JP3672077B2 - 負イオンの発生方法とその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、負イオンの発生方法に係り、特に光電子放出材に紫外線を照射することによる負イオンの発生方法と装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術として、本発明者らが既に提案している、光電子放出材に紫外線を照射することにより発生させた負イオンを用いた空間の清浄化(微粒子を除去した空間)への応用について述べる。
光電子放出材に、紫外線を照射することにより発生する光電子による空間の清浄化については、本発明者らの多数の提案や研究論文がある。例えば、(1)空間清浄化に関するものでは、特公平3−5859号、特公平6−3494号、特公平6−74909号、特公平6−74710号、特公平8−211号各公報参照、(2)光電子放出材に関するものでは、特公平6−74908号、特公平7−93098号、特開平3−108698号各公報参照、(3)研究論文では、(a) Proceedings of the 8th. World ,Clean Air Congress. 1989.Vol. 3. Hague p 735−740 (1989)、(b)エアロゾル研究、第7巻、第3号、p245〜247(1992)、(c)エアロゾル研究、第8巻、第3号、p239〜248(1993)、同第8巻、第4号、p315〜324(1993)、などがある。
【0003】
光電子放出材からの負イオンの発生は、例えばバルク状(板状、塊状、網状)の材料に対向し、光電子放出用の電極を設置することにより、効果的な負イオンの発生が行われる。
この際、光電子放出材からの負イオンの発生は、電場を均一に光電子放出材と電極間に形成することが重要である。そのためには、均一な電場形成が阻害されないように、光電子放出材への紫外線ランプからの紫外線照射を行うことが重要である。
次に、従来例の課題を具体例で説明する。
図6は、本発明者らが既に提案した半導体基板用搬送ボックスの断面構成図(特開平11−243140号公報)である。
図6において、Aは、紫外線ランプ2、光電子放出材3、光電子放出用(電場形成用)電極4、荷電微粒子捕集材5より構成される光電子(負イオン)による微粒子の荷電捕集部(気体清浄化装置)であり、Bは、半導体基板としてキャリアー6に収納されたウエハ7が収納されるウエハ収納空間(被清浄化空間部)である。
【0004】
ボックス1内には、ウエハ収納空間Bに収納されたウエハに付着すると、断線や短絡を起こすことから欠陥を生じ、歩留まりの低下をもたらす微粒子8が存在する。微粒子8は、ウエハ7のボックス1への収納や取り出しのためのボックス1の開閉毎に、クリーンルーム(クラス1,000)からボックス1内に侵入する。
ここで、微粒子8は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射された光電子放出材3から放出される負イオン(光電子)9により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子捕集材5に捕集され、ウエハ7の存在する清浄化空間部Bは清浄化される。気体清浄化装置Aによる清浄化(全気清浄)は、電力供給装置(図示せず)より電力の供給を受けるので、長時間にわたり実施される。このようにして、ボックス1内はクラス1よりも清浄な、清浄空間が維持される。
【0005】
10-1〜10-3は、ボックス1内の空気の流れであり、紫外線ランプ2の照射により生ずる気体清浄化装置Aの上下間の温度差によって引き起こされる。この空気の流れ10-1〜10-3により、ウエハ収納空間B中の微粒子8は、順次気体清浄化装置Aへと導入され、微粒子の捕集(除去)が行われる。
前記図6に示す構成の光電子放出材3と電極4間の電場形成では、光電子放出材3と電極4間に紫外線ランプ2が設置されているので、電場形成が不十分、即ち、電場形成が紫外線ランプ2に影響されるので、不均一となり、負イオン濃度が低い領域が生じる。この場合は、微粒子の荷電効率が低くなり、高い清浄度を得るためには時間が掛かるという問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記従来技術に鑑み、電場下での光電子放出材からの負イオンの発生を効果的に生じさせることができる負イオンの発生方法と装置を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明では、電場下で光電子放出材に紫外線を照射して負イオンを発生させる方法において、前記電場形成用の電極を、板状で紫外線照射源の中心軸に沿って光電子放出材と平行に設置することとしたものである。前記電場形成用の電極は、紫外線照射源の表面近傍にも設置することができる。
また、本発明では、気体の通路上に、光電子放出材と該光電子放出材に紫外線を照射する照射源と電場形成用電極とを有する負イオンの発生装置において、前記電場形成用電極を板状で紫外線照射源の中心軸に沿って光電子放出材と平行に設置することとしたものである。前記電場形成用の電極は、紫外線照射源の表面近傍にも設置することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明は、次の5つの知見に基づいてなされたものである。
(1)電場下で、光電子放出材に紫外線を照射すると、該光電子放出材から光電子が放出され、放出された光電子は負イオンに変化する。〔エアロゾル研究、第8巻、第3号、p.239〜248、1993〕。
該負イオン(負イオン富化空気)は、オゾンレスであるので、各分野に好適に利用できる。
例えば、
▲1▼ 負イオンによる微粒子(粒子状物質)の荷電とその利用。
(a)荷電微粒子の捕集・除去によるクリーン空間の創出。
(b)荷電微粒子の分離・分級や表面改質、制御。
▲2▼ 半導体、液晶・精密機械産業における過剰な正イオンの中和ができる。
▲3▼ アメニティ、即ち負イオン富化の空間は、人体に対して快適感(爽快感)が得られる。
▲4▼ 食品分野では、食品類の鮮度維持、菌類の増殖防止に利用できる。
【0009】
(2)従来の負イオンの発生法としてのコロナ放電法では、発生するオゾンによりマイナス効果(問題点)があるため、オゾンレスの負イオンが実用上必要(有効)である〔(C)第12回エアロゾル科学・技術研究討論会、p.120〜122、1995、(d)空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集、p.1065〜1068、1995〕。
(3)光電子放出材に紫外線を照射することによる負イオンの発生は、光電子放出材(負極)と電極(正極)間に均一な電場を形成し、光電子放出材に紫外線を照射すると、効果的に生じる。
(4)前記の光電子放出における電場形成では、光電子放出材と電場形成用の電極間に物体(例、紫外線ランプ)が存在すると、該電場形成が不均一(一部に電場形成ができない領域を生じる)となり、その結果として負イオンの発生が効果的に起こらない(負イオン濃度が低い領域が生じる)。
(5)前記の光電子放出における課題に対して、電場設置用の電極を紫外線照射源の表面近傍及び/又は該紫外線照射源の中心軸近傍に設置すると、負イオンの発生が効果的になる。
【0010】
次に、本発明の夫々の構成を説明する。
本発明の負イオンは、紫外線照射源の中心軸に沿って、また表面近傍に設置の電場用電極、光電子放出材、紫外線照射する照射源より構成される負イオン発生部(装置)により発生される。
ここでの負イオンの発生は、光電子放出材の表面及び/又は裏面に、紫外線を照射しながら、該光電子放出材の表面及び/又は裏面に気体を導入して該光電子放出材の表面及び/又は裏面に負イオンを発生させるものである。
光電子放出材は、本発明者らがすでに提案したものを適宜に用いることができる(例、特公平6−74908号、特公平6−74909号、特公平8−211号、特公平7−121369号、特公平7−93093号、特公平8−22393号、特開平9−294919号各公報参照)。
【0011】
光電子放出材は、電場下で紫外線の照射により光電子を放出するものであれば何れでも良く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい。効果や経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Zn,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,Eu,Sn,P,Wのいずれか、又はこれらの化合物、又は合金、又は混合物が好ましく、これらは単独で、又は2種以上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガムの如く物理的な複合材も用いうる。
例えば、化合物としては、酸化物、ほう化物、炭化物があり、酸化物には、BaO、SrO、CaO、Y23、Gd23、Nd23、ThO2、ZrO2、Fe23、ZnO、CuO、Ag2O、La23、PtO、PbO、Al23、MgO、In23、BiO、NbO、BeOなどがあり、また、ほう化物には、YB6、GdB6、LaB5、CeB6、EuB6、PrB6、ZrB2などがあり、さらに、炭化物としては、UC、ZrC、TaC、Tic、NbC、WCなどがある。
【0012】
また、合金としては、黄銅、青銅、リン青銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、CuとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaとAlとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好ましい。酸化物は、金属表面のみを空気中で加熱したり、あるいは薬品で酸化することによっても得ることができる。
さらに、他の方法としては、使用前に加熱し、表面に酸化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ることもできる。この例としては、MgとAgとの合金を水蒸気中で300〜400℃の温度の条件下で。その表面に酸化膜を形成させることができ、この酸化膜は長期間にわたって安定なものである。
これらの物質は、バルク状(固体状、板状)で、また適宜の母材(支持体)へ付加して使用できる(特開平3−108698号公報)。例えば、紫外線透過性物質の表面又は該表面近傍に付加する(特公平7−93098号公報)こともできる。
【0013】
付加の方法は、紫外線の照射により光電子が放出されれば何れでも良い。
例えば、ガラス板上ヘコーティングして使用する方法、他の例として、板状物質表面近傍へ埋込んで使用する方法や、板状物質上に付加し更にその上に別の材料をコーティングして使用する方法、紫外線透過性物質と光電子を放出する物質を混合して用いる方法等がある。また、付加は、薄膜状に付加する方法、網状、線状、粒状、島状、帯状に付加する方法等適宜用いることができる。
光電子を放出する材料の付加の方法は、適宜の材料の表面に周知の方法でコーティング、あるいは付着させて作ることができる。例えば、イオンプレーティング法、スパッタリング法、蒸着法、CVD法、メッキによる方法、塗布による方法、スタンプ印刷による方法、スクリーン印刷による方法を適宜用いることができる。
【0014】
薄膜の厚さは、紫外線照射により光電子が放出される厚さであれば良く、5Å〜5,000Å、通常20Å〜500Åが一般的である。光電子放出材の使用形状は、板状、プリーツ状、筒状、円筒状、棒状、線状、網状、繊維状、ハニカム状等があり、表面の形状を適宜凸凹状とし使用することができる。また、凸部の先端を先鋭状あるいは球面状とすることもできる(特公平6−74908号公報)。
形状を網状のような気体通過性とし、光電子放出材の裏面から気体を導入して表面に負イオンを発生させる形態は電場が弱くて良いことから、適用先、装置種類によっては好ましい(特開平7−57643号公報)。
母材への薄膜の付加は、本発明者らが既に提案したように、1種類又は2種類以上の材料を1層又は多層重ねて用いることができる。即ち、薄膜を適宜複数(複合)で使用し、2重構造あるいはそれ以上の多重構造とすることができる(特開平4−152296号公報)。
【0015】
これらの最適な形状や、紫外線の照射により光電子を放出する材料の種類や付加方法及び薄膜の厚さは、装置の種類、規模、形状、光電子放出材の種類、母材の種類、後述電場の強さ、かけ方、効果、経済性等で適宜予備試験を行い決める事が出来る。
前記光電子放出材を母材に付加して使用する場合の母材は、前記した紫外線通過性物質の他にセラミック、粘土、周知の金属材がある。また、後述の光源の表面に上記光電子放出材を被膜(光源と光電子放出材を一体化)して行うこともできる(特開平4−243540号公報)。
また、光触媒(例、TiO2)との一体化を行うこともできる(特開平9−294919号公報)。この形態は、光触媒により光電子放出材の長時間安定化(光電子放出材への影響物質があっても除去できる)や、共存するガス状汚染物質の除去ができるので、利用先(装置の種類、要求性能)によっては好ましい。
光電子放出材への紫外線の照射による光電子の発生は、光電子放出材と、後述の本発明の電極間に電場(電界)を形成して行うと、光電子放出材からの光電子放出が効果的に起こる。また、気体の流し方の適性化、例えば光電子放出材を網状とし、光電子放出材に直交して流す方式により効果的に起こる。
【0016】
次に、本発明の特徴である電場形成について述べる。
本発明の電場形成は、負イオン発生部内(光電子放出材と光電子放出用電極間)に、紫外線ランプのような電場形成を阻害する物体が存在する場合に有効である。
図1及び2に、負イオン発生部A内に紫外線ランプが設置される本発明の負イオン発生装置の断面構成図を示す。
図1は、電場形成(設定)用電極4を紫外線ランプ2の中心軸に光電子放出材3と平行に設置したものである。
図2は、図1の電極4に、更に、紫外線ランプ2の表面にらせん状電極4’を設置したものである。
【0017】
前記のような構成による電場形成下で、光電子放出材3への紫外線ランプ2からの紫外線照射により、負イオンの発生が効果的に起こる。
電場の強さは、用途、装置種類、期待(空気)の流し方、形状、光電子放出材の種類、要求性能により、適宜予備試験を行い決めることが出来る。一般に、0.1V/cm〜2kV/cmである。
電場形成のための電極材料は、周知の導電性材料で、安定した材料であれば何れでも使用できる。
例えば、Al、SUSがある。又、その形状は、前記負イオン発生の電場形成ができるものであれば何れでも良く、例えば板状、網状、らせん状、線状、棒状である。
【0018】
次に、紫外線の照射源について述べる。
該照射源は、電場下で前述の光電子放出材への照射により、光電子放出材から光電子を放出するものであれば良い。
一般に、水銀灯、水素放電管、キセノン放電管、ライマン放電管などを適宜試用出来る。
光源の例としては、殺菌ランプ、ブラックライト、蛍光ケミカルランプ、UV−B紫外線ランプ、キセノンランプがある。この内、殺菌ランプ(主波長:254nm)が好ましい。殺菌ランプは、オゾンレスであり、殺菌(滅菌)作用を有するためである。
該光源の形状は、棒状、螺旋状、箱状等適宜の形状のものを用いることができる。
【0019】
【実施例】
次に、実施例を示すが、本発明はこれらに実施例に何ら限定されるものではない。
実施例1
図3は、半導体工場のクラス1,000のクリーンルームで使用されるウエハストッカ1の断面構成図である。
図3において、Aは、紫外線ランプ2、光電子放出材3、電場形成用電極(電場形成用の紫外線ランプ2の中心軸に設置の板状電極4と紫外線ランプ2の表面近傍設置のらせん線電極4’;前記図2の形態)4、4’、荷電微粒子捕集材5より構成される光電子(負イオン)による微粒子の荷電・捕集部(気体清浄化装置)であり、Bは、半導体基板としてキャリアー6に収納されたウエハ7が収納されるウエハ収納空間(被清浄化空間部)である。
ストッカ1には、ウエハ収納空間Bに収納されたウエハ7に付着すると断線や短絡を起こすことから欠陥を生じ、歩留まりの低下をもたらす微粒子8が存在する。微粒子8は、ウエハ7のストッカ1への収納や取り出しのためのストッカ1の開閉毎に、クリーンルーム(クラス1,000)からストッカ1内に侵入する。
【0020】
ここで、微粒子8は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射された光電子放出材3から放出される負イオン(光電子)9により荷電され、荷電微粒子となり、該荷電微粒子は荷電微粒子捕集材5に捕集され、ウエハ7の存在する清浄化空間Bはクラス1よりも高クリーンに清浄化される。
10-1〜10-3は、ボックス1内の空気の流れであり、紫外線ランプ2の照射により生ずる気体清浄化装置Aの上下間の温度差によって引き起こされる。この空気の流れ10-1〜10-3により、ウエハ収納空間B中の微粒子8は、順次気体清浄化装置Aへと導入され、微粒子の捕集(除去)が行われる。
【0021】
ここでは、前記の電極4による電場形成により、光電子放出材3と電極4間の電場形成が均一に効果的となる。また、電極4を微粒子の荷電部の中央部に設置したことで、図4のごとく両サイドに光電子放出材3が設置でき、両サイドの光電子放出材3から負イオン9が発生される。このように、光電子放出材3からの負イオン9の発生が効果的に起こるので、微粒子の荷電領域内に、負イオンが充満され、該負イオン9により微粒子8の荷電が効率良く行われ、荷電微粒子は荷電微粒子捕集材5に捕集される。
本例における紫外線ランプ2は、殺菌灯であり、光電子放出材3は、TiO2母材上へ光電子放出性材料としてAuを被覆したもの、荷電用電極4は、SUS製の板状及びらせん状のもので、電場の強さは50V/cm、また荷電微粒子捕集材5は、SUS製の電極材で800V/cmである。
【0022】
実施例2
図4は、液晶工場におけるクラス1,000のクリーンルームにおける搬送空間へ負イオンの放出を行い(除電を行い)、電気的に安定な空間創出への利用であり、一体化された除電用負イオン発生器Aを有するガラス基板の搬送装置11の構成図を示す。図4において、負イオン9は、主に光電子放出材3、、紫外線ランプ2、該光電子放出材3から光電子を放出するための電場設定用電極(電場設定用の紫外線ランプ2の中心軸に設置の板状電極、前記図1の形態)4、送気ファン12、フィルタ13より成る負イオン発生器Aにて発生される。クラス1,000のクリーンルーム内の空気14-1は、送気ファン12により先ずHEPAフィルタ13により除塵され、微粒子が除去された清浄空気(14-2)となる。
板状の光電子放出材3は、前記電極4との間で電場が形成され、紫外線ランプ2より紫外線照射されており、該光電子放出材3から光電子が放出される。
ここで、電場設定用電極4は、板状のもので本発明の特徴であり、前記のごとく紫外線ランプ2の中心軸に光電子放出材3と平行に設置されている。該電極4による電場設定により、光電子放出材3と電極4間の電場形成が均一となるので、負イオン9の発生が効率良く生じる。
【0023】
電極4を負イオン発生器Aの中央に設置したことで、図4のごとく両サイドに光電子放出材3が設置でき、両サイドの光電子放出材3から負イオン9が発生される。これにより、高濃度の負イオン空気9が除電空間(搬送装置1内)へ供給される。
ここで、光電子放出材3から放出された光電子は、電極4の作用を受け、電極4の方向に向かい、ここで流入する空気14-2中の水分や酸素の作用を受け、負イオン9に変化する。
該負イオン9は、流人する空気14-2の流れの作用を受け、負イオン富化空気が負イオン発生器Aの出口14-3より放出される。15は、搬送装置11で搬送中のガラス基板であり、除電前(Cの位置)では3,000〜3,500Vの電位を有するが、除電後(Dの位置)では10V以下まで下がる。
本例の紫外線ランプは殺菌ランプであり、光電子放出材3は、光触媒としてのTiO2上にAuを被覆、電極4は、板状Al材である。電場電圧は5V/cmである。
【0024】
実施例3
図3に示した構成のストッカに、下記条件でクラス1,000の半導体工場のクリーンルーム空気を導入して、電場下で光電子放出材に紫外線照射を行い、ストッカ中の微粒子濃度を調べた。
ストッカの大きさ;100リットル
光電子放出材;板状TiO2にAuをスパッタリング法により付加したもの
紫外線ランプ;殺菌灯(254nm)
光電子放出用電極;SUS製の板状及び紫外線ランプ上にらせん状に囲んだもの、50V/cm
荷電微粒子捕集材;SUS製の板状電極、800V/cm
試料空気;クラス1,000の半導体工場のクリーンルームの空気
(尚、クラスとは、1ft3中の0.1μm以上の微粒子個数を示す。)
微粒子測定;パーティクルカウンタ(光散乱式、>0.1μm)
【0025】
結果
結果を図5に示す。
図5は、時間経過によるストッカ中の粒子数(クラス)を示す。
図5中−○−は、本発明の電極を用いたもの、−△−は、比較とした従来の電極(図6の形状の電極材)のものを示す。
尚、図5中、↓は、検出限界(クラス1)以下、−●−は紫外線照射と電場の設定をしないもの(荷電・捕集しないもの)を示す。
【0026】
【発明の効果】
本発明によれば、次のような効果を奏することができた。
1) 電場下で、光電子放出材に紫外線を照射することによる光電子放出材からの負イオンの発生において、電場設定用の電極材を紫外線照射源の中心軸に沿って光電子放出材と平行に設置、又はさらに紫外線照射源の表面近傍に設置することにより、
(1)光電子放出材からの負イオンの発生が効果的となった。これは、光電子放出材と電極間の電場が均一となり、空間中への負イオンが均一に発生されるようになったためと考えられる。
(2)紫外線照射源の両サイドに光電子放出材が設置できるので、負イオンを発生させる面積が増大した。
(3)紫外線照射源の両サイドに光電子放出材が設置でき、また電場が均一となったことにより、光電子放出のための紫外線照射源からの放射紫外線が有効利用された。
(4)前記により発生する負イオン濃度が高くなった。
【0027】
2) 前記により、負イオンを利用する次の分野の実用性が向上した。
(1)負イオンにより、粒子状物質(微粒子)を荷電し、捕集・除去することによる清浄気体や清浄空間を得る分野、
(2)人に対する爽快感創出空間、アメニティ空間
(3)菌類の増殖防止、例えば食品ケース、
(4)植物の生育環境、生育ボックス、
(5)半導体、液晶、精密機械工業における電気的に安定な空間の創出、帯電物体の中和、
(6)負イオンにより粒子状物質を荷電し、該粒子の分離・分級や表面改質、制御を行う分野、
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の負イオン発生装置の一例を示す断面構成図。
【図2】本発明の負イオン発生装置の他の例を示す断面構成図。
【図3】本発明の負イオン発生装置を設置したウエハストッカの断面構成図。
【図4】本発明の負イオン発生装置を設置したガラス基板の搬送装置の断面構成図。
【図5】経過時間(分)による清浄度(クラス)の変化を示すグラフ。
【図6】公知の半導体基板用搬送ボックスの断面構成図。
【符号の説明】
1:ストッカ(ボックス)、2:紫外線ランプ、3:光電子放出材、4、4’:電場形成用電極、5:荷電微粒子捕集材、6:キャリアー、7:ウエハ、8:微粒子、9:負イオン(光電子)、10-1〜10-3、14-1〜14-3:空気の流れ、11:搬送装置、12:送気ファン、13:フィルタ、15:ガラス基板

Claims (4)

  1. 電場下で光電子放出材に紫外線を照射して負イオンを発生させる方法において、前記電場形成用の電極を、板状で紫外線照射源の中心軸に沿って光電子放出材と平行に設置することを特徴とする負イオンの発生方法。
  2. 前記電場形成用の電極は、紫外線照射源の表面近傍にも設置することを特徴とする請求項1記載の負イオンの発生方法。
  3. 気体の通路上に、光電子放出材と該光電子放出材に紫外線を照射する照射源と電場形成用電極とを有する負イオンの発生装置において、前記電場形成用電極を、板状で紫外線照射源の中心軸に沿って光電子放出材と平行に設置することを特徴とする負イオンの発生装置。
  4. 前記電場形成用の電極は、紫外線照射源の表面近傍にも設置することを特徴とする請求項3記載の負イオンの発生装置。
JP2000079924A 2000-03-22 2000-03-22 負イオンの発生方法とその装置 Expired - Fee Related JP3672077B2 (ja)

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