JP3434651B2 - 微粒子の荷電方法及び装置 - Google Patents

微粒子の荷電方法及び装置

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JP3434651B2 JP29796796A JP29796796A JP3434651B2 JP 3434651 B2 JP3434651 B2 JP 3434651B2 JP 29796796 A JP29796796 A JP 29796796A JP 29796796 A JP29796796 A JP 29796796A JP 3434651 B2 JP3434651 B2 JP 3434651B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微粒子の荷電方法
及び装置に係り、特に、長時間にわたり安定して運転で
きる電場における光電効果により発生する光電子による
微粒子の荷電方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光電子放出材に、紫外線及び/又は放射
線を照射することにより発生する光電子による微粒子
(粒子状物質)の荷電方法及び装置については、本発明
者の多数の提案や研究論文がある。以下に、これらの主
なものを示す。 (1)気体あるいは空間の清浄化に関するもの、 (a)特許関係 特公平3−5859号(US Patent 4,750,91
7号、EPC Patent:0 241555号);特公平
6−34941号;特公平6−74908号;特公平6
−74909号;特公平6−74910号;特公平7−
110342号;特公平7−93098号(US Paten
t 5,154,733号、EPC Patent 0 445,
787号);特公平8−211号(US Patent 5,2
25,000号);特開平6−29373号(US Pat
ent 5,380,503号);特開平1−266864
号;特開平2−303557号;特開平6−19821
5号;特開平7−57981号各公報
【0003】(b)研究論文関係 空気清浄・第31巻、第3号、p37〜43(199
3)、エアロゾル研究、第8巻、第3号、p239〜
248(1993)、同第8巻、第4号、p315〜
324(1993) (2)微粒子の測定に関するもの、 特公平6−25731号;特開平2−47536号;特
開平3−2558号各公報 (3)分離・分級や表面改質に関するもの、 特開平3−42057号;特公平7−93098号各公
報 (4)電位の中和や快適性の創出に関するもの、 特公平8−10616号公報 などがある。
【0004】これらの方法や装置は、適用分野・用途、
使用条件によっては有効であるが、適用先、使用条件な
どによってはその目的に合致させて使用できるよう改善
を行う余地があった。また、実用性の向上に対して改善
の余地があった。上記、改善点について、上記空間の清
浄化への応用としてストッカー(特開平6−29373
号)を例に説明する。半導体工場のウェハ保管庫(ウェ
ハ収納ストッカ)における空気清浄を、図8に示す。ウ
ェハ保管庫1の空気清浄は、ウェハ保管庫1の片側に設
置された紫外線ランプ2、紫外線の反射面5、光電子放
出材3、電場設置のための電極4及び荷電微粒子の捕集
材4(微粒子捕集装置)にて実施される。なお、本構成
では、電極が捕集材を兼用して実施される。
【0005】即ち、ウェハ保管庫1中の微粒子(微粒子
状物質)6は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射され
た光電子放出材3から放出される光電子7により荷電さ
れ、荷電微粒子8となり、該荷電微粒子8は荷電微粒子
の捕集材4に捕集され(微粒子捕集装置B)、ウェハの
存在する被処理空間部(清浄化空間部、A)は高清浄化
される。ここで、遮光材9は被処理空間部Aと微粒子捕
集部Bの間に設置されている。遮光材9は、複数の板状
の金属板を相互に組合せたもので、被処理空間部Aに存
在する微粒子6が、微粒子の荷電・捕集部Bに移動でき
るように上部、中央部、下部に被処理空間部Aと微粒子
捕集部B間に導通個所を有している。ここでの光電子放
出材3は、ガラス材表面にAuを薄膜状に付加したもの
である。
【0006】このようにして、ウェハ保管庫1中の微粒
子(粒子状物質)6は捕集・除去され、ウェハ保管庫は
超清浄空気となる。上記において、光電子放出材への紫
外線の照射は、曲面状の反射面5を用い、紫外線ランプ
2から紫外線を板状の光電子放出材3に効率よく照射し
ている。電極4は、光電子放出材3からの光電子放出を
電場で行うために設置している。即ち、光電子放出材3
と電極4の間に電場を形成している(光電子放出部)。
微粒子の荷電は、電場において光電子放出材3に紫外線
照射することにより発生する光電子7により効率よく実
施される。ここでの電場の電圧は、50V/cm〜40
0V/cmのような比較的高い電場が初期に設定され用
いられていた(上記研究論文,,参照)。該電場
は、微粒子の荷電と、荷電微粒子の捕集を同一の電極で
行うことを目的としているために、上記のような比較的
高い電圧の電場が必要となっていた。
【0007】このような比較的高い電圧を印加した電場
では、光電子放出材からの光電子の放出が初期には多
く、その後徐々に減少していくので、長時間の運転に
は、問題が生ずる場合があり、改良の余地があった。こ
れを図9を用いて説明する。図9は、比較的高い電場に
おける光電子放出を表わす〔図9は、初期の放出量(光
電子から生成した負イオンの放出量)を1とした場合の
時間的推移の図である;第56回 応用物理学会学術講
演会講演予稿集,No.0 ,p.467(199
5)〕。即ち、光電子から生成した負イオンの放出量
は、処理対象の微粒子濃度に対して10〜100倍量程
度で良く(上記研究論文参照)、図9中aの濃度で十
分に効果的である。これに対して、図9から分かるよう
に初期(図9中b)においては、かなり高濃度の光電子
が放出され、無駄に消耗されている。また、この様な高
い電場形成の場合、紫外線の微粒子への直接照射で正荷
電粒子が生成すると、該正荷電粒子は、負(−)極の光
電子放出材へ電場の力でアタックする場合があり、光電
子放出材の性能劣化の原因となった。このように、初期
から比較的高い電場を形成して用いる従来の荷電条件下
では、長時間運転、例えば半年〜1年間の連続運転で性
能低下を生じる場合があった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解決し、長期間の連続運転においても性能
低下を生ぜず、安全で安定に高性能を長時間にわたり維
持できる微粒子の荷電方法及び装置を提供することを課
題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、電場下で、光電子放出材に紫外線及び
/又は放射線を照射することにより発生する光電子によ
る微粒子の荷電方法において、前記電場の強さを運転初
期は弱くし、稼働時間に従って徐々に高めることとした
ものである。前記方法において、運転初期の電場は、強
さを10V/cm以下とするのがよい。また、本発明で
は、紫外線及び/又は放射線源、紫外線及び/又は放射
線の照射により光電子を発生する光電子放出材、電場設
定用電極を有する微粒子の荷電装置において、該電場設
定用電極が印加電圧を運転初期は弱く、稼働時間に従
って徐々に高める可変出力直流電源装置に接続されてい
ることとしたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、次の4つの知見からな
された。 1)光電子放出材から放出された光電子は、媒体ガスに
付着し、負イオンとなり、該負イオンが微粒子を荷電す
る。 2)電場下で、光電子放出材に紫外線及び/又は放射線
照射することにより発生する光電子による空間中の微粒
子の荷電においては、処理対象の微粒子濃度に対する必
要な負イオン量は、荷電条件、例えば荷電時間にもよる
が、一般に微粒子濃度に対して10〜100倍量で良
い。これに対して、比較的高い電界の形成、例えば10
0V/cmでは初期に大過剰の光電子放出量があり、該
放出光電子のほとんどは有効利用されないで、無駄に消
耗されてしまう。
【0011】(3)従来の比較的高い電界(電場用電圧
が高い)による荷電では、長時間運転を行うと、条件に
よっては荷電性能の低下をもたらす場合がある。この原
因の詳細は不明であるが、次のように推定される。即
ち、光電子による微粒子の荷電は、光電子により負イオ
ンが生成することにより引き起こされるが(前記研究論
文)、ここで副反応として紫外線及び/又は放射線の
空間中の微粒子への直接照射によって、一部が正帯電の
微粒子(粒子状物質)となり、高い電場下では該微粒子
は負極の光電子放出材の表面にアタックし、光電子放出
材は性能低下をもたらす。 (4)光電子放出材からの光電子の放出量は、電場の強
さに依存する。また、一定の電界下で性能低下した光電
子放出材は、より強い電場を形成することにより、光電
子放出量を多くすることができる(第1回 エアロゾル
研究討論会、国際シンポジウム ’92、p168〜1
70)。
【0012】次に、本発明の各構成について説明する。
光電子放出材は、紫外線及び/又は放射線照射により光
電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕
事関数が小さなもの程好ましい、効果や経済性の面か
ら、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,
Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,A
g,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,
Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,
P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は合金又は混合
物が好ましく、これらは単独で又は二種以上を複合して
用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的
な複合材も用いうる。例えば、化合物としては酸化物、
ほう化物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,
CaO,Y2 5 ,Gd2 3 ,Nd2 3 ,Th
2 ,ZrO2 ,Fe2 3 ,ZnO,CuO,Ag2
O,La2 3 ,PtO,PbO,Al2 3 ,Mg
O,In2 3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、
またほう化物にはYB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB
6 ,CeB6 ,EuB6 ,PrB6 ,ZrB2 などがあ
り、さらに炭化物としてはUC,ZrC,TaC,Ti
C,NbC,WCなどがある。
【0013】また、合金としては黄銅、青銅、リン青
銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、C
uとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaと
Alとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの
合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好
ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、
或いは薬品で酸化することによっても得ることができ
る。さらに他の方法としては使用前に加熱し、表面に酸
化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ること
もできる。この例としてはMgとAgとの合金を水蒸気
中で300〜400℃の温度の条件下でその表面に酸化
膜を形成させることができ、この酸化薄膜は長期間にわ
たって安定なものである。
【0014】また、本発明者が、すでに提案したよう
に、表面に多数の凹凸が形成されたもの(特公平6−7
4908号)、また、表面に保護膜が付加された多重構
造の光電子放出材(特開平3−108698号)も好適
に使用できる。また、適宜に母材上に薄膜状に光電子を
放出し得る物質を付加し、使用することもできる(特開
平4−152296号)。また、紫外線透過性物質(母
材)上に前記光電子放出性物質を付加したもの、例とし
て、紫外線透過性物質(母材)としての石英ガラス上に
光電子を放出し得る物質として、Auを薄膜状に付加し
たものがある(特公平7−93098号)。これらの材
料の使用形状は、棒状、綿状、格子状、板状、プリーツ
状、曲面状、金網状等何れの形状でもよいが、紫外線の
照射面積及び処理空間との接触面積の大きな形状のもの
が良く、装置によっては被処理空間部(後述)に存在す
る微粒子が光電子放出部に迅速に移動できるものが好ま
しい。
【0015】光電子放出材からの光電子放出のための照
射源は、照射による光電子を放出するものであればいず
れでも良い。本例で述べた紫外線及び/又は放射線の他
に電磁波、レーザが適宜に適用分野、装置規模、形状、
効果等で選択し、使用できる。この内、効果、操作性の
面で、紫外線及び/又は放射線が通常好ましい。紫外線
の種類は、その照射により光電子放出材が光電子を放出
しうるものであれば何れでも良く、適用分野によって
は、殺菌(滅菌)作用を併せてもつものが好ましい。紫
外線の種類は、適用分野、作業内容、用途、経済性など
により適宜決めることができる。例えば、バイオロジカ
ル分野においては、殺菌作用、効率の面から遠紫外線を
併用するのが好ましい。該紫外線源としては、紫外線を
発するものであれば何れも使用でき、適用分野、装置の
形状、構造、効果、経済性等により適宜選択し用いるこ
とができる。例えば、水銀灯、水素放電管、キセノン放
電管、ライマン放電管などを適宜使用できる。バイオロ
ジカル分野では、殺菌(滅菌)波長254nmを有する
紫外線を用いると、殺菌(滅菌)効果が併用でき好まし
い。
【0016】放射線を用いる場合の線源も同様に、照射
により光電子を放出するものであれば良く、α線、β
線、γ線などが用いられ、照射手段としてコバルト6
0、セシウム137、ストロンチウム90などの放射性
同位元素、又は原子炉内で生成する放射性廃棄物及びこ
れに適当な処理加工した放射性物質など適宜利用出来
る。前記電場は、光電子放出材からの光電子の放出を効
果的に起こすために形成される。該電場は、前述光電子
放出材(−)と後述電極(+)間に電圧を印加すること
により形成される。該電場の強さは、本発明の特徴であ
り、運転の初期段階ては、10V/cm以下の電場と
し、装置の長時間連続運転等により、光電子放出量が所
定の濃度に達しない場合に、徐々に高めていくものであ
る。
【0017】該電場の強さは、次のように決めることが
できる。即ち、前記したように、光電子から生成される
負イオンの濃度は、処理対象微粒子濃度に対して、通常
10〜100倍程度でよく、荷電時間が短い場合、例え
ば1秒程度においても1000倍程度で効果的であるこ
とから、該電場の初期の強さや長時間運転における電場
の強さ(運転に伴う電場の推移、高め方)は、処理対象
微粒子濃度、光電子放出材の種類、形状、紫外線及び/
又は放射線の照射条件、荷電部の構造・条件、要求性能
(荷電効率、耐久性など)等により、適宜予備実験を行
い決めることができる。該微粒子の荷電は、次式(1)
で表わされる(前記研究論文)。 n0 /nt =exp(−ζ0 Nt) ここで、n0 は荷電時間tにおける無帯電微粒子数濃
度、nt は全微粒子数濃度、ζ0 は無帯電微粒子と光電
子から生成した負イオンとの結合係数、Nは光電子から
生成した負イオン濃度である。式(1)から、微粒子の
荷電効率は、光電子放出量、荷電時間に依存することが
分かる。式(1)は、無帯電微粒子についてであり、実
際の系ではp個の電荷を持つ帯電微粒子が共存するが、
ここでは、シンプルな系を想定し無帯電微粒子のみにつ
いて説明した。
【0018】光電子放出量は、光電子放出材(−)と電
極(+)間の電流値(負イオン量)を測定することによ
りモニターできるので、適正な光電子放出量の調整は処
理対象微粒子濃度に対して、少ないときは電場の強さを
強くすることで行うことができる。このように本発明で
は、初期段階で10V/cm以下の弱電場を形成して装
置の運転を行い(微粒子濃度に対して予備試験などで決
まる適正な光電子の放出を行い)、装置の連続運転等に
よって光電子放出量が減少しても、電場の強さを高める
ことによって所定の光電子濃度を保持するものである。
該電極材の材質は、導体であれば何れでも使用でき、周
知の荷電装置における各種電極材が好適に使用できる。
形状は、平板状、棒状、格子状、プリーツ状、金網状等
何れの形状も使用できる。例えば平板状Cu−Zn材、
金網状SUS材がある。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれに限定されるものではない。 実施例1 半導体工場のクラス1,000のクリーンルームに設置
されたウェハ保管庫(ウェハ収納ストッカ)における空
気清浄を、図1に示した本発明の基本構成図を用いて説
明する。ウェハ保管庫1の空気清浄は、ウェハ保管庫1
の片側に設置された紫外線ランプ2、紫外線の反射面
5、光電子放出材3、光電子放出用の電場形成のための
電極4より成る微粒子の荷電部(B1 )及び該荷電部
(B1 )により荷電された荷電微粒子を捕集するための
電極12より成る荷電微粒子の捕集部(B2 )より実施
される。
【0020】即ち、ウェハ保管庫1中の微粒子(微粒子
状物質)6は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射され
た光電子放出材3から放出される光電子7により荷電さ
れ、荷電微粒子8となり、該荷電微粒子8は荷電微粒子
の捕集材(電極)12により捕集され(微粒子の荷電・
捕集部、B)、ウェハの存在する被処理空間部(清浄化
空間部、A)は超清浄化される。光電子放出材(−)3
と、電極(+)4の間の光電子放出のための電場用電圧
は、本発明の特徴であり、およそ1日10回のストッカ
の開閉によりストッカ内にその都度侵入するクラス1,
000の微粒子濃度(1,000ft-3)に対し、光電
子7からの生成負イオン濃度が、長時間の運転期間中少
なくとも300〜500倍になるように、該電場用電圧
(電場の強さ)が調整される。ここでは、初期に5V/
cmの電場を形成し、その後、負イオン濃度が保管庫の
長時間連続運転により減少すると、該電場用の印加電圧
を高め、前記の適正な負イオン濃度になるように調整さ
れる。
【0021】ここでの、負イオン濃度は、光電子放出材
(−)3と電極(+)4間の電流値を計測することによ
りモニターでき、そのモニター結果により、予め予備試
験で決めた電圧に設定される。図2にこの電流値測定の
回路図を示す。図2中16は電流計を示し、17は可変
出力直流電源装置である。このようにして、該電場用電
圧は徐々に高められ、1年後の電場は350V/cmで
ある。ここでの光電子放出材3は、ガラス材表面にAu
を薄膜状に付加したものであり、このような構成の光電
子放出材については、本発明者等の別の発明がある(特
公平7−93098号)。
【0022】13a,13b,13cは、保管庫内の空
気の流れを示す。即ち微粒子の荷電・捕集部(B)に移
動した空気は、紫外線ランプの照射により加温されるた
め、上昇気流が生じ保管庫1内を矢印、13a,13
b,13cの様に動く。この空気の動きにより、保管庫
内の微粒子6は、微粒子の荷電・捕集部Bに効果的に移
動するため、保管庫1内は迅速に清浄化される。このよ
うに、ウェハ保管庫1中の微粒子(粒子状物質)6は捕
集・除去され、ウェハ保管庫は長時間にわかり超清浄空
気が維持され、ウェハ11への汚染防止が顕著に行われ
る。上記において、光電子放出材への紫外線の照射は、
曲面状の反射面5を用い、紫外線ランプ2から紫外線を
板状の光電子放出材3に効率よく照射している。10
は、ウェハキャリヤ、11はウェハを示す。
【0023】実施例2 実施例1の半導体工場(クリーンルーム:クラス1,0
00)において、別のタイプのウェハ保管庫(ウェハ収
納ストッカ)における空気清浄を、紫外線源としての紫
外線ランプを光電子放出材及び電極で囲み、一体化した
ユニット(微粒子捕集装置)を用いて行う場合を図3及
び図4を用いて説明する。図3は、ウェハ保管庫1の断
面図であり、ウェハ保管庫1中の空気清浄は、保管庫の
空間にユニット化した微粒子捕集装置(Bの部分)を設
置することで実施される。本発明の微粒子捕集装置(B
の部分)は、図4の基本構成図を示したように紫外線ラ
ンプ2、該ランプを囲む形状(円筒になった網状)の光
電子放出のための電場形成用の電極4、該電極を囲む形
状(円筒状)のCu−Zn母材上にAu被覆した光電子
放出材3より成る微粒子の荷電部(B1 )、及び荷電微
粒子を捕集するための電極12より成る荷電微粒子の捕
集部(B2 )より構成される。
【0024】即ち、ウェハ保管庫中の微粒子6は、図4
に示した紫外線ランプ2からの紫外線が照射された光電
子放出材3から放出される光電子7により荷電され、荷
電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子の捕集材1
2に捕集される。光電子放出材(−)3と電極(+)4
の間は、光電子放出用の電場が形成され、該電場の形成
は、本発明の特徴であり、ストッカの1日約10回の開
閉によりストッカ内に侵入するクラス1,000の微粒
子濃度(1,000ft-3)に対して、光電子から生成
する負イオン濃度が長時間の運転期間中少なくとも30
0〜500倍になるように光電子の放出量が調整され
る。ここでは、初期に、5V/cmの電場を形成し、該
負イオン濃度が終時により少なくなると、該電場用の印
加電圧を高めることにより光電子放出量の増大が図られ
ている。負イオン濃度のモニター及び経日による印加電
圧の強化は、前記実施例1と同様であり、該電場の電圧
は、長時間の運転で徐々に高められ、1年後には350
V/cmである。
【0025】このようにして、ウェハ11に存在する被
処理空間部(清浄化空間部、A)は、長時間の連続運転
においても超清浄空間が維持される。ここでの光電子放
出材3は、円筒状Cu−Zn(真ちゅう)にAuをメッ
キしたものである。13a,13cは気流の流れの方向
を示す。13aは入口の流れ、13cは出口の流れであ
る。該気流は、紫外線ランプから生ずる熱により自然に
起こる流れであり、これにより保管庫中の微粒子6は、
該気流により効果的に微粒子捕集装置内の光電子放出材
(光電子放出材と電極間)に運ばれ、荷電され、捕集さ
れる。このようにして、ウェハ保管庫中の微粒子(粒子
状物質)6は効果的に捕集・除去され、ウェハ保管庫内
は超清浄化される。超清浄空間が確実に長時間安定して
維持されるので、収納したウェハへの汚染防止が顕著と
なる。図3,4において図1と同じ符号は、同じ意味を
示す。
【0026】実施例3 実施例1のクラス1,000のクリーンルームに設置さ
れたエアナイフ用の供給空気の浄化を、図5に示した本
発明の基本構成図を用いて説明する。図5において、ク
ラス1,000のクリーンルームの空気は、紫外線ラン
プ2、光電子放出材3、光電子放出のための電場用電極
4、より成る微粒子の荷電部(B1 )、及び荷電微粒子
を捕集すための捕集材部(B2 )より構成される本発明
の空気清浄化装置(B)により浄化され、清浄化空気1
4となり、該清浄化空気はエアナイフ15に供給され
る。即ち、クリーンルーム空気中の微粒子(微粒子状物
質)は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射された光電
子放出材3から放出される光電子7により荷電され、荷
電微粒子8となり、該荷電微粒子8は荷電微粒子の捕集
材(電極)12により捕集され(微粒子の荷電・捕集
部、B)、処理後の空気14は、クラス1(1ft-3
よりも清浄な超清浄空気となり、エアナイフ15に供給
される。
【0027】光電子放出材(−)3と、電極(+)4の
間の光電子放出用の電場は、本発明の特徴であり、流入
するクラス1,000の微粒子濃度(1,000f
-3)に対し、光電子7からの生成負イオン濃度が長時
間の運転期間中少なくとも500〜1,000倍になる
ように該電場の強さが調整される。ここでは、初期に5
V/cmの電場を形成し、その後、負イオン濃度が空気
清浄化装置(B)の長時間連続運転により減少すると、
該電場用の印加電圧を高め、前記の適正な負イオン濃度
になるように調整される。負イオン濃度のモニター、及
び経日による印加電圧の強化は、前記実施例1と同様で
あり、該電場の電圧は長時間の運転で徐々に高められ、
1年後には400V/cmである。このようにして、エ
アナイフ15への供給空気14は、長時間の連続運転に
おいても超清浄化が維持される。ここでの光電子放出材
3は、ガラス材表面にAuを薄膜状に付加したものであ
る(特公平7−93098号)。
【0028】実施例4 図1に示したウェハ保管庫をクラス1,000のクリー
ンルームに設置し、紫外線照射と電場用電圧の印加を行
い、長時間の連続運転を行い、微粒子測定器を用い、空
間中微粒子濃度を調べた。 保管庫大きさ;80リットル 光電子放出材;ガラス板に、Auを薄膜状に付加したも
の。 紫外線ランプ;殺菌灯(254nm) 光電子放出用の電場電圧;初期に5V/cmに設定し、
100日後10V/cm、200日後30V/cm、3
00日後80V/cm、1年後300V/cmになるよ
うに徐々に増加させた。
【0029】この電場用電圧は、予め予備試験により、
光電子放出材と電極4間の電流値が1〜2pAになるよ
うに経日による適正印加電圧を調べ設定したものである
(該電流値計測回路と電圧変換回路は図2に示す)。 上記電場用電極材;Cu−Zn材 荷電微粒子捕集材;板状Cu−Znに1.2kV/cm
を印加 荷電・捕集時間;30分 保管庫の開閉;1日5回 微粒子測定器;パーティクルカウンター(>0.1μ
m、光散乱式)
【0030】結 果 0.1μm以上の微粒子濃度をパーティクルカウンター
で測定した。本発明の保管庫による微粒子除去性能とし
て、図6に、本保管庫の運転経過時間に対する到達クリ
ーン度の関係を示す。図6中−○−印は、本発明のも
の、−●−印は比較として初期から電場を140V/c
m一定に設定し、行ったものを示す。なお、図6中矢印
(↓)は、検出限界(クラス1)以下を示す。なお、ク
ラスは、1ft3 中の0.1μm以上の微粒子の総個数
を示す。比較例として、初期から50V/cm、又は1
00V/cmに設定し同様に到達クリーン度を調べた。
その結果、いずれも図6中−●−と同様に、150日程
度で図6中−●−印と同様に、クリーン度が低くなった
(清浄度が悪くなった)。上記において、本発明の電場
電圧における負イオン(−○−)、比較として初期から
電場を140V/cm一定に設定した場合の負イオン
(−●−)を図7に示す。該負イオンは、光電子放出材
と電極間の電流値(pA)を図2の負イオン測定の回路
で測定したものである。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、以下のような効果を奏
することができる。 1)電場において、光電子放出材に紫外線及び/又は放
射線を照射することによる微粒子の荷電において、電場
の強さを初期は弱くし、徐々に高めることによって、
(a)光電子放出材からの放出光電子量は、微粒子の荷
電に見合う量のみ放出されるので、放出光電子は無駄な
く有効利用された。そして、連続運転などにより、光電
子放出量が減少しても、電場の強さを高めることによっ
て所定の光電子放出量が放出されるので、微粒子の荷電
が長時間安定してできるようになった。(b)紫外線及
び/又は放射線の空間中微粒子への直接照射により正荷
電の粒子が生成しても、その影響がなくなった。即ち、
初期の電場は弱いので、(−)極の光電子放出材表面へ
の該正荷電粒子のアタックはなくなった。これにより、
正荷電粒子による(−)極の光電子放出材へのアタッ
ク、付着などによる光電子放出材の性能劣化がなくなっ
た。 2)前記より、光電子放出材から光電子を放出させて用
いる前記の各利用分野の実用性が向上した。長時間安定
した性能となったのでコストの安い方式となった。利用
分野、適用装置が広がった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明をウェハ保管庫の空気清浄に用いた構成
図。
【図2】電場設定用の回路図。
【図3】本発明をウェハ保管庫の空気清浄に用いた他の
構成図。
【図4】図3の微粒子捕集装置の(イ)縦断面図と
(ロ)横断面図。
【図5】本発明をエアーナイフ用の空気の浄化に用いた
構成図。
【図6】ウェハ保管庫の運転日数(日)と到達クリーン
度(クラス)の変化を示すグラフ。
【図7】ウェハ保管庫の運転日数(日)と負イオン(p
A)の変化を示すグラフ。
【図8】従来のウェハ保管庫の空気清浄に用いた構成
図。
【図9】比較的高い電場における経過日数に対する光電
子放出量の相対値を示すグラフ。
【符号の説明】
1…ウェハ保管庫、2…紫外線ランプ、3…光電子放出
材、4…電極、5…反射面、6…微粒子、7…光電子、
8…荷電微粒子、9…遮光材、10…ウェハキャリヤ、
11…ウェハ、12…捕集材、13a,13b,13c
…気流の流れ、14…清浄化空気、15…エアーナイ
フ、16…電流計、17…電圧変換装置、A…清浄化空
間部、B…微粒子荷電・捕集部。

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電場下で、光電子放出材に紫外線及び/
    又は放射線を照射することにより発生する光電子による
    微粒子の荷電方法において、前記電場の強さを稼動の度
    毎の初期(以下、運転初期という)は弱くし、稼働時間
    に従って徐々に高めることを特徴とする微粒子の荷電方
    法。
  2. 【請求項2】 前記運転初期の電場は、強さを10V/
    cm以下とすることを特徴とする請求項1記載の微粒子
    の荷電方法。
  3. 【請求項3】 紫外線及び/又は放射線源、紫外線及び
    /又は放射線の照射により光電子を発生する光電子放出
    材、電場設定用電極を有する微粒子の荷電装置におい
    て、該電場設定用電極が印加電圧を運転初期は弱く、
    稼働時間に従って徐々に高める可変出力直流電源装置に
    接続されていることを特徴とする微粒子の荷電装置。
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