JP2000153179A - 負イオンの発生方法及びその装置 - Google Patents

負イオンの発生方法及びその装置

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JP2000153179A
JP2000153179A JP33052398A JP33052398A JP2000153179A JP 2000153179 A JP2000153179 A JP 2000153179A JP 33052398 A JP33052398 A JP 33052398A JP 33052398 A JP33052398 A JP 33052398A JP 2000153179 A JP2000153179 A JP 2000153179A
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negative ions
electrode
passage
air
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Toshiaki Fujii
井 敏 昭 藤
Osamu Hotta
田 修 堀
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構造で負イオンが効果的に外部の空間
中に発生できる負イオン発生方法及び装置を提供する。 【解決手段】 気体の入口側に、光電子放出材4と電場
用電極6と該光電子放出材に紫外線及び/又は放射線を
照射する照射源5とを有し、気体の出口側に荷電粒子捕
集材7を有する負イオンの発生装置において、該荷電粒
子捕集材は、気体通路の一部が電界を有さない通路c1
で形成されていることとしたものであり、前記荷電粒子
捕集材は、電極板又はエレクトレット材とすることがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、負イオンの発生に
係り、特に、光電子放出材に紫外線及び/又は放射線を
照射することによる負イオンの発生方法と装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、負(陰)イオンを発生せしめる方法
としては、電極にマイナスの高電圧を印加する方法が知
られているが、この方法はオゾンの発生や微粒子の発生
の問題があった。また、高電圧の電気を用いるので安全
性に問題があった。このため、これらの問題点を解決し
た新規な方法の出現が期待されていた。即ち、快適な作
業空間(アメニティ)の分野では、オゾンレスで生体の
代謝機能や生理機能を衰えさせない、生体について快適
な空間が要求されている。また、半導体や液晶等先端産
業の分野では、微粒子が存在しないオゾンレスで電気的
に安定な(電位が低い)超清浄な空間(作業空間)が要
求されている。
【0003】現状の作業空間においては、正負の両イオ
ンが存在するが、作業内容や自然現象等によリ正イオン
が過剰となる場合が多かった。この原因の1つとして、
負イオンは正イオンに比べて移動度が大きい(移動速度
が早い)ので、負イオンは早く移動するので消費されて
しまう。その結果として、正イオンが過剰になってしま
うと考えられる。即ち、 (1) 密閉された室内や作業空間では負イオンが極端
に減少する。 (2) 気流により通常の浮遊微粒子は正に帯電する。 (3) 半導体工場のクリーンルームでは、高圧電源に
よる空間放電や作業場での分子摩擦等で、正に帯電した
微粒子や空気分子が多い。 この様な雰囲気では、製品の歩留まりの低下(例、静電
気発生による粒子汚染の拡大)をもたらす。また、人は
負イオン濃度の低下により体調に変化を生ずるといわれ
る(不調になる)。
【0004】即ち、人体は無数の細胞から形成されてお
り、個々の細胞は細胞で包まれていて、細胞はその膜を
通して栄養分を吸収したり、老廃物を排出したりして活
動を行っている。この細胞は外側が正イオン、内側が負
イオン性を帯び、負イオンが減少し正イオンが過剰とな
ると、栄養分の吸収や老廃物の排出が困難となる現象が
起き、新陳代謝を悪くし、生理機能の衰えの原因となる
と考えられている。このような現状に対して、本発明者
らは、光電子放出材を用いた負イオン発生法を先に提案
した。提案した発明を次に例示する。 (1)特公平8−10616号公報、(2)特開平7−
57643号公報、(3)特開平7−293939号公
報 提案したこれらの方法及び装置は、利用先によっては効
果的であるが、利用先によっては、更に改善を行い実用
性を向上させる必要がある。これらの方法の改善点を説
明する。
【0005】図5は、粒子除去と負イオン発生を行う空
気清浄器(快適空気発生器)の概略構成図である(特開
平7−293939号公報)。該空気清浄器は、空気の
吸引と吐出を行うためのファン2、粗フィルタ3と、光
電子放出材4−1、紫外線ランプ(殺菌ランプ)5−
1、光電子放出用電極6−1、荷電粒子捕集用電極板7
より成る光電子による微粒子の荷電・捕集部(A)と、
その後方に網状光電子放出材4−2、紫外線ランプ(殺
菌ランプ)5−2、光電子放出用電極6−2より成る負
イオン発生部(B)より構成される。夫々の作用につい
て説明する。粗フィルタ3は、空気中の粗い粒子状物質
の捕集を行うものである。微粒子の荷電・捕集部(A)
は、電場下て(100V/cm)で光電子放出材4−1
に紫外線ランプ5−1からの紫外線を照射することによ
り光電子を発生させ、該光電子によリ微粒子を荷電し、
荷電微粒子を荷電粒子捕集用電極材7で捕集・除去する
ものである。電極6−1は光電子放出材(負)4−1と
電極(正)6−1間に電場を形成するためのものであ
る。
【0006】また、負イオン発生部(B)は、電場下で
網状光電子放出材4−2に紫外線ランプ5−2からの紫
外線を照射することによリ光電子を発生させ、該光電子
により負イオンを生成させるものである。8は入口空
気、9は負イオン富化の除塵空気である。このような構
成となっており、負イオン富化空気9は、光電子による
微粒子の荷電・捕集部(A)の後方に、個別に負イオン
発生部(B)を設置する必要があり、装置の大型化、コ
スト高、保守点検の繁雑化等の問題があり、改善の余地
があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、簡易な構造で、負イオンが効果的
に外部の空間中に発生できる負イオン発生方法及びその
装置を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、気体を、電場下で光電子放出材に紫外
線及び/又は放射線の照射下の空間に通した後、該気体
を荷電粒子を捕集する通路に通す負イオンの発生方法に
おいて、該荷電粒子を捕集する通路は、一部を電界が有
さない通路としたものである。また、本発明では、気体
の入口側に、光電子放出材と電場用電極と該光電子放出
材に紫外線及び/又は放射線を照射する照射源とを有
し、気体の出口側に荷電粒子捕集材を有する負イオンの
発生装置において、該荷電粒子捕集材は、気体通路の一
部が電界を有さない通路で形成することとしたものであ
る。前記の負イオンの発生方法及び装置において、荷電
粒子の捕集は、電極板又はエレクトレット材で行うこと
ができる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、次の3つの知見に基づ
いてなされたものである。 (1)電場下で、光電子放出材に紫外線及び/又は放射
線を照射すると、該光電子放出材から光電子が放出さ
れ、放出された光電子は負イオンに変化する(特公平8
−10616号公報、エアロゾル研究、第8巻、第3
号、P239〜248、1993)。該負イオン(負イ
オン富化気体)は、オゾンレスであるので、各分野に好
適に利用できる。例えば、 半導体、液晶・精密機械産業における過剰な正イオン
の中和ができる。 アメニティ、即ち負イオン富化の空間は、人体に対し
て快適感(爽快感)が得られる。 また、食品分野では、食品類の鮮度維持、菌類の増殖
防止に利用できる。
【0010】(2)光電子による負イオンの発生(負イ
オンを装置の外部に取り出して利用)は、粒子状物質を
予め除去するのが、効率良く発生するために好ましい
(特公平8−10660号、特開平7−293939号
公報)。これは、放出負イオンが共存する粒子状物質に
捕集(消費)されるためである。 (3)負イオンの利用では、除塵された負イオン富化空
気が好ましい。そのため、光電子を用いる方式では、除
塵と負イオン発生を行うために、前方に光電子による除
塵部を設置し、次いで後方に、負イオン発生部を設置し
ていた(図5参照)。これに対して、光電子を用いる微
粒子の荷電・捕集部における荷電粒子捕集材の一部(光
電子放出材の設置側)に電界を有しない通路(電界がな
く、一例としてその周囲は全てグランド電位)を設ける
と、発生負イオンの一部は、該通路を通り外部へ放出さ
れる。
【0011】この負イオンの装置の外部への放出を図4
を用いて説明する。光電子放出材より放出された光電子
から変化した負イオン(e)は、電界と気流の影響を受
けながら移動していく。図4において、Veは電界によ
る負イオンの速度ベクトル、Vfは流れによる負イオン
の速度ベクトルであり、光電子放出材から発生した負イ
オン(e)は、発生した負イオンの位置、Ve,Vfに
対応して、a1〜a3に示すような速度ベクトルを有す
る。即ち、光電子放出材の後方で発生した負イオンは、
流れVfの影響を強く受けて移動し、また、共存する粒
子状物質に捕集(消費)されない(捕集確率が低い)の
で、後方に電界を有しない通路を設けると、負イオンと
して外部に放出されることになる。本発明では、この知
見により捕集通路の一部を電界を有さない通路として負
イオンを発生している。
【0012】次に、本発明の夫々の構成を詳細に説明す
る。光電子放出材は、本発明者らがすでに提案したもの
を適宜に用いることができる(例、特公平6−7490
9号、特公平8−211号、特公平7−121369
号、特公平8−22393号各公報)。光電子放出材
は、紫外線及び/又は放射線の照射により光電子を放出
するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小
さなもの程好ましい。効果や経済性の面から、Ba,S
r,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,
Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,C
d,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,
Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,P,Wのいず
れか又はこれらの化合物又は合金又は混合物が好まし
く、これらは単独で又は2種以上を複合して用いられ
る。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材
も用いうる。
【0013】例えば、化合物としては酸化物、ほう化
物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,Ca
O,Y25,Gd23,Nd23,ThO2,ZrO2
Fe23,ZnO,CuO,Ag2O,La23,Pt
O,PbO,Al23,MgO,In23,BiO,N
bO,BeOなどがあり、またほう化物には、YB6
GdB6,LaB5,NdB6,CeB6,EuB6,Pr
6,ZrB2などがあり、さらに炭化物としてはUC,
ZrC,TaC,TiC,NbC,WCなどがある。ま
た、合金としては黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgと
の合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金
(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用
いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBe
との合金及びBaとAlとの合金が好ましい。酸化物は
金属表面のみを空気中で加熱したり、或いは薬品で酸化
することによっても得ることができる。
【0014】さらに他の方法としては、使用前に加熱
し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化
層を得ることもできる。この例としては、MgとAgと
の合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下
で、その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸
化膜は長期間にわたって安定なものである。これらの物
質は、バルク状(固体状、板状)で、また適宜の母材
(支持体)へ付加して使用できる(特開平3−1086
98号公報)。例えば、紫外線透過性物質の表面又は該
表面近傍に付加する(特公平7−93098号公報)こ
ともできる。付加の方法は、紫外線及び/又は放射線の
照射により光電子放出されれば何れでも良い。
【0015】例えば、ガラス板上ヘコーティングして使
用する方法、他の例として板状物質表面近傍へ埋込んで
使用する方法や、板状物質上に付加し更にその上に別の
材料をコーティングして使用する方法、紫外線透過性物
質と光電子を放出する物質を混合して用いる方法等があ
る。また、付加は、薄膜状に付加する方法、網状、線
状、粒状、島状、帯状に付加する方法等適宜用いること
が出来る。光電子を放出する材料の付加の方法は、適宜
の材料の表面に周知の方法でコーティング、あるいは付
着させて作ることができる。例えば、イオンプレーティ
ング法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキ
による方法、塗布による方法、スタンプ印刷による方
法、スクリーン印刷による方法を適宜用いることができ
る。
【0016】薄膜の厚さは、紫外線又は放射線照射によ
り光電子が放出される厚さであれば良く、5Å〜5,0
00Å、通常20Å〜500Åが一般的である。母材の
使用形状は、板状、プリーツ状、円筒状、棒状、線状、
網状、繊維状、ハニカム状等があり、表面の形状を適宜
凹凸状とし使用することが出来る。また、凸部の先端を
先鋭状あるいは球面状とすることも出来る(特公平6−
74908号公報)。母材への薄膜の付加は、本発明者
らが既に提案したように、1種類又は2種類以上の材料
を1層又は多層重ねて用いることができる。即ち、薄膜
を適宜複数(複合)で使用し、2重構造あるいはそれ以
上の多重構造とすることができる(特開平4−1522
96号公報)。
【0017】これらの最適な形状や紫外線及び/又は放
射線の照射により光電子を放出する材料の種類や付加
法、薄膜厚は、装置の種類、規模、形状、光電子放出材
の種類、母材の種類、後述電場の強さ、かけ方、効果、
経済性等で適宜予備試験を行い決める事ができる。前記
光電子放出材を母材に付加して使用する場合の母材は、
前記した紫外線透過性物質の他にセラミック、粘土、周
知の金属材がある。また、後述の光源の表面に上記光電
子放出材を被覆(光源と光電子放出材を一体化)して行
うこともできる(特開平4−243540号公報)。光
触媒との一体化を行うこともできる(特開平9−294
919号公報)。
【0018】この形態は、光触媒により光電子放出材の
長期間安定化(光電子放出材への影響物質があっても除
去できる)、や共存するガス状汚染物質の除去ができる
ので、利用先(装置の種類、要求性能)によっては好ま
しい。光電子放出材への紫外線及び/又は放射線の照射
による光電子の発生は、光電子放出材と、後述の電極間
に電場(電界)を形成して行うと、光電子放出材からの
光電子が効果的に起こる。従って、前記光電子放出材を
ガラスやセラミックなど非金属性の母材に付加して用い
る場合は、確実な電場の形成のために、母材上にITO
などの導電性物質の付加を予め行うことができる(特許
第2598730号明細書)。電場の強さは、用途、装
置種類、形状、光電子放出材の種類、要求性能により、
適宜予備試験を行い決めることが出来る。一般に、0.
1V/cm〜2kV/cmである。
【0019】次に、電極について説明する。電極は、前
記の光電子放出材から光電子の発生を効果的に起こすた
めに、光電子放出材の対向側に設置し、電極との間に電
場を形成する。電極材や、その形状は該電場を形成でき
るものであれば何れでも良い。材質は、不純物などの発
生がなく、導電性の材料であれば何れでも用いることが
でき、例えば、SUS、Cu−Zn、Wがある。形状
は、板状、プリーツ状、円筒状、棒状、線状、繊維状、
網状、ハニカム状があり、装置や光電子放出材の種類や
形状、規模により、適宜予備試験を行い決めることがで
きる。
【0020】次に、紫外線の照射源について述べる。該
照射源は、前述の光電子放出材への照射により、光電子
放出材から光電子を放出するものであれば良い。一般
に、水銀灯、水素放電管、キセノン放電管、ライマン放
電管などを適宜試用できる。光源の例としては、殺菌ラ
ンプ、ブラックライト、蛍光ケミカルランプ、UV−B
紫外線ランプ、キセノンランプがある。この内、殺菌ラ
ンプ(主波長:254nm)が好ましい。殺菌ランプ
は、オゾンレスであり、殺菌(滅菌)作用を有するため
である。該光源の形状は、棒状、螺旋状、箱状等適宜の
形状のものを用いることができる。
【0021】放射線の照射は、その照射により光電子放
出材が光電子を放出しうるものであれば何れでもよく、
従来周知の方法で照射できる。例えば、放射線としては
α線、β線、γ線などが用いられ、照射手段としてコバ
ルト60,セシウム137,ストロンチウム90などの
放射性同位元素、又は原子炉内で作られる放射性廃棄物
及びこれに適当な処理加工した放射性物質を線源として
用いる方法、原子炉を直接線源として用いる方法、電子
線加速器などの粒子加速器を用いる方法などを利用す
る。
【0022】次に、本発明の特徴である荷電粒子状物質
を捕集・除去する荷電粒子、捕集材(集じん材)につい
て説明する。該捕集材は、その前方の光電子による粒子
状物質の荷電部で荷電された、荷電粒子状物質の捕集・
除去を行う目的に加えて、本発明ではその一部に電界を
有しない通路を設置することにより、荷電部の光電子放
出材から、発生した負イオンを通す(装置の外部へ放出
する)役目をはたす。この電界を有しない通路は、その
空間には電界が存在しない空間である。即ち、該捕集材
は、荷電粒子状物質を確実に捕集し、その一部分より負
イオンを通すものであれば良く、周知の荷電微粒子捕集
材であれば何れでも使用できる。
【0023】通常の荷電装置における集じん板(電極
板)集じん電極各種電極材や静電フィルター方式が一般
的であるが、スチールウール電極、タングステンウール
電極のような捕集部自体が電極を構成するウ一ル状構造
のものも有効である。エレクトレック材も好適に使用で
きる。この内、電極板、エレクトレット材が簡易に実施
できることから好ましい。本発明の電界を有しない通路
の位置は、光電子放出材から発生した負イオンが外部へ
出ることができれば良く、気流の強さ、電界の強さ、装
置構造、要求性能等により適宜予備検討や試験を行い決
めることができる。また、本発明の電界を有しない通路
の材料は、周知の金属材、プラスチックに金属を被覆し
た材料等の導電性材料が使用でき、使用においてはグラ
ンド電極とする。
【0024】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
る。 実施例1 図1は、粒子状物質の除去と、負イオンの発生を行う本
発明の負イオン発生装置である家庭用空気清浄器(快適
空気発生器)1を示す概略構成図である。図1の空気清
浄器は、空気の吸引と吐出を行うファン2、粗フィルタ
3と、光電子放出材4、紫外線ランプ(殺菌ランプ)
5、光電子放出用電極6、荷電粒子捕集用電極材7より
成る光電子による微粒子の荷電・捕集部(A)より構成
される。夫々の作用について説明する。粗フィルタ3
は、空気中の粗い粒子状物質の捕集を行うものである。
微粒子の荷電・捕集部(A)は、電場下(100V/c
m)で光電子放出材4に紫外線ランプ5からの紫外線を
照射することによリ光電子を発生させ、該光電子によリ
微粒子を荷電し、荷電微粒子を荷電粒子捕集用電極材7
で捕集・除去するものである。
【0025】ここで、該荷電粒子捕集用電極材7は、図
2にその部分拡大図として示すように、荷電粒子捕集用
の電界を有する荷電粒子の捕集部b1と、その隣りに電
界を有しない通路c1が設けられており、該通路c1より
負イオンe1が通過し空気清浄器1の外へ放出10され
る。即ち、空気清浄器1より、除塵された負イオン富化
空気12が放出される。図1、2中の11は、粒子状物
質13が光電子により荷電され、荷電粒子捕集用電極材
7で除去された除塵空気である。次に、微粒子の荷電・
捕集部(A)における作用の詳細について、図2により
説明する。光電子放出材4に、紫外線ランプ(図1中
5)から電場下で紫外線照射すると、該光電子放出材4
から光電子が放出され、放出光電子は負イオンe1、e2
に変化する。
【0026】ここで、荷電・捕集部(A)の入口部〜中
央部(光電子放出材4の入口〜出口部)で生成した負イ
オンe2は、前記図4で記載のごとく、位置、電場や流
れの影響を受け電極6の方向に移動しながら空間に存在
する微粒子(非生物粒子、生物粒子)13を荷電する。
このようにして荷電された荷電微粒子は、後方の荷電粒
子捕集用電極材7の電界を有する荷電粒子の捕集部b1
において捕集・除去される。一方、光電子放出材4の出
口部で生成した負イオンe1は、電界の作用に対し、流
れの作用を強く受け進行(上方向)するので、電界を有
しない通路(c1)より、外へ放出10される。前記に
おいて、電極6は光電子放出材(負)4と電極(正)6
間に電場を形成するためのものである。図2中b2は、
負イオンで荷電された荷電粒子捕集用の正電極を有する
部分、c2は電界を与えない電極(グランド電極)であ
る。
【0027】本空気清浄器1により、室内汚染空気(粒
子濃度として0.5〜1.0mg/m3)は、0.05
mg/m3以下に除塵され、負イオン濃度2,000〜
10,000個/mlの新鮮空気12が得られる。該新
鮮空気12は、紫外線ランプ(殺菌灯)を用いているの
で、生物粒子も捕集・殺菌されており、安心できる(オ
ゾンレスでアメニティ性の高い)高品質の空気である。
このような高品質の空気が得られることが本発明の特徴
である。図2において、図1と同一符号は、同じ意味を
示し、図1、2における矢印は、気流、又は負イオンの
流れ(移動)の方向を示す。本例において、紫外線ラン
プ5は、主波長が殺菌線254nmの殺菌灯、光電子放
出材4は、光触媒(TiO2)上に、Auを付加したも
の、荷電粒子捕集用電極材7は、板状のSUS材で、図
2のごとく一部は電界なしの通路があるもの、電極6
は、網状のSUS材である。b1に対するc1の割合は、
この例では長さで1:0.1である。
【0028】実施例2 図3は、クラス1,000のクリーンルームに設置され
た粒子除去と負イオン発生(除塵された負イオン富化空
気)装置1を有する搬送装置を示す。該装置1は、クリ
ーンルームの搬送装置17へ負イオンe1の放出を行い
(除電用)、電気的に安定な空間を創出するものであ
る。該装置1は、クリーンルームのクラス1,000の
空気8の吸引と本装置1により得られた清浄化された
(除塵)負イオン富化空気12の吐出を行うファン2、
粗フィルタ3と、光電子放出材4、紫外線ランプ(殺菌
ランプ)5、光電子放出用(引き出し)電極6、荷電粒
子捕集用電極材7より成る光電子による微粒子の荷電・
捕集部(A)より構成される。
【0029】夫々の作用について説明する。粗フィルタ
3は、ファン2からの発塵等による空気中の粗い粒子状
物質の捕集を行うものである。微粒子の荷電・捕集部
(A)は、電場下(5V/cm)で、光電子放出材4に
紫外線ランプ5からの紫外線を照射することにより光電
子を発生させ、該光電子により微粒子13を荷電し、荷
電微粒子を荷電粒子捕集用電極材7で捕集・除去するも
のである。14は紫外線ランプ5からの紫外線を光電子
放出材4に効率良く照射するための反射面、15は石英
ガラス窓である。ここで、荷電粒子捕集用電極材7は、
前記図2のごとく電界を有する荷電粒子の捕集部b1
電界を有しない通路c1が設けられており、該通路c1
り負イオンe1が通過する。即ち、光電子放出材4に、
紫外線ランプから電場下で紫外線照射すると、該光電子
放出材4から光電子が放出され、放出光電子は負イオン
1、e2に変化する。
【0030】ここで、荷電・捕集部(A)の入口部〜中
央部(光電子放出材4の入口〜出口部)で生成した負イ
オンe2は、前記図4で記載のごとく、位置、電界や流
れの影響を受け電極6の方向に移動しながら空間に存在
する微粒子(非生物粒子、生物粒子)13を荷電する。
このようにして荷電された荷電微粒子は、後方の荷電粒
子捕集用電極材7の電界を有する荷電粒子の捕集部b1
において捕集・除去される。一方、光電子放出材4の出
口部で生成した負イオンe1は、電界の作用に対し、流
れの作用を強く受け、進行(下方向)するので電界を有
しない通路(c1)より、外へ放出される。このように
して、得られた清浄化負イオン富化空気12は、搬送装
置17に供給され、搬送中のガラス基板16は、除電前
(Dの位置)では3,000〜3,500Vの電位を有
するが、除電後(Eの位置)では10V以下まで下が
る。
【0031】本装置1により、正イオンが多いクラス
1,000のクリーンルーム空気8は、負イオン濃度
5,000個/mlのクラス1(1ft3中の粒子個
数)以下の清浄空気12が得られる。該清浄空気12
は、クラス1以下まで除塵されたオゾンレスの負イオン
富化の高品質空気であり、本発明の特徴である。図3に
おいて、図1、2と同一符号は、同じ意味を示し、図3
における矢印は気流、又は負イオンの流れ(移動)の方
向を示す。本例において、紫外線ランプ5は主波長が殺
菌線254nmの殺菌灯、光電子放出材4は光触媒(T
iO2)上にAuを付加したもの、荷電粒子捕集用電極
材7は、板状のSUS材で図2のごとくその一部は電界
なしの通路があるもの、電極6は、網状のSUS材であ
る。
【0032】実施例3 図1(図2)に示した構成の空気清浄器を12m3の室
内に設置し、電場下で光電子放出材に紫外線照射を行
い、室内の負イオン濃度と微粒子濃度を調べた。また、
負イオンの効能を調べるため、発生空気をいちごに暴露
し、鮮度保持について調べた。 空気清浄器の大きさと風量;30×30×60cm,
0.5m3/min、 紫外線ランプ;殺菌灯(主波長・254nm)、 光電子放出材;光触媒(TiO2)上にAuをスパッタ
リング法により付加したもの
【0033】光電子放出用電極;金網状のSUSで、1
00V/cm 荷電粒子捕集材;板状SUSで、図2のごとく、その両
端部分は電界が無く(グランド電位のSUS板)通路構
造を有するもの(電界部は800V/cm)。図2のb
1に対するc1の割合は長さで1:0.1である。 負イオン濃度測定器;イオンテスター(0.4cm2
V・S以上の電気移動度をもつもの) 微粒子濃度;粉じん計
【0034】結果 (1)負イオン濃度と微粒子濃度
【表1】 上記本発明との比較のために、図1(図2)の空気清浄
器で、荷電粒子捕集材7が全面にわたり電界(800V
/cm)を有するものを用い、同様に発生負イオン濃度
について調べた。結果は、発生負イオン濃度10〜10
0個/mlであり、この比較例の空気清浄器による負イ
オンの発生は認められなかった。
【0035】(2)いちごの鮮度保持 鮮度保持効果として、5℃において、カビの発生が認め
られる日数を調べた。結果を表2に示す。表2の本発明
との比較のために、上記の図1(図2)の空気清浄器
で、荷電粒子捕集材7が全面にわたり電界(800V/
cm)を有するものを用いて、同様に暴露して鮮度保持
を調べ、その結果を表2に比較例として示す。
【表2】 本空気清浄器で得られた負イオンリッチな殺菌処理空気
の効能を、負イオン空気を寒天培地上に吹きつけること
により、雑菌の培養を行い、吹きつけない場合と比較し
て調べた。吹きつけた寒天培地上にはコロニーは発生し
なかったが、吹きつけない寒天培地上にはコロニーが1
5個/10cm2生成していた。上記では、空気につい
て説明してきたが、空気以外の気体、例えば、N2、A
r等のいずれの気体でも、本発明は同様に実施できる。
【0036】
【発明の効果】上記のように、光電子放出材、電場用電
極、荷電粒子捕集材を有し、光電子放出材に紫外線及び
/又は放射線を照射することによる負イオンの発生にお
いて、該荷電粒子捕集材の一部に電界を有しない通路を
設けることにより、次のような効果を奏することができ
る。 (1)光電子により、粒子状物質が除去(除塵)され、
同時に負イオン(除塵されたクリーンな負イオン)富化
気体が得られた。 (2)一式(1セット)だけの光電子放出材、紫外線及
び/又は放射線の照射源、電場用電極、荷電粒子捕集材
により、除塵と負イオンの発生ができた。即ち、装置が
小型化した。除塵と負イオン発生の2つの機能が同時に
できるコンパクトな装置となった。
【0037】(3)上記により、光電子を用いる粒子状
物質除去の利用分野が広がった。また実用性が向上し
た。 (4)上記により負イオンを利用する次の分野の実用性
が向上した。 (a).電気的に安定な空間を作る分野。 (b).生体の代謝機能や生理機能を衰えさせない生体
に対する快適な作業空間を作る分野。 (c).食品の鮮度保持や菌類の増殖防止の分野。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負イオン発生装置の一例を示す概略構
成図。
【図2】図1の荷電粒子捕集部付近の拡大説明図。
【図3】本発明の負イオン発生装置を設置した搬送装置
の概略構成図。
【図4】負イオンの外部への放出を説明する概略図。
【図5】公知の負イオンの発生装置の概略構成図。
【符号の説明】
1:負イオン発生装置(空気清浄器)、2:ファン、
3:粗フィルタ、4:光電子放出材、5:紫外線ラン
プ、6:光電子放出用電極、7:荷電粒子捕集用電極
材、8:汚染空気、10:負イオンの流れ、11:除塵
空気、12:負イオン富化空気、13:粒子状物質、1
4:反射板、15:石英ガラス窓、16:ガラス基板、
17:搬送装置、A:荷電・捕集部、b1:荷電通路、
1:電界を有しない通路、e1、e2:負イオン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 気体を、電場下で光電子放出材に紫外線
    及び/又は放射線の照射下の空間に通した後、該気体を
    荷電粒子を捕集する通路に通す負イオンの発生方法にお
    いて、該荷電粒子を捕集する通路は、一部を電界が有さ
    ない通路としたことを特徴とする負イオンの発生方法。
  2. 【請求項2】 前記荷電粒子の捕集は、電極板又はエレ
    クトレット材で行うことを特徴とする請求項1記載の負
    イオンの発生方法。
  3. 【請求項3】 気体の入口側に、光電子放出材と電場用
    電極と該光電子放出材に紫外線及び/又は放射線を照射
    する照射源とを有し、気体の出口側に荷電粒子捕集材を
    有する負イオンの発生装置において、該荷電粒子捕集材
    は、気体通路の一部が電界を有さない通路で形成されて
    いることを特徴とする負イオンの発生装置。
  4. 【請求項4】 前記荷電粒子捕集材は、電極板又はエレ
    クトレット材であることを特徴とする請求項3記載の負
    イオンの発生装置。
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