JP3693416B2 - 洗車機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、門型状に形成した洗車機フレームと自動車車体とを相対移動させて自動車車体の形状を検出する車形検出装置を備え、洗浄する自動車車体の形状に応じて、散水ノズル,ブロア等の洗車処理装置を順次作用させて自動車車体の洗浄,乾燥等の処理を施す洗車機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の洗車機では、洗浄する自動車車体の形状に応じて、散水ノズル,ブロア等の洗車処理装置を制御している。そのため、自動車車体の形状を検出する必要がある。
【0003】
自動車車体の高さ方向の形状を検出する手段としては、例えば、門型状に形成された洗車機フレームの、自動車に対向する側面の上下方向に、多数の光電スイッチを設け、洗車機もしくは自動車の走行に応じて一定距離周期で順次車高を測定し、洗車機もしくは自動車の走行位置に対応する車高データを記憶装置に記憶して、車形を検出する方法が知られている。また、この車形データを用いた洗車方法として、例えば上面洗浄ブラシを任意の高さに昇降保持できるよう構成し、車形データに追従させて上面洗浄ブラシを昇降制御する方法が知られている。
【0004】
また、自動車車体の幅方向の形状を検出する手段としては、例えば洗車機フレームの左右両側面に1個ずつ超音波センサーを設け、自動車車体に向けて超音波信号を送信し、反射波を検出して自動車車体との距離を検出し、洗車機もしくは自動車の走行位置に対応する距離データを記憶装置に記憶して、車形を検出する方法が知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、自動車車体の幅方向の形状を検出するのに、前述した超音波センサーによる検出方法を用いた場合、自動車車体の側面位置は検出できても、車体側面より突出したドアミラー等の突起物を検出することができず、この方法でドアミラー等の突起物を検出しようとすると、超音波センサーを細かい間隔で多数備えなければならず、装置が高価になるとともに、その制御方法も複雑となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するために本発明は、門型状に形成した洗車機フレーム内に、散水ノズル,ブロア等の洗車処理装置を備え、洗車機フレームと洗浄する自動車車体とを相対移動させて自動車車体の洗浄を行う洗車機において、門型状のフレーム上部に、下方の自動車車体を検出するように設けた左右一対の車体検出手段と、該車体検出手段をそれぞれ自動車車体の左右方向に移動させる台車と、前記車体検出手段より得られる検出信号に基づいてそれぞれの台車を自動車車体の輪郭に沿って移動するよう制御する台車移動制御手段と、前記台車の位置を検出する台車位置検出手段と、前記フレームの走行距離を検出するフレーム位置検出手段と、該各検出手段より得られるフレームの走行距離に対する台車の位置を記憶する記憶手段とからなる車形検出装置を備える。
【0007】
そして、その車体検出手段として、それぞれの台車に1つもしくは複数備えられた反射式光電スイッチを用いる。あるいは、車体検出手段として、それぞれの台車に1つずつ備えられたCCDカメラを用いる。また、車体検出手段として、それぞれの台車に1つもしくは複数備えられたPSD距離センサーを用いる。
【0008】
【作用】
これにより、自動車車体の上面方向から、反射式光電スイッチによって自動車車体の側面の輪郭をなぞりながら検出することができるので、自動車車体側面より突出したドアミラーのような突起物も検出でき、自動車車体の左右両側面から1個ずつの超音波センサーを用いて車体側面までの距離を測定するよりも正確な検出のできる車体検出装置を提供できる。
【0009】
【実施例】
以下、図面を基に、本発明の第1の実施例について説明する。図1は本発明の実施例の側面図、図2は本発明の実施例の正面図である。図において、1は自動車車体を跨ぐように門型状に形成した洗車機フレームで、正転逆転可能な電動機4,4により、車輪2,2を回転駆動して、レール3,3に沿って往復走行する。
【0010】
5は、洗車機走行位置を検出するロータリーエンコーダーで、電動機4の出力軸に連結し、電動機4の回転方向を検出しながら単位角度回転毎にパルス信号を出力して洗車機フレーム1の走行位置を与えている。
【0011】
6は、洗車機位置を検出する位置センサ−で、洗車機フレーム1下部に設けられ、レール3敷設面に固定された突起物であるドッグ7を感知してスイッチングし、洗車機フレーム1の位置を与えている。ドッグ7は洗車機フレームの走行開始位置を与える。
【0012】
8は車体上面に沿って上下する上面洗浄ブラシ、9,9は車体側面に沿って開閉する側面洗浄ブラシ、10,11は散水ノズル、12は上面乾燥ノズル、13は側面乾燥ノズルで、洗車機フレーム1の往復走行に伴って、車体の洗浄,乾燥等の処理を行う洗車処理装置を構成する。側面洗浄ブラシ9,9は、それぞれが洗浄する自動車車体の左右方向に移動制御可能なように、電動機等でその位置を移動可能とするとともに、エンコーダー等を備えてその位置を検出し、自動車車体の形状に応じて適宜移動制御されるよう構成されている。
【0013】
投光器14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,14i,14j、受光器15a,15b,15c,15d,15e,15f,15g,15h,15i,15jは光電スイッチで、洗車機で洗浄する自動車車体の高さを検出する。14a,15aは地上からh1の高さを、14b,15bは地上からh2の高さを、14c,15cは地上からh3の高さを、14d,15dは地上からh4の高さを、14e,15eは地上からh5の高さを、14f,15fは地上からh6の高さを、14g,15gは地上からh7の高さを、14h,15hは地上からh8の高さを、14i,15iは地上からh9の高さを、14j,15jは地上からh10の高さを、それぞれ検出し、従来例の車高検出手段を構成する。高さh1,h2,h3,h4,h5,h6,h7,h8,h9,h10は、それぞれ適宜の高さに定められる。
【0014】
16a,16bは、車体検出手段である反射式光電スイッチで、それぞれに投光部と受光部を備えており、一方の光電スイッチ16aが洗車機の前方内側に、他方の光電スイッチ16bが洗車機の後方外側になるように、台車17に固着される。台車17には、スプロケット18,18に懸介されたチェーン19が固着される。20は台車17を移動する電動機で、電動機20の回転軸には、一方のスプロケット18が固着され、台車17は電動機20の回転によって、ガイドレール21に案内されて左右方向に移動する。22はロータリーエンコーダで、電動機20の出力軸に固着され、単位角度回転毎にパルス信号を出力し、台車17の走行位置を与える。
【0015】
図3は実施例の制御系を示すブロック図である。23はマイクロコンピューターで、演算処理を行うCPU24、プログラム及び各種データを記憶するメモリ25、及び入出力インターフェース26より成り、本発明の台車移動制御手段、およびフレームの走行距離に対する台車の位置を記憶する記憶手段を含む、洗車機の制御手段を構成する。入出力インターフェース26には、走行位置検出用ロータリーエンコーダー5、位置センサー6、電動機4,4、上面洗浄ブラシ8、側面洗浄ブラシ9,9、散水ノズル10,11、上面乾燥ノズル12、側面乾燥ノズル13、投光器14a,14b,14c,14d,14e,14f,14g,14h,14i,14j、受光器15a,15b,15c,15d,15e,15f,15g,15h,15i,15j、反射式光電スイッチ16a,16a,16b,16b、台車移動用電動機20,20、台車位置検出用ロータリーエンコーダ22,22が接続される。
【0016】
27はインバーターで、入出力インターフェース26に接続され、洗車機フレーム走行用電動機4,4に供給する電源の周波数を変更して電動機4の回転数を変え、洗車機の走行速度を適宜変更する。
【0017】
次に、実施例の動作について説明する。図4,図5は、反射式光電スイッチ16a,16bによる自動車車体Aの検出方法を示す説明図である。自動車車体の検出は、洗車機フレーム1の走行に伴って行われる。自動車車体Aの検出は、光電スイッチ16aが自動車車体Aを検出、16bが自動車車体Aを被検出となるよう、電動機20を駆動して台車17の位置を移動させて行い、光電スイッチ16a,16bとも自動車車体Aを被検出の場合は洗車機の中央方向へ台車を移動し、光電スイッチ16a,16bとも自動車車体Aを検出の場合は洗車機の外側方向に台車を移動し、光電スイッチ16aが自動車車体Aを検出、16bが自動車車体Aを被検出の場合は台車17をその位置で保持する。台車17の位置は、電動機20の出力軸に固着されたロータリーエンコーダ22のパルス出力をカウントして検出する。洗車機は、洗車機フレーム1の走行距離をロータリーエンコーダ5のパルス出力をカウントして検出すると共に、走行距離と、その走行距離に対応する台車17の位置を、マイクロコンピュータ23のメモリ25に順次記憶し、車体形状を検出する。洗車機フレームの走行速度は走行用モータ4,4を駆動するインバーター27により適宜に変更できるので、車体前端面,後端面のように台車17の移動距離が大きくなるときには、走行速度を落とすこともできるし、走行を停止させてもよい。また、前端面,後端面の検出時に、ミラー等の突起物を検出したときには、洗車機を一旦後進あるいは前進させることにより、前端面,後端面からの突起物もその位置を検出できる。
【0018】
図5に示すように、反射式光電スイッチは、その検出距離を、反射式光電スイッチの取り付け高さから洗車機接地面までの距離Xよりも短い距離Yに調整される。これにより、洗車機接地面と自動車車体Aとが正確に識別可能となる。
【0019】
図6に、本発明の車形検出装置を用いて洗車処理装置を制御する例を、側面洗浄ブラシについて示す。前述のように、洗車機は、洗車機フレーム1の走行に伴って、車体検出装置により、自動車車体Aの検出を行う。洗車機は、車形検出装置により検出された車形データに基づいて、台車17から距離X離れた位置にある側面洗浄ブラシ9,9の自動車車体Aへの接触制御を行う。側面洗浄ブラシ9,9は車体検出装置で検出した車体側面より所定距離離して移動させ、側面洗浄ブラシ9,9と自動車車体Aの接触圧を適宜に保つよう制御する。側面洗浄ブラシ9,9による洗車の障害物となる、自動車車体Aから突出した突起物であるドアミラーD部の洗浄は、車形検出装置による検出の結果より、ドアミラーDの位置が検出できるので、洗車機は側面洗浄ブラシ9,9をドアミラーD部で自動車車体Aから離す方向に移動させ、ドアミラーDの回避制御を行う。その際、サイドブラシ9,9を自動車車体Aから離す位置、及び再び接触させる位置は、洗車機の走行速度等を考慮して、ドアミラー位置の前後に所定の回避制御区間を設けて設定される。
【0020】
以上の実施例では、側面洗浄ブラシの制御について説明したが、本発明の車形検出装置により検出した車形データに基づく洗車処理装置の制御は、側面洗浄ブラシだけではなく、他の洗車処理装置についても行うことができる。例えば側面乾燥ノズルを、エアシリンダー等を用いて自動車車体に対して接近制御可能なように構成し、本発明の車形検出手段で検出した車形データに基づいて、自動車車体に対して接近させ、また、ドアミラー位置では離間させて制御することもできる。
【0021】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。洗車機の構成は第1の実施例と同じであるが、車体検出手段としてそれぞれの台車に1つずつの反射式光電スイッチを用いる。図7に示すように、それぞれの台車17には、反射式光電スイッチ16が1つずつ備えられる。台車17はそれぞれ左右方向に移動しながら、自動車車体Aを検出する位置から検出しなくなる位置に移動し、その境界の位置が自動車車体Aの側面位置として、台車17の位置をしめすロータリーエンコーダーの出力として与えられる。
【0022】
次に、本発明の第3の実施例について説明する。洗車機の構成は第1の実施例と同じであるが、車体検出手段としてそれぞれの台車に1つずつのCCDカメラを用いる。図8に示すように、それぞれの台車17には、CCDカメラ28が1つずつ備えられる。台車17はそれぞれ左右方向に移動しながら、公知の画像処理技術を用いて、CCDカメラ28の検出エリアSに車体の境界が捉えられるように移動し、その境界の位置が自動車車体Aの側面位置として、台車17の位置をしめすロータリーエンコーダーの出力として与えられる。
【0023】
次に、本発明の第4の実施例について説明する。洗車機の構成は第1の実施例と同じであるが、車体検出手段としてそれぞれの台車に2つずつの、PSDによる距離センサーを用いる。図9に示すように、それぞれの台車17には、第1の実施例の反射式光電スイッチ16a,16bに対応するように、PSD距離センサー29a,29bが備えられる。このPSD距離センサーは公知のもので、発光源から光を照射し、車体に反射した光がPSDの受光面に入射し、その位置により車体との距離を検出するものである。このPSD距離センサーで適宜の距離X内に反射物が有るか無いかで自動車車体Aを検出し、PSD距離センサー29aが自動車車体Aを検出、29bが自動車車体Aを被検出となるように、それぞれの台車17が移動制御され、台車17の位置がロータリーエンコーダーの出力として与えられて、自動車車体Aの側面形状が検出される。距離Xは、PSD距離センサーの誤差が大きくならないように、かつ自動車車体の突起物、少なくともドアミラーが検出できるように、適宜に定められる。
【0024】
次に、本発明の第5の実施例について説明する。洗車機の構成は第1の実施例および第4の実施例と同じであるが、車体検出手段としてそれぞれの台車に1つずつの、PSDによる距離センサーを用いる。図10に示すように、それぞれの台車17には、PSD距離センサー29が1個のみ備えられる。台車17はそれぞれ左右方向に移動しながら、距離X内の範囲で自動車車体Aを検出する位置から検出しなくなる位置に移動し、その境界の位置が自動車車体Aの側面位置として、台車17の位置をしめすロータリーエンコーダーの出力として与えられる。
【0025】
なお、本願発明の車形検出装置に用いられる車体検出手段は、前記実施例に限られるものではなく、例えば超音波センサーを用いて自動車車体の有無を検出するものでも良い。また、台車に複数個の車体検出センサーを備える場合は、車体の検出時に互いのセンサーが干渉しないように、時間差をつけて検出する等の制御を行うことは言うまでもない。
【0026】
【発明の効果】
以上のように本発明は、門型状に形成した洗車機フレーム内に、散水ノズル,ブロア等の洗車処理装置を備え、洗車機フレームと洗浄する自動車車体とを相対移動させて自動車車体の洗浄を行う洗車機において、自動車車体の上面方向から、反射式光電スイッチやCCDカメラ,PSD距離センサー等の車体検出手段によって自動車車体の側面の輪郭をなぞりながら検出できるように、門型状のフレーム上部に、下方の自動車車体を検出するように設けた左右一対の車体検出手段と、該車体検出手段をそれぞれ自動車車体の左右方向に移動させる台車と、前記車体検出手段より得られる検出信号に基づいて台車の移動を制御する台車移動制御手段と、前記台車の位置を検出する台車位置検出手段と、前記フレームの走行距離を検出するフレーム位置検出手段と、該各検出手段より得られるフレームの走行距離に対する台車の位置を記憶する記憶手段とからなる車形検出装置を備えるもので、これにより、自動車車体側面の形状を正確に検出することができ、検出した車体形状に基づいて、側面洗浄ブラシなどの洗車処理装置を自動車車体に対して適宜に制御できる。また自動車車体側面より突出したドアミラーのような突起物も、従来のような超音波センサーを用いるものよりも正確に検出でき、安全な洗車機が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の側面説明図である。
【図2】本発明の第1の実施例の正面説明図である。
【図3】本発明の第1の実施例の制御系を示す説明図である。
【図4】本発明の第1の実施例の動作説明図である。
【図5】本発明の第1の実施例の動作説明図である。
【図6】本発明の第1の実施例の動作説明図である。
【図7】本発明の第2の実施例の動作説明図である。
【図8】本発明の第3の実施例の動作説明図である。
【図9】本発明の第4の実施例の動作説明図である。
【図10】本発明の第5の実施例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 洗車機フレーム
4,20 電動機
5,22 ロータリーエンコーダ
9 側面洗浄ブラシ
16a,16b 反射式光電スイッチ
17 台車
23 マイクロコンピュータ
28 CCDカメラ
29a,29b PSD距離センサー
Claims (6)
- 門型状に形成した洗車機フレーム内に、散水ノズル,ブロア等の洗車処理装置を備え、洗車機フレームと洗浄する自動車車体とを相対移動させて自動車車体の洗浄を行う洗車機において、門型状のフレーム上部に、下方の自動車車体を検出するように設けた左右一対の車体検出手段と、該車体検出手段をそれぞれ自動車車体の左右方向に移動させる台車と、前記車体検出手段より得られる検出信号に基づいてそれぞれの台車を自動車車体の輪郭に沿って移動するよう制御する台車移動制御手段と、前記台車の位置を検出する台車位置検出手段と、前記フレームの走行距離を検出するフレーム位置検出手段と、該各検出手段より得られるフレームの走行距離に対する台車の位置を記憶する記憶手段とからなる車形検出装置を備えたことを特徴とする洗車機。
- 請求項1記載の洗車機において、車体検出手段は、それぞれの台車に複数備えられた反射式光電スイッチであることを特徴とする洗車機。
- 請求項1記載の洗車機において、車体検出手段は、それぞれの台車に1つずつ備えられた反射式光電スイッチであることを特徴とする洗車機。
- 請求項1記載の洗車機において、車体検出手段は、それぞれの台車に1つずつ備えられたCCDカメラであることを特徴とする洗車機。
- 請求項1記載の洗車機において、車体検出手段は、それぞれの台車に複数備えられたPSD距離センサーであることを特徴とする洗車機。
- 請求項1記載の洗車機において、車体検出手段は、それぞれの台車に1つずつ備えられたPSD距離センサーであることを特徴とする洗車機。
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