JP4021562B2 - 洗車機 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、門型状に形成した洗車機本体内に、散水ノズル,乾燥ノズル等の洗車処理装置を備え、洗車機本体と洗浄する自動車車体とを相対移動させて、自動車車体に対して洗浄,乾燥等の処理を順次施す洗車機に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の洗車機では、上面洗浄ノズルや上面乾燥ノズルと一体に車体検出手段を備え、車体検出手段の検出結果に従って、これらの上面ノズルを自動車車体に沿って昇降制御させて自動車車体に作用させ、洗車を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このような洗車機において、上面ノズルに一体に備えられる車体検出手段として、投光器と受光器からなる光電スイッチを用いたとき、飛散する洗浄水や、洗浄水として温水を用いた場合の湯気、光電スイッチ表面に付着した汚れ等の影響で、光電スイッチが自動車の車体の有無にかかわらず遮光状態となり、この遮光状態が自動車の車体を検出したためと判断され、上面ノズルと自動車車体との接触を避けるために、光電スイッチの遮光状態が解かれるまで上面ノズルを上昇させようとする結果、上面ノズルが洗車機上部の上限位置まで上昇し、上面ノズルと自動車車体との距離があいて、上面ノズルが自動車の車体に充分に作用できない場合がある。
【0004】
また、光電スイッチが故障して自動車車体が検出できなくなった場合、車体検出手段の検出結果に従って上面ノズルを自動車車体に沿って昇降制御させることができなくなるので、上面ノズルを洗車機上部の上限位置に上昇させて洗車を行うことになり、上面ノズルと自動車車体との距離があいて、上面ノズルが自動車の車体に充分に作用できなくなる。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような問題を解決するために本発明は、門型状に形成した洗車機本体内に、散水ノズル,乾燥ノズル等の洗車処理装置を備え、洗車機本体と洗浄する自動車車体とを相対移動させて自動車車体の洗浄を行う洗車機において、自動車の形状を検出する車形検出手段と、前記洗車機本体に昇降自在に設けられた上面ノズルと、該上面ノズルと一体に昇降し、前記自動車車体を検出する車体検出手段と、前記車形検出手段で検出された車形に基づいて、前記上面ノズルの上昇制限位置を設定する上昇制限位置設定手段と、前記上面ノズルを前記車体検出手段からの検出信号に応じて昇降制御し、自動車車体上面に非接触で作用させる昇降制御手段と、前記車体検出手段の検出異常を判断する異常検出手段と、該異常検出手段で検出異常が判断されると、前記上面ノズルを前記上昇制限位置設定手段により設定された上昇制限位置に昇降制御する上面ノズル制御手段を備えたものである。
【0007】
また、本発明は、これらの洗車機において、前記上面ノズルを、自動車車体に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズルや、自動車車体に空気を吹き付ける乾燥ノズルとする。
【0008】
【作用】
これにより、光電スイッチ等により構成された車体検出手段が、飛散する洗浄水や、洗浄水として温水を用いた場合の湯気、光電スイッチ表面に付着した汚れ等の影響で、自動車車体の有無にかかわらず、自動車車体を検出した状態になったときでも、車形検出手段の検出結果に基づいて設定された上面ノズルの上昇制限位置までの範囲で上面ノズルを昇降制御でき、自動車車体と上面ノズルの間隔をあけすぎることなく、上面ノズルを自動車車体に充分に作用させることができる。
【0009】
また、車体検出手段が故障して自動車車体が検出できない場合でも、車形検出手段の検出結果に基づいて設定された上面ノズルの上昇制限位置に合わせて上面ノズルを昇降制御でき、上面ノズルを洗車機上部の上昇位置まで上昇させることなく、自動車車体と上面ノズルの間隔をあけすぎることなく制御でき、上面ノズルを自動車車体に充分に作用させることができる。
【0010】
【実施例】
以下、図面を基に、本発明の実施例について説明する。実施例では、本発明を、門型に形成された洗車機本体に、散水ノズル,乾燥ノズル等の洗車処理装置を備え、洗車機本体の走行に伴い、自動車車体に対して洗浄,乾燥等の処理を順次施す門型洗車機に適用した例を示す。
【0011】
図1は本発明の実施例の側面図、図2は本発明の実施例の走行系および車形検出手段を示す正面図、図3は本発明の実施例の乾燥ノズルを示す正面図、図4は本発明の実施例の洗浄ノズルを示す正面図である。図において、1は自動車車体を跨ぐように門型状に形成した洗車機本体で、正転逆転可能なモータ4,4により、車輪2,2を回転駆動して、レール3,3に沿って往復走行する。
【0012】
5は、洗車機走行位置を検出するロータリーエンコーダーで、モータ4の出力軸に連結し、モータ4の回転方向を検出しながら単位角度回転毎にパルス信号を出力して洗車機本体1の走行位置を与えている。
【0013】
6は、洗車機位置を検出する位置センサ−で、洗車機本体1下部に設けられ、レール3敷設面に固定された突起物であるドッグ7を感知してスイッチングし、洗車機本体1の位置を与えている。ドッグ7は洗車機本体の走行開始位置を与える。
【0014】
61は操作パネルで、洗車機本体1の前面に備えられ、作業者が操作パネルを操作することにより、洗車機の操作を行う。
【0015】
投光器10a,11a,12a,13a、受光器10b,11b,12b,13bは光電スイッチで、洗車機で洗浄する自動車車体の高さを検出する。自動車車体は、投光器から発光され受光器で受光される光を、自動車車体が遮ることにより検出される。10a,10bは自動車下部の高さH1を、11a,11bは普通車ルーフ位置の高さH2を、12a,12bはワゴン車ルーフ位置の高さH3を、13a,13bは、洗車機では洗車できない高さH4を検出する。
【0016】
15は上面乾燥ノズルで、通常は、走行開始位置から走行を開始し往工程の洗車を行った洗車機が、走行開始位置の方向へ戻る復工程において用いられる。上面乾燥ノズル15は、その両側面より外方に向けて延出したアーム16,16の両端に台車17,17を備え、洗車機本体1両側に立設したガイドレール18,18上を昇降移動できるように形成されている。台車17,17は、スプロケット20,20,20を介して、チェーン19,19により洗車機本体1上部より吊り下げられ、このチェーン19,19と、ロッド部に備えたスプロケット14を介して連動するエアシリンダ21の作動により昇降される。
【0017】
対向する位置に配設された投光器22a,23aと受光器22b,23bは、台車17,17に備えられた光電スイッチで、本発明の車体検出手段を構成する。光電スイッチの配置は、洗車機本体1に対して後方に位置する光電スイッチ22a,22bの取付位置が、前方に位置する光電スイッチ23a,23bの取付位置より高くなっている。洗車機本体1に対して後方に位置し、復工程においては先に自動車車体に達することになる光電スイッチ22a,22bが車体を検知したら、エアシリンダ21のロッドを収縮させて台車17,17を上昇させ、逆に車体を非検知したら、エアシリンダ21のロッドを伸長させて台車17,17を下降させ、一方前方に位置し、復工程においては後から自動車車体に達することになる光電スイッチ23a,23bが車体を検知したらエアシリンダ21のロッドの伸縮を停止して台車17,17を保持させ、相対的に台車17,17を車体形状に沿って昇降動作させる。
【0018】
44は台車17に固着されるマグネットで、上面乾燥ノズル15を支持する台車17,17が昇降するのに伴い、マグネット44が移動する直線上の洗車機本体1側には、近接スイッチ45,46が固着され、マグネット44の移動に伴いスイッチングすることにより、上面乾燥ノズル15の昇降位置を検出する。近接スイッチ45は、普通車ルーフ位置を検出する光電スイッチ11a,11bと同じ高さH2に、近接スイッチ46は、ワゴン車ルーフ位置を検出する光電スイッチ12a,12bと同じ高さH3に備えられる。
【0019】
24,24は高圧風を生成する送風機、25,25は洗車機本体1両側に配設した側面乾燥ノズル、26,26,27,27は送風機24,24と各ノズル15,25,25を連通するダクトで、上面乾燥ノズル15および側面乾燥ノズル25,25は送風機24,24より供給された高圧風を車体上面および側面に向けて吹き付けて車体面に付着した水滴を除去している。
【0020】
上面洗浄ノズル30はその両側面より外方に向けて延出したアーム31,31の両端に台車32,32を備え、洗車機本体1両側に立設したガイドレール33,33上を昇降移動できるように形成されている。34は正転逆転可能なモータで、チェーン35を介して回転軸36を回転駆動する。回転軸36の回転により、台車32,32、および上面洗浄ノズル31の荷重と平衡するウエイト37,37に固着されたチェーン38,38が回転駆動されて、台車32,32が昇降移動される。39はロータリーエンコーダーで、回転軸36に連結され、回転軸の回転方向を検出しながら単位角度回転毎にパルス信号を出力して、台車32,32の位置を与えている。
【0021】
対向する位置に配設された投光器40a,41a,42aと受光器40b,41b,42bは、台車32,32に備えられた光電スイッチで、本発明の車体検出手段を構成する。光電スイッチの配置は、洗車機本体1に対して前方に位置する光電スイッチ40a,40bおよび後方に位置する光電スイッチ42a,42bの取付位置が、中間に位置する光電スイッチ41a,41bの取付位置より高くなっている。洗車機が走行開始位置から走行を開始する往工程の洗車においては、洗車機本体1に対して前方に位置する光電スイッチ40a,40bが車体を検知したらモータ34を正転駆動して台車32,32を上昇させ、逆に車体を非検知したらモータ34を逆転駆動して台車32,32を下降させ、一方中間に位置する光電スイッチ41a,41bが車体を検知したらモータ34の駆動を停止して台車32,32を保持させ、相対的に台車32,32を車体形状に沿って昇降動作させている。また、洗車機が走行開始位置の方向へ戻る復工程においては、洗車機本体1に対して後方に位置し、自動車車体に先に達することになる光電スイッチ42a,42bが車体を検知したらモータ34を正転駆動して台車32,32を上昇させ、逆に車体を非検知したらモータ34を逆転駆動して台車32,32を下降させ、一方中間に位置する光電スイッチ41a,41bが車体を検知したらモータ34の駆動を停止して台車32,32を保持させ、相対的に台車32,32を車体形状に沿って昇降動作させている。
【0022】
上面洗浄ノズル30は、自動車車体の上面に洗浄水を噴射し、自動車車体を洗浄する。43,43は側面洗浄ノズルで、自動車車体の側面に洗浄水を噴射し、自動車車体を洗浄する。
【0023】
図5は上面乾燥ノズルを昇降制御する空圧系を示す説明図である。47は空圧源で、コンプレッサー等から所定の圧力の空気を供給する。48,49はレギュレータで、空圧源から供給される空気の圧力を一定の圧力に保つ。50,51は3ポート方向制御弁で、エアシリンダ21のポートA,Bへの空気の供給を制御する。52,52はスピードコントローラで、エアシリンダ21の速度の制御を行う。
【0024】
3ポート方向制御弁48が大気開放され、49が空圧源に開放されると、エアシリンダ21のロッドが突出し、上面乾燥ノズル15が下降する。3ポート方向制御弁48が空圧源に開放され、49が大気開放されると、エアシリンダ21のロッドは引き込まれ、上面乾燥ノズル15が上昇する。3ポート方向制御弁48,49が共に空圧源に開放されると、エアシリンダ21のロッドが停止し、上面乾燥ノズル15が保持される。
【0025】
図6は、操作パネル61の説明図である。操作パネル61には、洗車機の操作ガイドなどを表示するLCD表示器62、洗車コースを選択するコースキー63、洗車中にノズルの回避動作を手動で行うノズル上下キー66、洗車を低速で行う低速スタートキー64、洗車を高速で行う高速スタートキー65、洗車を中止するストップキー67、各種データを入力するテンキー68、洗車料金として公知のプリペイドカードを受け付けるカードリーダーライター69、コインを投入するコインメック70、電源の入切や管理モード,運転モードを切り換えるキースイッチ71を備えている。
【0026】
カードリーダーライター69は、カードの受付を許可及び禁止する機能を持つ。また、コインメック70は、コインの投入を禁止するブロック機能を持つ。管理モードでは、洗車機各部の動作を確認したり、洗車台数の集計の表示を行ったりする。運転モードでは、洗車を希望する顧客が洗車の受け付け操作や洗車を行う。テンキー68は管理モードのみで受け付けるものとし、通常は運転モードにして運用する。
【0027】
図7,図8は実施例の制御系を示すブロック図である。54はマイクロコンピューターで、演算処理を行うCPU55、プログラム及び各種データを記憶するメモリ56、及び入出力インターフェース57,57より成り、入出力インターフェース57,57には、走行位置検出用ロータリーエンコーダー5、位置センサー6、車高測定用光電スイッチ10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13b、送風機24,24、上面乾燥ノズル昇降用エアシリンダ21、上面乾燥ノズル昇降用光電スイッチ22a,22b,23a,23b、3ポート方向制御弁50,51、近接スイッチ45,46、上面洗浄ノズル昇降用モータ34、上面洗浄ノズル位置検出用ロータリーエンコーダ39、上面洗浄ノズル昇降用光電スイッチ40a,40b,41a,41b,42a,42b、操作パネル61が接続される。
【0028】
53は洗車機走行用モータ4,4の回転数を制御するインバーターで、入出力インターフェース57に接続され、洗車機走行用モータ4,4に供給する電源の周波数を変更してモータ4,4の回転数を変え、洗車機の走行速度を適宜変更し、本発明の速度変更手段を構成する。
【0029】
58は高圧ポンプで、上面洗浄ノズル30及び側面洗浄ノズル43,43から噴射する洗浄水を供給する。
【0030】
59は上面乾燥ノズル昇降用光電スイッチの異常信号入力、60は上面洗浄ノズル昇降用光電スイッチの異常信号入力で、光電スイッチの受光感度が低下した等、光電スイッチによる車体の検出に支障がある時に出力される。
【0031】
車高測定用光電スイッチ10a,10b,11a,11b,12a,12b,13a,13bと走行位置検出用ロータリーエンコーダ5の検出結果は対応づけられて記憶され、車形検出手段を構成する。上昇制限位置設定手段は、車形検出手段で検出された車形を基に、自動車車体から適宜距離離した位置に、上昇制限位置を設定する。車体検出手段である上面乾燥ノズル昇降用光電スイッチ22a,22b,23a,23b、3ポート方向制御弁50,51,近接スイッチ45,46、上面乾燥ノズル昇降用光電スイッチ異常信号入力59は相互に作用して、上面乾燥ノズル昇降制御手段を構成する。上面洗浄ノズル昇降用モータ34、上面洗浄ノズル位置検出用ロータリーエンコーダ39、車体検出手段である上面洗浄ノズル昇降用光電スイッチ40a,40b,41a,41b,42a,42b、上面洗浄ノズル昇降用光電スイッチ異常信号入力60は相互に作用して、上面洗浄ノズル昇降制御手段を構成する。上昇制限位置設定手段で設定された上昇制限位置は、各上面ノズル制御手段により、各上面ノズル昇降制御手段による各ノズルの昇降制御に反映される。
【0032】
ところで、各上面ノズルを制御するとき、車体検出手段の異常は、光電スイッチの異常信号入力があった場合のみでなく、車形検出手段が車高の低い自動車を検出しているとき、上面乾燥ノズルや上面洗浄ノズルが上限位置にあるにもかかわらず、車体が検出されている状態になっている等の、通常あり得ない状態になっている場合にも、車体検出手段の異常と判断される。
【0033】
次に、実施例の動作について説明する。実施例では、往工程で低速走行による洗浄を行い、復工程で低速走行による乾燥を行う例について説明する。図9(a)に示すように、洗車を行う自動車Aが、洗車開始の所定の位置に停止し、作業者が、洗車機本体1に備えられた操作パネル61を操作して、洗車コースを指定し、低速スタートキー64を押すことにより、洗車が開始される。
【0034】
洗車工程に入ると、図9(b),(c)に示すように、洗車機本体1が走行を開始し、自動車の高さを検出する光電スイッチが自動車車体を検出する。まず、自動車下部の高さH1を検出する光電スイッチが、投光器10aと受光器10b間を車体によって遮光され、車体を検出する。洗車機は、走行位置検出用ロータリーエンコーダ5により検出される、この時の洗車機本体1の走行位置を、自動車Aの前端位置CSとしてメモリ56に記憶する。続いて、普通車ルーフ位置の高さH2を検出する光電スイッチが、投光器11aと受光器11b間を車体によって遮光され、車体を検出する。洗車機は、この時の洗車機本体1の走行位置を、自動車Aのルーフ部の前端位置RSとしてメモリ56に記憶する。この後、普通車ルーフ位置の高さH2を検出する光電スイッチが、投光器11aと受光器11b間の車体による遮光を解かれ、車体を検出しなくなると、洗車機は、この時の洗車機本体1の走行位置を自動車Aのルーフ部の後端位置REとしてメモリ56に記憶する。また、自動車下部の高さH1を検出する光電スイッチが、投光器10aと受光器10b間の車体による遮光を解かれ、車体を検出しなくなると、洗車機は、この時の洗車機本体1の走行位置を自動車Aの後端位置CEとしてメモリ56に記憶する。このようにして、移動する洗車機本体1の位置と車体を検出する光電スイッチの検出結果が対応づけられて記憶され、図10に示すように自動車Aの車形が検出される。
【0035】
自動車Aの車形が検出されると、洗車機は、上昇制限位置設定手段により、上面ノズルの上昇制限位置を設定する。洗車機は、図11に示すように、自動車下部の高さH1を検出する光電スイッチが車体を検出し、普通車ルーフ位置の高さH2を検出する光電スイッチが車体を検出していない部分では、上面ノズルの上昇制限位置をH2の高さに設定し、普通車ルーフ位置の高さH2を検出する光電スイッチが車体を検出し、ワゴン車ルーフ位置の高さH3を検出する光電スイッチが車体を検出していない部分では、上面ノズルの上昇制限位置をH3の高さに設定する。また、車形検出手段で検出したルーフ部の前端位置RSから、安全を考慮して距離L1手前の位置で、上昇制限位置をH2の高さからH3の高さに変更し、車形検出手段で検出したルーフ部の後端位置REから、安全を考慮して距離L2後方の位置で、上昇制限位置をH3の高さからH2の高さに変更する。このようにして、HLに示される上昇制限位置が設定される。
【0036】
自動車車体の検出が行われ、上面ノズルの上昇制限位置が設定されるのと同時に、自動車車体の輪郭に沿わせて上面洗浄ノズルが昇降制御され、洗車が行われる。洗車機は、上面洗浄ノズルおよび側面洗浄ノズルから洗浄水を噴射しながら低速で走行し、図12(a)に示すように、上面洗浄ノズル30と一体に備えられた光電スイッチ41a,41bが自動車A車体を検出し、光電スイッチ40a,40bが自動車A車体を検出しない状態になるように上面洗浄ノズル30を昇降制御して、自動車A車体に上面洗浄ノズル15を作用させて洗車を行う。洗浄水に温水を用い、湯気の影響で光電スイッチ40a,40bが遮光状態となると、上面洗浄ノズル30は自動車Aの車体を検出したものと判断して上昇するが、上昇制限位置設定手段で設定された上昇制限位置HLの高さで保持され、上面洗浄ノズル30と自動車Aの車体が必要以上に離れることがないようにする。この後、光電スイッチ40a,40bと41a,41bがともに遮光状態であれば、上面洗浄ノズル30は、図12(c)に示すように、上昇制限位置HLの高さで昇降制御され、洗車が続行される。
【0037】
往工程である洗浄工程が終了すると、洗車機は復工程である乾燥工程に入る。洗車機は送風機を起動して、上面乾燥ノズルおよび側面乾燥ノズルから高圧風を噴射しながら低速で走行する。このとき、上面乾燥ノズル昇降用光電スイッチ異常信号入力59で、上面乾燥ノズルの光電スイッチの異常が検出されると、洗車機は、図13(a)に示すように、往工程で設定された上昇制限位置HLの高さで上面乾燥ノズル15を昇降制御し、上面乾燥ノズル15と自動車Aの車体が必要以上に離れることがないようにする。上面乾燥ノズルの光電スイッチの異常が解除されると、図13(b),(c)に示すように、上面乾燥ノズル15と一体に備えられた光電スイッチ23a,23bが自動車A車体を検出し、光電スイッチ22a,22bが自動車A車体を検出しない状態になるように上面乾燥ノズル15を昇降制御し、自動車A車体に上面乾燥ノズル15を作用させて乾燥を行い、走行開始位置まで戻って洗車を終了する。
【0038】
なお、本発明は、上記実施例に限定されることなく、特許請求の範囲を逸脱することなく、種々の設計変更を行うことが可能である。例えば実施例では、上面洗浄ノズルと上面乾燥ノズルを備えた洗車機について説明したが、上面洗浄ブラシや側面洗浄ブラシを備えた公知の洗車機に、上面洗浄ノズルや上面乾燥ノズルを備える場合でも、同様の制御を行えることは言うまでもない。また、据え置きにした洗車機本体をくぐり抜けるように自動車を移動させて洗車を行う洗車機でも、同様に上面ノズルを制御することができる。
【0039】
また、実施例では、自動車の高さを検出する光電スイッチを4段階として車形を検出し、上面ノズルの上昇制限位置もそれに合わせて設定したが、自動車の高さを検出する光電スイッチを細かい段階で多数配置し、車高を細かく区分して車形を検出し、上面ノズルの上昇制限位置もそれに合わせて細かい段階に設定することができる。
【0040】
また、実施例では、上面乾燥ノズルをエアシリンダで昇降し、その昇降位置を近接スイッチで検出したが、実施例に示した上面洗浄ノズルと同様に、上面乾燥ノズルもモータで昇降制御し、その昇降位置をロータリーエンコーダで検出するよう構成することもできる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明は、上面ノズルに一体に備えられた車体検出手段で自動車の車体を検出しながら、上面ノズルを自動車の車体に接近させて非接触で昇降制御し洗車を行うとき、車形検出手段で検出された車形に基づいて、上面ノズルの上昇制限位置を設定するので、車体検出手段が、何らかの理由で車体の有無にかかわらず、車体を検出した状態になっている場合でも、上面ノズルを洗車機上部の上昇限界位置まで上昇させることなく、設定した上昇制限位置の高さ以下で昇降制御でき、上面ノズルと自動車の車体を必要以上に離すことなく洗車が行え、上面洗浄ノズルや上面乾燥ノズルを自動車車体に充分に作用させて、洗浄,乾燥効果の高い洗車を行うことができる。
【0042】
また、車体検出手段が検出異常となったときにも、上面ノズルを洗車機上部の上昇限界位置まで上昇させることなく、設定した上昇制限位置に合わせて昇降制御することができ、安全で効果の高い洗車を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の側面説明図である。
【図2】本発明の実施例の走行系および車形検出手段を示す正面説明図である。
【図3】本発明の実施例の乾燥ノズルを示す正面説明図である。
【図4】本発明の実施例の洗浄ノズルを示す正面説明図である。
【図5】本発明の実施例の上面乾燥ノズルを昇降制御する空圧系を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例の操作パネルを示す説明図である。
【図7】本発明の実施例の制御系を示す説明図である。
【図8】本発明の実施例の制御系を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例の動作説明図である。
【図10】本発明の実施例の動作説明図である。
【図11】本発明の実施例の動作説明図である。
【図12】本発明の実施例の動作説明図である。
【図13】本発明の実施例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 洗車機本体
5 走行位置検出用ロータリーエンコーダ
10a,10b 自動車の高さを検出する光電スイッチ
11a,11b 自動車の高さを検出する光電スイッチ
12a,12b 自動車の高さを検出する光電スイッチ
13a,13b 自動車の高さを検出する光電スイッチ
15 上面乾燥ノズル
21 上面乾燥ノズル昇降用エアシリンダ
22a,22b 上面乾燥ノズルの車体検出用光電スイッチ
23a,23b 上面乾燥ノズルの車体検出用光電スイッチ
30 上面洗浄ノズル
34 上面洗浄ノズル昇降用モータ
39 上面洗浄ノズル位置検出用ロータリーエンコーダ
40a,40b 上面洗浄ノズルの車体検出用光電スイッチ
41a,41b 上面洗浄ノズルの車体検出用光電スイッチ
42a,42b 上面洗浄ノズルの車体検出用光電スイッチ
45,46 上面乾燥ノズル位置検出用近接スイッチ
54 洗車機を制御するマイクロコンピュータ
59 上面乾燥ノズルの車体検出用光電スイッチの異常信号入力
60 上面洗浄ノズルの車体検出用光電スイッチの異常信号入力
Claims (3)
- 門型状に形成した洗車機本体内に、散水ノズル,乾燥ノズル等の洗車処理装置を備え、洗車機本体と洗浄する自動車車体とを相対移動させて自動車車体の洗浄を行う洗車機において、
自動車の形状を検出する車形検出手段と、前記洗車機本体に昇降自在に設けられた上面ノズルと、該上面ノズルと一体に昇降し、前記自動車車体を検出する車体検出手段と、前記車形検出手段で検出された車形に基づいて、前記上面ノズルの上昇制限位置を設定する上昇制限位置設定手段と、前記上面ノズルを前記車体検出手段からの検出信号に応じて昇降制御し、自動車車体上面に非接触で作用させる昇降制御手段と、前記車体検出手段の検出異常を判断する異常検出手段と、該異常検出手段で検出異常が判断されると、前記上面ノズルを前記上昇制限位置設定手段により設定された上昇制限位置に昇降制御する上面ノズル制御手段を備えたことを特徴とする洗車機。 - 請求項1記載の洗車機において、前記上面ノズルは、自動車車体に洗浄水を吹き付ける洗浄ノズルであることを特徴とする洗車機。
- 請求項1記載の洗車機において、前記上面ノズルは、自動車車体に空気を吹き付ける乾燥ノズルであることを特徴とする洗車機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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