JP3691075B2 - 新規化合物およびその使用方法 - Google Patents
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Description
発明の背景
インフルエンザAおよびBウイルスは急性呼吸器疾患の主原因であり、米国のみで年間推定30−50(百万)の感染を起こす。インフルエンザAは1919年の”Spanish Flu”等の主要な流行性疫病の原因であり数百万人がこれにより死亡した。インフルエンザは制御困難な疾病として留まり、著しい罹病率を示し、これによる死亡率は老年もしくは衰弱患者における2次感染によるところが大きい。抗原性のシフトもしくはドリフトによりワクチン類は絶えず時代遅れとなり、したがって免疫化は感染防止の有効性約70%に過ぎない。取締当局により認可されたインフルエンザ治療薬はアマンチジンおよびリマンチジンのみであり、これらはインフルエンザBに対して無効で、また重い副作用を示すことが知られている。
多くのウイルスおよび細菌感染はインフルエンザ様の症状を示すことがある。呼吸器ウイルスの迅速な同定は、病気初期に最も適切な治療法の採用を医者をして可能ならしめる。例えば抗細菌治療法の採用や子供・老年者の入院に就いての決断は、正確な早期診断が可能にする。
臨床材料中のウイルス同定を目的とする実験室的試験法は広く採用され、かつ各種の異なった検出法が利用できる。Marcel Dekker 1992, Ed E. H. Lennetteによる教科書”Laboratory Diagnosis of Viral Infections”はインフルエンザウイルスを包含する広範囲のウイルスに利用される方法を一般的に論議している。
インフルエンザAおよびBの診断用には多数の試験法が利用できる。インフルエンザウイルスを同定する伝統的方法は細胞培養法の採用であり、この方法は高度に鋭敏で特異的である。残念乍らインフルエンザウイルスの培養、単離および同定に必要な時間は2日から10日の範囲であり、したがって適切な治療法を医者に手引きするには事実上役立たない。インフルエンザウイルス感染は通常は自己制限性であるから、治療を有効ならしめるには診断は迅速であらねばならない。
インフルエンザ検出用細胞培養法に加えて、最近ではインフルエンザAに対して特異的な迅速直接試験法が幾つか利用できるようになった。このように、モノクロナール免疫蛍光アッセイ(IFA)が報告され(Spada, B. らのJ. Virol. Method, 1991 33 305)、かつ少なくとも一種の迅速酵素免疫アッセイ(EIA)が利用できる(Ryan-Poirier, K. A. らのJ. Clin. Microbiol., 1992 30 1072)。インフルエンザA用のこれらの迅速検出法に類似した多数の方法が報告されている;例えばLeonardi, G. P. らのJ. Clin. Microbiol., 1994 32 70参照、この著者らは治療開始に間に合うウイルス同定および感染制御対策の両方を可能ならしめ、かつ社会に蔓延中のインフルエンザ株の抗原性構成をモニターするために、培養単離と併用した直接標本試験を推奨している。
IFA法は労力を必要とし、多くの技術的経験を要し、しばしば解釈困難な結果を招く。他方、EIA(Directigen FLU-A;Becton Dickinson Microbiology Systems)法は誤った陽性結果を高水準で与えるので、このアッセイは直接免疫蛍光試験に追加して、またはその代替として試験室のみで採用すべきことが推奨されている(Waner, J. L. らのJ. Clin. Microbiol., 1991 29 479)。
最近利用可能なインフルエンザ用迅速アッセイに伴う上記問題点はもとより、ある種のこれらの方法には他の基本的な欠陥がある。第1に、利用可能ないずれのアッセイもインフルエンザBの検出ができず、このことは採用すべき治療法の型について負の試験結果でさえも医者に疑念を抱かせることを意味する。第2に、ある種の迅速免疫アッセイ法がインフルエンザA蛋白の一つに対する抗体の使用に依存しているならば、抗原性蛋白構造におけるドリフトまたはシフトを受けたウイルス新株の検出ついては重大な問題になりかねない。インフルエンザAはこの種の変化を経験するその性行で悪名高い。
インフルエンザウイルスの迅速アッセイの他の型は一連の特許明細書に記載がある(例えば、Liav, A.らのPCT 特許出願第92/12256号)。この方法には、インフルエンザノイラミニダーゼ酵素に対する色素源基質の使用が包含される。換言すればこのアッセイは、特有のシアリン酸(sialic acid)・色素複合体分子をインフルエンザノイラミニダーゼが切断する際に形成する色素の可視化に依存する。この技法はウイルスノイラミニダーゼおよび酵素の他の形態の存在の間、特に細菌ノイラミニダ−ゼの存在の間を容易には区別し得ないので、この方法の特異性には限界があるように見える。ウイルスノイラミニダーゼの活性は比較的緩慢なので、この方法の感度は低い。
インフルエンザAおよびBは二つの主要な表面糖蛋白質、ヘマグルチニン(HA)および酵素ノイラミニダーゼ(NA)を有し、これら両方共に感染には必須である。HAはウイルスが細胞へ取り付くのに必要であり、一方、NAは細胞表面からのウイルスの放出に必要であると信じられる。通常約600の三量体HAおよび約50コピー数のNA四量体単位が各ウイルス粒子表面に存在する。したがって抗インフルエンザ薬剤研究ではHAおよびNAの両方は格好の潜在的標的であるが、今日までこれらの部位のいずれかに作用する抗インフルエンザ薬は臨床用として入手できない。
インフルエンザウイルス血球凝集素は糖蛋白質および糖脂質を含む細胞表面受容体上のシアリン酸に結合し、これにより細胞へのウイルスの取り付きおよび引き続く感染のプロセスを開始する。ウイルス粒子の細胞膜への結合の強さはインフルエンザHAの多重コピーと細胞表面上の多重シアリン酸基との間の相互作用に依存するようにみえる。
多価相互作用についての上記概念を利用して、ヘマグルチニン阻害剤として作用する2種またはそれを超す種類のシアリン酸誘導体を含む高分子体(macromolecules)の合成を幾人かの研究者が報告している。ある種の強力なHA阻害剤が発見されてはいるが、これらの多価高分子体のいずれもがin vivoではインフルエンザ感染を阻止するようには見られない。Whitesidersおよび共同研究者による最近の報告(J. Amer., Chem. Soc., 1996 118 3789-3800; J. Medicinal Chem., 1995 38 4179-4190)は、インフルエンザ血球凝集素阻害剤の設計にこのアプローチを利用した各種努力の成果を要約している。
幾つかのNAの既知阻害剤があり、それらの大半は2−デオキシ−2,3−ジデヒドロ−N−アセチルノイラミン酸(DANA)(MeindlらのVirology, 1974 58 457-63)等の、この酵素の天然基質であるノイラミン酸の間近な類似体である。国際特許出願第WO 91/16320号公報には、インフルエンザAおよびBノイラミニダーゼに対してin vitroおよびin vivo両方で極めて活性なDANA類似体の記載がある。これらの化合物の一つ(化合物I、GC167または4−グアニジノ−ノイ(Neu)5Ac2エン(en)と呼称)は臨床試験中であり、インフルエンザ治療に有望視される(Hayden, F. G. らのJ. Amer. Med. Assoc., 1996 275 295)。
一層最近では、ノイラミニダーゼ阻害活性を有する芳香族化合物がLuoらの米国特許第5,453,533号および同第5,512,596号公報(Gilead Sciences, Inc.)に記載され、また化合物(I)特に炭素6で側鎖がエーテル結合した化合物の類似体が国際特許出願WO 96/26933号(Gilead Sciences, Inc.)およびC. KimらのJ. Amer. Chem. Soc., 1997 119 681に記載されている。
化合物(I)のより単純で一層強力な類似体を幾人かの研究者が発見すべく試みたが、今日までの報告(例えば、Bamford M. J., J. Chem. Soc. Perkin Trans. I, 1995, 1181)では化合物(I)の構造、特にグリセロール側鎖におけるいかなる変更でもノイラミニダーゼ結合性を低減させるらしいことを示す。加えて、HAの状況とは対照的に、ノイラミニダーゼの既知高分子阻害剤もしくは既知ポリマー阻害剤のいずれかであるようには見えない。シアリン酸含有ポリマーはRoyらの米国特許第5,192,661号およびBovinらの米国特許第5,571,836号公報中に記載があるが、これらの化合物は抗原としての使用または血球凝集素のバインダーとしての利用目的に設計された合成ポリシアロシドであった。
発明の要約
第1の局面において本発明は、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼの活性部位に結合する一種または2種以上の分子を付着した高分子化合物を提供する。;これらの分子はここでは”ノイラミニダーゼバインダー”と呼称する。好ましくは、このノイラミニダーゼバインダーはスペーサーもしくはリンカー基を介して上記分子に取り付けられるので、ノイラミニダーゼバインダーは高分子骨格による立体障害は受けない。このノイラミニダーゼバインダーは酵素により切断されない限り、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼの活性部位に結合する任意の薬剤でありうる。この結合は非可逆的である必要はないが、結合基はIC50が好ましくは10-6Mまたはそれ未満の高結合親和性を有するべきである。
本発明は特に新規部類の化学的化合物、およびインフルエンザAおよびBの治療と検出のための治療薬および診断薬としてのそれらの使用に関する。一層詳細には本発明は、インフルエンザAまたはBのノイロミニダーゼに結合し、かつ任意に表面にその化合物を結合させ得る官能性も保有し、または検出可能標識としても利用できるノイラミン酸(シアリン酸)誘導体を結合した高分子体に関する。
予想外にも発明者らは、化合物(I)がそのシアリン酸構造の7位を通じて官能化されると、大きな合成もしくは天然ポリマーにこれが結合してインフルエンザAおよびBノイラミニダーゼを抑制し、かつインフルエンザ感染を抑制または阻害し得る複合体を与えうることを見いだした。化合物(I)のインフルエンザノイラミニダーゼ結合性を破壊するよりも寧ろ、多数の上記化合物およびその類似化合物は適当なスペーサーによりそれらの7位置を通じて各種高分子と連結する際には、シアリン酸基当りの平均的結合が実質的に低減しないことを発明者らは見いだした。かくしてノイラミニダーゼへの結合を通じて、この高分子体はウイルスに固く結合し、かつおそらくその複合体の大きさと立体効果に起因してインフルエンザビリオンの感染性が低減する。このような高分子化合物は選択的にイフルエンザウイルスに結合すると同時に、表面または検出可能連結基に結合し得る両方の能力を通じてインフルエンザAおよびBウイルスを検出するのにも利用できる。
本発明高分子化合物の生物学的活性および本発明診断法は、双方ともにインフルエンザウイルスノイラミニダーゼの活性部位に特異的に結合し得る、上記高分子体上のリガンドの利用に基づいており、または臨床標本中のインフルエンザウイルスを同定するための結合薬および/または検出薬としてのこの種化合物の官能化誘導体上のリガンドの利用に基づいている。ここえの”ノイラミニダーゼバインダー”なる用語は、以下これら化合物およびそれらの官能化誘導体を指す。本発明方法および化合物は非特異的にインフルエンザウイルスノイラミニダーゼに結合する化合物の存在または不在下のいずれでも機能できる。
好ましい実施態様において本発明は、式(II):
(X−Y)n−M−(Z)m (II)
[式中、Xはスペーサー基Yを介して7位で高分子Mに結合したノイラミニダーゼ結合2,3−デヒドロシアリン酸誘導体(2)であり、Zはこの高分子上の任意の追加的置換基である]
にて表される化合物を提供する。
ノイラミニダーゼ結合部分Xは、式(2)
[式中、スペーサーYはW基に結合し、かつ
Rはアジド基、非置換もしくは置換グアニジノ基、または非置換もしくは置換アミノ基を示し;
R2はCOCH3、COCF3、SO2CH3またはSO2CF3を示し;
WはO(C=O)NH、O(C=S)NH、NH(C=O)NHまたはNH(C=S)NHを表しかつNHを通して基Yに結合しており;
mは0から1000の整数であり;かつ
nは1から1000]の整数である]
にて表されるシアリン酸誘導体である。
スペーサー基Yは炭素、窒素、酸素および硫黄から選択された1000原子までの任意に置換された鎖である。
高分子Mは分子量104から107までの合成もしくは天然ポリマー、蛋白、抗体、または酵素である。
Y基は一般的には高分子Mに共有結合で連結されるが、例えばMがアビジンであり、かつYが末端ビオチン基を有する場合には非共有結合を通じても結合し得る。
第2の任意置換基Zは、2−結合シアリン酸誘導体等の血球凝集素を結び付ける基、またはビオチンもしくは蛍光分子等の検出可能標識として作用し得る基であってよく、または抗体結合ハプテンであってもよい。この任意置換基Zはインフルエンザの検出を可能にするのに使用できるセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)またはアルカリ性ホスフアターゼ(AP)であってもよい。これとは別に、この基ZはNH2、SH、CO2H、CHO、またはCH=CH2等の、一定表面に高分子を結合するのに適した末端官能性(functionality)を有する基であってもよい。
他の好ましい実施態様では本発明は、式(IIA):
(X’−Y)n−M−(Z)m (IIA)
[式中、X’は式(2a)
にて表され、エーテル側腕を通じて連結するノイラミニダーゼ結合シクロヘキセニル誘導体であり、
R、R2、Y、nおよびmは式(2)で定義したものであり、かつ
R1およびW’は一種または2種以上のハロゲン原子またはアルコキシ、ハロアルコキシまたは任意に置換されたアリール基により任意に置換された親油性C1−C12アルキルもしくはアルキレン基である]
にて表されるノイラミニダーゼバインダーを提供する。
適切なスペーサー基Yの例中には、アミノアルキル基、(ポリ)アミノ酸、直鎖ペプチド、オリゴ糖類および多糖類、ポリエチレングリコール単位、およびアミノ−ジアルキル尿素が包含されるが、これらのみには限定されず、これらのいずれもが単独または組み合わせで使用できる。典型的にはスペーサー基Yは高分子M上にアミドもしくはシッフ塩基結合形成に用いる末端アミノ基を有する。
グアニジノもしくはアミノ基Rの適切な置換基の例には、メチル、エチル、アリル、アミノ、シアノまたはニトロが包含される。
適切な高分子体Mの例中には、蛋白、酵素、抗体、ポリアクリル酸およびポリアクリルアミド等の水溶性合成ポリマー、多糖類およびポリアミノ酸が包含される。診断用に特に適する高分子体の例には、ウシ血清アルブミン(BSA)、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アビジン、およびストレプトアビジンもしくはノイトロアビジン(neutravidin)等の関連蛋白、ならびに免疫グロブリンが包含される。
インフルエンザ治療に使用される場合の本発明化合物の使用に特に適する高分子体の例には、多糖類、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリ尿素、ポリ酸、ポリエステル、ポリアミドおよびN−(2−ヒドロキシプロピル)メタアクリルアミド(HMPA)等の各種共重合体等の合成ポリマーが包含され、これらはヒトへの投与に対して安全であることが知られている。当業者においては他の医薬として容認されるポリマーにも気づくはずである。
本発明化合物の好ましい一群はXが式(2)で表されるGG167誘導体である[式中、Rはグアニジン、R2はアセチル、Wは基O(=CO)NH、スペーサーYは6から60の炭素、窒素および酸素原子から作られた鎖である]化合物(II)を含む。
式(II)で表される高分子体はインフルエンザAおよびBノイラミニダーゼの阻害剤であり、抗インフルエンザ活性を有する。かくして本発明の第2の局面では、本発明化合物好ましくは式(II)もしくは式(IIA)の化合物を、または医薬として容認できるそれらの誘導体を、医薬として許容できる担体と共に含む、インフルエンザAまたはインフルエンザB治療のための医薬組成物が提供される。
第3の局面によれば、本発明化合物好ましくは式(II)もしくは式(IIA)の化合物または医薬として容認し得るそれらの誘導体の有効量を、インフルエンザ感染の治療を必要とする哺乳類に投与する工程を包含する、ヒトを含めた哺乳類のインフルエンザ感染の治療方法が提供される。
第4の局面によればインフルエンザウイルス感染の治療薬製造用への本発明化合物の使用、好ましくは式(II)または式(IIA)化合物の使用が提供される。
本発明化合物は他の治療薬例えば他の抗感染剤、特に他の抗ウイルス剤との組み合わせでも使用できる。したがって本発明のさらなる局面では、一種または2種以上の更なる治療活性剤、特に抗ウイルス剤との併用における本発明化合物好ましくは式(II)もしくは式(IIA)の化合物、または医薬として容認し得るそれらの塩もしくはそれらの誘導体を、医薬として容認できる担体と共に含有する医薬組成物が提供される。
本発明の他の局面では、インフルエンザウイルスノイラミニダーゼの活性部位に特異的に結合し得る本発明化合物に、インフルエンザウイルスを含むものと疑がわれる試料を露出する工程を包含する、インフルエンザウイルス検出法が提供される。
本発明方法はインフルエンザAおよびインフルエンザBのすべての型に適用されうる。
インフルエンザ検出の場合、本発明化合物(II)は共有結合または非特異的結合のいずれでも、表面に結合することが可能である。スペーサー基Yは、ノイラミニダーゼ結合単位Xが高分子体Mの表面に露出し、かつウイルス粒子へと接近し得るに十分に長くあるべきである。
インフルエンザ検出の場合の本発明方法は、式(II)化合物を用いた選択的捕獲、これによるウイルスの濃縮、引き続く便利な従来型方法のいずれかを採用するウイルス検出法を利用する;この検出法は固有の選択性を有する必要はない。例えばバインダー(II)は膜もしくはポリマー等の支持材料に付着することができ、したがって試料を支持体を通じてまたは支持体上方に通過させるとウイルス粒子が選択的に捕獲および濃縮される。したがって本発明の好ましい一実施態様では、基Zは表面に結合し得る官能性において終結する。好ましい多くの官能価が業界で知られている。
これとは別に、選択的検出アプローチも採用できる;試料中のウイルス粒子は例えば非特異的に捕獲され、次いでバインダーがウイルス粒子表面のインフルエンザノイラミニダーゼに選択的に付着するような条件下で、検出可能標識Zを含む高分子ノイラミニダーゼバインダー(II)に露出される。この検出可能標識を次いで従来型方法のいずれかを用いて検出する。いくつかの検出システムでは、例えば表面のスポットもしくは線の限られた領域中に試料を集中すると便利である。これは各種の方法で遂行できる;例えば試料をフィルターもしくは他の支持材料上に懸濁もしくは非選択的に捕獲し、次いで上記のような標識バインダーに露出してもよい。
これとは別の他の局面で本発明は、選択捕獲および選択検出の組み合わせを利用して簡単で感受性のインフルエンザウイルスの2段検出法を提供することができる。これは通常のインフルエンザウイルス粒子がウイルス球表面上に広がる約100ノイラミニダーゼ分子を有するという事実を利用したものであり(White, D.0., Curr. Top. Microbiol. Immunol., 1974 63 1-48)、したがって一種以上のバインダーに同時に取り付くことができる。
このように、ノイラミニダーゼバインダー化合物(II)は例えば多孔性膜の一定長さに亙った狭いバンドとして支持体に結合することができる。次いで試験試料を膜の他の端部に施して結合化合物のバンドをわたって流れさせる。試料中のいずれのインフルエンザウイルス粒子もこの膜結合化合物(II)によりトラップされ、かくして狭いバンド中に保持される。試験の第2段階では、他のノイラミニダーゼバインダー(II)に取り付けられた検出可能標識を、結合したインフルエンザウイルス粒子のバンドを横切って膜を通じて流す。インフルエンザウイルスの存在は、結合化合物の部位における膜中の、観察し得る変化により判る。本発明方法および化合物は、とりわけMillerらの米国特許第5418135号公報に記載があるBiostar型光学免疫検定プラットホーム(Biostar Optical Immunoassay)(OAI)を用いて利用するのに適することが意図される。
極めて多数の適切な検出システム、例えばビオチン−ストレプトアビジン、セイヨウワサビペルオキシダーゼもしくはアルカリ性ホスフォターゼ等の酵素システム、蛍光システム、化学発光システム、コロイド金、放射性標識および凝集システムが業界では知られている。本発明化合物(II)で被覆したコロイド金は特に便利な検出可能標識になることが考えられる。同様に、高分子体Mがセイヨウワサビペルオキシダーゼである場合の本発明化合物は、インフルエンザの手近な検出の場合に理想的であることが期待される。当業者においては適切な検出システムを容易に選択し、かつ通常のトライ・アンド・エラー実験を用いて検出条件を容易に最適化できるはずである。
式(II)の本発明化合物および医薬として容認し得るそれらの塩ならびに誘導体は次に記載のような各種方法により調製できる。次に概説した調製方法は本発明の他の局面を形成する。
発明の具体的説明
次の非制限的実施例のみを参照しながら本発明を詳細に説明する。
本発明化合物の例中には式(3)の化合物が包含され、式中Mは次の表1に掲げた蛋白の一つである。
本発明化合物のさらなる例中には式(4)の化合物が包含され、式中Mは蛋白アビジンであり、これは基X−Yに非共有結合で結び付き、また下表2に掲げたリガンドZに共有結合で結び付けられている。
Mが合成ポリマーである場合の本発明化合物のさらなる例中には、下表3に示すような式(5)の化合物が包含され、ここでのシアリン酸基(2)上の置換基はR2=Ac、R=グアニジンおよびWはOCONHである。
Mがデキストラン骨格(分子量500,000)である場合の本発明化合物のさらなる例中には、表4に示すような式(6)で表される化合物が包含され、ここでのノイラミニダーゼ結合基(2)上の置換基はR2=Ac、R=グアニジンおよびWはOCONHである。式(6)中の整数n、mおよびpはデキストラン骨格中のグルコース単位の百分率を与え、このグルコース単位は特定基により置換され、すなわちn、mおよびpの合計が100にならない場合の残部デキストラン骨格は非置換グルコース単位からなる。このデキストラン骨格の各単位に結び付く各種リガンドに対して3つの可能な結合点があることにも注目すべきである。
本発明化合物のさらなる例中には高分子Mがデキストランまたはポリアクリル酸骨格である場合の化合物が包含され、ここでのシアリン酸基(2)上での置換基はR2=Ac、R=グアニジンおよびWはOCONHであり、かつこの場合の追加置換基Zは例えばベンジル基、ビオチン分子またはフルオレセイン含有基である。
ここでの治療についての言及は確定した感染症または症状の治療はもとより、予防にも及ぶことを当業者は認識するはずである。治療は感染に先立ち、または感染時に開始し、ウイルスが最早呼吸管に存在しなくなるまで継続するのが好ましい。本発明化合物の適切な用量は一般的には0.1から100mg/kg/日の範囲、好ましくは0.2から20mg/kg/日の範囲である。
適切な治療を日に1−4回行い、感染後3−7日間継続する。望ましい用量は1回で投与するか、または適宜の間隔を置いて分割投与してもよい。
治療薬として用いる場合、本発明化合物は原料化学物質として与えることもできるが、医薬処方として活性成分を与えるのが一般的には好ましい。したがって本発明は、一種または2種以上の医薬として容認できる担体、および任意に他の治療用および/または予防用薬剤との併用における、式(II)の化合物または容認し得るその塩もしくは誘導体を含む医薬用処方を提供する。医薬用処方中には、経口、鼻腔もしくは局所投与、または呼吸管中への吸入もしくは吹き込みに適する形状が包含される。適当な場合の上記処方は別個の投薬単位で便利に提供でき、また薬剤業界で周知のいずれの方法によっても調製できる。
一般的には本発明化合物は、溶液もしくは懸濁物もしくは乾燥粉末の形態で投与できる。本発明方法に従って呼吸管へ投与する際には、上記ノイラミニダーゼ阻害剤は、呼吸管への投与の場合に当分野で採用するいずれかの方法および処方により投与できる。
溶液および懸濁物は一般的には水性であり、例えば水単独または水および生理学的に容認される共溶媒(例えばエタノール、プロピレングリコール、peg400等のポリエチレングリコール)から調製される。かかる溶液もしくは懸濁液は、他の賦形剤例えば保存料(塩化ベンザルコニウムなど)、溶解剤/界面活性剤(ポリソルベート(例えばTween 80)等)、緩衝剤、等張力調整剤(例えば塩化ナトリウム)、吸収増進剤および粘度増進剤を追加的に含有できる。懸濁物は懸濁剤(例えば微晶質セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース)を追加的に含有してもよい。
溶液または懸濁物は在来型手段、例えばドロッパー、ピペットまたはスプレー使用の手段で鼻腔に施す。処方は1回服用または多重服用形で提供できる。スプレーは例えば計量型噴霧スプレーポンプの手段により遂行できる。呼吸管中への投与もエーロゾル処方の手段で遂行でき、この場合の化合物はクロロフルオロカーボン(CFC)または他の適当な気体等の適切な推進剤を用いた加圧パック中に提供される。
別法として上記化合物は乾燥粉末の形態、例えばラクトース、澱粉、澱粉誘導体およびポリビニルピロリドン等適切な基剤中における上記化合物の粉末混合物のミックス形態で提供されてもよい。結果的には上記粉末は鼻腔中でゲルを形成するはずである。鼻腔内投与を包含する呼吸管への投与を意図した処方では、一般には上記化合物は例えば5ミクロン程度またはそれ未満の小粒子径を有している。かかる粒子径は業界既知の手法で得られる。
本発明化合物は数工程で調製され、第1部は一般に式X−Y(式中XおよびYは上記したと同じ)で表されるノイラミニダーゼ結合シアリン酸誘導体の合成である。
7位に適切な官能性を有するシアリン酸誘導体(2)の合成法は英国特許出願第9516276.4号および国際特許出願PCT/AU 97/00190号公報に記載がある。
適切なシアリン酸誘導体X−Yの例を下表5に示すが、式中R2、RおよびWは上記したように部分X上の置換基である。
本発明化合物の調製のための第2の部分は、高分子Mにノイラミニダーゼ結合単位X−Yを結び付ける工程を包含する。蛋白型の高分子Mに単位X−Yを共有結合で取り付ける場合の複合化は、周知の標準クロスカップリング法(例えばS. S. Wongの”Chemistry of Protein Conjugation and Cross-Linking”CRC Press, 1991; G. T. Hermansonの”Bioconjugate Techniques”Academic Press, 1996)を用いて一般的に実施できる。
合成ポリマーの場合は、適切な活性化された置換基を有する予備形成ポリマー骨格に単位X−Yを付け足してもよい。例えば基Yが末端アミノ官能性を有するならば、これはポリアクリレート骨格上の活性化されたエステル置換基と反応できる。これとは別に、末端オレフイン等の適切な重合可能置換基を有する単位X−Yは重合または好ましくは他のオレフインと共重合して、高分子骨格を形成し得る。例えば(R. RoyのTrends in Glycoscience and Glycotechnology, 1996 8 79-99; N. V. BovinおよびH. J. GabiusらのChem. Soc. Reviews., 1995 413参照)。
実施例1 GG167−ウシ血清アルブミン−ビオチン複合体(3a)の調製
(a) 5−アセトアミド−7−(6’−(6”−アミノカプロイル)アミノヘキシル)−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(enopyranosonoic acid)(2b)(7−(6−アミノカプロイル)アミノ−ヘキシルカルバモオイルオキシ−GG167)の調製。
アセトン(2.5ml)、水(100μl)、N−メチルモルホリン(4μl、36μmol)およびトリエチルアミン(21μl、147μmol)の混合物中に6−(t−ブチルオキシカルボニルアミノ)カプロン酸(34mg、147μmol)を溶解した。この溶液を−12℃に冷却し、次いでイソブチルクロロホルメート(21μl、161μmol)を添加した。この溶液を12分間撹拌した。
トリエチルアミン(40μl、287μmol)を含む水/アセトン(1:1、2ml)中にメチル5−アセトアミド−7−(6’−アミノヘキシル)−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−8,9−モノカルボニルジオキシ−2,3,4,5−テトラデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソネートトリフルオロ酢酸塩(79mg、92μmol)を溶解した。この塩基性溶液を0℃に冷却し、前記反応混合物中に一度に添加した。この混合物を室温まで温め、4時間撹拌した。
減圧下に溶媒を除去した。粗生成物をメタノール/水(1:1、4ml)中に取り上げ、次いでトリエチルアミン(1ml)を加えた。アルゴン中、溶液を一夜撹拌した。溶媒を回転蒸発器で除き、残渣をメタノール中に溶解し、シリカゲル(1.5g)上に吸着させた。酢酸エチル/イソプロパノール/水(100/75/25)を用いて溶離するシリカゲル(10g)上でのクロマトグラフイーにかけると、生成物(53mg、77μmol、84%)を与えた。
1H n.m.r.(CD3OD, 200 MHz)δ5.67 (d, J 2.6 Hz, 1H); 5.03 (m, 1H); 4.62 (m, 1H); 4.49 (m, 1H); 4.23 (m, 1H); 4.12 (m, 1H); 3.77 (m, 1H); 3.62 (m, 1H); 3.12(m, 6H); 2.22 (t, J 8Hz, 2H); 2.0 (s, 3H); 1.5 (m, 23H).
t−Boc保護糖を酢酸エチル/トルエン中に溶解し、蒸発・乾燥させた。この物質をトリフルオロ酢酸(3ml)中に溶解し、アルゴン雰囲気中、室温で1時間撹拌した。減圧下に溶媒を除き、残りのトリフルオロ酢酸を先ずジクロロメタン、次いで3回分の水/メタノールを用いた共蒸発により除去した。次いで試料を水中に溶解し、濾過し、凍結乾燥するとtris TFA塩としての生成物(141mg、152μmol)を与えた。
質量スペクトル(FAB):588(M+1)
1H n.m.r.(CD3OD, 300 MHz)δ5.92 (d, J 2.6 Hz, 1H); 5.01 (m, 1H); 4.60 (dd, J 10, 3 Hz, 1H); 4.44 (dd, 9, 3 Hz, 1H); 4.23 (m, 1H); 4.05 (m, 1H); 3.67 (dd, 13, 4 Hz, 1H); 3.52 (dd, 13, 7 Hz, 1H); 3.16 (m, 5H); 2.96 (t, 8Hz, 2H); 2.25 (t, 8Hz, 2H); 2.00 (s, 3H); 1.7-1.3 (m, 14H).
(b) GG167誘導体(2b)およびウシ血清アルブミン−(6−アミノカプロイルビオチン)8間の複合体の調製
蛋白カップリング緩衝液:0.1N NaHCO3/0.2M NaCl
透析緩衝液:20mM KH2PO4/0.15M NaCl、pH6.5
BSA−(カプロイル−ビオチン)8(3mg、43nmol、Pierce)を上記カップリング緩衝液(7.5ml)中に溶解し、30分間緩やかに撹拌した。
Bis-(N−ヒドロキシスルホスクシン酸イミド)スベレート(suberate)(12mg、21μmol Pierce)をカップリング緩衝液(1ml)中に溶解し、カップリング緩衝液(1.5ml)中で実施例1(a)(19.5mg、21μmol)からの化合物(2b)の塩基性溶液に直接添加した。7.5分間撹拌して反応を進行させた。誘導されたGG167溶液中に次いでBSA−ビオチン溶液を適下し、混合物を室温で1.5時間撹拌した。この溶液を凍結乾燥し、水(3.0ml)中に溶解し、透析緩衝液(3×1.5L、セルロースチユーブ、12,000MWカットオフ)に対して透析した。
混合物を凍結乾燥し,水(2.5ml)中に取り上げ、PD−10カラム(Pharmacia)上で脱塩し、次いで凍結乾燥すると生成物(3a)(2.5mg)を与えた。
糖取り込み(蛋白分子当り30GG167単位)の算定はグアニジン基に対する比色分析アッセイに準拠した(Sakaguchi反応、Can. J. Chem., 1958 36 1541参照)。
実施例2 ウシ血清γグロブリン−(6−アミノカプロイルビオチン) 18 −(GG167−7−カルバメート−1,6−ジアミノヘキサン−6−アミノカプロン酸アミド−スベリン酸アミド) 60 (3b)の調製
ウシγグロブリン(3mg、20nmol、Sigma)をカップリング緩衝液(1ml)中に溶解し、30分間撹拌した。
カップリング緩衝液中のN−ヒドロキシスルホスクシンイミジル−N−ビオチニル−6−アミノカプロエート(1.8mM、280μl、0.5μmol)をこの蛋白溶液中に加え、室温で1時間撹拌して反応させた。
次いで反応混合物をカップリング緩衝液で7.5mlに希釈し、実施例1(b)と同一条件下に実施例1(a)からのGG167−7−カルバメート−1,6−ジアミノヘキサン−6−アミノカプロン酸アミドおよびビス(n−ヒドロキシスルホスクシンイミジル)スベレートと反応させた。
凍結乾燥させたγ−グロブリン複合体(3b)の収量は2.5mgであった。
実施例3 化合物2cとセイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)との間の複合体3fの調製
よく確立した過ヨウ素酸酸化法(例えばG.T. Hermansonの”Bioconjugate Techniques”Academic Press, 1996 472参照)に従って化合物2cをHRPに結合させて化合物3fを得た。
HRP(IV−A型、Sigma Aldrich P-6782、5mg、114nmol)を酢酸ナトリウム/塩化ナトリウム緩衝液(5mM/150mM、pH4.5、500μl)中に溶解した。新しく調製した過ヨウ素酸ナトリウム溶液(酢酸ナトリウム/塩化ナトリウム緩衝溶液中88mM、50μl、4.4mmol)をこれに添加し、次いで暗室温中20分放置して反応させた。この混合物を、予め酢酸ナトリウム緩衝液(5mM、pH4.5)を用いて予備的に平衡させたPD−10カラム(Pharmacia Biotech, Sephadex G-25)を用いたクロマトグラフイーにかけ、溶離物を凍結乾燥した。
化合物2c(3.9mg、3.75μmol)を含む炭酸ナトリウム緩衝液(0.2M、pH9.5、1ml)中に、酸化されたHRPを4℃で溶解し、4℃で一夜放置して反応させた。ナトリウムシアノボロハイドライド(1N NaOH中5M、10μl、50μmol)を添加し、4℃で一夜放置して反応させた。エタノールアミン溶液(1M、pH9.5、50μl、50μmol)を添加し、室温で30分間放置して反応させ、次いで蒸留水で予め平衡化したPD−10カラムを用いてクロマトグラフイーにかけた。溶離物を凍結乾燥すると、薄褐色粉末としてのHRP−化合物2c複合体を与えた。
実施例4 蛋白−GG167複合体3c、3dおよび3g−3jの調製
化合物3c、3dおよび3g−3jは、ビス(N−ヒドロキシスルホスクシンイミド)スベレートを用いて化合物2cまたは2gのいずれかを用いて適当な蛋白を結合し、次いで実施例1の(b)項記載と同一方法により調製した。
実施例5 アビジンおよびGG167−ビオチン複合体間のビオチニル化複合体(4d)の調製
(a) Boc−保護テトラ(6−アミノカプロン酸)を用い、実施例1に記載したと類似の方法に従って、5−アセトアミド−7−(6’−(6”−(6’”−ビオチニルアミノカプロイル)−トリアミノカプロイル)アミノヘキシル)−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−2,3,4,5−テトラデオキシ−D−グリセロ−D−ガラクト−ノン−2−エノピラノソン酸(2e)を調製した。
(b) 水(500μl)中の化合物(2e)(0.5mg、0.434μmol)の溶液中にアビジン(3mg、0.0445μmol)を室温で2時間かけて溶解した。スルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド−カプロイルアミノ−ビオチン(Pierce #21335)(1000μg、1.798μmol)および炭酸水素ナトリウム(1000μg、11.9μmol)の水(240μl)溶液を上記生成溶液中に加えた。全混合物を室温で45分間放置し、次いで透析管(分子量カットオフ12,000)中に置いた。各場合45分の浸漬時間で50mM NaHCO3溶液(4×250ml)および水(8×250ml)に対して引き続いて管を透析した。室温で一夜、水(500ml)に対して最終的に管を透析した。透析管からの生成溶液のpHを炭酸水素ナトリウムを用いて6.5−7.0に調整し、次いで凍結乾燥すると標題複合体(4c)(3mg、89%)が白色固体として得られた。この複合体は四つのアビジン結合部位を介して結合した四つのGG167−ビオチシン分子、および次いで約8から10の共有結合ビオチンリガンドで置換されたアビジン骨格を含む。この複合体の図式を図1に示し、ここでAはアビジン、Bはビオチン、およびSはGG167糖分子を示す。
実施例6 各種GG167−リガンドで置換されたポリアクリルアミド(5a)−(5e)の調製
(a) Ferrutiらの記載(Polymer, 1972, 13, 462頁)に従って(N−(アクリロイルオキシ)スクシンイミドからポリ(N−(アクリロイルオキシ)スクシンイミド)(pNAS)を調製した。このpNASの1Hn.m.r.スペクトルおよび赤外スペクトルは文献中に以前に報告されたものと矛盾しなかった。このpNASバッチの試料を濃アンモニアで数時間室温処理してポリアクリルアミドに転化したところ、透析ポリアクリルアミドの分子量は粘度測定を用いて約50,000であることが判った。
(b) 化合物(5c)の場合について次に輪郭を示した一般的方法に従って、ポリアクリルアミド(5a)−(5e)を取り込んだ各種GG167誘導体をpNASの一バッチから調製した。
化合物(2f)(3.8mg、6.2μmol)のDMF(0.5ml)溶液中にpNAS(10mg、NASの59μmol)のジメチルホルムアミド(DMF、0.5ml)溶液中を撹拌しながら室温で添加した。トリエチルアミン(10μl、70μmol)を添加し、この透明溶液を室温で一夜撹拌し、次いで65℃で5時間加熱し、室温で再度一夜撹拌した。希釈アンモニア水溶液(6ml、3%溶液)を反応混合物に加え、透明溶液を室温で24時間放置した。減圧下に反応混合物を蒸発・乾固し、残渣を水(3ml)中に溶解し、透析管(MWカットオフ12,000)中に置き、水(500ml、pH6)に対して24時間透析した。この溶液を凍結乾燥すると白色固体(5mg)としてのGG167含有ポリアクリルアミド(5c)を与えた。1Hn.m.r.スペクトル(300MHz)は次の広い信号を示した:(D2O)δ5.7, 4.4-4.6, 4.1, 3.3-3.7, 3.0, 2.0-2.5, 1.9, 1.1-1.8。上記ポリマーおよびスペーサー鎖(δ1.0-3.2、1.9におけるN−アセチルピークを引いた)の場合の積算(integral)をシアリン酸プロトン(δ5.7-3.2)の場合の積算と比較すると、GG167単位の取り込みの程度は約10%であると見積もられた。
実施例7 GG167リガンドおよびビオチンリガンド両方を有するポリアクリルアミド51の調製
pNAS(170mg、1mmolのNAS)(MW約50,000)のDMF(3ml)溶液を室温で撹拌し、化合物2a(TFA塩、30mg、50μmol)およびN−6−アミノヘキシル−ビオチンアミド(7mg、20μmol)のDMF(2ml)溶液を添加した。トリエチルアミン(5μl)を加え、反応混合物を20°で24時間撹拌した。希釈アンモニア(20ml、50%)をこの混合物中に加え、さらに24時間撹拌した。反応混合物を蒸発・乾燥し、残渣を水(10ml)に溶解し、2日間水中で透析(1×4リットル、MWカットオフ12,000のチューブ)した。Sakaguchiグアニジン色試験では、管中に残留した液体から陽性結果が得られたが、最終透析水の濃縮試料からは得られなかった。透析管からの液体を凍結乾燥させるとクリーム綿毛様固体(71mg)としての51を与えた。ポリマー上のリガンドの程度はNMR積算により推定したが、出発アミンのほぼ完全な取り込みとは矛盾しなかった。
実施例8 GG167含有ポリアクリルアミド5i、5k、5mおび5nの調製
GG167誘導体(2aまたは2c)、およびベンジルアミン、N−6−アミノヘキシル−フルオレセインまたはアミノエタンチオールのいずれかの適当な混合物とpNASとを実施例7記載と類似の手法に従って反応させ、化合物5i、5k、5mおび5nのそれぞれを調製した。化合物5iおよび5k(および化合物5hおよび5j)の調製に対しては、一層高分子量(>200Kd)のpNASを使用した。
実施例9 多重GG167(7−オキシカルバモイルヘキシルアミノカルボニルオキシ−4−グアニジノ−ノイ(Neu)5Ac2エン(en))(3.5mol%)およびN−ベンジルカルバモイルオキシ(16.8mol%)置換基を有するデキストラン(MW500kDa)の調製
デキストラン(MW500,000)[100mg、0.617mmol(単位MW162基準)]のDMSO(5ml)溶液中にp−ニトロフエニルクロロホルメート(510mg、2.53mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(309mg、2.53mmol)を加えた。先ず室温で1時間、次いで35−40℃で3時間、この混合物をアルゴン雰囲気中で撹拌した。ピリジン(5ml)中のベンジルアミン(12.5mg、0.117mmol)および4−ジメチルチルアミノピリジン(40mg、0.327mmol)の溶液と上記生成溶液とを併合した。アルゴン雰囲気下に反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで高減圧下に蒸発・乾固させた。残渣を2%炭酸カリウム溶液(25ml)中で50℃で3時間撹拌し、透明溶液を生成させ、次いでこの溶液のpHを3M HClで7に調製した。生成溶液を室温で3日間、水に対して透析し、凍結乾燥すると1Hn.m.r.(D2O)で示されるオキシカルバモイルメチレンベンゼン16.8モル%を含む白色固体としてのベンジル化デキストラン(95mg、83.4%)を与えた。
ベンジル化デキストラン(5mg、0.027mmol)のDMSO(0.25ml)溶液中にp−ニトロフエニルクロロホルメート(12.8mg、0.063mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(7.8mg、0.063mmol)を加えた。この溶液をアルゴン下に室温で1時間、次いで35−40℃で3時間撹拌した。その後、これをピリジン(0.25ml)およびDMSO(0.25ml)の混合物中の化合物2a(0.5mg、0.00105mmol)溶液と併合した。反応混合物を室温で16時間撹拌し、次いで高減圧下に蒸発・乾燥させた。残渣を1%炭酸カリウム溶液(5ml)中で激しく4.5時間撹拌すると透明溶液が得られた。次いで溶液のpHを3M HClで7.5に調整し、室温で24時間水に対して透析し、最後に凍結乾燥すると白色固体としての標題ポリマー(4.5mg、82%)を与えた。1H−n.m.r.(D2O)によれば、担体の100グルコース単位当り化合物2aの3.5分子およびベンジルアミンの16.8分子を保持するポリマーであることを示した。このポリマーのMWは623KDaと見積もられ、7−アミノヘキシルアミノカルボニルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンの1単位に対する平均分子量は5770であった。
実施例10 多価GG167(7−オキシアセトアミドヘキシルアミノカルボニルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン)(3モル%)、N−ベンジルアセトアミド−2−オキシ(17モル%)および2−オキシアセテート(20%)のデキストラン/500KDa上での調製
氷浴中のデキストラン(MW500,000)[50mg、0.308mmol(単位MW162基準)水(0.3ml)溶液中に水酸化カリウム(138mg、2.46mmol)水(0.1ml)溶液を加えた。この混合物を0−5℃で20分間撹拌し、次いでクロロ酢酸(102mg、1.07mmol)を添加した。生成混合物を70−80℃で20分間、次いで室温で2時間撹拌した。反応混合物をメタノール(25ml)で希釈し、濾過により白色沈殿を捕集し、新鮮なメタノール(25ml)で完全に洗浄し、乾燥した。全操作をさらに一度繰り返すと、タイトレーションで決定されるように約40モル%のオキシ酢酸カリウム塩を含む白色固体としての生成物を与える。
この酢酸ポリマー(10mg、0.05mmol)水(0.4ml)溶液中に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(16mg、0.08mmol)およびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド(17.4mg、0.08mmol)を加えた。混合物を室温で20分撹拌し、次いでベンジルアミン(12.8mg,0.118mmol)のメタノール(0.2ml)溶液を併合した。生成混合物を室温で3時間撹拌し、減圧下に濃縮して乾燥させた。残渣をNaHCO3(50mg)含有水(10ml)中で50℃で撹拌して透明溶液を生成させ、この溶液を3日間水に対して透析し、凍結乾燥すると1Hn.m.r.で示されるように17モル%オキシアセトアミドメチレンベンゼンを含む白色固体としての生成物(9mg、86%)を与えた。
このポリマー(5mg、0.0239mmol)の水(0.2ml)溶液中に、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド・塩酸塩(8mg、0.04mmol)およびスルホ−N−ヒドロキシスクシンイミド(8.7mg、0.04mmol)を添加した。混合物を室温で20分間撹拌し、次いでピリジン(0.1ml)中の化合物2a(1mg、0.0021mmol)および4−ジメチルアミノピリジン(3mg、0.024mmol)の溶液と併合した。反応混合物を室温で3時間撹拌し、次いで蒸発・乾固させた。残渣を1%NaHCO3溶液(5ml)中で撹拌し、透明溶液を形成させた。水中での24時間の透析後、溶液を凍結乾燥すると白色固体としての標題ポリマーが得られた(4.5g、84%)。
酸タイトレーションおよび1H−n.m.r.(D2O)によれば、担体の100グルコース単位当りベンジルアミン17モル%、GG167(7−アミノヘキシルアミノカルボニルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン)3モル%、および酢酸塩20モル%を上記ポリマーが保有することを示した。このポリマーのMWは683KDaであり、一つの重合体7−アミノ−ヘキシルアミノ−カルボニルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンに対する平均MWは7420と見積もられた。
実施例11 重合体多価7−{6’−{6”−[6’”−(6””−(6’””−アミノカプロイル)−アミノカプロイル)−アミノカプロイル]−アミノカプロイル}−アミノヘキシル}−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン(14モル%)の酸化デキストラン/500kDa上での調製
水(0.4ml)中のデキストラン(MW500,000)[20mg、0.123mmol(単位MW162基準)]溶液中に、氷浴温度で過ヨウ素酸ナトリウム(15.6mg、0.073mmol)水(0.4ml)溶液を滴下した。反応混合物を5℃で2時間、次いで室温で2時間撹拌した。生成混合物を水(1.2ml)で希釈し、Sephadex G-25(10ml)カラムを通過させた。カラムを水(3ml)で溶離した。溶出液を凍結乾燥すると白色固体としての部分酸化デキストラン(18mg、90%)を与えた。
上記酸化デキストラン(3mg、0.018mmol)水(0.6ml)溶液中に、炭酸水素ナトリウム(15mg、0.178mmol)および化合物2c・TFA塩(6mg、0.0057mmol)を加えた。全混合物を室温で1時間攪拌し次いで氷浴温度で撹拌した。ナトリウムシアノボロヒドリド(100mg、1.59mmol)をこの冷混合物中に分割添加した。氷浴温度で反応混合物を1時間撹拌、5℃で16時間放置し、次いでナトリウムシアノボロヒドリド(100mg、1.59mmol)でさらに処理し、5℃で1時間、室温で2時間撹拌し、最後に水に対して24時間透析し、凍結乾燥すると白色固体としての標題ポリマー(3mg)を与えた。
1H−n.m.r.(D2O)によれば、部分酸化デキストラン分子当り7−{6’−{6”−[6’”−(6””−(6’””−アミノカプロイル)−アミノカプロイル)−アミノカプロイル]−アミノカプロイル}−アミノヘキシル}−カルバモイル−オキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン(化合物2c)約430分子を上記ポリマーが保有することを示した。したがって上記ポリマーのMWは860KDaと見積もられ、4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンの各単位に対する平均MWは2,000と見積もられた。
実施例12 重合体多価7−スベラモイル−ヘキシル−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン(5モル%)のポリリシン/70−150kDa上での調製
7−アミノヘキシル−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン(化合物2a、6.4mg、0.0135mmol)およびジスクシンイミジルスベレート(5mg、0.0135mmol)のピリジン(0.1ml)とDMF(0.1ml)混合物中の溶液を30℃で3時間撹拌し、高減圧下に蒸発乾燥した。残渣をエーテル(10ml×3)中に取り上げ、乾燥し活性化エステルを得た。次いでこれを水(0.4ml)、DMSO(0.25ml)、DMF(0.6ml)、およびピリジン(0.4ml)の混合物中のポリリシン・HBr塩(MW70,000−150,000)(10mg、0.0485mmol)溶液と併合した。生成混合物を室温で10時間撹拌し、次いで水に対して72時間透析した。透析物を水(10ml)で希釈し、50℃に加熱し、次いで濾過した。濾液を凍結乾燥すると白色固体としての標題ポリマー(5mg)を与えた。
1H−nmr(D2O)によれば、担体の100リシン単位当り7−スベラモイル−ヘキシルカルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンの5分子を上記ポリマーが保有していることを示した。したがって一つの重合体4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンに対する平均分子量は5140であった。
実施例13 重合体多価7−{2’−[2”−(2”’−アミノエトキシ)−エトキシ]−エチル}−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン(3.2モル%)のポリグルタミン酸/50〜100kDa上での調製
1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(9.6mg、0.050mmol)およびN−ヒドロキシスルホスクシンイミド(10.9mg、0.050mmol)をポリグルタミン酸ナトリウム塩(MW50,000〜100,000)(10mg、0.0657mmol)水(0.6ml)溶液中に添加した。混合物を室温で25分間撹拌し、次いで水(0.1ml)およびピリジン(0.1ml)中の7−{2’−[2”−(2”’−アミノエトキシ)−エトキシ]−エチル}−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エン・TFA塩(化合物2d、4.1mg、0.0081mmol)溶液と併合した。生成混合物を室温で2時間撹拌し、次いで水に対して3日間透析し、最後に凍結乾燥すると白色固体としての標題ポリマー(9.5mg)を与えた。
1H−nmr(D2O)によれば、担体の100グルタミン酸単位当り7−{2’−[2”−(2”’−アミノエトキシ)−エトキシ]−エチル}−カルバモイルオキシ−4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンの3.2分子を上記ポリマーが保有していることを示した。一つの重合体4−グアニジノ−ノイ5Ac2エンに対する平均分子量は5250であった。
実施例14 化合物2cおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼと複合化したN−ヒドロキシエチルポリアクリルアミドの調製
DMF(1ml)中のpNAS(実施例6のb項参照)(20mg、0.118mmolのNAS)溶液中に化合物(2c)TFA塩(6mg、0.0057mmol)を添加した。トリエチルアミン(20μl)をこの透明溶液に加え、室温で3日間撹拌した。上記反応混合物の半分を水(4ml)中のセイヨウワサビペルオキシダーゼ(17mg)溶液に加え、混合物を数日間4℃で放置した。エタノールアミン(10%水溶液の0.5ml)をこの混合物中に加え、残部のポリアクリレート活性化エステルを冷却した。2時間後に反応混合物を水に対して3日間透析し、次いで透析物を凍結乾燥すると綿毛状の淡褐色粉末としての重合複合体を与えた。
実施例15 インフルエンザウイルスノイラミニダーゼへの本発明化合物の結合の測定
2種のインフルエンザAウイルスおよび一種のインフルエンザBウイルスを試験に用いて全ウイルスインフルエンザノイラミニダーゼへの上記化合物の結合能力を試験した。インフルエンザAのreassortantsはA/NWS/34−tern/Australia/G70C/75(H1 N9)またはA/NWS/Tokyo/3/67/H1 H2のいずれかであり、インフルエンザB株はB/Victoria/02/87であった。文献記載の手法(Potier, M.らのAnal. Biochem., 1979 94 287)に従ってノイラミニダーゼアッセイを行い、測定した阻害定数(IC50)を表6に要約する。
この高分子に対する阻害定数は、付着GG167誘導体の単位当りの分子量、例えばアクリルアミド単位の10%に結合したGG167由来分子を有するポリアクリルアミド5cの単位当りの分子量に基づいて計算したが、分子量1293であると決定された。
実施例16 化合物No.4dを用いたELISA板上でのインフルエンザウイルスの検出
リン酸緩衝食塩水(PBS)中のNWS/G70CインフルエンザAウイルス約1×108pfu/mlのウイルス溶液(50μl)を96−ウエルELISA(Dynatech)板のウエル中に直接加え、4℃で一夜放置してウイルスを結合させた。洗浄後、板を標準法に従ってPBS−Tween20を用いてブロックし、次いで化合物No.4dの連続希薄液をGG167単位の1μM濃度から始めて10-10Mへと低下させてELISA板列の一つに加えた。対照として、ビオチン化モノクローナル抗ノイラミニダーゼNC10抗体(L. C. Gruen, J. Immunological Methods, 1994 168 91)の連続希釈液をELISA板の他の列に加えた。1時間保温後、この板を洗浄して未結合化合物を除き、次いで色素原物質としてABTS(Sigma)および約30分保温を用いてストレプトアビジン−HRPO(Boehringer-Mannheim)を用いてウイルスを検出した。
約10-9Mを上回る化合物No.4dの濃度はウイルスの検出を許容し、かつ化合物濃度の増加と並行して一層強度が高められた信号が観察された。このようにウエル当り約5×106ウイルス粒子が化合物No.4dを用いて容易に検出できた。ビオチン化抗体対照は類似レベルの信号を与えた。
実施例17 インフルエンザウイルスと化合物No.3aとの間の複合体の捕獲と検出
GG167−ビオチン誘導体を用いてウイルス粒子を被覆するために、NWS/G70CインフルエンザAウイルス(1×108pfu/ml)の溶液10μlをELISA板の別個の列のウエル中に各種濃度の化合物3aを用いて1時間予備保温した。1μM濃度のGG167単位から始めて0.00001μMまでの化合物No.3aの半log10希釈液を用いた。次いで予めアビジンで被覆したELISA板へウイルス−化合物複合体を移し、1時間保温して捕獲させた。この板をPBS−Tween20中で洗浄し、捕獲ウイルスを標準手法に従ってウイルス血球凝集素に対するポリクローナルウサギ抗体を用いて検出した。
化合物No.3aを0.1μM濃度で用いた場合に最良の結果が得られ、106pfuでのウイルスの検出を明らかに可能にした。一層の高濃度におけるこの化合物は、遊離の化合物No.3aがアビジン部位の幾らかを多分ブロックするために、この信号は弱くなるが、一方、全てのウイルス粒子に完全に結合するには不十分な化合物の存在に多分起因して、一層の低濃度(<0.001μM)では検出信号は同様に弱くなる。
実施例18 ストレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼを用いたインフルエンザウイルス−GG167−蛋白−ビオチン複合体の直接検出
実施例17の記載と同じ手法に従い化合物4dを用い、抗赤血球凝集素抗体の代わりに、ストレプトアビジン−セイヨウワサビペルオキシダーゼを用いた結合ウイルスの直接検出を同様に観察した。
実施例19 本発明高分子体によるインフルエンザ血球凝集阻止
文献記録(例えばJ. Amer. Chem. Soc., 1997, 119 4103およびその引例参照)の標準法に従って、インフルエンザ株X−31(H3 N2)、G70CおよびTokyo Aの血球凝集阻止(HAI)能力を試験した。マイクロタイター板12ウエルにわたって2倍連続希釈したPBS中の重合体GG167複合体の溶液を用いて上記HAIアッセイを遂行した。PBS中4HA単位に希釈したウイルス懸濁液をウエル中に加えた。4℃で2時間後、チキン赤血球の0.5%懸濁液を各ウエルに加えた。4℃で1時間後、赤血球の凝集を妨げた阻害剤の最低濃度を測定した。結果を表7に要約する。
実施例20 本発明高分子体によるインフルエンザウイルス複製の抑制
文献(例えばWatanabeらのJ. Virological Methods, 1994, 48, 257)記載の標準法に従って、インフルエンザAウイルスの複製抑制能力を試験した。このアッセイはMDCK細胞を用いて行い、結果を表8に示す。半対数曲線フィッティングの場合の回帰分析プログラムを用いて計算した、細胞変性効果を50%[ID50(μg/ml)]により抑制する最低化合物濃度としての結果を示す。結果によれば、高分子に付着したGG167誘導体を有する全ての高分子体は、それら自体の非置換骨格よりもインフルエンザウイルスに対して一層活性であることを示す。この結果はまた、重合体化合物の多くが単純単量体リガンド(化合物2c)よりも一層活性であり、GG167単位のモル濃度基準で計算した場合には特にそうであることを示す。各化合物の治療指数は最低細胞毒薬剤濃度(MTC)をID50で除して計算した。
明確さおよび理解の目的で本発明の詳細について記載してきたが、ここに記載の実施態様と方法について本明細書記載の発明概念範囲から逸脱すること無く各種の修飾および変更をなし得るであろうことは当業者には明瞭なはずである。
本明細書において文献を掲げたが、この引用によりこれらの文献を本明細書中に包含する。
Claims (25)
- 高分子の骨格による立体障害をシアリン酸誘導体が受けないようにスペーサーもしくはリンカー基を介してシアリン酸誘導体が上記高分子に結合してなる、請求項1記載の高分子化合物。
- シアリン酸誘導体が阻害定数(IC50)10-6M以下でインフルエンザウイルスノイラミニダーゼを阻害する、請求項1または2記載の高分子化合物。
- 次式(II):
(X−Y)n−M−(Z)m (II)
[式中、Xはスペーサー基Yを介して7位で高分子Mに連結しているノイラミニダーゼ結合2,3−デヒドロシアリン酸誘導体(2)
であり、かつZは高分子上の任意の追加的置換基であり、
スペーサーYはW基に結合し、かつ
Rはアジド基、非置換もしくは置換グアニジン基、または非置換もしくは置換アミノ基を示し;
R2はCOCH3、COCF3、SO2CH3またはSO2CF3を示し;
WはO(C=O)NH、O(C=S)NH、NH(C=O)NHまたはNH(C=S)NHを表しかつNHを通じて基Yに結合しており;
mは0から1000の整数であり;かつ
nは1から1000の整数であり、このスペーサー基Yは炭素、窒素、酸素および硫黄から選択された1000原子までの、任意に置換された鎖であり;
高分子Mは共有結合もしくは非共有結合でスペーサー基Yに連結した、分子量104から107までの合成もしくは天然ポリマー、蛋白、抗体または酵素である]
にて表される、請求項1から3のいずれか一項記載の高分子化合物。 - Zが、血球凝集素を結合する2−結合シアリン酸誘導体である、請求項5記載の高分子化合物。
- Zが、ビオチンまたは蛍光分子である、請求項5記載の高分子化合物。
- Zがセイヨウワサビ(HRP)またはアルカリホスファターゼ(AP)から選択される、検出アッセイに使用するのに適した酵素である、請求項5記載の高分子化合物。
- ZがNH2、SH、CO2H、CHOまたはCH=CH2からなる群から選択される、表面に上記高分子Mを結合させるのに適した末端官能性を有する基である、請求項5記載の高分子化合物。
- スペーサー基Yが、オリゴ糖、多糖、ポリエチレングリコール単位、および末端アミノ基を有する化合物であってアミノアルキル基、(ポリ)アミノ酸、線状ペプチドおよびアミノジアルキル尿素から選択される基を有する化合物からなる群から選択される、請求項5から9のいずれか一項記載の高分子化合物。
- Yが、アミノアルキル基、(ポリ)アミノ基、線状ペプチドまたはアミノジアルキル尿素を表す、請求項10記載の高分子化合物。
- 高分子Mが、蛋白、酵素、抗体、水溶性合成ポリマー、多糖およびポリアミノ酸からなる群から選択される、請求項5から11のいずれか一項記載の高分子化合物。
- 高分子Mが、血清アルブミン(BSA)、セイヨウワサビペルオキシダーゼ(HRP)、アビジン、ストレプトアビジンまたはノイトロアビジン、および免疫グロブリンからなる群から選択される、請求項5から11のいずれか一項記載の高分子化合物。
- 高分子Mが多糖、ポリアクリルアミド、ポリエチレングリコール、ポリ尿素、ポリ酸、ポリエステル、ポリアミドおよびN−(2−ヒドロキシ−プロピル)メタクリルアミド(HMPA)からなる群から選択される、請求項5から11のいずれか一項記載の高分子化合物。
- Rが、メチル、エチル、アリル、アミノ、シアノまたはニトロ基で置換されたグアニジノまたはアミノ基である、請求項1から14のいずれか一項記載の高分子化合物。
- Xが式(2)の化合物であり、式中のRがグアニジンであり、R2がアセチルであり、Wが基O(=CO)NHであり、スペーサーYが6から60の炭素、窒素および酸素原子からなる鎖である、請求項5記載の高分子化合物。
- インフルエンザウイルスノイラミニダーゼの活性部位に特異的に結合し得る、請求項1から16のいずれか一項記載の化合物に、該ウイルスを含むと疑がわれる試料を露出する工程を含む、インフルエンザウイルスの検出方法。
- 上記化合物が共有結合または非特異的結合により表面に結合し、かつこの場合のスペーサー基Yは、ノイラミニダーゼ結合単位Xが高分子Mの表面にさらされてウイルス粒子へと接近できるのに十分な長さを有する、請求項17記載の方法。
- 選択的捕獲アッセイ、選択的検出アッセイ、または選択的捕獲−選択的検出の組み合わせアッセイである、請求項17または18記載の方法。
- 請求項1から5、9、10および14から16のいずれか一項記載の化合物または医薬として容認できるそれらの誘導体を、医薬として容認できる担体と共に含むインフルエンザAまたはインフルエンザBの治療用医薬組成物であって、ノイラミニダーゼに対するこの化合物のID50が5μg/ml未満である組成物。
- この化合物が請求項4記載の化合物である、請求項20記載の組成物。
- 一種または2種以上の追加的治療活性剤をさらに含む、請求項20または21記載の組成物。
- 追加的治療活性剤が抗ウイルス剤である、請求項22記載の組成物。
- 請求項1から5、9、10および14から16のいずれか一項記載の化合物、または医薬として容認できるそれらの誘導体を含む、ヒトを包含する哺乳類におけるインフルエンザ感染の治療剤であって、ノイラミニダーゼに対する上記化合物のID50が5μg/ml未満である治療剤。
- インフルエンザウイルス感染の治療用医薬を製造するための、請求項1から5、9、10および14から16のいずれか一項記載の化合物の使用であって、この化合物のノイラミニダーゼに対するID50が5μg/ml未満であり、上記化合物および医薬的に許容される担体を混合して医薬用処方物の形態とする使用。
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