JPH0755008A - 気密保持方法及び気密保持機構 - Google Patents

気密保持方法及び気密保持機構

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JPH0755008A
JPH0755008A JP22277393A JP22277393A JPH0755008A JP H0755008 A JPH0755008 A JP H0755008A JP 22277393 A JP22277393 A JP 22277393A JP 22277393 A JP22277393 A JP 22277393A JP H0755008 A JPH0755008 A JP H0755008A
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space
airtight
fine particles
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JP22277393A
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Toshiaki Fujii
敏昭 藤井
Hidetomo Suzuki
英友 鈴木
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Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
Original Assignee
Ebara Corp
Ebara Research Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 高清浄空間において、内部からの汚染をなく
した気密保持方法及びその機構を提供する。 【構成】 高清浄空間の気密を保持する方法において、
該空間の開閉部の気密部材にフッ素樹脂化合物を用いる
こととしたものであり、前記フッ素樹脂化合物は予め加
熱処理して用いるのがよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、密閉された高清浄空間
における気密保持方法及び気密保持機構に関するもので
ある。本発明の気密保持方法及びその機構は、半導体工
業、精密機械工業、液晶工業、医薬等の先端産業におけ
るクリーンルーム、無菌室等における各種の空間、及び
安全キャビネット、クリーンボックス、貴重品の保管
庫、ウェハ保管庫、液晶保管庫、貴重品の搬送空間、ク
リーンチューブ、クリーントンネル、成膜装置、成膜装
置の予備室等のクリーンな密閉空間(各種気体の存在下
又は減圧もしくは真空中)やクリーンルームの壁面にお
ける気密保持に用いることができる。
【0002】
【従来の技術】従来の技術を液晶保管庫(ストッカ)を
例に述べる。従来のストッカの主たる構成材料は、アク
リル樹脂製やステンレス製で、扉などの開閉部の気密保
持材には、シリコンパッキンが用いられ、該ストッカを
クラス1000のクリーンルームに設置し、製品、半製
品あるいは原材料が保管されていた。このような構成の
ストッカの場合、気密保持材であるシリコンパッキンか
ら極く微量の炭化水素が発生し内部から汚染され、スト
ッカ中の製品等に付着し、該表面の接触角が大きくな
り、最終製品の歩留まりを著しく低下させるので、問題
となっていた。
【0003】例えば、半製品のウェハに炭化水素が付着
すると、次の工程での成膜において、該ウェハ表面への
膜の付着力が弱くなり歩留まりが低下する。また該パッ
キン材による気密が不完全な場合には、クリーンルーム
内の空気がストッカ内に侵入し、クリーンルーム空気中
の極く微量の炭化水素が同様に汚染し、ウェハ表面の接
触角が大きくなり、歩留まりを著しく低下させた。この
ような問題は近年、各種工業で高精密化、高精度化が増
々要求されてきたので、従来は余り問題視されていない
極く微量の炭化水素が問題となってきたものである。
【0004】クリーンルーム内の空気中の炭化水素の捕
集、除去については、本発明者らの別の発明がある。
(特願平3−341802号、特願平4−180538
号等)なお、ここで、製品、半製品あるいは原材料に付
着する炭化水素と接触角の関係について説明を加える
と、該物品への炭化水素の付着は、該物品表面の“接触
角”の大きさを用いて表すことができ、該物品表面が炭
化水素に汚染されると、接触角が大きくなり、一方汚染
が少ないと接触角が小さい。
【0005】ここで、接触角とは水によるぬれの接触角
のことであり、基板表面の汚染の程度を示すものであ
る。すなわち、基板表面に疎水性(油性)の物質が付着
すると、その表面は水をはじき返してぬれにくくなる。
すると基板表面と水滴との接触角は大きくなる。従って
接触角が大きいと汚染度が高く、逆に接触角が小さいと
汚染度が低い。
【0006】次に、高清浄空間を得るための装置につい
て説明する。高清浄空間の装置は、フイルタによる方式
や本発明者らが提案したUV/光電子を用いる方式
(例、特公平3−5859号、特開平2−10034
号、特開平4−171061号各公報)により得られる
が、これらはいずれも、空間中の微粒子を除去すること
により高清浄な空間を作っていた。これらの方式は、微
粒子のみが問題となる分野では有効であるが、上述のご
とく、気密保持部(例、扉の開閉部のシール材)にシリ
コンパッキンを用いると、内部が炭化水素により汚染さ
れるので、適用分野、装置種類、要求性能によっては気
密保持部の材料を改良する必要があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明は、上
記のような問題を解決し、内部からの汚染をなくした気
密保持方法及び機構を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、高清浄空間の気密を保持する方法にお
いて、該空間の開閉部の気密部材にフッ素樹脂化合物を
用いることを特徴とする高清浄空間の気密保持方法とし
たものである。上記方法において、フッ素樹脂化合物
は、予め加熱処理したフッ素樹脂化合物を用いるのがよ
い。また、本発明では、高清浄空間の気密保持機構にお
いて、該空間の開閉部をフッ素樹脂化合物からなる気密
部材で構成した気密保持機構としたものである。
【0009】上記本発明の気密保持方法及びその機構
は、貴重品の保管庫、搬送装置、クリーンチューブ、ク
リーントンネル、成膜装置、成膜準備室の気密部に用い
ることができる。次に、本発明を詳細に説明する。本発
明で用いる気密部材は、外気との気密保持を長時間安定
して維持できるもので、かつ接触角の増加をもたらす炭
化水素の発生が無視できるものである。上記の性質をも
つ材料について、本発明者らは数多くのものについて調
べたところ、フッ素樹脂化合物が効果があることを見い
出し本発明に至ったものである。
【0010】該フッ素樹脂化合物の使用においては、予
め加熱処理を行い、不純物を除去して用いることが好ま
しい。加熱温度は、通常150℃以上で、該材料の軟化
温度、融点以下の温度である。例えば、PTFE(ポリ
テトラフルオロエチレン)の場合、150〜300℃、
好ましくは150〜250℃である。フッ素樹脂化合物
は、4フッ化エチレン樹脂(PTFE)、4−6フッ化
エチレン樹脂、PFA樹脂、3フッ化エチレン樹脂、フ
ッ化ビニル樹脂、フッ素ゴム(炭素、フッ素、酸素の原
子からのみ構成されているパーフルオロエラストマー)
などフッ素樹脂化合物であればいずれも好適に使用でき
る。
【0011】使用の形状は、幾らか弾力性を有するもの
が好ましく、例えば、スポンジ状に成形したもの、ある
いは適宜材料から形成したスポンジ状材料又は弾力性材
料に、上記フッ素化合物を被覆したものを適宜に用いる
ことができる。このような例として、スポンジ状のフッ
素ゴムをシート状PTFEで包み使用する方法がある。
フッ素化合物の種類の選択や形状、加熱処理の有無ある
いは温度は適用先、装置形状、気密部分の形状、要求性
能などにより、適宜予備試験を行い決めることができ
る。
【0012】次に、本発明の気密保持方法及びその機構
を用いる保管庫について、詳しく説明する。本発明の気
密部材を用いた保管庫には、空気清浄化装置が設けられ
ており、その空気清浄化装置は、光電子放出材への紫外
線照射により、放出される光電子により清浄化されるも
のである。
【0013】上記装置に用いる光電子放出材は、紫外線
照射により光電子を放出するものであれば何れでも良
く、光電的な仕事関数が小さなもの程好ましい、効果や
経済性の面から、Ba,Sr,Ca,Y,Gd,La,
Ce,Nd,Th,Pr,Be,Zr,Fe,Ni,Z
n,Cu,Ag,Pt,Cd,Pb,Al,C,Mg,
Au,In,Bi,Nb,Si,Ti,Ta,U,B,
Bu,Sn,P,Wのいずれか又はこれらの化合物又は
合金又は混合物が好ましく、これらは単独で又は二種以
上を複合して用いられる。複合材としては、アマルガム
の如く物理的な複合材も用いうる。
【0014】例えば、化合物としては酸化物、ほう化
物、炭化物があり、酸化物にはBaO,SrO,Ca
O,Y2 5 ,Gd2 3 ,Nd2 3 ,ThO2 ,Z
rO2 ,Fe2 3 ,ZnO,CuO,Ag2 O,La
2 3 ,PtO,PbO,Al23 ,MgO,In2
3 ,BiO,NbO,BeOなどがあり、またほう化
物には、YB6 ,GdB6 ,LaB5 ,NdB6 ,Ce
6 ,BuB6 ,PrB6,ZrB2 などがあり、さら
に炭化物としてはUC,ZrC,TaC,TiC,Nb
C,WCなどがある。
【0015】また、合金としては黄銅、青銅、リン青
銅、AgとMgとの合金(Mgが2〜20wt%)、C
uとBeとの合金(Beが1〜10wt%)及びBaと
Alとの合金を用いることができ、上記AgとMgとの
合金、CuとBeとの合金及びBaとAlとの合金が好
ましい。酸化物は金属表面のみを空気中で加熱したり、
或いは薬品で酸化することによっても得ることができ
る。さらに他の方法としては使用前に加熱し、表面に酸
化層を形成して長期にわたって安定な酸化層を得ること
もできる。この例としてはMgとAgとの合金を水蒸気
中で300〜400℃の温度の条件下でその表面に酸化
膜を形成させることができ、この酸化薄膜は長期間にわ
たって安定なものである。
【0016】また、本発明者が、すでに提案したように
光電子放出材を多重構造としたものも好適に使用できる
(特開平1−108698号公報)。適宜の母材上に薄
膜状に光電子を放出し得る物質を付加し、使用すること
もできる(特願平2−278123号)。この例とし
て、紫外線透過性物質(母材)としての石英ガラス上に
光電子を放出し得る物質として、Auを薄膜状に付加し
たものがある(特願平2−295423号)。光電子放
出性材料を母材に付加して使用する場合は、本発明者が
すでに提案しているように、導電性物質の付加を併せて
行い用いることができる(特願平3−258718
号)。
【0017】これらの材料の使用形状は、棒状、綿状、
格子状、板状、プリーツ状、曲面状、円筒状、金網状等
の形状が使用でき、紫外線の照射面積の大きな形状のも
のが良く、装置によっては被処理空間部(後述)に存在
する微粒子が微粒子の荷電捕集部(後述)に迅速に移動
できるものが好ましい。微粒子捕集装置(後述)のタイ
プによっては、紫外線源、例えば紫外線ランプの表面及
び/又はその近傍に薄膜状に光電子放出材を付加(被
覆)し、一体化したものを用いることができる(特願平
3−22685号)。使用形状は後述のごとく利用分野
や微粒子捕集装置のタイプにより、適宜決めることがで
きる。
【0018】光電子放出材からの光電子放出のための照
射源は、照射により光電子を放出するものであればいず
れでも良い。紫外線の他に電磁波、レーザ、放射線が適
宜に適用分野、装置規模、形状、効果等で選択し、使用
できる。この内、効果、操作性の面で、紫外線及び/又
は放射線が通常好ましい。紫外線の種類は、その照射に
より光電子放出材が光電子を放出しうるものであれば何
れでも良く、適用分野によっては、殺菌(滅菌)作用を
併せてもつものが好ましい。紫外線の種類は、適用分
野、作業内容、用途、経済性などにより適宜決めること
ができる。例えば、バイオロジカル分野においては、殺
菌作用、効率の面から遠紫外線を併用するのが好まし
い。
【0019】該紫外線源としては、紫外線を発するもの
であれば何れも使用でき、適用分野、装置の形状、構
造、効果、経済性等により適宜選択し用いることができ
る。例えば、水銀灯、水素放電管、キセノン放電管、ラ
イマン放電管などを適宜使用できる。バイオロジカル分
野では、殺菌(滅菌)波長254nmを有する紫外線を
用いると、殺菌(滅菌)効果が併用でき好ましい。放射
線を用いる場合の線源も同様に、照射により光電子を放
出するものであれば良く、α線、β線、γ線などが用い
られ、照射手段としてコバルト60,セシウム137,
ストロンチウム90などの放射性同位元素、又は原子炉
内で生成する放射性廃棄物及びこれに適当な処理加工し
た放射性物質などを適宜利用出来る。
【0020】次に、微粒子の荷電・捕集部における光電
子放出材及び電場用電極の位置や形状について述べる。
光電子放出材及び/又は電極は、微粒子の存在する空間
の適宜の位置の空間の1部分に、電極と光電子放出材の
間に電場が形成できるように設置され、光電子放出材
(−)と電極(+)間に電場(電界)を形成する。該電
場により光電子放出材から光電子が効率よく放出される
(光電子放出部)。光電子放出材及び電極の位置や形状
は、利用分野や微粒子捕集装置のタイプなどにより適宜
に選択でき、電場のための印加電圧が低くできて、光電
子放出材からの光電子が空間中で微粒子に効果的に荷電
を与え、荷電微粒子が効果的に捕集できれば何れでもよ
い。
【0021】微粒子捕集装置のタイプによっては、紫外
線源、例えは紫外線ランプを光電子放出材及び電極が囲
む形状のものを適宜に用いることができる(特願平3−
261289号)。これらの形状は利用分野、装置規
模、形状、効果、要求性能、経済性等を考慮して、適宜
予備試験等により決めることができる。一般に、被処理
空間部が小さい場合、例えば数100リットルまでの大
きさのストッカでは、上述の図1に示すように、ストッ
カの壁面に微粒子捕集装置を設置して清浄化を行うのが
よい。このため光電子放出材と電極はストッカの壁面に
沿って垂直に設置する。
【0022】また、被処理空間部が大きい場合、例えば
数100リットル以上の大きさのストッカは、被処理空
間部の微粒子が微粒子捕集装置に気流や拡散力により移
動するのに時間がかかるので、紫外線源を光電子放出材
と電極で囲む一体化(ユニット化)した微粒子捕集装置
をストッカの空間中の適宜の位置に1台又は複数台設置
するのがよい。このユニット化した微粒子捕集装置にお
ける光電子放出材及び電極の形状は、紫外線源を囲むの
で、通常曲面状、例えば円筒状がよい。電極材の材質
は、導体であれば何れも使用でき、周知の荷電装置にお
ける各種電極材が好適に使用できる。該電極材は、前記
光電子放出部において荷電された微粒子を捕集する役目
も兼ねている。
【0023】次に、本発明の特徴である微粒子の荷電・
捕集部の後方に個別に設置する荷電微粒子の捕集装置
(B)について述べる。荷電微粒子の捕集装置は、上流
に設置された微粒子の荷電・捕集装置からパス(通り抜
けた)した荷電微粒子を確実に捕集できるものであれば
いずれでもよく、周知の捕集材が使用できる。荷電微粒
子の捕集装置(集じん材)は、通常の荷電装置における
集じん板、集じん電極等各種電極材や静電フィルター方
式が一般的であるが、スチールウールで電極、タングス
テンウール電極のようなウール状構造のものも有効であ
る。エレクトレック材も好適に使用できる。
【0024】これらの捕集装置は前段の荷電捕集装置に
用いられるものより、電界強度を強めて、前段の装置を
パスした荷電粒子を確実に捕集するものである。例えば
集じん板を用いる場合電極材の設置間隔を前段の荷電捕
集装置より狭くする必要がある。例えば、3mm〜30
mm程度のすき間をあけて電極を配置するようにするこ
とができる。本発明に用いる微粒子の荷電・捕集部にお
ける電場電圧は、0.1V/cm〜2kV/cmであ
る。好適な電場の強さは、利用分野、条件、装置形状、
規模、効果、経済性等で適宜予備試験や検討を行い決め
ることが出来る。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例により具体的に説明す
るが、本発明はこれらに限定されるものではない。 実施例1 半導体工場のウェハ保管庫(ウェハ収納ストッカ)の空
気清浄における気密保持を、図1、図2に示した本発明
の気密部材を用いた基本構成図を用いて説明する。
【0026】図1は、ストッカの正面断面図、図2は図
1の平面断面図を示す。ウェハ保管庫1は、クラス10
00のクリーンルームで使用されている。ウェハ保管庫
1の空気清浄は、ウェハ保管庫1の片側に設置された紫
外線ランプ2、紫外線の反対面12、光電子放出材3、
電場設置と荷電微粒子捕集のための電極4より成る微粒
子の微粒子の荷電・捕集部(A)及び該荷電・捕集部
(A)で捕集されずにリーク(通り抜けた)した荷電微
粒子を確実に捕集するための電極13より成る荷電微粒
子の捕集部(B)より実施される。
【0027】すなわち、ウェハ保管庫1中の微粒子(微
粒子状物質)6は、紫外線ランプ2からの紫外線が照射
された光電子放出材3から放出される光電子5により荷
電され、荷電微粒子7となり、該荷電微粒子7は荷電微
粒子の捕集材(電極)4により捕集8され(粒子状の荷
電・捕集部、A)、ウェハの存在する被処理空間部(清
浄化空間部、C)は高清浄化される。
【0028】一方、長時間運転時や非定常状態時などに
おいて、該微粒子の荷電・捕集部(A)にて捕集されず
パスした荷電微粒子は、該荷電・捕集部(A)の後方の
電極13により確実に捕集される。このため、被処理空
間(C)は、微粒子の荷電・捕集部(A)及び荷電微粒
子の捕集部(B)よりなる微粒子捕集装置によりいかな
る状況でも高効率で確実に微粒子除去が実施されるの
で、超清浄空間が長時間安定して維持される。ここでの
光電子放出材3は、ガラス材表面にAuを薄膜状に付加
したものであり、このような構成の光電子放出材につい
ては、本発明者等の別の発明がある(特願平2−295
423号)。
【0029】9a、9b、9cは、保管庫内の空気の流
れを示す。すなわち微粒子の荷電・捕集部(A)に移動
した空気は、紫外線ランプの照射により加温されるた
め、上昇気流が生じ保管庫1内を矢印、9a、9b、9
cの様に動く。この空気の動きにより、保管庫内の微粒
子6は、微粒子の荷電・捕集部Aに効果的に移動するた
め、保管庫1内は迅速に清浄化される。このようにし
て、ウェハ保管庫1中の微粒子(粒子状物質)6は捕集
・除去され、ウェハ保管庫は超清浄空気となり、ウェハ
への汚染防止が顕著となる。
【0030】上記において、光電子放出材への紫外線の
照射は、曲面状の反射面12を用い、紫外線ランプ2か
ら紫外線を板状の光電子放出材3に効率よく照射してい
る。電極4は、光電子放出材3からの光電子放出を電場
で行うために設置している。すなわち、光電子放出材3
と電極4の間に電場を形成している(光電子放出部)。
微粒子の荷電は、電場において光電子放出材3に紫外線
照射することにより発生する光電子5により効率よく実
施される。ここでの電場の電圧は、50V/cmであ
る。
【0031】また、荷電粒子の捕集は、電極4を用いて
行っている。電極材は板状のCu−Zn材を金メッキし
て用い、光電子放出材より1cmの位置(保管庫の幅の
全長の距離1に対し0.03の位置)に設置している。
10、11は、夫々ウェハキャリヤ、ウェハを示す。図
2において、14はウェハ収納のウェハキャリヤを保管
庫1に収納するための開閉扉であり、該扉の内面に本発
明の気密部材15が取り付けられており、これにより外
気のクリーンルームとの気密が保持される。
【0032】該気密部材15の目的は、保管庫1内に外
気の侵入を防止するものである。また、該部材は、極く
微量の炭化水素の発生もないものであり、これによって
保管庫1は微粒子と炭化水素が存在しない高清浄な空間
が長時間安定して維持される。この例では、気密部材と
して、スポンジ状フッ素ゴムをPTFEで包み使用して
おり、いずれも予め230℃で24時間加熱脱気処理し
たものである。図2において、矢印16は扉の開16−
1、閉16−2の方向を示す。
【0033】実施例2 図1、図2に示した構成の保管庫に各種の気密部材を用
い、該保管庫にクラス1,000の通常のクリーンルー
ム内空気を入れ、電場用電圧の印加及び紫外線照射によ
り内部の高清浄化を行った。このときに、扉の気密保持
に用いた各種気密部材について、保管庫内に収納したウ
ェハ及びTi薄膜を被覆したガラス基板上の接触角を調
べた。
【0034】保管庫大きさ; 30リットル ウェハ;5インチウェハを1cm×8cmに切断。 Ti薄膜を被覆したガラス基板;ガラス板にTiを10
00Å被覆したもので、大きさ1cm×8cm(Ti/
ガラス)。 光電子放出材; 石英ガラスに薄膜状にAu(50Å)
を付加したもの。 荷電・捕集部(A)の電極材; 板状Cu−Znを光電
子放出材から1cmの位置(光電子放出材と対向する保
管庫の壁面までの全長距離1に対し0.03の位置)に
設置
【0035】後方の荷電微粒子の捕集材; 電極材 紫外線ランプ; 殺菌灯 電場電圧; 50V/cm 試料ガス(入口ガス); 媒体ガス・・・空気 濃度(クラス)・・・10,000 (クラス;1ft3 中の0.1μm以上の微粒子の個
数) 荷電・捕集時間; 3時間、24時間、120時間
【0036】気密保持材; シリコンゴム、天然ゴム、
発泡ウレタン、PTFE、四−六フッ化樹脂、PFA樹
脂、三フッ化エチレン樹脂、フッ素ゴム、四フッ化エチ
レン−エチレン共重合体、フッ化ビニル樹脂 接触角測定器; 液滴式接触角計 ウェハ及びTi薄膜を被覆したガラス基板の前処理法;
洗剤とアルコール洗浄後、O3 発生下で紫外線照射
(UV/O3 洗浄)
【0037】結果 初期の接触角は5度であり、表1に増加した接触角を示
す。
【表1】
【0038】比較として、クリーンルームに放置したウ
ェハとTi/ガラスの接触角は夫々次の表2のようであ
った。
【表2】
【0039】尚、保管庫内の微粒子濃度を光散乱式パー
ティクルカウンタを用い測定したところ荷電・捕集時間
3、24、120時間後で、いずれもクラス1以下であ
った。本実施例では、高清浄空間を光電子を用いる方式
により説明したが、高清浄空間は周知のいかなる方式、
例えばフィルタ(HEPA、ULPAフィルタ)を用い
る方式を用いても同様に実施し得ることは言うまでもな
い。また、本例は、クリーンルームにおける通常の空気
中における使用であるが、窒素中、酸素中、アルゴン中
など他の気体中、あるいは減圧下、真空下においても同
様に実施できる。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果を奏す
る。 (1)高清浄空間の気密保持部の気密部材としてフッ素
樹脂化合物を用いたことにより、 高清浄空間は、気密保持部からの炭化水素による汚
染がなくなった。また、高い気密性が長時間安定して得
られた。 により、高清浄空間に存在する物品(例、ウェハ
や液晶などの貴重品)への炭化水素による汚染がなくな
った。
【0041】(2)上記により、フィルタ方式あるいは
UV/光電子方式による高清浄空間が、今後高精密化を
要求される半導体、液晶などの各種先端工業に対応した
ものとなった。特に、光電子による方式は、密閉空間を
媒体気体を強制循環せずに高清浄化できることから、今
後適用分野、適用装置が広がった。 (3)上記により、クリーンボックスや貴重品の保管
庫、ウェハ保管庫、液晶保管庫、搬送空間などの高清浄
空間に物品を長時間置く装置が、今後各種先端技術に対
応するものとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の気密部材を用いるストッカの正面断面
図。
【図2】図1の平面断面図。
【符号の説明】
1:ウェハ保管庫、2:紫外線ランプ、3:光電子放出
材、4:電極、5:光電子、6:微粒子、7:荷電微粒
子、8:捕集微粒子、9:気流、10:ウェハキャリ
ヤ、11:ウェハ、12:反射面、13:電極、14:
開閉扉、15:気密部材、A:荷電・捕集部、B:捕集
部、C:被処理空間

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高清浄空間の気密を保持する方法におい
    て、該空間の開閉部の気密部材にフッ素樹脂化合物を用
    いることを特徴とする高清浄空間の気密保持方法。
  2. 【請求項2】 前記フッ素樹脂化合物が、予め加熱処理
    したフッ素樹脂化合物である請求項1記載の高清浄空間
    の気密保持方法。
  3. 【請求項3】 高清浄空間の気密保持機構において、該
    空間の開閉部をフッ素樹脂化合物からなる気密部材で構
    成したことを特徴とする高清浄空間の気密保持機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002313714A (ja) * 2000-12-14 2002-10-25 Nikon Corp デバイス製造装置、配線ユニット、及びフィルタユニット

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