JP3691564B2 - 分岐型電気コネクタ及びそれに使用されるコンタクト - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は分岐型電気コネクタ及びそれに使用される圧接型のコンタクトに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車分野における応用で、電流を分配する分岐型のコネクタが使用される。分岐型コネクタは自動車本体に使用され、自動車内の適当な位置で接地電極又は正極（＋極）を複数の導体に分岐する。様々な電流容量の必要から様々な径寸法のワイヤが必要とされるが、これらは分岐型コネクタに接続される必要がある。更に様々な分岐型コネクタに接続されるワイヤの数は分岐型コネクタに対して相違した数となる。様々なワイヤをその長さ方向の適当な位置、即ちワイヤの端位置、或いは中間位置で分岐型コネクタに接続させて、これによりワイヤを切断せずにコネクタを横切るよう配置させることができる。またこの種のコネクタには更に、製造の際の信頼性が高く且つ経済的に有利であること及びそれに加えて、取り扱い面でも自動車及びワイヤへの組立が容易であることが要求される。
【０００３】
【発明が解決すべき課題】
従って、製造コストが安価な接続信頼性の高い分岐型コネクタであり様々な寸法のワイヤ及び様々な数のワイヤを、それらのワイヤの適当な位置で接続させることができる分岐型コネクタ、及びそれに使用されるコンタクトを提供することが望まれる。
【０００４】
よって、本発明の目的は製造及び組立を容易且つ安価に行うことが出来、且つ確実で信頼性の高い接続が可能な分岐型コネクタ及びそれに使用されるコンタクトを提供することができる。
【０００５】
また本発明の他の目的は様々な寸法のワイヤをワイヤの長さ方向に沿ったその端位置又は中間位置で接続し、ケーブルの電気的な導通及び機械的な強度を維持する、分岐型コネクタ及びそれに使用されるコンタクトを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の分岐型電気コネクタは、複数のワイヤが圧接接続されるスロットを有し、前記複数のワイヤを相互に短絡する圧接接続部、及び該圧接接続部の両側縁より延出し、前記スロットに圧接接続される前記複数のワイヤの各々を保持するストレインリリーフ部を有するコンタクトと、該コンタクトを収容する絶縁ハウジングとを有する、複数のワイヤを相互に短絡する分岐型電気コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングは、前記コンタクトの前記ストレインリリーフ部の各々の端を支持し、前記圧接接続部は、小径ワイヤ用の中央の１対の第１スロットと、該第１スロットの両外側に位置する大径ワイヤ用の１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に曲げられて形成されていることを特徴とする。
【０００７】
更に本発明の分岐型電気コネクタ用のコンタクトは、細長板状の基部と、該基部の長さ方向に沿って並べて配置される、複数のワイヤの各々が圧接接続されるスロットを有し、圧接接続される前記複数のワイヤを相互に短絡する圧接接続部と、前記基部の両側縁の前記スロットに対応する位置より延出し、前記スロットに圧接接続される前記複数のワイヤの各々を保持するストレインリリーフ部とを有する、複数のワイヤを相互に短絡する分岐型電気コネクタ用のコンタクトにおいて、前記圧接接続部は、小径ワイヤ用の中央の１対の第１スロットと、該第１スロットの両外側に位置する大径ワイヤ用の１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に曲げられて形成されていることを特徴とする。
【０００８】
本発明の分岐型コネクタは電気的に相互接続され絶縁ハウジング内にモールドされる複数の端子を含む。端子は、基部、基部から互いに反対方向に延びる１対のストレインリリーフ部及び１対のストレインリリーフ部の中間位置で基部に固定される圧接接続部を有する。圧接接続部は小径のワイヤの接続のための第１スロットと大径のワイヤの接続のための第２スロットとを有する。第１スロットと第２スロットとは相互に位置合わせされると共に、ストレインリリーフ部の間にそれらと位置合わせされて置かれ、ストレインリリーフ部に確実に保持されるワイヤと長さ方向の所定の位置で接続される。改良点として圧接接続部が中央の１対の第１スロットとその両外側方に位置する１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に形成される点である。ストレインリリーフ部の外側の対向端は絶縁ハウジングによりモールドされるべくストレインリリーフ部から突出するタブを有する。タブは基部からの引き離し力に対して確実な保持構造を提供する。基部は、打ち出し工程及び折り曲げ行程の間、移送のためにストレインリリーフ部を連結して使用されるキャリアストリップにより構成される。これにより絶縁ハウジングは固定される複数の、例えば３個の端子にオーバーモールドされ得る。一方コネクタ間に延びるキャリアストリップは取扱い或いは移送を容易に行うため維持される。即ち、接続されるワイヤの数がコネクタが有する端子の数以上になる場合は複数のコネクタがキャリアストリップにより連結される。
【０００９】
【発明の実施形態】
以下に本発明の分岐型電気コネクタ及びそれに使用される圧接型のコンタクトの好適な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【００１０】
図１及び図２には本発明による分岐型コネクタ２及びそれに使用される圧接型コンタクト６が斜視図で示される。分岐型コネクタ２は金属板の打ち抜き、折り曲げにより形成される複数の圧接型コンタクト６をオーバーモールドする絶縁ハウジング４を含む。複数の圧接型コンタクト６は隣合って並ぶよう配置される個々の端子部分８を含む。複数の圧接型コンタクト６は中央の基部１０、基部１０から直立して延びる略Ｗ字形状の圧接接続部１２及び基部１０の側端１６から互いに反対方向に延びるストレインリリーフ部１４を含む。基部１０は製造及び移送の間ストレインリリーフ部１４を相互に接続し、更に製造の際に分岐型コネクタ同士を結合するキャリアストリップの一部となる。キャリアストリップは隣合うコネクタをモジュールとしたときコネクタモジュール間で分離されるか、又は図３及び図７に示す如く多数のコネクタモジュールを結合して一体のまま残し、各モジュールに多数のワイヤと電気的な相互接続を行わせる。多数のワイヤは適当な数のコネクタモジュール２を選んで安価で単純な方法により接続されるが、このときまでキャリアストリップの一部の相互結合は維持される。絶縁ハウジングは複数の端子６をオーバーモールドするが、このとき絶縁ハウジングはキャリアストリップに保持される。これによりコネクタモジュールの取扱いが容易になり、ワイヤ接続ライン、即ち、例えば自動車製造ラインやハーネス製造ラインへの移送のための移送用リールに巻き付け可能である。これに続く導体の接続のためキャリアストリップからの分離が行われる。即ちキャリアストリップを導体接続時まで相互に連結させておくことにより、製造、移送及びワイヤとの接続を容易且つ安価に行うことが出来る。
【００１１】
ストレインリリーフ部１４はキャリアストリップの方向に対して略横方向に延び、略弧状のベース１８及びそれから直立するよう延びる圧着用アーム２０を含む。両者はベース１８上に位置するワイヤを圧着し、ワイヤを固く支持する。基部１０の両側縁１６より延びるストレインリリーフ部１４の対は、圧接接続部１２に対して成端されるワイヤがワイヤに沿って逆方向に加えられる引っ張り力、及び圧接接続部１２に対して上方に即ち基部１０から離れるようにワイヤの各側が持ち上げられる力に抗して、コネクタモジュールに確実に保持されることを保証する。圧接接続部１２の両側にストレインリリーフ部１４が配置されることは、ワイヤを中間位置で接続するのに適している。これは圧接接続部はワイヤを構造的に弱くし、従ってワイヤは接続部の両側でコネクタに確実に支持される必要があるからである。
【００１２】
ストレインリリーフ部１４は基部１０から離れる外側端２４の近傍で下方に延びるタブ２２を含む。タブ２２は図５に示される如くハウジング４によりオーバーモールドされ、ストレインリリーフ部に接続されたワイヤに作用する上方への引っ張り力によるストレインリリーフ部の「上方」への変形（曲がり）を防止する。なおここでいう「上方」とは図５中に矢印Ｕで示される向きである。
【００１３】
図１、図４、及び図８によれば圧接接続部にはキャリアストリップ１０の方向に見る時略Ｗ字形状であり、金属板の打ち抜き、折り曲げにより形成され、１対の第１圧接スロット２６とそれを間に置くように形成される外側の１対の第２圧接スロット２８とを含む。圧接スロット２６及び２８は、金属ストリップの打ち抜きにより形成される。金属ストリップは略Ｗ字形状に曲げられ、相互に平行で略等間隔に配置された４枚の直立壁３０、３２、３４、３６を形成する。内側の直立壁３２、３４、は上端で上側ブリッジ部３８により結合され、内側の直立壁３２、３４と外側の直立壁３０、３６とは下側ブリッジ部４０、４２により夫々結合される。更に下側ブリッジ部４０、４２は１個の端子部８の直立壁３０、３２、３４、３６とコネクタモジュールの他の端子部８の直立壁３０、３２、３４、３６とを相互に接続し、これによりコネクタモジュールの圧接接続部１２が一体となっている。圧接接続部１２の下側ブリッジ部４０、４２は基部１０に対して取り付けられ、レーザ溶接等による溶接か、又はタブ（図示せず）のクリンチ（押しつぶし）によって強く固定される。
【００１４】
内側の第１圧接スロット２６は、相違する寸法のワイヤへの電気的接続のための外側の第２圧接スロット２８より小寸法に形成される。図４中に破線で示される如く、比較的小寸法のワイヤが成端されるとき、第１圧接スロット２６の端縁２７は導電性ワイヤの外側の絶縁被覆に切り込まれ、内側の導電性ワイヤのより線と電気的に接続される。端子部８に比較的大寸法のワイヤが接続されるとき、圧接スロット２８の端縁２９は大寸法のワイヤの外側の絶縁被覆に切り込まれ、内側の導電性のより線と電気的に接続される。内側の圧接スロット２６は大寸法のワイヤの取り付けにより広げられるが、圧接接続部１２とハウジングの壁６０との間には遊びを有するのでその広がりが妨害されることはない。内側の圧接スロット２６の内側の端縁２７はスロット寸法が比較的小さいため絶縁被覆及び大寸法のワイヤの内側のより線導体の両方に部分的に切り込まれる。しかしながら外側の圧接スロット２８は大寸法のワイヤに適用され、それと確実な電気的接触を行うものであるので重要ではない。外側の絶縁被覆に切り込まれること、及び大寸法のワイヤの場合に更に内側の端縁２７によって導体に切り込まれる場合、基部１０の側端１６より対抗して延びるストレインリリーフ部１４を提供することは効果的であり、これによりワイヤの両端に加わる力はストレインリリーフ手段によって確実に抑えられる。後者は特に２本のワイヤを中間部で相互接続し、それらの機械的及び電気的接続を保証するものである。図８によれば直立するタブ４４が基部１０から打ち抜かれ、組立行程の間に圧接接続部１２の内側直立壁３２、３４の間に挿入されて両者の中間に配置される。これにより成端された導電性ワイヤに加わる縦方向の引き抜き力に対して支持手段を提供する。
【００１５】
図１、図５及び図６によればハウジング４は基壁５０、端壁５２、５４を含む。端壁５２、５４間には端子の配置部分を相互に分離する隔壁６０を有する。側壁５６、５８、隔壁６０、及び端壁５２、５４はキャビティ６４を構成する。個々の端子部８はキャビティ６４内に配置され、各キャビティ６４は端子部８を支持する手段、及び成端の際に端子部の圧接スロット２６、２８内へと案内する手段が提供される。下側ブリッジ部４０、４２をオーバーモールドして、且つ基部１０をオーバーモールドする隔壁６０は複数の端子６をハウジングに確実に固定する手段を提供する。図１及び図６によれば基部１０は側壁５６、５８を超えて延び、近接するコネクタモジュールに接続されるか、又はその後キャリアストリップを分離する。
【００１６】
以上の如く、本発明の好適実施形態となる電気コネクタ及びコンタクトについて示したが、これは本発明を制限するものではなく、当業者によって様々な変形、変更が可能である。
【００１７】
【発明の効果】
本発明の分岐型電気コネクタ及びそれに使用されるコンタクトによれば、様々な寸法のワイヤとの信頼性の高い電気的接続が可能であり、同時にそれを機械的に強固に保持することが可能である。即ち、ワイヤに引っ張り力等の外力が加わったときにも接続部では安定的な電気的接続が維持される。また本発明による分岐型電気コネクタ及び使用されるコンタクトは製造も容易であり比較的安価にして製造される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好適実施形態となる分岐型電気コネクタを示す斜視図。
【図２】 図１の分岐型電気コネクタに使用される圧接コンタクトの斜視図。
【図３】 図１の分岐型電気コネクタをモジュールとして２個が一体化された状態を示す平面図。
【図４】 図３中の線４ー４に沿う断面図。
【図５】 図３中の線５ー５に沿う断面図。
【図６】 図３中の線６ー６に沿う断面図。
【図７】 図３のコネクタ中の２個のモジュール化されたコンタクトを示す平面図。
【図８】 図９中の線８ー８に沿う断面図。
【図９】 図７中の矢視１０の方向より見た断面図。
【図１０】 図７中の線１０ー１０に沿う断面図。
【符号の説明】
２ 分岐型電気コネクタ
４ 絶縁ハウジング
６ コンタクト
１０ 基部
１２ 圧接接続部
１４ ストレインリリーフ部
１６ 側縁
２６、２８ スロット
【発明の属する技術分野】
本発明は分岐型電気コネクタ及びそれに使用される圧接型のコンタクトに関する。
【０００２】
【従来の技術】
自動車分野における応用で、電流を分配する分岐型のコネクタが使用される。分岐型コネクタは自動車本体に使用され、自動車内の適当な位置で接地電極又は正極（＋極）を複数の導体に分岐する。様々な電流容量の必要から様々な径寸法のワイヤが必要とされるが、これらは分岐型コネクタに接続される必要がある。更に様々な分岐型コネクタに接続されるワイヤの数は分岐型コネクタに対して相違した数となる。様々なワイヤをその長さ方向の適当な位置、即ちワイヤの端位置、或いは中間位置で分岐型コネクタに接続させて、これによりワイヤを切断せずにコネクタを横切るよう配置させることができる。またこの種のコネクタには更に、製造の際の信頼性が高く且つ経済的に有利であること及びそれに加えて、取り扱い面でも自動車及びワイヤへの組立が容易であることが要求される。
【０００３】
【発明が解決すべき課題】
従って、製造コストが安価な接続信頼性の高い分岐型コネクタであり様々な寸法のワイヤ及び様々な数のワイヤを、それらのワイヤの適当な位置で接続させることができる分岐型コネクタ、及びそれに使用されるコンタクトを提供することが望まれる。
【０００４】
よって、本発明の目的は製造及び組立を容易且つ安価に行うことが出来、且つ確実で信頼性の高い接続が可能な分岐型コネクタ及びそれに使用されるコンタクトを提供することができる。
【０００５】
また本発明の他の目的は様々な寸法のワイヤをワイヤの長さ方向に沿ったその端位置又は中間位置で接続し、ケーブルの電気的な導通及び機械的な強度を維持する、分岐型コネクタ及びそれに使用されるコンタクトを提供することである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
本発明の分岐型電気コネクタは、複数のワイヤが圧接接続されるスロットを有し、前記複数のワイヤを相互に短絡する圧接接続部、及び該圧接接続部の両側縁より延出し、前記スロットに圧接接続される前記複数のワイヤの各々を保持するストレインリリーフ部を有するコンタクトと、該コンタクトを収容する絶縁ハウジングとを有する、複数のワイヤを相互に短絡する分岐型電気コネクタにおいて、前記絶縁ハウジングは、前記コンタクトの前記ストレインリリーフ部の各々の端を支持し、前記圧接接続部は、小径ワイヤ用の中央の１対の第１スロットと、該第１スロットの両外側に位置する大径ワイヤ用の１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に曲げられて形成されていることを特徴とする。
【０００７】
更に本発明の分岐型電気コネクタ用のコンタクトは、細長板状の基部と、該基部の長さ方向に沿って並べて配置される、複数のワイヤの各々が圧接接続されるスロットを有し、圧接接続される前記複数のワイヤを相互に短絡する圧接接続部と、前記基部の両側縁の前記スロットに対応する位置より延出し、前記スロットに圧接接続される前記複数のワイヤの各々を保持するストレインリリーフ部とを有する、複数のワイヤを相互に短絡する分岐型電気コネクタ用のコンタクトにおいて、前記圧接接続部は、小径ワイヤ用の中央の１対の第１スロットと、該第１スロットの両外側に位置する大径ワイヤ用の１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に曲げられて形成されていることを特徴とする。
【０００８】
本発明の分岐型コネクタは電気的に相互接続され絶縁ハウジング内にモールドされる複数の端子を含む。端子は、基部、基部から互いに反対方向に延びる１対のストレインリリーフ部及び１対のストレインリリーフ部の中間位置で基部に固定される圧接接続部を有する。圧接接続部は小径のワイヤの接続のための第１スロットと大径のワイヤの接続のための第２スロットとを有する。第１スロットと第２スロットとは相互に位置合わせされると共に、ストレインリリーフ部の間にそれらと位置合わせされて置かれ、ストレインリリーフ部に確実に保持されるワイヤと長さ方向の所定の位置で接続される。改良点として圧接接続部が中央の１対の第１スロットとその両外側方に位置する１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に形成される点である。ストレインリリーフ部の外側の対向端は絶縁ハウジングによりモールドされるべくストレインリリーフ部から突出するタブを有する。タブは基部からの引き離し力に対して確実な保持構造を提供する。基部は、打ち出し工程及び折り曲げ行程の間、移送のためにストレインリリーフ部を連結して使用されるキャリアストリップにより構成される。これにより絶縁ハウジングは固定される複数の、例えば３個の端子にオーバーモールドされ得る。一方コネクタ間に延びるキャリアストリップは取扱い或いは移送を容易に行うため維持される。即ち、接続されるワイヤの数がコネクタが有する端子の数以上になる場合は複数のコネクタがキャリアストリップにより連結される。
【０００９】
【発明の実施形態】
以下に本発明の分岐型電気コネクタ及びそれに使用される圧接型のコンタクトの好適な実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
【００１０】
図１及び図２には本発明による分岐型コネクタ２及びそれに使用される圧接型コンタクト６が斜視図で示される。分岐型コネクタ２は金属板の打ち抜き、折り曲げにより形成される複数の圧接型コンタクト６をオーバーモールドする絶縁ハウジング４を含む。複数の圧接型コンタクト６は隣合って並ぶよう配置される個々の端子部分８を含む。複数の圧接型コンタクト６は中央の基部１０、基部１０から直立して延びる略Ｗ字形状の圧接接続部１２及び基部１０の側端１６から互いに反対方向に延びるストレインリリーフ部１４を含む。基部１０は製造及び移送の間ストレインリリーフ部１４を相互に接続し、更に製造の際に分岐型コネクタ同士を結合するキャリアストリップの一部となる。キャリアストリップは隣合うコネクタをモジュールとしたときコネクタモジュール間で分離されるか、又は図３及び図７に示す如く多数のコネクタモジュールを結合して一体のまま残し、各モジュールに多数のワイヤと電気的な相互接続を行わせる。多数のワイヤは適当な数のコネクタモジュール２を選んで安価で単純な方法により接続されるが、このときまでキャリアストリップの一部の相互結合は維持される。絶縁ハウジングは複数の端子６をオーバーモールドするが、このとき絶縁ハウジングはキャリアストリップに保持される。これによりコネクタモジュールの取扱いが容易になり、ワイヤ接続ライン、即ち、例えば自動車製造ラインやハーネス製造ラインへの移送のための移送用リールに巻き付け可能である。これに続く導体の接続のためキャリアストリップからの分離が行われる。即ちキャリアストリップを導体接続時まで相互に連結させておくことにより、製造、移送及びワイヤとの接続を容易且つ安価に行うことが出来る。
【００１１】
ストレインリリーフ部１４はキャリアストリップの方向に対して略横方向に延び、略弧状のベース１８及びそれから直立するよう延びる圧着用アーム２０を含む。両者はベース１８上に位置するワイヤを圧着し、ワイヤを固く支持する。基部１０の両側縁１６より延びるストレインリリーフ部１４の対は、圧接接続部１２に対して成端されるワイヤがワイヤに沿って逆方向に加えられる引っ張り力、及び圧接接続部１２に対して上方に即ち基部１０から離れるようにワイヤの各側が持ち上げられる力に抗して、コネクタモジュールに確実に保持されることを保証する。圧接接続部１２の両側にストレインリリーフ部１４が配置されることは、ワイヤを中間位置で接続するのに適している。これは圧接接続部はワイヤを構造的に弱くし、従ってワイヤは接続部の両側でコネクタに確実に支持される必要があるからである。
【００１２】
ストレインリリーフ部１４は基部１０から離れる外側端２４の近傍で下方に延びるタブ２２を含む。タブ２２は図５に示される如くハウジング４によりオーバーモールドされ、ストレインリリーフ部に接続されたワイヤに作用する上方への引っ張り力によるストレインリリーフ部の「上方」への変形（曲がり）を防止する。なおここでいう「上方」とは図５中に矢印Ｕで示される向きである。
【００１３】
図１、図４、及び図８によれば圧接接続部にはキャリアストリップ１０の方向に見る時略Ｗ字形状であり、金属板の打ち抜き、折り曲げにより形成され、１対の第１圧接スロット２６とそれを間に置くように形成される外側の１対の第２圧接スロット２８とを含む。圧接スロット２６及び２８は、金属ストリップの打ち抜きにより形成される。金属ストリップは略Ｗ字形状に曲げられ、相互に平行で略等間隔に配置された４枚の直立壁３０、３２、３４、３６を形成する。内側の直立壁３２、３４、は上端で上側ブリッジ部３８により結合され、内側の直立壁３２、３４と外側の直立壁３０、３６とは下側ブリッジ部４０、４２により夫々結合される。更に下側ブリッジ部４０、４２は１個の端子部８の直立壁３０、３２、３４、３６とコネクタモジュールの他の端子部８の直立壁３０、３２、３４、３６とを相互に接続し、これによりコネクタモジュールの圧接接続部１２が一体となっている。圧接接続部１２の下側ブリッジ部４０、４２は基部１０に対して取り付けられ、レーザ溶接等による溶接か、又はタブ（図示せず）のクリンチ（押しつぶし）によって強く固定される。
【００１４】
内側の第１圧接スロット２６は、相違する寸法のワイヤへの電気的接続のための外側の第２圧接スロット２８より小寸法に形成される。図４中に破線で示される如く、比較的小寸法のワイヤが成端されるとき、第１圧接スロット２６の端縁２７は導電性ワイヤの外側の絶縁被覆に切り込まれ、内側の導電性ワイヤのより線と電気的に接続される。端子部８に比較的大寸法のワイヤが接続されるとき、圧接スロット２８の端縁２９は大寸法のワイヤの外側の絶縁被覆に切り込まれ、内側の導電性のより線と電気的に接続される。内側の圧接スロット２６は大寸法のワイヤの取り付けにより広げられるが、圧接接続部１２とハウジングの壁６０との間には遊びを有するのでその広がりが妨害されることはない。内側の圧接スロット２６の内側の端縁２７はスロット寸法が比較的小さいため絶縁被覆及び大寸法のワイヤの内側のより線導体の両方に部分的に切り込まれる。しかしながら外側の圧接スロット２８は大寸法のワイヤに適用され、それと確実な電気的接触を行うものであるので重要ではない。外側の絶縁被覆に切り込まれること、及び大寸法のワイヤの場合に更に内側の端縁２７によって導体に切り込まれる場合、基部１０の側端１６より対抗して延びるストレインリリーフ部１４を提供することは効果的であり、これによりワイヤの両端に加わる力はストレインリリーフ手段によって確実に抑えられる。後者は特に２本のワイヤを中間部で相互接続し、それらの機械的及び電気的接続を保証するものである。図８によれば直立するタブ４４が基部１０から打ち抜かれ、組立行程の間に圧接接続部１２の内側直立壁３２、３４の間に挿入されて両者の中間に配置される。これにより成端された導電性ワイヤに加わる縦方向の引き抜き力に対して支持手段を提供する。
【００１５】
図１、図５及び図６によればハウジング４は基壁５０、端壁５２、５４を含む。端壁５２、５４間には端子の配置部分を相互に分離する隔壁６０を有する。側壁５６、５８、隔壁６０、及び端壁５２、５４はキャビティ６４を構成する。個々の端子部８はキャビティ６４内に配置され、各キャビティ６４は端子部８を支持する手段、及び成端の際に端子部の圧接スロット２６、２８内へと案内する手段が提供される。下側ブリッジ部４０、４２をオーバーモールドして、且つ基部１０をオーバーモールドする隔壁６０は複数の端子６をハウジングに確実に固定する手段を提供する。図１及び図６によれば基部１０は側壁５６、５８を超えて延び、近接するコネクタモジュールに接続されるか、又はその後キャリアストリップを分離する。
【００１６】
以上の如く、本発明の好適実施形態となる電気コネクタ及びコンタクトについて示したが、これは本発明を制限するものではなく、当業者によって様々な変形、変更が可能である。
【００１７】
【発明の効果】
本発明の分岐型電気コネクタ及びそれに使用されるコンタクトによれば、様々な寸法のワイヤとの信頼性の高い電気的接続が可能であり、同時にそれを機械的に強固に保持することが可能である。即ち、ワイヤに引っ張り力等の外力が加わったときにも接続部では安定的な電気的接続が維持される。また本発明による分岐型電気コネクタ及び使用されるコンタクトは製造も容易であり比較的安価にして製造される。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の好適実施形態となる分岐型電気コネクタを示す斜視図。
【図２】 図１の分岐型電気コネクタに使用される圧接コンタクトの斜視図。
【図３】 図１の分岐型電気コネクタをモジュールとして２個が一体化された状態を示す平面図。
【図４】 図３中の線４ー４に沿う断面図。
【図５】 図３中の線５ー５に沿う断面図。
【図６】 図３中の線６ー６に沿う断面図。
【図７】 図３のコネクタ中の２個のモジュール化されたコンタクトを示す平面図。
【図８】 図９中の線８ー８に沿う断面図。
【図９】 図７中の矢視１０の方向より見た断面図。
【図１０】 図７中の線１０ー１０に沿う断面図。
【符号の説明】
２ 分岐型電気コネクタ
４ 絶縁ハウジング
６ コンタクト
１０ 基部
１２ 圧接接続部
１４ ストレインリリーフ部
１６ 側縁
２６、２８ スロット
Claims (2)
- 複数のワイヤが圧接接続されるスロットを有し、前記複数のワイヤを相互に短絡する圧接接続部、及び該圧接接続部の両側縁より延出し、前記スロットに圧接接続される前記複数のワイヤの各々を保持するストレインリリーフ部を有するコンタクトと、該コンタクトを収容する絶縁ハウジングとを有する、複数のワイヤを相互に短絡する分岐型電気コネクタにおいて、
前記絶縁ハウジングは、前記コンタクトの前記ストレインリリーフ部の各々の端を支持し、
前記圧接接続部は、小径ワイヤ用の中央の１対の第１スロットと、該第１スロットの両外側に位置する大径ワイヤ用の１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に曲げられて形成されていることを特徴とする分岐型電気コネクタ。 - 細長板状の基部と、該基部の長さ方向に沿って並べて配置される、複数のワイヤの各々が圧接接続されるスロットを有し、圧接接続される前記複数のワイヤを相互に短絡する圧接接続部と、前記基部の両側縁の前記スロットに対応する位置より延出し、前記スロットに圧接接続される前記複数のワイヤの各々を保持するストレインリリーフ部とを有する、複数のワイヤを相互に短絡する分岐型電気コネクタ用のコンタクトにおいて、
前記圧接接続部は、小径ワイヤ用の中央の１対の第１スロットと、該第１スロットの両外側に位置する大径ワイヤ用の１対の第２スロットとを有し、略Ｗ字形状に曲げられて形成されていることを特徴とする、分岐型電気コネクタに使用されるコンタクト。
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