも殺菌には数千ppm以上の高濃度を必要とすること
や残留性、取扱い性に問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、室内を十分に殺菌でき、捕集微生
物の増殖もなく、安心して使用できる室内の無菌化方法
と無菌室を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、室内で光電子により荷電された微生物
を含む帯電微粒子を、荷電粒子捕集材に捕集するととも
に、捕集された微生物を含む帯電微粒子に殺菌線を含む
紫外線を照射することを特徴とする室内の無菌化方法と
したものである。また、本発明では、室内の一部に殺菌
線を含む紫外線を放出する紫外線源と、該殺菌線を含む
紫外線の照射を受けて光電子を発生する光電子放出材
と、電場設定用電極及び発生した光電子、イオン、帯電
微粒子を捕集する帯電粒子捕集材とを備えたことを特徴
とする無菌室としたものである。
【0006】上記無菌室において、紫外線源を前記光電
子放出材、電場設定用電極及び荷電粒子捕集材で囲んで
殺菌ユニットとしてもよい。前記ユニットは、無菌室内
の微生物が存在する任意の空間に適宜設置することがで
き、無菌室の規模、形状、利用先等によっては無菌空間
を効果的に得ることができる。また、利用先によって
は、殺菌線(主波長254nm)とオゾン生成波長(主
として184〜185nm付近)の両方を有する低圧水
銀灯を用い、オゾンによる殺菌も同時に行い、殺菌を効
果的に行うこともできる。
【0007】次に、本発明の個々の構成を詳細に説明す
る。本発明で用いる紫外線源は、殺菌線(主波長254
nm)を有する紫外線であり、例えば、水銀灯が適宜使
用できる。利用先によっては、該殺菌線とオゾン生成波
長(主波長184〜185nm付近)の両方を有する低
圧水銀灯を用いることができる。殺菌線は、オゾン分解
作用を有するのでオゾンは分解され、オゾンよりも殺菌
力の大きい酸素活性種を生ずるので適宜に用いることが
できる。照射紫外線量は、要求性能、例えば菌体種類、
要求する殺菌(滅菌)効果、時間と空間の到達クリーン
度により異なるので適宜予備試験等を行い決めることが
できる。
【0008】一般的な菌種とそれを99.9%殺すのに
必要な紫外線量の関係を表1に示す。
【表1】
【0009】本発明において用いる光電子放出材は、紫
外線照射により光電子を放出するものであれば何れでも
良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい、効果
や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,L
a,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,N
i,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,
Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,
U,B,Bu,Sn,P,Wのいずれか又はこれらの化
合物又は合金又は混合物が好ましく、これらは単独で又
は二種以上を複合して用いられる。複合材としては、ア
マルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
【0010】例えば、化合物としては酸化物、ほう化
物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,Ca
O,Y2 5 ,Gd2 3 ,Nd2 3 ,ThO2 ,Z
rO2 ,Fe2 3 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La
2 3 ,PtO,PbO,Al23 ,MgO,In2
3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化
物には、YB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,Ce
6 ,EuB6 ,PrB6,ZrB2 などがあり、さら
に炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,Nb
C,WCなどがある。
【0011】また、合金としては黄銅、青銅、リン青
銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、C
uとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaと
Alとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの
合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好
ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、
或いは薬品で酸化することによっても得ることができ
る。さらに他の方法としては使用前に加熱し、表面に酸
化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ること
もできる。この例としてはMgとAgとの合金を水蒸気
中で300〜400℃の温度の条件下でその表面に酸化
膜を形成させることができ、この酸化薄膜は長期間にわ
たって安定なものである。
【0012】また、本発明者が、すでに提案したように
光電子放出材を多重構造としたものも好適に使用できる
(特願平1−155857号)。また、適宜の母材上に
薄膜状に光電子を放出し得る物質を付加し、使用するこ
ともできる(特願平2−278123号)。この例とし
て、紫外線透過性物質(母材)としての石英ガラス上に
光電子を放出し得る物質として、Auを薄膜状に付加し
たものがある(特願平2−295423号)。
【0013】光電子放出材を母材に付加して使用する場
合は本発明者がすでに提案しているように、導電性物質
の付加を併せて行い用いることができる(特願平3−2
58718号)。これらの材料の使用形状は、棒状、線
状、格子状、板状、プリーツ状、曲面状、円筒状、金網
状等の形状が使用でき紫外線の照射面積の大きな形状の
ものが良い。また、無菌室のタイプによっては、紫外線
源(紫外線ランプ)の表面及び/又はその近傍に薄膜状
に光電子放出材を配して(例えば被覆して)、一体化し
たものを用いても良い(特願平3−22685号)。そ
の使用形状は、無菌室の種類や規模により適宜決めるこ
とができる。
【0014】次に、荷電微粒子の捕集材(集じん材)
は、ウィルス、バクテリヤ、酵母、カビ、ビールス等の
各種菌体や微生物を含む荷電微粒子が捕集できるもので
あればいずれも使用できる。通常の荷電装置における集
じん板、集じん電極等各種電極材や静電フィルター方式
が一般的であるが、スチールウール、電極、タングステ
ンウール電極のような捕集部自体が電極を構成するウー
ル状構造のものも有効である。エレクトレット材も好適
に使用できる。上述荷電微粒子捕集材の内、集じん板や
集じん電極あるいはスチールウール電極、タングステン
ウール電極のようなウール状電極材等の各種電極材は、
電場用電極と、荷電微粒子の捕集を兼ねてできるので好
ましい。
【0015】本発明に用いる電場電圧は、0.1V/c
m/2kV/cmである。好適な電場の強さは、利用分
野、条件、装置形状、規模、効果、経済性等で適宜予備
試験や検討を行い決めることが出来る。本発明で用いる
紫外線源、光電子放出材、荷電微粒子の捕集材のタイプ
(形状、規模)の選択は、利用分野、無菌室の規模、形
状、効果、経済性などを考慮して適宜予備試験を行って
決めることができる。
【0016】通常、規模が小さい場合は、無菌室の壁面
に沿って紫外線源と光電子放出材と電極を適宜に設置し
た装置が使用でき、また、規模が大きい場合はユニット
化した装置を適宜に1台又は複数台設置して用いること
ができる。大型無菌室の場合、エネルギー効率すなわ
ち、紫外線強度を有効に利用することが実用上重要とな
る。ユニットは、紫外線源を光電子放出材で囲んでいる
ため放出紫外線は全て有効利用されるので、大型無菌室
に使用すると実用的効果が大きい。
【0017】通常、微生物の大きさは、μmオーダから
0.01μm以下まで幅広いと考えられる。光電子によ
る荷電はμmオーダから0.1μm以下、例えば0.0
1μmないしそれ以下の粒径の粒子状物質を効果的に荷
電できるので、上記浮遊微生物は容易に荷電され、荷電
粒子捕集材に捕集できる。すなわち、一般に微生物は共
存する水分や微粒子の影響を受け、粒子状で挙動してい
るか、あるいは微粒子に付着して浮遊している。従っ
て、本発明では微生物を殺菌し、かつ微粒子(粒子状物
質)の除去を行うことで従来達成し得なかったスーパー
クリーンな無菌室を得ている。
【0018】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 図1は、病院における小型殺菌クリーンボックスにおけ
る空気清浄〔空間中の各種の菌体の殺菌及び該菌体が付
着した微粒子(粒子状物質)の捕集・除去〕を説明する
ための本発明の基本構成図である。
【0019】図1において、殺菌クリーンボックス1の
空気清浄は、殺菌ボックス1の片側に設置された殺菌ラ
ンプ(殺菌線:254nm)2、光電子放出材3、電場
設定のための電極4及び荷電微粒子の捕集材4、紫外線
の反射面5より成る殺菌クリーン化部(図1中A部)に
て実施される。なお、本構成では電極が捕集材を兼用し
て実施される。すなわち、殺菌クリーンボックス1中の
微生物及び微生物が付着した微粒子(粒子状物質)6
は、殺菌ランプ2からの紫外線が照射されて光電子放出
材3から放出された光電子7により荷電され、微生物を
含む荷電微粒子(粒子状物質)8となり、該微生物を含
む荷電微粒子8は荷電微粒子捕集材4に捕集され、手術
用器具9の近傍は、微生物及び微粒子が除去された高清
浄な雰囲気となる。
【0020】ここで、手術用器具9は、殺菌ランプ2か
らの紫外線(殺菌線)が照射され、殺菌作用を受けてい
る。ウィルス、バクテリヤ、酵母、カビ、ビールス等の
各種菌体(微生物)は、通常微粒子(微粒子状物質)に
付着して浮遊しているため、微粒子の荷電・捕集と、微
生物の殺菌を行う殺菌クリーン化部Aで、光電子7によ
る荷電により、電極4に効果的に捕集される。捕集され
た微生物の内、微生物が一部生存している場合、微生物
は殺菌線(254nm)の照射を長時間にわたり受ける
ので、完全に死滅し被清浄空間部Bは殺菌と除塵が完全
に実施された高清浄で安全な空間となる。
【0021】微生物6の殺菌は、主に被清浄空間部Bに
おける紫外線ランプ2からの殺菌線の照射及び殺菌クリ
ーン化部Aにおける紫外線ランプ2からの殺菌線の照射
により実施されるが上記のごとく一部生き残ったものは
電極4上で完全に死滅する。微生物は、種類によっては
短時間の紫外線照射では殺菌困難なものがあるが(例、
黒色胞子や灰白色胞子のようなカビ類は完全殺菌には多
量の照射量が必要)、上記のごとく捕集材4に捕集する
と、微生物に長時間にわたり殺菌線の照射ができ、殺菌
困難な微生物も効果的に殺菌できることが、本発明の特
長である。
【0022】10-1、10-2、10-3は、殺菌クリーン
ボックス1内における気流の方向を示し、光電子放出材
3への紫外線照射により生ずる殺菌クリーン化部Aの上
下の温度差で起こる。該気流により被清浄空間部Bの微
生物及び微生物が付着した微粒子は効果的に殺菌クリー
ン化部Aに移動し、順次殺菌、荷電・捕集される。光電
子放出材3は、石英ガラスに薄膜状Auを被覆したもの
で、該光電子放出材(−極)3と電極(+極)4間に電
場、100V/cmを設置することにより、殺菌クリー
ン化部Aに効果的に光電子7が放出される。Auは薄膜
状であるため、紫外線ランプ2からの殺菌性紫外線(2
54nm)は、約60%の線量が石英ガラスを通して、
殺菌クリーンボックス1の内部に照射されるので、効果
的に殺菌作用をもたらす。該殺菌紫外線の浮遊率は、膜
厚などにより適宜に選択できる。
【0023】微生物6は、上記のようにして効果的に荷
電され電極(荷電・微粒子捕集材)4に捕集される。微
生物が効果的に捕集除去される理由として、微生物は通
常−電荷を有すると言われており、そのため微粒子や共
存水分と付着(結合)しやすく、みかけのサイズが大き
くなり荷電されやすくなること、又殺菌クリーン化部A
で光電子の作用により負の帯電量を多く持つようにな
り、その結果として電極(+極)に効果的に捕集される
ようになったと考えられる。
【0024】実施例2 図2は、病院における中型殺菌クリーンボックスにおけ
る空気清浄(空間中の各種の菌体の殺菌及び該菌体が付
着した微粒子の捕集・除去)を、紫外線源としての殺菌
ランプを光電子放出材及び電極(荷電微粒子捕集材と兼
用)で囲み、一体化したユニットを用いて行う場合を説
明するための基本構成図である。
【0025】図2は、中型殺菌クリーンボックス1の断
面図であり、殺菌クリーンボックス1中の空気清浄は、
該ボックス1の空間にユニット化した殺菌クリーンユニ
ットCを設置することで実施される。殺菌クリーンユニ
ットCは、図3にその基本構成図を示すように、殺菌ラ
ンプ2(主波長:殺菌線254nm)、該ランプを囲む
形状(円筒状)のガラス母材上にAuを被覆した光電子
放出材3、該光電子放出材3を囲む形状(円筒状)の金
網状電極4より成る。
【0026】すなわち、殺菌クリーンボックス1中の微
生物を含む微粒子6は、図3に示した殺菌ランプ2から
の紫外線が照射された光電子放出材3から放出される光
電子7により荷電され、荷電微粒子となり、該微生物を
含む荷電微粒子は、電極(捕集材)4に捕集される。こ
こで、ボックス1中の微生物は被清浄空間B及び殺菌ク
リーン化部Cにて殺菌ランプ2からの紫外線照射を受け
ることにより殺菌されるが、一部生き残った微生物は、
電極上で殺菌線を長時間照射されることにより、完全に
死滅する。ここで光電子放出材3は、ガラス材表面に3
0ÅAuを薄膜状に付加したものである。
【0027】このようにして、殺菌クリーンボックス1
中の微生物は殺菌され、微粒子は捕集・除去され、殺菌
クリーンボックス1内はクリーン化される。電極4は、
光電子放出材3からの光電子放出を電場で行うために設
置している。すなわち、光電子放出材3と電極4の間に
電場を形成している。微生物を含む微粒子の荷電は、電
場において光電子放出材3に紫外線照射することにより
発生する光電子7により効率良く実施される。ここでの
電場は150V/cmである。また、微生物を含む荷電
微粒子の捕集は、金網状のCu−Zn材をAuメッキし
て用い、光電子放出材3より2cmの位置に設置してい
る。10-1、10-3は、気流の方向、9は手術用品であ
る。
【0028】実施例3 図4は、実施例2におけるユニット化した殺菌クリーン
ユニットCの別の構造のものを示す。該ユニットCは、
殺菌ランプ2、該ランプを囲む形状(円筒になった網
状)の電極4、該電極を囲む形状(円筒になった)のC
u−ZnにAuを被覆した網状光電子放出材3より成
る。7は光電子である。
【0029】実施例4 図5は、実施例2におけるユニット化した殺菌クリーン
ユニットCの別の構造のものを示す。すなわち、殺菌ラ
ンプの表面に光電子放出材としてのAuを薄膜状に被覆
した(殺菌ランプと光電子放出材が一体化した)殺菌ラ
ンプを用いる殺菌クリーンユニットを示す。該ユニット
は、殺菌ランプ2の表面に光電子放出材3を薄膜状に被
覆し、該ランプを囲む形状(円筒になった網状)の電極
4より成る。7は光電子である。
【0030】実施例5 図6、7、8は実施例2におけるユニット化した殺菌ク
リーンユニットCの別の構造のものを示す。これらのユ
ニットCは、被清浄空間の適宜の位置、例えば、中央部
や上部の空間部に設置し、使用することができる。図6
は、殺菌ランプ2、該ランプを囲む形状の電極4、該電
極を囲む形状の網状Cu−ZnにAuを被覆した光電子
放出材3より成る。7は光電子である。11は入口の空
気の流れ、12は出口の清浄化空気の流れを示す。
【0031】図7は、殺菌ランプ2、該ランプを囲む形
状のガラス母材上にAuを被覆した光電子放出材3、該
光電子放出材3を囲む形状の金網状電極4より成る。7
は光電子である。11は入口の空気の流れ、12は出口
の空気の流れである。図8は、殺菌ランプ2の表面に光
電子放出材としてAuを薄膜状に被覆した(殺菌ランプ
と光電子放出材が一体化した)光電子放出材3、該ラン
プを囲む形状の網状電極4より成る。7は光電子であ
る。11は入口空気の流れ、12は出口の空気の流れで
ある。
【0032】実施例6 図9は、バイオロジカルクリーンルームのバイオクリー
ンベンチにおける空気清浄(空間中の各種の菌体の殺菌
及び該菌体が付着した微粒子の捕集・除去)を説明する
ための本発明の基本構成図である。図9において、バイ
オロジカルクリーンルーム13には、バイオクリーンベ
ンチ1が設置され、作業台14上にはウィルス、バクテ
リヤ、酵母、カビ、ビールス等の各種菌類(微生物)及
び微粒子(粒子状物質)が除去された無菌、無塵空気1
2が供給されている。
【0033】バイオクリーンベンチ1の構成と作用につ
いて説明する。バイオロジカルクリーンルーム13は、
HEPAフィルタにより、クラス1,000(0.1μ
m粒子)に保持されている。該クリーンルーム13に
は、動物実験作業15により微生物や微生物を含む微粒
子(粒子状物質)6が発生している。上記汚染物を含む
空気11は、ファン16によりバイオクリーンベンチ1
に吸引される。バイオクリーンベンチ1は、網状光電子
放出材3、殺菌ランプ2、電場設定用電極4、微生物を
含む荷電微粒子捕集材17より成る殺菌クリーン化部
A、該殺菌クリーン化部Aで高清化された空気で満たさ
れた無菌・無塵空間部B、該無菌・無塵空間に包まれた
作業台14より構成されている。
【0034】汚染物を含む空気11-2中の微生物は、殺
菌ランプ(254nm)2からの殺菌線の照射により殺
菌(滅菌)される。該微生物は、通常上述のごとく共存
する水分や超微粒子の影響を受け、粒子状あるいは微粒
子に付着しているため、光電子により荷電され、荷電微
粒子捕集材17に捕集される。光電子放出材近傍での照
射のみでは殺菌されず生き残った微生物は、該捕集材1
7上で、長時間にわたり殺菌線の照射を受けるので完全
に死滅する。微生物が付着した微粒子の荷電は、網状の
光電子放出材3に紫外線ランプ2からの紫外線を電場下
で照射することにより発生する光電子により効果的に起
こる。該光電子放出材は、荷電粒子捕集材17に捕集さ
れる。4は、電場設定用の電極であり、上記網状光電子
放出材3からの光電子の発生を効果的に行うために備え
ている。
【0035】実施例7 図10は、病院でのクリーンルームの手術室に設置され
た安全キャビネットにおける空気清浄(空気中の各種の
菌体の殺菌及び該菌体が付着した微粒子の捕集・除去)
を説明するための本発明の基本構成図である。図10に
おいて、安全キャビネット1の空気清浄は、安全キャビ
ネット1の中央部に設置された殺菌線とオゾン生成波長
を有する低圧ランプ3、該ランプの表面にAuの薄膜を
被覆した(紫外線源と光電子放出材が一体化した)光電
子放出材3、該紫外線源3を囲む形状の金網状電極4、
紫外線の反射面5より成る殺菌クリーン化部Aにて実施
される。
【0036】なお、本構成では電極が、捕集材を兼用し
て実施される。すなわち、安全キャビネット1の空気中
に浮遊しているウィルス、バクテリヤ、酵母、カビ、ビ
ールス等の各種菌体(微生物)6や安全キャビネット1
の壁面、及び手術用器具の近傍の該微生物は、低圧ラン
プ2からの殺菌線(254nm)、及び該ランプの照射
により生ずるオゾンにより効率良く殺菌される。該オゾ
ンは、254nmの紫外線によりオゾンよりも殺菌力の
強い酸素活性種を生ずるので、殺菌作用が効果的となる
(下式)。 O3 → O2 +(O) ((O):酸素活性種) オゾン濃度は、通常1〜5ppm程度で十分な効果をも
たらすが、装置の規模、構造、要求性能などにより、予
備試験を行い、適宜決めることができる。
【0037】微生物を含む微粒子6は、低圧ランプ2か
らの照射を受けた光電子放出材3から生成する光電子
(図示せず、前記)により効果的に荷電され、該微生物
を含む荷電微粒子は電極4にて捕集される。電極4は、
微生物を含む荷電微粒子の捕集及び電場下で光電子放出
材3に紫外線照射するための電場設定用(2つの役目を
兼用)に設置されている。このようにして、殺菌・無塵
化され、安全キャビネット1内は、無菌・無塵化され
る。
【0038】実施例8 図1に示した殺菌クリーンボックスに、病院におけるク
リーンルームの空気を導入し、30分間紫外線照射と電
場の設定を行い、該空気中の浮遊微生物の殺菌と微粒子
除去効果について調べた。 殺菌クリーンボックス : 60リットル 紫外線源 : 殺菌ランプ(254nm),10
W,3本 電極 : Cu−ZnにAuメッキした格子状のも
の。 電場 : 50V/cm 光電子放出材 : 石英ガラスに30ÅのAuを薄
膜状に被覆。
【0039】 殺菌効果の測定法 : 紫外線照射と
電場の設定30分後に、殺菌クリーンボックス内空気
を、ULPAフィルタに通して高圧容器詰めN2 ガスを
用いて追い出し、該追い出しガスを寒天培地に吹き付
け、30℃で72時間培養した後のコロニー数を観察し
た。紫外線照射と電場の設定を行なわない場合(ブラン
ク)も同様に行い、比較した。 微粒子濃度の測定法 : 上記測定と同様にして追
い出したガス中微粒子濃度をパーティクルカウンタ(光
散乱式、>0.1μm)を用い計測し、上記と同様のブ
ランク試験を行い、比較した。
【0040】結果 5回行った測定値を示す。
【表2】 クラス:1ft3 中の0.1μm以上の微粒子数 上記実施例1〜8は、いずれも微生物の殺菌を荷電・捕
集用の紫外線で兼用しているが、適用分野や装置の大き
さ、構造、要求性能といった条件によっては殺菌ランプ
(波長254nm)を個別に適宜の位置に設置しても良
い。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば以下の効果を奏すること
ができる。無菌室において、紫外線源に少なくとも殺菌
線を含む紫外線を用いて、該紫外線の照射により光電子
を発生する光電子放出材と、電場設定用電極及び荷電微
粒子捕集材を備えたことにより、 (1)微生物が死滅し、微生物を含む微粒子(粒子状物
質)が除去された無菌・無塵空間ができた。 (2)微生物は、粒子状物質として浮遊しているので、
光電子による荷電・捕集により容易に浮遊空間より除去
できた。
【0042】(3)微生物の種類によっては、浮遊状態
では完全な殺菌が困難であるが、微生物を荷電・捕集し
て長時間の殺菌線の照射を行うので、殺菌効果が完全に
なり、安全が高くなった。また、増殖の心配がないの
で、安心して使用できる装置となった。 (4)微生物のみかけの大きさは、0.01μm以下か
らμmオーダまで幅広いが、光電子による荷電により、
効果的に荷電されるので、容易に捕集でき、上記(3)
記載のように殺菌を完全、かつ安全に行うことができ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を用いる小型殺菌クリーンボックスの基
本構成図。
【図2】本発明を用いる中型殺菌クリーンボックスの基
本構成図。
【図3】図2の殺菌クリーンユニットの拡大構成図。
【図4】図2の殺菌クリーンユニットの他の拡大構成
図。
【図5】図2の殺菌クリーンユニットの他の拡大構成
図。
【図6】図2の殺菌クリーンユニットの他の拡大構成
図。
【図7】図2の殺菌クリーンユニットの他の拡大構成
図。
【図8】図2の殺菌クリーンユニットの他の拡大構成
図。
【図9】本発明を用いるバイオロジカルクリーンルーム
の基本構成図。
【図10】本発明を用いる手術室に設置された安全キャ
ビネットの基本構成図。
【図11】従来の無菌室の構成図。
【符号の説明】
1:殺菌クリーンボックス、2:殺菌ランプ、3:光電
子放出材、4:電場設定用兼荷電粒子捕集材、5:反射
面、6:微生物付着微粒子、7:光電子、8:荷電微粒
子、9:手術用器具、10、11、12:気流の方向、
13:バイオロジカルクリーンルーム、14:作業台、
15:動物実験作業、16:ファン、17:荷電粒子捕
集材、A:クリーン化部、B:清浄空間部、C:殺菌ク
リーンユニット、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鹿島 啓正 東京都港区港南1丁目6番27号 荏原イン フィルコ株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室内で光電子により荷電された微生物を
    含む帯電微粒子を、荷電粒子捕集材に捕集するととも
    に、捕集された微生物を含む帯電微粒子に殺菌線を含む
    紫外線を照射することを特徴とする室内の無菌化方法。
  2. 【請求項2】 室内の一部に殺菌線を含む紫外線を放出
    する紫外線源と、該殺菌線を含む紫外線の照射を受けて
    光電子を発生する光電子放出材と、電場設定用電極及び
    発生した光電子、イオン、帯電微粒子を捕集する帯電粒
    子捕集材とを備えたことを特徴とする無菌室。
  3. 【請求項3】 前記紫外線源を前記光電子放出材、電場
    設定用電極及び荷電粒子捕集材で囲んで殺菌ユニットと
    したことを特徴とする請求項2記載の無菌室。
JP7128594A 1994-03-17 1994-03-17 室内の無菌化方法及び無菌室 Pending JPH07256141A (ja)

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